JP2000188105A - アルカリ二次電池 - Google Patents

アルカリ二次電池

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JP2000188105A
JP2000188105A JP10366812A JP36681298A JP2000188105A JP 2000188105 A JP2000188105 A JP 2000188105A JP 10366812 A JP10366812 A JP 10366812A JP 36681298 A JP36681298 A JP 36681298A JP 2000188105 A JP2000188105 A JP 2000188105A
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hydrogen storage
storage alloy
negative electrode
saturation magnetization
secondary battery
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JP10366812A
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Shuichiro Irie
周一郎 入江
Chizuru Hatanaka
千鶴 畑中
Kaoru Hosobuchi
馨 細渕
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FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量化を実現しつつ、充放電サイクル初期
の放電容量を安定的に向上し、かつ充放電サイクル寿命
を安定的に向上したアルカリ二次電池を提供する。 【解決手段】 主たる結晶相がCaCu5型構造を有さ
ず、一般式 Ln1-xMg x(Ni1-yyz、ただし式
中のLnはランタノイド元素,Ca,Sr,Sc,Y,
Ti,ZrおよびHfから選ばれる少なくとも1つの元
素、TはLi,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Mn,F
e,Co,Al,Ga,Zn,Sn,In,Cu,S
i,PおよびBから選ばれる少なくとも1つの元素、
x,y,zはそれぞれ0<x<1,0≦y≦0.5,
2.5≦z≦4.5を示す、にて表わされ、、かつ特定
の条件下での飽和磁化増加分が0.05〜5.0emu
/m2である水素吸蔵合金粉末を含有する負極を備えた
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素を電気化学的
に吸蔵・放出する水素吸蔵合金を含む負極を改良したア
ルカリ二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】高容量二次電池としては、ニッケル・カ
ドミウム二次電池やニッケル水素二次電池が知られてい
る。このうち、水素を吸蔵・放出する水素吸蔵合金を含
む負極を備えたニッケル水素二次電池は環境適合性に優
れた小型密閉二次電池としてポータブル電子機器等に広
く用いられている。
【0003】前記ニッケル水素二次電池において、負極
活物質として重要な役割を果たす水素吸蔵合金としては
主にMmNi5 系(Mm;ミッシュメタル)やTiMn
2系の合金が用いられている。
【0004】しかしながら、MmNi5 系(Mm;ミッ
シュメタル)やTiMn2系の水素吸蔵合金を含む負極
を備えたニッケル水素二次電池では前記水素吸蔵合金の
持つ水素吸蔵能力に限界があり、より一層の高容量化が
困難であった。
【0005】このようなことから、V−Ti系、TiF
e系、Ti2Ni系の水素吸蔵合金が開発されている。
しかしながら、これらの水素吸蔵合金は高温下での水素
ガスとの直接反応量が大きいものの、常温下での水素と
の反応性が乏しく、初期活性化が困難であるという問題
があった。
【0006】これに対し、マグネシウム、ニッケルおよ
び希土類元素を主構成元素として含む水素吸蔵合金は、
広く実用化されているMmNi5 系合金に比べて体積当
