JP2002070882A - 駆動車輪用軸受装置 - Google Patents
駆動車輪用軸受装置Info
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- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60B—VEHICLE WHEELS; CASTORS; AXLES FOR WHEELS OR CASTORS; INCREASING WHEEL ADHESION
- B60B27/00—Hubs
- B60B27/0078—Hubs characterised by the fixation of bearings
- B60B27/0084—Hubs characterised by the fixation of bearings caulking to fix inner race
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C19/00—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
- F16C19/02—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
- F16C19/14—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load
- F16C19/18—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls
- F16C19/181—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact
- F16C19/183—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles
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- F16C2326/00—Articles relating to transporting
- F16C2326/01—Parts of vehicles in general
- F16C2326/02—Wheel hubs or castors
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 加締め加工なしで軸方向のコンパクト化及び
組立作業の簡素化。 【解決手段】 複列の軌道面40,41を内周に一体形
成した外輪31と、外輪31の軌道面40,41と対向
する軌道面45,46を外周に一体形成した内輪32
と、内外輪32,31間に介装された転動体33,34
と、内外輪32,31の環状空間を密封する一対のシー
ル35,36とからなる軸受部37を備え、その軸受部
37に、円筒部49の一端に車輪取付フランジ50を一
体に有するハブ輪38と、ハブ輪38にセレーション5
7,58で内嵌された軸部53を有する等速自在継手3
9とを結合させた軸受装置において、軸受部37が、ハ
ブ輪38の円筒部49と等速自在継手39の軸部53に
外嵌され、かつ、ハブ輪38と等速自在継手39とによ
って軸方向に挟持され、軸受部37に対してハブ輪38
と等速自在継手39とを着脱可能に位置決め固定する。
組立作業の簡素化。 【解決手段】 複列の軌道面40,41を内周に一体形
成した外輪31と、外輪31の軌道面40,41と対向
する軌道面45,46を外周に一体形成した内輪32
と、内外輪32,31間に介装された転動体33,34
と、内外輪32,31の環状空間を密封する一対のシー
ル35,36とからなる軸受部37を備え、その軸受部
37に、円筒部49の一端に車輪取付フランジ50を一
体に有するハブ輪38と、ハブ輪38にセレーション5
7,58で内嵌された軸部53を有する等速自在継手3
9とを結合させた軸受装置において、軸受部37が、ハ
ブ輪38の円筒部49と等速自在継手39の軸部53に
外嵌され、かつ、ハブ輪38と等速自在継手39とによ
って軸方向に挟持され、軸受部37に対してハブ輪38
と等速自在継手39とを着脱可能に位置決め固定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は駆動車輪用軸受装置
に関し、詳しくは、駆動車輪を車体に回転自在に支持す
る駆動車輪用軸受装置に関する。
に関し、詳しくは、駆動車輪を車体に回転自在に支持す
る駆動車輪用軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の駆動車輪用軸受装置には、例え
ば図5に示す構造のものがあり、内方部材であるハブ輪
1および内輪2、複列の転動体3,4、外方部材である
外輪5、等速自在継手6を主要な構成要素としている。
ば図5に示す構造のものがあり、内方部材であるハブ輪
1および内輪2、複列の転動体3,4、外方部材である
外輪5、等速自在継手6を主要な構成要素としている。
【0003】前記ハブ輪1は、その外周面にアウトボー
ド側の軌道面7が形成されると共に、車輪(図示せず)
を取り付けるための車輪取付フランジ9を備えている。
この車輪取付フランジ9の円周方向等間隔に、ホイール
ディスクを固定するためのハブボルト10が植設されて
いる。また、ハブ輪1の外周面に形成された小径段部1
1に内輪2を嵌合させ、この内輪2の外周面にインボー
ド側の軌道面8が形成されている。内輪2は、クリープ
を防ぐために適当な締め代をもって圧入されている。車
両のアウトボード側に位置する軌道面7とインボード側
に位置する軌道面8とで複列の軌道面を構成する。
ド側の軌道面7が形成されると共に、車輪(図示せず)
を取り付けるための車輪取付フランジ9を備えている。
この車輪取付フランジ9の円周方向等間隔に、ホイール
ディスクを固定するためのハブボルト10が植設されて
いる。また、ハブ輪1の外周面に形成された小径段部1
1に内輪2を嵌合させ、この内輪2の外周面にインボー
