JP2000188067A - 電子銃、電子銃の製造方法、陰極線管装置 - Google Patents
電子銃、電子銃の製造方法、陰極線管装置Info
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- H01J2229/48—Electron guns
- H01J2229/4803—Electrodes
Abstract
(57)【要約】
【課題】 真空外部からの変調磁界に対してこの磁界の
透過を妨げることなく、所望の電子ビーム変調効果が得
られる電子銃を備えた陰極線管を提供する。 【解決手段】 電子銃4のG3電極8の一部をコイル状
部11とすることにより、コイル状部11を構成する線
材の間隙を変調磁界が通り抜けるので、渦電流損が低減
される。
透過を妨げることなく、所望の電子ビーム変調効果が得
られる電子銃を備えた陰極線管を提供する。 【解決手段】 電子銃4のG3電極8の一部をコイル状
部11とすることにより、コイル状部11を構成する線
材の間隙を変調磁界が通り抜けるので、渦電流損が低減
される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陰極線管の電子銃に
関し、特に電子銃の高周波磁界透過特性を向上させるた
めの技術に関するものである。
関し、特に電子銃の高周波磁界透過特性を向上させるた
めの技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、投写型のモノクローム陰極線管
の電子銃部分の構造例を示す。図5に示すように、ネッ
ク管14内に配置された電子銃にネック管14の外部か
ら速度変調コイル18によって磁界変調をかけ、電子ビ
ームのいわゆる速度変調を行って、フォーカス性能の向
上を図っているのが現在の進んだディスプレイ技術であ
る(特開平10−74465号公報)。すなわち、カソ
ード6から出射した電子ビームが蛍光体スクリーン面に
到達するまでに、偏向ヨーク16、コンバージェンスヨ
ーク15、速度変調コイル18等により発生する交流磁
界により、電子ビーム軌道が変調される。このうち偏向
ヨーク16は、陰極線管のファンネルコーン部に装着さ
れ、交流磁界を発生して電子ビーム軌道を偏向すること
により、陰極線管蛍光体スクリーン面を電子ビームで走
査する。コンバージェンスヨーク15は、陰極線管のネ
ック管14の外側に装着され、交流磁界を発生して電子
ビーム軌道を変調することにより、ラスター歪みと色ズ
レを補正する。速度変調コイル18は、陰極線管のネッ
ク管14の外側に装着され、交流磁界を発生して電子ビ
ームの走査速度を変調することにより、蛍光体スクリー
ン面上での高輝度部の低輝度部へのはみ出しを防ぎ、画
像をシャープにする。
の電子銃部分の構造例を示す。図5に示すように、ネッ
ク管14内に配置された電子銃にネック管14の外部か
ら速度変調コイル18によって磁界変調をかけ、電子ビ
ームのいわゆる速度変調を行って、フォーカス性能の向
上を図っているのが現在の進んだディスプレイ技術であ
る(特開平10−74465号公報)。すなわち、カソ
ード6から出射した電子ビームが蛍光体スクリーン面に
到達するまでに、偏向ヨーク16、コンバージェンスヨ
ーク15、速度変調コイル18等により発生する交流磁
界により、電子ビーム軌道が変調される。このうち偏向
ヨーク16は、陰極線管のファンネルコーン部に装着さ
れ、交流磁界を発生して電子ビーム軌道を偏向すること
により、陰極線管蛍光体スクリーン面を電子ビームで走
査する。コンバージェンスヨーク15は、陰極線管のネ
ック管14の外側に装着され、交流磁界を発生して電子
ビーム軌道を変調することにより、ラスター歪みと色ズ
レを補正する。速度変調コイル18は、陰極線管のネッ
ク管14の外側に装着され、交流磁界を発生して電子ビ
ームの走査速度を変調することにより、蛍光体スクリー
