JP2000184804A - 耕耘機の耕耘制御装置 - Google Patents

耕耘機の耕耘制御装置

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JP2000184804A
JP2000184804A JP2000051007A JP2000051007A JP2000184804A JP 2000184804 A JP2000184804 A JP 2000184804A JP 2000051007 A JP2000051007 A JP 2000051007A JP 2000051007 A JP2000051007 A JP 2000051007A JP 2000184804 A JP2000184804 A JP 2000184804A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耕耘機の耕耘制御装置において、エンジンの
停止を防止しながら、エンジンの出力を無駄なく使える
ように構成する。 【解決手段】 カバーセンサ18の検出値が耕深設定手
段19で設定された目標耕深に合致するように、ロータ
リー耕耘装置の昇降駆動機構10を作動させる自動昇降
制御手段Aを備える。少ないサンプリング数でのエンジ
ン回転数の検出に基づいてエンジン回転数が所定の回転
数よりも低くなると、耕深設定手段19で設定された目
標耕深を浅い側に変更する耕深補正制御手段B、並び
に、多いサンプリング数でのエンジン回転数の検出に基
づいてエンジン回転数が所定の回転数よりも低くなる
と、車速調節手段24により機体の走行速度を遅くする
車速制御手段Cを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタの後部に
ロータリー耕耘装置を連結した耕耘機において、耕深を
目標耕深に維持する自動昇降制御に車速制御も加味し
て、より効率的に優れた耕耘作業が行えるようにする技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来では、特開平5−292803号公
報に開示されているように、後部カバーの上下揺動量を
検出し昇降駆動機構を作動させることによって目標耕深
を維持する自動昇降制御を、機体の沈下に伴うロータリ
ーカバーの姿勢変化を補正しながら行うように構成した
ものが知られている。特公昭63−52841号公報に
開示されているように、エンジンが停止しそうになった
ときに、耕深が浅くなるようにロータリー耕耘装置を持
ち上げる制御を、自動昇降制御に優先して行うように構
成したものも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】耕耘機ではフルアクセ
ル操作によるエンジンの最高回転数状態で耕耘作業を行
うことが多く、エンジンの出力に余裕を持たせた状態と
することで、前述の特開平5−292803号公報のよ
うに、目標耕深を維持する自動昇降制御を行っても、エ
ンジンの停止を伴うことなく良好に耕耘作業を行うこと
ができるようにしている。しかしながら、極端に土質が
硬くなる等によっては、エンジンの出力に余裕があって
も、エンジンが停止する場合があるので、このような場
合には前述の特公昭63−52841号公報のように、
目標耕深を維持する自動昇降制御を停止させて、一時的
に耕深を浅くすることにより、エンジンの停止を防止す
る技術がある。
【0004】前述の特開平5−292803号公報で
は、基本的にエンジンの出力に余力を持たせるものであ
るから、耕耘作業中におけるエンジンの出力に無駄が多
いように思われる。この点については、エンジンの停止
の防止に関する前述の特公昭63−52841号公報の
技術を導入しても、まだ解消されないものであり、近年
の省エネルギー化から考えても改善の余地がある。本発
明は、ロータリー耕耘装置の自動昇降制御に車速制御を
有機的に加味することにより、エンジンの停止を防止し
ながら、エンジンの出力を無駄なく使える効率の良い耕
耘制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】[請求項1の構成]請求
項1の構成は、耕耘機の耕耘制御装置において、次のよ
うに構成することにある。機体に駆動昇降自在に連結さ
れたロータリー耕耘装置と、ロータリー耕耘装置の後部
に備えられた接地追従しての上下揺動自在な後部カバー
と、後部カバーの上下揺動量を検出するカバーセンサ
(と、ロータリー耕耘装置の目標耕深を設定する耕深設
定手段とを設け、カバーセンサの検出値が耕深設定手段
で設定された目標耕深に合致するようにロータリー耕耘
装置の昇降駆動機構を作動させる自動昇降制御手段を設
けると共に、エンジン回転数を検出する回転数検出手段
と、走行用変速装置を変速操作自在な車速調節手段と、
エンジン回転数のサンプリング数が比較的少ない状態
で、サンプリングに基づくエンジン回転数が所定の回転
数よりも低くなると、耕深設定手段で設定された目標耕
深を浅い側に変更する耕深補正制御手段と、エンジン回
転数のサンプリング数が比較的多い状態で、サンプリン
グに基づくエンジン回転数が所定の回転数よりも低くな
ると、車速調節手段により機体の走行速度を遅くする車
速制御手段とを備えてある。
【0006】[請求項1の作用]請求項1の構成によれ
ば、エンジン回転数が所定の回転数よりも低くなると、
耕深補正制御手段により耕深設定手段で設定された目標
耕深が浅い側に変更される。言い換えると、エンジン負
荷が許容負荷以上になって、エンジンの出力が不足傾向
になると、目標耕深が浅い側に変更される。例えば、軟
弱な圃場では耕起した土の盛り上がりが、標準的な土質
の場合よりも低くなり、従来の昇降制御では耕深が深い
側にずれてしまって、エンジン負荷が増大するので、エ
ンジン負荷の増大分に応じて目標耕深を浅い側に変更す
る。これにより、軟弱な圃場であっても耕深を目標耕深
に合致させることが可能になり、エンジン負荷の増大に
伴うエンジンの停止も未然に防止される。請求項1の構
成によれば、エンジン回転数が所定の回転数よりも低く
