JPS6122627B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明の一面は食料または飲料用の金属罐の製
法に関し、更に詳しくは引き抜き・再引き抜き金
属形成法による２片罐の製法に関する。本発明の
別の面は引き抜き・再引き抜き鋼罐形成法におけ
る罐本体原料としての押し出し被覆した又はフイ
ルム積層したプラスチツク／金属／プラスチツク
の積層物の使用に関する。 種々の種類および大きさの金属罐は多様の食料
および飲料の包装において広範囲の商業的利用を
見出している。このような食料および飲料の包装
用途において、包装すべき食料または飲料と容器
製造用金属基質との間の直接の接触を避けること
が一般的に望ましい。この目的のために、食料ま
たは飲料の包装用の金属罐は代表的には少なくと
もその内面に比較的不活性な有機物質の被覆が被
覆されている。 歴史的には、このような罐の被覆は代表的には
比較的に低い固体含量の有機溶媒ベースの溶液か
ら析出せしめられるか又は適用される。然しなが
ら、ごく近年において、種々の工場施設からの空
気伝播放出物の実質的な減少を要求する環境の関
心および規制は、このような低い固体含量の有機
溶媒ベー被覆系の使用に際して通常遭遇するより
も実質的に少ない有機溶媒の使用（および従つて
望ましからざる空気伝播有機溶媒放出物の実質的
に少ない可能性）を包含する罐被覆物および罐被
覆法の必要性を促進させた。 上記の環境の関心および溶媒放出の減少のため
の付随的必要に答えて、ある種の水伝播性および
高固体含量有機溶媒ベースの罐被覆用組成物が開
発された。このような水伝播性のおよび高固体有
機溶媒ベースの系はある種の罐製造操作において
（たとえば、３片ロール掛けおよび接合の罐の製
造における被覆として、および引き抜きおよび鉄
罐形成法によつて製造した予め作つたアルミニウ
ムおよび／または鋼の罐の外面および／または内
面を被覆する際に）使用するには性能的に適して
いるようにみえるけれども、それらは予め被覆し
た鋼罐原料を使用する、そしてこのような罐原料
の被覆がその罐形成操作において遭遇するやゝ苛
酷な機械的応力に耐えることが必要とされる、引
き抜き・再引き抜き罐形成法に使用するには一般
的にいつて満足すべきものではない。その上、引
き抜き・再引き抜き罐形成操作に使用するための
罐シートおよびコイル原料の製造に常法的に使用
される有機溶媒または可塑剤ベースのポリ塩化ビ
ニル、エポキシおよびエポキシフエノール系でさ
えも、被覆の失敗なしに耐えることのできる最大
の深さ対直径の延伸比（または延伸の苛酷さ）と
いう点で若干の制限をうける。 上事の事実にかんがみ、本発明の目的は引き抜
き・再引き抜き法による食料または飲料用の鋼罐
の製法の改良を提供し、これによつて罐原料のた
めの有機溶媒ベースの被覆の使用を実質的に減少
またはなくすことにある。また本発明の目的は、
常法の有機溶媒または可塑剤ベースの被覆技術を
使用して現在可能なものと同等またはそれ以上の
深さ対直径の延伸比性能を保持しながら、フイル
ム積層の又は押し出し被覆した鋼シート物質から
滅菌しうる引き抜き・再引き抜き容器を製造しう
る手段を提供することにもある。 ここに使用する“滅菌しうる”なる用語は、約
121℃の温度に保持された熱溶中に充てん罐を長
い期間たとえば１時間またはそれ以上浸漬するこ
とによつて滅菌され処理された食料または飲料を
充てんした罐に代表的に適用される。 これらのおよびその他の目的は本発明に従い、
食料または飲料の罐本体の製造のための引き抜
き・再引き抜き法における被覆罐原料として、少
なくとも121℃の結晶融点をもち且つ高密度ポリ
エチレンと0.5〜15重量％（グラフトコポリマー
基準）の１種またはそれ以上のエチレン性不飽和
カルボン酸モノマーまたはそのエステルまたはそ
