JP2000186725A - 軸受け構造 - Google Patents

軸受け構造

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JP2000186725A
JP2000186725A JP36447298A JP36447298A JP2000186725A JP 2000186725 A JP2000186725 A JP 2000186725A JP 36447298 A JP36447298 A JP 36447298A JP 36447298 A JP36447298 A JP 36447298A JP 2000186725 A JP2000186725 A JP 2000186725A
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bearing
drive shaft
insert
outer ring
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Eiji Ito
英二 伊藤
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ファンカップリング用の軸受け構造を、熱的又
は機械的な外部刺激に十分に耐え得る程度に部材の保持
性に優れたものとする。 【解決手段】駆動軸11とそれを取り囲むファン側ハウ
ジング13との間には、内輪31及び外輪32を有する
軸受け30が配設されている。駆動軸11の小径部に
は、該駆動軸11と内輪31との間に介在する略円筒状
の内側インサート35が圧入固定されている。又、ファ
ン側ハウジング13の円筒状凹部13aの内周部には、
該ハウジング13と外輪32との間に介在する略円筒状
の外側インサート36が圧入固定されている。内輪3
1、外輪32、内側及び外側インサート35,36の四
者は同じSUJ鋼で形成され熱膨張率が揃っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動軸からなる第
1部材とそれを取り囲む第2部材との間に介装され当該
第1及び第2部材を相対回動可能に支持する軸受け構造
に関し、特にファンカップリング用の軸受け構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】いわゆるファンカップリング装置におい
ては、エンジン動力によって駆動される駆動軸上に軸受
けを介してファンのハウジング部材が回動自在に支持さ
れる。通常使用される軸受けは、内輪(内レース)と外
輪(外レース)との間に多数のボールを挟んだ転がり軸
受けである。そして、軸受けの内輪に駆動軸が圧入され
ることで両者が一体化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】軸受けの内輪と駆動軸
との圧入固定は、圧入前の駆動軸の外径が内輪の内径よ
りも僅かに大きいことで成立し、その内外径の差が締代
に相当する。ところが、ファンカップリング装置では、
トルク伝達用の粘性流体から生ずる熱が上記軸受け部に
も伝わるため、その熱の影響で前記締代が小さくなり、
内輪と駆動軸とが一体回転不能状態(即ち相対回転許容
状態)に陥ることがある。すると、転がり軸受けが有効
に機能しないばかりか、駆動軸及び/又は内輪が摩耗し
て駆動軸の保持性が悪化する。すると駆動軸上に固定さ
れたドライブディスクのハウジング内での姿勢が不安定
になり、ドライブディスクとハウジング内壁部との相互
干渉という不具合が生じ得る。特にファンカップリング
装置では、ドライブディスクとその対向壁との間隔(ク
リアランス)が非常に小さく設定されるため、駆動軸の
保持性が少しでも悪くなる事態は極力回避することが好
ましい。
【0004】本発明の目的は、駆動軸からなる第1部材
とそれを取り囲む第2部材との間に介装され当該第1及
び第2部材を相対回動可能に支持する軸受け構造におい
て、熱的又は機械的な外部刺激等にもかかわらず、第1
及び第2部材の相互保持を従来以上に確固たるものとす
ることができる軸受け構造を提供することにある。特
