JP2000189244A - 多相組成物を分配するための装置、この種の装置の使用および使用方法 - Google Patents

多相組成物を分配するための装置、この種の装置の使用および使用方法

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JP2000189244A
JP2000189244A JP11341822A JP34182299A JP2000189244A JP 2000189244 A JP2000189244 A JP 2000189244A JP 11341822 A JP11341822 A JP 11341822A JP 34182299 A JP34182299 A JP 34182299A JP 2000189244 A JP2000189244 A JP 2000189244A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の相から構成される組成物を、各相の種
々の濃度比率で分配する装置および方法を提供する。 【解決手段】 a)空気を取り入れることなく作動する
ポンプ(13)が取り付けられた可変容積の容器(2,
50)と、b)容器内に収容され、相互に混和されず、
かつ、異なる密度を有し、少なくとも一の相(A)が液
体である、少なくとも2つの相(A,B)から構成され
た組成物とを具備する装置(1)を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、種々の濃度比率
を有する少なくとも二つの相から構成される組成物を分
配するための装置に関する。この発明は、相互に混和で
きず、かつ、異なる密度を有する少なくとも2つの相か
ら構成される組成物の分配をも想定している。この発明
に係る装置は、多くの用途、特に、化粧品用途(香水、
ヘアケア製品、スキンケア製品等)、医薬品、皮膚科ま
たは食品用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】「エアレス」ポンプとして一般に知られ
ている、吸気を伴わずに作動するポンプを搭載した種々
のサイズの容器を使用した形式のディスペンサは、特
に、単一の、一般には液相の形態のケア製品、特に、ボ
ディミルク、保湿製品またはサンスクリーン製品を分配
するために、化粧品の分野において知られかつ広く使用
されている。この種のディスペンサは、特に、製品を空
気から切り離した状態に保持することができるという点
において有利である。
【0003】2以上の相、特に水相および油相を有する
組成物は、化粧品の分野、特に、口内洗浄剤、ケアロー
ション、サンローション、スキンクレンザおよび化粧落
としの分野において知られている。これらの全ての用途
において、美的な理由(異なる2色)または各相におけ
る化合物の不親和性の理由のいずれかのために、組成物
は、分離した相の形態をしている。全ての場合におい
て、これらの組成物は、空気の吸入により作動するポン
プを有するディスペンサ、または、分配ポンプのないボ
トルであって一般に製品を放出するように柔軟な壁を有
するボトルのいずれかによって、該組成物を構成する相
を混合した形態でのみ適用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】化粧品の分野では、行
動学的研究は、大多数の消費者が、特に、一日の内の異
なる時間に、異なる強さまたは異なる性質の香水を使用
し、または使用したいと考えていることを論証してい
る。したがって、消費者は、朝および/またはオフィス
では、いくらか軽い香水を使用し、夜にはより重厚な香
水を使用する。この種の消費習慣が、ボトルの増加(異
なる香水の各々に対して1本のボトル)につながること
は不可避であり、搬送、特にハンドバッグ内における持
ち運びの観点から、その問題を生じないことはない。さ
らに、制限された範囲の可能性からのみ選択が行われる
こともある。
【0005】さらに、香水の分野では、一般に水性アル
コール相のオードパルファムの塗布は、肌に対して攻撃
的であると考えられている。これらの条件下において
は、この塗布に続いて、和らげる特性を有する製品、特
に、アラントインまたはオート麦エキスを主成分とする
製品を塗布することが望ましい。さらに、この必要性に
より、使用者は、特にハンドバッグ内に、2以上の異な
るボトルを持つ必要がある。さらに、これにより塗布操
作が増加し、そのために、塗布時間が増加する。
【0006】より一般的には、化粧品の分野において、
一定の場合に、相補的なまたは異なる特性を有する製品
の塗布をその塗布と組み合わせることが望ましい製品が
数多く存在する。これは、特に、(肌または毛髪のため
の)色顔料と組み合わせて使用される、一定のヘアケア
製品または肌処理製品の場合であり、顔料は、望ましい
色または望ましいメーキャップによって、その濃度を変
