JP2000189451A - 冷却ゲルシ―トキットおよびその使用方法 - Google Patents

冷却ゲルシ―トキットおよびその使用方法

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JP2000189451A JP10373343A JP37334398A JP2000189451A JP 2000189451 A JP2000189451 A JP 2000189451A JP 10373343 A JP10373343 A JP 10373343A JP 37334398 A JP37334398 A JP 37334398A JP 2000189451 A JP2000189451 A JP 2000189451A
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作 一 朗 矢
Hitoshi Tsukimura
村 仁 月
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田 洋 一 仲
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の冷却ゲルシートキットは、支持体
(a)と、この支持体(a)の少なくとも一方の面に配置され
た含水ゲル層とを有する冷却ゲルシートと、この冷却ゲ
ルシートの被着体に貼着されない側に配置することによ
りこの冷却ゲルシートに水分を供給する給水シートから
なる冷却ゲルシートキットであり、該給水シートが、支
持体(b)と、該支持体(b)の少なくとも一方の面に配置さ
れた給水層とを有することを特徴としている。また、本
発明の冷却ゲルシートキットの使用方法は、冷却ゲルシ
ートを被着体に貼着した後、この冷却ゲルシートの水分
が蒸散した時点で冷却ゲルシートの上に給水シートを積
層して冷却ゲルシートに新たに水分を供給することを特
徴としている。 【効果】本発明の冷却ゲルシートキットによれば、冷却
ゲルシートからの水の蒸散により冷却能力が低下した時
点で給水シートを積層することで、冷却ゲルシートを長
時間にわたり使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は発熱時等に貼る冷却ゲルシ
ートに関する。さらに詳しくは本発明は、長時間にわた
って冷却作用を維持することができる冷却ゲルシートに
関する。
【0002】
【従来技術】乳幼児の急な発熱等に際して、含水した布
等に冷やすのが古くから行われている治療法である。し
かしながら、こうした含水した布等は、その冷却時間が
短く、頻繁に取り替える必要があり、また単に前頭部な
どに乗せるだけであり皮膚に対して粘着性がないので皮
膚に密着せず、頻繁に含水布を置き直す必要があった。
【0003】こうした状況下に、不織布等の支持体に含
有ポリマーゲルからなる保水層を設けた冷却ゲルシート
が開発され、既に市販されている。このような冷却ゲル
シートは、含水ポリマーゲルが粘着性を有することか
ら、前頭部などの冷却部分に貼り付けることで、乳幼児
が動いてもはがれることがなく、この冷却ゲルシートの
有する冷却可能時間そのまま放置することができる。
【0004】このような冷却ゲルシートは、不織布等で
形成された支持体と、この支持体の表面に設けられた含
水ポリマーゲル層とからなり、この含水ポリマーゲル層
中の水が蒸発する際の水の蒸発熱によって冷却する。従
って、含水ポリマーゲル層中に含有される水の量が多い
ほど冷却可能時間は長くなる。
【0005】このような含水ポリマーゲル層は、一般
に、アクリル系樹脂系の吸水性ポリマーなどの高含水ポ
リマーに、ゼラチン、グリセリン等の保水剤を配合して
形成されており、この層の含水率は、通常は70〜90
重量%程度である。このような含水率の含水ポリマーゲ
ル層による冷却可能時間は2時間程度である。そして、
これ以上水の含有率を高くすると、吸水性ポリマーの許
容含水量を超えてしまい、含水ポリマーゲル層の安定性
が悪くなり、例えば、吸水ポリマーゲル層が皮膚側に貼
着するなどの不都合が生ずる。
【0006】従って、従来の冷却ゲルシートは、おおよ
そ2時間ごとに貼り替えが必要であった。また、近時、
高吸水性のポリマーを用いて含水ポリマーゲル層の含水
率を高くして4時間程度冷却能力が維持されるとした冷
却ゲルシートも市販され始めているが、こうした冷却ゲ
ルシートは、含水ポリマーゲル層が不安定で、含水ポリ
マーゲルが皮膚側に貼着して皮膚表面に残留したり、ま
た、実際に使用してみると冷却時間も従来の冷却ゲルシ
ートと比較してそれほど長くはならない。
【0007】
【発明の目的】本発明は、冷却時間の長い冷却ゲルシー
トキットを提供することを目的としている。さらに詳し
くは本発明は、含水ポリマーの含水能力を超えて、水分
を含有することができ、その冷却可能時間の長い冷却ゲ
ルシートキットを提供することを目的としている。
【0008】また、本発明は、こうした冷却ゲルシート
キットの新たな使用方法を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【発明の概要】本発明の冷却ゲルシートキットは、支持
体(a)と、該支持体(a)の少なくとも一方の面に配置され
た含水ゲル層とを有する冷却ゲルシートと、該冷却ゲル
シートの被着体に貼着されない側に配置することにより
