JP2000190017A - H形鋼のフランジ冷却装置 - Google Patents
H形鋼のフランジ冷却装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 圧延法によって高強度・高靭性のH形鋼を能
率良く製造可能とするために、H形鋼の仕上げ圧延後に
H形鋼のフランジを強冷却して加速冷却を行うためのH
形鋼のフランジ冷却装置を提供する。 【解決手段】 冷却装置を、H形鋼1の両側フランジ2
をライン両側より挟んで、これを案内するサイドガイド
4に形成された多数の噴射孔3と、サイドガイド4の裏
面側にて多数の噴射孔3を複数のブロック5に画成する
隔壁と、各ブロック5毎に独立して冷却水を供給する複
数のオンオフ制御弁7と、各部ロック毎に独立して流量
を調整する流量制御弁6とから構成した。
率良く製造可能とするために、H形鋼の仕上げ圧延後に
H形鋼のフランジを強冷却して加速冷却を行うためのH
形鋼のフランジ冷却装置を提供する。 【解決手段】 冷却装置を、H形鋼1の両側フランジ2
をライン両側より挟んで、これを案内するサイドガイド
4に形成された多数の噴射孔3と、サイドガイド4の裏
面側にて多数の噴射孔3を複数のブロック5に画成する
隔壁と、各ブロック5毎に独立して冷却水を供給する複
数のオンオフ制御弁7と、各部ロック毎に独立して流量
を調整する流量制御弁6とから構成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延によって
H形鋼を製造する装置において、制御圧延・制御冷却に
よって高強度・高靭性のH形鋼を製造するためのH形鋼
のフランジ冷却装置に関するものである。
H形鋼を製造する装置において、制御圧延・制御冷却に
よって高強度・高靭性のH形鋼を製造するためのH形鋼
のフランジ冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、建築用の材料に対して耐震性に対
する要求が高まっており、建築物の柱材や梁材として用
いられるH形鋼においては、強度や靭性の優れたH形鋼
が求められており、特にその製造法として圧延と冷却と
を組み合わせた制御圧延・制御冷却が盛んに行なわれて
いる。高強度・高靭性の鋼材を製造する一般的な方法と
しては、1000℃以上に加熱したスラブやCCBB(conti
nuous castin beam blank)素材を一旦中程度の厚みまで
粗圧延し、その後、鋼板の温度が未再結晶温度域やある
いはその温度域に近い温度域で最終の仕上げ圧延を行う
いわゆる制御圧延と、圧延後は加速冷却によってAr3 温
度以上から500 ℃程度まで急冷(焼き入れ)することに
よって強度を出す、いわゆる制御冷却が行われている。
する要求が高まっており、建築物の柱材や梁材として用
いられるH形鋼においては、強度や靭性の優れたH形鋼
が求められており、特にその製造法として圧延と冷却と
を組み合わせた制御圧延・制御冷却が盛んに行なわれて
いる。高強度・高靭性の鋼材を製造する一般的な方法と
しては、1000℃以上に加熱したスラブやCCBB(conti
nuous castin beam blank)素材を一旦中程度の厚みまで
粗圧延し、その後、鋼板の温度が未再結晶温度域やある
いはその温度域に近い温度域で最終の仕上げ圧延を行う
いわゆる制御圧延と、圧延後は加速冷却によってAr3 温
度以上から500 ℃程度まで急冷(焼き入れ)することに
よって強度を出す、いわゆる制御冷却が行われている。
【0003】このようなH形鋼のフランジに対して、仕
上げ圧延機の後方において加速冷却装置を設けて制御冷
却を行う従来の技術としては、フランジ内外面から同時
に冷却する方法(特公平5−73806号公報、以下第
1従来例と呼ぶ)、多段にスプレーノズルを配置しこれ
をガイドの後方からガイドに設けたスリットを通してH
形鋼のフランジ外面を冷却する方法(特開平5−317
948号公報、以下第2従来例と呼ぶ)、ノズルの高さ
を変更可能なガイドレールにノズルを取り付け高さを変
更する方法(実開平5−93611号公報、以下第3従
来例と呼ぶ)があった。
上げ圧延機の後方において加速冷却装置を設けて制御冷
却を行う従来の技術としては、フランジ内外面から同時
に冷却する方法(特公平5−73806号公報、以下第
1従来例と呼ぶ)、多段にスプレーノズルを配置しこれ
をガイドの後方からガイドに設けたスリットを通してH
形鋼のフランジ外面を冷却する方法(特開平5−317
948号公報、以下第2従来例と呼ぶ)、ノズルの高さ
を変更可能なガイドレールにノズルを取り付け高さを変
更する方法(実開平5−93611号公報、以下第3従
来例と呼ぶ)があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、図6にH形鋼
各部寸法の名称を示す。H形鋼は、フランジ幅(H)、
フランジ厚み(t2)、ウエブ高さ(B)、ウエブ厚み
(t1)の各寸法が多種にわたるため、多品種のH形鋼を
能率よく製造するために、第1従来例では、フランジ内
面の冷却装置の幅、位置、高さ等を容易に変更可能とす
るか、位置調整自在とする必要があり、さらに、内面に
冷却装置を設けると同装置H形鋼の通過に際して衝突の
危険性があり、安定操業の点で問題があった。
各部寸法の名称を示す。H形鋼は、フランジ幅(H)、
フランジ厚み(t2)、ウエブ高さ(B)、ウエブ厚み
(t1)の各寸法が多種にわたるため、多品種のH形鋼を
能率よく製造するために、第1従来例では、フランジ内
面の冷却装置の幅、位置、高さ等を容易に変更可能とす
るか、位置調整自在とする必要があり、さらに、内面に
冷却装置を設けると同装置H形鋼の通過に際して衝突の
危険性があり、安定操業の点で問題があった。
