JP2000188822A - 電力ケ―ブル接続部および電力ケ―ブル接続部に用いるシリコ―ン皮膜形成用組成物 - Google Patents

電力ケ―ブル接続部および電力ケ―ブル接続部に用いるシリコ―ン皮膜形成用組成物

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JP2000188822A
JP2000188822A JP11292508A JP29250899A JP2000188822A JP 2000188822 A JP2000188822 A JP 2000188822A JP 11292508 A JP11292508 A JP 11292508A JP 29250899 A JP29250899 A JP 29250899A JP 2000188822 A JP2000188822 A JP 2000188822A
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Shunichi Asakura
俊一 朝倉
Mitsuo Shimazaki
光雄 島崎
Toshihiro Nishida
敏裕 西田
Nobuhito Murakami
信仁 村上
Nobutsugu Kida
信嗣 木田
Hiroyoshi Shimozu
弘義 下津
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Furukawa Electric Co Ltd
Momentive Performance Materials Japan LLC
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Furukawa Electric Co Ltd
GE Toshiba Silicones Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたって滑り性に優れるとともに、突
起や異物、空隙を形成することなく初期の電気特性を長
期にわたって維持することができる電力ケーブル接続部
を提供する。 【解決手段】 エラストマー製部品が装着されている電
力ケーブル接続部において、前記エラストマー製部品の
少なくとも内表面に、(A)25℃における粘度が50
cSt以上の、両末端がシラノール基で封鎖されたポリ
オルガノシロキサン(A1)または1分子中に少なくと
も2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するポリオル
ガノシロキサン(A2)、(B)ケイ素原子に結合した
水素原子が1分子中に少なくとも2個存在するポリオル
ガノハイドロジェンシロキサン、(C)平均粒子径0.
1〜100μmのポリメチルシルセスキオキサン、及び
(D)硬化触媒(D1)または白金系触媒(D2)を所
定量含む組成物から形成されたシリコーン皮膜を有する
電力ケーブル接続部、およびそれに用いるシリコーン皮
膜形成用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力ケーブル同士
が接続された中間接続部や電力ケーブルの端末に機器接
続用の端子が接続された終端接続部などの電力ケーブル
接続部、及び電力ケーブル接続部に形成されるシリコー
ン皮膜形成用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は、ケーブル同士が接続された中間
の電力ケーブル接続部の一例を示す一部断面図である。
図1において、18は電力ケーブル接続部(一方のケー
ブル側の接続部のみ図示されている)で、1はケーブル
Aのシース、2は鋼テープで構成されたケーブル遮蔽層
である。3は外部半導電層、4は絶縁層、5は導体で、
該導体5はシース1、遮蔽層2、外部半導電層3、絶縁
層4が順次段剥ぎされて露出される。8は接続スリーブ
で、該スリーブ8によりケーブル導体相互を接続する。
6は筒状のエラストマー製ストレスコーンで、半導電部
6aと絶縁部6bとからなり、半導電部6aの後端が少
なくとも遮蔽層2、外部半導電層3上に位置するように
装着される(図1ではシース1にまでまたがって装着さ
れている)。9はケーブル導体の接続部を外部と絶縁す
る絶縁筒(例えばエポキシ製のユニット)、10は外部
金属ケースである。なお、図中、7は接続部中心側に設
けたストレスコーンの押さえ金具である。ストレスコー
ン6は、絶縁部6bのテーパ状の外表面が絶縁筒9の開
口部内表面に嵌合するとともに、先端外表面が押さえ金
具7に嵌合するように挿入され、押圧スプリング14で
押圧することにより絶縁部6bの外表面は絶縁筒9と、
内表面は絶縁層4と加圧状態で密着され、ケーブル接続
部に発生する電界を緩和させている。
【0003】図2は、ケーブル同士が接続された中間の
電力ケーブル接続部の他例を示すもので、プレハブ式T
分岐接続体34の構造を示す一部断面図である。この接
続部は、電力ケーブル24を3本、T字状に接続したも
のである。41はT字状の接続箱本体で、該接続箱本体
41は中心にT字状の雌型プラグ35を配置し、その上
に半導電層42、絶縁層40を一体に成形し(以下絶縁
筒44という)、更にその外周を金属ケース(接続箱本
体41)で保護した構造となっている。24はそれぞれ
接続する3本のケーブルで、該ケーブル24の絶縁層4
上にはエラストマー製ストレスコーン6を、導体5には
雄プラグ36を取り付け、雄プラグ36を前記雌プラグ
35に挿着することによりT分岐接続部34を組み立て
る。46は、接続部の水密性を維持するために設ける防
水テープ層である。なお、図1と同一部分には同一符号
を付して詳細な説明を省略する。
【0004】図3は、電力ケーブル52の端末に端子金
具60を接続し、エラストマー製絶縁筒66を設置した
終端の電力ケーブル接続部50の構造を示す一部断面図
である。この終端の電力ケーブル接続部50は、電力ケ
ーブル52の端末のシース53から遮蔽金属テープ5
4、外部半導電層55、絶縁層56を順次段剥ぎして導
体58を露出させ、次いで導体58に端子60を取り付
け、笠部64、胴部62と内側に設けられた電界緩和層
59とからなるエラストマー製絶縁筒66を、前記露出
導体58、絶縁層56、外部半導電層55上に嵌挿され
たものである。この際にエラストマー製絶縁筒66は、
電界緩和層59の後端が外部半導電層55上に位置する
ように嵌挿される。電界緩和層59のかわりに、図示は
しないが、図1のようなストレスコーンを設置して電界
緩和を施す場合もある。なお、図中、68はアース線、
70はアース用テープである。
【0005】上述した以外でも、図示はしないが、内側
層と外側層がそれぞれ半導電層からなり、両者の間に中
間層として絶縁層が形成された筒状のエラストマー製絶
縁筒を、ケーブル接続部上に設置する電力ケーブル接続
部等がある。いずれの構造の電力ケーブル接続部におい
ても、エラストマー製のストレスコーンまたは絶縁筒
(以下、総称してエラストマー製部品という)はケーブ