の無水物とのグラフトコポリマーから成る接着性
合成熱可塑性樹脂組成物の層を、少なくともも１
つの（好ましくは両方の）主要平面に直接に接着
させた積層した又は押し出し被覆した鋼シート物
質を使用することによつて達成される。任意に、
少なくとも121℃の融点をもつ異なつた合成熱可
塑性樹脂の１つまたはそれ以上の追加層を前記の
接着性合成熱可塑性樹脂層（またはその複数層）
の外表面に使用する（すなわち外表面に接着させ
る）ことによつて鋼シート物質の一面または両面
に多重層合成熱可塑性樹脂被覆を形成させること
もできる。後者の場合、前記の接着性合成熱可塑
性樹脂層は鋼シート物質と直接に接触する内層を
構成し、上記の異なつた合成ポリマー樹脂はこの
ような多重層被覆構造物における最外層を構成す
る。 本発明は、その目的のために有機溶媒または可
塑剤をベースとする被覆への依存度を少なくとも
減少させた滅菌しうる引き抜き・再引き抜きの食
料または飲料用の罐の製造を容易にする点におい
て特に有利である。 その上、フイルム積層または押し出し被覆を鋼
シート物質を主要両平面に使用する場合、本発明
は有機溶媒または可塑剤ゆベースとする被覆系を
全く使用することなしに滅菌しうるプラスチツク
被覆引き抜き・再引き抜きの食料および飲料用の
罐の製造を可能にする。更に本発明は、常法によ
る有機溶媒または可塑剤ベースの罐原料被覆系を
使用して製造した被覆鋼罐シート原料についてえ
られるものと少なくとも匹敵する延伸比性能（す
なわち深さ対直径の延伸比性能）をもつ滅菌しう
る引き抜き・再引き抜き罐の製造を容易にすると
いう点で有利である。更にまた、使用する罐積層
物は主題とする引き抜き・再引き抜き罐形成法に
おいて代表的に使用される外部延伸潤滑剤の使用
を時として除くことができる。 本発明の実施においても、使用する鋼シート物
質の２つの主要表面の少なくとも１つは前記の高
密度ポリエチレングラフトコポリマーの層を直接
これに接着させてもつている。好ましくは、該鋼
シート物質の残りの主要表面も該グラフトコポリ
マーを直接これに接着させてもつている。然しな
がら、別の具体例において、該鋼シート物質の残
りの主要表面はこれに代わつてある他の種類の保
護有機被覆物質たとえば、引き抜き・再引き抜き
の食料または飲料用の罐の製造に使用することの
意図される被覆鋼シート物質に常法的に用いられ
る有機溶媒または可塑剤ベースのポリ塩化ビニ
ル、エポキシまたはエポキシフエノール系、の層
で好適に被覆することもできる。その上、更に別
の具体例において、たとえば食料または飲料用の
罐本体の一面上で（たとえば外側の、食料または
飲料と接触しなあい表面上で）削り抵抗性、グリ
ース抵抗性および鋼シート物質への接着性などの
劣つた程度が容認される場合には、該鋼シート物
質の残りの主要表面はある他の種類の熱可塑性ポ
リマー物質、たとえば、高密度ポリエチレン樹
脂、低密度ポリエチレン樹脂、エチレン／酢酸ビ
ニルコポリマー樹脂、ランダムなエチレン／アク
リル酸コポリマー樹脂など、の層で（たとえば押
し出し被覆またはフイルム積層により）被覆する
ことができる。 本発明の実施に好適に使用される鋼シート物質
は前述の高密度ポリエチレングラフトコポリマー
に対して良好な接着性を示す物質を包含する。こ
のような物質の例としては、食料および飲料用の
容器の製造に有用であることが当業技術で既に知
られている化学的または電気化学的に被覆した
（たとえば電解メツキした）鋼シート原料があ
る。好ましくは、使用する鋼シート物質は非鉄金
属被覆鋼シートたとえばクロム／酸化クロム被覆
鋼（当業技術においてはクロム／酸化クロム被覆
鋼、錫なし鋼、および電解クロム被覆鋼または
“ECCS”と呼ばれている）であり、このものは
鋼シートの主要両平面にクロムおよび酸化クロム
の複合被覆をもつている。これらの種々の種類お