【0005】また、第2従来例のスプレーノズルを多段
に配置する方法では、フランジ幅(H)の変更に対して
はノズルの段を選択することによって変更可能である
が、加速冷却に必要な強冷却を行うためにはノズルを長
手方向に密に配置する必要がある。そして、通常H形鋼
の搬送にはガイドによって搬送方向をサポートしている
がノズルを密に配置するためにはそのガイドに多くの開
口部を設ける必要があって、サイドガイド自身がガイド
の役割を果たせず、ガイドの開口部に材料が突っ込み搬
送トラブルを起こしたり、材料の衝突よるガイドの破損
が生じたり問題が多いという問題点があった。
に配置する方法では、フランジ幅(H)の変更に対して
はノズルの段を選択することによって変更可能である
が、加速冷却に必要な強冷却を行うためにはノズルを長
手方向に密に配置する必要がある。そして、通常H形鋼
の搬送にはガイドによって搬送方向をサポートしている
がノズルを密に配置するためにはそのガイドに多くの開
口部を設ける必要があって、サイドガイド自身がガイド
の役割を果たせず、ガイドの開口部に材料が突っ込み搬
送トラブルを起こしたり、材料の衝突よるガイドの破損
が生じたり問題が多いという問題点があった。
【0006】従ってノズルを長手方向に密に配置するに
は限度があって例えばフランジ全面を1000〜3000L/mi
n m2 という高水量密度で均一に冷却することは難し
く、近年の制御冷却においては徹底した合金成分の合理
化によって低コスト化、溶接性の向上が求められ、この
ような鋼については5℃/s以上の強冷却が求められて
いる。しかしながら、内面冷却を行わないフランジ外面
のみの冷却では20mm以上のフランジ厚みのH形鋼に
おいては5℃/s以上の強冷却を実現することは難しか
った。
は限度があって例えばフランジ全面を1000〜3000L/mi
n m2 という高水量密度で均一に冷却することは難し
く、近年の制御冷却においては徹底した合金成分の合理
化によって低コスト化、溶接性の向上が求められ、この
ような鋼については5℃/s以上の強冷却が求められて
いる。しかしながら、内面冷却を行わないフランジ外面
のみの冷却では20mm以上のフランジ厚みのH形鋼に
おいては5℃/s以上の強冷却を実現することは難しか
った。
【0007】また、第3従来例のノズルの高さを変更可
能なガイドレールにノズルを取り付け高さを変更する方
法では、ノズルと被冷却部であるフランジとの距離がフ
ランジ幅に応じて変わるため、同じ噴射条件ではフラン
ジ幅の大きいH形鋼の冷却では水量密度が小さくなるた
め、冷却が弱く第2従来例と同様に圧延後の加速冷却に
は不向きであった。また、ノズルがフランジ面から離れ
ると冷却水のフランジ面への衝突力が弱くなって、冷却
水がフランジ面に沿って流下するときにフランジ下部が
過冷却される問題があり、フランジ面の均一冷却が難し
かった。
能なガイドレールにノズルを取り付け高さを変更する方
法では、ノズルと被冷却部であるフランジとの距離がフ
ランジ幅に応じて変わるため、同じ噴射条件ではフラン
ジ幅の大きいH形鋼の冷却では水量密度が小さくなるた
め、冷却が弱く第2従来例と同様に圧延後の加速冷却に
は不向きであった。また、ノズルがフランジ面から離れ
ると冷却水のフランジ面への衝突力が弱くなって、冷却
水がフランジ面に沿って流下するときにフランジ下部が
過冷却される問題があり、フランジ面の均一冷却が難し
かった。
【0008】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたものであり、圧延法によって高強度・高靭性
のH形鋼を能率良く製造可能とするために、H形鋼の仕
上げ圧延後にH形鋼のフランジを強冷却して加速冷却を
行うためのH形鋼のフランジ冷却装置を提供することを
目的とする。
になされたものであり、圧延法によって高強度・高靭性
のH形鋼を能率良く製造可能とするために、H形鋼の仕
上げ圧延後にH形鋼のフランジを強冷却して加速冷却を
行うためのH形鋼のフランジ冷却装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
H形鋼のフランジ冷却装置は、H形鋼の熱間圧延ライン
内の仕上げ圧延機の下流側に配置されて、H形鋼のフラ
ンジを加速冷却するフランジ冷却装置であって、冷却装
置は、H形鋼の両側フランジをライン両側より挟んで、
これを案内するサイドガイドに形成された多数の噴射孔
と、サイドガイドの裏面側にて多数の噴射孔を複数のブ
ロックに画成する隔壁と、各ブロック毎に独立して冷却
水を供給する複数のオンオフ制御弁と、各部ロック毎に
独立して流量を調整する流量制御弁とから構成したもの
である。
H形鋼のフランジ冷却装置は、H形鋼の熱間圧延ライン
内の仕上げ圧延機の下流側に配置されて、H形鋼のフラ
ンジを加速冷却するフランジ冷却装置であって、冷却装
置は、H形鋼の両側フランジをライン両側より挟んで、
これを案内するサイドガイドに形成された多数の噴射孔
と、サイドガイドの裏面側にて多数の噴射孔を複数のブ
ロックに画成する隔壁と、各ブロック毎に独立して冷却
水を供給する複数のオンオフ制御弁と、各部ロック毎に
独立して流量を調整する流量制御弁とから構成したもの
である。
【0010】また、本発明の請求項2に係るH形鋼のフ
ランジ冷却装置は、噴射孔は、その直径が、サイドガイ
ドの厚みよりも小さく設定され、かつ噴出する冷却水の
流れがラミナーフローとなるように流量制御弁で流量が
調整されてなるものである。
ランジ冷却装置は、噴射孔は、その直径が、サイドガイ
ドの厚みよりも小さく設定され、かつ噴出する冷却水の
流れがラミナーフローとなるように流量制御弁で流量が
調整されてなるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態に係