ルに嵌挿ないし装着され、多くの場合ケーブル上を移動
させる必要がある。そのためには、エラストマー製部品
内周面と被装着部分との接触界面の滑り性が良好である
必要がある。また、コロナ放電等の電気的欠陥を生じさ
せないために、装着するエラストマー製部品はケーブル
の各被装着部分と空隙なく密着させることが必須であ
る。このためにエラストマー製部品の内径は被装着部分
の外径より小さく設計され、エラストマーの弾性で被装
着部分への密着性向上を図るとともに空隙を作らないよ
うな構成とする必要がある。従来、前記要求特性を満た
す手段として、エラストマー製部品と被装着部分との接
触界面にグリースを塗布して、潤滑性と密着性の確保が
図られていた。このような手段としては、ストレスコー
ンの内周面(必要によりさらに外周面にも)に、または
絶縁筒の内周面側に潤滑用のグリースを塗布することが
知られている。例えば、図1ではストレスコーン6の内
周面と絶縁層4の表面に、図2ではストレスコーン6の
外周面と絶縁筒44の接触面に、図3ではエラストマー
製絶縁筒66の内周面と絶縁層56の表面に、それぞれ
グリースが塗布され、エラストマー製部品の挿入を滑ら
かにしている。
【0006】ところで、ある種のエラストマー製のスト
レスコーンまたは絶縁筒とグリースの組み合わせによっ
ては、時間が経つにつれてグリースがストレスコーンま
たは絶縁筒に吸収されることがある。例えば、エチレン
−プロピレンゴム製のストレスコーンにポリブテングリ
ースを使用した場合、あるいはシリコーンゴム製のスト
レスコーンにシリコーングリースを使用した場合などで
ある。
【0007】電気接続部等の潤滑用途に使用されるグリ
ースは一般に電気的絶縁性に優れている。このため、ス
トレスコーンまたは絶縁筒の半導電部(図1を参照、図
1中の半電導部6a)もしくは電界緩和層(図3を参
照、図3中の電界緩和層59)はグリース中のオイルを
吸収すると、半導電部の体積固有抵抗率の増加、もしく
は高誘電率部の誘電率が低下し、当初の設計通りに電界
を緩和できなくなることがある。このようなグリースの
吸収による電界緩和機能の低下は、絶縁破壊を引き起こ
す原因となる。このことから、従来、ストレスコーン、
絶縁筒等のエラストマーとこれらを挿入するために用い
られるグリースとの組み合わせを配慮する等の対策がと
られてきた。
【0008】グリースの吸収を抑制したエラストマーと
グリースとの組み合わせの例としては、ストレスコーン
および絶縁筒がエチレン−プロピレンゴム製の場合はシ
リコーングリースを、シリコーンゴム製のものにはフッ
素系グリースが用いられている。
【0009】しかしながら、ストレスコーンおよび絶縁
筒(エラストマー製部品)の挿入を容易にするためにグ
リースを使用すると、長期的にはグリースのオイル分が
蒸発、吸収等の理由で消失することがあり、この場合、
グリースの増ちょう剤が、エラストマー製部品とケーブ
ル絶縁層の間に残存してしまう。この残存物は、異物や
突起となりその周囲に空隙を生じてしまうため、ここで
コロナ放電が起こり、絶縁破壊を引き起こす原因とな
る。さらに、グリースのオイル分が失われてしまうと、
電力ケーブル接続部の解体時には、嵌装時とは異なりも
はや滑り性がないため、作業上望ましくない。また、ス
トレスコーンおよび絶縁筒を挿入するために使用するシ
リコーングリースやフッ素系グリースは高価であり、現
時点での市価は、炭化水素油系グリースに比べ、シリコ
ーングリースは5倍、フッ素系グリースは10〜20倍
にものぼり、コスト面で不利であるという問題がある。
【0010】また、潤り性のよい乾いた硬い皮膜をエラ
ストマー製部品表面に形成することにより、グリースに
代えて潤滑性を付与することができる。しかしながら、
硬い皮膜は伸縮性に乏しいため、エラストマー製品を挿
入した際の伸縮に追随できず割れてしまい、空隙が形成
される問題がある。つまり、突起や異物を形成せずにボ
イドや空隙を埋めることができる皮膜はこれまでに得ら
れておらず、ケーブル接続部に用いても突起や空隙を形
成せず、コロナ放電により絶縁破壊を引き起こすことの
ない皮膜材料が求められていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題を
解決し、嵌装時から解体時まで長期にわたって滑り性に
優れるとともに、突起や異物、空隙を形成することなく
潤滑性を有する皮膜を形成することにより、コロナ放電
を起こさずに初期の電気特性を長期にわたって維持する
ことができる電力ケーブル接続部を提供することを目的
とする。また、本発明は、安価な皮膜を用いて、エラス
トマー製ストレスコーンや絶縁筒などのエラストマー製
部品を容易にケーブル絶縁層に挿人することができ、か
つ電気的に長期安定性を維持することができる電力ケー
ブル接続部を提供することを目的とする。さらに、本発
明は、このような電力ケーブル接続部に装着されるエラ
ストマー製部品の表面へのシリコーン皮膜形成用組成物
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために、長期にわたって変質せずに、エラス
トマー製部品と被装着部分との密着性が十分確保できる
潤滑層の形成材料について鋭意検討した結果、特定のシ
リコーン化合物を含有する硬化皮膜が、良好な弾性と良
好な潤滑性を有し、かつオイル分等の蒸発、移行のおそ
れのない皮膜であり、絶縁特性を長期間維持できて電力
ケーブル接続部の潤滑皮膜として優れるものであること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
【0013】すなわち、本発明は、 (1)エラストマー製部品が装着されている電力ケーブ
ル接続部において、前記エラストマー製部品の少なくと
も内表面に、下記成分 (A1)25℃における粘度が50cSt以上の、両末
端がシラノール基で封鎖されたポリオルガノシロキサン
100重量部、(B)ケイ素原子に結合した水素原子が
1分子中に少なくとも2個存在するポリオルガノハイド
ロジェンシロキサン0.1〜100重量部、(C)(A
1)と(B)の合計量100重量部に対して、平均粒子
径0.1〜100μmのポリメチルシルセスキオキサン
1〜200重量部、及び(D1)(A1)と(B)の合
計量100重量部に対して、硬化触媒0.5〜15重量
部を含む組成物から形成されたシリコーン皮膜を有して
なることを特徴とする電力ケーブル接続部、 (2)エラストマー製部品が装着されている電力ケーブ
ル接続部において、前記エラストマー製部品の少なくと
も内表面に、下記成分 (A2)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合ア
ルケニル基を有するポリオルガノシロキサン100重量
部、(B)ケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に
少なくとも2個存在するポリオルガノハイドロジェンシ
ロキサン0.1〜100重量部、(C)(A2)と
(B)の合計量100重量部に対して、平均粒子径0.