よび形体は当業技術において周知である。 本発明の実施に使用する鋼シート物質の厚さは
常法による引き抜き―再引き抜き罐の製造操作に
使用されるものと一致し、代表的には５〜15ミル
の範囲にある。好ましくはこのような厚さは７〜
10ミルの範囲にある。 既に述べたように、本発明の実施において鋼シ
ート物質の少なくとも１つの主要表面に直接に接
着する被覆層として使用する接着性合成熱可塑性
樹脂組成物は、少なくとも約121℃（好ましくは
121℃より高い）の結晶融点をもち、高密度ポリ
エチレン樹脂と0.5〜15重量％（グラフトコポリ
マー基準）のエチレン性不飽和カルボン酸モノマ
ーとのグラフトコポリマーから成る。このような
組成物は実質的に上記の高密度ポリエチレングラ
フトコポリマーから成ることができ、あるいはま
たこのようなグラフトコポリマーと異種の然し適
合性のある合成熱可塑性樹脂（たとえば高密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレンなど）とのブレ
ンドから成ることもできる。然しえられたブレン
ドは引き抜き―再引き抜き罐形成操作それ自体の
期間中ならびに爾後の食料または飲料用の罐詰め
および／または処理（たとえば滅菌処理）中に使
用する条件において、鋼基質から脱積層するのを
防ぐに十分な接着性を示すものでなければならな
い。好ましくは、このような接着性合成熱可塑性
樹脂組成物は、それぞれの鋼層が６ミルの厚さを
もつ鋼／接着性樹脂／鋼のサンドイツチ構造の形
体でASTMD1876により測定したとき少なくとも
2.7Kg／cm（好ましくは少なくとも3.58Kg／cmそ
して最も好ましくは少なくとも4.5Kg／cm）の周
囲温度（すなわち25℃）での初期90゜剥離強度を
示す。 上記の接着性熱可塑性樹脂組成物中に好適に使
用されるポリエチレングラフトコポリマーの例と
しては、高密度ポリエチレンと0.5〜15重量％好
ましくは0.5〜５重量％（グラフトコポリマー基
準）の１種またはそれ以上のエチレン性不飽和カ
ルボン酸モノマーたとえばエチレン性不飽和―塩
基性または多塩基性カルボン酸（たとえばアクリ
ル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、フマル酸、
マレイン酸、イタコン酸等）；多塩基性エチレン
性不飽和酸の部分エステル（たとえばモノメチル
マレート、モノエチルマレート、モノメチルフマ
レート、モノエチルフマレート、トリプロピレン
グリコールモノメチルエーテル酸マレート等）；
多塩基性エチレン性不飽和カルボン酸無水物（た
とえば無水マレインなど）などとのグラフトコポ
リマーがあげられる。また、上記のグラフトコポ
リマーの部分的中和物も好適に使用しうる。更
に、上記のグラフトコポリマーは実質的にグラフ
ト化エチレンホモポリマーと上記のカルボン酸モ
ノマーとから成ることができ、あるいはグラフト
化用モノマー成分自体および／またはこれとグラ
フト共重合させるべき出発ポリマーは更に少量の
（たとえば約20重量％までの）他種の共重合性モ
ノマーを含むこともできる。 本発明の実施において鋼シート物質の少なくと
も一面に使用することの必要な個々のプラスチツ
ク被覆は上記のグラフトコポリマー接着性樹脂組
成物の単一層で構成することができ、あるいは鋼
表面に直接に接触する内層が接着性樹脂組成物で
あり外層が少なくとも約121℃（好ましくはそれ
以上）の結晶融点をもつ異なつた合成熱可塑性樹
脂組成物から構成されている多重層被覆であるこ
ともできる。 多重層熱可塑性被覆を使用する場合の上記≧
121℃融点の外層に用いるに好適な合成熱可塑性
樹脂の例としては、高密度ポリエチレン（たとえ
ば0.950〜0.965ｇ／c.c.の範囲の密度および0.05〜
５の範囲のメルトインデツクスをもつもの）、ポ
リプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレート、エチレン／プロピレンコポリマーなど
がある。更に、これらの樹脂と低軟化点樹脂（た
とえば低密度ポリエチレン、エチレン／アクリレ
ートコポリマー、エチレン／酢酸ビニルコポリマ
ー、ランダムなエチレン／アクリル酸またはメタ
アクリル酸のコポリマー、イオノマー、塩素化ポ
リエチレンなど）とのブレンドも、えられたブレ
ンドの有効融点が約121℃またはそれ以上に保た
れる限り、使用することができる。多重層プラス
チツク被覆を使用するときに最外層被覆として用
いるのに特に好ましい種類の樹脂は、0.950〜
0.965（好ましくは0.960〜0.965）の密度および
0.05〜５（好ましくは0.05〜３）のメルトインデ
ツクスをもつ高密度ポリエチレン、ならびにこの
ような高密度ポリエチレンと約30重量％（ブレン
ド基準）までの低密度ポリエチレン樹脂とのブレ
ンドである。 本発明の実施において鋼シート物質の少なくと
も１つの主要表面に使用する上記の単一層または
多重層のプラスチツク被覆の合計の厚さは代表的
には0.2〜2.8ミル（好ましくは0.4〜1.6ミル）で
ある。更に、プラスチツク被覆が多重層の構造の
ものであるとき、最内層のグラフトコポリマー接
着性層のそれぞれは代表的には個々の多重層被覆
の全体の厚さの10〜70％（好ましくは20〜40％）
から構成され、最外層は代表的には該多重層被覆
の30〜90％（好ましくは60〜80％）から構成され
る。 使用するプラスチツク被覆が多重層構造のもの
であるとき、個々の層は別々に適用することがで
き、あるいは共押し出し技術により、もしくは多
重層プラスチツク被覆に望まれる種類のあらかじ
め作つた多重層フイルムの積層によつて同時に適
用することもできる。好ましくは、多重層被覆構
造物を使用するときは、個々の層は押し出しまた
は多重層フイルム積層の技術によつて同時に適用
される。 上記の多重層被覆がどのように適用されるかに
は無関係に、えられた積層物を罐形成用の引き抜
き―再引き抜き工程前に、該多重層被覆に使用し
た最高の融点の樹脂の結晶融点より高い温度で短
時間たとえば５分間またはそれ以下の期間、後・
熱処理するのが一般的に好ましい。この後・熱処
理は149〜260℃の温度で0.2〜５分間の期間行な
われる。 既に述べた如く、本発明の重揚な特徴は使用し
たプラスチツク被覆の破損または脱積層なしに滅
菌しうるプラスチツク被覆の引き抜き―再引き抜
き罐本体を提供することにある。従つてグラフト
コポリマー接着性層（ならびに多重層被覆を使用
するときはその任意に使用された異種の外層ポリ
マー層）が少なくとも121℃の融点をもつという
前述の要件は、使用した樹脂が滅菌条件下で流動
性の溶融物にならず、このような食料または飲料
の処理操作中に保護被覆としてその一体性を保つ
ために重要なことである。更に、プラスチツク被
覆の最外表面が（それが上記の接着性グラフトコ
ポリマーであれ、または多重層被覆系における異
種のポリマー外層であれ）水に対しておよび主題
とする引き抜き―再引き抜き罐中に最終的に充て
んされるべき種々の食料および／または飲料に対
して、罐詰め温度において、ならびに罐詰め後の
処理（たとえば滅菌処理）操作中に代表的に使用
する昇温およびこのような食料または飲料の内容
物の最終消費までの貯蔵期間中に遭遇する周囲温
度において、比較的に不活性または鈍感であるこ
ともまた重要なことである。また、使用する熱可
塑性樹脂が(a)このプラスチツク／鋼／プラスチツ
クの積層物からの引き抜きおよび再・引き抜き罐
本体形成中におれに与えられるやゝ苛酷な応力に
耐えるに十分な強度および強靫性、ならびに(b)罐
形成操作中にそこから脱積層するのを防ぐに十分
な鋼基質への接着性、をもつこともまた重要なこ
とである。同様に、多重層被覆を使用するとき