に、ファンカップリング装置に適した軸受け構造を提供
することにある。
【0005】なお、実開平7−19627号公報(及び
その全文明細書)には、ファンカップリング装置におい
て、軸受けの内輪と駆動軸との間および軸受けの外輪と
カップリング本体(即ちハウジング)との間にそれぞれ
熱伝導率の低い材料よりなる熱遮断部材を配設すること
が開示されている。しかし、熱伝導率の低い材料とは、
具体的にはセラミックやチタン合金等を指し、軸受けの
内輪及び外輪を構成する材料とは異なる材料(熱膨張率
も異なる)を意味している。また、その先行考案の目的
は、熱による軸受け内のグリースの劣化やシール材の劣
化を防止することにあり、部材の保持性の向上を図ると
いう目的や手段は開示されていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、駆動
軸からなる第1部材とそれを取り囲む第2部材との間に
介装され該第1及び第2部材を相対回動可能に支持する
軸受け構造であって、前記第1部材に対応する内輪及び
前記第2部材に対応する外輪を有する軸受けと、該軸受
けの内輪と前記第1部材たる駆動軸との間に設けられた
略円筒状の内側インサートを備えるとともに、前記内輪
と前記内側インサートとを熱膨張率のほぼ等しい材料で
構成したことを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、駆動軸からなる第1部
材とそれを取り囲む第2部材との間に介装され該第1及
び第2部材を相対回動可能に支持する軸受け構造であっ
て、前記第1部材に対応する内輪及び前記第2部材に対
応する外輪を有する軸受けと、該軸受けの外輪と前記第
2部材との間に設けられた略円筒状の外側インサートを
備えるとともに、前記外輪と前記外側インサートとを熱
膨張率のほぼ等しい材料で構成したことを特徴とする。
【0008】請求項3の発明は、駆動軸からなる第1部
材とそれを取り囲む第2部材との間に介装され該第1及
び第2部材を相対回動可能に支持する軸受け構造であっ
て、前記第1部材に対応する内輪及び前記第2部材に対
応する外輪を有する軸受けを備えるとともに、前記内輪
と前記第1部材たる駆動軸とを直接的又は間接的にスプ
ライン結合したことを特徴とする。
【0009】請求項4の発明は、駆動軸からなる第1部
材とそれを取り囲む第2部材との間に介装され該第1及
び第2部材を相対回動可能に支持する軸受け構造であっ
て、前記第1部材に対応する内輪及び前記第2部材に対
応する外輪を有する軸受けを備えるとともに、前記外輪
と前記第2部材とを直接的又は間接的にスプライン結合
したことを特徴とする。
【0010】請求項5の発明は、駆動軸からなる第1部
材とそれを取り囲む第2部材との間に介装され該第1及
び第2部材を相対回動可能に支持する軸受け構造であっ
て、前記第1部材に対応する内輪及び前記第2部材に対
応する外輪を有する軸受けを備えるとともに、前記第1
部材たる駆動軸と前記内輪との間および前記第2部材と
前記外輪との間のうちの少なくとも一方において、凹凸
係合関係に基づく回り止め手段を設けたことを特徴とす
る。
【0011】請求項6の発明は、駆動軸からなる第1部
材とそれを取り囲む第2部材との間に介装され該第1及
び第2部材を相対回動可能に支持する軸受け構造であっ
て、前記第1部材に対応する内輪及び前記第2部材に対
応する外輪を有する軸受けを備えるとともに、前記第1
部材たる駆動軸の前記内輪と対向する部位および前記第
2部材の前記外輪と対向する部位のうちの少なくとも一
方に表面硬化処理を施したことを特徴とする。
【0012】請求項7の発明は、駆動軸からなる第1部
材とそれを取り囲むファン側の第2部材との間に介装さ
れ該第1及び第2部材を相対回動可能に支持するファン
カップリング用の軸受け構造であって、前記第1部材に
対応する内輪及び前記第2部材に対応する外輪を有する
軸受けと、前記内輪と前記第1部材たる駆動軸との間に
設けられた略円筒状の内側インサートと、前記外輪と前
記第2部材との間に設けられた略円筒状の外側インサー
トを備えると共に、前記内外輪と前記内側及び外側イン
サートとを熱膨張率のほぼ等しい材料で構成したことを