えることができる。
【0007】2つの相補的な、または、異なる製品を、
組み合わせて、または、別々に塗布することの問題は、
化粧品以外の分野においても生ずる。例としては、薬
剤、皮膚科学、または食品産業に言及することができ
る。
【0008】したがって、この発明の目的は、相補的な
または異なる作用を有する2以上の製品を、組み合わせ
てまたは別々に塗布するための単一の装置を製造するこ
とである。
【0009】この発明の他の目的は、組成物の第1の相
を、随意に、該第1の相の特性を変更しまたは新たな特
性を与えるように、該組成物の第2の相と組み合わせ
て、塗布するための単一の装置であって、該分配される
組成物における第2の相の濃度を所望の濃度に選択する
ことができる装置を製造することである。
【0010】さらに、この発明の他の目的は、前記組成
物を構成する相を、種々の比率の濃度で分配する装置の
製造を可能にすることである。さらに、この発明の目的
は、以下の説明により、詳細に明らかになる。
【0011】驚くべきことに、出願人は、少なくとも2
つの異なる密度を有する混和されない相を有する組成物
と組み合わせて、吸気なしに作動するポンプを搭載した
容積可変のディスペンサが、特に、上述したような所望
の動作を可能にする装置を製造することを可能にしてい
ることを確認した。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、上述
した目的は、a)吸気なしに動作するポンプが固定され
た容積可変の容器と、b)該容器内に収容され、相互に
混和されず、かつ、異なる密度を有する、少なくとも1
つの相が液相である、少なくとも2つの相から構成され
る組成物とを具備する「エアレス」装置を製造すること
により達成される。
【0013】この発明の意味における容積可変の容器
は、それに収容されている製品が分配されるに従ってそ
の容積が減じられる容器を示している。容器の容積の減
少は、各分配操作時に、容器内の製品の量が減少し、空
気の取り入れが行われないために、分配された量が対応
する空気量によって置き換えられないことにより生ずる
圧力の減少の結果である。さらに、ポンプは容器内の空
気を吸引しないように組み立てられており、これによ
り、容器内部の製品の量の減少を補っている。ポンプ
は、適当であれば、二相の混合を促進するように予圧方
式のものであってもよい。
【0014】この発明に係る組成物は、永久に混和され
ない少なくとも2相から構成されている。これらは、例
えば、2つの異なる密度の混和されない油相、油相と水
相、または、油相と水性アルコール相でよい。したがっ
て、2つの混和されない相における密度の相違により、
重い相は、容器の底部に沈降する一方、軽い相は、重い
相の上に浮揚することになる。これらの相の分離は2相
間の密度の相違に依存して、迅速に、または、ゆっくり
と生じる。容器内の内容物を攪拌することによって、2
つの相の多少均一な混合物が、分散、懸濁または乳濁液
の形態で構成される。容器を立てておくことにより、こ
れらの相は、その密度差により、「偏析(demix)」し、
または、分離する。容器の位置に依存して、一方の相ま
たは他方の相または2つの相の混合物を分配することが
できる。分配される組成物の各相の各濃度を調節させる
ことを可能にすることにより、全く同じ装置を用いて、
多数の異なる組成物を分配することができる。
【0015】したがって、例えば、その強さおよび性質
を望ましいものに選択したオードパルファムを分配する
ことができる。使用者は、全く同じパッケージ内に、利
用可能な朝用のオードパルファムと夜用のオードパルフ
ァムとを有し、進化した方法で、一方から他方へ変更す
る可能性を有する一方、多少勢いよく、かつ、長く、ま
たは短く、装置を攪拌することにより、2つのオードパ
ルファムから構成された種々の濃度比率の組み合わせを
可能としている。また、所望により、暗度および色合い
を選択することができる着色または化粧用組成物を分配
することも可能である。
【0016】この発明の他の有利な側面によれば、組成
物の主たる相、すなわち、主として、あるいは日常的に
塗布される相を構成する第1の相(オードパルファム、
オードトワレ、保湿組成物)と、使用者が所望により、
単独で使用し、または、該第1の相の特徴を変更し、ま
たは、第1の相に特性を加えるように、該第1の相と組
み合わせて使用する第2の相(サンスクリーン、柔軟
剤、瘢痕形成剤、鎮静剤、精油を含む。)とを有するこ
とができる。分配される第2の相の濃度は、塗布前の装
置の攪拌の程度に大きく依存している。
【0017】この発明によれば、組成物は2つの液相か
らなっていてもよい。例えば、アルコール性または水性
アルコール性の第1の相(オードパルファム)および第
2の油相(柔軟剤、鎮静剤等のケア製品)の場合があ
る。液体は、ゲルまたは乳剤(炭化水素相)の形態をし