ン面上での高輝度部の低輝度部へのはみ出しを防ぎ、画
像をシャープにする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電子ビームを変調する
ための交流磁界の周波数は映像周波数と同等のメガヘル
ツオーダに及ぶため、ステンレスなどの金属材料を深絞
り加工等することにより形成された電子銃の金属部品に
よってこの交流磁界が減衰を受け、所望の電子ビーム変
調を得られないという問題があった。
ための交流磁界の周波数は映像周波数と同等のメガヘル
ツオーダに及ぶため、ステンレスなどの金属材料を深絞
り加工等することにより形成された電子銃の金属部品に
よってこの交流磁界が減衰を受け、所望の電子ビーム変
調を得られないという問題があった。
【0004】図5に示すように、コンバージェンスヨー
ク15によって生成された交流磁界20のほとんどは、
陽極電極10(G5電極)を通過する。偏向ヨーク16
はファンネルコーン部に装着されており、偏向ヨーク1
6によって生成された交流磁界17の一部は陽極電極1
0を通過する。速度変調コイル18は前段陽極電極8
(G3電極)と集束電極9(G4電極)の中間に配置さ
れており、速度変調コイル18によって生成された交流
磁界19のほとんどは前段陽極電極8と集束電極9を通
過する。
ク15によって生成された交流磁界20のほとんどは、
陽極電極10(G5電極)を通過する。偏向ヨーク16
はファンネルコーン部に装着されており、偏向ヨーク1
6によって生成された交流磁界17の一部は陽極電極1
0を通過する。速度変調コイル18は前段陽極電極8
(G3電極)と集束電極9(G4電極)の中間に配置さ
れており、速度変調コイル18によって生成された交流
磁界19のほとんどは前段陽極電極8と集束電極9を通
過する。
【0005】これらの金属電極を通して交流磁界をかけ
た際、金属電極部に渦電流が発生する。また、交流磁界
の周波数が高くなればなるほど、この渦電流損は大きく
なるため、高周波変調域において磁界による電子ビーム
軌道の変調効果が減少する。例えばコンバージェンスヨ
ーク15によって生成された交流磁界20により、陽極
電極10に渦電流が発生し、コンバージェンスヨーク1
5による電子ビーム軌道変調効果が減少する。
た際、金属電極部に渦電流が発生する。また、交流磁界
の周波数が高くなればなるほど、この渦電流損は大きく
なるため、高周波変調域において磁界による電子ビーム
軌道の変調効果が減少する。例えばコンバージェンスヨ
ーク15によって生成された交流磁界20により、陽極
電極10に渦電流が発生し、コンバージェンスヨーク1
5による電子ビーム軌道変調効果が減少する。
【0006】また、この渦電流損により、電極が発熱
し、ネック管を破壊する場合もある。これらの交流磁界
のロスや電極の発熱を防止するため、交流磁界の発生源
と電子銃の金属電極との距離を大きくした設計とすれ
ば、必然的に電子ビーム集束レンズと蛍光体スクリーン
面との距離が大きくなり、電子レンズ倍率が大きくなる
ため、解像度が低下するという問題がある。とくに、高
品位テレビジョン等の高偏向周波数、広信号帯域の画像
表示装置では、これらの交流磁界のロスが大きくなるた
め、実使用上支障が生じるという問題がある。
し、ネック管を破壊する場合もある。これらの交流磁界
のロスや電極の発熱を防止するため、交流磁界の発生源
と電子銃の金属電極との距離を大きくした設計とすれ
ば、必然的に電子ビーム集束レンズと蛍光体スクリーン
面との距離が大きくなり、電子レンズ倍率が大きくなる
ため、解像度が低下するという問題がある。とくに、高
品位テレビジョン等の高偏向周波数、広信号帯域の画像
表示装置では、これらの交流磁界のロスが大きくなるた
め、実使用上支障が生じるという問題がある。
【0007】従来、深絞り状の金属部品をいくつかの部
分に分割し、各々の部品の間に隙間を設け磁界の透過特
性を改善しているものが提案されている(特開平8−1