該冷却ゲルシートに水分を供給する給水シートとからな
る冷却ゲルシートキットであり、該給水シートが冷却ゲ
ルシートに供給可能な水分を含有する給水層を有するこ
とを特徴としている。
【0010】また、本発明の冷却ゲルシートキットは、
支持体(a)と、該支持体(a)の少なくとも一方の面に配置
された含水ゲル層とを有する冷却ゲルシートを被着体に
貼着して該含水ゲル層中に含有される水分の少なくとも
一部を蒸散させた後、該冷却ゲルシートの被着体に貼着
していない冷却ゲルシートの表面に、冷却ゲルシートに
供給可能な水分を含有する給水層とを有する給水シート
の給水層が接するように配置して、該給水シートの吸水
層に含有される水分を、冷却ゲルシート側に移行させて
該冷却ゲル層による冷却能力を維持するようにして使用
される。
【0011】本発明の冷却ゲルシートは、従来の冷却ゲ
ルシートでは、冷却時間を長く維持するために含水ゲル
層中の含水率を高くすることにより生ずる冷却ゲル層が
不安定になるのを防止するものであり、被着体である皮
膚に貼着される部分の含水ゲル層には、この含水ゲル層
を安定に保持できる量の水が含有されており、当初はこ
の含水ゲル層の水分を蒸散させる。こうして冷却ゲルシ
ートの含水ゲル層中に含有される水分の通常は40重量
%程度が蒸散するとこの含水ゲル層の貼着力が著しく低
下するので、本発明では、冷却ゲルシートの含水ゲル層
の貼着力が失われる前に、この冷却ゲル層の上に給水シ
ートを積層する。この給水シートは、冷却ゲルシートの
上に積層されることから、この給水シートの給水層は、
冷却ゲルシートの含水ゲル層ほど安定していることを特
に必要としていないので、この給水層における含水率
は、冷却ゲルシートの含水ゲル層よりも高くすることが
できる。そして、この給水シートを含水ゲルシートの上
に積層する時点では、含水ゲル層中の水分の一部は、既
に蒸散しており、給水シートと冷却ゲルシートとの間に
水の濃度勾配が生じており、給水シート(給水層)中に
含有される水分は、この水の濃度勾配に従って、冷却ゲ
ルシート側(含水ゲル層)に移動する。従って給水シー
トを冷却ゲルシート上に積層することにより、一旦低下
しかかった冷却ゲルシートの冷却能力および被着体への
接着性は回復し、長時間にわたって被着体に密着して冷
却することができる。
【0012】
【発明の具体的な説明】次に本発明の冷却ゲルシートキ
ットおよびその使用方法について具体的に説明する。
【0013】本発明の冷却ゲルシートキットは、図1に
示すように、冷却ゲルシート50と給水シート60とか
らなる。冷却ゲルシート50は、図1および図2に示す
ように、支持体(a)51と、この支持体(a)51の少なく
とも一方の面に設けられた含水ゲル層52とからなる。
含水ゲル層52の表面には、合成樹脂フィルム54が貼
着されており、含水ゲル52からの水分の蒸散を防止す
ると共に、他の部材と接着するのを防止している。
【0014】給水シート60は、図1および図3に示さ
れるように、支持体(b)61と、この支持体(b)61の少
なくとも一方の面に設けられた給水層62とからなる。
給水層62の表面には、合成樹脂フィルム64が貼着さ
れており、給水層62からの水分の蒸散を防止すると共
に、この給水層62が他の部材と接着するのを防止して
いる。
【0015】冷却ゲルシート50について更に詳細に説
明すると、この冷却ゲルシート50は、図2に示すよう
に支持体(a)51と、この支持体(a)51の少なくとも一
方の面に設けられた含水ゲル層52とからなる。なお、
この含水ゲル層52の表面には、通常は、合成樹脂フィ
ルム54が貼着されており、使用時にはこの合成樹脂フ
ィルムをはがして使用する。
【0016】本発明において、冷却ゲルシート50を形
成する支持体(a)51は、含水ゲル層52からの水の蒸
発および給水シート60を積層したときに給水シート6
0から冷却ゲルシート50への水分の移行が可能なよう
に、布、不織布、紙、給水が可能な所定径の孔が多数設
けられたプラスチック系のフィルム等で形成することが
できるが、布、不織布、紙のいずれかで形成されている
ことが好ましい。支持体(a)の厚さに特に制限はないが
通常は0.1〜2mm程度である。
【0017】このような支持体(a)51の表面に形成さ
れている含水ゲル層52は、ポリアクリル酸ナトリウム
のような高い吸水性を有する吸水性ポリマー、ゼラチ
ン、さらに保水剤(例:グリセリン、アルキレングリコ
ール)等から形成されており、冷却感を増すために、少
量のL−メントール等が配合されることもある。このよ
うな含水ゲル層の厚さは通常は1〜5mmである。
【0018】このような含水ゲル層52を形成する各成
分は、人体に悪影響を及ぼさない成分、特に乳幼児が過
って口に入れたとしても毒性のない成分で形成されてい
る。こうした含水ゲル層52を形成する各成分の合計
は、通常は10〜30重量%である。従って、従来の冷
却ゲルシートでは、含水ゲル層は70〜90重量%の水
分を含有している。この水分が蒸発することにより、冷
却作用が発現すると共に、この水分は、冷却ゲルシート
51を被着体に貼着するとの作用もあり、従来の冷却ゲ
ルシートでは冷却に使用可能な水分量は、通常は、実際
に含水ゲル層に含有される水分の70重量%程度であ
る。そして、含水ゲル層に含有される水分が蒸散するに
つれて、含水ゲル層は収縮し、水分含有率が通常は40