ていてもよい。以下に詳細に見られるように、この発明
による装置内において使用される組成物は、液相と微粒
子、特に固体の相からなっていてもよい。微粒子は、液
相より重くても軽くてもよい。
【0018】50%の第1の相と、50%の第2の相と
から構成された組成物の場合には、装置が、第1の位置
(例えば、直立位置)に配置されると、ポンプに連絡し
ている相(プランジャチューブを有しないポンプの場合
には軽い相、プランジャチューブを有するポンプの場合
には重い相)が分配される。容器を逆さ(上下逆)にす
ると、プランジャチューブを有しないポンプの場合には
重い相、プランジャチューブを有するポンプの場合には
軽い相が分配される。2つの相の多少均一な混合物を構
成するように容器の内容物を攪拌することにより、各相
から部分的に構成された混合物が分配され、各相の濃度
は、攪拌の程度と分配位置(直立か逆さか)に大いに依
存する。
【0019】液相内の微粒子相の場合には、液相単独
で、または、微粒子相と組み合わせた液相のいずれかを
分配することができ、分配される組成物内の微粒子の濃
度は、特に、攪拌の程度に依存する。
【0020】好ましい態様によれば、容器は柔軟な壁を
有する袋から構成されていてもよい。この種の袋は、熱
可塑性樹脂材料(ポリエチレン、ポリプロピレン、PE
T)および/または金属材料(アルミニウム)からなる
1以上の層から構成されていてもよい。壁の厚さは、対
応する空気で置き換えられない、製品の体積の減少から
生ずる圧力の低下によって、相互に接触するようになり
かつそれ自体で潰れることができるように十分に薄いも
のでなければならない。容器の断面は、例えば、四角
形、楕円形、円形、長円形、八角形等の任意の形状を有
していてもよい。
【0021】この態様は、特に、以下に参照されるピス
トン形式の異なる態様と比較して、操作の柔軟性が優れ
ている点において、特に有利である。さらに、柔軟な壁
を有する袋は、ピストン装置では達成することが困難
な、高度に水性の相を使用することができる。
【0022】柔軟な壁を有する袋は、硬質の外装部材内
に配置されていることが好ましい。この硬質の外装部材
は、容器が、特に直立位置において、該容器が実質的に
空である場合においてさえも、良好に機能することを可
能にする。各分配操作後に、柔軟な袋がその体積を減じ
たときに、硬質な外装部材と柔軟な袋との間に配される
容積部分に空気を取り入れることができるように、空気
取入れ口が、特に、外装部材の底部に設けられているこ
とが好ましい。
【0023】容器を空にするステップにおいて、袋の壁
自体が潰れるときに、前記ポンプの入口経路の閉塞を防
止するための手段が設けられていてもよい。プランジャ
チューブを有しないポンプの場合には、容器内部に配置
された波形のグリッド、または、柔軟な容器の壁に形成
された隆起のいずれかが使用され、これらによって、袋
の面が相互に押し付けられたとき、すなわち、容器内部
の内容物を使用し終えるときに、製品がポンプに向かっ
て運ばれることを可能にする流路を画定することができ
る。
【0024】これに代えて、柔軟なチューブからなる容
器、ベローズを構成する壁を有するボトル、薄い壁を有
するブロー成形された、または、共押出し成形(coextru
ded)されたボトル、膜、特に弾性膜を有する容器、また
はフォロワピストン(follower piston)が内部に配置さ
れたボトルでもよい。
【0025】しかしながら、フォロワピストンを備えた
容器を使用することからなる手段は、1以上の液相の使
用が含まれるときには、専ら、密封の理由から好ましく
ない。良好な密封のために、ピストンは容器の内面に対
して密着して移動されなければならず、そのような密着
した移動は、操作の柔軟性を損なうものである。さら
に、容器内に収容された2つの相の混合物を分配するた
めに、容器を勢いよく攪拌することにより、ピストンが
容器本体内において押し戻され、分配が中断されるおそ
れがある。
【0026】ポンプは、特に、かしめ、ねじ止めまたは
圧力ばめによって、容器に、または、中間固定部材に固
定されてもよい。
【0027】ポンプは、その自由端が、実質的に容器の
底部まで下げられたプランジャチューブによって、容器
の底部から供給されてもよい。したがって、2つの液相
を有する組成物の場合には、直立位置において、ポンプ
は、プランジャチューブを介して重い相に供給される。
上下逆の位置においては、ポンプは、プランジャチュー
ブを介して軽い相に供給される。しかしながら、ポンプ
は、直接、すなわち、プランジャチューブなしに供給さ
れることが好ましい。
【0028】ポンプには、好ましくはノズルの形態の散
布手段を含む、または含まない、押しボタンが搭載され
ていることが好ましい。他の散布手段が使用されてもよ
い。例えば、グリッド、フリット、アプリケータ末端部
等から構成されてもよい。
