JP2000184958A - 保温釜 - Google Patents

保温釜

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JP2000184958A
JP2000184958A JP10367430A JP36743098A JP2000184958A JP 2000184958 A JP2000184958 A JP 2000184958A JP 10367430 A JP10367430 A JP 10367430A JP 36743098 A JP36743098 A JP 36743098A JP 2000184958 A JP2000184958 A JP 2000184958A
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heat insulating
pot
insulating member
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heat
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Kazuya Miyake
一也 三宅
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Toshiba Home Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本体や蓋体の軽量化を図りつつも、真空断熱
による断熱効果を最大限引き出す。 【解決手段】 内部に真空層25を形成した板状の断熱部
材23Aを、外枠2と鍋収容部4との間に設ける。鍋5の
側面から鍋収容部4を介して放出する熱は、外枠2と鍋
収容部4との間の断熱部材23Aにより遮断される。した
がって、内部に真空層25を形成した板状の断熱部材23A
を設けるだけで、炊飯時や保温時における省エネルギー
を図ることができる。これにより、本体1の軽量化を図
りつつ、真空断熱による断熱効果を最大限に引き出せ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炊飯と保温を行な
う保温釜に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一般に、電気ポットな
どでは、液体を収容する容器を真空二重構造にし、保温
性を高めたものが商品化されている。また、容器の外面
に真空断熱材を配置したものも商品化されている。しか
し、電気ポットはそもそも容器が本体に固定されてお
り、かつ容器に収容した液体(水)を加熱し保温するも
のであるため、容器の熱が真空断熱装置の外面材料に熱
伝導しやすく、容器の熱が外部に逃げやすい構造的な問
題がある。
【0003】一方、電気ポットのような真空断熱構造を
炊飯や保温を行なう保温釜へ応用する考えは多くあった
が、被加熱物を収容する鍋の外側周囲に金属製の真空二
重部材を配置すると、本体や蓋体の重量が著しく増加す
る。また、こうした真空二重部材を収容する空間を確保
した上で、デザイン性を高めるために本体の外郭や蓋体
の外郭を三次元形状に形成すると、本体や蓋体が大形化
するなどの問題があり、保温釜の分野では実用に至って
いない状況にある。また、鍋を加熱する加熱手段と真空
二重部材が接触すると、真空二重部材による断熱作用が
十分に発揮されない問題もあった。
【0004】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、鍋が本体の鍋収容部に対して着脱でき、
しかも鍋を加熱する加熱手段と鍋が直接結合していない
構造の保温釜に関し、本体や蓋体の軽量化を図りつつ
も、真空断熱による断熱効果を最大限引き出すことので
きる保温釜を提供することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の保温
釜は、前記目的を達成するために、内部に真空層を形成
した板状の断熱部材を、本体の外郭と前記本体の内部に
あって鍋を収容する鍋収容部との間に設けたものであ
る。
【0006】鍋の側面から鍋収容部を介して放出する熱
は、本体の外郭と鍋収容部との間にある断熱部材によっ
て遮断される。したがって、鍋の外側周囲に金属製の真
空二重部材を配置しなくても、内部に真空層を形成した
板状の断熱部材を設けるだけで、炊飯時や保温時におけ
る省エネルギーを図ることができ、本体の軽量化を図り
つつも、真空断熱による断熱効果を最大限に引き出すこ
とが可能になる。
【0007】また、特に保温時において、鍋の側面の冷
えを断熱部材により低減し、鍋の内側面への結露を低減
することで、長時間保温を行なったときに露が鍋肌を伝
わって流れ落ち、鍋の内側面周囲のご飯が水分過多でベ
チャになる現象を抑制し、良好な保温性を維持できる。
【0008】本発明の請求項2の保温釜は、前記目的を
達成するために、内部に真空層を形成した板状の断熱部
材を、本体の底部外郭と前記本体の内部にあって鍋を収
容する鍋収容部の底部との間に設けたものである。
【0009】鍋の底部から鍋収容部の底部を介して放出
する熱は、本体の底部外郭と鍋収容部の底部との間にあ
る断熱部材によって遮断される。したがって、鍋の外側
周囲に金属製の真空二重部材を配置しなくても、内部に
真空層を形成した板状の断熱部材を設けるだけで、炊飯
時や保温時における省エネルギーを図ることができ、本
体の軽量化を図りつつも、真空断熱による断熱効果を最
大限に引き出すことが可能になる。
【0010】本発明の請求項3の保温釜は、前記請求項
1または2の構成に加えて、前記鍋と前記鍋収容部との
間に空間を形成したものである。
【0011】この場合、鍋の熱が鍋収容部に直接熱伝導
して逃げるのを防止できる。このため、鍋収容部に断熱
部材を接触して配置しても、鍋の熱が断熱部材の外郭に
直接熱伝導されず、効率の良い鍋の断熱が行なえる。但
し、鍋を支持するための部分的な接触な必要である。
【0012】本発明の請求項4の保温釜は、前記請求項
1〜3のいずれか一つの構成に加えて、前記鍋と前記断
熱部材との間に該鍋を加熱する加熱手段を備えたもので
ある。
【0013】加熱手段から鍋へ供給されない熱が外側に
放出するのを、断熱部材により抑制できる。したがっ
て、加熱手段による鍋の加熱効率を向上でき、炊飯時や
保温時における省エネルギー化をさらに図ることができ
る。
【0014】本発明の請求項5の保温釜は、前記目的を
達成するために、内部に真空層を形成した板状の断熱部
材を、本体の上面を覆う蓋体の外郭と前記蓋体の下面と
の間に設けたものである。
【0015】蓋体の下面を介して放出する熱は、蓋体の
外郭と蓋体の下面との間にある断熱部材によって遮断さ
れる。したがって、鍋の外側周囲に金属製の真空二重部
材を配置しなくても、内部に真空層を形成した板状の断
熱部材を設けるだけで、炊飯時や保温時における省エネ
ルギーを図ることができ、蓋体の軽量化を図りつつも、
真空断熱による断熱効果を最大限に引き出すことが可能
になる。
【0016】また、特に保温時において、蓋体の下面の
冷えを断熱部材により低減し、蓋体の下面への結露を低
減することで、長時間保温を行なったときに蓋体の下面
に付着した露がご飯に落ちて、ご飯の上面が水分過多で
ベチャになる現象を抑制し、良好な保温性を維持でき
る。
【0017】本発明の請求項6の保温釜は、請求項5の
構成に加えて、前記蓋体の下面と前記断熱部材との間
に、該蓋体の下面を加熱する加熱手段を備えたものであ
る。
【0018】加熱手段から蓋体の下面へ供給されない熱
が外側に放出するのを、断熱部材により抑制できる。し
たがって、加熱手段による蓋体の下面の加熱効率を向上
でき、炊飯時や保温時における省エネルギー化をさらに
図ることができる。
【0019】本発明の請求項7の保温釜は、請求項1〜
6のいずれか一つの構成に加えて、前記断熱部材は、板
状部材の内部に前記真空層を形成した後、所定の形状に
形成されたものであることを特徴とする。
【0020】例えば曲面状や三次元状をなす隙間の形状
に合せて、断熱部材を局部的に変化させて装着すること
ができ、断熱部材をその内部に備えた本体や蓋体の大形
化を抑制できる。また、断熱部材を組み込む前に、断熱
部材単体を重ね合せて保管または運搬する場合にも、所
定の形状に形成することでその体積が小さくなり、保管
や運搬時における体積を低減できる。
【0021】本発明の請求項8記載の保温釜は、前記請
求項7の構成に加えて、前記蓋体の外郭,前記本体の外
郭または前記本体の底部外郭のいずれかを三次元形状に
形成したものである。
【0022】この場合、蓋体の外郭,本体の外郭または
本体の底部外郭のいずれかを、デザイン性の豊かな形状
に形成でき、断熱部材により断熱効果を最大限に引き出
しつつも、本体や蓋体の大形化を極力抑制できる。
【0023】本発明の請求項9の保温釜は、請求項1〜
7のいずれか一つの構成に加えて、前記断熱部材の外郭
を形成する外郭部材は、プラスチックと金属の複合材か
らなることを特徴とする。
【0024】この場合、プラスチックだけで断熱部材の
外郭部材を形成すると強度が弱くなり、また金属だけで
形成すると重量が増加するとともに、柔軟性に乏しくな
るが、外郭部材をプラスチックと金属の複合材で形成す
れば、軽量でしかも柔軟性のある素材に断熱部材を仕上
げることが可能になる。
【0025】本発明の請求項10の保温釜は、請求項1
〜9のいずれか一つの構成に加えて、前記断熱部材の内
側に、この断熱部材と非接触状態に前記加熱手段を配置
したものである。
【0026】断熱部材と加熱手段は非接触状態にあるた
め、加熱手段から発熱した熱や、加熱手段の輻射熱が、
真空断熱の外表面に直接的に伝導し、鍋や蓋体の下面へ
の加熱効率を低減する問題を一掃できる。
【0027】本発明の請求項11の保温釜は、請求項1
〜10のいずれか一つの構成に加えて、前記鍋または前
記蓋体を加熱する加熱手段を備え、前記加熱手段による
加熱量を、前記断熱部材を形成するプラスチック部材の
溶解温度以下に制限して調節する加熱量調節手段を備え
たものである。
【0028】鍋や蓋体を加熱する加熱手段による加熱量
は、断熱部材を形成するプラスチック部材が溶解しない
温度に制限される。したがって、炊飯時や保温時におい