15684号公報)が、組み立て精度の問題やコストが
割高になるなどの問題があった。また、分割した各部品
の機械的強度を保つために各部品をあまり小さくできな
いので、磁界透過特性が大幅に改善できないという問題
があった。
分に分割し、各々の部品の間に隙間を設け磁界の透過特
性を改善しているものが提案されている(特開平8−1
15684号公報)が、組み立て精度の問題やコストが
割高になるなどの問題があった。また、分割した各部品
の機械的強度を保つために各部品をあまり小さくできな
いので、磁界透過特性が大幅に改善できないという問題
があった。
【0008】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、真空外部からの変調磁界に対し
てこの磁界の透過を妨げることなく、所望の電子ビーム
変調効果が得られる電子銃を備えた陰極線管を提供する
ことを目的とする。
になされたものであり、真空外部からの変調磁界に対し
てこの磁界の透過を妨げることなく、所望の電子ビーム
変調効果が得られる電子銃を備えた陰極線管を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電子銃は、内部
を電子ビームが通過する筒状の電極を備える電子銃であ
って、前記電極の筒状部の少なくとも一部が、線材をコ
イル状に巻いて形成したものであることを特徴とする
(請求項1)。この構成によれば、コイル状の部材を構
成する線材の間隙を変調磁界が通り抜けるので、渦電流
損を低減することができる。
を電子ビームが通過する筒状の電極を備える電子銃であ
って、前記電極の筒状部の少なくとも一部が、線材をコ
イル状に巻いて形成したものであることを特徴とする
(請求項1)。この構成によれば、コイル状の部材を構
成する線材の間隙を変調磁界が通り抜けるので、渦電流
損を低減することができる。
【0010】また、請求項1に記載の電子銃において、
前段陽極電極(G3電極)の少なくとも一部をコイル状
に形成したものであることが好ましい(請求項2)。こ
の構成によれば、コイル状部の線材によって、前段陽極
電極の内部に等電位空間を形成することができる。
前段陽極電極(G3電極)の少なくとも一部をコイル状
に形成したものであることが好ましい(請求項2)。こ
の構成によれば、コイル状部の線材によって、前段陽極
電極の内部に等電位空間を形成することができる。
【0011】また、請求項1に記載の電子銃において、
前記コイル状の部分が非金属材料からなることが好まし
い(請求項3)。この構成によれば、変調磁界の透過効
果をさらに向上させることができる。
前記コイル状の部分が非金属材料からなることが好まし
い(請求項3)。この構成によれば、変調磁界の透過効
果をさらに向上させることができる。
【0012】また、請求項1に記載の電子銃において、
前記コイル状の部分は、隣り合う線材の間隔が2.5
〔mm〕以下であることが好ましい(請求項4)。この
構成によれば、外部電界の影響を低減できる。
前記コイル状の部分は、隣り合う線材の間隔が2.5
〔mm〕以下であることが好ましい(請求項4)。この
構成によれば、外部電界の影響を低減できる。
【0013】また、請求項4に記載の電子銃において、
前記コイル状の部分は、隣り合う線材同士が接触してい
るものであることが好ましい(請求項5)。この構成に
よれば、変調磁界の透過効果を得ながら、電極部材の強
度向上を図ることができる。
前記コイル状の部分は、隣り合う線材同士が接触してい
るものであることが好ましい(請求項5)。この構成に
よれば、変調磁界の透過効果を得ながら、電極部材の強
度向上を図ることができる。
【0014】また、本発明の電子銃の製造方法は、請求
項1に記載の電子銃の製造方法であって、前記筒状の電
極部材にらせん状に切り込みを入れた後に、前記電極部
材を管軸方向に伸ばすことにより、前記コイル状の部分
を形成することを特徴とする(請求項6)。この方法に