重量%を下回ると表面の粘着性が低下し被着体である皮
膚から剥離してしまう。
【0019】本発明において、給水シート60は、図3
に示すように、支持体(b)61と、この支持体(b)61の
少なくとも一方の面に設けられた給水層62とからな
る。なお、この給水シート60において、支持体(b)6
0は必ずしも必要ではなく、例えば給水層62が自己支
持性がある場合などでは、支持体(b)を設けずに給水層
62のみで給水シート60とすることができる。給水層
62の表面には、合成樹脂フィルム64が貼着されてお
り、表面からの水分の蒸散を防止すると共に、給水層6
2とこの他の部材とが接着するのを防止している。な
お、この給水層62の表面にある合成樹脂フィルム54
は、使用時にははがして使用する。
【0020】本発明において、給水シート60を形成す
る支持体(b)61は、給水層62を支持するものであ
り、給水層62を支持することができるものであれば適
宜使用することができるが、上記冷却ゲルシート50の
表面に貼着した後は、給水層62中に含有される水分の
一部はこの支持体(b)61の表面から蒸散して冷却する
との作用を有するので、水の蒸発が可能なように、布、
不織布、紙のいずれかで形成されていることが好まし
い。支持体(b)の厚さに特に制限はないが通常は0.1
〜2mm程度である。
【0021】このような支持体(b)61の表面に形成さ
れている給水層62は、ポリアクリル酸ナトリウムのよ
うな高い吸水性を有する吸水性ポリマー、ゼラチンなど
から形成され、さらに保水剤(例:グリセリン、アルキ
レングリコール)等を配合することもできる。このよう
な成分で形成された給水層62は、多量の水分を含有す
ることができると共に、冷却ゲルシート50の上(通常
は支持体(a)の表面)に貼着可能であり、上記のような
包水性を有すると共に貼着性を有する素材で形成するこ
とが好ましい。給水層62は上記のように冷却ゲルシー
ト50に供給するための水分を含有する層であることか
ら、上記のような成分に限らず、例えば、支持体(b)6
1の表面に、連続気泡を有する樹脂発泡体を貼着すると
共に、冷却ゲルシート51の支持体(a)と接合する面に
水透過性の接着剤層を敷設してもよい。また、この給水
層62中には、冷却感を増すために、少量のL−メント
ール等が配合されることもある。このような給水層62
の厚さは通常は0.5〜5mmである。
【0022】このような給水層62を形成する各成分
は、人体に悪影響を及ぼさない成分、特に乳幼児が過っ
て口に入れたとしても毒性のない成分で形成されてい
る。こうした給水層62を形成する水以外の各成分の合
計は、通常は0.1〜10重量%であり、冷却ゲルシー
ト50における冷却ゲル層52の含水率よりも給水層6
2の含水率を高くすることができる。即ち、この給水層
62は、通常は冷却ゲルシート50の支持体(a)上に積
層され、皮膚とは直接接触することがないので、層の安
定性は、含水ゲル層52よりも高くする必要はない。従
って、含水ゲル層52と給水層62が仮に同一の給水ポ
リマーを用いて形成されている場合であっても、給水層
62の含水率を含水ゲル層52の含水率よりも高くする
ことができる。そして、このように給水層62の含水率
を高くすることにより、より効率的に給水層62の水分
を冷却ゲルシート50側に移行させることができる。
【0023】本発明の冷却ゲルシートキットは、図1に
示すように、冷却ゲルシート50と給水シート60とが
同一の包装体71内に収納されていることが好ましい。
この包装体71は、水不透過性の素材で形成することが
できる。例えば、樹脂フィルムがラミネートされた紙
袋、アルミニウムコートされた紙袋、合成樹脂袋、アル
ミ箔袋、アルミニウム等が蒸着された合成樹脂袋などで
ある。そしてこの包装体71内には、給水シート60が
内包されており、この給水シート60は、冷却ゲルシー
ト50を内包する包装体71内に同包されていることが
好ましい。さらに、この給水シート60は冷却ゲルシー
ト50を使用して冷却ゲルシート50中の水分が蒸散し
て冷却力が低下した後に冷却ゲルシート50の支持体
(a)上に貼着されることから、冷却ゲルシート50を使
用するために包装体71を開封してから通常は相当時間
経過後に使用される。このため、給水シートが使用され
る間での間に給水シートに含有される水分が蒸散しない
ように、包装体71を密閉することができるようにする
か、あるいは、給水シート60を包装体71に収納され
得る別の包装体72に収容して、包装体71内に収容す
ることが好ましい。この包装体72は、包装体71と同
等の水不透過性素材で形成することができる。
【0024】本発明の冷却ゲルシートキットは、例えば
次のようにして使用することができる。まず、図1に示
しように冷却ゲルシート50と、包装体72で包装され
た給水シートを内包する包装体71を開封して冷却ゲル
シート50を取り出し、図4(A)に示すように被着体
(例えば幼児の前頭部)に貼着する。この時点で含水ゲ
ル層52中には充分な水分が含有されており、この水分
は支持体(a)51を介して蒸散することにより被着体を
冷却する。この冷却ゲルシート50の含水ゲル層52に
含有される全水分量の少なくとも約20重量%が蒸散す
るまでは、この冷却ゲルシート50は良好な冷却性を示
すと共に、含水ゲル層52も被着体に対して良好な粘着
性を示す。しかしながら、これ以上、水分が蒸散する