なり、エンジンの出力に余力がなくなると、車速制御手
段により機体の走行速度が遅くされて、エンジンの出力
とエンジン負荷とのバランスが取れた状態になる。
【0007】[請求項1の発明の効果]請求項1の構成
によると、耕耘機の耕耘制御装置において、車速制御手
段及び耕深補正制御手段を自動昇降制御手段に付加する
工夫により、エンジンの出力を無駄なく有効に活用でき
て、耕耘作業の効率を向上させることができた。
【0008】[請求項2の構成]請求項2の構成は、耕
耘機の耕耘制御装置において、次のように構成すること
にある。機体に駆動昇降自在に連結されたロータリー耕
耘装置と、ロータリー耕耘装置の後部に備えられた接地
追従しての上下揺動自在な後部カバーと、後部カバーの
上下揺動量を検出するカバーセンサと、ロータリー耕耘
装置の目標耕深を設定する耕深設定手段とを設け、カバ
ーセンサの検出値が耕深設定手段で設定された目標耕深
に合致するようにロータリー耕耘装置の昇降駆動機構を
作動させる自動昇降制御手段を設けると共に、エンジン
回転数を検出する回転数検出手段と、走行用変速装置を
変速操作自在な車速調節手段と、回転数検出手段による
検出値のサンプリング数が比較的少ない状態でエンジン
回転数の平均を求める第1演算手段と、回転数検出手段
による検出値のサンプリング数が比較的多い状態でエン
ジン回転数の平均を求める第2演算手段とを設け、第1
演算手段の演算結果に基づいてエンジン回転数が所定の
回転数よりも低くなると、耕深設定手段で設定された目
標耕深を浅い側に変更する耕深補正制御手段と、第2演
算手段の演算結果に基づいてエンジン回転数が所定の回
転数よりも低くなると、車速調節手段により機体の走行
速度を遅くする車速制御手段とを備えてある。
【0009】[請求項2の作用]請求項2の構成による
と、請求項1の場合と同様に、前項[請求項1の作用]
に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のよ
うな「作用」を備えている。車速制御手段はエンジン回
転数を検出し所定の回転数と比較して判断し、車速調節
手段により走行用変速装置を変速操作して、実際に変速
操作が行われたことにより初めて効果が出るものであ
り、比較的時間を要する作動である。従って、エンジン
回転数の低下が比較的穏やかな場合には有効に機能する
が、エンジン回転数が急激に低下するときには作動が追
いつかず、機能しないおそれがあるのであり、エンジン
回転数が急激に低下すると、機体の走行速度を遅くしト
ルクを上げてのエンジンの出力の回復が間に合わなくな
って、エンジンの停止を招くおそれがある。エンジン負
荷の大部分は耕耘による負荷であるから、ロータリー耕
耘装置を上昇させてエンジン負荷を軽減させる場合の負
荷軽減率は、機体の走行速度を遅くしてエンジン負荷を
軽減させる場合に比べて大であり、迅速にエンジン回転
数の回復を図ることができる。
【0010】前述のように、耕深補正制御手段は比較的
エンジン負荷の変動が急で大きな場合でも対応できるの
に対して、車速制御手段はエンジン負荷の変動が急な場
合には対応できないことがあり、比較的エンジン負荷の
変動が穏やかな場合に有効である。従って、耕深補正制
御手段及び車速制御手段の両方を、単にエンジン回転数
の変動データに基づいて作動させるようにすると、車速
制御手段がエンジン回転数の変動データに追い付かずに
機能できない状態があり、耕深補正制御手段でも制御ハ
ンチングを起こすおそれがある。
【0011】請求項2の構成によると、エンジン回転数
の平均を算出して、均平化されたエンジン回転数の変動
データに基づいて、耕深補正制御手段及び車速制御手段
を作動させており、迅速な作動が可能な耕深補正制御手
段については、比較的少ないエンジン回転数の検出値に
よる平均に基づいて作動させ、迅速な作動の期待し難い
車速制御手段については、比較的多いエンジン回転数の
検出値による平均に基づいて作動させる。
【0012】これにより、耕深補正制御手段について
は、制御ハンチングを招くことなく機敏に作動させるこ
とができて、一時的に後輪が深く沈下する等の急激で大
きなエンジン負荷の変動に有効に対応できるようにな
る。車速制御手段については、急激で大きなエンジン回
転数の変動が生じても、比較的多いサンプリング数によ
って移動平均が均平化されて、穏やかなエンジン回転数
の変動に置き換えられることになり、無駄な作動や作動
不能及び制御ハンチングを起こすことなく、良好に作動
させることができるようになる。従って、耕深補正制御
手段及び車速制御手段が同時に作動する状態もあり得る
のであり、耕深補正制御手段及び車速制御手段のうちの
一方のみが作動する状態もあり得る。
【0013】[請求項2の発明の効果]請求項2の構成
によると、耕耘機の耕耘制御装置において、サンプリン
グ数に違いを持たせて2種の平均を得ると言う、ソフト
ウェアでの対応で済む比較的簡単な工夫により、車速制
御手段と応答性に優れる耕深補正制御手段との両方を有
効に作動させる耕耘制御装置を提供できた。
【0014】[請求項3の構成]請求項3の構成は、請
求項1又は2の構成において、エンジン回転数が所定の
回転数よりも高くなると、耕深設定手段で設定された目
標耕深を深い側に変更するように、耕深補正制御手段を
構成してある。
【0015】[請求項3の作用]請求項3の構成による
と、請求項1又は2の場合と同様に前項[請求項1の作
用][請求項2の作用]に記載の「作用」を備えてお
り、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項3の構成によれば、エンジン回転数が所定の回転
数よりも高くなり、エンジン負荷が軽くなってエンジン
の出力が余剰気味になると、目標耕深が深い側に変更さ
れる。例えば硬い圃場では、耕起した土の盛り上がりが
標準的な土質の場合よりも高くなり、従来の昇降制御で
は耕深が浅い側にずれてしまうことになってエンジン負
荷が軽減するので、エンジン負荷の軽減分に応じて目標
耕深を深い側に変更する。これにより、硬い圃場であっ