特徴とする。
【0013】請求項8の発明は、請求項7に記載のファ
ンカップリング用軸受け構造において、前記内輪と前記
内側インサートとをスプライン結合すると共に、前記外
輪と前記外側インサートとをスプライン結合したことを
特徴とする。
【0014】請求項9の発明は、請求項7又は8に記載
のファンカップリング用軸受け構造において、前記第1
部材たる駆動軸と前記内輪との間および前記第2部材と
前記外輪との間のうちの少なくとも一方において、回り
止めピンを用いた回り止め手段を設けたことを特徴とす
る。
【0015】請求項10の発明は、請求項7〜9のいず
れか一項に記載のファンカップリング用軸受け構造にお
いて、前記内側インサートと接する前記第1部材たる駆
動軸の外周面および前記外側インサートと接する前記第
2部材の内周面のうちの少なくとも一方に表面硬化処理
を施したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を車輌用エンジン
のファンカップリング装置に適用した実施形態を図1及
び図2を参照して説明する。
【0017】図1はファンカップリング装置の概要を示
す。ファンカップリング装置は、駆動軸11(第1部
材)と、駆動軸11の先端に固定されたドライブディス
ク12と、駆動軸11を取り囲むと共に後記軸受け構造
を介して駆動軸11上に回動自在に支持されたハウジン
グ13(第2部材)とを備えている。駆動軸11は炭素
鋼で作られ、ドライブディスク12及びハウジング13
はアルミニウム又はその合金で作られている。尚、図1
のファンカップリング装置の基本構造(後記軸受け構造
を除く)及び基本動作は従来のファンカップリングに準
じている。
【0018】即ち、駆動軸11はエンジンの駆動力によ
り回転駆動される。ハウジング13の外周部にはファン
が設けられている。ハウジング13の内部はセパレート
プレート14によって貯留室15とトルク伝達室16と
に区画され、トルク伝達室16内にはドライブディスク
12が収容されている。ドライブディスク12の外周域
の前後面及びそれら前後面にそれぞれ対向するトルク伝
達室16の前後壁面部には複雑に入り組んだ凹凸が形成
され、その対向する凹凸間には図1に示すようなラビリ
ンス溝が確保されている。即ち、ドライブディスク12
の外周域近傍にはラビリンス部17が形成されている。
そして、貯留室15及びトルク伝達室16には、例えば
シリコーンオイルのような粘性流体(即ちトルク伝達流
体)が所要量入れられており、更にセパレートプレート
14には、貯留室15とトルク伝達室16との間で粘性
流体(オイル)の行き来を許容する少なくとも二つの連
通路18,19が形成されている。前記二つの連通路の
うちの下側連通路19に対応して、貯留室15内には板
バネからなる弁体21(一部分のみ図示)が配設されて
いる。この弁体21は、外気温によって熱変位する弁体
作動用の熱変位素子22と作動連結されている。
【0019】ファンカップリング装置の基本動作はおよ
そ次の通りである。駆動軸11及びドライブディスク1
2の一体回転に伴い、ディスク12の遠心作用によって
トルク伝達室16内のオイルが上側連通路18を介して
貯留室15に送り込まれる。外気温が低い場合、弁体2
1によって下側連通路19は閉じられており、この連通
路19を介した貯留室15からトルク伝達室16へのオ
イルの戻し(再供給)は止められている。従って、トル
ク伝達室16内のオイル量が減少し、ドライブディスク
12からハウジング13へのトルク伝達が小さくなりフ
ァンの回転速度が低下する。他方、外気温が高くなる
と、弁体21によって下側連通路19が開かれ、貯留室
15からトルク伝達室16へのオイルの戻しが許容され
る。従って、トルク伝達室16には必要量のオイルが常
に確保され、ドライブディスク12からハウジング13
へのトルク伝達が維持されてファンの高速回転が保たれ
る。なお、前記ラビリンス部17は、ドライブディスク
12の回転トルクを粘性流体を介してハウジング13側
に伝達する際のトルク伝達効率を向上させる。
【0020】次に、図2を参照して、駆動軸11とそれ