1〜100μmのポリメチルシルセスキオキサン1〜2
00重量部、及び(D2)(A2)と(B)の合計量1
00重量部に対して、触媒量の白金系触媒を含む組成物
から形成されたシリコーン皮膜を有してなることを特徴
とする電力ケーブル接続部、
【0014】(3)下記成分 (A1)25℃における粘度が50cSt以上の、両末
端がシラノール基で封鎖されたポリオルガノシロキサン
100重量部、(B)ケイ素原子に結合した水素原子が
1分子中に少なくとも2個存在するポリオルガノハイド
ロジェンシロキサン0.1〜100重量部、(C)(A
1)と(B)の合計量100重量部に対して、平均粒子
径0.1〜100μmのポリメチルシルセスキオキサン
1〜200重量部、及び(D1)(A1)と(B)の合
計量100重量部に対して、硬化触媒0.5〜15重量
部を含んでなることを特徴とする電力ケーブル接続部に
用いるシリコーン皮膜形成用組成物、及び (4)下記成分 (A2)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合ア
ルケニル基を有するポリオルガノシロキサン100重量
部、(B)ケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に
少なくとも2個存在するポリオルガノハイドロジェンシ
ロキサン0.1〜100重量部、(C)(A2)と
(B)の合計量100重量部に対して、平均粒子径0.
1〜100μmのポリメチルシルセスキオキサン1〜2
00重量部、及び(D2)(A2)と(B)の合計量1
00重量部に対して、触媒量の白金系触媒を含んでなる
ことを特徴とする電力ケーブル接続部に用いるシリコー
ン皮膜形成用組成物を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の電力ケーブル接続部は、
エラストマー製ストレスコーンおよび絶縁筒などのエラ
ストマー製部品の少なくとも内表面にシリコーン皮膜が
設けられている。シリコーン皮膜を形成させることによ
り、エラストマー製部品の内表面に潤滑性を付与させる
ことができる。なお、シリコーン皮膜は、ストレスコー
ンおよび絶縁筒の内表面に限らず、内表面と外表面の全
表面に形成されていてもよい。特に、シリコーン皮膜
は、図1に示すようなストレスコーン6の外表面にも形
成させると、ストレスコーンが押しあてられる絶縁筒9
との嵌挿が容易で密着性が向上する利点がある。また、
シリコーン皮膜は、図3に示す絶縁筒66の外表面にも
形成させることにより、内表面での密着性付与に加え
て、外表面に撥水性を付与させることができる。
【0016】エラストマー製部品の構成材料としては、
例えばエチレン−プロピレンゴム(EPDM)、シリコ
ーンゴム等が挙げられる。通常使用されるエラストマー
であれば、特に限定されず、接続部の構造やその電力ケ
ーブルの電圧階級を考慮して適宜選択して用いることが
できる。
【0017】シリコーン皮膜の形成方法としては、少な
くとも成分(A)〜(D)を含んでなる皮膜形成材組成
物を、はけ塗り、スプレー、ディップ等の適当な方法で
所定の表面に塗布し、20〜180℃、好ましくは90
〜150℃の温度で加熱硬化せしめ、エラストマー製部
品表面に皮膜を形成するものである。なお、スプレーや
フローコートを使用する場合などで、皮膜形成材組成物
の低粘度化が必要な場合は、さらに有機溶剤(E)を混
合し、所定の粘度に調節することができる。
【0018】以下、本発明においてシリコーン皮膜の形
成に用いられる各成分について説明する。
【0019】(A)ポリオルガノシロキサン(ここで
(A)とは、成分(A1)及び(A2)をいう) 本発明で用いられるシリコーン皮膜の(A)成分として
用いることのできる、両末端がシラノール基で封鎖され
たポリオルガノシロキサン(A1)は、ケイ素原子に結
合した水酸基を分子の両末端に持ち、その反応性によっ
て硬化反応にあずかるものである。分子中のケイ素基に
は有機基が結合していてもよい。このような有機基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など
のアルキル基、プロペニル基などのアルケニル基、フェ
ニル基などのアリール基、スチレニル基などのアラルキ
ル基、およびこれらの炭化水素基の水素原子の一部がハ
ロゲン原子、ニトリル基などで置換されたものが例示さ
れるが、合成しやすさ、硬化前の組成物の粘度と硬化後
の皮膜の物性との兼ね合いなどから好ましくはメチル基
が用いられる。このような両末端シラノール基封鎖ポリ
オルガノシロキサンの粘度は、25℃において50cS
t以上、好ましくは1,000 〜2,000,000 cStである。
50cSt未満では硬化後の皮膜が脆くなる。また、1
0,000,000cStを超えると硬化前の組成物の粘度が大
きくなり、取り扱いが不便になるが、このような場合は
トルエンやキシレンなどの有機溶媒で希釈することによ
り取り扱いを容易にすることができる。
【0020】また、(A)成分としては平均組成式Ra
SiO(4-a)/2(式中、Rは置換又は無置換の1価の炭
化水素基を表わし、aは1.8〜2.3の数を表わ
す。)で示されるような、1分子中に少なくとも2個の
ケイ素原子結合アルケニル基を有するポリオルガノシロ
キサン(A2)を用いることができる。アルケニル基と
してはビニル基、アリル基、ブチニル基、ヘキセニル基
などを挙げることができる。また、アルケニル基以外の
ケイ素原子結合基として、メチル基、エチル基、プロピ
ル基などのアルキル基;フェニル基などのアリール基;
3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−フェニルエ
チル基、2−シアノエチル基などの置換炭化水素基で例
示される1価の炭化水素基を挙げることができる。この
ような、分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アル
ケニル基を有するポリオルガノシロキサン付加型反応シ
リコーンゴムの主剤の粘度は、25℃において1cSt
以上、好ましくは10〜10,000,000cSt、
より好ましくは50〜2,000,000cStであ
る。また、10,000,000cSt以上の液体状ま
たは固体状のものの場合は、トルエンやキシレンなどの
有機溶剤で適宜粘度調整して使用することができる。な
お、アルケニル基の含有形態には特に制限はなく、例え
ば、直鎖状ポリオルガノキロキサンにおいては末端及び
/又は側鎖に結合したもの、環状ポリオルガノシロキサ
ンにおいては側鎖に結合したもの、分岐状ポリオルガノ
シロキサンにおいては末端及び/又は側鎖に結合したも
のなどがあげられる。
【0021】(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキ
サン 本発明で用いられる(B)成分であるポリオルガノハイ
ドロジェンシロキサンは、(A)成分と脱水素縮合反応
して三次元的網目状構造(架橋構造)を有する硬化体
(皮膜)を与えるために、ケイ素原子に結合した水素原
子を1分子中に少なくとも2個有するものである。この
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、分子中に結
合した有機基を有していてもよく、そのような有機基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基な
どのアルキル基、プロペニル基などのアルケニル基、フ
ェニル基などのアリール基、スチレニル基などのアラル
キル基、およびこれらの炭化水素基の水素原子の一部が
ハロゲン原子、ニトリル基などで置換されたものが例示
されるが、合成しやすさから、特に好ましくはメチル基
が用いられる。このようなポリオルガノハイドロジェン
シロキサン類は、直線状、分岐状、および環状のいずれ
でもよい。
【0022】また、(B)成分のポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサンは、EPDMなどのエラストマー製部
品中の無機充填剤表面のヒドロキシル基と反応すること
によってシリコーン皮膜とエラストマー製部品との密着
性向上に寄与する。この(B)成分のポリオルガノハイ
ドロジェンシロキサンの使用量は、(A)成分の両末端
がシラノール基で封鎖されたポリオルガノシロキサン
(A1)100重量部に対して、0.1〜100重量部
であり、好ましくは1〜80重量部であり、さらに好ま
しくは3〜60重量部である。(B)成分の使用量が
(A)成分100重量部に対して0.1重量部未満で
は、完全に硬化したシリコーン皮膜を形成できなかった
り、硬化反応に著しく時間が掛かるなど、皮膜特性を低
下させることがある。一方、100重量部を越えると得
られるシリコーン皮膜が柔らかく、また脆くなってしま
う。また、(B)成分を(A)成分100重量部に対し
て30重量部以上用いることが、前記エラストマー製部
品との密着性向上の点で好ましい。
【0023】また、(A)成分として、1分子中に少な
くとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するポリ
オルガノシロキサン(A2)を使用する場合には、
(B)成分のオルガノハイドロジェンシロキサンの使用
量は、(A)成分100重量部に対して、0.1〜10
0重量部、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは
3〜20重量部である。(B)成分の使用量が(A)成
分100重量部に対して0.1重量部未満では、完全に
硬化したシリコーン皮膜を形成できなかったり、硬化反
応に著しく時間がかかったりするなど、皮膜特性を低下
させることがある。一方、100重量部を越えると、得
られるシリコーン皮膜が著しく柔らかく、粘着性を持つ
ようになってしまう。
【0024】(C)ポリメチルシルセスキオキサン 本発明で用いられる(C)成分のポリメチルシルセスキ
オキサンは、塗布方法や塗膜厚にかかわらず、一定のつ
や消しの硬化皮膜を与え、良好な滑り性を与え、且つ長
期間保存して粉体の沈降が生じた場合においても、極め
て容易に再分散が可能な皮膜とするための必須成分であ
る。この充填剤は粉砕石英やけいそう土のような類似の
平均粒子径をもつ他のシリカ系充填剤に比べて、配合後
の組成物の比重が低く、そのため多量に充填しても系の
比重はあまり上昇せず、しかも系は粘度上昇も少ないた
め、流動性の低下を防ぐことができる。本発明に用いら
れるポリメチルシルセスキオキサンとしては、メチルト
リアルコキシシランまたはその加水分解・縮合物をアン
モニアまたはアミン類の水溶液中で加水分解・縮合させ
て得られるものが、塩素原子、アルカリ土類金属、アル
カリ金属などの不純物がほとんどなく、また球状で自由
流動性に優れており好ましい。
【0025】この製法で得られるポリメチルシルセスキ
オキサン粒子は体積抵抗率が1015Ωcm以上と良好な電
気絶縁特性を有していることからも、本発明に有効な機
能を与える。ポリメチルシルセスキオキサンは真球状の
固体粉末であり、その平均粒子径は0.1〜100μ
m、好ましくは0.1〜20μmである。0.1μm未
満のものは製造しにくい上に、高配合しなければ必要な
特性が得られないという欠点がある。また、粒径が10
0μmを超えると形成されるシリコーン皮膜の強靭性や
柔軟性が失われる欠点を有する。(C)のポリメチルシ
ルセスキオキサンの使用量には特に制限はないが、
(A)と(B)の合計量100重量部に対して1〜20
0重量部、好ましくは5〜150重量部、さらに好まし
くは40〜100重量部である。使用量が0.5重量部
未満であると潤滑性が悪くなり、使用量が200重量部
を越えるとシリコーン皮膜の強靭性や柔軟性が失われて
しまう。
【0026】(D)硬化触媒(ここで(D)とは、成分
(D1)及び(D2)をいう) 本発明で用いられる(D)成分の硬化触媒は、(A)成
分の両末端シラノール基封鎖ポリジオルガノシロキサン
(A1)のシラノール基と(B)成分のポリオルガノハ
イドロジェンシロキサンのSi−Hとの間の脱水素縮合
を行う場合には、この脱水素縮合を促進する触媒(D
1)として、金属脂肪酸塩、アミン類及びアンモニウム
類を用いることができ、単独で用いてもまた2種以上を
併用してもよい。金属脂肪酸塩としては、ジブチルスズ
ジアセテート、ジブチルススジオクトエート、ジブチル
ススジラウレート、ジブチルススジオレエート、ジブチ
ルスズジステアレート、トリブチルスズアセテート、ト
リブチルスズオクトエート、トリブチルスズラウレー
ト、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラ
ウレート、ジエチルスズジオレエート、モノメチルスズ
ジオレエートなどの金属原子に直接結合した有機基をも
つもの、およびオクテン酸亜鉛、オクテン酸鉄、オクテ
ン酸スズのように、金属原子に直接結合した有機基を持
たないものが例示される。またアミン類としては、モノ
メチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジ
エチルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチルテトラ
アミンなどの有機アミンやその塩;α−アミノプロピル
トリエトキシシランなどのアミノ基を有するシラン化合
物やその塩が、アンモニウム類としてはテトラメチルア
ンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウムおよびそれ
らの塩が例示される。この硬化触媒(D1)の使用量