るH形鋼のフランジ冷却装置の構成を示す断面図であ
り、圧延後のH形鋼1をH姿勢で連続的に搬送しながら
その搬送の途中でオンラインでフランジの外面から冷却
水を噴射して冷却を施る構成を示している。
るH形鋼のフランジ冷却装置の構成を示す断面図であ
り、圧延後のH形鋼1をH姿勢で連続的に搬送しながら
その搬送の途中でオンラインでフランジの外面から冷却
水を噴射して冷却を施る構成を示している。
【0012】この実施の形態に係るH形鋼のフランジ冷
却装置は、図1に示すように、H形鋼1のフランジ2の
外面にサイドガイド4を兼ねた、多数の冷却水噴射孔3
が開けられたガイドから冷却水が噴射されている。ま
た、この冷却水噴射孔3から噴射される冷却水は独立に
流量制御とオンオフ制御が可能な複数のブロック5に分
けられており、それぞれのブロック5には流量制御の流
量制御弁6とオンオフ制御弁7が設けられている。この
複数の流量制御可能なブロックの幅は、この冷却装置で
製造されるH形鋼のフランジ幅に対応して複数設けられ
ている。
却装置は、図1に示すように、H形鋼1のフランジ2の
外面にサイドガイド4を兼ねた、多数の冷却水噴射孔3
が開けられたガイドから冷却水が噴射されている。ま
た、この冷却水噴射孔3から噴射される冷却水は独立に
流量制御とオンオフ制御が可能な複数のブロック5に分
けられており、それぞれのブロック5には流量制御の流
量制御弁6とオンオフ制御弁7が設けられている。この
複数の流量制御可能なブロックの幅は、この冷却装置で
製造されるH形鋼のフランジ幅に対応して複数設けられ
ている。
【0013】このように構成されたH形鋼のフランジ冷
却装置では、違ったサイズのフランジ幅のH形鋼の加速
冷却を行うために、それぞれのブロック5のオンオフ制
御弁7をそれぞれ制御することで冷却水を噴射する冷却
幅を変えて効率的に冷却を行うことが可能であり、ま
た、サイドガイド4自身に冷却水噴射孔3があるため
に、ノズルとなる冷却水噴射孔3とH形鋼1が接触して
もノズルは破損することがない。さらに、冷却水噴射孔
3のピッチは任意に選べるので高水量密度、例えば1000
〜3000L/min m2 の冷却を容易に実現できる。
却装置では、違ったサイズのフランジ幅のH形鋼の加速
冷却を行うために、それぞれのブロック5のオンオフ制
御弁7をそれぞれ制御することで冷却水を噴射する冷却
幅を変えて効率的に冷却を行うことが可能であり、ま
た、サイドガイド4自身に冷却水噴射孔3があるため
に、ノズルとなる冷却水噴射孔3とH形鋼1が接触して
もノズルは破損することがない。さらに、冷却水噴射孔
3のピッチは任意に選べるので高水量密度、例えば1000
〜3000L/min m2 の冷却を容易に実現できる。
【0014】また、ノズル自身はラインに対して直角に
進退自在に取り付けられるので常にH形鋼1のフランジ
2と近接したある距離、例えば10〜30mmをおいてノズル
を配置することが可能で、H形鋼1のウエブ高さ(B)
が変更してもノズルとフランジ2の距離を一定に保つべ
くノズルの位置調整が可能で冷却が安定している。従っ
て、スプレーノズルに見られるような流下水によるフラ
ンジ幅方向の冷却ムラもない。
進退自在に取り付けられるので常にH形鋼1のフランジ
2と近接したある距離、例えば10〜30mmをおいてノズル
を配置することが可能で、H形鋼1のウエブ高さ(B)
が変更してもノズルとフランジ2の距離を一定に保つべ
くノズルの位置調整が可能で冷却が安定している。従っ
て、スプレーノズルに見られるような流下水によるフラ
ンジ幅方向の冷却ムラもない。
【0015】また、スプレーノズルから噴射されたアト
マイズ(飛散)状態の噴霧流では、フランジ面への衝突
する液的の速度が速いために盛り上がりが大きくフラン
ジ上端を乗り越える虞れがあるが、円柱状のラミナーフ
ローでは衝突速度が遅いのでそのような盛り上がりは少
ない。また、スプレーノズルから噴射されたアトマイズ
された噴霧流では液滴が四方八方に飛び散り、飛んだ液
滴がフランジを乗り越える虞れがあるが、円柱状のラミ
ナーフローではそのようなことがない。
マイズ(飛散)状態の噴霧流では、フランジ面への衝突
する液的の速度が速いために盛り上がりが大きくフラン
ジ上端を乗り越える虞れがあるが、円柱状のラミナーフ
ローでは衝突速度が遅いのでそのような盛り上がりは少
ない。また、スプレーノズルから噴射されたアトマイズ
された噴霧流では液滴が四方八方に飛び散り、飛んだ液
滴がフランジを乗り越える虞れがあるが、円柱状のラミ
ナーフローではそのようなことがない。
【0016】次に、試験例に基づきこの実施の形態のH
形鋼のフランジ冷却装置によるH形鋼のフランジの冷却
について図1〜図3に基づき説明する。
形鋼のフランジ冷却装置によるH形鋼のフランジの冷却
について図1〜図3に基づき説明する。
【0017】試験例1.図2はこの実施の形態のH形鋼
製造時の設備配置を説明するための説明図、図3はこの
実施の形態における冷却水の流れを説明するための説明
図である。この実施の形態は板厚250 mmのスラブを加熱
炉で1250℃まで加熱し、その後、ブレークダウンミルに
よって該フランジ形状の素材をさらにユニバーサル方式
の粗圧延機でリバース圧延することによってフランジの
各部形状、寸法を整えて、仕上げる製造工程によりH形
鋼を製造するH形鋼の製造ラインにおいて、圧延後のフ
ランジを加速冷却することによって強度をあげる制御冷
却を行っており、加速冷却の条件は770 ℃から500 ℃ま
でを5〜10℃で加速冷却を施すいわゆる制御冷却を行う
H形鋼の鋼板の製造例である。
製造時の設備配置を説明するための説明図、図3はこの
実施の形態における冷却水の流れを説明するための説明