ても耕深を目標耕深に合致させることが可能になるので
あり、エンジン負荷が重くなり過ぎることもない。
【0016】[請求項3の発明の効果]請求項3の構成
によると、耕耘機の耕耘制御装置において、車速制御手
段及び耕深補正制御手段を自動昇降制御手段に付加する
工夫により、エンジンの出力を無駄なく有効に活用でき
て、耕耘作業の効率を向上させることができた。
【0017】[請求項4の構成]請求項4の構成は、請
求項1〜3のうちのいずれか一つの構成において、エン
ジン回転数が所定の回転数よりも高くなると、車速調節
手段により機体の走行速度を速くするように、車速制御
手段を構成してある。
【0018】[請求項4の作用]請求項4の構成による
と、請求項1〜3のうちのいずれか一つの場合と同様に
前項[請求項1の作用]〜[請求項3の作用]に記載の
「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作
用」を備えている。請求項4の構成によると、エンジン
の停止のおそれのない状態では、エンジンの出力に余力
があれば、その分だけ機体の走行速度が速められる。こ
れにより、エンジンの出力とエンジン負荷とのバランス
が取れた状態になるので、従来のようにエンジンの出力
が余り気味のままで耕耘作業が行われることがなくな
り、エンジンの出力を無駄なく活用できるようになっ
て、最大能率を発揮できる等、機械効率が改善される。
同じエンジン回転数の設定を行っても、従来に比べて耕
耘作業速度の平均値を速めることが可能になり、単位時
間当たりの耕耘面積の増大が可能になる。
【0019】[請求項4の発明の効果]請求項4の構成
によると、耕耘機の耕耘制御装置において、車速制御手
段及び耕深補正制御手段を自動昇降制御手段に付加する
工夫により、エンジンの出力を無駄なく有効に活用でき
て、耕耘作業の効率を向上させ、耕耘作業速度を高める
ことによって最大能率が発揮できるようになった。
【0020】[請求項5の構成]請求項5の構成は、請
求項1〜4のうちのいずれか一つの構成において、車速
調節手段によって機体の走行速度が変更された後に、カ
バーセンサの検出値が目標耕深に合致しなくなると、機
体の走行速度を遅くするように車速制御手段と自動昇降
制御手段とを連係する最高速制御手段を備えてある。
【0021】[請求項5の作用]請求項5の構成による
と、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に
前項[請求項1の作用]〜[請求項4の作用]に記載の
「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作
用」を備えている。車速制御手段によって機体の走行速
度が次第に速くなっていくと、ついにはロータリー耕耘
装置の耕耘能力が追い付かなくなり、ロータリー耕耘装
置が地面で跳ね返されて浮き気味になることが考えられ
る。このような状態になると、満足な耕起が行われてい
ないのに、後部カバーが垂れ下がって耕深が浅くなった
と言う誤った検出値をカバーセンサが出して、自動昇降
制御手段によって耕深を深くする作動が行われ、ますま
すロータリー耕耘装置が地面に跳ね返されて、いつまで
たっても目標耕深に達することできない制御不能状態に
なるおそれがある。
【0022】請求項5の構成によれば、車速制御手段に
よって機体の走行速度が変更された後において、前述の
ように自動昇降制御手段が制御不能状態になると、機体
の走行速度が遅くされるので、ロータリー耕耘装置の浮
き上がり現象が収まり、自動昇降制御手段が正常に作動
する状態に戻すことができる。
【0023】[請求項5の発明の効果]請求項5の構成
によると、耕耘機の耕耘制御装置において、機体の走行
速度が速過ぎることに起因して、自動昇降制御手段が制
御不能状態になると言うことなく、正常に機能する状態
を維持しながら、耕耘作業の効率及び能率に優れる耕耘
制御装置をより充実させることができた。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1に耕耘機が示されており、
前輪1、後輪2、エンジン3、主クラッチ4、ミッショ
ン5、操縦パネル6、3点式の不等辺の昇降リンク機構
7、ロータリー耕耘装置8、機体9及びリフトシリンダ
10が備えられている。昇降リンク機構7は、リフトア
ーム11、トップリンク12、ロワーリンク13及びリ
フトロッド14等を備えて構成されており、ロータリー
耕耘装置8は、耕耘爪17、ロータリーカバー15及び
ロータリーカバー15に枢支された後部カバー16等を
備えて構成されている。
【0025】図1及び図2により、各部の構造を簡単に
説明する。主クラッチ4を経た動力は主変速機構aや副
変速機構(図示せず)、及びデフ機構bを介して後輪2
に伝達され、PTO変速機構cを介してPTO軸23に
伝達される。主変速機構aは駆動シフト操作用の油圧シ
リンダ(図示せず)、ロータリー式の変速操作弁25
(電磁バルブ式でも良い)を操作する第1ギヤードモー
タ24、走行用の油圧クラッチ(図示せず)を備えて、
第1ポテンショメータ26aを備えた走行変速レバー2
6の操作で変速操作されるように構成されており、公知
(特開平5−10493号公報等)のパワーシフト構造
に構成されている。
【0026】デフ機構bに動力を伝達するピニオン軸2
7の単位時間当たりの回転数を検出する車速センサ28
を備えており、車速センサ28の検出から演算して、機
体9の走行速度を割り出すようにしている。現在の変速
段や自動モードか手動モードかを示す表示装置35を設
けておけば便利である。この耕耘機では、後部カバー1
6の上下揺動量に基づいて耕深を一定に保つようにロー
タリー耕耘装置8を昇降する自動昇降制御、及び自動昇
降制御の作動時における機体9の走行速度を増減調節す
る車速制御を融合して行うようにしている。
【0027】 自動昇降制御手段A 図1及び図2に示すように、ロータリー耕耘装置8の耕
深を目標耕深に維持する自動昇降制御手段Aが備えられ
ている。接地追従して上下揺動自在な後部カバー16の