は、(A1)成分と(B)成分の合計量100重量部に
対し、0.5〜15重量部、好ましくは5〜12重量
部、より好ましくは8〜10重量部である。0.5重量
部未満では硬化が遅く、エラストマー製部品に組成物を
塗布して熱処理したのちブロッキングを起こすおそれが
あり、また、10重量部より多いと(A1)〜(C)及
び(E)を混合中に反応が進み、塗布不可能になってし
まう。
【0027】なお、(A)成分として、1分子中に少な
くとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するポリ
オルガノシロキサン(A2)を用いる場合は、硬化触媒
には白金系触媒(D2)を使用する。具体的には塩化白
金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、ラモローの触媒
(白金−オクタノール錯体、米国特許第474337
号)、アシュビーの触媒(白金−ビニル基含有環状シロ
キサン錯体、米国特許第4288345号)、カールス
テットの触媒(白金−ビニル基含有ジシロキサン錯体、
米国特許第3814730号)などが挙げられる。白金
系触媒(D2)の使用量は、いわゆる触媒量とする。具
体的には、(A2)成分に対して白金として2ppm〜
1000ppmが好ましく、より好ましくは5〜30p
pmである。
【0028】(E)有機溶媒 本発明においては、成分(A)〜(C)及び(F)の混
合物(組成物)が流動しない場合や、組成物の粘性が高
くてフローコートやスプレーによる塗布が困難な場合、
有機機媒(E)で希釈して塗布を容易にすることができ
る。この場合、成分(A)〜(C)及び(F)のいずれ
かまたは2成分以上の混合物を希釈することができる。
また、シリコーン皮膜として1〜100μm程度の均一
な薄い皮膜を形成するためにも有機溶媒(E)を用いる
ことが有効である。通常、この有機溶媒(E)は、シリ
コーン皮膜形成中に揮発してしまうので、皮膜中には残
存しない。本発明に用いられる(E)成分の有機溶媒と
しては、n−へキサン、n−ヘプタン、石油系炭化水
素、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール、1,1,1−トリクロロエタン、トリ
クロロエチレンなどが例示される。有機溶媒(E)とし
ては、1種を用いてもまたは2種以上のものを併用して
もよい。例えば、成分(A)〜(C)に対してはキシレ
ンを用い、成分(F)に対してはトルエンまたはイソプ
ロピルアルコールを用いることができる。
【0029】このような有機溶媒(E)の使用量は、塗
布方法によっても変わるが、成分(A)〜(C)及び
(F)の合計量100重量部に対して、10〜2000
重量部が好ましい。有機溶媒(E)の使用量が10重量
部未満の場合は、形成されるシリコーン皮膜が平滑にな
らないことがある。また、有機溶媒(E)の使用量が多
いほど、すなわち希釈率が高いほど塗布前の塗布液(シ
リコーン皮膜形成用組成物)の可使時間を長くすること
ができるが、この使用量が、成分(A)〜(C)及び
(F)の合計量100重量部に対して2000重量部を
越える場合は、エラストマー製部品にシリコーン皮膜用
組成物を塗布する際に、所望の皮膜膜厚にするために重
ね塗りをする必要があり、作業性が悪くなってしまう。
【0030】(F)シランカップリング剤 本発明においては、シリコーン皮膜のエラストマー製部
品への密着性向上の観点から、シリコーン皮膜中にシラ
ンカップリング剤を含有させてもよい。本発明で用いる
ことができるシランカップリング剤とは、少なくとも1
個の炭素原子を介してケイ素原子に結合した有機官能基
を有するアルコキシシランであり、例えばγ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメ
チルエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシル
トリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシル
トリエトキシシランおよびγ−オキセタニルプロピルト
リメトキシシランなどのエポキシ系シランカップリング
剤、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランお
よびγ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンなどのアクリル系シランカップリング剤、γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系シ
ランカップリング剤、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシランおよびN−(β−アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリエトキシシランなどのアミノ系シランカッ
プリング剤、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、
γ−クロロプロピルメチルジメトキシシランおよびγ−
クロロプロピルメチルジエトキシシランなどの塩素化ア
ルキル系シランカップリング剤、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチル
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメ
チルジエトキシシランおよびビニルジメチルエトキシシ
ランなどのビニル系シランカップリング剤、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシランおよびジメチルジエトキシシランなど
のアルキル系シランカップリング剤などが例示される。
【0031】この内、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシランおよびγ−メタクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシランなどのアクリル系シランカップリン
グ剤、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ク
ロロプロピルメチルジメトキシシランおよびγ−クロロ
プロピルメチルジエトキシシランなどの塩素化アルキル
系シランカップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジ
メトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニ
ルメチルジエトキシシランおよびビニルジメチルエトキ
シシランなどのビニル系シランカップリング剤、メチル