ド側の軌道面8が形成されている。内輪2は、クリープ
を防ぐために適当な締め代をもって圧入されている。車
両のアウトボード側に位置する軌道面7とインボード側
に位置する軌道面8とで複列の軌道面を構成する。
【0004】外輪5は、内周面に前記ハブ輪1および内
輪2の軌道面7,8と対向する軌道面12,13が形成
され、車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フ
ランジ14を備えている。この車体取付フランジ14
は、車体の懸架装置から延びるナックル15にナックル
ボルト16で固定されている。
輪2の軌道面7,8と対向する軌道面12,13が形成
され、車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フ
ランジ14を備えている。この車体取付フランジ14
は、車体の懸架装置から延びるナックル15にナックル
ボルト16で固定されている。
【0005】軸受部17は、複列のアンギュラ玉軸受構
造で、ハブ輪1および内輪2の外径面に形成された軌道
面7,8と外輪5の内径面に形成された軌道面12,1
3との間に転動体3,4を介在させ、各列の転動体3,
4を保持器18,19により円周方向等間隔に支持した
構造を有する。軸受部17の両端開口部には、外輪5と
ハブ輪1および内輪2との環状空間を密封する一対のシ
ール20,21が外輪5の端部内径に嵌合され、内部に
充填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物
の侵入を防止するようになっている。
造で、ハブ輪1および内輪2の外径面に形成された軌道
面7,8と外輪5の内径面に形成された軌道面12,1
3との間に転動体3,4を介在させ、各列の転動体3,
4を保持器18,19により円周方向等間隔に支持した
構造を有する。軸受部17の両端開口部には、外輪5と
ハブ輪1および内輪2との環状空間を密封する一対のシ
ール20,21が外輪5の端部内径に嵌合され、内部に
充填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物
の侵入を防止するようになっている。
【0006】前記内輪2をハブ輪1の小径段部11に圧
入し、その小径段部11から軸方向に突出するインボー
ド側端部を図示するように加締めることによって、ハブ
輪1に内輪2を固定している。このハブ輪1の端部に形
成された加締め部22により内輪2の抜け止めと予圧の
付与を行っている。
入し、その小径段部11から軸方向に突出するインボー
ド側端部を図示するように加締めることによって、ハブ
輪1に内輪2を固定している。このハブ輪1の端部に形
成された加締め部22により内輪2の抜け止めと予圧の
付与を行っている。
【0007】等速自在継手6は、外径にセレーション2
3が形成された軸部24を有する。この等速自在継手6
の軸部24をハブ輪1の貫通孔に挿入し、前記軸部24
の外径および貫通孔の内径に形成されたセレーション2
3,25により両者を嵌合させ、その軸端に形成された
雄ねじ部26にナット27を締め付けることによって、
等速自在継手6をハブ輪1に固定している。
3が形成された軸部24を有する。この等速自在継手6
の軸部24をハブ輪1の貫通孔に挿入し、前記軸部24
の外径および貫通孔の内径に形成されたセレーション2
3,25により両者を嵌合させ、その軸端に形成された
雄ねじ部26にナット27を締め付けることによって、
等速自在継手6をハブ輪1に固定している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来の駆動車輪用軸受装置では、内輪2をハブ輪1の小径
段部11に圧入し、その小径段部11から軸方向に突出
するインボード側端部を加締め、その加締め部22によ
り内輪2の抜け止めと予圧の付与を行っているが、この
内輪2のインボード側端面に加締め部22を形成したこ
とにより、その加締め部22の軸方向寸法分だけ軸受装
置が長くなる。また、この軸受部17の組立において、
ハブ輪1のインボード側端部を加締める工程が必要であ
り、工数の増加を招来し、シール20,21や保持器1
8,19の組立作業に手間がかかり、組立作業が困難な
点もあった。
来の駆動車輪用軸受装置では、内輪2をハブ輪1の小径
段部11に圧入し、その小径段部11から軸方向に突出
するインボード側端部を加締め、その加締め部22によ
り内輪2の抜け止めと予圧の付与を行っているが、この
内輪2のインボード側端面に加締め部22を形成したこ
とにより、その加締め部22の軸方向寸法分だけ軸受装
置が長くなる。また、この軸受部17の組立において、
ハブ輪1のインボード側端部を加締める工程が必要であ
り、工数の増加を招来し、シール20,21や保持器1
8,19の組立作業に手間がかかり、組立作業が困難な
点もあった。
【0009】また、従来の駆動車輪用軸受装置では、軸
受部17のインボード側端部では、ハブ輪1と等速自在
継手6とをセレーション嵌合でナット27により締結し
ているだけであるため、ハブ輪1の加締め部22と等速
自在継手6の肩部28との間に水や異物が侵入しやすい
ため、これを防止するためには、前記箇所にシール構造
を設ける必要があり、工数および部品点数が増加する。
受部17のインボード側端部では、ハブ輪1と等速自在
継手6とをセレーション嵌合でナット27により締結し
ているだけであるため、ハブ輪1の加締め部22と等速
自在継手6の肩部28との間に水や異物が侵入しやすい
ため、これを防止するためには、前記箇所にシール構造
を設ける必要があり、工数および部品点数が増加する。
【0010】そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案
されたもので、その目的とするところは、加締め加工を
施すことなく、軸方向のコンパクト化および組立作業の
簡素化を実現し得る駆動車輪用軸受装置を提供すること
にある。
されたもので、その目的とするところは、加締め加工を
施すことなく、軸方向のコンパクト化および組立作業の