と、冷却ゲルシート50の冷却能力は極端に低下すると
共に、粘着性も著しく低下するので、この時点で包装体
72に収容されている給水シート60を包装体72から
取り出して、図4(B)に示すように、冷却ゲルシート
50の支持体(a)51の表面に貼着する。
【0025】冷却ゲルシート50の含水ゲル層52に含
有されていた水分は、既に相当量が蒸散しているので、
給水シート60における給水層62中に含有される水分
は、含水率の低い含水ゲル層52側に移行して、含水ゲ
ル層52の状態を貼着直後の初期の状態に近い状態にま
で回復されることができる。
【0026】従って、本発明の冷却ゲルシートキットを
使用することにより、単に冷却ゲルシート50を使用し
た時の数倍の時間被着体に密着して被着体を冷却するこ
とができる。
【0027】このように冷却ゲルシート50と共に、給
水シート60を用いる本発明の冷却ゲルシートキットで
は、従来の冷却ゲルシートを用いた場合よりも2〜8倍
の冷却可能時間を確保することができる。しかも、冷却
ゲルシート50と給水シート60とが同一包装体71内
に同包されているので、使用方法を誤ることもない。
【0028】本発明の冷却ゲルシートキットは、基本的
に上記のような構成を有するものであるが、本発明の冷
却ゲルシートキットは種々改変することができる。例え
ば、冷却ゲルシート50の含水ゲル層52を形成する吸
水ポリマー、吸水シートの吸水層62を形成することも
ある吸水ポリマー等は、含水率の低下に伴って収縮する
特性を有している。
【0029】そこで、本発明の冷却ゲルシートキットに
おける冷却ゲルシート50を構成する含水ゲル層52お
よび/または給水シート60を形成する給水層62に含
水率の減少に伴ってそれぞれの層内に生ずる収縮応力に
よって、応力変形、応力破壊、圧潰などその状態が変化
することにより、内包する水分を各層に供給する包水体
を形成することができる。
【0030】図5〜図9は、含水ゲル層52および/ま
たは給水層62において、包水体を形成した態様を示し
ている。即ち、本発明の冷却ゲルシートキットでは、含
水ゲル層52および/または給水層62を例えば吸水ポ
リマー等を使用して形成すると、この含水ゲル層52お
よび/または給水層62の水分量が少なくなると、含水
ゲル層52および/または給水層62が収縮する。そし
て、この収縮の際、層内には収縮応力が発生する。そこ
で、含水ゲル層52および/または給水層62にこの収
縮応力による状態変化によって水分を放出する包水体を
形成することにより、例えば吸水ポリマーの有する吸水
能力を超えて含水ゲル層52および/または給水層62
に高い含水率で水分を含有させることができる。図5〜
図9において、包水体は73で示されている。
【0031】この包水体73は、含水ゲル層52または
給水層62に生ずる圧縮応力によるこの包水体73の状
態変化に伴って包水体73が含有する水分を含水ゲル層
52あるいは給水層62に供給可能にされている。
【0032】具体的には、含水ゲル層52からの水分の
蒸散により含水ゲル層52内に収縮応力が発生するの
で、この収縮応力を利用して、包水体73の状態を変化
させて、この包水体に含有される水分を含水ゲル層52
へ移動可能にしている。また、給水層62中に含有され
る水分が冷却ゲルシート50に移行することにより給水
層62内の含水率が低下することにより、給水層62内
に圧縮応力が生ずるので、この圧縮応力を利用して包水
体73の状態を変化させることにより、この包水体73
中に含有される水分を給水層62に移行させることがで
きる。例えば、含水ゲル層52あるいは給水層62に生
ずる収縮応力により、包水体73の形状を変化させるこ
と、あるいは包水体73自体を破壊することにより包水
体内の水分を含水ゲル層あるいは給水層62に移動可能
にすることができる。また、含水ゲル層52あるいは給
水層62に生ずる圧縮応力により、包水体73の性状、
状態あるいは形態の変化、または、例えば包水体73を
囲繞して包水体73と含水ゲル等とを区画する区画壁を
引っ張り破壊して包装体中に含有される水分を含水ゲル
層52あるいは給水層62に移動可能にすることができ
る。さらに、含水ゲル層52あるいは給水層62に生ず
る圧縮応力により、例えば包水体73を囲繞して包水体
73と含水ゲルとを区画する区画壁の少なくとも一部
を、圧縮応力により圧潰することにより、包水体73内
に含有される水分を含水ゲル層52あるいは給水層に移
動可能にすることができる。
【0033】具体的に示すと、図5において、本発明の
冷却ゲルシートキットにおける冷却ゲルシート50の含
水ゲル層52あるいは給水シート60の給水層62には
包水体73が形成されている。この包水体73は、例え
ば図5に示すように、支持体(a)51あるいは支持体(b)
61の表面に連続気泡が形成された軟質発泡樹脂とこの
軟質発泡樹脂に含有される水性媒体とから形成すること
ができる。この軟質発泡樹脂としては所謂スポンジを使
用することができる。ここで使用される軟質樹脂の例と
しては、ウレタン樹脂、ポリアミド、ポリオレフィン
類、多糖類等を挙げることができる。こうした軟質樹脂
は、公知の方法により発泡させることができ、発泡倍率
を高くすることにより、こうした軟質樹脂中に連続気泡
が形成される。こうして連続気泡が形成された軟質樹脂
中には、含水ゲル層中における水分含有率より高い含有
率で水性媒体(水など)を含有させることができる。即
