JP2000184849A - 焼き洋菓子用離型膜の形成方法 - Google Patents
焼き洋菓子用離型膜の形成方法Info
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Abstract
スプレ−が少なく、従って、作業環境が汚染されず、ま
た、被塗布体面に薄く均一で緻密な、液だれ現象のない
離型油膜を容易且つ効率的に形成させることができ、且
つ型離れに優れ、きめの細かい焼きむらのない表面をも
つ、風味のよい高い商品価値を有する焼き洋菓子を工業
的に有利に製造する方法を提供する。 【解決手段】 常温で液状の油脂に、該油脂 100重量部
当たりレシチン又はレシチンと油溶性乳化剤の混合物を
0.1〜30重量部加えて溶解させた離型油を、静電塗油装
置のノズルから噴霧して離型油微細粒子をマイナスに帯
電させ、その帯電微細粒子を被塗布体表面に噴霧する焼
き洋菓子用離型膜の形成方法。
Description
表面に焼き洋菓子用に好適な離型膜を形成させる方法に
関し、特に、静電塗油装置を用いて、焼成後の型離れが
よく、きめの細かい均一表面をもつ焼き洋菓子を製造す
るのに好適な離型膜を被塗布体表面に形成させる方法に
関する。
洋菓子には、比較的多量の糖分や蛋白質(卵)等が含ま
れるので、加熱焼成された焼き洋菓子の型離れが悪く、
外表面が部分的に剥がれたり形崩れして、しばしば商品
価値の低下を招く。その型離れをよくする手段として、
食型に離型油を塗布することが広く行われている。離型
油には、液状,流動状及び固形のタイプがあり、グリ−
サ−による噴霧や刷毛などによる手塗りで使用される。
特に、機械的な離型油塗布方式としては、例えば、旭サ
ナック社製のピ−クベア・ホットAP1224H,アネスト
岩田社製のエアレス噴霧装置,マルチ・アルファとスプ
レ−装置を組合せたもの等のエア式スプレ−装置等が一
般に知られている。しかし、手塗り方式は勿論のことグ
リ−サ−噴霧方式でも、食型面に液だれ現象を伴わない
塗布量、例えば、7mg/cm2以下にすることが実質的に
不可能なため、離型油の液だれ現象が避けられず、焼き
洋菓子の品質に各種の不利益がもたらされる。
て、離型油の粘度を高めて適度の流動性と付着性を付与
させるための微粒状ワックスのような増粘剤や離型性能
を向上させるための粉体、例えば、粉末状でん粉,粉末
セルロ−ス、粉末状多糖類,あるいは炭酸カルシウムや
二酸化珪素等の無機質粉体等を添加分散させることが行
われた。しかし、このような高粘度離型油組成物は、噴
霧装置により微細粒状に噴霧することが極めて困難であ
って、塗布は、もっぱら布に含浸させたり刷毛等を用い
て行われている。かかる塗布は作業性が劣るだけでな
く、単位面積当たりの塗布量が更に多くなるので液だれ
現象は一層激しく、また、均等な塗布も困難である。そ
のため、焼き洋菓子の外観と風味は損なわれ、しかもコ
ストアップは避けられない。
塗布でも離型性能を付与させることを主な目的として食
型表面にふっ素樹脂やシリコ−ン樹脂加工を施すことが
試みられたが、実質的には離型油の塗布なしでの離型は
不良であった。また、これを補うために離型油の塗布を
行った場合、食型表面に被覆加工されたふっ素樹脂やシ
リコ−ン樹脂の皮膜により離型油がはじかれてしまい、
油滴が凝集して大粒化するので液だれを起こし、あるい
は液切れ部分が生じて、満足し得る離型効果は得られな
い。
布体表面に薄い離型油層(離型膜)を形成させる静電塗
油装置が開発された。その静電塗油装置は、離型油を圧
縮空気等の物理的圧力を用いて噴霧して、その微粒子を
高電圧帯電させるエア霧化式と、高電圧電気の作用で霧
化し粒子を帯電させる電気霧化式の静電塗油装置とに大
別される。前者のエア霧化式静電塗油装置の代表的なも
のは、加圧空気で霧化させた各微細粒子を直流高電圧電
場でマイナスに帯電させる方式のものであり、後者の電
気霧化式静電塗油装置の代表的なものは、離型油を装置
のノズルの中の電極板に作られた分配溝を通過させて高
電圧をかけ、静電気の反発力でマイナス帯電微細粒子を
霧状に吐出させ、静電気の吸引力で被塗布体に油を吸着
させる方式のものである。これらの静電塗油装置は、い
ずれも離型油を微細粒子状に噴出させて被塗布体表面に
全面的に薄く均一に塗布することができるので、食型の
表面加工方法を問わず、実質的に液だれ現象のない離型
油層を形成させるのに極めて望ましい塗布装置である。