て、断熱部材に熱的な悪影響を及ぼさない。また、プラ
スチック部材は軽量で柔軟性に富むため、軽量で柔軟性
のある真空断熱部材の採用が可能になる。
【0029】本発明の請求項12の保温釜は、前記目的
を達成するために、本体の外郭と前記本体の内部にあっ
て鍋を収容する鍋収容部との間の周側面の周囲空間内に
第1の基板を配置し、この第1の基板を配置していない
前記周囲空間内に、内部に真空層を形成した板状の断熱
部材を設けたものである。
【0030】鍋の周側面から鍋収容部を介して放出する
熱は、本体の外郭と鍋収容部との間にある断熱部材によ
って遮断される。したがって、鍋の外側周囲に金属製の
真空二重部材を配置しなくても、内部に真空層を形成し
た板状の断熱部材を設けるだけで、炊飯時や保温時にお
ける省エネルギーを図ることができ、本体の軽量化を図
りつつも、真空断熱による断熱効果を最大限に引き出す
ことが可能になる。
【0031】また、第1の基板は板状で遮熱作用がある
が、第1の基板を配置しておらず、この第1の基板によ
る遮熱作用の及ばない周囲空間内にも、前記断熱部材を
配置しているので、本体の側面寸法を大形化することな
く、鍋収容部の外周囲側面の断熱性を高めることができ
る。さらに、従来は保温時には第1の基板を設けていな
い部分が冷えて、鍋の内側面が局部的に結露しやすくな
り、鍋の内側面周囲のご飯が局部的に水分過多でベチャ
つく現象があったが、第1の基板を配置していない部分
にも断熱部材を配置することで、こうした鍋の内側面へ
の局部的な結露を防止できる。
【0032】本発明の請求項13の保温釜は、請求項1
2の構成に加えて、操作部,表示部,または操作部と表
示部とを備えた第2の基板を、前記本体の上部開口を覆
う蓋体の内部に設け、前記第1の基板を前記本体の背面
部の前記周囲空間内に配置したものである。
【0033】操作部,表示部,または操作部と表示部と
を備えた第2の基板を蓋体の内部に設けた場合は、他の
基板すなわち第1の基板を本体の背面部の周囲空間内に
集中配置することで、第1の基板と第2の基板間の配線
処理が容易になる。また、第1の基板を背面部の周囲空
間内に集中配置すれば、単一の断熱部材によりそれ以外
の部位(本体の両側面と前方面)にある周囲空間を断熱
することができ、組立性が向上する。また、使用時に手
が触れやすい本体の両側面と前方面は、断熱部材により
真空断熱されているので、本体の外郭温度が低減し、使
用上好ましいものとなる。
【0034】本発明の請求項14の保温釜は、請求項1
2の構成に加えて、操作部,表示部,または操作部と表
示部とを備えた第2の基板と、前記第1の基板とを、前
記本体の前面部の前記周囲空間内に配置したものであ
る。
【0035】操作部,表示部,または操作部と表示部と
を備えた第2の基板を、第1の基板とともに本体の前面
部の周囲空間内に設けた場合は、第1の基板と第2の基
板間の距離が短かくなり、配線処理が容易になる。ま
た、第1の基板と第2の基板を本体の前面部の周囲空間
内に集中配置すれば、単一の断熱部材によりそれ以外の
部位(本体の両側面と背面)にある周囲空間を断熱する
ことができ、組立性が向上する。
【0036】本発明の請求項15の保温釜は、請求項1
2〜14のいずれか一つの構成に加えて、前記板状の断
熱部材は一面側を開放した形状に形成し、前記第1の基
板または前記第2の基板の配置した部位に前記断熱部材
の開放部を位置させたものである。
【0037】板状の断熱基板を、第1の基板や第2の基
板が配置されていない周囲空間の形状に合せて折曲げ形
成し、しかも第1の基板や第2の基板の配置した部位に
断熱部材の開放部を位置させるようにすれば、断熱部材
を装着する際に、その装着位置が容易にわかり、また断
熱部材の装着後は、容易に断熱部材が動くことがなく、
組立性が向上する。
【0038】本発明の請求項16の保温釜は、請求項1
5の構成に加えて、前記断熱部材の外表面が金属で形成
されることを特徴とする。
【0039】板状の断熱基板を折曲げ形成した後で、断
熱基板が塑性変形し、多少その形状が元に戻ったとして
も、断面部材の外表面が金属であるため、折曲げ形状が
概ね保持される。したがって、折曲げ加工後放置した場
合に、形状が元に戻ってしまい、折曲げ位置がわからな
くなるなどの不具合を一掃できる。
【0040】本発明の請求項17の保温釜は、請求項1
2〜15のいずれか一つの構成に加えて、前記本体の外
郭の内周囲面に沿わせて前記断熱部材を配置したもので
ある。
【0041】この場合、断熱部材の弾性力によって、断
熱部材が本体の外郭の内周面側に張り付くようになり、
断熱部材を装着した後で、断熱部材が動いて音がするな
どの問題を一掃できる。
【0042】本発明の請求項18の保温釜は、請求項1
2〜15のいずれか一つの構成に加えて、操作部,表示
部,または操作部と表示部とを備えた第2の基板を、前
記本体の前面部の前記周囲空間内に配置し、前記第1の
基板を前記本体の背面部の前記周囲空間内に配置し、前
記断熱部材を前記本体の両側面の前記周囲空間内に配置
したものである。
【0043】基板を本体の内側周囲に複数備える場合
は、本体の前面部の周囲空間内に第2の基板を配置し、
本体の背面部の周囲空間内に第1の基板を配置し、本体
の両側面の周囲空間内に断熱部材を配置する。この場
合、断熱部材は本体の左右内側で2つに分離するが、こ
れらの断熱部材を略同一形状で形成できるので、各々の
断熱部材を共通化することが可能になる。よって、複数
の断熱部材を使用する構成であっても、各断熱部材を識
別したり、方向性に注意するなどの必要がなく、組立性
の悪化を防止できる。
【0044】本発明の請求項19の保温釜は、請求項1
2〜18のいずれか一つの構成に加えて、前記断熱部材
は展開した形状が略四角形状であることを特徴とする。
【0045】断熱部材単体を重ねて梱包する場合に、矩
形状の梱包箱に効率よく断熱部材を収容することができ
る。また、梱包箱を使わない裸の場合でも、矩形状のコ
ンテナやトラックの荷台に効率よく断熱部材を収容でき
るので、運搬性を向上できる。
【0046】本発明の請求項20の保温釜は、前記第1
の目的を達成するために、鍋と、この鍋を電磁誘導加熱
する鍋加熱手段とを備え、内部に真空層を形成した非磁
性体材料からなる断熱部材を、本体の外郭と前記本体の
内部にあって前記鍋を収容する鍋収容部との間に設けた
ものである。
【0047】鍋の側面から鍋収容部を介して放出する熱
は、本体の外郭と鍋収容部との間にある断熱部材によっ
て遮断される。したがって、鍋の外側周囲に金属製の真
空二重部材を配置しなくても、内部に真空層を形成した
板状の断熱部材を設けるだけで、炊飯時や保温時におけ
る省エネルギーを図ることができ、本体の軽量化を図り
つつも、真空断熱による断熱効果を最大限に引き出すこ
とが可能になる。
【0048】また、特に保温時において、鍋の側面の冷
えを断熱部材により低減し、鍋の内側面への結露を低減
することで、長時間保温を行なったときに露が鍋肌を伝
わって流れ落ち、鍋の内側面周囲のご飯が水分過多でベ
チャになる現象を抑制し、良好な保温性を維持できる。
【0049】また、非磁性体材料からなる断熱部材を使
用することで、鍋加熱手段で発生する磁界の中に断熱部
材が位置していても、断熱部材が発熱する問題がない。
よって、電磁誘導加熱式保温釜における鍋の外周囲の断
熱性を向上できる。
【0050】本発明の請求項21の保温釜は、前記目的
を達成するために、鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する鍋
加熱手段とを備え、内部に真空層を形成した非磁性体材
料からなる断熱部材を、本体の底部外郭と前記本体の内
部にあって前記鍋を収容する鍋収容部の底部との間に設
けたものである。
【0051】鍋の底部から鍋収容部の底部を介して放出
する熱は、本体の底部外郭と鍋収容部の底部との間にあ
る断熱部材によって遮断される。したがって、鍋の外側
周囲に金属製の真空二重部材を配置しなくても、内部に
真空層を形成した板状の断熱部材を設けるだけで、炊飯
時や保温時における省エネルギーを図ることができ、本
体の軽量化を図りつつも、真空断熱による断熱効果を最
大限に引き出すことが可能になる。
【0052】また、非磁性体材料からなる断熱部材を使
用することで、鍋加熱手段で発生する磁界の中に断熱部
材が位置していても、断熱部材が発熱する問題がない。
よって、電磁誘導加熱式保温釜における鍋の底部の断熱
性を向上できる。
【0053】本発明の請求項22の保温釜は、請求項2
0または21の構成に加えて、前記鍋収容部内にて、前
記断熱部材が外側に位置する前記鍋収容部の内面と前記
鍋とを非接触にしたものである。
【0054】この場合、鍋の熱が鍋収容部に直接熱伝導
して逃げるのを防止できる。このため、鍋収容部に断熱
部材を接触して配置しても、鍋の熱が断熱部材の外郭に
直接熱伝導されず、効率の良い鍋の断熱が行なえる。但
し、鍋を支持するための部分的な接触な必要である。
【0055】本発明の請求項23の保温釜は、請求項2
0〜22のいずれか一つの構成に加えて、前記鍋と前記
断熱部材との間に、前記鍋加熱手段を該断熱部材と非接
触に備えたものである。
【0056】鍋加熱手段からの熱が断熱部材に直接伝導
しないので、断熱部材の断熱効果が低下する虞れを一掃
できる。また、鍋加熱手段が断熱部材に接触して短絡す
る虞れもない。
【0057】本発明の請求項24の保温釜は、請求項2
0〜23のいずれか一つの構成に加えて、前記鍋収容部
を低熱伝導性材料で形成したものである。
【0058】断熱部材が接触し得る鍋収容部からの熱
が、鍋収容部から断熱部材の外面に逃げる(伝導する)
ことを抑制でき、真空断熱の断熱効果を生かした断熱構
造を実現できる。
【0059】本発明の請求項25の保温釜は、前記目的
を達成するために、本体の上面を覆う蓋体と、この蓋体
の下面を電磁誘導加熱する蓋加熱手段とを備え、内部に
真空層を形成した非磁性体材料からなる断熱部材を、前
記蓋体の外郭と前記蓋体の下面との間に設けたものであ
る。
【0060】蓋体の下面を介して放出する熱は、蓋体の
外郭と蓋体の下面との間にある断熱部材によって遮断さ
れる。したがって、鍋の外側周囲に金属製の真空二重部
材を配置しなくても、内部に真空層を形成した板状の断
熱部材を設けるだけで、炊飯時や保温時における省エネ
ルギーを図ることができ、蓋体の軽量化を図りつつも、