図である。この実施の形態は板厚250 mmのスラブを加熱
炉で1250℃まで加熱し、その後、ブレークダウンミルに
よって該フランジ形状の素材をさらにユニバーサル方式
の粗圧延機でリバース圧延することによってフランジの
各部形状、寸法を整えて、仕上げる製造工程によりH形
鋼を製造するH形鋼の製造ラインにおいて、圧延後のフ
ランジを加速冷却することによって強度をあげる制御冷
却を行っており、加速冷却の条件は770 ℃から500 ℃ま
でを5〜10℃で加速冷却を施すいわゆる制御冷却を行う
H形鋼の鋼板の製造例である。
【0018】図2に示すように、加熱炉9から抽出され
た厚み250 mmの第1のスラブは搬送テーブルを送られて
ブレークダウンミル10に送られて該H形鋼形状の素材
に圧延された後、第1の粗圧延機群11及び第2の粗圧
延機群12においてリバース圧延によってH形鋼の各部
寸法を圧延成形すると共に、圧延温度を特定の温度領域
で特定の圧下率で圧延を施す制御圧延が行われている。
そして、粗圧延後のH形鋼は直ちに仕上げ圧延機13に
送られてフランジを垂直にたてる圧延が施され、約900
℃で仕上げ圧延が完了した。
た厚み250 mmの第1のスラブは搬送テーブルを送られて
ブレークダウンミル10に送られて該H形鋼形状の素材
に圧延された後、第1の粗圧延機群11及び第2の粗圧
延機群12においてリバース圧延によってH形鋼の各部
寸法を圧延成形すると共に、圧延温度を特定の温度領域
で特定の圧下率で圧延を施す制御圧延が行われている。
そして、粗圧延後のH形鋼は直ちに仕上げ圧延機13に
送られてフランジを垂直にたてる圧延が施され、約900
℃で仕上げ圧延が完了した。
【0019】その後直ちに、図1で示したこの実施の形
態のフランジ冷却装置14に送られ、フランジ2外面を
冷却して加速冷却が施された。このフランジ冷却装置は
長さが40mの通過型の冷却装置であるが、40m未満の長
さのH形鋼はフランジ冷却装置内でオッシレーションさ
せることによって長時間の冷却可能な冷却装置である。
態のフランジ冷却装置14に送られ、フランジ2外面を
冷却して加速冷却が施された。このフランジ冷却装置は
長さが40mの通過型の冷却装置であるが、40m未満の長
さのH形鋼はフランジ冷却装置内でオッシレーションさ
せることによって長時間の冷却可能な冷却装置である。
【0020】また、サイドガイド4は高さ550 mmでガイ
ドの肉厚は15mmの鋼板である。この鋼板に直径3mmの冷
却水噴射孔3が20mmピッチで千鳥状に開けられている。
この時、噴射した冷却水が冷却水噴射孔出口でアトマイ
ズしないようにサイドガイド4にあけた冷却水噴射孔3
はストレートの直管で冷却水噴射孔入り口と出口は面取
りがなされている。これは、冷却水が冷却水噴射孔出口
近傍でアトマイズすると冷却水が上方へ飛び散り、液滴
がフランジを乗り越えることを避けるためである。
ドの肉厚は15mmの鋼板である。この鋼板に直径3mmの冷
却水噴射孔3が20mmピッチで千鳥状に開けられている。
この時、噴射した冷却水が冷却水噴射孔出口でアトマイ
ズしないようにサイドガイド4にあけた冷却水噴射孔3
はストレートの直管で冷却水噴射孔入り口と出口は面取
りがなされている。これは、冷却水が冷却水噴射孔出口
近傍でアトマイズすると冷却水が上方へ飛び散り、液滴
がフランジを乗り越えることを避けるためである。
【0021】すなわち、この実施の形態のフランジ冷却
装置で用いられている冷却水の流れは、図3の(a)に
示すように、水道の蛇口から流下するような柱状の冷却
水の流れが望ましく、スプレーノズルのようにノズル出
口で冷却水が乱れてアトマイズしてしまうような流れ
(図3の(b))は、望ましくない。これは、飛び散っ
た液滴がフランジを乗り越えることを避けるための他、
H形鋼−フランジ間に充満した冷却水の中を噴流が突き
破ってフランジ外面に新鮮な冷却水が供給され、強冷却
と均一冷却を実現させることから重要である。また、図
3の(a)に示すように水道の蛇口から流下するような
柱状の冷却水の流れを得るためには、サイドガイド4に
設けた冷却水噴射孔3の長さは、最低でも5 mm、望まし
くは10mm程度必要である。ただし、長すぎると噴射の際
の圧力損失が大きいのでこの実施の形態では10mmとして
いる。
装置で用いられている冷却水の流れは、図3の(a)に
示すように、水道の蛇口から流下するような柱状の冷却
水の流れが望ましく、スプレーノズルのようにノズル出
口で冷却水が乱れてアトマイズしてしまうような流れ
(図3の(b))は、望ましくない。これは、飛び散っ
た液滴がフランジを乗り越えることを避けるための他、
H形鋼−フランジ間に充満した冷却水の中を噴流が突き
破ってフランジ外面に新鮮な冷却水が供給され、強冷却
と均一冷却を実現させることから重要である。また、図
3の(a)に示すように水道の蛇口から流下するような
柱状の冷却水の流れを得るためには、サイドガイド4に
設けた冷却水噴射孔3の長さは、最低でも5 mm、望まし
くは10mm程度必要である。ただし、長すぎると噴射の際
の圧力損失が大きいのでこの実施の形態では10mmとして
いる。
【0022】このように、冷却水の流れを円柱状のラミ
ナーフローとするためには、冷却水噴射孔3における冷
却水の出口流速を1〜20 m/s、望ましくは2〜5 m/sと
する。これは、1 m/s以下では、冷却水が勢いが弱くフ
ランジ外面に到達しにくく、20 m/s以上では流れが乱れ
て飛び散る虞れがあるためである。
ナーフローとするためには、冷却水噴射孔3における冷
却水の出口流速を1〜20 m/s、望ましくは2〜5 m/sと
する。これは、1 m/s以下では、冷却水が勢いが弱くフ
ランジ外面に到達しにくく、20 m/s以上では流れが乱れ