ち、こうした軟質発泡樹脂は100重量部に対して、1
00〜3000重量部、好ましくは300〜700重量
部の水分を含有させることができる。
【0034】図5において、この包水体73は支持体
(a)51あるいは支持体(b)61と含水ゲル層52あるいは
給水層62との間に層状に設けられており、このように
包水体3を層状に形成する場合には、この包水体73の
厚さは、通常は0.1〜5mm、好ましくは0.5〜3mm程
度である。層状の包水体73の厚さを上記の範囲内の厚
さにすることにより、含水ゲル層52あるいは給水層6
2に充分な水分を供給できると共に、冷却ゲルシートの
使用時に違和感が生じない。また、図6に示すように、
含水ゲル層52あるいは給水層62を重ね塗りするなど
して、含水ゲル層52内部あるいは給水層62に包水体
73を形成することもできる。さらに、図7に示すよう
に、複数の包水体73,73を積層することもできる。
また、図8に示すように、複数の包水体73,73を並
列に配置することもできる。なお、このような層状の包
水体73の外周部には、貯蔵時、移送時などに包水体7
3中に含有される水分が含水ゲル層52中あるいは給水
層62中に移行しないように区画壁(図示なし)が形成
されていてもよい。この区画壁は、例えば、水分の蒸散
によって生ずる含水ゲル層52あるいは給水層62の収
縮応力によって圧潰される程度の強度を有する膜などで
形成することができ、また、使用前に外部からの応力付
与によって少なくとも一部を破壊することができる膜等
により形成することができる。
【0035】さらに、本発明の冷却ゲルシートキットで
は、上記のような層状の包水体73を形成する代わり
に、含水ゲル層52あるいは給水層62の収縮による収
縮応力によって圧潰可能な外殻を有する水性媒体含有マ
イクロカプセルで形成することもできる。このような水
性媒体含有マイクロカプセルは、例えば、油性媒体中に
水を滴状に微分散させ、この微分散した水性媒体滴の表
面に硬化膜を形成することにより製造することができ
る。また、この水性媒体含有マイクロカプセルは、層に
生ずる収縮応力によって引っ張り破壊されるものであっ
てもよい。
【0036】例えば上記のようにして調製されたマイク
ロカプセルを含水ゲル層形成成分中に分散させて、この
分散液を支持体(a)51あるいは支持体(b)61の表面に
塗布することにより、例えば図9に示すようなマイクロ
カプセル状の包水体73が分散した含水ゲル層52ある
いは給水層62を有する冷却ゲルシート50あるいは給
水シート60を形成することができる。
【0037】なお、本発明の冷却ゲルシートキットにお
ける含水ゲル層52あるいは給水層62は、層状の包水
体およびマイクロカプセル状の包水体の両者を有してい
てもよい。
【0038】こうして形成される包水体73は、通常は
その周囲が含水ゲル層によって囲繞されており、包水体
73中の水分は含水ゲル層52あるいは給水層62の外
部の漏出しないようにされている。
【0039】上記のような包水体73からは、含水ゲル
層52中の水分が蒸散することにより含水ゲル層52中
に生ずる収縮応力によって水分が徐々に含水ゲル層52
中に供給され、この含水ゲル層52を形成する成分(例
えば、吸水性ポリマー)中に拡散して、含水ゲル層52
の有する冷却能力および粘着性を長時間維持することが
できる。
【0040】また、また給水シート60の給水層62に
上記のような包装体73を形成することにより、冷却ゲ
ルシートに供給可能な水分量を大幅に増加させることが
できる。
【0041】なお、本発明の冷却ゲルシートキットにお
いて、上記のような包水体73は、含水ゲル層52およ
び給水層62の両者に形成することもできるし、含水ゲ
ル層52および給水層62の内のいずれか一方に形成す
ることもできる。
【0042】本発明の冷却ゲルシートキットは、上記の
ように支持体(a)51、含水ゲル層52さらに必要によ
り包水体73を有する冷却ゲルシート50と、支持体
(b)61、給水層62さらに必要により包水体73を有
する給水シート60とからなるものであるが、本発明の
冷却ゲルシートキットはさらに種々改変することができ
る。
【0043】例えば、本発明の冷却ゲルシートキットに
おいて、含水ゲル層52および給水層62には、苦み成
分を配合することが好ましい。即ち、本発明の冷却ゲル
シートキットを構成する冷却ゲルシート50および給水
シート60は、人体に対して毒性の低い成分で形成され
ており、こうした冷却ゲルシート50および給水シート
60を過って食べたり、なめたりしても特に悪影響を及
ぼすものではないが、乳幼児が過って本発明の冷却ゲル
シートを食べたり、なめたりしないように苦み成分を配
合することが好ましい。
【0044】本発明で使用することができる苦み成分の
例としては、尿素、フェニル尿素、硫酸マグネシウム、
カフェイン、ナリンギン、ニコチン、キニン硫酸塩、ピ
クリン酸、ストリキニン、3-メチル-6-メトキシ-8-ヒド
ロキシ-3,4-ジヒドロイソクマリン、イボノメアマロ
ン、アラントラクトン、ラクツシン、テヌリン、ヘレナ
リン、カルノソール。ピクロトキシニン、コリアミンチ
ン、マルビイン、α-カエサルピン、チャパリン、フィ
サリンA、ゲンチオビオース、レボブルコサン、メチル
-β-D-グルコピラノシド、ゲンナチオピルリン、スウェ
ルチアマリン、アマロゲンチン、スウェルシド、アスペ