真空断熱による断熱効果を最大限に引き出すことが可能
になる。
【0061】また、特に保温時において、蓋体の下面の
冷えを断熱部材により低減し、蓋体の下面への結露を低
減することで、長時間保温を行なったときに蓋体の下面
に付着した露がご飯に落ちて、ご飯の上面が水分過多で
ベチャになる現象を抑制し、良好な保温性を維持でき
る。
【0062】さらに、非磁性体材料からなる断熱部材を
使用することで、蓋加熱手段で発生する磁界の中に断熱
部材が位置していても、断熱部材が発熱する問題がな
い。よって、電磁誘導加熱式保温釜における蓋体の断熱
性を高め、蓋加熱手段の消費電力を低減して省エネルギ
ー性を向上できる。
【0063】本発明の請求項26の保温釜は、請求項2
5の構成に加えて、前記蓋体の下面と前記断熱部材との
間に、前記蓋加熱手段を該断熱部材と非接触に備えたも
のである。
【0064】蓋加熱手段からの熱が断熱部材に直接伝導
しないので、断熱部材の断熱効果が低下する虞れを一掃
できる。また、蓋加熱手段が断熱部材に接触して短絡す
る虞れもない。
【0065】本発明の請求項27の保温釜は、請求項2
5または26の構成に加えて、前記蓋体の下面を低熱伝
導性材料で形成したものである。
【0066】断熱部材が接触し得る蓋体の下面からの熱
が、蓋体の下面から断熱部材の外面に逃げる(伝導す
る)ことを抑制でき、真空断熱の断熱効果を生かした断
熱構造を実現できる。
【0067】本発明の請求項28の保温釜は、請求項2
0〜27のいずれか一つの構成に加えて、前記断熱部材
の外郭を形成する外郭部材は、非磁性金属を外面とする
プラスチックとの複合材からなることを特徴とする。
【0068】非磁性で防磁作用のある例えばアルミニウ
ムは、柔軟性を持たせるために薄く形成すると強度が低
下し、破れやすくなる欠点がある。しかし、断熱部材の
外郭部材を非磁性金属とプラスチックとの複合材とする
ことで、柔軟性を損なわず、断熱部材の外装強度を向上
できる。
【0069】本発明の請求項29の保温釜は、請求項2
8の構成に加えて、前記断熱部材の外面をアルミニウム
で形成したものである。
【0070】アルミニウムの防磁作用によって、鍋加熱
手段や蓋加熱手段からの磁束の漏れを防止し、遮熱作用
とともに鍋や蓋体の下面の加熱効率も向上できる。ま
た、床やテーブルなどの本体の載置面が磁性材料であっ
ても、鍋加熱手段からの磁束の漏れでこの載置面が発熱
する問題も一掃できる。
【0071】
【発明の実施形態】以下、本発明における保温釜の一実
施例について、添付図面を参照しながら説明する。保温
釜の断面構成を示す図1において、1は保温釜の本体、
2はこの本体1の外郭をなす外枠で、外枠2の底部に
は、その開口を覆い保温釜本体1の底面外郭を形成する
底板3が嵌合し固定されている。また、本体1の内部に
は有底筒状の鍋収容部4が配設され、鍋収容部4に鍋5
が着脱自在に収容される。鍋収容部4の側面を形成する
鍋収容壁6は、この鍋収容部4の上部を形成する外枠2
と一体に形成される。そして、鍋収容部4の側面下部か
ら底部を形成する内枠7が、鍋収容壁6の底面開口を塞
ぐようにして設けられる。前記鍋5は、熱伝導性の良好
なアルミニウム,アルミニウム合金,ジュラルミン,マ
グネシウム,銅などを、鍋5の母材たる主体5Aとし、
この主体5Aの外面側の底部と側面下部に、フェライト
系ステンレスや鉄板などの磁性金属板製の鍋発熱体8が
接合される。また、有底筒状をなす鍋5の上部には、水
平方向外側に延出したフランジ部9が形成される。そし
て、フランジ部9の下面を鍋収容部4の上端部に載置す
ることにより、この鍋収容部4の内部にて鍋5を吊設状
態に収容する構成となっている。
【0072】11は、コイルカバー10により前記内枠7の
外側に取付け固定された鍋5の加熱手段としての加熱コ
イルである。この鍋加熱手段に相当する加熱コイル11
は、鍋発熱体8に対向して前記鍋5の底部および側面下
部を加熱する位置に設けられており、所定の高周波電流
を加熱コイル11に供給することで、鍋発熱体8を電磁誘
導加熱により発熱させて、加熱コイル11と直接結合して
いない鍋5を加熱し、鍋5内に収容した米や水などの被
調理物(被炊飯物)を加熱する構成となっている。ま
た、加熱コイル11の外面にあるコイルカバー10は電気絶
縁物で形成され、加熱コイル11と後述する断熱部材23
A,23Bの外面の金属(アルミニウム層28)が接触しな
いようにする。そして、炊飯および保温時における鍋5
の温度検出は、内枠7の内底部に備えた受熱板12が鍋5
からの熱を受熱し、受熱板12の裏側にある鍋温度検出手
段としての鍋温度センサ13で検出する構成となってい
る。
【0073】鍋収容部4の上部は外枠2の一部をなす鍋
収容壁6で形成されるが、この外枠2はポリプロピレン
により所定の形状に形成される。また、鍋収容部4の下
部をなす内枠7の材質は、ガラス繊維含有のポリアミド
やポリエチレンテレフタレート樹脂などの低熱伝導性の
材料を選定することが好ましい。内枠7の底部には、前
記鍋温度センサ13の近傍に位置して、鍋5の過熱防止用
の温度ヒューズ14が設けられるとともに、鍋収容部4の
上端部には、鍋5のフランジ部9下面に接して、保温時
に鍋5の温度を監視する別の鍋温度センサ15が設けられ
る。温度ヒューズ14は、その動作温度が後述する断熱部
材23を形成するプラスチック層27の溶解温度以下になる
ものを選定する。これにより、万一異常加熱となった場
合に、断熱部材23が溶解する前に温度ヒューズ14が動作
して、電源供給を遮断するように構成する。また、本体
1の内部には、前記加熱コイル11に高周波電流を供給し
たり、加熱コイル11の通断電を行なうインバータ回路な
どの他に、本体1に供給される電源電圧の変動を検知す
る電源電圧検知回路を備えた加熱基板16と、加熱基板16
の発熱部品などを冷却するために、底板3に形成した吸
気口17と加熱基板16との間に配設された冷却ファン18
と、電源プラグ付きの電源電線(図示せず)を螺旋状に
巻かれた状態で収納した電源電線巻取り機構たるコード
リール19と、コードリール19から取り入れた電源電圧を
所定の動作電圧に変換し出力する電源基板20が各々配設
される。なお、21は外枠2の両側面に回動自在に設けら
れたハンドルである。また、22は底板3の底面に複数形
成した水抜き孔である。
【0074】23は、内部に真空層25を形成した板状の断
熱部材である。この断熱部材23は、一例として特公平3
−55719号公報などに開示されるように、圧縮微孔製断
熱材料を基材とする被覆物を有するもので、被覆物中の
空気の分圧を20×10〜10- Pa程度の真空状態にし
たものを使用する。このような真空層を内部に形成する
ことで、特に−50〜200℃の温度範囲の断熱性を向上で
きる。なお真空層は、空気の代わりにガス、例えばクリ
プトン,キセノン,六弗化硫黄または二酸化炭素を充填
してもよい。これにより、空気を充填した真空層よりも
さらに断熱効果を高めることができる。
【0075】具体的には、図2〜図5に示すように、断
熱部材23の筐体を形成する内部構造材料として、SiO
,ZrO,Alなどの低熱伝導性を有する粒
子状の多孔質セラミックス粉末24を使用する。多孔質の
セラミックス粉末24を使用する理由は、真空(空気)層
25の体積を増加させるとともに、断熱部材23の低比重化
を図り、さらにセラミックス粉末24間の熱伝導を低減し
て、断熱性を向上するためにある。また、断熱部材23の
外面を形成する外郭部材26は、ポリエチレン,ポリプロ
ピレン,ポリエステルなどの樹脂シートすなわちプラス
チック層27の外面に、非磁性で防磁作用のあるアルミニ
ウム箔などの金属シートすなわちアルミニウム層28を接
合した複合材で形成する。そして、図4に示すように、
プラスチック層27の厚さt1を100〜250μmに形成し、
アルミニウム層28の厚さt2を5〜100μmに形成す
る。断熱部材23の外表面は、本実施例ではアルミニウム
層28で形成されるが、それ以外の金属であってもよい。
【0076】多孔質セラミックス粉末24を有する真空層
24は、2枚のシート状の外郭部材26よって気密に封止さ
れる。その際、2枚の外郭部材26,26の端部に形成され
た溶着部(ヒートシール部)29は、プラスチック層27が
溶着時における熱で溶解し、加圧することにより互いの
プラスチック層27,27が接着する。これにより、断熱部
材23の内部を80%以上の真空状態に保持する。また、図
2に示すように、断熱部材23の全体厚さt3は3〜10m
m程度であるが、内部材料が多孔質セラミックス粉末24
からなる粒体であるため、外郭材料26が破れない程度に
折曲げ加工が可能である。なお、前記溶着部29の接着性
を高めるために、プラスチック層27は熱溶着が可能な材
質を選定する。
【0077】前記断熱部材23は、本体1の外郭である外
枠2と鍋5を収容する鍋収容部4との間に設けられると
ともに(符号23A)、本体1の底部外郭である底板3と
鍋収容部4の底部との間にも横置き状態に設けられてい
る(符号23B)。なお、本実施例では、本体1の内部に
2つの断熱部材23A,23Bを設けているが、いずれか一
方に断熱部材23A,23Bを設けた構成でもよい。特に断
熱部材23Aのみならず断熱部材23Bも設けた場合は、外
枠2と同様に底板3もポリプロピレンなどの低熱伝導性
を有するプラスチック材料を選定するのが好ましい。鍋
5は鍋収容部4の外面に備えた加熱コイル11により電磁
誘導加熱され、炊飯および保温の加熱を行なうようにな
っている。この鍋5の外面と鍋収容部4の内面との間に
は、鍋5を吊設するフランジ部9の下面を除いて、1〜
6mmの所定の隙間すなわち空間30が形成される。すな
わち、鍋5と鍋収容部4は概ね非接触状態にある。
【0078】前記加熱コイル11は、断熱部材23A,23B
の内側に配置されるが、加熱コイル11と各断熱部材23
A,23Bは非接触状態にある。これにより、加熱コイル
11の電気的な短絡を防止し、かつ加熱コイル11からの熱
が断熱部材23A,23Bの外装に伝導して、熱が逃げる不
具合を防止できる。なお、鍋5を加熱する加熱手段とし
て、加熱コイル11だけでなく電熱式のコードヒータなど
を用いてもよい。いずれにせよ、断熱部材23A,23Bと
加熱手段とを非接触状態に配置することが、断熱部材23
