JP2000185551A - 自動車のドアグリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイドドアの開度に応じて突出度を可変にで
きる可動式の自動車のドアグリップを提供する。 【解決手段】 開閉時に握るためのグリップ本体２０を
サイドドア１に沿った通常位置から車室内側への突出位
置に回動自在にサイドドア１に枢着する。グリップ本体
２０に、引張り駆動により突出位置へ駆動するリンク式
の駆動機構１５〜１８を付属させると共に、この駆動機
構をサイドドア１の開放時に引張り駆動が行われるよう
に、ドアチェックアーム６に連結させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、サイドドアに開閉
時に握って開閉操作を行うために車室内側に設けられた
自動車のドアグリップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】サイドドアの全開状態で車室内からドア
グリップを握ってサイドドアを閉めようとすると、その
間の距離のために指先による操作になり、女性、高齢
者、障害者等にとっては負担になる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで、グリップを車
室内側に突出させると、その分閉鎖状態で邪魔になる。
また、ドアチェックの荷重を下げて全開付近の操作力を
軽減させようとすると、坂路における保持力の不足につ
ながる。

【０００４】本発明は、このような点に鑑みて、サイド
ドアの開度に応じて突出度を可変にできる可動式の自動
車のドアグリップを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達
成するために、請求項１により、サイドドアの開閉時に
握るためにサイドドアの車室内側に設けられた自動車の
ドアグリップにおいて、グリップ本体をサイドドアに沿
った通常位置から車室内側への突出位置に回動自在にサ
イドドアに枢着し、グリップ本体に、引張り駆動により
グリップ本体を突出位置へ駆動する駆動機構を付属させ
ると共に、サイドドアの開放時に引張り駆動が行われる
ように、駆動機構をドアチェックアームに連結させたこ
とを特徴とする。

【０００６】サイドドアを開放すると、ドア内に侵入し
ているドアチェックアームがサイドドアの前端側、即ち
ヒンジ側ヘ相対的に移動することにより、駆動機構が引
張り駆動され、グリップ本体はサイドドアに沿った通常
位置から車室内側へ突出位置に駆動される。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１及び図２を基に本発明の実施
の形態の一例による自動車のドアグリップを説明する。
サイドドア１のヒンジ側のドア端面１ａには、周知のよ
うに、ドアチェックアーム６にサイドドアの開度が大き
くなるほど大きな荷重を加えるチェック部５が設けられ
ている。

【０００８】サイドドア１の車室内側のドアトリム１ｂ
の肉厚部分には、コの字形の水平方向のグリップ本体２
０が設けられ、その前方側の端部２１がピン孔２２への
ピン挿入により水平面で回動可能に枢着されている。後
側の端部２５には、リンクアーム１５の一方の端部が枢
着されている。グリップ本体２０の両端部及びドアトリ
ム１ｂ間には、安全性上ベローズ２９が装着されてい
る。尚、逆に後側の端部２５を枢着することも考えられ
る。

【０００９】ドア端面１ａの内側には、チェックアーム
６の上方に位置するようにＬ字形のアームカバー兼用の
ワイヤマウント１２が取付けられている。そのワイヤガ
イド部１２ａには、同軸ワイヤ１０のアウタワイヤ１０
ａの一方の端部が取付けられると共に、インナワイヤ１
０ｂがスライド可能に貫通してチェックアーム６の先端
部に接続されている。

【００１０】リンクアーム１５の他方の端部には、リン
クアーム１６の一方の端部が枢着され、その中間位置が
ドアトリム１ｂの内側に車室内に向けて突設されたヒン
ジブラッケト１７により枢支されている。ヒンジブラッ
ケト１７の先端部に形成されたワイヤガイド部１７ａに
は、アウタワイヤ１０ａの他方の端部が取付けられると
共に、インナワイヤ１０ｂの他方の端部がスライド可能
に貫通して接続している。ワイヤガイド部１７ａ及びリ
ンクアーム１６間には、このリンクアームを車室外側へ
付勢するばね１８が装着されている。

【００１１】サイドドア１の閉鎖状態では、チェックア
ーム６のサイドドア１内への侵入度が大きく、インナワ
イヤ１０ｂが相対的に車両後方へスライドし、ばね１８
の圧縮拘束を徐々に解除してその付勢によりリンクアー
ム１６を確実に車室外側へ回動させる。このリンクアー
ムの回動により、車幅方向のリンクアーム１５が車室内
側へ駆動されてグリップ本体２０が車室内側へ回動して
通常位置を占める。