ルロシド、ロガニン、プルミエリド、アウクビン、ベル
ベナリン、ジャスミニン、カステリン、コルコリン、フ
ロロアセトフェニン-4'-β-ネオスペリドシド、クワッ
シャエキス、メチルチオアデノシンおよび安息香酸デナ
トニウムなどを挙げることができる。ところで、苦み成
分といっても、苦みには種々の苦みがある。即ち、苦み
には、少量でも忌避的な苦みを感ずる成分と、少量では
忌避的な苦みとはならずある程度の量を摂取しないと忌
避的な苦みとならない成分とがあり、本発明の冷却ゲル
シート50の含水ゲル層52あるいは給水シート60の
給水層62に配合される苦み成分は、少量で忌避的な苦
みを感ずる成分であることが望ましい。特に、本発明で
は、50ppb以上の濃度で忌避的な苦みを感ずる苦み成
分を用いることが好ましい。また、本発明で使用する苦
み成分は、皮膚、粘膜等に対して刺激性のできるだけ少
ないものであることが好ましい。
【0045】こうした少量で忌避的な苦みを感ずる成分
として、上記例示したなかでも、安息香酸デナトニウム
が最も好ましい。安息香酸デナトニウムは、白色の結晶
物質で、無色であるが、強烈な苦みを有する。この安息
香酸デナトニウムは10ppbで味を感知でき、50ppbで
苦みを感知できる。しかも、この安息香酸デナトニウム
の有する苦みは、強烈な忌避的苦みである。そして、こ
の安息香酸デナトニウムの0.05w/v水溶液を成熟ラビ
ットの眼球に点眼しても眼粘膜に異常は観察されず、
0.05w/v水溶液を用いて成人の肘から手首までの前腕
におけるパッチテストの結果でも何らの皮膚刺激をも与
えないことが確認されている。
【0046】そして、この安息香酸デナトニウムは無色
であるので、含水ゲル層あるいは給水層に添加しても外
観には何の変化もなく、また安息香酸デナトニウムは無
臭なので、安息香酸デナトニウムを配合することによっ
て不快な臭気などが生ずることもない。
【0047】このような苦み成分は、用いる苦み成分の
量によって含水ゲル層あるいは給水層中に配合する量は
異なるが、上記安息香酸デナトニウムの場合には、含水
ゲル層52あるいは給水層62中に通常は0.5〜50p
pmの範囲内の量、好ましくは10〜40ppmの範囲内の
量で添加すれば、含水ゲル層52および給水層62に忌
避的な苦みが発現し、しかも乳幼児の皮膚、粘膜等に対
する刺激性はない。
【0048】本発明の冷却ゲルシートキットは、例えば
次のようにして製造することができる。まず、層状の包
水体を有する冷却ゲルシートは、含水ゲル層あるいは給
水層を形成する成分に水を配合して塗布用ゲルを調製す
る。これとは別に支持体(a)または(b)の表面に含水した
層状包水体を載置する。なお、この層状包水体は支持体
(a)または(b)に貼着してもよい。次いで、この層状包水
体上に上記にようにして調製した塗布用ゲルを塗布し、
さらに、この表面に水不透過性の樹脂フィルム等を貼着
して製造することができる。
【0049】また、支持体(a)または(b)上に塗布用ゲル
を塗布した後、この塗布されたゲル表面に層状包水体を
載置した後、この上に塗布用ゲルを塗布し、さらに、こ
の表面に水不透過性の樹脂フィルム等を貼着して製造す
ることができる。
【0050】さらに、マイクロカプセル化された包水体
を形成する場合には、マイクロカプセル化技術を利用し
て製造された含水マイクロカプセルを塗布用ゲルを調製
する際に混合し、この塗布用ゲルを支持体(a)または(b)
上に塗布し、さらに、この表面に水不透過性の樹脂フィ
ルム等を貼着して製造することができる。
【0051】なお、含水ゲル層を形成する塗布用ゲルと
給水層を形成する塗布用ゲルとは同一のものであっても
よいが、給水層は、含水ゲル層と比較して層の安定性が
低くても問題を生じにくいので、給水層を形成する塗布
用ゲルは、含水ゲル層を形成する塗布用ゲルよりも水分
含有率を高くすることができる。具体的には給水層を形
成する塗布用ゲルには、含水ゲル層を形成する塗布用ゲ
ルに配合する水の通常は0.5〜5倍、好ましくは1〜
3倍の水を配合して調製することが可能である。
【0052】こうして形成された冷却ゲルシートキット
は、冷却ゲルシートと給水シートとを併用することによ
り、吸水ポリマーを用いた従来の冷却ゲルシートと比較
して、約1.5〜5倍、好適には2〜3倍の水分を冷却
ゲル層に供給することができ、長時間冷却効果を維持す
ることができる。
【0053】なお、上記説明では、冷却ゲルシート1枚
と給水シート1枚とで本発明の冷却ゲルシートキットを
構成している例を示したが、本発明の冷却ゲルシートキ
ットは、冷却ゲルシート1枚に対して複数枚の給水シー
トを組み合わせてもよい。
【0054】
【発明の効果】本発明の冷却ゲルシートキットは、上記
のように、冷却ゲルシートと、給水シートとからなり、
被着体に冷却ゲルシートを貼着して冷却ゲルシートから
の水分の状態により被着体を冷却すると共に、冷却ゲル
シートの水分がある程度蒸散して、冷却ゲルシートの冷
却能力が低下した時点で、この冷却ゲルシートの表面に
給水シートを貼着して、この給水シートの給水層に含有
されている水分を冷却ゲルシートの移行させることによ
り冷却ゲルシートに水分を供給するものである。このよ
うに冷却ゲルシートに水分を供給することにより、従来
の冷却ゲルシートと比較して、非常に長時間冷却ゲルシ
ートの冷却能力を継続させることができる。
【0055】また、本発明の冷却ゲルシートキットで