簡素化を実現し得る駆動車輪用軸受装置を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段として、請求項1に係る発明は、複列の軌
道面を内周に一体形成した外方部材と、その外方部材の
軌道面と対向する軌道面を外周に一体形成した内方部材
と、前記外方部材と内方部材のそれぞれの軌道面間に介
装された複列の転動体と、前記外方部材の端部内径に嵌
合され、外方部材と内方部材との環状空間を密封する一
対のシールとからなる軸受部を備え、その軸受部に、円
筒部の一端に車輪取付フランジを一体に有するハブ輪
と、このハブ輪にトルク伝達手段を介して内嵌された軸
部を有する等速自在継手とを結合させた駆動車輪用軸受
装置において、前記軸受部が、前記ハブ輪の円筒部と等
速自在継手の軸部に外嵌され、かつ、前記ハブ輪と等速
自在継手とによって軸方向に挟持され、前記軸受部に対
して前記ハブ輪と等速自在継手とを着脱可能に位置決め
固定したことを特徴とする。この請求項1の発明では、
加締め加工を施す必要がないので、軸方向のコンパクト
化、並びに軸受部の組立やシール、保持器の装着の簡素
化を実現でき、軸受部、ハブ輪および等速自在継手のみ
を交換することもできる。
の技術的手段として、請求項1に係る発明は、複列の軌
道面を内周に一体形成した外方部材と、その外方部材の
軌道面と対向する軌道面を外周に一体形成した内方部材
と、前記外方部材と内方部材のそれぞれの軌道面間に介
装された複列の転動体と、前記外方部材の端部内径に嵌
合され、外方部材と内方部材との環状空間を密封する一
対のシールとからなる軸受部を備え、その軸受部に、円
筒部の一端に車輪取付フランジを一体に有するハブ輪
と、このハブ輪にトルク伝達手段を介して内嵌された軸
部を有する等速自在継手とを結合させた駆動車輪用軸受
装置において、前記軸受部が、前記ハブ輪の円筒部と等
速自在継手の軸部に外嵌され、かつ、前記ハブ輪と等速
自在継手とによって軸方向に挟持され、前記軸受部に対
して前記ハブ輪と等速自在継手とを着脱可能に位置決め
固定したことを特徴とする。この請求項1の発明では、
加締め加工を施す必要がないので、軸方向のコンパクト
化、並びに軸受部の組立やシール、保持器の装着の簡素
化を実現でき、軸受部、ハブ輪および等速自在継手のみ
を交換することもできる。
【0012】請求項1に記載した発明では、前記外方部
材の外周に車体取付フランジを一体に形成すれば(請求
項2)、前記車体取付フランジを介して車体の懸架装置
に軸受部を支持固定することが可能となる。
材の外周に車体取付フランジを一体に形成すれば(請求
項2)、前記車体取付フランジを介して車体の懸架装置
に軸受部を支持固定することが可能となる。
【0013】請求項3の発明は、前記内方部材の軸方向
両端部に前記ハブ輪の円筒部と等速自在継手の軸部に外
嵌される円筒部を形成し、かつ、前記内方部材の内径面
の前記円筒部間部位に前記軸部と係合するセレーション
を形成したことを特徴とする。ここで、セレーションに
代えてスプラインを採用することが可能であるため、セ
レーションというときはセレーションまたはスプライン
を意味するものとする。この請求項3の発明では、内方
部材の円筒部とハブ輪の円筒部および等速自在継手の軸
部とのタイトな嵌合でもって前記軸受部に半径方向から
予圧を付与することができる。また、内方部材と等速自
在継手の軸部とをセレーションにより結合させたことに
より、軸受部の内方部材と等速自在継手の軸部間でのト
ルク伝達を容易にする。
両端部に前記ハブ輪の円筒部と等速自在継手の軸部に外
嵌される円筒部を形成し、かつ、前記内方部材の内径面
の前記円筒部間部位に前記軸部と係合するセレーション
を形成したことを特徴とする。ここで、セレーションに
代えてスプラインを採用することが可能であるため、セ
レーションというときはセレーションまたはスプライン
を意味するものとする。この請求項3の発明では、内方
部材の円筒部とハブ輪の円筒部および等速自在継手の軸
部とのタイトな嵌合でもって前記軸受部に半径方向から
予圧を付与することができる。また、内方部材と等速自
在継手の軸部とをセレーションにより結合させたことに
より、軸受部の内方部材と等速自在継手の軸部間でのト
ルク伝達を容易にする。
【0014】請求項4の発明のように有端の皿ばねによ
り、前記ハブ輪を軸受部および軸部に対して着脱可能に
位置決め固定した構造とすることも可能である。このよ
うに前記皿ばねを利用すれば、簡易な手段によりハブ輪
と等速自在継手の軸部とのがたつきを抑制した状態で固
定することができる。
り、前記ハブ輪を軸受部および軸部に対して着脱可能に
位置決め固定した構造とすることも可能である。このよ
うに前記皿ばねを利用すれば、簡易な手段によりハブ輪
と等速自在継手の軸部とのがたつきを抑制した状態で固
定することができる。
【0015】請求項5の発明は、前記内方部材と外方部
材のうち、少なくとも内方部材を、Cが0.45〜0.
80wt%の炭素鋼で形成し、所定の部位に高周波焼入
れによる表面硬化層を形成したことを特徴とする。この
請求項5の発明では、軸受用高炭素クロム鋼(Cが0.
95〜1.10wt%)よりも炭素量が少ない分、所望
の転動疲労寿命を維持しながら、加工性(鍛造加工)を
向上させることができる。また、所定の部位に高周波焼
入れによる表面硬化層を形成したことにより、硬度の低
下を抑制して転動疲労寿命を向上させ得る。
材のうち、少なくとも内方部材を、Cが0.45〜0.
80wt%の炭素鋼で形成し、所定の部位に高周波焼入
れによる表面硬化層を形成したことを特徴とする。この
請求項5の発明では、軸受用高炭素クロム鋼(Cが0.
95〜1.10wt%)よりも炭素量が少ない分、所望
の転動疲労寿命を維持しながら、加工性(鍛造加工)を
向上させることができる。また、所定の部位に高周波焼
入れによる表面硬化層を形成したことにより、硬度の低
下を抑制して転動疲労寿命を向上させ得る。
【0016】請求項6の発明は、前記炭素鋼は、Cが
0.45wt%以上で0.80wt%未満、Siが0.