【0029】有利な態様によれば、組成物は、液相と、
該液相とはその密度が異なる微粒子、特に、固体相とを
含んでいる。微粒子は、液相よりも重くても軽くてもよ
い。この種の微粒子は、粉末、マイクロカプセルまたは
ナノカプセル、色素、フィラー、パーライザ(pearlizer
s)またはタルクの形態でよい。
【0030】液体/固体組成物の例として、精油の形態
をした前記芳香物質(または他の芳香物質)を含むマイ
クロカプセルを組み込んだオードパルファムに言及され
る。この種のマイクロカプセルの壁は、フェノール化合
物、アルギン酸塩、ゼラチンまたはシアノアクリル酸塩
(cyanoacrylate)から構成されていてもよい。
【0031】例えば、この種のマイクロカプセル5g
が、50mlの容器内に配置される。容器は、前記芳香
物質からなる液相で満たされる。粒子は液相より重く、
容器の底部に沈積する。ポンプはプランジャチューブを
有していない。装置を直立状態に保持することにより、
芳香物質のみが噴霧される。容器を振って攪拌すること
により、マイクロカプセルが液相内に浮遊し、その状態
で分配される。マイクロカプセルの濃度は、容器の攪拌
の程度に大きく依存している。マイクロカプセル内に収
容されていた製品は、ポンプを通した移動中に、ポンプ
の内部で「潰れ」、または、噴霧によって皮膚の上に配
置された後に、軽くマッサージすることのいずれかによ
って、放出される。例として、微粒子相は、組成物の全
体積の0.5〜30体積%を示し、組成物の全体積の1
〜10体積%を示すことが好ましい。
【0032】他の態様によれば、前記組成物は、2つの
混和されない異なる密度の液相から構成される。例え
ば、特に、水性または水性アルコール性の相、および、
油相でよい。
【0033】容器内の内容物が攪拌されるように、特
に、ボールのような攪拌手段が設けられてもよい。これ
らの攪拌手段は、2つの相が、混合することが非常に困
難なものである場合に、非常に有利である。
【0034】この発明は、少なくとも一の相が液体であ
り、相互に混和されず、かつ、異なる密度を有するn相
(n≧2)からなる組成物を、変更可能な濃度比率で分
配するために、空気を取り入れることなく動作するポン
プを搭載した可変容積の容器の使用にも関連している。
【0035】各相の各濃度比率は、広い範囲で変化す
る。その範囲の一端において分配される組成物は、10
0%、軽い相から構成されていてもよい。その範囲の他
端において分配される組成物は、100%、重い相から
構成されていてもよい。2つの間には、無数の可能性が
あり、それらは、所望により、特に、分配前の攪拌の程
度を変更することにより、選択される。
【0036】特に、2つの液相を含む3相の組成物の場
合には、第1の(軽い)相または第2の(重い)相、ま
たは該第1および第2の相と、該第1および第2の相の
密度の間の中間の密度を有する第3の相との混合物を、
選択的に分配することができる。
【0037】この発明の他の側面によれば、空気を取り
入れることなく作動するポンプが固定された容積可変の
容器によって、少なくとも1つの相が液体であり、相互
に混和されず、かつ、異なる密度を有する少なくとも2
つの相A,Bから構成される組成物を分配するためのプ
ロセスが達成され、該プロセスは、選択的に、 a) 密度差による相分離後に、ポンプの入口経路に連
絡する一方の相Aを有するように容器を第1の位置に配
置し、その後、実質的に相Aからなる組成物を分配する
ようにポンプを駆動すること、 b) 2つの相の一時的な混合物を生成するために容器
の内容物を攪拌し、各相A,Bから部分的に構成され、
相A/Bの濃度比率が、特に、攪拌の程度に依存してい
る組成物を分配するようにポンプを駆動することにあ
る。
【0038】第1の液相と第2の液相とを具備する組成
物の場合には、前記第2の液相は、組成物の全体積の2
〜50%を示すことが好ましく、組成物の全体積の5〜
30%を示すことがより好ましい。
【0039】また、プロセスは、選択的に、 b) 密度差による相の分離後に、前記ポンプの入口経
路に連絡する他の相Bを有するように、前記容器を第2
の位置に配置し、その後、実質的に相Bから構成される
組成物を分配するように、前記ポンプを駆動するもので
あっても都合がよい。
【0040】この後者の態様のプロセスにおいては、第
1の相または第2の相のいずれか、または、2つの相の
混合物を別々に分配することができる。この態様は、2
つの液相を分配するのに特に適している。
【0041】
【発明の実施の形態】上述した装置は別として、この発
明は、以下に、添付図面を参照して記述された限定しな
い実施形態によって説明される他の多くの装置からなっ
ている。図1〜図3は、この発明に係る装置の第1の実
施形態を示している。図4および図5は、この発明に係
る装置の第2の実施形態を示している。
【0042】図1〜図3に示された実施形態において、
