JP2000180167A - 墨出し装置用昇降装置 - Google Patents

墨出し装置用昇降装置

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JP2000180167A
JP2000180167A JP10375415A JP37541598A JP2000180167A JP 2000180167 A JP2000180167 A JP 2000180167A JP 10375415 A JP10375415 A JP 10375415A JP 37541598 A JP37541598 A JP 37541598A JP 2000180167 A JP2000180167 A JP 2000180167A
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driving
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統二郎 濱砂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基面81の所望の位置に設定され、レーザ式
の墨出し装置99を搭載してこれを昇降させ、所望の高
さに保持する装置の提供。 【解決手段】 墨出し装置用昇降装置1は、ポール10
と、ポール10を直立させる支持機構20と、墨出し装
置99を搭載する搭載具30と、搭載具30をポール1
0に沿って昇降させる駆動機構40と、駆動機構40を
制御する電源・制御部50を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ式の墨出し
装置99を高所で位置決めするための昇降装置の改善に
関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ式墨出し装置99は、かつての墨
糸による墨出し具に代わって広く活用されるようになっ
た。例えば、水平センサを備えて水平姿勢を維持し、鉛
直下方を照らす1条のレーザ光線を備えて、これが基面
81に定めた1点Pを照射するように該装置99を配置
すれば、その点Pを通る2つの直交鉛直面と、該装置9
9が置かれた高さの水平面と、の3平面に可視レーザ光
線を放射することができる。レーザ光線を赤色とすれ
ば、天井や床、壁面に、上記の直交3平面による切断面
の切り口が赤い線となって映し出される。墨糸のような
痕跡を残さないので、消去の必要がなく、照射しながら
所要の位置にマークを記すようにして活用される。投影
される線幅は至近距離で1mm、15m程度の距離で4
〜5mmに拡大する。これが1地点からの照射による作
業範囲の限度である。これは通常のビルの間仕切りや、
照明・空調機器・コンセントの取付位置、基面・窓枠の
水平出し等々のためには十分な精度である。一例とし
て、発電所におけるケーブル棚の敷設工事のように長尺
区間に及ぶ場合でも、前後に合計30m程度の範囲を1
単位として墨出し装置99を順次移動し、線幅の中心を
繋ぎながら延長することによって十分な精度の墨出し機
能が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、問題は、例え
ば上記ケーブル棚が、天井周辺の高所に設けられる場合
である。特に発電所等においては通常のビルとは違って
天井が高く、高所の壁面に水平線を投影するには、基面
81から5m程度の高所に墨出し装置99を搬送し、静
止させる必要がある。しかも、1mmの桁の位置合わせ
のために、悪くても目標位置の前後に微小送りを繰り返
し、その都度、速やかに静止させて投影線の揺れを防ぐ
必要がある。市場には、通常のビルにおける場合のため
に、先端に墨出し装置99を設置して、ポールを手動で
伸縮・固定するものがある。しかし、それはポールの長
さが不足していて上記の目的を達せられない。しかも、
ポールの伸縮の調整と投影部での位置確認とのために、
2人一組の作業を前提としている、などの難点があっ
た。本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、5m
規模の高さの壁面に水平線を投影する場合について、投
影線の位置決めの操作性、すなわち、振動や揺れを伴う
ことなく敏速に、精度良く位置決めが可能で、かつ一人
作業による位置決め操作、及び分解・組立を狙いとする
信頼性に優れた墨出し装置用昇降装置を提供しようとす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に記載
の発明は、ポール10と、ポール10を床面等の基面8
1上の所望の位置へ移動自在に直立させる支持機構20
と、可視レーザ光線を放出するレーザ式墨出し装置99
が搭載され、ポール10の外周に保持されてその軸線方
向に移動自在に支持される搭載具30と、搭載具30を
ポール10の軸線に沿って昇降させる駆動機構40と、
駆動機構40を制御する電源・制御部50と、を備え、
その搭載具30を介してレーザ式墨出し装置99が昇降
され、それが所望の高さに停止して保持されるように構
成された墨出し装置用昇降装置である。
【0005】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、断面外周が円形で、長手方向の先端に継手または嵌