は、その外層樹脂層が罐形成操作自体の期間中に
および食料または飲料の処理操作の期間中にそこ
から脱積層するのを防ぐに十分な内層グラフトコ
ポリマー接着性層への接着性をもつこともまた重
要なことである。ある場合には、たとえば高密度
ポリエチレン外層を上記の高密度ポリエチレン／
カルボン酸グラフトコポリマーの内層と組合せて
使用するときには、このような層と層との間の直
接の層間接着力は一般に罐形成処理自体の期間中
および形成後の食料または飲料の罐詰めおよび処
理操作の期間中に必要な被覆の一体性を保つのに
十分である。然しながら、他の場合には、たとえ
ばナイロン外層をグラフトしたエチレン／エチレ
ン性不飽和カルボン酸のコポリマーの内層と一緒
に使用するときには、このような層間の直接の接
着力は罐形成操作および／または罐詰めおよび処
理操作の期間中に遭遇する応力に耐えるには単独
では十分ではないことがある。それ故、後者のよ
うな場合には、主題とする多重層熱可塑性樹脂被
覆の外層および内層にそれぞれ使用する樹脂組成
物の両方に良好な接着性を示す第３の熱可塑性樹
脂（または樹脂ブレンド）の中間接着性または適
合性の層を使用するのが一般に望ましい。 実際の罐形成操作における上記のプラスチツク
被覆鋼罐原料の使用は、常法による引き抜き―再
引き抜き罐形成技術に従つて一般に行なわれ、そ
して当然このような操作はこのような操作におい
て形成されるべき罐の特定の種類に必要とされる
最終の延伸の深さ（または深さ直径の延伸比）に
依存して単一延伸工程または多段延伸工程のいづ
れかから成りうる。同様に、引き抜き―再引き抜
き罐が本発明により製造された後には、それらは
種々の食料および／または飲料の製品の罐詰め、
処理および貯蔵のために、その意図とする最終の
末端用途において通常の形体で使用される。 本発明の実施を次の実施例により更に説明する
が、これらは本発明を限定するものではない。 実施例 １〜３ これらの実施例において、7.5ミルの厚さをも
つクロム―酸化クロム被覆鋼シートの両面にあら
かじめ作つたプラスチツクフイルムを積層させる
ことによつて一連のプラスチツク／クロム―酸化
クロム被覆鋼／プラスチツクの積層物を製造し
た。積層は鋼シートを約204℃に予熱し、この予
熱鋼シートを２種のプラスチツクフイルムで既に
溝付けされている１セツトの閉鎖ニツプロール中
に通し、そしてこのようにして形成した積層物を
204℃の温度に保持されている熱風オーブン中で
５分間、後・加熱することによつて行なつた。そ
の後、このようにしてえられた積層物を引き抜き
―再引き抜き操作により303×307のサイズの罐本
体に成形し、そしてえられた罐本体を、これにグ
リース（すなわちラード）を充てんし、この充て
ん罐を121℃の温度に１時間さらすことによつ
て、およびオートクレーブ中で121℃で１時間水
蒸気にさらすことによつて、グリースおよび水蒸
気抵抗試験に付した。個々の実施例に使用したフ
イルムならびにこのフイルムで作つた積層物から
形成した罐の水蒸気およびグリース抵抗の結果は
下記の第１表に要約した。

【表】 本発明を種々の特定の実施態様およびそれらの
実施例を参照して記述したけれども、このような
実施例および実施態様は本発明の範囲を限定する
ものと理解されるべきではない。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも121℃の結晶融点をもち且つ高密
   度ポリエチレンと、グラフトコポリマーを基準に
   して、0.5〜15重量％の１種またはそれ以上のエ
   チレン性不飽和カルボン酸モノマーまたはそのエ
   ステルまたはその無水物とのグラフトコポリマー
   から成る接着性合成熱可塑性樹脂組成物の層を、
   鋼シート物質の少なくとも１つの主要表面に直接
   に接着させた積層した又は押し出し被覆した鋼シ