50wt%以上で1.0wt%以下、Mnが0.10w
t%以上で2.0wt%以下、Crが0.40wt%以
上で0.95wt%以下、Alが0.050wt%以
下、Oが0.0030wt%以下を含有し、残部がFe
および不可避不純物を有する鋼材であることを特徴とす
る。この請求項6の発明では、前記鋼材を使用すること
により、少なくとも内方部材における転動疲労寿命をよ
り一層向上させることができる。
0.45wt%以上で0.80wt%未満、Siが0.
50wt%以上で1.0wt%以下、Mnが0.10w
t%以上で2.0wt%以下、Crが0.40wt%以
上で0.95wt%以下、Alが0.050wt%以
下、Oが0.0030wt%以下を含有し、残部がFe
および不可避不純物を有する鋼材であることを特徴とす
る。この請求項6の発明では、前記鋼材を使用すること
により、少なくとも内方部材における転動疲労寿命をよ
り一層向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る駆動車輪用軸受装置
の実施形態を以下に詳述する。
の実施形態を以下に詳述する。
【0018】図1に示す実施形態の軸受装置は、外方部
材である外輪31、内方部材である内輪32、複列の転
動体33,34、一対のシール35,36からなる軸受
部37と、ハブ輪38と、等速自在継手39とを主要な
構成要素とし、軸受部37に対してハブ輪38と等速自
在継手39とを着脱可能に位置決め固定した構造を具備
する。
材である外輪31、内方部材である内輪32、複列の転
動体33,34、一対のシール35,36からなる軸受
部37と、ハブ輪38と、等速自在継手39とを主要な
構成要素とし、軸受部37に対してハブ輪38と等速自
在継手39とを着脱可能に位置決め固定した構造を具備
する。
【0019】外輪31は、その内径面にアウトボード側
の軌道面40とインボード側の軌道面41が形成され、
外径面に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付
フランジ42を備えている。この車体取付フランジ42
は、車体の懸架装置から延びるナックル43にナックル
ボルト44で固定されている。一方、内輪32は、その
外径面に前記外輪31の軌道面40,41と対向する軌
道面、つまり、アウトボード側の軌道面45とインボー
ド側の軌道面46が形成されている。
の軌道面40とインボード側の軌道面41が形成され、
外径面に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付
フランジ42を備えている。この車体取付フランジ42
は、車体の懸架装置から延びるナックル43にナックル
ボルト44で固定されている。一方、内輪32は、その
外径面に前記外輪31の軌道面40,41と対向する軌
道面、つまり、アウトボード側の軌道面45とインボー
ド側の軌道面46が形成されている。
【0020】この内外輪32,31を備えた軸受部37
は、複列のアンギュラ玉軸受構造で、内輪32の外径面
に形成された軌道面45,46と外輪31の内径面に形
成された軌道面40,41との間に転動体33,34を
介在させ、各列の転動体33,34を保持器47,48
により円周方向等間隔に支持した構造を有する。
は、複列のアンギュラ玉軸受構造で、内輪32の外径面
に形成された軌道面45,46と外輪31の内径面に形
成された軌道面40,41との間に転動体33,34を
介在させ、各列の転動体33,34を保持器47,48
により円周方向等間隔に支持した構造を有する。
【0021】この軸受部37は、内輪32に複列の軌道
面45,46を一体形成したもので、深溝玉軸受のよう
に外輪と内輪を偏心させ、その状態で形成された内外輪
間の三日月状空間内に転動体を収容した後、内外輪の偏
心状態を解除して組み立てるようにしたコンラッド型と
称されるものである。軸受部37の両端開口部には、外
輪31と内輪32との環状空間を密封する一対のシール
35,36が外輪31の端部内径に嵌合され、内部に充
填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物の
侵入を防止するようになっている。
面45,46を一体形成したもので、深溝玉軸受のよう
に外輪と内輪を偏心させ、その状態で形成された内外輪
間の三日月状空間内に転動体を収容した後、内外輪の偏
心状態を解除して組み立てるようにしたコンラッド型と
称されるものである。軸受部37の両端開口部には、外
輪31と内輪32との環状空間を密封する一対のシール
35,36が外輪31の端部内径に嵌合され、内部に充
填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物の
侵入を防止するようになっている。
【0022】ハブ輪38は、円筒部49の一端に車輪取
付フランジ50を一体に有し、この車輪取付フランジ5
0の円周方向等間隔に、ホイールディスクを固定するた
めのハブボルト51が植設されている。また、等速自在
継手39は、図示しないが、ドライブシャフトの一端に
取り付けられるもので、内周面にトラック溝が形成され
た継手外輪と、その継手外輪のトラック溝と対向するト
ラック溝が外周面に形成された継手内輪と、前記継手内
外輪のトラック溝間に組み込まれたボールとからなる。
図1では等速自在継手39の継手外輪の外形上半分を示
し、その継手外輪は、前記継手内輪およびボールが収容
された略椀状のマウス部52と、そのマウス部52から
一体的に軸方向に延びる軸部53とからなる。
付フランジ50を一体に有し、この車輪取付フランジ5
0の円周方向等間隔に、ホイールディスクを固定するた
めのハブボルト51が植設されている。また、等速自在