たりの容量密度および重量当たりの容量密度の両方が高
く、TiMn2系合金よりも活性化が速く、かつ高率充
放電放電特性に優れているという特徴を有する。このた
め、前記水素吸蔵合金を含む負極を用いることによっ
て、MmNi5 系合金を含む負極を用いた場合に比べて
高容量でTiMn2系合金を含む負極を用いた場合に比
べて高率充放電特性に優れた二次電池を実現することが
可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マグネ
シウム、ニッケルおよび希土類元素を主構成元素として
含む水素吸蔵合金は電気化学的な触媒活性が高いNiの
含有量がMmNi5 系合金に比べて少ないため、電解液
との反応における触媒活性が低下する。このため、前記
水素吸蔵合金を含む負極を備えた二次電池は高率充放電
特性がMmNi5系合金を含む負極を用いた場合に比べ
て劣る。
【0008】逆に、前記水素吸蔵合金中のNi量を増加
させると、安定かつ均質な合金相が得られず、水素を吸
蔵する際に僅かな濃度むらに起因して微粉化が促進され
る。濃度むらは、前記水素吸蔵合金の製造時における僅
かな条件の差によって生じ、その生成度合は前記水素吸
蔵合金のロット毎に異なる。
【0009】濃度むらの小さい水素吸蔵合金は、均質性
が高いため、水素の吸蔵・放出に伴なう微粉化が起こり
難く、かつ電解液により腐食され難いという性質を有す
る。このため、このような濃度むらの小さい水素吸蔵合
金を含む負極を備えた二次電池は充放電サイクル寿命が
向上される。しかしながら、このような水素吸蔵合金は
微粉化され難い分、その比表面積が小さいため、この合
金を含む負極を備えた二次電池は充放電サイクル初期の
放電容量が小さくる。その結果、十分な放電容量を得る
ために行なう活性化に時間がかかる。
【0010】一方、濃度むらの多い水素吸蔵合金は均質
性が劣るため、水素の吸蔵・放出に伴なう微粉化が起こ
りやすく、電解液との接触により腐食される。その結
果、このような濃度むらの多い水素吸蔵合金を含む負極
を備えた二次電池は充放電サイクル初期に高い放電容量
が得られるものの、充放電サイクル寿命が短くなる。
【0011】したがって、前述した組成の水素吸蔵合金
粉末を含む負極を備えた二次電池は充放電寿命がばらつ
き、かつ充放電サイクル初期の放電容量がばらつくとい
う問題があった。
【0012】本発明は、高容量化を実現しつつ、充放電
サイクル初期の放電容量を安定的に向上し、かつ充放電
サイクル寿命を安定的に長くすることが可能なアルカリ
二次電池を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるアルカリ
二次電池は、主たる結晶相がCaCu5型構造を有さ
ず、下記一般式(I)にて表わされ、かつ8Nの水酸化
カリウム水溶液に60℃、24時間浸漬した後の表面の
強磁性成分による飽和磁化から同水酸化カリウム水溶液
に60℃、96時間浸漬した後の表面の強磁性成分によ
る飽和磁化の増加分が0.05〜5.0emu/m2
ある水素吸蔵合金粉末を含有する負極を備えたことを特
徴とするのである。
【0014】 Ln1-xMgx(Ni1-yyz …(I) ただし、式中のLnはランタノイド元素,Ca,Sr,
Sc,Y,Ti,ZrおよびHfから選ばれる少なくと
も1つの元素、TはLi,V,Nb,Ta,Cr,M
o,Mn,Fe,Co,Al,Ga,Zn,Sn,I
n,Cu,Si,PおよびBから選ばれる少なくとも1
つの元素、x,y,zはそれぞれ0<x<1,0≦y≦
0.5,2.5≦z≦4.5を示す。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるアルカリ二
次電池(例えば円筒形アルカリ二次電池)を図1を参照
して説明する。
【0016】有底円筒状の容器1内には、正極2とセパ
レータ3と負極4とを積層してスパイラル状に捲回する
ことにより作製された電極群5が収納されている。前記
負極4は、前記電極群5の最外周に配置されて前記容器
1と電気的に接触している。アルカリ電解液は、前記容
器1内に収容されている。
【0017】中央に孔6を有する円形の封口板7は、前
記容器1の上部開口部に配置されている。リング状の絶