この発明に係る装置1は、(アルミニウム層を含む多層
複合構造からなる)柔軟な壁2を有し、その一端が底部
3において閉じられ、他端が開口4を画定する自由端を
有する袋を具備している。中間構成部材4は、前記開口
4の上に、密封状態に据え付けられている。該中間構成
部材5は、前記袋の自由端の内面と、該中間構成部材5
の保有するスカート部6の外面との間を接着剤または溶
接によって密封状態に袋に固定されている。前記中間構
成部材5は、ポリエチレンからなる硬質の外装部材10
の外面に形成された対応するビード9とスナップ式の固
定方法で結合することができる環状溝8を含む側部スカ
ート部7を具備している。前記外装部材10の底部に
は、該硬質の外装部材10と前記柔軟な壁2を有する袋
との間の空間に空気を取り入れることを可能とし、それ
によって、計量された量の製品の分配により生ずる袋の
体積の減少を補償することを可能にする孔11が設けら
れている。
【0043】前記中間構成部材5は、前記スカート部
6,8の反対側に、空気を取り入れることなく動作する
ポンプ13が圧力ばめされる軸方向シャフト12を具備
している。前記ポンプは、渦巻ノズル17に接続する流
路16を含み、分配される組成物を散布するための部材
を構成する押しボタン15が搭載された露出軸14を具
備している。
【0044】前記中間構成部材5は、軸方向シャフト1
2の反対側に、規則的に間隔をあけた複数の小さいバー
18によって柔軟な容器2内部に延びている。これらの
バー18は、前記袋2が、該袋2内の内容物の分配にし
たがって収縮したときに、該袋2の柔軟な壁によってポ
ンプ13の入口経路19が閉塞されることを防止できる
「閉塞防止」構造を構成している。袋内部には、該柔軟
な袋2内に収容されている組成物の混合を容易にするこ
とができるボール20が入っている。
【0045】袋2内に収容された組成物は、低い水分含
有量(15%以下)の水性アルコール相の形態の芳香物
質からなる主要相Aと、特に、アラントインのような鎮
静剤およびサンスクリーンを含むシリコン油から構成さ
れた第2の相Bとからなっている。第2の相は、組成物
全体の約20体積%をなし、水性アルコール相よりも重
い。
【0046】この装置1が、図1に示されているよう
に、直立させられたときには、芳香物質(A相)が上部
に、シリコン油(B相)が底部に配される。図1に示さ
れるこの位置において、使用者は、押しボタン15を押
下することにより、芳香物質(A相)をノズル17を介
して所望の位置に噴霧する。
【0047】また、装置1を、図2に示される位置に反
転することにより、シリコン油(B相)がポンプ13に
連絡する位置に配置され、所望の場所に噴霧することが
できる。したがって、芳香物質内に含まれているアルコ
ールの「ひりひりする痛み」を沈静すること、および、
紫外線から肌を保護することを目的とした、少し脂を含
んだ組成物が肌の上、特に、芳香物質を前に噴霧した場
所に堆積される。かけられた製品を拡げ、その浸透を促
進するために、肌が軽くマッサージされてもよい。
【0048】装置を、図3に示される方法で攪拌するこ
とにより、2つの相が、多少均一に混合される。その
後、直立位置または反転位置で、芳香、沈静および日光
阻止の組み合わせた特性を有する相A,Bの混合物を噴
霧することができる。装置を立てておくことにより、2
つの相は「分離」され、図1のそれぞれの位置に回復す
る。
【0049】図4および図5の実施形態においては、装
置1は、円筒状の熱可塑性材料からなるボトル50を具
備し、該ボトル50の上には、空気を取り入れることな
く作動するポンプ13が内部に圧力ばめされた首部51
が設けられている。ポンプの上には、渦巻ノズル17の
形態をした散布手段を含む押しボタン15が搭載されて
いる。ボトル50の底部は開口している。フォロワピス
トン52がボトル50の内部に液密状態かつ摺動自在に
据え付けられており、製品が分配されると、相当する空
気によって補償されない製品の体積の減少に起因する圧
力低下の効果により、ボトル50の内部を上昇するよう
になっている。これに代えて、ボトルの底部は、空気取
入れ口を有する添付の底部材によって閉鎖されていても
よい。
【0050】精油の形態をした芳香物質を収容する5g
のマイクロカプセルBが、50mlのボトルの内部に配
置される。ボトルは、水性アルコール相のオードトワレ
Aによって満たされる。マイクロカプセルは、オードト
ワレより密度が高く、図4に示された位置においては、
ボトル50の底部に沈積する。この位置において、押し
ボタンを押下することにより、使用者は、ノズル17を
介して、実質的に(少なくとも約85%、密度差によっ
て相を分離させる時間に依存する。)オードトワレを所
望の場所に噴霧する。
【0051】使用者が、そのオードトワレの性質を変更
したいとき、または強くしたいときには、ボトルを振っ