を噴霧する塗布は、実質的に液だれ現象のない望ましい
離型膜を容易且つ効率的に形成させることができるが、
エア霧化式装置による噴霧粒子は、高圧力で吐出させる
ため電気霧化式に比べてオ−バ−スプレ−が多く、所定
の被塗布体面量域への塗着効率は若干低い。また、噴霧
粒子もやゝ粗目であるが、高粘性液体を噴霧することが
できる利点を有する。他方、電気霧化式装置は、噴霧粒
子が微細で、また低圧力での吐出のため、高い塗油効率
を有するが、従来の高粘性離型油の噴霧には不適切であ
り、そのまゝ適用することは実質的に不可能である。た
とえ、高粘性離型油を加熱し、あるいは低粘度油を加え
て粘度を調整して適用することができたとしても、その
調整の結果生ずる作業性の低下や操作上の不利は避けら
れず、また、離型性能にも影響を与えることがあるの
で、従来の離型油を静電塗油装置に適用することは困難
であり、改善がまたれる。
ば、1〜2%程度のレシチンを配合した離型油をエア式
又はエアレス式の塗油装置で噴霧する離型膜の形成が行
われているが、焼き洋菓子の場合には、その生地に食型
にくっつき易い多量の焼き付き成分を含有することや食
型形状の複雑さに関連して、一層型離れのよい離型膜を
提供する離型油の開発が要望されている。特に、静電塗
油装置を使用して噴霧するのに好適な離型油について
は、まだ開発されていないし提案も示唆もない。本発明
者らは、比較的多量の糖類及び蛋白質類を含有する焼き
洋菓子の離型油に関し、特に、静電塗油装置用の離型油
に着目して、各種組成の離型油を試作し、開発研究を行
った。
は、特に、静電塗油装置を用いて、実質的に液だれがな
く、離型のよい焼き洋菓子製造用離型膜を食型等に形成
させる方法を提供することにある。また、本発明の他の
課題は、焼きあがりの肌のきめが細かで見栄えのよい商
品価値の高い焼き洋菓子を商業的に有利に製造する方法
を提供することにある。本発明のその他の課題ないし技
術的特徴は、以下の記載から更に明らかになるであろ
う。
の範囲の請求項1に記載の要件から成る食型やスチ−ル
バンド等の被塗布体表面に離型性の優れた焼き洋菓子用
離型膜を形成させる方法を要旨とするものである。しか
して、本発明の方法は、特定組成の離型油を静電塗油装
置で食型等に噴霧する組合せに技術的特徴があり、本発
明は、特に、常温で液状の油脂をベ−ス油としてレシチ
ン等の特定範囲量の乳化剤を添加溶解させた比較的単純
組成の離型油を静電塗油装置に適用することにより、極
めて望ましい離型膜を提供し得ることの発見に基づいて
いる。このような単純組成の離型油が、焼き洋菓子製造
用離型膜の形成に極めて好適であることは、焼き洋菓子
生地の成分構成及びその焼成による製造条件を考慮すれ
ば、これまでの技術的概念からは到底考えられなかった
ことであり、全く意外な発見であった。
電気霧化式のいずれの静電式塗油装置を使用することも
できる。前者のエア霧化式静電式塗油装置は、例えば、
Burford社から販売されているMODEL 7200が
代表的であり、また、後者の電気霧化式静電式塗油装置
は、ルブテックUAS社製の菓子天板用フ−ドスタット
(FOOD STAT)が代表的である。前記したよう
に、前者の装置は、エアスプレ−等によって形成された
離型油微細粒子を高電場でマイナスに帯電させる方式で
あり、後者の装置は、静電気の反発力で電気的に離型油
の帯電粒子をノズル先端から噴霧状に吐出させる方式の
ものであるが、本発明の方法においては、比較的小型の
食型に対しては、特に、この電気霧化式塗油装置が好適
に使用される。
微細粒子の被塗布体目標領域への塗着率は、例えば、50
〜70%程度であるが、食型の大きさや形状によっては、
更に高い塗着効率が得られる。これに対し、後者の電気
霧化式の静電塗油装置の代表的なものは、水圧,油圧等
の機械的なスプレ−ではなく、装置のノズル中の電極板
に作られた分配溝を通過する際にマイナスの直流高電圧
で帯電させて、油の反発力で電気的に吐出させたマイナ
ス帯電離型油微細粒子をプラスに帯電する食型や天板面
等の被塗布体に効率的に吸着させる静電塗油方式であっ
て、その被塗布体面に対する塗着効率は80〜95%あるい
はそれ以上にも達する。従って、離型油のロスは極めて
少なく、装置の操作効率も高く保持されるので、離型油
の制限された領域への塗布には極めて有用である。
適用される離型油は、常温で液状の油脂(ベ−ス油)
に、そのベ−ス油 100重量部当たり、レシチン単独又は