を取り囲むハウジング13との間に介装されて両者を相
対回動可能に支持する軸受け構造の詳細を説明する。図
2に示す軸受け構造は、ラジアル軸受けとしての転がり
軸受け30を中心として構成されている。軸受け30
は、駆動軸11に対応する内輪31と、ハウジング13
に対応する外輪32と、内外輪間に配設された複数のボ
ール33(一つのみ図示)と、左右一対のシール材34
とを備えている。少なくとも内輪31及び外輪32はS
UJ鋼(高炭素クロム軸受鋼)で作られている。更に、
図2の軸受け構造には、以下に述べるような特徴的な構
造A〜Gが採用されている。
【0021】(構造A):軸受けの内輪31と駆動軸1
1との間には略円筒状の内側インサート35が設けられ
ている。内側インサート35は、内輪31と同じSUJ
鋼で作られている。内側インサート35は駆動軸11の
先端の小径部に対し圧入によって固定されている。それ
故、圧入前の内側インサート35の内径は、圧入の締代
を持たせるために駆動軸11の小径部の外径よりも小さ
く設定されている。
【0022】(構造B):軸受けの外輪32とハウジン
グ13との間には略円筒状の外側インサート36が設け
られている。外側インサート36は、外輪32と同じS
UJ鋼で作られている。外側インサート36はハウジン
グ13の円筒状凹部13aの内周面に対し圧入によって
固定されている。それ故、圧入前の外側インサート35
の外径は、圧入の締代を持たせるために円筒状凹部13
aの内径よりも大きく設定されている。
【0023】(構造C):軸受けの内輪31の内周部及
び/又は内側インサート35の外周部には、複数のスプ
ラインキー及びスプライン溝が形成され、内輪31と内
側インサート35とがスプライン結合(S1)されてい
る。スプラインキー及びスプライン溝は駆動軸11と平
行に直線的に延びるものでも螺旋状のものでもよい。な
お、内側インサート35は駆動軸11と一体化されてい
るため、内輪31と駆動軸11が間接的にスプライン結
合(S1)されているとも言える。
【0024】(構造D):軸受けの外輪32の外周部及
び/又は外側インサート36の内周部には、複数のスプ
ラインキー及びスプライン溝が形成され、外輪32と外
側インサート36とがスプライン結合(S2)されてい
る。スプラインキー及びスプライン溝は駆動軸11と平
行に直線的に延びるものでも螺旋状のものでもよい。な
お、外側インサート36はハウジング13と一体化され
ているため、外輪32とハウジング13が間接的にスプ
ライン結合(S2)されているとも言える。
【0025】(構造E):駆動軸11と軸受けの内輪3
1との間には、回り止めピン37を用いた回り止め手段
が設けられている。即ち、駆動軸11の大径部の側端面
と内輪31の側面との接触領域において、駆動軸11の
大径部と内輪31とに連続するピン収容孔38が形成さ
れ、その収容孔38内にピン37が嵌入されている。こ
の収容孔38とピン37との凹凸係合関係により、駆動
軸11と内輪31との相対回動阻止(回り止め)が図ら
れている。
【0026】(構造F):内側インサート35と接する
駆動軸11の小径部の外周面(即ち内輪31と対向する
部位)には、表面硬化処理が施されている。表面硬化処
理としては、例えば、高周波等を用いた焼入れ処理や窒
化処理(鋼の表面に窒素を拡散浸透させて窒化鋼とする
処理)があげられる。
【0027】(構造G):図1及び図2に示すように、
ドライブディスク12を内側インサート35上に設け、
該内側インサート35のトルク伝達室16側端部を外方
向にかしめることにより、該かしめ部35aと駆動軸1
1の大径部との間に、ディスク12と軸受けの内輪31
とを挟着している。
【0028】(効果)この軸受け構造によれば以下のよ
うな効果を得ることができる。 ・軸受けの内輪31と、駆動軸11の先端小径部に圧入
固定した内側インサート35とを同じSUJ鋼で形成し
た(構造A)。即ち、内輪31と内側インサート35と
を熱膨張率の等しい材料で構成し、内輪31の熱膨張の
程度と内側インサート35の熱膨張の程度とをほぼ一致
させた。従って、両者がトルク伝達室16で生じた熱の
影響を受ける場合でも、内輪31と内側インサート35