上下揺動量を検出するポテンショメータで構成されたカ
バーセンサ18が、ロータリー耕耘装置8に設けられ、
ロータリー耕耘装置8の目標耕深を設定する耕深設定ダ
イヤル19が設けられている。カバーセンサ18の検出
値が耕深設定ダイヤル19で設定された目標耕深に合致
するように、リフトシリンダ10の制御弁V1 を作動さ
せるように回路構成することにより、自動昇降制御手段
Aが構成されている。
【0028】 耕深補正制御手段B 図1及び図2に示すように耕深補正制御手段Bは、エン
ジン回転センサ20を備え、自動昇降制御手段Aの作動
中におけるエンジン回転数が、予め範囲設定手段22で
設定された許容設定範囲よりも回転数減少方向に大きく
なると、目標耕深を浅い側に補正し、許容設定範囲より
も回転数増大方向に大きくなると、目標耕深を深い側に
補正するものである。実際の作動としては、エンジン回
転数が下がり過ぎるとロータリー耕耘装置8を上昇さ
せ、エンジン回転数が上がり過ぎると、ロータリー耕耘
装置8を下降させるのであり、制御装置31によってエ
ンジン回転センサ20とリフトシリンダ10とが連係さ
れている。
【0029】実際には、エンジン回転数の変化量とエン
ジン回転数の変化率とからファジイ制御により、カバー
センサ18の目標値を修正する。アクセルレバー21を
セットしての耕耘作業の開始後における安定した耕耘負
荷でのエンジン回転数を検出し、無負荷でのエンジン回
転数との差から、そのときの基準負荷を求めて記憶す
る。変動するエンジン回転数を随時検出して、実際のエ
ンジン回転数と無負荷でのエンジン回転数との差から予
測される予測負荷と、基準負荷とを比較して、その差に
応じて目標耕深を補正する。前述の基準負荷と予測負荷
との差に基づいた目標耕深の補正量が、マップデータ等
の形式でメモリされており、ファジイ推論に基づいて補
正量が最終的に決定される。
【0030】自動昇降制御手段Aの作動中に土質変化等
によって耕深補正制御手段Bが作動し、目標耕深が変更
された後にエンジン回転数が復帰してくると、元の自動
昇降制御状態に戻る。例えば、軟弱地の為に耕深が深く
なってエンジン回転数が下がり過ぎると、目標耕深が浅
くなるのでエンジン回転数が迅速に回復するが、その状
態のままで元の標準的な圃場状態に戻ると、耕深が浅い
ことになって今度はエンジン回転数が高くなる。この場
合、再び耕深補正制御手段Bが作動し、目標耕深が深い
側に変更されて、元の目標耕深に戻る。自動昇降制御手
段Aによって耕深を所定範囲に維持する自動昇降制御を
カバーオートと呼び、前述のように自動昇降制御手段A
と耕深補正制御手段Bとを合わせた制御を混合制御と呼
ぶことにする。混合制御はカバーMCオート(MCはM
ix Controlの略)と呼んでも良い。
【0031】 車速制御手段C 車速制御手段Cは、エンジン回転数が高くなると機体9
の走行速度を速め、エンジン回転数が低くなると機体9
の走行速度を遅くすることにより、エンジン回転数をア
クセルレバー21の操作位置によって定まる所定回転数
範囲に維持するように、エンジン回転センサ20の検出
に基づいて第1ギヤードモータ24を操作する。
【0032】アクセルレバー21を操作すると、アクセ
ルレバー21の操作位置の無負荷でのエンジン回転数及
び最大トルクが定まり、定格トルク(最大トルクの約8
0%に設定するものとする)も定まるので、負荷トルク
が定格トルクの近傍の値となるように機体9の走行速度
を制御する。例えば、定格トルクの110%以下の負荷
トルクとなるように機体9の走行速度を制御するものと
し、負荷トルクが定格トルクの50%であるとすれば、
50%<110%であるから、この状態から1段高速側
に変速したときの負荷トルクを予測する。予測された負
荷トルクが定格トルクの110%以下であれば変速して
1速上げ、110%より大きくなる場合には変速しな
い、と言う制御である。定格トルクは余裕を見越して設
定されており、定格トルクの約125%で最大負荷トル
クとなる。
【0033】エンジン3の出力に余裕があるときには、
機体9の走行速度を速めて耕耘作業の能率を高めて、現
実に負荷トルクが定格トルクのα倍(例:1.1倍)を
越える等、土質の変化等によってエンジン3の出力が不
足になったときには、機体9の走行速度を落としてトル
クアップさせる。実際には、アクセルレバー21の操作
位置によって定まるエンジン回転数の許容設定範囲(適
正トルク範囲、定格トルクの110%以下に対応したエ
ンジン回転数)において、最も下限値に近いエンジン回
転数(定格トルクの110%以下において最も110%
に近い値)が現出されるように制御される。これは不感
帯を設けることに相当し、頻繁な変速の上げ下げによる
ハンチングが回避できる利点がある。これにより、設定
されたエンジン回転数で発生するトルクを最大限に活用
できて、耕耘作業を常に最大能率領域で行うことができ
る。
【0034】 連係制御手段E 車速制御手段Cの適用には条件がある。エンジン回転数
が穏やかに変動する状態では車速制御手段Cが実行され
て、エンジン回転数が急激で大きく変動する状態では耕
深補正制御手段Bが実行される(カバーMCオートが作
動する)のであり、この制御を行う為に連係制御手段E
を設けている(図2参照)。エンジン回転センサ20の
検出値のサンプリング数が比較的少ない状態で、エンジ
ン回転数の移動平均を求める第1演算手段D1、エンジ
ン回転センサ20の検出値のサンプリング数が比較的多
い状態で、エンジン回転数の移動平均を求める第2演算
手段D2を設けており、第1演算手段D1の演算結果に
基づいて耕深補正制御手段Bが実行され、第2演算手段
D2の演算結果に基づいて車速制御手段Cが実行される
ように、連係制御手段Eが構成されている。
【0035】図4に示すようにエンジン回転数の経時変
化グラフ(実線)があるとすれば、第1演算手段D1に
より単位時間毎の検出値を例えば3個サンプリングして
算出された移動平均によるグラフ(一点鎖線)に基づい
て、耕深補正制御手段Bを作動させ、第2演算手段D2
により単位時間毎の検出値を例えば6個サンプリングし
て算出された移動平均によるグラフ(二点鎖線)に基づ