トリメトキシシランなどのアルキル系シランカップリン
グ剤などの炭素官能基の反応性が比較的低いものは、形
成されるシリコーン皮膜とエラストマー製部品の密着性
が悪いため、シリコーン皮膜がエラストマー製部品から
脱落する場合がある。また、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシランなどのメルカプト系シランカップリン
グ剤、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエ
チル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよび
N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエ
トキシシランなどのアミノ系シランカップリング剤など
の炭素官能基の反応性が低いものは、形成されるシリコ
ーン皮膜とエラストマー製部品の密着性は良好である
が、高配合すると表面抵抗率(絶縁性)が低下する場合
がある。
【0032】したがって、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシ
ラン、3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシ
ラン、3,4−エポキシシクロヘキシルトリエトキシシ
ランなどの炭素官能基としてエポキシ基を持つエポキシ
系シランカップリング剤が、本発明の機能、すなわち、
電気的絶縁性、エラストマー製部品との密着性、潤滑性
を考慮すると有効である。特に耐電圧特性の低下を防止
するにはエポキシ基を持つシランカップリング剤が好ま
しい。また、密着性の点で好ましいシランカップリング
剤としては、エポキシ基、アミノ基又はメルカプト基を
持つものなどが挙げられる。添加する場合、(F)のシ
ランカップリング剤の使用量には、特に制限はないが、
(A)〜(C)の合計量100重量部に対して、好まし
くは30重量部以下、さらに好ましくは20重量部以下
である。シランカップリング剤の使用量が30重量部を
越える場合は、シリコーン皮膜の強靭性や柔軟性が低下
する場合がある。被装着体によってはシランカップリン
グ剤の配合料を0重量部、すなわちシランカップリング
剤を用いなくてもエラストマー製部品との接着性が良い
場合があるが、このような被装着体は例えばシリコーン
ゴムである。
【0033】本発明において、上記(A)、(B)、
(C)および(D)を含有し、所望により(E)および
(F)を含むシリコーン皮膜形成用組成物には、煙霧質
シリカ、沈澱シリカ、シリカアエロジル、粉砕石英、け
いそう土などの無機質粉末を併用してもよい。また、滑
り性をさらに向上させるために、不活性のシリコーンオ
イル、特に高粘度のポリジメチルシロキサンオイルを添
加してもよい。
【0034】本発明のシリコーン皮膜形成用組成物は、
次のようにして調製される。まず、成分(A)〜(C)
および必要により(E)成分を所定の比率で混合する。
これらの成分は、単に全成分を混合してもよく、また各
成分をそれぞれ単独で前記有機溶媒(E)に希釈した後
に全成分を混合してもよい。これに(D)成分または必
要により(D)成分に加えて(F)成分、さらにその他
の添加剤を混合することによりシリコーン皮膜形成用組
成物を得る。本発明においては、少なくとも成分(A)
〜(D)を所定の比率で混合した後、得られる組成物を
エラストマー製部品(エラストマー製ストレスコーンま
たは絶縁筒)に塗布し、硬化させることによってシリコ
ーン皮膜が形成される。塗布方法としては、ディップコ
ート、スプレーコート、刷毛ぬり、ナイフコート、ロー
ルコート、スポンジ塗り、フェルト塗り、フローコート
などの方法を用いることができる。この内、均一に塗布
できる点でスプレーコートが好ましい。塗布後、溶媒を
乾燥除去し、室温雰囲気で数時間放置するか、エラスト
マー製部品に応じては加熱を行って硬化せしめることに
より、シリコーン皮膜を得る。加熱条件は、温度が70
〜90℃であれば15〜30分間、温度が90〜120
℃であれば5〜15分間、または温度が120〜150
℃であれば2〜5分間が好ましい。本発明においては、
シリコーン皮膜の乾燥膜厚に特に制限はないが、通常1
〜100μm、好ましくは2〜20μm、より好ましく
は2〜10μmである。
【0035】上記のような工程を経てシリコーン硬化皮
膜が表面に形成されたエラストマー製ストレスコーンま
たは絶縁筒などのエラストマー製部品を用いた本発明の
電力ケーブル接続部においては、ストレスコーンおよび
絶縁筒を嵌挿するために使用していたグリースが不要と
なる。このため、グリースに配合されている油分の吸収
による電気特性の変化が抑制でき、所定の電気特性を長
期的に維持することができる。また、グリースの塗布工
程を省略することも可能であり、作業時間の短縮にもな
る。なお、22kV以上の超高圧の場合、さらに密着性
を高めるためにグリースを併用してもよい。従来、ケー
ブル接続部を設置するために使用していたグリースは、
滑り性の付与およびストレスコーンや絶縁筒に用いたゴ
ムの変形により形成される隙間を充填するためのもので
ある。グリースを使用し長期間経過すると、グリースの
オイル分が蒸発、もしくはゴムへの移行等により消失
し、再度隙間が形成され、絶縁破壊電圧が低下する可能
性があった。しかし、本発明におけるシリコーン硬化皮
膜は、滑り性が抜群で接続部組立て作業性にすぐれると
ともに乾燥皮膜であるため長期にわたって変質せず適度
の弾性によりケーブル絶縁層との密着性を持続できるた
め、長期にわたり初期の絶縁破壊電圧を維持することが
できる。
【0036】次に、本発明の実施態様を図面に従って説
明する。本発明の電力ケーブル接続部は、例えば、前記
図1、図2及び図3に示した構成とすることが好まし
い。各部の説明は前述の通りである。本発明のシリコー
ン皮膜形成用組成物の塗布により、シリコーン皮膜を形
成する場所については、図1に示した中間部の電力ケー
ブル接続部及び図3に示した終端の電力ケーブル接続部
を例にとって説明する。中間部の電力ケーブル接続部に
おいては、シリコーン皮膜をエラストマー製ストレスコ
ーン6の少なくとも内表面に塗布形成する。これによ
り、エラストマー製ストレスコーン6と、ケーブルAの
シース1、遮蔽層2、外部半電導層3及び絶縁層4との
間にシリコーン皮膜が位置する。好ましくは、この内表
面に加えて、エラストマー製ストレスコーン6の外表
面、すなわちエラストマー製ストレスコーン6が絶縁筒
9と接する位置にもシリコーン皮膜を塗布形成する。一
方、終端部の電力ケーブル接続部においては、シリコー
ン皮膜をエラストマー製絶縁筒66の少なくとも内表面
に塗布形成する。これにより、エラストマー製絶縁筒6
6と、ケーブル52の導体58及び絶縁層56との間