レシチンと油溶性乳化剤混合物を 0.1〜30重量部添加し
溶解させて調製される。ベ−ス油は、食品用として認め
られた各種油脂類から選択使用されるが、本発明方法に
おいては、特に、常温で液状のベ−ス油が有利に使用さ
れる。高粘性の流動状油脂や固形脂のような非液状油脂
では、レシチン等を加えて調製される離型油を静電塗油
装置に適用するための噴霧粘度の調整及び操作条件に各
種の制約を受けるので本発明方法の実施には不適切であ
り、実用上採用し難い。
油,菜種油,大豆油,ごま油,オリ−ブ油,パ−ムオレ
イン,綿実油,ひまわり油及びコ−ン油等の植物性油脂
並びに各種の魚油類や中鎖脂肪酸トリグリセライド等が
包含される。これら油脂類は、単独で使用しても二種以
上を組合せて使用してもよい。実用的に好ましい油脂類
は、製品の風味を考慮すれば、菜種油,米油,コ−ン油
及び中鎖脂肪酸トリグリセライドである。また、本発明
に係る離型油には、ベ−ス油に他の動物性油脂、例え
ば、ラ−ドや牛脂,豚その他の魚油などの少量を添加す
ることができるが、その量は、装置の好ましい適用粘度
や焼きあがり風味が考慮される。
性乳化剤は、いずれもベ−ス油に溶解することが重要
で、添加によって実質的に透明な離型油に調製される。
添加されるレシチン又はレシチンと油溶性乳化剤混合物
の量は、ベ−ス油100 重量部に対し 0.1〜30重量部の範
囲量である。添加量が、0.1 重量部未満では、微細な噴
霧粒子が形成されず、塗油状態がむらになる。また、30
重量部を超えると離型油の粘性が増大して噴霧条件が悪
くなるだけでなく、多量のレシチン等乳化剤のためにケ
−キの風味が悪くなるので好ましくない。レシチン等乳
化剤の望ましい使用量は、生地の組成や噴霧の条件や食
型の形状及び離型油の種類と組成に関連するが、約0.5
〜20重量部であり、1〜10重量部の範囲が特に好まし
い。
活性能を有する数種の燐脂質の混合物であって、構成成
分は抽出対象物によって異なるが、いずれのレシチンも
好適に使用できる。例えば、大豆レシチンには、ホスフ
ァチジルコリン,ホスファチジルエタノ−ルアミン,ホ
スファチジルイノシト−ルやホスファチジルセリン等の
燐脂質が混合状態で含まれている。また、市販されてい
るレシチンとしては、クル−ドレシチンが有利に使用さ
れるが、これを脱油した精製粉末レシチンや大豆レシチ
ンの成分を分画した分画レシチン、あるいは更にレシチ
ンに酵素を作用させた酵素処理レシチン等も使用でき
る。これらのレシチンは、ベ−ス油に透明に溶解するな
らばすべて好適に使用できる。工業的には、大豆,菜種
及び卵黄から得られるレシチンが好ましい。
油溶性乳化剤は、食品衛生法で食品用としての使用が認
められている界面活性剤類であって、使用されるベ−ス
油に透明に溶解するものが選択使用される。そのような
油溶性乳化剤としては、例えば、蔗糖脂肪酸エステル
類,ソルビタン脂肪酸エステル類,プロピレングリコ−
ル脂肪酸エステルあるいはグリセリン脂肪酸エステル類
等が包含される。これらのエステル類を構成する脂肪酸
類の炭素原子数は、特に制限はないが、例えば、炭素原
子数が8〜22個程度の脂肪酸が好ましい。また、飽和脂
肪酸よりも常温で液状の不飽和脂肪酸のエステル類が好
適に使用される。ベ−ス油に溶解させるこれらのレシチ
ンや油溶性乳化剤は、ベ−ス油への溶解性と装置への適
用性から、1〜10の範囲内のHLBを有する比較的親油
性の強いものが望ましい。これらの各種油溶性乳化剤
は、二種以上を組合せて使用することができる。その油
溶性乳化剤のレシチンへの添加量は、レシチン100 重量
部に対して 300重量部以下、好ましくは、1〜50重量部
の範囲である。
粒子状に噴出するように粘度調整される。装置への適用
粘度は、通常、1000cS以下であって、好ましくは300
cS以下に調整される。この離型油の適用粘度は、各静
電塗油装置の噴霧能とエア霧化式又は電気霧化式スプレ
−によって噴霧される粒子の径、あるいは食型面への単
位面積当たりの塗布量及び食型の形状等に関連して選択
的に調整される。その離型油の粘度調整は、常温で液状
の油脂とレシチン等の乳化剤の種類と添加量を選択する
ことにより行われるが、低粘性の油脂や溶剤等の少量を
加えたり、若干の加熱昇温により行うこともできる。例
えば、中鎖トリグリセライドベ−ス油に溶剤エタノ−ル
を添加して粘度を調整したものは高い実用性を有する。