との間で熱膨張率が異なることに起因する弛みや過度な
締まりの発生を防止できる。
【0029】・軸受けの外輪32と、ハウジング13の
円筒状凹部13a内に圧入固定した外側インサート36
とを同じSUJ鋼で形成した(構造B)。即ち、外輪3
2と外側インサート36とを熱膨張率の等しい材料で構
成し、外輪32の熱膨張の程度と外側インサート36の
熱膨張の程度とをほぼ一致させた。従って、両者がトル
ク伝達室16で生じた熱の影響を受ける場合でも、外輪
32と外側インサート36との間で熱膨張率が異なるこ
とに起因する弛みや過度な締まりの発生を防止できる。
【0030】・本実施形態によれば、内輪31、外輪3
2、内側インサート35及び外側インサート36の四者
が熱膨張率の等しい材料で構成されるため、四者間で熱
膨張率が異なることに起因する弛みや過度な締まりの発
生を防止できる。なお、弛みのみならず過度な締まり
も、部材の摩耗や動作不良の遠因となり、部材の保持性
を悪化させることがある。
【0031】・内輪31と内側インサート35とをスプ
ライン結合すること(構造C)で、内側インサート35
と一体化された駆動軸11と内輪31との周方向への相
対滑りを防止することができ、両者の摩耗防止が図られ
る。なお、スプライン結合によれば、締代に対する配慮
はほとんど必要がなく、その点で圧入固定よりも有利で
ある。
【0032】・外輪32と外側インサート36とをスプ
ライン結合すること(構造D)で、外側インサート36
と一体化されたハウジング13と外輪32との周方向へ
の相対滑りを防止することができ、両者の摩耗防止が図
られる。なお、スプライン結合によれば、締代に対する
配慮はほとんど必要がなく、その点で圧入固定よりも有
利である。
【0033】・前記回り止め手段(構造E)を設けるこ
とで、駆動軸11に対する内輪31の相対回動が阻止さ
れる。従って、軸受け30と駆動軸11との周方向への
相対滑りや位置ずれが確実に防止され、両者の摩耗防止
が図られる。
【0034】・駆動軸11の外周面に表面硬化処理(構
造F)を施すことで、駆動軸11の外周面の耐摩耗性が
向上する。即ち、熱履歴等の原因により、駆動軸11と
内側インサート35との間の圧入締代が低下して駆動軸
11と内側インサート35との相対回動が仮に生じた場
合でも、駆動軸外周面はほとんど摩耗しない。仮に駆動
軸11が摩耗すると、ドライブディスク12の保持性が
悪くなりラビリンス部17の凹凸の相互干渉(相互接
触)等の不都合を生じるが、前記表面硬化処理の採用に
よりかかる不都合を極力回避できる。それ故、ファンカ
ップリングの装置としての信頼性が向上する。
【0035】・内側インサート35のトルク伝達室16
側端部にかしめ部35aを設け、このかしめ部35aと
駆動軸11の大径部との間にドライブディスク12と軸
受けの内輪31とを挟着した(構造G)。この構造によ
れば、駆動軸11の端部をそのまま直接かしめ部として
用いる従来例に比べ、かしめ挟着がやり易く、駆動軸1
1へのドライブディスク12等の組み付けが容易となる
という利点がある。
【0036】(変更例)上記実施形態を以下のように変
更してもよい。 ・図2の軸受け構造では、前記特徴的構造A〜Gの全て
を採用したが、それらのうちのいずれか一つ又は二つ以
上を任意に選択して実施してもよい(構造A〜Gの任意
の組み合わせが許される)。
【0037】・例えば、図2における内側インサート3
5及び/又は外側インサート36を使用しないこと。こ
の場合、内輪31が駆動軸11に対して直接圧入固定
(図3参照)又は直接的にスプライン結合(図示せず)
される。又、外輪32がハウジング13に対して直接圧
入固定(図3参照)又は直接的にスプライン結合(図示
せず)される。尚、内輪31を駆動軸11に対し直接圧
入固定した場合、駆動軸11の外周面に表面硬化処理
(構造F)を施して耐摩耗性を向上させておくことは特
に意義が大きい。
【0038】・例えば、図2における前記スプライン結
合S1及び/又はS2を採用しないこと。この場合、図
4に示すように、内輪31と内側インサート35とは相
互に圧入固定され、及び/又は、外輪32と外側インサ