継手39は、図示しないが、ドライブシャフトの一端に
取り付けられるもので、内周面にトラック溝が形成され
た継手外輪と、その継手外輪のトラック溝と対向するト
ラック溝が外周面に形成された継手内輪と、前記継手内
外輪のトラック溝間に組み込まれたボールとからなる。
図1では等速自在継手39の継手外輪の外形上半分を示
し、その継手外輪は、前記継手内輪およびボールが収容
された略椀状のマウス部52と、そのマウス部52から
一体的に軸方向に延びる軸部53とからなる。
【0023】この実施形態の軸受装置では、等速自在継
手39の軸部53とハブ輪38の円筒部49に軸受部3
7を外嵌し、かつ、その軸受部37を前記等速自在継手
39とハブ輪38とで軸方向に挟持し、軸受部37に対
してハブ輪38と等速自在継手39とを着脱可能に位置
決め固定した構造を具備する。
手39の軸部53とハブ輪38の円筒部49に軸受部3
7を外嵌し、かつ、その軸受部37を前記等速自在継手
39とハブ輪38とで軸方向に挟持し、軸受部37に対
してハブ輪38と等速自在継手39とを着脱可能に位置
決め固定した構造を具備する。
【0024】すなわち、軸受部37の内輪32の軸方向
両端部に、ハブ輪38の円筒部49と等速自在継手39
の軸部53に外嵌される円筒部54,55を形成し、内
輪32の内径面の円筒部間部位に軸部53と係合するセ
レーション56を形成する。軸受部37の内輪32は、
その軸方向両端部にある円筒部54,55がハブ輪38
および軸部53にタイトな嵌合でもって結合されること
から、軸受部37に半径方向から予圧を付与することが
できる。この軸受部単体で所定のすきまにて設定され、
さらにハブ輪38と等速自在継手39との嵌合により負
すきまに設定することができる。また、内輪32の内径
面および軸部53の外径面にセレーション56,57を
形成し、内輪32と等速自在継手39の組付時、前記セ
レーション56,57により軸部53から内輪32への
トルク伝達を容易にする。
両端部に、ハブ輪38の円筒部49と等速自在継手39
の軸部53に外嵌される円筒部54,55を形成し、内
輪32の内径面の円筒部間部位に軸部53と係合するセ
レーション56を形成する。軸受部37の内輪32は、
その軸方向両端部にある円筒部54,55がハブ輪38
および軸部53にタイトな嵌合でもって結合されること
から、軸受部37に半径方向から予圧を付与することが
できる。この軸受部単体で所定のすきまにて設定され、
さらにハブ輪38と等速自在継手39との嵌合により負
すきまに設定することができる。また、内輪32の内径
面および軸部53の外径面にセレーション56,57を
形成し、内輪32と等速自在継手39の組付時、前記セ
レーション56,57により軸部53から内輪32への
トルク伝達を容易にする。
【0025】ハブ輪38の内径面にはセレーション58
が形成され、そのセレーション58を等速自在継手39
の軸部53の外径面に形成されたセレーション59と嵌
合させることにより、前記軸部53からハブ輪38への
トルク伝達を可能とする。このようにハブ輪38と軸部
53とをセレーション嵌合させ、その軸部53の軸端に
形成された雄ねじ部60にナット61を締め付けること
によって、等速自在継手39にハブ輪38を固定する。
が形成され、そのセレーション58を等速自在継手39
の軸部53の外径面に形成されたセレーション59と嵌
合させることにより、前記軸部53からハブ輪38への
トルク伝達を可能とする。このようにハブ輪38と軸部
53とをセレーション嵌合させ、その軸部53の軸端に
形成された雄ねじ部60にナット61を締め付けること
によって、等速自在継手39にハブ輪38を固定する。
【0026】前述したように軸受部37と等速自在継手
39の軸部53とがタイトな嵌合でもって固定されてい
るので、軸受部37のインボード側端部と等速自在継手
39の継手外輪との間に、水や異物が侵入することを防
止するシールが不要である。また、ナット61によるハ
ブ輪38の固定は、そのハブ輪38が抜けない程度の締
結力であれば十分である。
39の軸部53とがタイトな嵌合でもって固定されてい
るので、軸受部37のインボード側端部と等速自在継手
39の継手外輪との間に、水や異物が侵入することを防
止するシールが不要である。また、ナット61によるハ
ブ輪38の固定は、そのハブ輪38が抜けない程度の締
結力であれば十分である。
【0027】前述したように、軸受部37が、前記ハブ
輪38の円筒部49と等速自在継手39の軸部53に外
嵌され、かつ、前記ハブ輪38と等速自在継手39とに
よって軸方向に挟持され、前記軸受部37に対して前記
ハブ輪38と等速自在継手39とを着脱可能に位置決め
固定したことにより、加締め加工を施す必要がないの
で、軸方向のコンパクト化、並びに軸受部37の組立や
シール35,36、保持器47,48の装着の簡素化を
実現でき、軸受部37、ハブ輪38および等速自在継手
39のみを交換することもできる。
輪38の円筒部49と等速自在継手39の軸部53に外
嵌され、かつ、前記ハブ輪38と等速自在継手39とに
よって軸方向に挟持され、前記軸受部37に対して前記
ハブ輪38と等速自在継手39とを着脱可能に位置決め
固定したことにより、加締め加工を施す必要がないの
で、軸方向のコンパクト化、並びに軸受部37の組立や
シール35,36、保持器47,48の装着の簡素化を
実現でき、軸受部37、ハブ輪38および等速自在継手
39のみを交換することもできる。
【0028】なお、図1に示す実施形態では、外輪31
をナックルボルト44によりナックル43に固定する場
合について説明したが、本発明はこれに限定されること
なく、図2に示す他の実施形態のように車体取付フラン