て飛び散る虞れがあるためである。
【0023】さらに、この実施の形態のフランジ冷却装
置の冷却水噴射孔3は複数のブロック5に分割されてお
り、それぞれのブロック5は冷却水を独立に流量制御か
つオンオフ制御すべく流量制御弁6やオンオフ制御弁7
が設けられている。この弁を調整することによってフラ
ンジ冷却装置は10の段に分けられており、それぞれの
段の幅が50mmになっており通常製造するフランジ幅B15
0 、200 、250 、300、350 、400 、500 mmのそれぞれ
について冷却幅を制御することが可能である。もちろ
ん、各段の噴射冷却水量を変更することでフランジ幅方
向の冷却能を変更することも可能で、幅内の温度偏差を
解消し上下の曲がり防止や材質のバラツキを低減するこ
とも可能である。
置の冷却水噴射孔3は複数のブロック5に分割されてお
り、それぞれのブロック5は冷却水を独立に流量制御か
つオンオフ制御すべく流量制御弁6やオンオフ制御弁7
が設けられている。この弁を調整することによってフラ
ンジ冷却装置は10の段に分けられており、それぞれの
段の幅が50mmになっており通常製造するフランジ幅B15
0 、200 、250 、300、350 、400 、500 mmのそれぞれ
について冷却幅を制御することが可能である。もちろ
ん、各段の噴射冷却水量を変更することでフランジ幅方
向の冷却能を変更することも可能で、幅内の温度偏差を
解消し上下の曲がり防止や材質のバラツキを低減するこ
とも可能である。
【0024】このフランジ冷却装置に2つのサイズの圧
延直後のH形鋼を通過させて加速冷却を行った。第1の
H形鋼はウエブ高さHが572 mm、フランジ幅Bが510 m
m、ウエブ厚みが60mm、フランジ厚み80mm、長さが13m
で、仕上がり時のフランジは830 ℃であった。このH形
鋼をこの実施の形態のフランジ冷却装置に挿入し、後端
がフランジ冷却装置内に入ったと同時に全段の冷却水噴
射孔3から冷却水を噴射開始し、オッシレーションさせ
ながら120 秒冷却した。
延直後のH形鋼を通過させて加速冷却を行った。第1の
H形鋼はウエブ高さHが572 mm、フランジ幅Bが510 m
m、ウエブ厚みが60mm、フランジ厚み80mm、長さが13m
で、仕上がり時のフランジは830 ℃であった。このH形
鋼をこの実施の形態のフランジ冷却装置に挿入し、後端
がフランジ冷却装置内に入ったと同時に全段の冷却水噴
射孔3から冷却水を噴射開始し、オッシレーションさせ
ながら120 秒冷却した。
【0025】この時、フランジ上端を冷却水が乗り越え
ることはなかった。なお、この時の冷却水の水量密度は
1500L/min m2 とした。そして、冷却後、復熱した後
のフランジ温度を計測したところ500 ℃であってフラン
ジ幅方向に、長手方向ともに均一な温度であった。冷却
後、材質を調べたところ、当初予定の加速冷却効果が確
認された。
ることはなかった。なお、この時の冷却水の水量密度は
1500L/min m2 とした。そして、冷却後、復熱した後
のフランジ温度を計測したところ500 ℃であってフラン
ジ幅方向に、長手方向ともに均一な温度であった。冷却
後、材質を調べたところ、当初予定の加速冷却効果が確
認された。
【0026】第2のH形鋼はウエブ高さHが300 mm、フ
ランジ幅Bが300 mm、ウエブ厚みが16mm、フランジ厚み
28mm、長さが46mで、仕上がり時のフランジは920 ℃で
あった。このH形鋼を冷却水を既に噴射させたこの実施
の形態のフランジ冷却装置に搬送速度1.6 m/s で通過さ
せた。
ランジ幅Bが300 mm、ウエブ厚みが16mm、フランジ厚み
28mm、長さが46mで、仕上がり時のフランジは920 ℃で
あった。このH形鋼を冷却水を既に噴射させたこの実施
の形態のフランジ冷却装置に搬送速度1.6 m/s で通過さ
せた。
【0027】なお、この時の下から6段の冷却ブロック
から冷却水を噴射させ、ちょうど300 mmのフランジが全
面冷却されるように上部4段の冷却ブロックの弁をオフ
とし、冷却水の水量密度は1500L/min m2 とした。そ
して、通過した後、復熱した状態のフランジ温度を計測
したところ、545 ℃であり、フランジ幅方向に、長手方
向ともに均一な温度であった。冷却後、材質を調べたと
ころ、当初予定の加速冷却効果が確認された。
から冷却水を噴射させ、ちょうど300 mmのフランジが全
面冷却されるように上部4段の冷却ブロックの弁をオフ
とし、冷却水の水量密度は1500L/min m2 とした。そ
して、通過した後、復熱した状態のフランジ温度を計測
したところ、545 ℃であり、フランジ幅方向に、長手方
向ともに均一な温度であった。冷却後、材質を調べたと
ころ、当初予定の加速冷却効果が確認された。
【0028】以上の操業を続けることで圧延機の稼働率
を高く維持しながら様々なサイズのH形鋼を連続的に処
理可能で、その際、冷却ブロックの弁の開閉を行うだけ
で異なったサイズの加速冷却処理が可能であった。この
方法であれば粗圧延、あるいは仕上げ圧延のピッチであ
る2分〜2分30秒毎にH形鋼の連続的な圧延製造が可
能である。
を高く維持しながら様々なサイズのH形鋼を連続的に処
理可能で、その際、冷却ブロックの弁の開閉を行うだけ
で異なったサイズの加速冷却処理が可能であった。この
方法であれば粗圧延、あるいは仕上げ圧延のピッチであ
る2分〜2分30秒毎にH形鋼の連続的な圧延製造が可
能である。
【0029】比較例1.この実施の形態の比較例として
多段ノズルから冷却水をフランジに噴射し、フランジの
冷却を行った場合の加速冷却の例を図4に示し、以下説
明する。この比較例は、搬送中のH形鋼の両フランジ2
の外側にガイド15を設けて、そのガイド15には幅20