よれば、コイル状部を容易に製作できる。
項1に記載の電子銃の製造方法であって、前記筒状の電
極部材にらせん状に切り込みを入れた後に、前記電極部
材を管軸方向に伸ばすことにより、前記コイル状の部分
を形成することを特徴とする(請求項6)。この方法に
よれば、コイル状部を容易に製作できる。
【0015】また、本発明の陰極線管装置は、前記前段
陽極電極の少なくとも一部をコイル状に形成した電子銃
をネック部の内部に備える陰極線管と、前記陰極線管の
外部でかつ前記前段陽極電極のコイル状の部分の周囲に
速度変調コイルを備えたことを特徴とする(請求項
7)。この構成によれば、速度変調効果を高めることが
できる。
陽極電極の少なくとも一部をコイル状に形成した電子銃
をネック部の内部に備える陰極線管と、前記陰極線管の
外部でかつ前記前段陽極電極のコイル状の部分の周囲に
速度変調コイルを備えたことを特徴とする(請求項
7)。この構成によれば、速度変調効果を高めることが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をモノクローム陰極
線管に適用した場合の実施形態について、図面を用いて
説明する。
線管に適用した場合の実施形態について、図面を用いて
説明する。
【0017】図1は、本発明の電子銃の側面図を示す。
電子銃4は、カソード6を収容したカップ状のG1電極
(制御電極)5、G1電極5と底部同士を向き合わせた
カップ状のG2電極(加速電極)7、G2電極7の開口
部と所定間隔をあけて配置された筒状のG3電極(前段
陽極電極)8、G3電極8との間に主レンズを形成する
G4電極(集束電極)9、G4電極9の先端部を包囲
し、G4電極9との間でかつG5電極10の内部に電子
レンズ21を形成するG5電極(陽極電極)10が順番
に配列されたものである。
電子銃4は、カソード6を収容したカップ状のG1電極
(制御電極)5、G1電極5と底部同士を向き合わせた
カップ状のG2電極(加速電極)7、G2電極7の開口
部と所定間隔をあけて配置された筒状のG3電極(前段
陽極電極)8、G3電極8との間に主レンズを形成する
G4電極(集束電極)9、G4電極9の先端部を包囲
し、G4電極9との間でかつG5電極10の内部に電子
レンズ21を形成するG5電極(陽極電極)10が順番
に配列されたものである。
【0018】G3電極8は、その内部に等電位空間を形
成しており、その一部にコイル状部11が設けられる。
コイル状部11は、G4電極9側の端部に電子レンズを
形成するためのプレート状電極13が設けられ、他の端
部はG2電極側端部12と接続される。コイル状部11
を設ける位置は、速度変調磁界の浸透の点から速度変調
コイルが装着される箇所が好ましい。したがって、G4
電極9の一部をコイル状部としてもよい。しかし、G3
電極8の方が電子ビームの速度が遅い分だけ速度変調の
効果が高いので、G4電極9よりもG3電極8にコイル
状部11を設けるのがより好ましい。
成しており、その一部にコイル状部11が設けられる。
コイル状部11は、G4電極9側の端部に電子レンズを
形成するためのプレート状電極13が設けられ、他の端
部はG2電極側端部12と接続される。コイル状部11
を設ける位置は、速度変調磁界の浸透の点から速度変調
コイルが装着される箇所が好ましい。したがって、G4
電極9の一部をコイル状部としてもよい。しかし、G3
電極8の方が電子ビームの速度が遅い分だけ速度変調の
効果が高いので、G4電極9よりもG3電極8にコイル
状部11を設けるのがより好ましい。
【0019】コイル状部11は、線材を巻いてコイル状
に成形した後、G2電極側端部12およびプレート状電
極13と溶接される。また、G3電極全体を深絞りによ
り一体成形した後、その一部にらせん状に切り込みを入
れ、G3電極をその長さ方向(管軸方向)に引っ張って
伸ばすことにより、G2電極側端部12、コイル状部1