て攪拌する。そのときに、攪拌する力に依存して、図5
に示されるように、マイクロカプセルをオードトワレの
中に、より多くまたはより少なく浮遊させることができ
る。押しボタンを作動させることにより、いくらかのマ
イクロカプセルがポンプによって吸引されて、オードト
ワレとともに噴霧される。マイクロカプセルは、ポンプ
を通過するときに「潰れ」、精油を放出させることにな
る。これに代えて、精油は、肌に混合物を塗布した後
に、肌を軽くマッサージすることにより放出されてもよ
い。装置を直立させることができる場合には、マイクロ
カプセルは、ボトルの底部に沈積され、図4に示された
元の位置に回復する。
【0052】上述した詳細な説明においては、この発明
の好ましい実施形態が参照された。特許請求の範囲に記
載されたこの発明の範囲を逸脱することなく、これらの
実施形態を変形できることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施形態に係る装置を直立
させた状態を示す、縦断面図である。
【図2】 図1の装置を反転させた状態を示す、縦断面
図である。
【図3】 図1の装置内の組成物を攪拌した後の状態を
示す、縦断面図である。
【図4】 この発明の第2の実施形態に係る装置を直立
させた状態を示す、縦断面図である。
【図5】 図4の装置内の組成物を攪拌した後の状態を
示す、縦断面図である。
【符号の説明】
A 液相(相) B 微粒子相(相) 1 装置 2 袋(容器) 5 中間構成部材(中間固定部材) 10 外装部材 13 ポンプ 15 押しボタン 17 ノズル 18 閉塞防止手段 19 入口経路 20 ボール 50 ボトル(容器) 52 フォロワピストン

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a) 空気を取り入れることなく作動す
    るポンプ(13)が取り付けられた可変容積の容器
    (2,50)と、 b) 該容器内に収容され、相互に混和されず、かつ、
    異なる密度を有し、少なくとも一の相(A)が液体であ
    る、少なくとも2つの相(A,B)から構成された組成
    物とを具備することを特徴とする装置(1)。
  2. 【請求項2】 前記容器(2,50)が、柔軟な壁を有
    する袋(2)からなることを特徴とする請求項1記載の
    装置。
  3. 【請求項3】 前記柔軟な壁を有する袋(2)が、硬質
    の外装部材(10)の内部に配置されていることを特徴
    とする請求項2記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記容器(2)を空にするに従って、前
    記袋が潰れるときに、前記ポンプ(13)の入口経路
    (19)の閉塞を防止する手段(18)を具備すること
    を特徴とする請求項3記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記容器(2,50)が、柔軟な管、ベ
    ローズを形成する壁を有するボトル、薄い壁を有するブ
    ロー成形または共押出しされたボトル、弾性膜のような
    膜を有する容器、または、フォロワピストン(52)が
    内部に配置された容器(50)からなることを特徴とす
    る請求項1記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記ポンプ(13)が、前記容器(2,
    50)、または、中間固定部材(5)に、特に、かし
    め、ねじ止めまたは圧力ばめによって固定されているこ
    とを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載
    の装置。
  7. 【請求項7】 前記ポンプ(13)を前記容器(2,5
    0)に連絡するプランジャチューブを具備することを特
    徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の装
    置。
  8. 【請求項8】 前記ポンプ(13)に、随意に、ノズル
    (17)のような散布手段を含む押しボタン(15)が
    搭載されていることを特徴とする請求項1から請求項7
    のいずれかに記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記組成物が、液相(A)と、該液相と
    は異なる密度を有する微粒子相(B)とを含むことを特
    徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の装
    置。
  10. 【請求項10】 前記微粒子相(B)が、組成物の全体
    積の0.5〜30体積%、好ましくは、組成物の全体積
    の1〜10体積%を示すことを特徴とする請求項9記載