mm高さ500 mmの冷却水を噴射するスリット状の孔16が
200 mmピッチで開けられている。そして、それぞれのス
リット状の孔16の外側には10段の市販の角吹きスプ
レーノズル17が設置されている。
多段ノズルから冷却水をフランジに噴射し、フランジの
冷却を行った場合の加速冷却の例を図4に示し、以下説
明する。この比較例は、搬送中のH形鋼の両フランジ2
の外側にガイド15を設けて、そのガイド15には幅20
mm高さ500 mmの冷却水を噴射するスリット状の孔16が
200 mmピッチで開けられている。そして、それぞれのス
リット状の孔16の外側には10段の市販の角吹きスプ
レーノズル17が設置されている。
【0030】そして、それぞれのノズルはH形鋼のフラ
ンジ面で幅30mm×高さ50mmの面積を冷却するようにその
噴射角度が選定されている。従って、フランジ幅H=20
0 mmのH形鋼に対しては下4段のノズルから、H=500
mmのH形鋼に対しては全段のノズルから冷却水を噴射し
ている。なお、この時の各ノズルからの噴射水量は15
L/分、フランジ面での水量密度は冷却水が当たってい
る部分は約10000 L/m2 分である。
ンジ面で幅30mm×高さ50mmの面積を冷却するようにその
噴射角度が選定されている。従って、フランジ幅H=20
0 mmのH形鋼に対しては下4段のノズルから、H=500
mmのH形鋼に対しては全段のノズルから冷却水を噴射し
ている。なお、この時の各ノズルからの噴射水量は15
L/分、フランジ面での水量密度は冷却水が当たってい
る部分は約10000 L/m2 分である。
【0031】しかしながら、長手方向にはノズルピッチ
が200 mmであるので冷却能力としてはフランジ厚み25mm
で冷却速度が4.2 ℃/sであり、加速冷却としては8〜
10℃/s必要であるが、この冷却装置では冷却が不足し
ていた。さらに、ノズル配管施工上ノズルピッチは200
mmよりも短くすることは不可能であったのでこの装置で
は加速冷却装置としては能力が不十分であった。
が200 mmであるので冷却能力としてはフランジ厚み25mm
で冷却速度が4.2 ℃/sであり、加速冷却としては8〜
10℃/s必要であるが、この冷却装置では冷却が不足し
ていた。さらに、ノズル配管施工上ノズルピッチは200
mmよりも短くすることは不可能であったのでこの装置で
は加速冷却装置としては能力が不十分であった。
【0032】また、ノズルピッチを200 mmよりも短くす
るとガイドの強度が冷却水の噴射孔によって不足し、H
形鋼の衝突によってガイドが容易に変形する、あるいは
H形鋼のスムースな搬送が難しいという問題があった。
るとガイドの強度が冷却水の噴射孔によって不足し、H
形鋼の衝突によってガイドが容易に変形する、あるいは
H形鋼のスムースな搬送が難しいという問題があった。
【0033】また、加速冷却として必要な冷却能力8〜
10℃/sを得るためにはフランジ外面のみならず内面か
らの冷却が必要であった。フランジ内面に冷却装置を設
けることを想定すると、H形鋼のサイズ変更に対し、そ
の内法を変更する、高さを変更する等の駆動が必要で、
かつH形鋼との衝突を防止するためのガイド設置等、設
備繋が膨大となる問題があった。
10℃/sを得るためにはフランジ外面のみならず内面か
らの冷却が必要であった。フランジ内面に冷却装置を設
けることを想定すると、H形鋼のサイズ変更に対し、そ
の内法を変更する、高さを変更する等の駆動が必要で、
かつH形鋼との衝突を防止するためのガイド設置等、設
備繋が膨大となる問題があった。
【0034】比較例2.この実施の形態のもう1つの比
較例として斜めに設けたガイド上をノズルを上下方向に
移動させて、異なるフランジ幅のH形鋼の冷却を行う例
を図5に示し、以下説明する。この比較例は、搬送中の
H形鋼の両フランジ2の外側にガイド15を設けて、そ
のガイドには幅20mm高さ500 mmの冷却水を噴射するスリ
ット状の孔16が200mmピッチで開けられ、それぞれの
孔の外側には水平面に対して角度35°のスライドガイ
ド18があり、それの上を噴射角度30のノズル17を移
動してフランジの冷却の高さを100 〜500 mmまで変更可
能となっている。
較例として斜めに設けたガイド上をノズルを上下方向に
移動させて、異なるフランジ幅のH形鋼の冷却を行う例
を図5に示し、以下説明する。この比較例は、搬送中の
H形鋼の両フランジ2の外側にガイド15を設けて、そ
のガイドには幅20mm高さ500 mmの冷却水を噴射するスリ
ット状の孔16が200mmピッチで開けられ、それぞれの
孔の外側には水平面に対して角度35°のスライドガイ
ド18があり、それの上を噴射角度30のノズル17を移
動してフランジの冷却の高さを100 〜500 mmまで変更可
能となっている。
【0035】この時、長手方向の冷却幅はガイドに設け
たスリット状の孔16の幅でその広がりが制約されるた
めに冷却幅は30〜35mmである。この冷却装置にフランジ
幅H=200 mmのH形鋼とH=500 mmのH形鋼を通過させ
て冷却を行った。なお、この時の各ノズルからの噴射水
量は100 L/分、冷却水が当たっている部分の水量密度
は、フランジ幅H=200 mmの場合、約15000 L/m2 、
フランジ幅H=500 mmの場合、約5000L/m2 分で、水
量密度はノズルがフランジ面から離れるにつれて小さく
なっている。
たスリット状の孔16の幅でその広がりが制約されるた
めに冷却幅は30〜35mmである。この冷却装置にフランジ
幅H=200 mmのH形鋼とH=500 mmのH形鋼を通過させ
て冷却を行った。なお、この時の各ノズルからの噴射水
量は100 L/分、冷却水が当たっている部分の水量密度
は、フランジ幅H=200 mmの場合、約15000 L/m2 、