【００１２】サイドドア１を開放すると、チェックアー
ム６が徐々に相対的に前進し、インナケーブル１０ｂが
徐々に引張られ、ばね力に抗してリンクアーム１６の前
端部が車室外側ヘ引張り駆動され、全開位置でグリップ
本体２０の突出量が最大となる（図２）。したがって、
車室内側からドアグリップを握るのが容易となる。尚、
この全開位置でのグリップ本体２０の突出量は、リンク
式の駆動機構１５〜１８の駆動ストロークにより調整可
能である。

【００１３】図３及び図４は、別の実施の形態によるコ
の字形の垂直方向のドアグリップを説明する。グリップ
本体３９の上下の端部のピン穴３９ａに、ドアトリム１
ｂからピンが挿入されて、通常位置から車室内側への突
出する突出位置に回動自在に枢着されている。駆動機構
として、グリップ本体３９の端部間に一体に形成され、
かつ車室内側へ向けて突出するレバー３０ａが突設され
た駆動軸３０と、この駆動軸をグリップ本体３９が通常
位置に向かうように付勢するばね３５とを備えている。
ドアトリム１ｂの内側に取付けられたワイヤマウント３
８のワイヤガイド部３８ａには、アウタワイヤ１０ａの
端部が取付けられると共に、インナワイヤ１０ｂが貫通
してドアトリム１ｂに沿ってレバー３０ａに接続されて
いる。

【００１４】サイドドア１の閉鎖状態では、インナケー
ブル１０ｂがドア内に大きく侵入することにより、ばね
３５がグリップ本体３９を２点鎖線位置に付勢してい
る。サイドドア１が開放されるとばね力に抗してインナ
ケーブル１０ｂによりレバー３０ａが引張り駆動されて
グリップ本体３９をサイドドア１に対して直交方向の実
線で示す突出位置へ回動させる。

【００１５】

【発明の効果】以上、本発明によれば、ドア半開又は全
開付近でドアグリップが車室内側にドア開度に応じて突
出することにより、サイドドアの閉鎖操作が容易にな
る。サイドドアの閉鎖荷重が多少大きくなってもドア操
作が容易であることにより、ドアチエックの坂路保持性
もしくはふらつき防止等に対する対策の許容範囲が広が
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態によるドアグリップの斜視
図である。

【図２】同ドアグリップの動作を説明する平面図であ
る。

【図３】別の実施の形態によるドアグリップの斜視図で
ある。

【図４】図３によるドアグリップの動作を説明する平面
図である。

【符号の説明】

１ サイドドア ６ チェックアーム １０ 同軸ワイヤ １５、１６ リンクアーム ２０、３９ グリップ本体 ３０ａ レバー

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 サイドドアの開閉時に握るためにサイド
   ドアの車室内側に設けられた自動車のドアグリップにお
   いて、 グリップ本体をサイドドアに沿った通常位置から車室内
   側への突出位置に回動自在に前記サイドドアに枢着し、 前記グリップ本体に、引張り駆動により前記グリップ本
   体を前記突出位置へ駆動する駆動機構を付属させると共
   に、前記サイドドアの開放時に前記引張り駆動が行われ
   るように、前記駆動機構をドアチェックアームに連結さ
   せたことを特徴とする自動車のドアグリップ。
2. 【請求項２】 グリップ本体が水平方向へ設けられたコ
   の字形であり、その一方の端部をサイドドアに枢着し、 駆動機構が、前記グリップ本体の他方の端部に一方の端
   部が枢着された第１のリンクアームと、その他方の端部
   に一方の端部が枢着され、かつ中間位置が前記サイドド
   アに枢着されてこのサイドドアに沿って配置された第２
   のリンクアームと、前記グリップ本体を通常位置へ向け
   て付勢するばねとを備え、前記第２のリンクアームの他
   方の端部をワイヤでドアチェックアームに接続したこと
   を特徴とする請求項１の自動車のドアグリップ。
3. 【請求項３】 グリップ本体が垂直方向へ設けられたコ
   の字形であり、 駆動機構が、前記グリップ本体の上下の端部間に設けら
   れ、かつ車室内側へ向かうレバーが突設された駆動軸
   と、この駆動軸を前記グリップ本体が通常位置に向かう
   ように付勢するばねとを備え、前記レバーをワイヤでド
   アチェックアームに接続したことを特徴とする請求項１
   の自動車のドアグリップ。