    の装置。
  11. 【請求項11】 前記微粒子相(B)が、粉末、マイク
    ロカプセルまたはナノカプセル、色素、フィラーまたは
    パーライザの形態をしていることを特徴とする請求項9
    または請求項10記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記組成物が2つの異なる密度の混和
    しない液相(A,B)を具備することを特徴とする請求
    項1から請求項8のいずれかに記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記容器内の内容物を攪拌することを
    可能とする手段、特に、ボール(20)を含むことを特
    徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の装
    置。
  14. 【請求項14】 前記ポンプが、予圧形式のものである
    ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに
    記載の装置。
  15. 【請求項15】 組成物を構成し、少なくとも1相
    (A)が液相であり、相互に混和されず、かつ、異なる
    密度を有するn相(n≧2)(A,B)の変更可能な濃
    度比率に従って、前記組成物を分配するために、空気を
    取り入れることなく作動するポンプ(13)を搭載した
    容積可変の容器(2,50)の使用。
  16. 【請求項16】 空気を取り入れることなく作動するポ
    ンプ(13)が固定された容積可変の容器(2,50)
    によって、相互に混和されず、かつ、異なる密度を有
    し、少なくとも1相が液相である少なくとも2つの相
    A,Bから構成される組成物を分配する方法であって、 a) 前記容器(2,50)を、密度差によって相
    (A,B)を分離させた後に、前記ポンプ(13)の入
    口経路(19)に連絡する一方の相(A)を有するよう
    に第1の位置に配置し、その後、実質的に相(A)から
    構成された組成物を分配するように前記ポンプ(13)
    を駆動するステップと、 b) 2つの相(A,B)の一時的な混合物を生成する
    ために前記容器(2,50)内の内容物を攪拌し、その
    後、前記相(A,B)の各々から部分的に構成された組
    成物、攪拌の程度に依存した相(A/B)の濃度比率で
    分配するように、前記ポンプ(13)を駆動するステッ
    プとを具備することを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 前記相(A)が第1の液相であり、前
    記相(B)が、前記第1の液相と混和されずかつ該第1
    の液相とは異なる密度を有する第2の液相を構成してい
    ることを特徴とする請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記第2の液相(B)が、前記組成物
    の全体積の2〜50体積%、好ましくは、組成物の全体
    積の5〜30体積%を示すことを特徴とする請求項16
    または請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記相(A)が液相であり、前記相
    (B)が、前記液相とは密度が異なりかつ該液相とは混
    和されない微粒子相であることを特徴とする請求項16
    記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記微粒子相(B)が、前記組成物の
    全体席の0.5〜30体積%、好ましくは、前記組成物
    の全体積の1〜10%を示すことを特徴とする請求項1
    9記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記微粒子相(B)が、フィラー、色
    素、パーライザ、マイクロカプセル、ナノカプセルまた
    はタルクから構成されていることを特徴とする請求項1
    9または請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 選択的に、 b) 密度差により相(A,B)を分離した後に、前記
    ポンプの入口経路(19)に連絡する他の相Bを有する
    ように、前記容器(2,50)を第2の位置に配置し、
    その後、実質的に相(B)から構成される組成物を分配
    するように前記ポンプ(13)を駆動するステップを含
    むことを特徴とする請求項16から請求項18のいずれ
    かに記載の方法。
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