フランジ幅H=500 mmの場合、約5000L/m2 分で、水
量密度はノズルがフランジ面から離れるにつれて小さく
なっている。
【0036】しかしながら、冷却能力はフランジ厚み25
mmのH形鋼に対して、フランジ幅H=200 mmの場合、冷
却速度が5.3 ℃/s、フランジ幅H=500 mmの場合、冷
却速度が2.5 ℃/sであり、加速冷却としては8〜10℃
/s必要であるがこの冷却装置では冷却が不足してい
た。さらに、ノズル配管施工上ノズルピッチは200 mmよ
りも短くすることは不可能であったのでこの装置では加
速冷却装置としては能力が不十分であった。
mmのH形鋼に対して、フランジ幅H=200 mmの場合、冷
却速度が5.3 ℃/s、フランジ幅H=500 mmの場合、冷
却速度が2.5 ℃/sであり、加速冷却としては8〜10℃
/s必要であるがこの冷却装置では冷却が不足してい
た。さらに、ノズル配管施工上ノズルピッチは200 mmよ
りも短くすることは不可能であったのでこの装置では加
速冷却装置としては能力が不十分であった。
【0037】また、ノズルピッチを200 mmよりも短くす
るとガイドの強度が冷却水の噴射孔によって不足し、H
形鋼の衝突によってガイドが容易に変形する、あるいは
H形鋼のスムースな搬送が難しいという問題があるので
ピッチを200 mm以下とすることは難しかった。
るとガイドの強度が冷却水の噴射孔によって不足し、H
形鋼の衝突によってガイドが容易に変形する、あるいは
H形鋼のスムースな搬送が難しいという問題があるので
ピッチを200 mm以下とすることは難しかった。
【0038】この実施の形態では、サイドガイド4を兼
ねた、多数の冷却水噴射孔3が開けられたガイドから冷
却水が噴射するようにしたので、1つの冷却装置で連続
的にフランジ幅の異なるH形鋼の加速冷却を行うことが
可能となり、特に、冷却水がフランジ外面に効率よく到
達するので冷却効率が高く、安定した加速冷却が可能と
なり、製品長さが冷却装置よりも長い材料は、通過形の
冷却を行うことで、また製品の長さが冷却装置よりも短
い材料は、滞在型の冷却を行うことで精度のよい、省水
量型の冷却が可能となり、サイズの異なるH形鋼の加速
冷却を連続的に能率を疎外することなく冷却することが
可能となる。
ねた、多数の冷却水噴射孔3が開けられたガイドから冷
却水が噴射するようにしたので、1つの冷却装置で連続
的にフランジ幅の異なるH形鋼の加速冷却を行うことが
可能となり、特に、冷却水がフランジ外面に効率よく到
達するので冷却効率が高く、安定した加速冷却が可能と
なり、製品長さが冷却装置よりも長い材料は、通過形の
冷却を行うことで、また製品の長さが冷却装置よりも短
い材料は、滞在型の冷却を行うことで精度のよい、省水
量型の冷却が可能となり、サイズの異なるH形鋼の加速
冷却を連続的に能率を疎外することなく冷却することが
可能となる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のH形鋼のフ
ランジ冷却装置によれば、冷却装置を、H形鋼の両側フ
ランジをライン両側より挟んで、これを案内するサイド
ガイドに形成された多数の噴射孔と、サイドガイドの裏
面側にて多数の噴射孔を複数のブロックに画成する隔壁
と、各ブロック毎に独立して冷却水を供給する複数のオ
ンオフ制御弁と、各部ロック毎に独立して流量を調整す
る流量制御弁とから構成したので、1つの冷却装置で連
続的にフランジ幅の異なるH形鋼の加速冷却を行うこと
ができ、特に、冷却水がフランジ外面に効率よく到達す
るので冷却効率が高く、安定した加速冷却ができ、製品
長さが冷却装置よりも長い材料は、通過型の冷却を行う
ことで、また製品の長さが冷却装置よりも短い材料は、
滞在型の冷却を行うことで精度のよい、省水量型の冷却
ができ、サイズの異なるH形鋼の加速冷却を連続的に能
率を疎外することなく冷却することができるという効果
を有する。
ランジ冷却装置によれば、冷却装置を、H形鋼の両側フ
ランジをライン両側より挟んで、これを案内するサイド
ガイドに形成された多数の噴射孔と、サイドガイドの裏
面側にて多数の噴射孔を複数のブロックに画成する隔壁
と、各ブロック毎に独立して冷却水を供給する複数のオ
ンオフ制御弁と、各部ロック毎に独立して流量を調整す
る流量制御弁とから構成したので、1つの冷却装置で連
続的にフランジ幅の異なるH形鋼の加速冷却を行うこと
ができ、特に、冷却水がフランジ外面に効率よく到達す
るので冷却効率が高く、安定した加速冷却ができ、製品
長さが冷却装置よりも長い材料は、通過型の冷却を行う
ことで、また製品の長さが冷却装置よりも短い材料は、
滞在型の冷却を行うことで精度のよい、省水量型の冷却
ができ、サイズの異なるH形鋼の加速冷却を連続的に能
率を疎外することなく冷却することができるという効果
を有する。
【図1】本発明の一実施の形態に係るH形鋼のフランジ
冷却装置の構成を示す断面図である。
冷却装置の構成を示す断面図である。
【図2】実施の形態のH形鋼製造時の設備配置を説明す
るための説明図である。
るための説明図である。
【図3】実施の形態における冷却水の流れを説明するた
めの説明図である。
めの説明図である。
【図4】比較例1の冷却装置の構成を説明するための説
明図である。
明図である。
【図5】比較例2の冷却装置の構成を説明するための説
明図である。
明図である。
【図6】H形鋼各部寸法の名称を説明するための説明図
である。
である。