1、プレート状電極13を一体として形成してもよい。
このようにすればコイル状部11を容易に形成すること
ができる。
に成形した後、G2電極側端部12およびプレート状電
極13と溶接される。また、G3電極全体を深絞りによ
り一体成形した後、その一部にらせん状に切り込みを入
れ、G3電極をその長さ方向(管軸方向)に引っ張って
伸ばすことにより、G2電極側端部12、コイル状部1
1、プレート状電極13を一体として形成してもよい。
このようにすればコイル状部11を容易に形成すること
ができる。
【0020】図2に示すように、上記電子銃4がフェイ
スプレート2とファンネル3とからなる外囲器のネック
部内に組み込まれ、陰極線管1を構成する。
スプレート2とファンネル3とからなる外囲器のネック
部内に組み込まれ、陰極線管1を構成する。
【0021】本発明を16〔cm〕(7インチ)、ネッ
ク管径φ29.1〔mm〕の投射管用モノクローム陰極
線管に適用する場合の、コイル状部の好ましい一実施例
を示す。コイル状部は、直径0.8〔mm〕のステンレ
ス線からなり、長さが8.6〔mm〕、内径が10.4
〔mm〕、ピッチが1.6〔mm〕である。
ク管径φ29.1〔mm〕の投射管用モノクローム陰極
線管に適用する場合の、コイル状部の好ましい一実施例
を示す。コイル状部は、直径0.8〔mm〕のステンレ
ス線からなり、長さが8.6〔mm〕、内径が10.4
〔mm〕、ピッチが1.6〔mm〕である。
【0022】コイル状部の隣り合う線材の間隔は、0〜
2.5〔mm〕の範囲が好ましい。間隔が0〔mm〕の
ときには隣り合う線材が接触することになるが、このよ
うな場合においても、まったく継ぎ目のない場合、たと
えば一枚の板材を深絞り加工したような場合と比べて、
十分大きな変調磁界の透過効果が得られる。しかし、よ
り大きな変調効果を得るためには、隣り合う線材の間に
わずかでもすき間を設けることが好ましい。一方、隣り
合う線材の間隔が2.5〔mm〕より大きいと外部電界
の影響を受けやすくなる。
2.5〔mm〕の範囲が好ましい。間隔が0〔mm〕の
ときには隣り合う線材が接触することになるが、このよ
うな場合においても、まったく継ぎ目のない場合、たと
えば一枚の板材を深絞り加工したような場合と比べて、
十分大きな変調磁界の透過効果が得られる。しかし、よ
り大きな変調効果を得るためには、隣り合う線材の間に
わずかでもすき間を設けることが好ましい。一方、隣り
合う線材の間隔が2.5〔mm〕より大きいと外部電界
の影響を受けやすくなる。
【0023】図3は本発明の効果を示すものであり、変
調磁界の周波数と磁界変調との関係を示す。ここに縦軸
の「磁界変調」とは、蛍光体スクリーン面上に縦縞を映
出させる画像信号である矩形信号を受像管に入力した場
合において、速度変調をかけた時とかけない時とで、蛍
光体スクリーン面上の縦線の幅がどれだけ変化したかを
示すものであり(単位は〔mm〕)、この値が大きいほ
ど磁界変調の効果が大きいことを示す。図3において、
曲線aはコイル状部を設けない従来の電子銃の場合、曲
線bはコイル状部を金属で形成した本発明に係る電子銃
の場合、曲線cはコイル状部を導電性セラミックで形成
した本発明に係る電子銃の場合をそれぞれ示す。図3に
示すように、本発明は広い周波数帯域にわたって、従来
例よりも大きな磁界変調効果が得られる。また、コイル
状部を導電性セラミックで形成すると、金属で形成した
場合より大きな磁界変調効果が得られることがわかる。
調磁界の周波数と磁界変調との関係を示す。ここに縦軸
の「磁界変調」とは、蛍光体スクリーン面上に縦縞を映
出させる画像信号である矩形信号を受像管に入力した場
合において、速度変調をかけた時とかけない時とで、蛍
光体スクリーン面上の縦線の幅がどれだけ変化したかを
示すものであり(単位は〔mm〕)、この値が大きいほ
ど磁界変調の効果が大きいことを示す。図3において、
曲線aはコイル状部を設けない従来の電子銃の場合、曲