ート36とは相互に圧入固定される。この場合には、内
輪31と内側インサート35とを熱膨張率の等しい材料
で構成したこと(構造A)、及び/又は、外輪32と外
側インサート36とを熱膨張率の等しい材料で構成した
こと(構造B)は、相互圧入関係にある二つの部材間で
熱膨張率が異なることに起因する弛みや過度な締まりの
発生を防止できるという点で特に意義がある。
【0039】・前記構造Aでは内輪31と内側インサー
ト35とを同じSUJ鋼としたが、両者の熱膨張率がほ
ぼ等しくさえあれば内輪31と内側インサート35とが
異種材料で形成されてもよい。同様に、前記構造Bでは
外輪32と外側インサート36とを同じSUJ鋼とした
が、両者の熱膨張率がほぼ等しくさえあれば外輪32と
外側インサート36とが異種材料で形成されてもよい。
【0040】・図2において外側インサート36の外周
部及びハウジング13の円筒状凹部13aの内周部に複
数のスプラインキー及びスプライン溝を形成し、(圧入
固定に代えて)外側インサート36とハウジング13を
スプライン結合してもよい。この場合、スプライン結合
による外側インサート36とハウジング13と相対回動
阻止機能を保持しつつ、SUJ鋼からなる外側インサー
ト36と、アルミニウム又はその合金からなるハウジン
グ13との間の熱膨張の程度の違いをスプライン結合部
によって吸収することが可能となる。
【0041】・ハウジング13と軸受けの外輪32との
間に、回り止めピンを用いた回り止め手段を設けてもよ
い。即ち、ハウジング13の凹部13aの底面と外輪3
2の側面との接触領域において、ハウジング13と外輪
32とに連続するピン収容孔を形成し、その収容孔内に
回り止めピンを嵌入してもよい。この収容孔とピンとの
凹凸係合関係により、前記構造Eと同じく、ハウジング
13と外輪32との相対回転阻止(回り止め)が図られ
る。
【0042】・外側インサート36と接するハウジング
の円筒状凹部13aの内周面(外輪32と対向する部
位)に、前記構造Fと同様の表面硬化処理を施してもよ
い。また、その表面硬化処理された円筒状凹部13aの
内周面と接する外側インサート36の外周面側にも同様
の表面硬化処理を施してもよい。
【0043】・前記構造Fにおいて表面硬化処理された
駆動軸11の外周面と接する内側インサート35の内周
面側にも同様の表面硬化処理を施してもよい。 ・図2において、駆動軸11の大径部と小径部との境界
にある大径部側端面23に対し、前記構造Fと同様の表
面硬化処理を施してもよい。この大径部側端面23は、
軸受けの内輪31に対してスラスト方向の位置決め面と
して機能するため、表面硬化処理によりその大径部側端
面23の耐摩耗性が向上することの意義は大きい。
【0044】・本件の軸受け構造はファンカップリング
用に限定されるものではない。例えば、ファンカップリ
ング装置と構造及び発熱原理が似ている車輌用暖房装置
(例えば特開平2- 246823号公報参照)における
剪断用ロータ及びシャフトの軸受け構造として採用され
てもよい。
【0045】(付記)前記実施形態及び変更例から把握
できる請求項に記載した発明以外の技術的思想の要点
(又は記載形式)を以下に列挙する。 ・請求項1〜6はいずれも独立形式請求項であるが、一
つのみを独立項とし残りを引用形式で引用記載する従属
形式請求項とすること。
【0046】・更に本件では、請求項1に対して請求項
2〜6の少なくとも一項の内容を限定すること、請求項
2に対して請求項1,3〜6の少なくとも一項の内容を
限定すること、請求項3に対して請求項1,2,4〜6
の少なくとも一項の内容を限定すること、請求項4に対
して請求項1〜3,5,6の少なくとも一項の内容を限
定すること、請求項5に対して請求項1〜4,6の少な
くとも一項の内容を限定すること、請求項6に対して請
求項1〜5の少なくとも一項の内容を限定すること、の
いずれをも補正事項として想定するものである。
【0047】
【発明の効果】請求項1及び7の発明によれば、軸受け
の内輪と内側インサートとを熱膨張率のほぼ等しい材料
で構成することにより、両者の熱膨張の程度をほぼ一致
させることができる。従って、両者が熱的な外部刺激を