1 H形鋼 2 フランジ 3 冷却水噴射孔 4 サイドガイド 5 ブロック 6 流量制御弁 7 オンオフ制御弁 8 ウエブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 槙ノ原 操 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 有村 鶴和 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 藤井 幸生 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K034 AA04 AA10 BA02 CA01 DA06 DB03 DB04 FA05 FB03 FB04 FB05 4K038 AA00 BA01 CA03 DA01 EA01 FA02
Claims (2)
- 【請求項1】 H形鋼の熱間圧延ライン内の仕上げ圧延
機の下流側に配置されて、該H形鋼のフランジを加速冷
却するフランジ冷却装置であって、 該冷却装置は、前記H形鋼の両側フランジをライン両側
より挟んで、これを案内するサイドガイドに形成された
多数の噴射孔と、 前記サイドガイドの裏面側にて前記多数の噴射孔を複数
のブロックに画成する隔壁と、 前記各ブロック毎に独立して冷却水を供給する複数のオ
ンオフ制御弁と、 前記各部ロック毎に独立して流量を調整する流量制御弁
とから構成したことを特徴とするH形鋼のフランジ冷却
装置。 - 【請求項2】 前記噴射孔は、その直径が、前記サイド
ガイドの厚みよりも小さく設定され、かつ噴出する冷却
水の流れがラミナーフローとなるように前記流量制御弁
にて流量が調整されてなることを特徴とする請求項1記
載のH形鋼のフランジ冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10367129A JP2000190017A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | H形鋼のフランジ冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10367129A JP2000190017A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | H形鋼のフランジ冷却装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000190017A true JP2000190017A (ja) | 2000-07-11 |
Family
ID=18488537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10367129A Pending JP2000190017A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | H形鋼のフランジ冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000190017A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006281220A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Jfe Steel Kk | H形鋼の冷却設備及び冷却方法 |
JP2006289407A (ja) * | 2005-04-08 | 2006-10-26 | Jfe Steel Kk | H形鋼の冷却設備および冷却方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS455604Y1 (ja) * | 1969-06-26 | 1970-03-18 | ||
JPH0452020A (ja) * | 1990-06-21 | 1992-02-20 | Nippon Steel Corp | H形鋼のフランジ冷却装置 |
JPH0910820A (ja) * | 1995-06-30 | 1997-01-14 | Nkk Corp | 形鋼の冷却方法およびその装置 |
-
1998
- 1998-12-24 JP JP10367129A patent/JP2000190017A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS455604Y1 (ja) * | 1969-06-26 | 1970-03-18 | ||
JPH0452020A (ja) * | 1990-06-21 | 1992-02-20 | Nippon Steel Corp | H形鋼のフランジ冷却装置 |
JPH0910820A (ja) * | 1995-06-30 | 1997-01-14 | Nkk Corp | 形鋼の冷却方法およびその装置 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006281220A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Jfe Steel Kk | H形鋼の冷却設備及び冷却方法 |
JP4682669B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2011-05-11 | Jfeスチール株式会社 | H形鋼の冷却設備及び冷却方法 |
JP2006289407A (ja) * | 2005-04-08 | 2006-10-26 | Jfe Steel Kk | H形鋼の冷却設備および冷却方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20021217 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060529 |