A,23Bから外部に熱が逃げる不具合を防止できて好ま
しい。
【0079】31は、本体1の上面を覆う蓋体である。蓋
体31の一部は、蓋体31の外面の中央部を形成するパネル
ベース32と、パネルベース32の下側を覆うパネルベース
カバー33と、パネルベースカバー33の下側を形成する放
熱板34などで一体に構成されるベース部材35により形成
される。このベース部材35の後方部は、本体1の上部に
設けたヒンジ軸36にて軸支される。なお、ベース部材35
は必ずしもヒンジ軸36などの軸部材で支持されている必
要はなく、本体1に対し回動自在に備えることができれ
ば、軸部材以外の各種ヒンジ部を使用すればよい。前記
ベース部材35の上面、すなわちパネルベース32の上面前
方寄りに形成した凹状窓部37には、操作パネル38が設け
られている。この操作パネル38は、図示しないものの、
炊飯や保温などの調理操作に関わる操作部や、現在時刻
やタイマー時刻の他に、行程表示および選択した炊飯メ
ニューなどの調理に関わる表示を行なう表示部を備えて
いる。
【0080】41は、本体1の上面に対向する蓋体31の下
面と、ベース部材35の周囲を囲むように蓋体31の上面の
一部とを形成するカバー部材である。このカバー部材41
は、蓋体31の上面の一部をなし、ベース部材35の周囲を
形成する外蓋42と、蓋体31の下面を形成する外蓋カバー
43および内蓋44から構成される。なお、外蓋42により形
成される蓋体31の上面の一部とは、ベース部材35の周囲
にある蓋体31の外面を示すもので、蓋体31の外面に露出
する面積の大小には関係なく、ベース部材35が形成する
蓋体31の上面面積(占有面積)が比較的小さければ、外
蓋42が形成する蓋体31の上面面積は広くなる。カバー部
材41は、ヒンジ軸36を後方とした場合に、ベース部材35
の前方側より引抜いて外し、押し込んで装着できるよう
に構成されている。
【0081】ベース部材35の内部には、カバー部材41で
形成される内蓋44を加熱する加熱手段としての蓋加熱手
段たる加熱コイル49が設けられている。この加熱コイル
49は、蓋体31の下面を形成する放熱板34や、放熱板34の
下側に配置した内蓋44を電磁誘導加熱するためのもの
で、炊飯や保温の調理中に内蓋44を加熱して、内蓋44へ
の水分の結露を低減する構成になっている。この場合、
例えば内蓋44の材質をフェライト系ステンレスやホウロ
ウ加工板などの磁性金属とし、放熱板34をポリプロピレ
ンなどの電気絶縁材料で形成して、内蓋44を電磁誘導加
熱する構成にしてもよい。こうすると、内蓋44自体が発
熱するので、放熱板34はそれ程温度が上昇せず、放熱板
34をプラスチック材料で形成することができる。よっ
て、複雑な構造に対処した自由な形状に蓋体31を形成し
やすい利点がある。また、加熱コイル49に代わりコード
状電熱ヒータを用いてもよい。なお、蓋体31の内面と
は、鍋5の上部開口部に直接開口する部位を意味し、本
実施例のような内蓋44を設けた構成では、内蓋44の下面
が蓋体31の内面となる。また、内蓋44の無い構成では、
蓋体31の下面すなわち本実施例でいう放熱板34の下面が
蓋体31の内面となる。
【0082】ベース部材35の内部には、内蓋44の温度を
検出する蓋温度検出手段としての蓋温度センサ51が設け
られている。この蓋温度センサ51は感熱素子としてのサ
ーミスタなどを内蔵し、炊飯や保温の調理時に鍋5内か
らの蒸気の発生を検出したり、炊飯や保温の調理時に内
蓋44への結露を防止するために、加熱温度を設定するな
どの目的で使用される。蓋温度センサ51は、内蓋44の上
面に弾性部材たるばね52で下方に付勢されているが、内
蓋44に接触する蓋温度センサ51の外郭は、内蓋44と同系
の材質を選択する。これは、金属イオン化傾向の相違に
起因する電気的腐蝕を防止するためである。したがっ
て、内蓋44がステンレスの場合には、蓋温度センサ51の
外郭たる感熱部もステンレスで形成する。
【0083】鍋5の上面開口部に対向し蓋体31の下面と
なる内蓋44の外周囲には、蓋体31を閉じたときに本体1
との隙間を塞ぐ蓋パッキン53が円環状に設けられてい
る。蓋パッキン53は弾性変形可能な部材からなり、具体
的にはシリコーンゴムやフッソゴムから形成されてい
る。なお、本実施例のように本体1の内部に鍋5を備
え、鍋5のなかで炊飯や保温を行なう場合は、蓋パッキ
ン53を鍋5の上表面に接触させ、蓋体31と本体1との隙
間から蒸気が外に漏れないようにすればよい。
【0084】ヒンジ軸36とは反対側の本体1の前方正面
側には、蓋体係止部たるフックボタン54が設けられてい
る。このフックボタン54は、フック軸55を中心に回動可
能に設けられており、フックバネ56により常時フックボ
タン54が前方に突出する方向に付勢されている。また、
カバー部材41の前方部には、フックボタン54の爪部57に
係合する突起たるフック部58が形成されている。そし
て、ヒンジ軸36を回転中心として蓋体31を閉じようとす
ると、フックバネ56の弾性に抗してフックボタン54の爪
部57がフック部58を乗り越えて係合し、それ以降は、フ
ックボタン54を操作しない限り、フックバネ56の弾性に
よりフックボタン54の爪部57とフック部58との係合が維
持されて、蓋体31が閉状態に保持される。また、蓋体31
が閉じた状態で本体1の前方よりフックボタン54を操作
すれば、フックボタン54の爪部57とフック部58との係合
が外れて、ヒンジ軸36に設けたヒンジバネ(図示せず)
の弾性により、自動的に蓋体31が開くようになってい
る。
【0085】内蓋44には、炊飯などの調理時に鍋5の内
部から発生する蒸気を放出する蒸気孔61が設けられてい
る。また、この蒸気孔61に対向するベース部材35には、
パネルベース32の上面より鍋5側に陥没した凹部62が、
前記操作パネル38の後方に位置して形成される。この凹
部62には、ベース部材35を貫通して蒸気を蓋体31の外部
へ放出する蒸気口63が着脱自在に設けられている。64
は、凹部62の中心孔65と蒸気孔61とを連通する蒸気口パ
ッキンである。この蒸気口パッキン64は弾性変形可能な
部材からなり、中心孔65の周囲に位置する凹部62の底部
裏側と、蒸気孔61の周囲に位置する内蓋44の裏側とをシ
ールするために、放熱板34に装着されている。蒸気口パ
ッキン64には、内周側に突出する係合突起66が形成され
ており、蒸気口63を凹部62の上方から押し込むと、蒸気
口63の下端部にあるフランジ部67が係合突起66に係合し
て、蒸気口63が凹部62に収容装着され、逆にベース部材
35の上側から蒸気口63を引き上げると、フランジ部67と
係合突起66との係合が解除されるようになっている。な
お、68は蒸気口63の上面部に複数形成された蒸気出口で
ある。
【0086】前記蓋体31は、蓋体31の外表面を形成する
パネルベース32および外蓋42により、その外郭部材71が
形成される。そして、この蓋体31の外郭部材71と蓋体の
下面である放熱板34との間には、前記断熱部材23が符号
23Cとして設けられる。本実施例では、本体1の内部に
ある断熱部材23A,23Bとともに、断熱部材23Cが設け
られているが、断熱部材23C単独の構成であっても良
い。但し、本実施例の構成では、鍋5の側部,底部およ
び上部に断熱部材23A,23B,23Cが配置されることと
なり、断熱性を向上できる点では最も好ましい。蓋体31
の内部に備えた加熱コイル49と断熱部材23Cは、断熱部
材23Cへの熱伝導を防止するために、非接触状態で配置
するのが好ましい。さらに、断熱部材23Cが接触する蓋
体31の外郭部材71(パネルベース32)や蓋体31の下面を
形成する放熱板34は、ポリプロピレンなどの低熱伝導性
のプラスチック材料を選定するのが好ましい。
【0087】断熱部材23は、最初から所定の形状に加工
しておいてもよいが、柔軟性を有するため板状部材にし
ておき、組込み時に所定形状に加工するようにすること
ができる。また、断熱部材23は柔軟性を有するため、本
体1,底板3または蓋体31を複雑な三次元形状にした空
間内部にも、断熱部材23を折曲げ加工して容易に装着で
きる。加熱手段である加熱コイル11や加熱コイル49の加
熱量は、その周辺にある断熱部材23A,23Bや断熱部材
23Cを形成するプラスチック層27の溶解温度に制限して
調節するのが好ましい。そのために、本実施例では、前
記温度ヒューズ14の他に、加熱基板16および電源基板20
に、加熱コイル11や加熱コイル49の加熱量を調節する加
熱量調節手段が設けられている。例えば、断熱部材23の
プラスチック層27としてポリプロピレンを使用した場合
は、加熱コイル11または加熱コイル49の加熱量を、通常
はプラスチック層27が105℃以下になるように、加熱基
板16や電源基板20が制限して、長期使用における信頼性
を確保する。また、故障などの異常加熱時には、プラス
チック層27が170℃以下になるように温度ヒューズ14が
制限して、万一の場合のプラスチック層27の溶解を防止
する。なお、上記105℃や170℃の各温度条件は、プラス
チック層27の素材に応じて適宜設定すればよい。
【0088】前述のように、本体1の外郭である外枠2
の側面と鍋収容部4の外側面との間の周囲空間72には、
第1の基板である加熱基板16や電源基板20などの各種制
御基板が配置される。また、これらの加熱基板16や電源
基板20を配置していない周囲空間72に、前記断熱部材23
Aが配置される。これとは別に、本実施例では、操作部
または表示部、若しくは操作部と表示部を備えたマイク
ロコンピュータなどを実装する第2の基板としての制御
基板73が、蓋体31の内部に設けられている。特に本実施
例のように、蓋体31の内部に制御基板73を備えた場合
は、他の加熱基板16や電源基板20を、本体1の背面部す
なわち背面74に集中配置させるのが好ましい。また、断
熱部材23Aについて着目すると、板状の断熱部材23Aは
図5に示すように、一面側を開放したU字状に折曲げ形
成されて、加熱基板16や電源基板20を備えた本体1の背
面74側にこの開放面75が位置するように、縦置き状に配
置される。断熱部材23Aは、本体1の外枠2の外周囲の
内側面に沿わせた状態に配置される。なお、外枠2の前
方内側面が本実施例のように湾曲状ではなく、矩形状の
場合には、これに対応して断熱部材23Aをコ字状に折曲