受ける場合でも、内輪と内側インサートとの間で熱膨張
率が異なることに起因する弛みや過度な締まりの発生を
防止でき、結果として、第1部材たる駆動軸と第2部材
との相互保持を従来以上に確固たるものとすることがで
きる。
【0048】請求項2及び7の発明によれば、軸受けの
外輪と外側インサートとを熱膨張率のほぼ等しい材料で
構成することにより、両者の熱膨張の程度をほぼ一致さ
せることができる。従って、両者が熱的な外部刺激を受
ける場合でも、外輪と外側インサートとの間で熱膨張率
が異なることに起因する弛みや過度な締まりの発生を防
止でき、結果として、第1部材たる駆動軸と第2部材と
の相互保持を従来以上に確固たるものとすることができ
る。
【0049】請求項3及び8の発明によれば、軸受けの
内輪と第1部材たる駆動軸(又は内側インサート)とを
スプライン結合することにより、駆動軸と内輪との周方
向への相対滑りを圧入固定の場合よりも効果的に防止す
ることができる。従って、両者が熱的又は機械的な外部
刺激を受ける場合でも、第1部材たる駆動軸と第2部材
との相互保持を確固たるものとすることができる。
【0050】請求項4及び8の発明によれば、軸受けの
外輪と第2部材(又は外側インサート)とをスプライン
結合することにより、第2部材と外輪との周方向への相
対滑りを圧入固定の場合よりも効果的に防止することが
できる。従って、両者が熱的又は機械的な外部刺激を受
ける場合でも、第1部材たる駆動軸と第2部材との相互
保持を確固たるものとすることができる。
【0051】請求項5及び9の発明によれば、第1部材
たる駆動軸と内輪との間および第2部材と外輪との間の
うちの少なくとも一方において回り止め手段を設けるこ
とにより、駆動軸に対する内輪の相対回動又は第2部材
に対する外輪の相対回動が阻止され、二つの部材間での
周方向への相対滑りや位置ずれが確実に防止されて両部
材の摩耗防止が図られる。従って、機械的な外部刺激を
受ける場合でも第1部材たる駆動軸と第2部材との相互
保持を確固たるものとすることができる。
【0052】請求項6及び10の発明によれば、第1部
材たる駆動軸の内輪と対向する部位(又は内側インサー
トと接する駆動軸の外周面)および第2部材の外輪と対
向する部位(又は外側インサートと接する第2部材の内
周面)のうちの少なくとも一方に表面硬化処理を施すこ
とにより、表面硬化処理された部位の耐摩耗性が向上す
る。従って、機械的な外部刺激を受ける場合でも第1部
材たる駆動軸と第2部材との相互保持を確固たるものと
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ファンカップリングの一例を示す概略断面図。
【図2】軸受け構造の要部を示す拡大断面図。
【図3】軸受け構造の別例を示す要部断面図。
【図4】軸受け構造の別例を示す要部断面図。
【符号の説明】
11…駆動軸(第1部材)、13…ハウジング(第2部
材)、30…軸受け、31…内輪、32…外輪、35…
内側インサート、36…外側インサート、37…回り止
めピン、38…ピン収容孔(37,38は回り止め手段
を構成)。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸からなる第1部材とそれを取り囲
    む第2部材との間に介装され該第1及び第2部材を相対
    回動可能に支持する軸受け構造であって、 前記第1部材に対応する内輪及び前記第2部材に対応す
    る外輪を有する軸受けと、該軸受けの内輪と前記第1部
    材たる駆動軸との間に設けられた略円筒状の内側インサ
    ートを備えるとともに、前記内輪と前記内側インサート
    とを熱膨張率のほぼ等しい材料で構成したことを特徴と
    する軸受け構造。
  2. 【請求項2】 駆動軸からなる第1部材とそれを取り囲
    む第2部材との間に介装され該第1及び第2部材を相対
    回動可能に支持する軸受け構造であって、 前記第1部材に対応する内輪及び前記第2部材に対応す
    る外輪を有する軸受けと、該軸受けの外輪と前記第2部
    材との間に設けられた略円筒状の外側インサートを備え