   ート物質から製造した引き抜き容器。 ２ 鋼シート物質がクロム／酸化クロム被覆鋼で
   ある特許請求の範囲第１項記載の容器。 ３ 積層した又は押し出し被覆した鋼シート物質
   が少なくとも121℃の融点をもつ異なつた合成熱
   可塑性樹脂の１つ又はそれ以上の追加層を接着性
   合成熱可塑性樹脂層の外側の面に接着させて成る
   特許請求の範囲第１項または第２項に記載の容
   器。 ４ 積層したまたは押し出し被覆した鋼シート物
   質が更に、少なくとも121℃の結晶融点をもつ高
   密度ポリエチレン樹脂から成る外層熱可塑性樹脂
   層をも含む特許請求の範囲第３項記載の容器。 ５ グラフトコポリマー接着性樹脂層が全体のプ
   ラスチツク被覆の合計の厚さの10〜70％から構成
   される特許請求の範囲第３項または第４項に記載
   の容器。 ６ 外層高密度ポリエチレン樹脂が0.05〜３のメ
   ルトインデツクスおよび0.960〜0.965ｇ／c.c.の密
   度をもつ特許請求の範囲第４項記載の容器。 ７ 接着性合成熱可塑性樹脂組成物のグラフトコ
   ポリマーが高密度ポリエチレン／アクリル酸のグ
   ラフトコポリマーである特許請求の範囲第１項〜
   第６項のいずれか１項に記載の容器。 ８ 鋼シート物質が127〜381μｍ（５〜15ミル）
   の厚さをもつ特許請求の範囲第１項〜第７項のい
   ずれか１項に記載の容器。 ９ 鋼シート物質上のプラスチツク被覆のそれぞ
   れの合計の厚さが５〜71μｍ以上（0.2〜2.8ミ
   ル）である特許請求の範囲第１項〜第８項のいず
   れか１項に記載の容器。 １０ 鋼シート物質がその主要な両平面にグラフ
   トコポリマー接着性樹脂の層を接着させて成る特
   許請求の範囲第１項〜第９項のいずれか１項に記
   載の容器。 １１ 鋼シート物質がその１つの主要表面に該グ
   ラフトコポリマー接着性樹脂の層を接着させ他の
   １つの主要表面に異なつた熱可塑性ポリマー物質
   または通常の保護有機被覆物質を接着させて成る
   特許請求の範囲第１項〜第９項のいずれか１項に
   記載の容器。 １２ それぞれの鋼の層が152μｍ（６ミル）の
   厚さをもつ鋼／接着性樹脂／鋼のサンドイツチ構
   造の形体でASTM D1876により測定したとき、
   該グラフトコポリマー接着性樹脂層が少なくとも
   2.70Kg／cm（15ポンド／インチ）の周囲温度での
   初期90゜剥離強度をもつ特許請求の範囲第１項〜
   第１１項のいずれか１項に記載の容器。 １３ 食料または飲料用の容器として適応させた
   特許請求の範囲第１項〜第１２項のいずれか１項
   に記載の容器。 １４ 少なくとも121℃の結晶融点をもつ且つ高
   密度ポリエチレンと、グラフトコポリマーを基準
   にして、0.5〜15重量％の１種またはそれ以上の
   エチレン性不飽和カルボン酸モノマーまたはその
   エステルまたはその無水物とのグラフトコポリマ
   ーから成る接着性合成熱可塑性樹脂組成物の層
   を、鋼シート物質の少なくとも１つの主要表面に
   直接に接着させた積層した又は押し出し被覆した
   鋼シート物質から引き抜き容器を製造する方法で
   あつて；鋼シート物質の少なくとも１つの平面に
   押し出し被覆またはフイルム積層の技術によりグ
   ラフトコポリマー接着性物の層を含む重合体の被
   覆を接着させ、えられた被覆金属シートを引き抜
   き・再引き抜き罐形成法により罐本体に成形する
   ことから成ることを特徴とする引き抜き容器の製
   造法。 １５ 押し出し被覆した又はフイルム積層した鋼
   シートをその罐本体への形成前に149〜260℃の温
   度において0.2〜５分間、後―加熱する工程を含
   む特許請求の範囲第１４項記載の方法。