縁性ガスケット8は、前記封口板7の周縁と前記容器1
の上部開口部内面の間に配置され、前記上部開口部を内
側に縮径するカシメ加工により前記容器1に前記封口板
7を前記ガスケット8を介して気密に固定している。正
極リード9は、一端が前記正極2に接続、他端が前記封
口板7の下面に接続されている。帽子形状をなす正極端
子10は、前記封口板7上に前記孔6を覆うように取り
付けられている。
【0018】ゴム製の安全弁11は、前記封口板7と前
記正極端子10で囲まれた空間内に前記孔6を塞ぐよう
に配置されている。中央に穴を有する絶縁材料からなる
円形の押え板12は、前記正極端子10上に前記正極端
子10の突起部がその押え板12の前記穴から突出され
るように配置されている。外装チューブ13は、前記押
え板12の周縁、前記容器1の側面及び前記容器1の底
部周縁を被覆している。
【0019】次に、前記正極2、負極4、セパレータ3
および電解液について説明する。
【0020】1)正極2 この正極2は、活物質であるニッケル化合物を含有す
る。
【0021】前記ニッケル化合物としては、例えば水酸
化ニッケル、亜鉛およびコバルトが共沈された水酸化ニ
ッケルまたはニッケル酸化物等を挙げることができる。
特に、亜鉛およびコバルトが共沈された水酸化ニッケル
が好ましい。
【0022】前記正極(ペースト式正極)は、例えば活
物質であるニッケル化合物と導電材と結着剤を水と共に
混練してペーストを調製し、このペーストを導電性芯体
に充填し、乾燥し、必要に応じて加圧成形を施すことに
より作製される。
【0023】前記導電材料としては、例えばコバルト化
合物および金属コバルトから選ばれる少なくとも1種以
上のものが用いられる。前記コバルト化合物としては、
例えば水酸化コバルト[Co(OH)2 ]、一酸化コバ
ルト(CoO)等を挙げることができる。特に、水酸化
コバルト、一酸化コバルトもしくはこれらの混合物を導
電材料として用いることが好ましい。
【0024】前記結着剤としては、例えばポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリエチレン、ボリプロピレン等の疎
水性ポリマ;カルボキシメチルセルロース、メチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセル
ロース系材料;ポリアクリル酸ナトリウム等のアクリル
酸エステル;ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキ
シド等の親水性ポリマ;ラテックス等のゴム系ポリマを
を挙げることができる。
【0025】前記導電性芯体としては、例えばニッケ
ル、ステンレスまたはニッケルメッキが施された金属か
ら形成された網状、スポンジ状、繊維状、もしくはフェ
ルト状の金属多孔体等を挙げることができる。
【0026】2)負極4 この負極4は、主たる結晶相がCaCu5型構造を有さ
ず、一般式 Ln1-xMgx(Ni1-yyz …(I) ただし、式中のLnはランタノイド元素,Ca,Sr,
Sc,Y,Ti,ZrおよびHfから選ばれる少なくと
も1つの元素、TはLi,V,Nb,Ta,Cr,M
o,Mn,Fe,Co,Al,Ga,Zn,Sn,I
n,Cu,Si,PおよびBから選ばれる少なくとも1
つの元素、x,y,zはそれぞれ0<x<1,0≦y≦
0.5,2.5≦z≦4.5を示す、にて表わされ、か
つ8Nの水酸化カリウム水溶液に60℃、24時間浸漬
した後の表面の強磁性成分による飽和磁化から同水酸化
カリウム水溶液に60℃、96時間浸漬した後の表面の
強磁性成分による飽和磁化の増加分が0.05〜5.0
emu/m2である水素吸蔵合金粉末を含有する。
【0027】前記一般式(I)のLnの中では、ランタ
ノイド元素が、前記一般式(I)のMの中ではCo、C
r,Mn、Alが、それぞれ特に好ましい。
【0028】前記一般式(I)のx,y,zは、それぞ
れ0.15≦x≦0.4,0.1≦y≦0.3.2.6
≦z≦3.7、さらに好ましくは2.7≦z≦3.6で
あることがより望ましい。
【0029】前記所定の条件下での前記水素吸蔵合金粉
末における飽和磁化の増加分を0.05〜5.0emu
/m2に規定したのは、次のような理由によるものであ