いて、車速制御手段Cを作動させる。サンプリング数が
3個の場合では、極端なピークが緩和されながら略生デ
ータに近いエンジン回転数の変動状態が現出され、耕深
補正制御手段Bのデータとして適している。サンプリン
グ数が6個の場合では、エンジン回転数の変動が顕著に
緩和され、急激で大きな変動状態が穏やかで小さな変動
状態に置き換えられて、車速制御手段Cのデータとして
適したものとなる。
【0036】 最高速制御手段F 図2に示すように、第1ギヤードモータ24の作動によ
って機体9の走行速度が変更された後、実際の耕深が目
標耕深に合致しなくなる制御不能状態が生じると、機体
9の走行速度を減じるように、第1ギヤードモータ24
と自動昇降制御手段Aとを連係する最高速制御手段Fを
設けている。
【0037】 省力制御手段G 図2に示すように、省力制御手段Gは無駄なエンジン3
の出力を抑えて燃費向上や騒音の低減を図るものであ
る。車速制御手段Cの作動によって現出される機体9の
走行速度が、車速設定器29で予め設定された走行速度
範囲から出る場合は、車速制御手段Cの作動に優先して
エンジン回転数が変更されるように、ガバナー40、車
速設定器29及び車速センサ28を連係するものが、省
力制御手段Gである。実際には、アクセルレバー21の
操作位置を検出するポテンショメータ、及びガバナー4
0を操作する第2ギヤードモータ30も連係されてい
る。
【0038】アクセルレバー21が操作された状態にお
いて、機体9の走行速度が車速設定器29の設定値を上
回ると、走行速度範囲に入るようにアクセル(ガバナー
40)を絞ってエンジン回転数を下げ、逆に設定値を下
回るとアクセル(ガバナー40)を開いてエンジン回転
数を上げるように制御されるのであり、機体9の走行速
度もコントロールされる。エンジン3の出力に余力があ
ればアクセル(ガバナー40)を絞り、エンジン3の出
力が不足であればアクセル(ガバナー40)を開くこと
により、設定値を現出する為の最低限度の出力状態に制
御するものであり、エンジン3の出力の無駄を省くこと
ができる。アクセル(ガバナー40)の絞り量の限界
は、PTO軸23の回転数が確保されるかどうかで規制
される。
【0039】次に、実際の耕耘制御の動作について説明
する。図2に示すように、自動昇降制御手段A、耕深補
正制御手段B、車速制御手段C、第1及び第2演算手段
D1,D2、連係制御手段E、最高速制御手段F、省力
制御手段Gが制御装置31に備えられており、制御装置
31に各種レバー、設定器、センサ、及び操作モータ等
が連係されている。図3及び図5〜図9に耕耘制御の各
種のフローチャートが示されており、以下、これらのフ
ローチャートを参考にして説明する。
【0040】図3及び図2に示すように、モード切換ス
イッチ32を操作して、最大能率車速制御モード(自動
操作モード)、省エネ耕耘車速制御モード(自動操作モ
ード)、又は手動操作モードを選択する。最大能率車速
制御モード又は省エネ耕耘車速制御モードが選択されて
制御が実行されているときに、非耕耘作業状態になる
と、このときの状態で制御がロックされる。非耕耘作業
状態であるか否かの判断は例えばステアリングセンサ
(図示せず)がONとなる旋回時に、ロータリー耕耘装
置8を対地浮上させる為に強制上昇スイッチ(ポンパス
イッチ)36やポジションレバー(図示せず)を上昇側
に操作すること、非旋回時において強制上昇スイッチ3
6やポジションレバーを上昇側に操作すること、主クラ
ッチ(クラッチスイッチ37)を切り操作すること、前
後進切換機構の切換レバー34を中立位置に操作するこ
と、前後進切換機構の切換レバー34を後進位置に操作
した状態で強制上昇スイッチ36やポジションレバーを
上昇側に操作すること等が挙げられる。
【0041】最大能率車速制御モード又は省エネ耕耘車
速制御モードが実行されているときに、手動操作による
変速(変速レバー26を動かす)を行えば、これによっ
て自動操作モードが解除され、手動操作モードに切り換
わるようになっている。手動操作モードに切り換わる
と、車速制御はキャンセルされる(手動になる)が、混
合制御は続行される。この場合、ブレーキ操作(ブレー
キペダル38を踏む)で自動操作モードが解除されるも
のでも良い。次に、自動操作モードについて説明する。
【0042】(i)最大能率車速制御モードを選択した
場合(図5及び図6) 先ず初期特性設定を行い、耕耘作業時の機体9の初期走
行速度、目標耕深、PTO変速段、エンジン回転数(ア
クセルレバー21の操作位置)等を、圃場条件等を考慮
して予め設定し(ステップ#1)、ポジションレバーの
操作等によって耕耘作業を開始する(ステップ#2)。
【0043】耕耘作業の開始後において、エンジン回転
センサ20の検出から、目標耕深を維持している状態で
のエンジン回転数の変動が所定レベル(例えば、±10
rpm)以下に落ち着いたら(ステップ#3)、アクセ
ルレバー21の操作位置(通常はフルアクセルに設定す
ることが多い)から、このときの定格エンジン回転数が
求められ、制御すべき所定回転数範囲が決定される(ス
テップ#4)。アクセルレバー21の操作位置に対応し
た無負荷時のエンジン回転数のマップデータが予め制御
装置31に記憶してあり、無負荷時のエンジン回転数及
びアクセルレバー21の操作位置での最大馬力時回転数
から、最大能率を達成する適正なエンジン回転数の範囲
(所定回転数範囲)が自動的に決定される。
【0044】例えば、アクセルレバー21の操作位置に
よる無負荷時のエンジン回転数が2800rpmである
ときの最大馬力時回転数が2600rpmであれば、上
限が2620rpmで、下限が2400rpmに設定さ
れる。例えば、無負荷時のエンジン回転数が2400r
pmであるときの最大馬力時回転数が2200rpmで
あると、上限が2220rpmで、下限が2000rp
mに設定される、と言った具合である。
【0045】第1演算手段D1及び第2演算手段D2に
よって移動平均を求め(ステップ#5,#6)、第2演
算手段D2によるエンジン回転数と、設定されたアクセ