また、本発明方法に使用する離型油には、風味付けや色
付けのための食品用香料及び着色用色素等の少量を添加
することができる。
子天板用静電塗油装置のフ−ドスタット(同社商標)を
使用する例について概要を説明する。この静電塗油装置
は、油を噴霧するスプレ−ノズル構造が特異であり、一
列横隊の多数のスリット型ノズルを備え、離型油は、そ
の各ノズルの中の電極板に作られた分配溝に供給され
る。その電極板間において、例えば、60〜70KVのマイ
ナス直流高電圧がかけられて、静電的に帯電された微細
油粒子は、その静電気を利用してノズルのスリットから
噴出され塗布が行われる。この装置によれば、例えば、
粒子径が50〜100μm程度に調整されたマイナス帯電粒
子がノズルの先端から勢いよく噴出し、マイナスに帯電
した粒子は、プラスに帯電した金属製の被塗布体面に大
きく広がることなく噴霧される。従って、この静電塗油
装置によれば、目標とする被塗布体面への付着率は、95
%あるいはそれ以上の高い塗着率が達成される。また、
偏向誘導棒(インダクタ−バ−)を設置して液体油の粒
子流の方向をコントロ−ルすることにより、装置への塗
着効率は一層高められる。
る食型面に薄い均一な離型膜を効果的に形成させる好適
手段であるが、洋菓子用掛け油を洋菓子の表面に塗布し
て表面肌を更にきれいに仕上げるのに本発明の塗布技術
を利用することもでき、本発明の方法は、かかる応用手
段を包含する。
細に説明する。なお、例中の部数及び%は、特に記載が
ない限り重量による。
名日清レシチンDX)を加えて加温溶解させたのち、室
温まで冷却して離型油を作製した。これをルブテック社
製の静電塗油装置の菓子天板用フ−ドスタットを用い、
次の条件で食型に噴霧した。食型としては型の表面にシ
リコ−ン樹脂加工を施した半球状の食型(φ96mm×高さ
47mm)12個を型面を上に向けてコンベア上に連続状に並
べ、コンベアを毎分2mの速度で移動させた。前記装置
の噴霧ノズル先端を食型の上方約20cmの位置にセット
し、離型油を食型1個当たり約 0.1gの割合に噴霧して
食型面に離型膜を形成させた。この離型膜が形成された
各食型に下記重量割合の食材を配合したスポンジケ−キ
生地(比重:約 0.5)をそれぞれ20g入れてセラミック
オ−ブン内で150〜160℃の温度にて約20分間焼成した。
焼成ケ−キは12個の型からすべてきれいに離型し、表面
に焼きむらも色むらもないきめの細かな表面を有する高
品質のスポンジケ−キが得られた。
しないで、従来使用されているエア式のスプレ−で離型
油を塗布したほかは同様に操作して食型に離型膜を形成
させた。しかし、型の全面に緻密に塗布された離型油の
塗布量は、食型1個当たり約2g程度となり、型の立面
部に液だれ及び液切れ現象の著しい不均一な離型膜が形
成された。これに同様のスポンジケ−キ生地を入れて焼
成したところ、焼き菓子の離型性は悪く、食型の上方部
分で生地がくっついて剥がれ、また、底部の消泡は激し
く、表面状態の粗い低品質の焼き洋菓子が得られた。
(理研ビタミン社製のレシオンP)2部及びグリセリン脂
肪酸エステル(理研ビタミン社製のエマルジ−MU)1
部を加えて加熱溶解させ、室温まで冷却した。ルブテッ
ク社製静電塗油装置を用い、パウンドケ−キ用食型(60
mm×60mm×250mm,ふっ素樹脂加工)1個に約 0.5gの
離型油を噴霧し、離型膜が形成された型に下記成分配合
の焼き洋菓子生地(比重約 0.8)を入れて175 ℃の温度
で焼成した。焼成後、ケ−キはきれいに離型し、きめの
細かな表面を有し、角のくずれもないパウンドケ−キを
得た。静電塗油装置に代えてエアスプレ−で離型油を噴
霧したところ、オ−バ−スプレ−になって液だれ現象が
著しく、液切れした部分もあって部分的に不均質な離型
膜が形成され、その部分は離型が悪く、また、焼成され
たケ−キの底部、特にその角部の消泡が激しく表面状態
の粗いパウンドケ−キが得られた。
うに、各種のベ−ス油に、該ベ−ス油 100部に対し、レ
シチンと油溶性乳化剤の各種の量を添加し、得られたそ
れぞれの離型油を、ルブテック社製の静電塗油装置の菓
子天板用フ−ドスタットを使用して食型に噴霧し離型膜
を形成させた。いずれの離型油も微細な粒子に噴霧され
て良好な離型膜を形成した。この食型に、実施例2に記
載のパウンドケ−キ生地を入れて、実施例2と同様の条
件で約175 ℃の温度で焼成した。各食型で焼かれたパウ