る。前記飽和磁化の増加分を0.05emu/m2未満
にすると、成分の濃度むらが小さくなりすぎるため、こ
の水素吸蔵合金粉末を含む負極を備えた二次電池の充放
電サイクル初期の放電容量が低下する恐れがある。一
方、前記飽和磁化の増加分が5.0emu/m2を超え
ると、成分の濃度むらが多くなりすぎるため、この水素
吸蔵合金粉末を含む負極を備えた二次電池の充放電サイ
クル寿命が低下する恐れがある。より好ましい前記飽和
磁化の増加分は0.1〜2.0emu/m 2である。
【0030】前記負極(ペースト式負極)は、例えば水
素吸蔵合金粉末と導電材料と結着剤を水と共に混練して
ペーストを調製し、このペーストを導電性芯体に充填
し、乾燥し、必要に応じて加圧成形を施すことにより作
製される。
【0031】前記結着剤としては、前記正極2で用いた
のと同様なものを挙げることができる。この結着剤は、
前記水素吸蔵合金粉末100重量部に対して0.5〜6
重量部配合することが好ましい。
【0032】前記導電性材料としては、例えばアセチレ
ンブラック、ケッチャンブラック(ライオンアグゾ社製
商品名)、ファーネスブラックのようなカーボンブラッ
ク、または黒鉛等を用いることができる。この導電材
料は、前記水素吸蔵合金粉末100重量部に対して5重
量部以下配合することが好ましい。
【0033】前記導電性芯体としては、パンチドメタ
ル、エキスパンデッドメタル、穿孔鋼板、金網などの二
次元構造や、発泡メタル、網城焼結金属繊維などの三次
元構造のものを挙げることができる。
【0034】3)セパレータ3 このセパレータ3は、例えばポリエチレン繊維製不織
布、エチレン−ビニルアルコール共重合体繊維製不織
布、ポリプロピレン繊維製不織布などのオレフィン系繊
維製不織布、またはポリプロピレン繊維製不織布のよう
なオレフィン系繊維製不織布に親水性官能基を付与した
もの、ナイロン6,6のようなポリアミド繊維製不織布
を挙げることができる。前記オレフィン系繊維製不織布
に親水性官能基を付与するには、例えばコロナ放電処
理、スルホン化処理、グラフト共重合、または界面活性
剤や親水性樹脂の塗布等を採用することができる。
【0035】4)アルカリ電解液 このアルカリ電解液としては、例えば水酸化ナトリウム
(NaOH)と水酸化リチウム(LiOH)の混合液、
水酸化カリウム(KOH)とLiOHの混合液、KOH
とLiOHとNaOHの混合液等を用いることができ
る。
【0036】以上説明した本発明に係わるアルカリ二次
電池は、主たる結晶相がCaCu5型構造を有さず、一
般式(I)Ln1-xMgx(Ni1-yyzにて表わさ
れ、かつ8Nの水酸化カリウム水溶液に60℃、24時
間浸漬した後の表面の強磁性成分による飽和磁化から同
水酸化カリウム水溶液に60℃、96時間浸漬した後の
表面の強磁性成分による飽和磁化の増加分が0.05〜
5.0emu/m2である水素吸蔵合金粉末を含む負極
を備えることによって高容量化を実現しつつ、充放電サ
イクル初期の放電容量を安定的に向上し、かつ充放電サ
イクル寿命を安定的に向上することができる。
【0037】すなわち、前記一般式(I)で表わされる
水素吸蔵合金は、可逆的な水素吸蔵量を増加させること
ができる。特に、一般式中の(Ni1-yy)の比率を示
すzが2.7≦z≦3.6である水素吸蔵合金は、より
一層可逆的な水素吸蔵量を増加させることができる。
【0038】また、マグネシウム、ニッケルおよび希土
類を主要構成元素とする水素吸蔵合金を前述した条件で
浸漬すると、水酸化カリウム水溶液により水素吸蔵合金
粉末が腐食されてニッケル以外の金属が水酸化カリウム
に溶出するため、前記水素吸蔵合金粉末表面にニッケル
層が形成され、強磁性を示す。この時、前記水素吸蔵合
金粉末の濃度むらの箇所が特に腐食され易くなるため、
前記強磁性と前記水素吸蔵合金粉末の濃度むらの度合と
が相関する。つまり、前記水素吸蔵合金粉末の濃度むら
の箇所が多いほど、前記条件の水酸化カリウム水溶液に
浸漬した時のニッケル層の形成に起因する強磁性の度合
が大きくなる。
【0039】したがって、前記ニッケル層に起因する強
磁性成分による飽和磁化の増加分が0.05〜5.0e
mu/m2であるマグネシウム、ニッケルおよび希土類