ルレバー21の操作位置での無負荷時のエンジン回転数
との差から割り出される耕耘負荷を一定区間において検
出する(ステップ#7)。
【0046】所定回転数範囲が求められると、第1演算
手段D1の演算結果に基づいての混合制御が開始される
(ステップ#8)。混合制御は、自動昇降制御手段A及
び耕深補正制御手段Bから行われるものであり、図9に
示すフローチャートに従って作動する。目標耕深やエン
ジン回転数の初期設定を行うのであるが(ステップ#0
1)、これらは既にステップ#1で処理されている。
【0047】エンジン回転数が許容設定範囲よりも高い
か否かを判断して(ステップ#02)、高い場合にはフ
ァジイ理論に基づいて目標耕深を深い側に補正し(ステ
ップ#03)、ステップ#06に進む。高くない場合に
は、エンジン回転数が許容設定範囲よりも低いか否かを
判断して(ステップ#04)、低い場合にはファジイ理
論に基づいて目標耕深を浅い側に補正してから(ステッ
プ#05)、ステップ#06に進み、低くなく許容設定
範囲にある場合でも、ステップ#06に進む。これらス
テップ#02〜#05が、耕深補正制御手段Bの作動に
相当する。
【0048】ステップ#06では耕深が設定範囲にある
かどうかを判断し、設定範囲であればステップ#02に
戻り、設定範囲の外であれば目標耕深よりも深いかどう
かを判断して(ステップ#07)、深い場合にはロータ
リー耕耘装置8を上昇させ(ステップ#08)、深くな
い場合(浅い場合)にはロータリー耕耘装置8を下降さ
せてから(ステップ#09)、ステップ#02に戻る。
これらステップ#06〜#09が、自動昇降制御手段A
の作動に相当する。
【0049】ステップ#9では、第2演算手段D2で求
められたエンジン回転数が所定回転数範囲より高いかど
うかを判断し、高いときには現在の変速段の状態から1
段高速側に上げたときの耕耘負荷を、種々の条件(PT
O変速段、エンジン回転数及び走行の変速段等)から予
測し、予測値がアクセルレバー21の操作位置で決まる
定格負荷(定格トルク)のα倍以下かどうかを求める
(ステップ#13)。α倍以下であるときには変速段を
1段上げて機体9の走行速度を速め(ステップ#1
5)、α倍を上回る場合には、現状の変速段を維持して
(ステップ#14)、ステップ#4に戻る。
【0050】ステップ#9の判断がNOであるときには
ステップ#10に進み、第2演算手段D2で求められた
エンジン回転数が所定回転数範囲より低いかどうかを判
断して、低いときには設定最低車速であるか否かを判断
する(ステップ#16)。設定最低車速まで落ちていな
いときには、トルクアップを図る為に変速段を1段落し
(ステップ#12)、ステップ#4に戻る。設定最低車
速である場合、混合制御によるロータリー耕耘装置8の
上昇側の最大補正値(混合制御において予め定められた
耕深の限界補正量)を越えているか否かを判断し(ステ
ップ#17)、越えた場合にはもはや混合制御と車速制
御とでエンジン回転数の回復を図ることが不可能である
から、ランプやブザーと言った警告装置(図示せず)を
作動させて(ステップ#18)、操縦者に他の対策を促
してステップ#4に戻る。対策としては、PTO変速段
や目標耕深をエンジン負荷の軽減側に変更すること等が
考えられる。越えない場合は混合制御による対処が可能
であり、そのままステップ#4に戻る。
【0051】ステップ#10の判断がNOであると、最
高速制御手段Fによる自動昇降制御手段Aが成立するか
どうかを判断し(ステップ#11)、成立する場合には
そのままステップ#4に戻り、成立しない場合は前述の
ように機体9の走行速度が速いのが原因であるから、変
速段を1段落してから(ステップ#12)、ステップ#
4に戻る。実際にはステップ#11において、一定時間
の下げ指令の比率を判断するようになっている。ステッ
プ#16で設定最低車速である場合には、ステップ#1
7において耕深補正制御手段Bで対応するのであり(目
標耕深を浅い側に補正する)、補正値が限界を越えるの
は(エンジン回転数の低下が激しい状態)、当初のアク
セルレバー21の操作位置が低いか目標耕深が深い等の
理由によるので、警報装置でその旨を操縦者に知らせ
る。
【0052】最初のエンジン回転数の設定に余裕がある
と、混合制御が正常に作動している状態での車速制御手
段Cの作動により、変速段が上げられて実際の機体9の
走行速度が当初の設定車速を上回ることがあるが、機体
9の走行速度が速まるのは耕耘作業の能率が向上するの
で差し支えない為、最大能率車速制御モードでは機体9
の走行速度の上昇側で設定車速を超えてもよい。但し、
機体9の走行速度が上昇された状態で自動昇降制御手段
Aが成立するかどうかを、ステップ#11で判断して対
処する。
【0053】(ii)省エネ耕耘車速制御モードが選択
された場合(図7及び図8) 省エネ耕耘車速制御モードでの制御の進み方は、前述の
最大能率車速制御モードと最初の部分は同じであり、違
いの部分について説明する。ステップ#1〜ステップ#
3及びステップ#5〜ステップ#8については最大能率
車速制御モードと同じであるが、ステップ#20におい
ては、所定回転数範囲に代えて、機体9の走行速度の目
標制御範囲(目標車速範囲)を決めるものとなる点で相
違する。以下、ステップ#21以降について説明する。
【0054】ステップ#21では、負荷率(後述)がβ
(例えば0.8)未満かどうかを判断し、0.8未満で
あればエンジン3の出力に余裕が十分あるので、変速段
を1段上げる方針とし、変速段を1段上げたときの負荷
率を予測して(ステップ#25)、予測値がα(例えば
1.1)より大きくなる場合には、このときの変速段を
維持してステップ#20に戻る。予測値がα以下になる
場合には、設定車速での最高速度かどうかを判断し(ス
テップ#27)、既に最高速度であるときにはステップ
#20に戻り、最高速度でないときには変速段を1段上
げた場合のアクセル(ガバナー40)の目標位置を計算
する(ステップ#28)。変速段を1段上げた状態にお
いて、目標車速範囲になるようなアクセル(ガバナー4
0)の位置を予測計算する(負荷率が0.8以上で1.