ジを有しない外輪31’をナックル43’に嵌合させて
止め輪62により固定した構造にも適用可能である。ま
た、図1の実施形態では、軸受部37の内輪32の内径
面に軸部53と係合するセレーション56を形成してい
るが、このセレーション56は必ずしも設ける必要はな
く、図3に示す実施形態のように軸受部37の内輪32
の内径面にセレーション56を形成することなく、円筒
部55のみで軸部53にタイトな嵌合でもって結合させ
るようにしてもよい。
をナックルボルト44によりナックル43に固定する場
合について説明したが、本発明はこれに限定されること
なく、図2に示す他の実施形態のように車体取付フラン
ジを有しない外輪31’をナックル43’に嵌合させて
止め輪62により固定した構造にも適用可能である。ま
た、図1の実施形態では、軸受部37の内輪32の内径
面に軸部53と係合するセレーション56を形成してい
るが、このセレーション56は必ずしも設ける必要はな
く、図3に示す実施形態のように軸受部37の内輪32
の内径面にセレーション56を形成することなく、円筒
部55のみで軸部53にタイトな嵌合でもって結合させ
るようにしてもよい。
【0029】また、前述した図1ないし図3の各実施形
態では、ハブ輪38を等速自在継手39の軸部53にナ
ット61で締め付け固定した場合について説明したが、
図4に示す実施形態のように有端の皿ばね63により、
前記ハブ輪38を軸受部37および軸部53に着脱可能
に位置決め固定した構造とすることも可能である。この
ように前記皿ばね63を利用すれば、ハブ輪38と等速
自在継手39の軸部53とのがたつきを抑制した状態で
固定することができる。
態では、ハブ輪38を等速自在継手39の軸部53にナ
ット61で締め付け固定した場合について説明したが、
図4に示す実施形態のように有端の皿ばね63により、
前記ハブ輪38を軸受部37および軸部53に着脱可能
に位置決め固定した構造とすることも可能である。この
ように前記皿ばね63を利用すれば、ハブ輪38と等速
自在継手39の軸部53とのがたつきを抑制した状態で
固定することができる。
【0030】以上で説明した各実施形態において、軸受
部37の内輪32と外輪31のうち、少なくとも内輪3
2を、Cが0.45〜0.80wt%、好ましくは0.
60〜0.80wt%の中炭素鋼で形成し、所定の部
位、すなわち、前記内輪32の外径面に形成されたイン
ボード側およびアウトボード側の軌道面45,46に高
周波焼入れによる表面硬化層(図示せず)を形成する。
部37の内輪32と外輪31のうち、少なくとも内輪3
2を、Cが0.45〜0.80wt%、好ましくは0.
60〜0.80wt%の中炭素鋼で形成し、所定の部
位、すなわち、前記内輪32の外径面に形成されたイン
ボード側およびアウトボード側の軌道面45,46に高
周波焼入れによる表面硬化層(図示せず)を形成する。
【0031】前記内輪32を、Cが0.45〜0.80
wt%、好ましくは0.60〜0.80wt%の中炭素
鋼で形成したことにより、軸受用高炭素クロム鋼SUJ
2(Cが0.95〜1.10wt%)よりも炭素量が少
ない分、所望の転動疲労寿命を維持しながら、加工性
(鍛造加工)を向上させることができる。また、所定の
部位に高周波焼入れによる表面硬化層を形成したことに
より、硬度の低下を抑制して転動疲労寿命を向上させ
る。Cは、強度、耐摩耗性および転動疲労寿命を向上さ
せる上で、0.45wt%以上必要であり、0.80w
t%より多くなると、加工性、被削性および靭性が低下
する点でこれを上限とする。
wt%、好ましくは0.60〜0.80wt%の中炭素
鋼で形成したことにより、軸受用高炭素クロム鋼SUJ
2(Cが0.95〜1.10wt%)よりも炭素量が少
ない分、所望の転動疲労寿命を維持しながら、加工性
(鍛造加工)を向上させることができる。また、所定の
部位に高周波焼入れによる表面硬化層を形成したことに
より、硬度の低下を抑制して転動疲労寿命を向上させ
る。Cは、強度、耐摩耗性および転動疲労寿命を向上さ
せる上で、0.45wt%以上必要であり、0.80w
t%より多くなると、加工性、被削性および靭性が低下
する点でこれを上限とする。
【0032】さらに、前記炭素鋼としては、Cが0.4
5wt%以上、好ましくは0.60wt%以上で0.8
0wt%未満、Siが0.50wt%以上で1.0wt
%以下、Mnが0.10wt%以上で2.0wt%以
下、Crが0.40wt%以上で0.95wt%以下、
Alが0.050wt%以下、Oが0.0030wt%
以下を含有し、残部がFeおよび不可避不純物を有する
鋼材がよい。このような鋼材を使用することにより、加
工性および転動疲労寿命をより一層向上させることがで
きる。
5wt%以上、好ましくは0.60wt%以上で0.8
0wt%未満、Siが0.50wt%以上で1.0wt
%以下、Mnが0.10wt%以上で2.0wt%以
下、Crが0.40wt%以上で0.95wt%以下、
Alが0.050wt%以下、Oが0.0030wt%
以下を含有し、残部がFeおよび不可避不純物を有する
鋼材がよい。このような鋼材を使用することにより、加
工性および転動疲労寿命をより一層向上させることがで
きる。
【0033】炭素鋼中のCは、強度、耐摩耗性および転
動疲労寿命をより一層向上させる点で、0.45wt%
以上必要であり、0.80wt%より多くなると、前述
したように加工性および靭性が低下する点でこれを上限
とする。
動疲労寿命をより一層向上させる点で、0.45wt%
以上必要であり、0.80wt%より多くなると、前述
したように加工性および靭性が低下する点でこれを上限
とする。
【0034】Siは、脱酸のほかに転動疲労寿命を向上
させる元素として必要なものであり、その含有量が0.