げ形成する。
【0089】図5に示すように、加熱基板16や電源基板
20が本体1の背面74側にある場合は、本体1の外郭2の
両側面76と前面77近傍にある周囲空間72に、断熱部材23
Aが配設される。しかし、別の変形例として、蓋体31の
内部ではなく、本体1の前面77近傍に前記制御基板73が
設けられている場合は、図6に示すように、加熱基板16
や電源基板20も本体1の前面77近傍に配置する。こうす
ると断熱部材23Aは、本体1の前面77側に開放面75が位
置するように、本体1の両側面76と背面74近傍の周囲空
間72に縦置き状に配置される。また、さらに別の変形例
として、同じく本体1の前面77近傍に前記制御基板73が
設けられている場合は、図7に示すように、加熱基板16
や電源基板20を本体1の背面74近傍に配置する。このと
き、同一形状の2つの断熱部材23D,23Eを、本体1の
両側面76近傍にある周囲空間72に配置する。断熱部材23
D,23Eは、折曲げ加工を行なうことなく板状のまま本
体1の内部に配置できるので、加工工数を削減できる。
【0090】断熱部材23の展開した形状は、多少の凹凸
や端部に面取り部またはR状(円弧状)部を形成しても
構わないが、正方形,長方形などの四角形を基準にした
形状にする。
【0091】以上のように本実施例においては、内部に
真空層25を形成した板状の断熱部材23Aを、本体1の外
郭である外枠2と本体1の内部にあって鍋5を収容する
鍋収容部4との間に設けている。
【0092】鍋5の側面から鍋収容部4を介して放出す
る熱は、外枠2と鍋収容部4との間にある断熱部材23A
によって遮断される。したがって、鍋5の外側周囲に金
属製の真空二重部材を配置しなくても、内部に真空層25
を形成した板状の断熱部材23Aを設けるだけで、炊飯時
や保温時における省エネルギーを図ることができ、本体
1の軽量化を図りつつも、真空断熱による断熱効果を最
大限に引き出すことが可能になる。
【0093】また、特に保温時において、鍋5の側面の
冷えを断熱部材23Aにより低減し、鍋5の内側面への結
露を低減することで、長時間保温を行なったときに露が
鍋肌を伝わって流れ落ち、鍋5の内側面周囲のご飯が水
分過多でベチャになる現象を抑制し、良好な保温性を維
持できる。
【0094】本実施例では、内部に真空層25を形成した
板状の断熱部材23Bを、本体1の底部外郭である底板3
と本体1の内部にあって鍋5を収容する鍋収容部4の底
部との間に設けたものである。
【0095】鍋5の底部から鍋収容部4の底部を介して
放出する熱は、底板3と鍋収容部4の底部との間にある
断熱部材23Bによって遮断される。したがって、鍋5の
外側周囲に金属製の真空二重部材を配置しなくても、内
部に真空層25を形成した板状の断熱部材23Bを設けるだ
けで、炊飯時や保温時における省エネルギーを図ること
ができ、本体1の軽量化を図りつつも、真空断熱による
断熱効果を最大限に引き出すことが可能になる。
【0096】また、実施例上の効果として、底板3には
本体1の内部に水が入った場合に水を排出するための水
抜き孔22が設けられているが、この水抜き孔22から侵入
した外気を断熱部材23Bで遮蔽することで、鍋5の保温
性を向上できる。
【0097】また、上記構成において本実施例では、鍋
5と鍋収容部4との間に空間30を形成しているので、鍋
5の熱が鍋収容部4に直接熱伝導して逃げるのを防止で
きる。このため、鍋収容部4に断熱部材23A,23Bを接
触して配置しても、鍋5の熱が断熱部材23A,23Bの外
郭に直接熱伝導されず、効率の良い鍋5の断熱が行なえ
る。但し、鍋5を支持するための部分的な接触な必要で
ある。
【0098】また、上記構成において本実施例では、鍋
5と断熱部材23A,23Bとの間に鍋5を加熱するための
加熱手段たる加熱コイル11を備えているので、加熱コイ
ル11から鍋5へ供給されない熱が外側に放出するのを、
断熱部材23A,23Bにより抑制できる。したがって、加
熱コイル11による鍋5の加熱効率を向上でき、炊飯時や
保温時における省エネルギー化をさらに図ることができ
る。なお、この場合の加熱手段は、本実施例における加
熱コイル11に限定されず、電熱式ヒータなども適用でき
る。
【0099】本実施例では、内部に真空層25を形成した
板状の断熱部材23Cを、本体1の上面を覆う蓋体31の外
郭である外郭部材71と、蓋体31の下面である放熱板34と
の間に設けている。
【0100】放熱板34を介して放出する熱は、蓋体31の
外郭部材71と放熱板34との間にある断熱部材23Cによっ
て遮断される。したがって、鍋5の外側周囲に金属製の
真空二重部材を配置しなくても、内部に真空層23を形成
した板状の断熱部材23Cを設けるだけで、炊飯時や保温
時における省エネルギーを図ることができ、蓋体31の軽
量化を図りつつも、真空断熱による断熱効果を最大限に
引き出すことが可能になる。
【0101】また、特に保温時において、放熱板34の冷
えを断熱部材23Cにより低減し、蓋体31の下面である放
熱板34への結露を低減することで、長時間保温を行なっ
たときに放熱板34に付着した露がご飯に落ちて、ご飯の
上面が水分過多でベチャになる現象を抑制し、良好な保
温性を維持できる。
【0102】このような構成において本実施例では、放
熱板34と断熱部材23Cとの間に、放熱板34を加熱する加
熱コイル49を備えたものである。
【0103】加熱コイル49から放熱板34へ供給されない
熱が外側に放出するのを、断熱部材23Cにより抑制でき
る。したがって、加熱コイル49による放熱板34の加熱効
率を向上でき、炊飯時や保温時における省エネルギー化
をさらに図ることができる。なお、この場合の加熱手段
は、本実施例における加熱コイル49に限定されず、電熱
式ヒータなども適用できる。
【0104】また、このような構成において本実施例で
は、特に断熱部材23Aが、板状部材の内部に真空層25を
形成した後、所定の形状に形成される。この場合、例え
ば曲面状や三次元状をなす隙間(周囲空間72)の形状に
合せて、断熱部材23Aを局部的に変化させて装着するこ
とができ、断熱部材23Aを内部に備えた本体1の大形化
を抑制できる。また、断熱部材23Aを組み込む前に、断
熱部材23A単体を重ね合せて保管または運搬する場合に
も、所定の形状に形成することでその体積が小さくな
り、保管や運搬時における体積を低減できる。なお、断
熱部材23Aに限らず、蓋体31の内部に備えた断熱部材23
Cについても、蓋体31の内部形状に対応して局部的に形
状変化させるのが望ましい。
【0105】このような構成では、本実施例のように、
蓋体31の外郭部材71,本体1の外枠2または本体1の底
部外郭をなす底板3のいずれかを三次元形状に形成する
のが好ましい。この場合、断熱部材23を装着する蓋体31
の外郭部材71,本体1の外枠2または本体1の底部外郭
をなす底板3のいずれかを、デザイン性の豊かな形状に
形成でき、断熱部材23により断熱効果を最大限に引き出
しつつも、本体1や蓋体31の大形化を極力抑制できる。
【0106】また、本実施例ではこうした構成に加え
て、断熱部材23の外郭を形成する外郭部材26がプラスチ
ックと金属の複合材(プラスチック層27とアルミニウム
層28)から構成される。この場合、プラスチックだけで
断熱部材23の外郭部材26を形成すると強度が弱くなり、
また金属だけで形成すると重量が増加するとともに、柔
軟性に乏しくなるが、外郭部材26をプラスチックと金属
の複合材で形成すれば、軽量でしかも柔軟性のある素材
に断熱部材23を仕上げることが可能になる。なお、金属
はアルミニウム以外のものも利用できるが、軽量化とい
う点ではアルミニウムが最も好ましい。
【0107】また、本実施例ではこうした構成に加え
て、断熱部材23の内側に、この断熱部材23と非接触状態
に加熱手段である加熱コイル11,49を配置している。こ
の場合、断熱部材23と加熱コイル11,49は非接触状態に
あるため、加熱コイル11,49から発熱した熱や、加熱コ
イル11,49の輻射熱が、真空断熱の外表面に直接的に伝
導し、鍋5や蓋体31の下面である放熱板34への加熱効率
を低減する問題を一掃できる。
【0108】また、鍋5や蓋体31を加熱手段である加熱
コイル11,49を備えたものにおいては、この加熱コイル
11,49による加熱量を、断熱部材23を形成するプラスチ
ック部材たるプラスチック層27の溶解温度以下に制限し
て調節する加熱量調節手段(温度ヒューズ14,加熱基板
16および電源基板20)を備えるのが好ましい。この場
合、加熱コイル11,49による加熱量は、断熱部材23を形
成するプラスチック層27が溶解しない温度に制限され
る。したがって、炊飯時や保温時において、断熱部材23
に熱的な悪影響を及ぼさない。また、プラスチック層27
は軽量で柔軟性に富むため、軽量で柔軟性のある真空断
熱部材の採用が可能になる。
【0109】本実施例では、本体1の外郭である外枠2
と本体1の内部にあって鍋5を収容する鍋収容部4との
間の周側面の周囲空間72内に、第1の基板である加熱基
板16や電源基板20を配置し、この加熱基板16や電源基板
20を配置していない周囲空間72内に、内部に真空層25を
形成した板状の断熱部材23Aを設けている。
【0110】この場合、鍋5の周側面から鍋収容部4を
介して放出する熱は、外枠2と鍋収容部4との間にある
断熱部材23Aによって遮断される。したがって、鍋5の
外側周囲に金属製の真空二重部材を配置しなくても、内
部に真空層25を形成した板状の断熱部材23Aを設けるだ
けで、炊飯時や保温時における省エネルギーを図ること
ができ、本体の軽量化を図りつつも、真空断熱による断
熱効果を最大限に引き出すことが可能になる。
【0111】また、加熱基板16や電源基板20は板状で遮
熱作用があるが、これらの加熱基板16や電源基板20を配
置しておらず、この加熱基板16や電源基板20による遮熱
作用の及ばない周囲空間72内にも、前記断熱部材23Aを
配置しているので、本体1の側面寸法を大形化すること
なく、鍋収容部4の外周囲側面の断熱性を高めることが
できる。さらに、従来は保温時には加熱基板16や電源基
板20を設けていない部分が冷えて、鍋5の内側面が局部
的に結露しやすくなり、鍋5の内側面周囲のご飯が局部
的に水分過多でベチャつく現象があったが、加熱基板16