は、上記のように長期間冷却能力が維持されるが、冷却
ゲルシートの含水ゲル層は、これを形成する吸水ポリマ
ーの許容範囲を逸脱して水分を含有しているわけではな
いので、冷却ゲルシートの含水ゲル層が不安定になり、
例えば含水ゲルが被着体の例である幼児の皮膚に転写さ
れるといった事態も生じない。
【0056】本発明の冷却ゲルシートキットは、冷却ゲ
ルシートとは別体の給水シートによって冷却ゲルシート
に給水して冷却ゲルシートの冷却能力を長時間維持する
ものであり、例えば出先での幼児の急な発熱のように水
の確保ができにくい状況など緊急の場合に特に有用性が
高い。
【0057】また、本発明の冷却ゲルシートの含水ゲル
層あるいは給水層に忌避的苦み成分を配合することによ
り、乳幼児がこれらを仮に口に入れたとしても、忌避的
な苦みにより吐き出してしまい、冷却ゲルシートおよび
給水シートの誤用を防止することができる。
【0058】特に、安息香酸デナトニウムを苦み成分と
して配合した冷却ゲルシートおよび給水シートは、非常
に微量の安息香酸デナトニウムで、強烈な忌避的苦みが
発現し、しかも、皮膚あるいは粘膜への刺激、人体への
毒性もない。
【0059】
【実施例】次に本発明の実施例を示して本発明をさらに
詳細に説明するが、本発明はこれれらによって限定され
るものではない。
【0060】
【実施例1】下記成分を混合し、これに精製水を加えて
充分に混合し全体を100重量部として、冷却ゲルシー
トの含水ゲル層用の塗布用ゲルを調製した。
【0061】 ゼラチン 4.0重量部 ポリアクリル酸ナトリウム 7.0重量部 グリセリン 18.0重量部 安息香酸デナトニウム 0.01重量部 精製水 残部 不織布からなる厚さ1mmの支持体(a)の表面に上記含水
ゲル層用の塗布用ゲルを2mmの厚さに塗布し、さらに、
このようにして塗布用ゲルを塗布して形成した含水ゲル
層の表面に合成樹脂フィルムを貼着して、冷却ゲルシー
トを調製した。
【0062】これとは別に下記成分を混合し、これに精
製水を加えて充分に混合し全体を100重量部として、
給水シートの給水層を形成するための塗布用ゲルを調製
した。
【0063】 ゼラチン 3.0重量部 ポリアクリル酸ナトリウム 3.0重量部 安息香酸デナトニウム 0.01重量部 精製水 残部 不織布からなる厚さ1mmの支持体(b)の表面に上記給水
層形成用の塗布用ゲルを3mmの厚さに塗布し、さらに、
このようにして塗布用ゲルを塗布して形成した給水層の
表面に合成樹脂フィルムを貼着して、給水シートを調製
した。
【0064】この給水シートを、アルミニウムを内張し
た紙袋に収納して密閉した。また、上記のようにして製
造した冷却ゲルシートを、アルミニウムを内張した紙袋
に収納すると共に、さらにこの包装袋に、上記給水シー
トを密封した包装袋をいれて密封して本発明の冷却ゲル
シートキットを製造した。
【0065】こうして製造した本発明の冷却ゲルシート
キットの包装袋を開封して、まず、冷却ゲルシートを取
り出し、前頭部に貼着した。貼着後、2時間で含水ゲル
層が乾燥した感じになり、その粘着力も低下したと感じ
たので、包装体内にある給水シートが収容されている袋
を取り出し、これを開封して取り出した給水シートを給
水層が冷却ゲルシートの支持体に貼着するように配置し
て張り付けた。数分後、前頭部に直接貼着した冷却ゲル
シートの含水ゲル層に湿潤感が戻り、その後2時間にわ
たり、この冷却ゲルシートの冷却機能は維持された。
【0066】従って、本発明の冷却ゲルシートキットを
使用し始めてからの冷却可能時間の合計は約4時間であ
り、この間充分な冷却効果が維持された。また、上記冷
却ゲルシートの含水ゲル層および給水シートの給水層を
口にいれたところ、著しい苦みを感じた。
【0067】
【比較例1】実施例1において、一般に市販されている
含水ゲル層の水分含有率が約85重量%の冷却ゲルシー
トを用いて同様に使用可能時間を測定したところ、2時
間で粘着力および冷却効果がなくなった。
【0068】
【実施例2】実施例1において、冷却ゲルシートの含水
ゲル層および給水シートの給水層に厚さ2mmの樹脂発泡
体からなる包水体を設けた以外は同様にして冷却ゲルシ
ートキットを製造した。さらにこの冷却ゲルシートを用
いて冷却維持時間を測定したところ、冷却ゲルシート貼
着後、冷却可能時間の合計は約4時間であり、この間充
分な冷却効果が維持された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の冷却ゲルシートキットの一例
を模式的に示す図である。
【図2】図2は、本発明の冷却ゲルシートキットを構成
する冷却ゲルシートの一例を模式的に示す断面図であ
る。
【図3】図3は、本発明の冷却ゲルシートキットを構成
する給水シートの一例を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の冷却ゲルシートキットの使用
法の一例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の冷却ゲルシートキットを構成
する冷却ゲルシートおよび給水シートの他の例を示す断
面図である。
【図6】図6は、本発明の冷却ゲルシートキットを構成
する冷却ゲルシートおよび給水シートの他の例を示す断
面図である。
【図7】図7は、本発明の冷却ゲルシートキットを構成
する冷却ゲルシートおよび給水シートの他の例を示す断