50wt%未満ではこの効果が小さく、一方、1.0w
t%を超えて添加すると、被削性および加工性が著しく
低下するのでこれを上限とする。
させる元素として必要なものであり、その含有量が0.
50wt%未満ではこの効果が小さく、一方、1.0w
t%を超えて添加すると、被削性および加工性が著しく
低下するのでこれを上限とする。
【0035】Mnは、鋼の焼入れ性を向上させることに
よって靭性を高め、また、転動疲労寿命の向上に有効に
寄与する。しかし、0.10wt%に満たないとこの添
加効果に乏しく、一方、2.0wt%を超えて添加する
と、被削性、靭性および加工性が著しく低下する。従っ
て、Mnは、0.10〜2.0wt%の範囲とし、好ま
しくは、0.50〜1.20wt%の範囲とする。
よって靭性を高め、また、転動疲労寿命の向上に有効に
寄与する。しかし、0.10wt%に満たないとこの添
加効果に乏しく、一方、2.0wt%を超えて添加する
と、被削性、靭性および加工性が著しく低下する。従っ
て、Mnは、0.10〜2.0wt%の範囲とし、好ま
しくは、0.50〜1.20wt%の範囲とする。
【0036】Crは、鋼の焼入れ性を高め、強度および
靭性を向上させるものであり、その含有量が0.40w
t%未満ではこれらの効果が小さく、一方、0.95w
t%を超えると、他元素との関係より拡散焼鈍省略が不
可能となる。なお、Crのこのような効果は、0.80
wt%でほぼ飽和し、0.80wt%以上では他元素、
特にC量およびSi量との関係により、溶製時に巨大炭
化物が生成しやすくなる。従って、Crは、0.40〜
0.95wt%の範囲とし、好ましくは、0.40〜
0.80wt%の範囲とする。
靭性を向上させるものであり、その含有量が0.40w
t%未満ではこれらの効果が小さく、一方、0.95w
t%を超えると、他元素との関係より拡散焼鈍省略が不
可能となる。なお、Crのこのような効果は、0.80
wt%でほぼ飽和し、0.80wt%以上では他元素、
特にC量およびSi量との関係により、溶製時に巨大炭
化物が生成しやすくなる。従って、Crは、0.40〜
0.95wt%の範囲とし、好ましくは、0.40〜
0.80wt%の範囲とする。
【0037】Alは、脱酸剤として添加するものであ
り、Oと結合して硬質な酸化物系介在物を形成するた
め、転動疲労寿命を低下させる。従って、できる限り低
い方が望ましく、0.050wt%を上限とする。ま
た、Oは、Alと結合して硬質な酸化物系非金属介在物
を形成するため、転動疲労寿命を低下させる。従って、
できる限り少ない方が望ましく、0.0030wt%を
上限とする。
り、Oと結合して硬質な酸化物系介在物を形成するた
め、転動疲労寿命を低下させる。従って、できる限り低
い方が望ましく、0.050wt%を上限とする。ま
た、Oは、Alと結合して硬質な酸化物系非金属介在物
を形成するため、転動疲労寿命を低下させる。従って、
できる限り少ない方が望ましく、0.0030wt%を
上限とする。
【0038】前記内輪32の軌道面45,46に表面硬
化層を形成するための熱処理としては、高周波焼入れが
適している。表面硬化処理としての高周波熱処理は、誘
導加熱の特色を有効に生かして硬化層を自由に選定し、
耐摩耗性を与えたり疲れ強さを改善することができる。
誘導加熱は、電磁誘導現象を利用して金属内で電気エネ
ルギーを直接熱エネルギーに変えて発熱させる方法で、
これを利用した高周波熱処理には多くの特徴がある。特
に、局部加熱ができ、硬化層深さの選定が自由であり、
また硬化層以外には著しく熱影響を与えないように制御
できるので、母材の性能を保持できる。
化層を形成するための熱処理としては、高周波焼入れが
適している。表面硬化処理としての高周波熱処理は、誘
導加熱の特色を有効に生かして硬化層を自由に選定し、
耐摩耗性を与えたり疲れ強さを改善することができる。
誘導加熱は、電磁誘導現象を利用して金属内で電気エネ
ルギーを直接熱エネルギーに変えて発熱させる方法で、
これを利用した高周波熱処理には多くの特徴がある。特
に、局部加熱ができ、硬化層深さの選定が自由であり、
また硬化層以外には著しく熱影響を与えないように制御
できるので、母材の性能を保持できる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、軸受部、ハブ輪および
等速自在継手を備えた駆動車輪用軸受装置において、前
記軸受部が、前記ハブ輪の円筒部と等速自在継手の軸部
に外嵌され、かつ、前記ハブ輪と等速自在継手とによっ
て軸方向に挟持され、前記軸受部に対して前記ハブ輪と
等速自在継手とを着脱可能に位置決め固定したことによ
り、加締め加工を施す必要がないので、軸方向のコンパ
クト化、並びに軸受部の組立やシール、保持器の装着の
簡素化を実現でき、軸受部、ハブ輪および等速自在継手
のみを交換することもできる。
等速自在継手を備えた駆動車輪用軸受装置において、前
記軸受部が、前記ハブ輪の円筒部と等速自在継手の軸部
に外嵌され、かつ、前記ハブ輪と等速自在継手とによっ
て軸方向に挟持され、前記軸受部に対して前記ハブ輪と
等速自在継手とを着脱可能に位置決め固定したことによ
り、加締め加工を施す必要がないので、軸方向のコンパ
クト化、並びに軸受部の組立やシール、保持器の装着の
簡素化を実現でき、軸受部、ハブ輪および等速自在継手
のみを交換することもできる。
【0040】また、軸受部と等速自在継手の軸部とがタ
イトな嵌合でもって固定されているので、軸受部と等速