(電界緩和層59と絶縁層56との間も含む)にシリコ
ーン皮膜が位置する。好ましくは、この内表面に加え
て、エラストマー製絶縁筒66の外表面にもシリコーン
皮膜を形成する。
【0037】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。例中、部とは特に断らない限り重量部を意味す
る。
【0038】(実施例1〜実施例13、比較例)エラス
トマーとしてエチレン−プロピレンゴムを用いて、図1
に示した中間部の電力ケーブル接続部(18)を作製し
た。作製した電力ケーブル接続部18には、下記の表1
または表2に記載した配合通りの組成で各シリコーン硬
化皮膜を所定の表面に塗布形成させたエチレン−プロピ
レンゴム製ストレスコーン6を用いた。シリコーン硬化
皮膜は、エチレン−プロピレンゴム製ストレスコーン6
上、エチレン−プロピレンゴム製ストレスコーン6とケ
ーブルAのシース1、遮蔽層2、外部半電導層3及び絶
縁層4との間となる位置(ストレスコーン6の内表
面)、並びにエチレン−プロピレンゴム製ストレスコー
ン6と絶縁筒9との間となる位置(ストレスコーン6の
外表面)に塗布形成した。シリコーン皮膜は、表1記載
の成分(A)〜(D)、及び有機溶媒(E)(トルエ
ン、前記成分(A)〜(D)及び下記成分(F)の合計
量100重量部に対して1255重量部)と、官能基と
してエポキシ基をもつシランカップリング剤(F)を混
合した溶液をスプレー塗布し、硬化乾燥150℃×5分
を施すことにより、膜厚10μm程度のシリコーン皮膜
を形成した。なお実施例11〜13については、エチレ
ン−プロピレンゴム製ストレスコーンに代えてシリコー
ンゴム製ストレスコーンを使用した。 (従来例)実施例1〜10、比較例と同様にエチレン−
プロピレンゴム製ストレスコーンを用いて、ただしシリ
コーン硬化皮膜を形成せずにストレスコーン上にシリコ
ーングリースを塗布して電力ケーブル接続部作製した。
このようにして得た各電力ケーブル接続部について、表
面抵抗率、絶縁破壊電圧、潤滑性を評価した。表面抵抗
率、絶縁破壊電圧、潤滑性の評価方法は以下の通りであ
る。 ・表面抵抗率 JIS C2123に規定される方法に従って測定し
た。 ・絶縁破壊電圧 各電力ケーブル接続部を接続スリーブ(8)を中心に長
さ方向に4m〜5m切り取り、60分毎に5kVづつ上
昇させながら電圧をかけて界面破壊がみられた電圧(k
V)を絶縁破壊電圧として測定した。 ・潤滑性(動摩擦係数) 電力ケーブル接続部とは別に、エチレン−プロピレンゴ
ムの表面にシリコーン皮膜を形成し、その表面について
潤滑性の尺度として動摩擦係数を測定した。動摩擦係数
は、装置として新東化学(株)製トライボギア14DR
(商品名)、摩擦子として30mm×30mm角、厚さ
2mmのEPDMを用いて垂直荷重500gをかけなが
ら、摩擦速度200mm/分で摩擦させることにより測
定した。結果を表1、表2に示す。なお、使用した材料
は、 ・エチレン−プロピレンゴム(日本合成ゴム(株)製、
商品名JSR EP−22) ・シリコーングリース(信越化学(株)製、商品名KS
−63W) であった。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表1及び表2から明らかな通り、実施例1
〜実施例5の潤滑性(動摩擦係数)の評価結果より、従
来例のシリコーングリースを塗布したエチレン−プロピ
レンゴムの動摩擦係数が2.0以上であったのに対し、
シリコーン硬化皮膜を形成したエチレン−プロピレンゴ
ムの場合は0.2〜1.0であり、本発明の電力ケーブ
ル接続部が潤滑性に優れるものであることがわかる。実
施例1の(C)成分を1.0部配合したもので動摩擦係
数が1.0であったのが、さらに(C)成分を増量させ
ることにより動摩擦係数が低下していき、実施例4の1
00部程度配合では0.2まで低下した。なお、比較例
の結果から、(C)成分が0部であると、動摩擦係数が
2.0以上であり、この結果より(C)成分を配合する
ことにより潤滑性が得られることがわかる。この結果か
ら、本発明の電力ケーブル接続部では、シリコーン硬化
皮膜を形成させたエラストマー製ストレスコーンを用い
ることにより、動摩擦係数が低く潤滑性が良いことは明
らかである。また、本発明においては、(C)成分をよ
り多く配合することにより、表面抵抗率がより絶縁側に
移行することがわかる。比較例では(C)成分が0部配
合で表面抵抗率が5×1012であるのに対し、実施例3
では(C)成分を50部配合したことにより表面抵抗率
は2.0×1014、実施例4では(C)成分を100部
配合したことにより表面抵抗率は3.0×1015であ
る。これらの結果から、(C)成分を多く配合すること
によって絶縁性を高めることができる。
【0042】また、実施例6〜実施例10の評価結果よ
り、本発明において任意成分であるシランカップリング
剤(F)を配合し、その配合量を多くするにしたがっ
て、表面抵抗率は所望の範囲内で徐々に低くなるが、絶
縁破壊電圧値はほとんど変化しないことがわかる。シラ
ンカップリング剤を130部配合した実施例8の組成で
も、絶縁破壊電圧は45kV以上である。
【0043】実施例11〜13は、(A)成分として1
分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基
を有するポリオルガノシロキサン(A2)を用いた例で
あるが、表2の評価結果より、実施例1〜10と同様、
優れた特性を示していることがわかる。
【0044】また、実施例1〜10の各電力ケーブル接
続部についてシリコーン皮膜の撥水性を試験、評価し
た。上記のエチレン−プロピレンゴム表面にシリコーン
皮膜を塗布した場合と、無塗布(エチレン−プロピレン
ゴム表面)の場合の撥水性を、静止接触角により評価し
た。試験方法は各表面に直径20mmの水滴を滴下し、
表面と水滴の角度を測定するものである。つまり、接触
角度が大きくなるほど、水滴は球形に近づき、表面を水
滴が転がり易くなる。言い換えれば、接触角度が大きい
ことは、撥水性が良いということになる。静止接触角の
評価結果は、エチレン−プロピレンゴム表面が95°に
対し、エチレン−プロピレンゴム表面にシリコーン皮膜
を形成させると115°まで接触角が大きくなることが
わかった。つまり、撥水性が向上したことになる。な
お、比較としてシリコーンゴム(東芝シリコーン(株)
製、商品名TSE2323)の静止接触角を測定した
が、その結果は115°であった。この結果より、エチ
レン−プロピレンゴム表面にシリコーン皮膜を形成させ
ると、シリコーンゴムと同等の撥水性を付与させること
ができることがわかった。
【0045】
【発明の効果】本発明の電力ケーブル接続部は、エラス
トマー製部品が装着されており、前記エラストマー製部
品の少なくともケーブル絶縁層と接触する内表面にシリ