や電源基板20を配置していない部分にも断熱部材23Aを
配置することで、こうした鍋5の内側面への局部的な結
露を防止できる。
【0112】このような構成において、本実施例では、
操作部,表示部,または操作部と表示部とを備えた第2
の基板たる制御基板73を、本体1の上部開口を覆う蓋体
31の内部に設け、前記加熱基板16や電源基板20を本体1
の背面部(背面74)近傍の周囲空間72内に配置してい
る。
【0113】操作部,表示部,または操作部と表示部と
を備えた制御基板73を蓋体31の内部に設けた場合は、他
の基板すなわち第1の基板である加熱基板16や電源基板
20を、本体1の背面74の周囲空間72内に集中配置するこ
とで、加熱基板16や電源基板20と制御基板73との間の配
線処理が容易になる。また、加熱基板16や電源基板20を
本体1の背面74の周囲空間72内に集中配置すれば、単一
の断熱部材23Aによりそれ以外の部位(本体の両側面76
と前面77)にある周囲空間72を断熱することができ、組
立性が向上する。また、使用時に手が触れやすい本体1
の両側面76と前面77は、断熱部材23Aにより真空断熱さ
れているので、本体1の外郭温度が低減し、使用上好ま
しいものとなる。
【0114】また、図6に示すように、加熱基板16や電
源基板20とともに、制御基板73を本体1の前面77の周囲
空間72内に配置すれば、加熱基板16や電源基板20と制御
基板73との間の距離が短かくなり、配線処理が容易にな
る。また、加熱基板16や電源基板20と制御基板73を本体
1の前面77の周囲空間72内に集中配置すれば、単一の断
熱部材23Aによりそれ以外の部位(本体1の両側面76と
背面74)にある周囲空間72を断熱することができ、組立
性が向上する。
【0115】また、このような構成において本実施例で
は、板状の断熱部材23Aは一面側を開放した形状に形成
し、加熱基板16や電源基板20または制御基板73の配置し
た部位に断熱部材23Aの開放部たる開放面75を位置させ
ている。この場合、板状の断熱基板23Aを、加熱基板16
や電源基板20または制御基板73の配置されていない周囲
空間72の形状に合せて折曲げ形成し、しかも加熱基板16
や電源基板20または制御基板73の配置した部位に断熱部
材23Aの開放面75を位置させるようにすれば、断熱部材
23Aを装着する際に、その装着位置が容易にわかり、ま
た断熱部材23Aの装着後は、容易に断熱部材23Aが動く
ことがなく、組立性が向上する。さらに、本実施例の断
熱部材23Aは、U字状またはコ字状に形成した曲げ部を
中心に、左右対称形状に形成されるため、断熱部材23A
を装着する際に装着方向を間違えることがなく、組立性
がさらに向上する。
【0116】またこの場合、断熱部材23Aの外表面が金
属で形成されれば、板状の断熱基板23Aを折曲げ形成し
た後で、断熱基板23Aが塑性変形し、多少その形状が元
に戻ったとしても、断面部材23Aの外表面が金属である
ため、折曲げ形状が概ね保持される。したがって、折曲
げ加工後放置した場合に、形状が元に戻ってしまい、折
曲げ位置がわからなくなるなどの不具合を一掃できる。
【0117】さらに、本体1の外郭2の内周囲面に沿わ
せて断熱部材23Aを配置すれば、断熱部材23Aの弾性力
によって、断熱部材23Aが本体1の外郭2の内周面側に
張り付くようになり、断熱部材23Aを装着した後で、断
熱部材23Aが動いて音がするなどの問題を一掃できる。
【0118】さらに、図7に示すように、制御基板73を
本体1の前面77の周囲空間72内に配置し、加熱基板16や
電源基板20を本体1の背面74の周囲空間72内に配置し、
断熱部材23D,23Eを本体1の両側面76の周囲空間72内
に配置してもよい。この場合、断熱部材23D,23Eは本
体1の左右内側で2つに分離するが、これらの断熱部材
23D,23Eを略同一形状で形成できるので、各々の断熱
部材23D,23Eを共通化することが可能になる。よっ
て、複数の断熱部材23D,23Eを使用する構成であって
も、各断熱部材23D,23Eを識別したり、方向性に注意
するなどの必要がなく、組立性の悪化を防止できる。
【0119】また、このような構成において、断熱部材
23の展開した形状が略四角形状になっていると、断熱部
材23単体を重ねて梱包する場合に、矩形状の梱包箱に効
率よく断熱部材を収容することができる。また、梱包箱
を使わない裸の場合でも、矩形状のコンテナやトラック
の荷台に効率よく断熱部材23を収容できるので、運搬性
を向上できる。
【0120】本実施例では、鍋5と、この鍋5を電磁誘
導加熱する鍋加熱手段たる加熱コイル11とを備え、内部
に真空層25を形成した非磁性体材料からなる断熱部材23
Aを、本体1の外郭である外枠2と、本体1の内部にあ
って鍋5を収容する鍋収容部4との間に設けている。
【0121】この場合、鍋5の側面から鍋収容部4を介
して放出する熱は、外枠2と鍋収容部4との間にある断
熱部材23Aによって遮断される。したがって、鍋5の外
側周囲に金属製の真空二重部材を配置しなくても、内部
に真空層25を形成した板状の断熱部材23Aを設けるだけ
で、炊飯時や保温時における省エネルギーを図ることが
でき、本体の軽量化を図りつつも、真空断熱による断熱
効果を最大限に引き出すことが可能になる。
【0122】また、特に保温時において、鍋5の側面の
冷えを断熱部材23Aにより低減し、鍋5の内側面への結
露を低減することで、長時間保温を行なったときに露が
鍋肌を伝わって流れ落ち、鍋5の内側面周囲のご飯が水
分過多でベチャになる現象を抑制し、良好な保温性を維
持できる。
【0123】また、非磁性体材料からなる断熱部材23A
を使用することで、加熱コイル11で発生する磁界の中に
断熱部材23Aが位置していても、断熱部材23Aが発熱す
る問題がない。よって、電磁誘導加熱式保温釜における
鍋5の外周囲の断熱性を向上できる。
【0124】このような構成において本実施利では、鍋
収容部4内にて断熱部材23Aが外側に位置する鍋収容部
4の内面と鍋5とを非接触にしている。この場合、鍋5
の熱が鍋収容部4に直接熱伝導して逃げるのを防止でき
る。このため、鍋収容部4に断熱部材23Aを接触して配
置しても、鍋5の熱が断熱部材23Aの外郭に直接熱伝導
されず、効率の良い鍋5の断熱が行なえる。但し、鍋5
を支持するための部分的な接触な必要である。
【0125】さらに、鍋5と断熱部材23Aとの間におい
て、加熱コイル11を断熱部材23Aと非接触に備えるよう
にすれば、加熱コイル11からの熱が断熱部材23Aに直接
伝導しないので、断熱部材23Aの断熱効果が低下する虞
れを一掃できる。また、加熱コイル11が断熱部材23Aに
接触して短絡する虞れもない。
【0126】また、鍋収容部4を例えばポリプロピレン
などの低熱伝導性材料で形成すれば、断熱部材23Aが接
触し得る鍋収容部4からの熱が、鍋収容部4から断熱部
材23Aの外面に逃げる(伝導する)ことを抑制でき、真
空断熱の断熱効果を生かした断熱構造を実現できる。
【0127】本実施例では、本体1の上面を覆う蓋体31
と、この蓋体31の下面である放熱板34を電磁誘導加熱す
る蓋加熱手段としての加熱コイル49とを備え、内部に真
空層25を形成した非磁性体材料からなる断熱部材23C
を、蓋体31の外郭部材71と放熱板34との間に設けてい
る。
【0128】この場合、放熱板34を介して放出する熱
は、蓋体31の外郭部材71と放熱板34との間にある断熱部
材23Cによって遮断される。したがって、鍋5の外側周
囲に金属製の真空二重部材を配置しなくても、内部に真
空層25を形成した板状の断熱部材23Cを設けるだけで、
炊飯時や保温時における省エネルギーを図ることがで
き、蓋体31の軽量化を図りつつも、真空断熱による断熱
効果を最大限に引き出すことが可能になる。
【0129】また、特に保温時において、放熱板34の冷
えを断熱部材23Cにより低減し、放熱板34への結露を低
減することで、長時間保温を行なったときに放熱板34に
付着した露がご飯に落ちて、ご飯の上面が水分過多でベ
チャになる現象を抑制し、良好な保温性を維持できる。
【0130】さらに、非磁性体材料からなる断熱部材23
Cを使用することで、加熱コイル49で発生する磁界の中
に断熱部材23Cが位置していても、断熱部材23Cが発熱
する問題がない。よって、電磁誘導加熱式保温釜におけ
る蓋体31の断熱性を高め、加熱コイル49の消費電力を低
減して省エネルギー性を向上できる。
【0131】また、このような構成において本実施例で
は、放熱板34と断熱部材23Cとの間に、加熱コイル49を
断熱部材23Cと非接触に備えている。この場合、加熱コ
イル49からの熱が断熱部材23Cに直接伝導しないので、
断熱部材23Cの断熱効果が低下する虞れを一掃できる。
また、加熱コイル49が断熱部材23Cに接触して短絡する
虞れもない。
【0132】さらに、蓋体31の下面である放熱板34をを
低熱伝導性材料で形成すれば、断熱部材23Cが接触し得
る放熱板34からの熱が、放熱板34から断熱部材23Cの外
面に逃げる(伝導する)ことを抑制でき、真空断熱の断
熱効果を生かした断熱構造を実現できる。
【0133】また、このような構成において本実施例で
は、断熱部材23の外郭を形成する外郭部材26が、非磁性
金属を外面とするプラスチックとの複合材から構成され
る。この場合、非磁性で防磁作用のある例えばアルミニ
ウムは、柔軟性を持たせるために薄く形成すると強度が
低下し、破れやすくなる欠点がある。しかし、断熱部材
23の外郭部材26を非磁性金属とプラスチックとの複合材
とすることで、柔軟性を損なわず、断熱部材23の外装強
度を向上できる。
【0134】さらに、断熱部材23の外面を本実施例のよ
うにアルミニウムで形成すれば、アルミニウムの防磁作
用によって、加熱コイル11又は加熱コイル49からの磁束
の漏れを防止し、遮熱作用とともに鍋5や蓋体31の下面
である放熱板34の加熱効率も向上できる。また、床やテ
ーブルなどの本体1の載置面が磁性材料であっても、鍋
加熱手段である加熱コイル11からの磁束の漏れでこの載
置面が発熱する問題も一掃できる。
【0135】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、種々の変形実施が可能である。
【0136】