自在継手間に水や異物の侵入を防止するシールを設ける
必要がなく、シール構造の簡素化も実現できる。
イトな嵌合でもって固定されているので、軸受部と等速
自在継手間に水や異物の侵入を防止するシールを設ける
必要がなく、シール構造の簡素化も実現できる。
【図1】本発明の実施形態で、軸受部の外輪をナックル
ボルトでナックルに固定した例を示す部分断面図であ
る。
ボルトでナックルに固定した例を示す部分断面図であ
る。
【図2】本発明の他の実施形態で、軸受部の外輪を嵌合
構造によりナックルに固定した例を示す部分断面図であ
る。
構造によりナックルに固定した例を示す部分断面図であ
る。
【図3】本発明の他の実施形態で、軸受部の内輪の内径
面にセレーションを形成しない例を示す部分断面図であ
る。
面にセレーションを形成しない例を示す部分断面図であ
る。
【図4】本発明の他の実施形態で、ハブ輪を等速自在継
手の軸部に皿ばねで固定した例を示す部分断面図であ
る。
手の軸部に皿ばねで固定した例を示す部分断面図であ
る。
【図5】駆動車輪用軸受装置の従来例を示す部分断面図
である。
である。
31 外方部材(外輪) 32 内方部材(内輪) 33,34 転動体 35,36 シール 37 軸受部 38 ハブ輪 39 等速自在継手 40,41 軌道面 42 車体取付フランジ 45,46 軌道面 49 ハブ輪の円筒部 50 車輪取付フランジ 53 軸部 54,55 内方部材の円筒部 56 セレーション 63 皿ばね
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16D 1/06 F16D 1/06 Q
Claims (6)
- 【請求項1】 複列の軌道面を内周に一体形成した外方
部材と、その外方部材の軌道面と対向する軌道面を外周
に一体形成した内方部材と、前記外方部材と内方部材の
それぞれの軌道面間に介装された複列の転動体と、前記
外方部材の端部内径に嵌合され、外方部材と内方部材と
の環状空間を密封する一対のシールとからなる軸受部を
備え、その軸受部に、円筒部の一端に車輪取付フランジ
を一体に有するハブ輪と、このハブ輪にトルク伝達手段
を介して内嵌された軸部を有する等速自在継手とを結合
させた駆動車輪用軸受装置において、 前記軸受部が、前記ハブ輪の円筒部と等速自在継手の軸
部に外嵌され、かつ、前記ハブ輪と等速自在継手とによ
って軸方向に挟持され、前記軸受部に対して前記ハブ輪
と等速自在継手とを着脱可能に位置決め固定したことを
特徴とする駆動車輪用軸受装置。 - 【請求項2】 前記外方部材の外周に車体取付フランジ
を一体に形成したことを特徴とする請求項1に記載の駆
動車輪用軸受装置。 - 【請求項3】 前記内方部材の軸方向両端部に前記ハブ
輪の円筒部と等速自在継手の軸部に外嵌される円筒部を
形成し、かつ、前記内方部材の内径面の前記円筒部間部
位に前記軸部と係合するセレーションを形成したことを
特徴とする請求項1又は2に記載の駆動車輪用軸受装
置。 - 【請求項4】 有端の皿ばねにより、前記ハブ輪を軸受
部および軸部に対して着脱可能に位置決め固定したこと
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の駆動車
輪用軸受装置。 - 【請求項5】 前記内方部材と外方部材のうち、少なく
とも内方部材を、Cが0.45〜0.80wt%の炭素
鋼で形成し、所定の部位に高周波焼入れによる表面硬化
層を形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
かに記載の駆動車輪用軸受装置。 - 【請求項6】 前記炭素鋼は、Cが0.45wt%以上
で0.80wt%未満、Siが0.50wt%以上で
1.0wt%以下、Mnが0.10wt%以上で2.0
wt%以下、Crが0.40wt%以上で0.95wt
%以下、Alが0.050wt%以下、Oが0.003
0wt%以下を含有し、残部がFeおよび不可避不純物
を有する鋼材であることを特徴とする請求項5に記載の
駆動車輪用軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000263772A JP2002070882A (ja) | 2000-08-31 | 2000-08-31 | 駆動車輪用軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000263772A JP2002070882A (ja) | 2000-08-31 | 2000-08-31 | 駆動車輪用軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002070882A true JP2002070882A (ja) | 2002-03-08 |
Family
ID=18751272
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---|---|---|---|
JP2000263772A Withdrawn JP2002070882A (ja) | 2000-08-31 | 2000-08-31 | 駆動車輪用軸受装置 |
Country Status (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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