1以下となるようなアクセル(ガバナー40)の位置を
予測計算する手段も考えられる)。負荷率は、負荷トル
クをこのときのアクセル(ガバナー40)の位置での定
格トルクで除じた値であると定義する。
【0055】ステップ#28で求められたアクセル(ガ
バナー40)の目標位置が適切かどうかを、PTO回転
の制約条件等から判断し(ステップ#29)、適切なと
きはステップ#31に進んで変速段を1段上げ、アクセ
ル(ガバナー40)の位置をステップ#28で求められ
たアクセル(ガバナー40)の目標位置に絞り操作する
(ステップ#32)。ステップ#29で適切でないとき
には、ステップ#30においてアクセル(ガバナー4
0)の目標位置を許容下限値(最低耕耘ピッチからエン
ジン回転数の下限が予め決められている)に設定してか
ら、ステップ#31に進んで変速段を1段上げ、アクセ
ル(ガバナー40)の位置をステップ#30で求められ
たアクセル(ガバナー40)の目標位置に絞り操作する
(ステップ#32)。
【0056】ステップ#21での判断がNOのときには
ステップ#22に進み、今度は負荷率がα(1.1)よ
り大きいかどうかを判断し、大きい場合には設定最低車
速であるかどうかを判断して(ステップ#33)、設定
最低車速であるときにはアクセル(ガバナー40)を開
いてから(ステップ#34)、ステップ#20に戻るの
であり、目標車速範囲を低い側に超える場合には、アク
セル(ガバナー40)の位置が開くように制御される。
設定最低車速でないときは、アクセル(ガバナー40)
が全開かどうかを判断し(ステップ#35)、全開でな
いときには、変速段を1段下げた場合のアクセル(ガバ
ナー40)の目標位置を計算する(ステップ#36)。
変速段を1段下げた状態において、目標車速範囲になる
ようなアクセル(ガバナー40)の位置を予測計算する
(負荷率が0.8以上で1.1以下となるようなアクセ
ル(ガバナー40)の目標位置を予測計算する手段も考
えられる)。
【0057】次に変速段を1段下げ(ステップ#3
7)、アクセル(ガバナー40)の位置がステップ#3
6で求められたアクセル(ガバナー40)の目標位置に
絞り操作されて(ステップ#38)、ステップ#20に
戻る。ステップ#35でアクセル(ガバナー40)の位
置が全開と判断された場合は、それ以上にアクセル位置
を開くことができないので、即座にステップ#37に進
んで変速段を1段下げる。ステップ#38においてアク
セル(ガバナー40)を目標位置に操作するのである
が、この場合はアクセル(ガバナー40)が全開のまま
であり、この状態でステップ#20に戻る。
【0058】ステップ#22で負荷率がα以下であるの
は適性な負荷率であり、最高速制御手段Fによる自動昇
降制御手段Aが成立するかどうかを判断し(ステップ#
23)、成立するときはそのままステップ#20に戻
り、成立しないときは変速段を1段下げて(ステップ#
24)、ステップ#20に戻る。
【0059】以上述べたように、最大能率車速制御モー
ドは、エンジン回転数がアクセルレバー21の操作位置
で定まる所定回転数範囲に維持されるように制御するも
のであり、所定回転数範囲において可能なまで機体9の
走行速度を速めることで、最大の耕耘作業の能率を発揮
させるものである。省エネ耕耘車速制御モードは、目標
車速範囲を設定し、目標車速範囲の機体9の走行速度を
現出させるのに足りる最低のエンジン回転数(アクセル
(ガバナー40)の位置)に制御するものであり、意図
する機体9の走行速度を必要最小限度のアクセル(ガバ
ナー40)の位置で現出させることによって、燃費及び
騒音の改善の省エネを図りながら効率良く耕耘作業を行
わせるものである。
【0060】[別実施形態]車速設定器29は変速段数
の上限と下限を設定する有段階のもの、又はHSTや摩
擦式無段変速装置における変速操作領域を設定する無段
階のものでも良い。多段ギヤ変速等の有段式の変速装置
による車速制御手段Cでは、エンジン回転数が所定回転
数範囲に入るように、「1段上げる」「1段下げる」と
言う操作が行われるが、無段変速装置の場合は、「所定
比率上げる」「所定比率下げる」と言う操作となる。デ
テント機構等を設けることにより、無段変速装置の場合
でも「1段上げる」「1段下げる」と言う操作が可能で
ある。
【0061】前述の発明の実施の形態では、耕深補正制
御手段Bはサンプリング数の少ない移動平均による第1
演算手段D1に基づいて、車速制御手段Cはサンプリン
グ数の多い移動平均による第2演算手段D2に基づいて
行われるものであるが、第1演算手段D1のサンプリン
グ数を1として(エンジン回転数の変動の生データに基
づいて)、耕深補正制御手段Bを行わせるものでも良
い。移動平均ではなく、順次求められた所定区間毎の算
術平均に基づいて行わせるものでも良い。
【0062】例えば、第1演算手段D1のみを備えて第
1及び第2演算手段D1,D2を行わせ、車速制御手段
Cが対応できないデータ変動については、制御上でカッ
トすることにより、ハンチング等の不都合なく第2演算
手段D2を行わせると言う手段も可能である。エンジン
回転数の生データの変化率と変動量とを常時検出し、所
定値以下の穏やかな変化率のときには車速制御手段Cを
作動させ、所定値以上の急激な変化率又は変動量が大き
くなった場合には、耕深補正制御手段Bを作動させるよ
うに制御する手段でも良い。
【0063】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】耕耘機の側面図