【発明の効果】本発明の請求項1の保温釜は、内部に真
空層を形成した板状の断熱部材を、本体の外郭と前記本
体の内部にあって鍋を収容する鍋収容部との間に設けた
ものであり、本体の軽量化を図りつつも、真空断熱によ
る断熱効果を最大限に引き出すことが可能になる。ま
た、鍋の内側面への結露を低減して、良好な保温性を維
持できる。
【0137】本発明の請求項2の保温釜は、内部に真空
層を形成した板状の断熱部材を、本体の底部外郭と前記
本体の内部にあって鍋を収容する鍋収容部の底部との間
に設けたものであり、本体の軽量化を図りつつも、真空
断熱による断熱効果を最大限に引き出すことが可能にな
る。また、本体の底部外郭から侵入する外気を遮蔽し
て、鍋の保温性を向上できる。
【0138】本発明の請求項3の保温釜は、前記請求項
1または2の構成に加えて、前記鍋と前記鍋収容部との
間に空間を形成したものであり、この場合はさらに、効
率の良い鍋の断熱が行なえる。
【0139】本発明の請求項4の保温釜は、前記請求項
1〜3のいずれか一つの構成に加えて、前記鍋と前記断
熱部材との間に該鍋を加熱する加熱手段を備えたもので
あり、この場合はさらに、加熱手段による鍋の加熱効率
を向上でき、炊飯時や保温時における省エネルギー化を
さらに図ることができる。
【0140】本発明の請求項5の保温釜は、内部に真空
層を形成した板状の断熱部材を、本体の上面を覆う蓋体
の外郭と前記蓋体の下面との間に設けたものであり、蓋
体の軽量化を図りつつも、真空断熱による断熱効果を最
大限に引き出すことが可能になる。また、蓋体の下面の
結露を低減して、良好な保温性を維持できる。
【0141】本発明の請求項6の保温釜は、請求項5の
構成に加えて、前記蓋体の下面と前記断熱部材との間
に、該蓋体の下面を加熱する加熱手段を備えたものであ
り、この場合はさらに、加熱手段による蓋体の下面の加
熱効率を向上でき、炊飯時や保温時における省エネルギ
ー化をさらに図ることができる。
【0142】本発明の請求項7の保温釜は、請求項1〜
6のいずれか一つの構成に加えて、前記断熱部材は、板
状部材の内部に前記真空層を形成した後、所定の形状に
形成されたものであることを特徴とし、この場合はさら
に、断熱部材を内部に備えた本体や蓋体の大形化を抑制
できる。また、保管や運搬時における断熱部材の体積を
低減できる。
【0143】本発明の請求項8記載の保温釜は、前記請
求項7の構成に加えて、前記蓋体の外郭,前記本体の外
郭または前記本体の底部外郭のいずれかを三次元形状に
形成したものであり、この場合はさらに、断熱部材によ
り断熱効果を最大限に引き出しつつも、本体や蓋体の大
形化を極力抑制できる。
【0144】本発明の請求項9の保温釜は、請求項1〜
7のいずれか一つの構成に加えて、前記断熱部材の外郭
を形成する外郭部材は、プラスチックと金属の複合材か
らなることを特徴とし、この場合はさらに、軽量でしか
も柔軟性のある素材に断熱部材を仕上げることが可能に
なる。
【0145】本発明の請求項10の保温釜は、請求項1
〜9のいずれか一つの構成に加えて、前記断熱部材の内
側に、この断熱部材と非接触状態に前記加熱手段を配置
したものであり、この場合はさらに、加熱手段から発熱
した熱や、加熱手段の輻射熱が、真空断熱の外表面に直
接的に伝導し、鍋や蓋体の下面への加熱効率を低減する
問題を一掃できる。
【0146】本発明の請求項11の保温釜は、請求項4
〜10のいずれか一つの構成に加えて、前記鍋または前
記蓋体を加熱する加熱手段を備え、前記加熱手段による
加熱量を、前記断熱部材を形成するプラスチック部材の
溶解温度以下に制限して調節したものであり、この場合
はさらに、炊飯時や保温時において、断熱部材に熱的な
悪影響を及ぼさない。また、軽量で柔軟性のある真空断
熱部材の採用が可能になる。
【0147】本発明の請求項12の保温釜は、本体の外
郭と前記本体の内部にあって鍋を収容する鍋収容部との
間の周側面の周囲空間内に第1の基板を配置し、この第
1の基板を配置していない前記周囲空間内に、内部に真
空層を形成した板状の断熱部材を設けたものであり、本
体の軽量化を図りつつも、真空断熱による断熱効果を最
大限に引き出すことが可能になる。また、第1の基板に
よる遮熱作用の及ばない周囲空間内にも、前記断熱部材
を配置することで、本体の側面寸法を大形化することな
く、鍋収容部の外周囲側面の断熱性を高めることができ
るとともに、鍋の内側面への局部的な結露を防止でき
る。
【0148】本発明の請求項13の保温釜は、請求項1
2の構成に加えて、操作部,表示部,または操作部と表
示部とを備えた第2の基板を、前記本体の上部開口を覆
う蓋体の内部に設け、前記第1の基板を前記本体の背面
部の前記周囲空間内に配置したものであり、この場合は
さらに、第1の基板と第2の基板間の配線処理が容易に
なるとともに、単一の断熱部材により本体の両側面と前
方面にある周囲空間を断熱することができ、組立性が向
上する。また、本体の外郭温度が低減し、使用上好まし
いものとなる。
【0149】本発明の請求項14の保温釜は、請求項1
2の構成に加えて、操作部,表示部,または操作部と表
示部とを備えた第2の基板と、前記第1の基板とを、前
記本体の前面部の前記周囲空間内に配置したものであ
り、この場合はさらに、第1の基板と第2の基板間の距
離が短かくなり、配線処理が容易になるとともに、単一
の断熱部材により本体の両側面と背面にある周囲空間を
断熱することができ、組立性が向上する。
【0150】本発明の請求項15の保温釜は、請求項1
2〜14のいずれか一つの構成に加えて、前記板状の断
熱部材は一面側を開放した形状に形成し、前記第1の基
板または前記第2の基板の配置した部位に前記断熱部材
の開放部を位置させたものであり、この場合はさらに、
断熱部材を装着する際にその装着位置が容易にわかり、
また断熱部材の装着後は容易に断熱部材が動くことがな
く、組立性が向上する。
【0151】本発明の請求項16の保温釜は、請求項1
5の構成に加えて、前記断熱部材の外表面が金属で形成
されることを特徴とし、この場合はさらに、断熱部材を
折曲げ加工後放置した場合に、形状が元に戻ってしま
い、折曲げ位置がわからなくなるなどの不具合を一掃で
きる。
【0152】本発明の請求項17の保温釜は、請求項1
2〜15のいずれか一つの構成に加えて、前記本体の外
郭の内周囲面に沿わせて前記断熱部材を配置したもので
あり、この場合はさらに、断熱部材を装着した後で、断
熱部材が動いて音がするなどの問題を一掃できる。
【0153】本発明の請求項18の保温釜は、請求項1
2〜15のいずれか一つの構成に加えて、操作部,表示
部,または操作部と表示部とを備えた第2の基板を、前
記本体の前面部の前記周囲空間内に配置し、前記第1の
基板を前記本体の背面部の前記周囲空間内に配置し、前
記断熱部材を前記本体の両側面の前記周囲空間内に配置
したものであり、この場合はさらに、複数の断熱部材を
使用する構成であっても、各断熱部材を識別したり、方
向性に注意するなどの必要がなく、組立性の悪化を防止
できる。
【0154】本発明の請求項19の保温釜は、請求項1
2〜18のいずれか一つの構成に加えて、前記断熱部材
は展開した形状が略四角形状であることを特徴し、この
場合はさらに、矩形状の梱包箱やコンテナまたはトラッ
クの荷台に効率よく断熱部材を収容できる。
【0155】本発明の請求項20の保温釜は、鍋と、こ
の鍋を電磁誘導加熱する鍋加熱手段とを備え、内部に真
空層を形成した非磁性体材料からなる断熱部材を、本体
の外郭と前記本体の内部にあって前記鍋を収容する鍋収
容部との間に設けたものであり、本体の軽量化を図りつ
つも、真空断熱による断熱効果を最大限に引き出すこと
が可能になる。また、鍋の内側面への結露を低減して、
良好な保温性を維持できるとともに、電磁誘導加熱式保
温釜における鍋の外周囲の断熱性を向上できる。
【0156】本発明の請求項21の保温釜は、鍋と、こ
の鍋を電磁誘導加熱する鍋加熱手段とを備え、内部に真
空層を形成した非磁性体材料からなる断熱部材を、本体
の底部外郭と前記本体の内部にあって前記鍋を収容する
鍋収容部の底部との間に設けたものであり、本体の軽量
化を図りつつも、真空断熱による断熱効果を最大限に引
き出すことが可能になる。また、本体の底部外郭から侵
入する外気を遮蔽して、鍋の保温性を向上できるととも
に、電磁誘導加熱式保温釜における鍋の底部の断熱性を
向上できる。
【0157】本発明の請求項22の保温釜は、請求項2
0または21の構成に加えて、前記鍋収容部内にて、前
記断熱部材が外側に位置する前記鍋収容部の内面と前記
鍋とを非接触にしたものであり、この場合はさらに効率
の良い鍋の断熱が行なえる。
【0158】本発明の請求項23の保温釜は、請求項2
0〜22のいずれか一つの構成に加えて、前記鍋と前記
断熱部材との間に、前記鍋加熱手段を該断熱部材と非接
触に備えたものであり、この場合はさらに、断熱部材の
断熱効果が低下する虞れを一掃できる。また、鍋加熱手
段が断熱部材に接触して短絡する虞れもない。
【0159】本発明の請求項24の保温釜は、請求項2
0〜23のいずれか一つの構成に加えて、前記鍋収容部
を低熱伝導性材料で形成したものであり、この場合はさ
らに、真空断熱の断熱効果を生かした断熱構造を実現で
きる。
【0160】本発明の請求項25の保温釜は、本体の上
面を覆う蓋体と、この蓋体の下面を電磁誘導加熱する蓋
加熱手段とを備え、内部に真空層を形成した非磁性体材
料からなる断熱部材を、前記蓋体の外郭と前記蓋体の下
面との間に設けたものであり、蓋体の軽量化を図りつつ
も、真空断熱による断熱効果を最大限に引き出すことが
可能になる。また、蓋体の下面の結露を低減して、良好
な保温性を維持できるとともに、電磁誘導加熱式保温釜
における蓋体の断熱性を高め、蓋加熱手段の消費電力を
低減して省エネルギー性を向上できる。
【0161】本発明の請求項26の保温釜は、請求項2
5の構成に加えて、前記蓋体の下面と前記断熱部材との
間に、前記蓋加熱手段を該断熱部材と非接触に備えたも
のであり、この場合はさらに、断熱部材の断熱効果が低
下する虞れを一掃できる。また、蓋加熱手段が断熱部材
に接触して短絡する虞れもない。
【0162】本発明の請求項27の保温釜は、請求項2
5または26の構成に加えて、前記蓋体の下面を低熱伝
導性材料で形成したものであり、この場合はさらに、真