面図である。
【図8】図8は、本発明の冷却ゲルシートキットを構成
する冷却ゲルシートおよび給水シートの他の例を示す断
面図である。
【図9】図9は、本発明の冷却ゲルシートキットを構成
する冷却ゲルシートおよび給水シートの他の例を示す断
面図である。
【符号の説明】 50…冷却ゲルシート 51…支持体(a) 52…含水ゲル層 54…合成樹脂フィルム 60…給水シート 61…支持体(b) 62…給水層 64…合成樹脂フィルム 71…包装体 72…包装体 73…包水体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲 田 洋 一 東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジ ョン株式会社内 Fターム(参考) 4C099 AA02 CA19 GA01 HA01 HA04 HA09 LA02 LA05 LA08 LA09 LA14 LA16 4F100 AJ09B AJ09C AK01B AK01C AK25B AK25C AS00B AS00C AT00A BA03 BA07 BA10B BA10C CA12B CA12C DG10A DG11A DG15A JD15B JD15C

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体(a)と、該支持体(a)の少なくとも
    一方の面に配置された含水ゲル層とを有する冷却ゲルシ
    ートと、該冷却ゲルシートの被着体に貼着されない側に
    配置することにより該冷却ゲルシートに水分を供給する
    給水シートとからなる冷却ゲルシートキットであり、該
    給水シートが冷却ゲルシートに供給可能な水分を含有す
    る給水層を有することを特徴とする冷却ゲルシートキッ
    ト。
  2. 【請求項2】 給水シートが、支持体(b)と、該支持体
    (b)の少なくとも一方の面に配置された給水層とを有す
    ることを特徴とする請求項第1項記載の冷却ゲルシート
    キット。
  3. 【請求項3】 上記給水シートにおける給水層の含水率
    が、冷却ゲルシートにおける含水ゲルシート層の含水率
    と同等であるかあるいは高いことを特徴とする請求項第
    1項記載の冷却ゲルシートキット。
  4. 【請求項4】 上記給水シートが、冷却ゲルシートの被
    着体に貼着されない側の表面に貼着可能にされているこ
    とを特徴とする請求項第1項または第2項記載の冷却ゲ
    ルシートキット。
  5. 【請求項5】 上記冷却ゲルシートと給水シートとが単
    一の水分遮断性包装体中に収容されていると共に、給水
    シートが、冷却ゲルシートを取り出すために水分遮断性
    包装体を開封した後も水分の蒸散を防止できるように該
    冷却ゲルシートとは分離して包装されていることを特徴
    とする請求項第1項記載の冷却ゲルシートキット。
  6. 【請求項6】 上記支持体(a)および(b)が、それぞれ独
    立に、紙、布および不織布よりなる群から選ばれる素材
    で形成されていることを特徴とする請求項第1項または
    第2項記載の冷却ゲルシートキット。
  7. 【請求項7】 上記冷却ゲルシートの含水ゲル層が少な
    くとも吸水ポリマーと水とを含有していることを特徴と
    する請求項第1項記載の冷却ゲルシートキット。
  8. 【請求項8】 上記給水シートの給水層が少なくとも吸
    水ポリマーと水とを含有することを特徴とする請求項第
    1項記載の冷却ゲルシートキット。
  9. 【請求項9】 上記含水ゲル層および/または給水層中
    に苦み成分が含有されていることを特徴とする請求項第
    1項乃至第7項のいずれかの項記載の冷却ゲルシートキ
    ット。
  10. 【請求項10】 上記苦み成分が安息香酸デナトニウム
    であることを特徴とする請求項第9項項記載の冷却ゲル
    シートキット。
  11. 【請求項11】 支持体(a)と、該支持体(a)の少なくと
    も一方の面に配置された含水ゲル層とを有する冷却ゲル
    シートを被着体に貼着して該含水ゲル層中に含有される
    水分の少なくとも一部を蒸散させた後、該冷却ゲルシー
    トの被着体に貼着していない冷却ゲルシートの表面に、
    冷却ゲルシートに供給可能な水分を含有する給水層とを
    有する給水シートの給水層が接するように配置して、該
    給水シートの吸水層に含有される水分を、冷却ゲルシー
    ト側に移行させて該冷却ゲル層による冷却能力を維持す
    ることを特徴とする冷却ゲルシートキットの使用方法。
  12. 【請求項12】 上記給水シートが、支持体(b)と、該
    支持体(b)の少なくとも一方の面に配置された給水層と
    を有することを特徴とする請求項第1項記載の冷却ゲル
    シートキットの使用方法。
  13. 【請求項13】 上記給水シートにおける給水層の含水
    率が、冷却ゲルシートにおける含水ゲルシート層の含水
    率と同等であるかあるいは高いことを特徴とする請求項
    第11項記載の冷却ゲルシートキットの使用方法。
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