を主要構成元素とする一般式の水素吸蔵合金粉末を用い
て負極を構成することによって、充放電サイクル初期の
放電容量を安定的に向上され、かつ充放電サイクル寿命
を安定的に向上されたアルカリ二次電池を得ることがで
きる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して詳細に説明する。
【0041】(実施例1〜7および比較例1〜4) <ペースト式負極の作製>合金組成がLa0.7Mg
0.3(Ni0.8Co0.16Cr0.01Mn0.02Al0.013.1
になるようにLa,Mg,Ni,Co,Cr,Mn,A
lの各元素を混合し、高周波溶解炉を用いてアルゴン雰
囲気中で溶解・冷却した。このインゴットを熱処理して
均質化を行ない、不活性雰囲気中で粉砕後、75μm以
下になるように篩を通し、下記表1に示す表面積当たり
の飽和磁化増加分(emu/m2)を有する11種の水
素吸蔵合金粉末を得た。
【0042】なお、前記水素吸蔵合金粉末の表面積当た
りの飽和磁化増加分(emu/m2)は次のような方法
により測定した。まず、粒径が75μm以下の水素吸蔵
合金粉末の比表面積(m2/g)を測定し、さらにこの
粉末1gを8Nの水酸化カリウム水溶液2mLに60
℃、24時間および96時間浸漬した後、蒸留水で洗浄
して真空乾燥し、飽和磁化(emu/g)をそれぞ測定
し、24時間浸漬後の飽和磁化(emu/g)から96
時間浸漬後の飽和磁化(emu/g)への増加分を重量
当たりの飽和磁化増加分を求めた。得られた比表面積
(m2/g)と前記飽和磁化増加分(emu/g)から
合金表面積当たりの飽和磁化増加分(emu/m2)を
求めた。
【0043】次いで、前記各水素吸蔵合金粉末100重
量部に結着剤としてカルボキシメチルセルロース(CM
C)0.2重量部および水50重量部と共に添加した
後、混練することにより11種のペーストを調製した。
つづいて、前記各ペーストを多孔度95%の発泡ニッケ
ルに充填した後、125℃で乾燥し、厚さ0.3mmに
プレス成形し、さらに幅60mm、長さ168mmに裁
断することにより11種のペースト式負極を作製した。
【0044】<ペースト式正極の作製>水酸化ニッケル
粉末90重量部および一酸化コバルト粉末10重量部か
らなる混合粉体に、ポリテトラフルオロエチレン1重量
部およびカルボキシメチルセルロース0.2重量部を添
加し、これらに純水を60重量部添加して混練すること
によりペーストを調製した。つづいて、このペーストを
発泡ニッケルに充填し、乾燥した後、プレス成形するこ
とにより幅60mm、長さ135mm、厚さ0.75m
mのペースト式正極を作製した。
【0045】次いで、前記各負極と前記正極との間にポ
リプロピレン繊維製不織布を介装し、渦巻状に捲回して
電極群を作製した。このような各電極群を有底円筒状容
器に収納した後、比重1.31の水酸化カリウム水溶液
からなる電解液を前記容器内に注入し、封口等を行うこ
とにより前述した図1に示す構造を有する11種の4/
3Aサイズの円筒形ニッケル水素二次電池(容量420
0mAh)を組み立てた。
【0046】得られた実施例1〜7および比較例1〜4
の二次電池について、25℃、10時間率で13時間充
電し、25℃、5時間率で終止電圧1.0Vまで放電す
る条件で充放電を繰り返すサイクル試験を行なって初期
容量およびサイクル寿命を調べた。なお、初期容量は1
サイクル目の放電容量から求めた。サイクル寿命は、二
次電池の容量が80%に達するまでのサイクル数をとし
た。
【0047】これらの結果を下記表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】前記表1から明らかなようにLa0.7Mg
0.3(Ni0.8Co0.16Cr0.01Mn0 .02Al0.013.1
の組成を有し、前述した条件で浸漬した後の表面の強磁
性成分による飽和磁化増加分が0.05〜5.0emu
/m2である水素吸蔵合金粉末を含む負極を備えた実施
例1〜7の二次電池は、初期容量が定格容量(4200
mAh)の95%以上に達し、かつサイクル寿命も長い
ことがわかる。
【0050】これに対し、同組成で前述した条件で浸漬
した後の表面の強磁性成分による飽和磁化増加分が0.