コーン硬化皮膜が形成されてなるので、前記エラストマ
ー製部品の少なくとも内表面の動摩擦係数を低くするこ
とができ、電力ケーブル接続時に容易に布設することが
できる。また、電力ケーブル接続部組み立ての際にグリ
ースが不要となるので、グリース塗布工程、部品数を減
少させることができ、コストダウンが可能となる。さら
に、シリコーン硬化皮膜は、ストレスコーンなどのエラ
ストマー製部品内表面に硬化させるため、該エラストマ
ー製部品へオイルが移行することがない。このため、グ
リース中のオイル分の移行によるエラストマー製部品の
電気特性の変化を引き起こす恐れがなく、またグリース
のオイル分が消失し、増ちょう剤が異物となって残存す
る恐れもないので、長期にわたり所定の電気特性、例え
ば初期の絶縁破壊電圧を維持することができる。さら
に、エチレン−プロピレンゴム表面に潤滑性を付与させ
るだけでなく、シリコーンゴムと同等の撥水性を付与さ
せることもできる。本発明のシリコーン皮膜形成用組成
物は、前記電力ケーブル接続部に設けるシリコーン皮膜
材料として好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】電力ケーブル同士が接続される中間の電力ケー
ブル接続部の一例を説明するための一部断面図である。
【図2】電力ケーブル同士が接続される中間の電力ケー
ブル接続部の他例であるT分岐接続部の構造を説明する
ための一部切欠き断面図である。
【図3】電力ケーブル端末の終端の電力ケーブル接続部
の一例を説明するための一部断面図である。
【符号の説明】
1 シース 2 遮蔽層 3 外部半導電層 4 絶縁層 5 導体 6 エラストマー製ストレスコーン 6a 半導電部 6b 絶縁部 7 押さえ金具 8 接続スリーブ 9 絶縁筒 10 外部金属ケース 14 押圧スプリング 18 電力ケーブル接続部 24 電力ケーブル 34 T分岐接続部 35 雌型プラグ 36 雄型プラグ 40 絶縁層 41 接続箱本体 42 半導電層 44 エラストマー製絶縁筒 46 防水層 50 電力ケーブル接続部 52 電力ケーブル 53 シース 54 遮蔽鋼テープ 55 外部半導電層 56 絶縁層 58 導体 59 電界緩和層 60 端子金具 62 胴部 64 笠部 66 エラストマー製絶縁筒 68 アース線 70 アース用テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島崎 光雄 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 西田 敏裕 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 村上 信仁 東京都港区六本木六丁目2番31号 ジーイ ー東芝シリコーン株式会社内 (72)発明者 木田 信嗣 東京都港区六本木六丁目2番31号 ジーイ ー東芝シリコーン株式会社内 (72)発明者 下津 弘義 東京都港区六本木六丁目2番31号 ジーイ ー東芝シリコーン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エラストマー製部品が装着されている電
    力ケーブル接続部において、前記エラストマー製部品の
    少なくとも内表面に、下記成分 (A1)25℃における粘度が50cSt以上の、両末
    端がシラノール基で封鎖されたポリオルガノシロキサン
    100重量部、(B)ケイ素原子に結合した水素原子が
    1分子中に少なくとも2個存在するポリオルガノハイド
    ロジェンシロキサン0.1〜100重量部、(C)(A
    1)と(B)の合計量100重量部に対して、平均粒子
    径0.1〜100μmのポリメチルシルセスキオキサン
    1〜200重量部、及び(D1)(A1)と(B)の合
    計量100重量部に対して、硬化触媒0.5〜15重量
    部を含む組成物から形成されたシリコーン皮膜を有して
    なることを特徴とする電力ケーブル接続部。
  2. 【請求項2】 エラストマー製部品が装着されている電
    力ケーブル接続部において、前記エラストマー製部品の
    少なくとも内表面に、下記成分 (A2)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合ア
    ルケニル基を有するポリオルガノシロキサン100重量
    部、(B)ケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に
    少なくとも2個存在するポリオルガノハイドロジェンシ
    ロキサン0.1〜100重量部、(C)(A2)と
    (B)の合計量100重量部に対して、平均粒子径0.
    1〜100μmのポリメチルシルセスキオキサン1〜2
    00重量部、及び(D2)(A2)と(B)の合計量1
    00重量部に対して、触媒量の白金系触媒を含む組成物
    から形成されたシリコーン皮膜を有してなることを特徴
    とする電力ケーブル接続部。
  3. 【請求項3】 下記成分 (A1)25℃における粘度が50cSt以上の、両末
    端がシラノール基で封鎖されたポリオルガノシロキサン
    100重量部、(B)ケイ素原子に結合した水素原子が
    1分子中に少なくとも2個存在するポリオルガノハイド
    ロジェンシロキサン0.1〜100重量部、(C)(A
    1)と(B)の合計量100重量部に対して、平均粒子
    径0.1〜100μmのポリメチルシルセスキオキサン
    1〜200重量部、及び(D1)(A1)と(B)の合
    計量100重量部に対して、硬化触媒0.5〜15重量
    部を含んでなることを特徴とする電力ケーブル接続部に
    用いるシリコーン皮膜形成用組成物。
  4. 【請求項4】 下記成分 (A2)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合ア
    ルケニル基を有するポリオルガノシロキサン100重量
    部、(B)ケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に
    少なくとも2個存在するポリオルガノハイドロジェンシ
    ロキサン0.1〜100重量部、(C)(A2)と
    (B)の合計量100重量部に対して、平均粒子径0.
    1〜100μmのポリメチルシルセスキオキサン1〜2
    00重量部、及び(D2)(A2)と(B)の合計量1
    00重量部に対して、触媒量の白金系触媒を含んでなる
    ことを特徴とする電力ケーブル接続部に用いるシリコー
    ン皮膜形成用組成物。
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