空断熱の断熱効果を生かした断熱構造を実現できる。
【0163】本発明の請求項28の保温釜は、請求項2
0〜27のいずれか一つの構成に加えて、前記断熱部材
の外郭を形成する外郭部材は、非磁性金属を外面とする
プラスチックとの複合材からなることを特徴とし、この
場合はさらに、断熱部材の外郭部材を非磁性金属とプラ
スチックとの複合材とすることで、金属を薄く形成した
場合でも柔軟性を損なわず、断熱部材の外装強度を向上
できる。
【0164】本発明の請求項29の保温釜は、請求項2
8の構成に加えて、前記断熱部材の外面をアルミニウム
で形成したものであり、この場合はさらに、遮熱作用と
ともに鍋や蓋体の下面の加熱効率も向上できる。また、
鍋加熱手段からの磁束の漏れで載置面が発熱する問題も
一掃できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保温釜の一実施例を示す保温釜の全体
断面図である。
【図2】同上断熱部材を示す要部の断面図である。
【図3】同上図2をさらに拡大した断熱部材の要部の断
面図である。
【図4】同上断熱部材の外郭部材を示す断面図である。
【図5】同上断熱部材と各基板の位置関係をあらわした
本体内部の概略図である。
【図6】別の変形例を示す断熱部材と各基板の位置関係
をあらわした本体内部の概略図である。
【図7】さらに別の変形例を示す断熱部材と各基板の位
置関係をあらわした本体内部の概略図である。
【符号の説明】
1 本体 2 外枠(本体の外郭) 3 底板(本体の底部外郭) 4 鍋収容部 5 鍋 11 加熱コイル(加熱手段,鍋加熱手段) 16 加熱基板(第1の基板) 20 電源基板(第1の基板) 23,23A〜23E 断熱部材 25 真空層 26 外郭部材 27 プラスチック層(プラスチック部材) 30 空間 31 蓋体 34 放熱板(蓋体の下面) 49 加熱コイル(加熱手段,蓋加熱手段) 71 外郭部材(蓋体の外郭) 72 周囲空間 73 制御基板(第2の基板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B055 AA02 BA23 BA27 BA35 BA54 CA01 CA09 CA15 CA16 CA17 CA22 CA24 CA71 CB01 CB18 CB30 CC16 CC43 CD41 CD51 DA01 DA05 DB02 DB14 FA03 FA06 FA09 FA14 FB01 FB02 FB33 FC08 FC11 FC20 GA04 GB01 GC12

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に真空層を形成した板状の断熱部材
    を、本体の外郭と前記本体の内部にあって鍋を収容する
    鍋収容部との間に設けたことを特徴とする保温釜。
  2. 【請求項2】 内部に真空層を形成した板状の断熱部材
    を、本体の底部外郭と前記本体の内部にあって鍋を収容
    する鍋収容部の底部との間に設けたことを特徴とする保
    温釜。
  3. 【請求項3】 前記鍋と前記鍋収容部との間に空間を形
    成したことを特徴とする請求項1または2記載の保温
    釜。
  4. 【請求項4】 前記鍋と前記断熱部材との間に該鍋を加
    熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか一つに記載の保温釜。
  5. 【請求項5】 内部に真空層を形成した板状の断熱部材
    を、本体の上面を覆う蓋体の外郭と前記蓋体の下面との
    間に設けたことを特徴とする保温釜。
  6. 【請求項6】 前記蓋体の下面と前記断熱部材との間
    に、該蓋体の下面を加熱する加熱手段を備えたことを特
    徴とする請求項5記載の保温釜。
  7. 【請求項7】 前記断熱部材は、板状部材の内部に前記
    真空層を形成した後、所定の形状に形成されたものであ
    ることを特徴とする請求項1〜6記載のいずれか一つに
    記載の保温釜。
  8. 【請求項8】 前記蓋体の外郭,前記本体の外郭または
    前記本体の底部外郭のいずれかを三次元形状に形成した
    ことを特徴とする請求項7記載の保温釜。
  9. 【請求項9】 前記断熱部材の外郭を形成する外郭部材
    は、プラスチックと金属の複合材からなることを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか一つに記載の保温釜。
  10. 【請求項10】 前記断熱部材の内側に、この断熱部材
    と非接触状態に前記加熱手段を配置したことを特徴とす
    る請求項1〜9のいずれか一つに記載の保温釜。
  11. 【請求項11】 前記鍋または前記蓋体を加熱する加熱
    手段を備え、前記加熱手段による加熱量を、前記断熱部
    材を形成するプラスチック部材の溶解温度以下に制限し
    て調節することを特徴とする請求項1〜10のいずれか
    一つに記載の保温釜。
  12. 【請求項12】 本体の外郭と前記本体の内部にあって
    鍋を収容する鍋収容部との間の周側面の周囲空間内に第
    1の基板を配置し、この第1の基板を配置していない前
    記周囲空間内に、内部に真空層を形成した板状の断熱部
    材を設けたことを特徴とする保温釜。
  13. 【請求項13】 操作部,表示部,または操作部と表示
    部とを備えた第2の基板を、前記本体の上部開口を覆う
    蓋体の内部に設け、前記第1の基板を前記本体の背面部
    の前記周囲空間内に配置したことを特徴とする請求項1
    2記載の保温釜。
  14. 【請求項14】 操作部,表示部,または操作部と表示
    部とを備えた第2の基板と、前記第1の基板とを、前記
    本体の前面部の前記周囲空間内に配置したことを特徴と
    する請求項12記載の保温釜。
  15. 【請求項15】 前記板状の断熱部材は一面側を開放し
    た形状に折曲げ形成し、前記第1の基板または前記第2
    の基板の配置した部位に前記断熱部材の開放部を位置さ
    せたことを特徴とする請求項12〜14のいずれか一つ
    に記載の保温釜。
  16. 【請求項16】 前記断熱部材の外表面が金属で形成さ
    れることを特徴とする請求項15記載の保温釜。
  17. 【請求項17】 前記本体の外郭の内周囲面に沿わせて
    前記断熱部材を配置したことを特徴とする請求項12〜
    15のいずれか一つに記載の保温釜。
  18. 【請求項18】 操作部,表示部,または操作部と表示
    部とを備えた第2の基板を、前記本体の前面部の前記周
    囲空間内に配置し、前記第1の基板を前記本体の背面部
    の前記周囲空間内に配置し、前記断熱部材を前記本体の
    両側面の前記周囲空間内に配置したことを特徴とする請
    求項12記載の保温釜。
  19. 【請求項19】 前記断熱部材は展開した形状が略四角
    形状であることを特徴とする請求項12〜18のいずれ
    か一つに記載の保温釜。
  20. 【請求項20】 鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する鍋加
    熱手段とを備え、内部に真空層を形成した非磁性体材料
    からなる断熱部材を、本体の外郭と前記本体の内部にあ
    って前記鍋を収容する鍋収容部との間に設けたことを特
    徴とする保温釜。
  21. 【請求項21】 鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する鍋加
    熱手段とを備え、内部に真空層を形成した非磁性体材料
    からなる断熱部材を、本体の底部外郭と前記本体の内部
    にあって前記鍋を収容する鍋収容部の底部との間に設け
    たことを特徴とする保温釜。
  22. 【請求項22】 前記鍋収容部内にて、前記断熱部材が
    外側に位置する前記鍋収容部の内面と前記鍋とを非接触
    にしたことを特徴とする請求項20または21記載の保
    温釜。
  23. 【請求項23】 前記鍋と前記断熱部材との間に、前記
    鍋加熱手段を該断熱部材と非接触に備えたことを特徴と
    する請求項20〜22のいずれか一つに記載の保温釜。
  24. 【請求項24】 前記鍋収容部を低熱伝導性材料で形成
    したことを特徴とする請求項20〜23のいずれか一つ
    に記載の保温釜。
  25. 【請求項25】 本体の上面を覆う蓋体と、この蓋体の
    下面を電磁誘導加熱する蓋加熱手段とを備え、内部に真
    空層を形成した非磁性体材料からなる断熱部材を、前記
    蓋体の外郭と前記蓋体の下面との間に設けたことを特徴
    とする保温釜。
  26. 【請求項26】 前記蓋体の下面と前記断熱部材との間
    に、前記蓋加熱手段を該断熱部材と非接触に備えたこと
    を特徴とする請求項25記載の保温釜。
  27. 【請求項27】 前記蓋体の下面を低熱伝導性材料で形
    成したことを特徴とする請求項25または26記載の保
    温釜。
  28. 【請求項28】 前記断熱部材の外郭を形成する外郭部
    材は、非磁性金属を外面とするプラスチックとの複合材
    からなることを特徴とする請求項20〜27のいずれか
    一つに記載の保温釜。
  29. 【請求項29】 前記断熱部材の外面をアルミニウムで
    形成したことを特徴とする請求項28記載の保温釜。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007061125A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電気湯沸かし器
JP2008284010A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Tiger Vacuum Bottle Co Ltd 電気炊飯器
JP2011245033A (ja) * 2010-05-27 2011-12-08 Hitachi Appliances Inc 炊飯器

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