05mu/m2未満の水素吸蔵合金粉末を含む負極を備
えた比較例1,2の二次電池はサイクル寿命が長いもの
の、初期容量が定格容量(4200mAh)の88%よ
り低いことがわかる。
【0051】また、同組成で前述した条件で浸漬した後
の表面の強磁性成分による飽和磁化増加分が5.0mu
/m2を超えるの水素吸蔵合金粉末を含む負極を備えた
比較例3,4の二次電池は、初期容量が定格容量(42
00mAh)に達しているものの、充放電サイクル寿命
が短いことがわかる。
【0052】なお、実施例1〜7で用いた組成の水素吸
蔵合金以外の前記一般式(I)で表わされる水素吸蔵合
金を用いた場合でも、実施例1〜7と同様な優れた特性
を示すアルカリ二次電池を得ることができる。
【0053】また、前記実施例では円筒形のように製造
の観点から、ニッケル水素二次電池に適用した例を説明
したが正極、セパレータおよび負極を積層して電極群を
構成する角形の形状のニッケル水素二次電池にも同様に
適用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
容量化を実現しつつ、充放電サイクル初期の放電容量を
安定的に向上し、かつ充放電サイクル寿命を安定的に長
くすることが可能なアルカリ二次電池を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるアルカリ二次電池の一例である
ニッケル水素二次電池の斜視図。
【符号の説明】
1…容器、 2…正極、 3…セパレータ、 4…負極、 5…電極群、 7…封口板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細渕 馨 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA02 AA04 BA02 BB02 BD00 BD01 5H016 AA02 BB10 BB12 EE01 HH00 HH04 5H028 AA01 BB03 EE01 FF04 HH10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる結晶相がCaCu5型構造を有さ
    ず、下記一般式(I)にて表わされ、かつ8Nの水酸化
    カリウム水溶液に60℃、24時間浸漬した後の表面の
    強磁性成分による飽和磁化から同水酸化カリウム水溶液
    に60℃、96時間浸漬した後の表面の強磁性成分によ
    る飽和磁化の増加分が0.05〜5.0emu/m2
    ある水素吸蔵合金粉末を含有する負極を備えたことを特
    徴とするアルカリ二次電池。 Ln1-xMgx(Ni1-yyz …(I) ただし、式中のLnはランタノイド元素,Ca,Sr,
    Sc,Y,Ti,ZrおよびHfから選ばれる少なくと
    も1つの元素、TはLi,V,Nb,Ta,Cr,M
    o,Mn,Fe,Co,Al,Ga,Zn,Sn,I
    n,Cu,Si,PおよびBから選ばれる少なくとも1
    つの元素、x,y,zはそれぞれ0<x<1,0≦y≦
    0.5,2.5≦z≦4.5を示す。
JP10366812A 1998-12-24 1998-12-24 アルカリ二次電池 Pending JP2000188105A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7776258B2 (en) * 2006-09-29 2010-08-17 Kabushiki Kaisha Toshiba Hydrogen storage alloy, hydrogen separation membrane, hydrogen storage tank, and hydrogen absorption and desorption method

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