線bはコイル状部を金属で形成した本発明に係る電子銃
の場合、曲線cはコイル状部を導電性セラミックで形成
した本発明に係る電子銃の場合をそれぞれ示す。図3に
示すように、本発明は広い周波数帯域にわたって、従来
例よりも大きな磁界変調効果が得られる。また、コイル
状部を導電性セラミックで形成すると、金属で形成した
場合より大きな磁界変調効果が得られることがわかる。
【0024】図4は、図2と同様、本発明をモノクロー
ム陰極線管用電子銃のG3電極8に適用した例を示す。
この例では、コイル状部11のG4電極9側の端部にプ
レート状電極が設けられておらず、コイル状部11の端
面自体が電極を形成し、G4電極9との間に電子レンズ
21を形成している。
ム陰極線管用電子銃のG3電極8に適用した例を示す。
この例では、コイル状部11のG4電極9側の端部にプ
レート状電極が設けられておらず、コイル状部11の端
面自体が電極を形成し、G4電極9との間に電子レンズ
21を形成している。
【0025】以上、本発明をモノクローム陰極線管に適
用した場合について説明したが、カラー陰極線管に適用
してもよい。カラー陰極線管に適用する場合には、たと
えば3本の電子ビームを包囲するG3電極にコイル状部
を設ける。
用した場合について説明したが、カラー陰極線管に適用
してもよい。カラー陰極線管に適用する場合には、たと
えば3本の電子ビームを包囲するG3電極にコイル状部
を設ける。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、陰極線管の外部からの
変調磁界に対してこの磁界の透過を妨げることなく、所
望の電子ビーム変調効果が得られる電子銃を備えた陰極
線管を提供することができる。
変調磁界に対してこの磁界の透過を妨げることなく、所
望の電子ビーム変調効果が得られる電子銃を備えた陰極
線管を提供することができる。
【図1】本発明の電子銃の側面図
【図2】本発明に係る陰極線管の斜視図
【図3】本発明の磁界変調効果を示す図
【図4】本発明に係る電子銃の他の例を示す図
【図5】従来の陰極線管の電子銃付近の拡大断面図
1 陰極線管 8 G3電極 11 コイル状部 18 速度変調コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星 敏春 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 Fターム(参考) 5C041 AA08 AB07 AC02
Claims (7)
- 【請求項1】 内部を電子ビームが通過する筒状の電極
を備える電子銃であって、前記電極の筒状部の少なくと
も一部が、線材をコイル状に巻いて形成したものである
ことを特徴とする電子銃。 - 【請求項2】 前段陽極電極(G3電極)の少なくとも
一部をコイル状に形成したものである請求項1に記載の
電子銃。 - 【請求項3】 前記コイル状の部分が非金属材料からな
る請求項1に記載の電子銃。 - 【請求項4】 前記コイル状の部分は、隣り合う線材の
間隔が2.5〔mm〕以下である請求項1に記載の電子
銃。 - 【請求項5】 前記コイル状の部分は、隣り合う線材同
士が接触しているものである請求項4に記載の電子銃。 - 【請求項6】 請求項1に記載の電子銃の製造方法であ
って、前記筒状の電極部材にらせん状に切り込みを入れ
た後に、前記電極部材を管軸方向に伸ばすことにより、
前記コイル状の部分を形成することを特徴とする電子銃
の製造方法。 - 【請求項7】 前記前段陽極電極の少なくとも一部をコ
イル状に形成した電子銃をネック部の内部に備える陰極
線管と、前記陰極線管の外部でかつ前記前段陽極電極の
コイル状の部分の周囲に速度変調コイルを備えたことを
特徴とする陰極線管装置。
Priority Applications (4)
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