    るとともに、前記外輪と前記外側インサートとを熱膨張
    率のほぼ等しい材料で構成したことを特徴とする軸受け
    構造。
  3. 【請求項3】 駆動軸からなる第1部材とそれを取り囲
    む第2部材との間に介装され該第1及び第2部材を相対
    回動可能に支持する軸受け構造であって、 前記第1部材に対応する内輪及び前記第2部材に対応す
    る外輪を有する軸受けを備えるとともに、前記内輪と前
    記第1部材たる駆動軸とを直接的又は間接的にスプライ
    ン結合したことを特徴とする軸受け構造。
  4. 【請求項4】 駆動軸からなる第1部材とそれを取り囲
    む第2部材との間に介装され該第1及び第2部材を相対
    回動可能に支持する軸受け構造であって、 前記第1部材に対応する内輪及び前記第2部材に対応す
    る外輪を有する軸受けを備えるとともに、前記外輪と前
    記第2部材とを直接的又は間接的にスプライン結合した
    ことを特徴とする軸受け構造。
  5. 【請求項5】 駆動軸からなる第1部材とそれを取り囲
    む第2部材との間に介装され該第1及び第2部材を相対
    回動可能に支持する軸受け構造であって、 前記第1部材に対応する内輪及び前記第2部材に対応す
    る外輪を有する軸受けを備えるとともに、前記第1部材
    たる駆動軸と前記内輪との間および前記第2部材と前記
    外輪との間のうちの少なくとも一方において、凹凸係合
    関係に基づく回り止め手段を設けたことを特徴とする軸
    受け構造。
  6. 【請求項6】 駆動軸からなる第1部材とそれを取り囲
    む第2部材との間に介装され該第1及び第2部材を相対
    回動可能に支持する軸受け構造であって、 前記第1部材に対応する内輪及び前記第2部材に対応す
    る外輪を有する軸受けを備えるとともに、前記第1部材
    たる駆動軸の前記内輪と対向する部位および前記第2部
    材の前記外輪と対向する部位のうちの少なくとも一方に
    表面硬化処理を施したことを特徴とする軸受け構造。
  7. 【請求項7】 駆動軸からなる第1部材とそれを取り囲
    むファン側の第2部材との間に介装され該第1及び第2
    部材を相対回動可能に支持するファンカップリング用の
    軸受け構造であって、 前記第1部材に対応する内輪及び前記第2部材に対応す
    る外輪を有する軸受けと、前記内輪と前記第1部材たる
    駆動軸との間に設けられた略円筒状の内側インサート
    と、前記外輪と前記第2部材との間に設けられた略円筒
    状の外側インサートを備えると共に、前記内外輪と前記
    内側及び外側インサートとを熱膨張率のほぼ等しい材料
    で構成したことを特徴とするファンカップリング用軸受
    け構造。
  8. 【請求項8】 前記内輪と前記内側インサートとをスプ
    ライン結合すると共に、前記外輪と前記外側インサート
    とをスプライン結合したことを特徴とする請求項7に記
    載のファンカップリング用軸受け構造。
  9. 【請求項9】 前記第1部材たる駆動軸と前記内輪との
    間および前記第2部材と前記外輪との間のうちの少なく
    とも一方において、回り止めピンを用いた回り止め手段
    を設けたことを特徴とする請求項7又は8に記載のファ
    ンカップリング用軸受け構造。
  10. 【請求項10】 前記内側インサートと接する前記第1
    部材たる駆動軸の外周面および前記外側インサートと接
    する前記第2部材の内周面のうちの少なくとも一方に表
    面硬化処理を施したことを特徴とする請求項7〜9のい
    ずれか一項に記載のファンカップリング用軸受け構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008286220A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Ntn Corp センサ付車輪用軸受

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