ンドケ−キは、すべて離型性が極めてよく、きめの細か
な肌合いをもつ高品質のものであった。なお、表中の各
種油溶性乳化剤の略号は、次の通りである。
ているエア式の噴霧装置を使用し、食型に噴霧し離型膜
を形成した。レシチン及び油溶性乳化剤を全く加えなか
った離型油は、噴霧粒子が粗く、まだらな離型膜であっ
た。また、レシチンを加えた離型油又はこれに更に油溶
性乳化剤を加えた離型油も、スプレ−によって粗い噴霧
粒子しか形成されず、食型に均一な塗布を行うには過量
の塗布が必要であり、いずれの型も液だれが観察され
た。それらの食型で焼いたパウンドケ−キの状態を各種
離型油組成と共に、下掲表2に併記した。
食型全体にパウンドケ−キの接触面が全面的にくっつ
き、また、比較例3では、接触面が部分的にくっついて
型離れが悪く、それらのくっつき部分はすべて皮が剥が
れて不良品となった。また、風味も悪かった。比較例4
〜6は、焼成されたパウンドケ−キがすべて底部の角部
分が天ぷら化して消泡した角の部分が欠けたケ−キとな
り、すべて商品価値の低いものであった。
させた離型油(比較例7)及びパ−ムオレイン100 部に
クル−ドレシチン35部を添加溶解させた離型油(比較例
8)を用いて、菓子天板用フ−ドスタット静電塗油機に
より、それぞれ実施例1の噴霧操作を行って離型膜を形
成させ、これに実施例2のパウンドケ−キ生地を入れて
焼成した。ひまわり油の離型油では、離型性が不良でケ
−キの皮は筋状に剥がれた。また、パ−ムオレインの離
型油では、離型性は良好であったが、クル−ドレシチン
臭が強く、焼きあがったケ−キは風味不良となり、ケ−
キとしては低い品質のものであった。
−スプレ−が少ないので、作業環境が汚染されず、ま
た、被塗布体に緻密で薄い均一な離型膜を容易且つ効率
的に形成させることができるので、塗布面における離型
油の液だれ現象はなく、また焼き洋菓子の型離れがよ
く、きめの細かい焼きむらのない表面をもった風味の良
い商品価値の高い焼き洋菓子が工業的に有利に得られ
る。 整理番号 P11400
Claims (1)
- 【請求項1】 常温で液状の油脂に、該油脂 100重量部
当たりレシチン又はレシチンと油溶性乳化剤混合物を
0.1〜30重量部加えて溶解させた離型油を、静電塗油装
置のノズルから噴霧して離型油微細粒子をマイナスに帯
電させ、その微細粒子を被塗布体表面に噴出塗布するこ
とを特徴とする焼き洋菓子用離型膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36236698A JP3403102B2 (ja) | 1998-12-21 | 1998-12-21 | 焼き洋菓子用離型膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36236698A JP3403102B2 (ja) | 1998-12-21 | 1998-12-21 | 焼き洋菓子用離型膜の形成方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP3403102B2 JP3403102B2 (ja) | 2003-05-06 |
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ID=18476668
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36236698A Expired - Lifetime JP3403102B2 (ja) | 1998-12-21 | 1998-12-21 | 焼き洋菓子用離型膜の形成方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3403102B2 (ja) |
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- 1998-12-21 JP JP36236698A patent/JP3403102B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2021006018A (ja) * | 2019-06-28 | 2021-01-21 | 横浜油脂工業株式会社 | 離型油及びそのエアゾール製剤 |
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