【図2】耕耘制御装置の機能系統を示すブロック図
【図3】最大能率車速制御モード、省エネ耕耘車速制御
モード及び手動操作モードの選択のフローチャートを示
す図
【図4】エンジン回転数の変動を示す図
【図5】最大能率車速制御モードのフローチャートを示
す図
【図6】最大能率車速制御モードのフローチャートを示
す図
【図7】省エネ耕耘車速制御モードのフローチャートを
示す図
【図8】省エネ耕耘車速制御モードのフローチャートを
示す図
【図9】混合制御(カバーMCオート)のフローチャー
トを示す図
【符号の説明】
8 ロータリー耕耘装置 9 機体 10 昇降駆動機構 16 後部カバー 18 カバーセンサ 19 耕深設定手段 20 回転数検出手段 24 車速調節手段 A 自動昇降制御手段 B 耕深補正制御手段 C 車速制御手段 D1 第1演算手段 D2 第2演算手段 F 最高速制御手段 a 走行用変速装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体(9)に駆動昇降自在に連結された
    ロータリー耕耘装置(8)と、前記ロータリー耕耘装置
    (8)の後部に備えられた接地追従しての上下揺動自在
    な後部カバー(16)と、前記後部カバー(16)の上
    下揺動量を検出するカバーセンサ(18)と、前記ロー
    タリー耕耘装置(8)の目標耕深を設定する耕深設定手
    段(19)とを設け、 前記カバーセンサ(18)の検出値が前記耕深設定手段
    (19)で設定された目標耕深に合致するように、前記
    ロータリー耕耘装置(8)の昇降駆動機構(10)を作
    動させる自動昇降制御手段(A)を設けると共に、 エンジン回転数を検出する回転数検出手段(20)と、
    走行用変速装置(a)を変速操作自在な車速調節手段
    (24)と、 エンジン回転数のサンプリング数が比較的少ない状態
    で、サンプリングに基づくエンジン回転数が所定の回転
    数よりも低くなると、前記耕深設定手段(19)で設定
    された目標耕深を浅い側に変更する耕深補正制御手段
    (B)と、 エンジン回転数のサンプリング数が比較的多い状態で、
    サンプリングに基づくエンジン回転数が所定の回転数よ
    りも低くなると、前記車速調節手段(24)により機体
    (9)の走行速度を遅くする車速制御手段(C)とを備
    えてある耕耘機の耕耘制御装置。
  2. 【請求項2】 機体(9)に駆動昇降自在に連結された
    ロータリー耕耘装置(8)と、前記ロータリー耕耘装置
    (8)の後部に備えられた接地追従しての上下揺動自在
    な後部カバー(16)と、前記後部カバー(16)の上
    下揺動量を検出するカバーセンサ(18)と、前記ロー
    タリー耕耘装置(8)の目標耕深を設定する耕深設定手
    段(19)とを設け、 前記カバーセンサ(18)の検出値が前記耕深設定手段
    (19)で設定された目標耕深に合致するように、前記
    ロータリー耕耘装置(8)の昇降駆動機構(10)を作
    動させる自動昇降制御手段(A)を設けると共に、 エンジン回転数を検出する回転数検出手段(20)と、
    走行用変速装置(a)を変速操作自在な車速調節手段
    (24)と、前記回転数検出手段(20)による検出値
    のサンプリング数が比較的少ない状態でエンジン回転数
    の平均を求める第1演算手段(D1)と、前記回転数検
    出手段(20)による検出値のサンプリング数が比較的
    多い状態でエンジン回転数の平均を求める第2演算手段
    (D2)とを設け、 前記第1演算手段(D1)の演算結果に基づいてエンジ
    ン回転数が所定の回転数よりも低くなると、前記耕深設
    定手段(19)で設定された目標耕深を浅い側に変更す
    る耕深補正制御手段(B)と、 前記第2演算手段(D2)の演算結果に基づいてエンジ
    ン回転数が所定の回転数よりも低くなると、前記車速調
    節手段(24)により機体(9)の走行速度を遅くする
    車速制御手段(C)とを備えてある耕耘機の耕耘制御装
    置。
  3. 【請求項3】 エンジン回転数が所定の回転数よりも高
    くなると、前記耕深設定手段(19)で設定された目標
    耕深を深い側に変更するように、前記耕深補正制御手段
    (B)を構成してある請求項1又は2に記載の耕耘機の
    耕耘制御装置。
  4. 【請求項4】 エンジン回転数が所定の回転数よりも高
    くなると、前記車速調節手段(24)により機体(9)
    の走行速度を速くするように、前記車速制御手段(C)
    を構成してある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記
    載の耕耘機の耕耘制御装置。
  5. 【請求項5】 前記車速調節手段(24)によって機体
    (9)の走行速度が変更された後に、前記カバーセンサ
    (18)の検出値が目標耕深に合致しなくなると、機体
    (9)の走行速度を遅くするように前記車速制御手段
    (C)と前記自動昇降制御手段(A)とを連係する最高
    速制御手段(F)を備えてある請求項1〜4のうちのい
    ずれか一つに記載の耕耘機の耕耘制御装置。
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