合付きネジ機構12を介して複数のエレメントポール1
1を順次、直列に接続してポール10が構成される墨出
し装置用昇降装置である。
【0006】請求項3に記載の発明は、請求項1におい
て、前記搭載具30は、ポール10の外周を複数の方向
から中心に向かって押圧する複数のポール拘束用のロー
ラ42を備え、前記駆動機構40は、ポール10の外周
に押圧する駆動ローラ42aと、可逆回転する駆動用モ
ータ41とを備え、その駆動モータ41の回転軸に前記
駆動ローラ42aが連結された墨出し装置用昇降装置で
ある。
【0007】請求項4に記載の発明は、請求項1におい
て、支持機構20が、ポール10の下端部外周を支持す
るポール支持部と、そのポール支持部から放射方向に且
つ下方へ伸縮自在に伸びて夫々の先端が接地する三脚2
2と、を具備し、そのポール10の下端が座板21aを
介して接地するように構成された墨出し装置用昇降装置
である。
【0008】請求項5に記載の発明は、請求項1におい
て、支持機構20は、上端にポール10が直列に接続さ
れると共に、下端に接地用の座板21aが設けられた支
柱21と、その支柱21の中間部以上の外周に取付られ
るかなめ材23に、放射方向へ夫々の定尺脚25の一端
が回動自在に連結されて、長手方向に伸縮自在に形成さ
れた三脚22と、そのかなめ材23の下方に位置し、支
柱21の中間部以下に上下動自在に挿通される摺動ブロ
ック24と、その摺動ブロック24に一端が軸支され、
他端が前記三脚22の各定尺脚25に軸支されたリンク
27と、を具備し、その支柱21が墨出し装置99その
他の重量及び昇降に伴う鉛直方向の反力を支持し、三脚
22が転倒モーメントを支持することを特徴とする墨出
し装置用昇降装置である。
【0009】請求項6に記載の発明は、前記駆動モータ
41が電動モータである墨出し装置用昇降装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項3において、ポール1
0の軸線方向に離間する少なくとも2つの位置で、各位
置ごとにそのポール10の外周に放射状に三方向から三
つのローラ42が圧接されてポール10を抱持し、それ
ら合計六つのローラの内少なくとも一つが駆動ローラ4
2aを構成し、その駆動ローラ42aが駆動モータ41
に連結された墨出し装置用昇降装置である。請求項8の
発明は、請求項1において、電源・制御部50が、墨出
し装置99の移動範囲おいて可搬、又は遠隔の入力手段
51を備えたことを特徴とする墨出し装置用昇降装置で
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
により説明する。図1は本発明の墨出し装置用昇降装置
の1例を示す側面図、図2はその搭載具30の正面図、
図3は同平面図、図4はポール10の接続構造の1例を
示す断面図、図5は支持機構20の三脚22が開脚状態
にある場合を示す側面図で、三脚22の2脚の図示が省
略されている。図6は支持機構20の三脚22が閉脚状
態にある場合を示す側面図、図7はポール10に対する
と墨出し装置99、駆動ローラ42a及び補助ローラ4
2bの相対位置を示して、駆動ローラ42aの作用を説
明する説明図である。図1において墨出し装置用昇降装
置1は、ポール10と、墨出し装置99ほかを支持する
支持機構20と、墨出し装置99を搭載する搭載具30
と、目的とする墨出し装置99を昇降させる駆動機構4
0と、駆動機構40を制御する電源・制御部50と、可
搬の入力手段51と、を備えている。
【0011】ポール10は、図4に示すように、両端に
嵌合付きネジ機構12を備えたエレメントポール11が
複数直列に接続されて構成される。そのポール10の上
端にはストッパ4が設けられ、搭載具30の上昇の上限
を定めている。そのポール10の支持機構20の概要は
図5に示す。支持機構20は、支柱21と、三脚22と
の4脚を有する。支柱21はその上端に内ネジが形成さ
れ、そこにポール10の下端の外ネジが螺着される。こ
の支柱21は、ポールの下端部で代用することもでき
る。
【0012】支柱21とポールとの接続構造はエレメン
トポールどうしを接続する図4と同じである。また、支
柱21の下端には座板21aがもうけられている。三脚
22は、支柱21の上端に固定されたかなめ材23と、
支柱21を挿通させてこれを摺動する摺動グロック24
とを有する。かなめ材23にはその軸心を含み、軸心回
りに三等分された各位置に定尺脚25の上端がピン28
aにより軸支され、夫々の定尺脚25の下端にリンク2
7の一端がピン28bにより軸支され、そのリンク27
の他端が摺動ブロック24にピン28cにより軸支され
ている。また、定尺脚25内には伸縮脚26がロックネ
ジ26aを介して出入自在に挿入されている。そして、
摺動ブロック24を可動範囲の最下端に摺動させ、開脚
ナット20bを支柱21に設けられた開脚ネジ20aに
締結すれば、三脚22の第1次の開脚が終了する。定尺
脚25は、前記の如く、伸縮脚26と、これを所望の長
さで固定するためのロックネジ26aとを備える。図6
にこの支持機構20の閉脚状態を示し、搬送の便に供す
る。
【0013】次に、駆動機構40は、図2、図3に示す
如く、墨出し装置99を搭載する搭載具30と一体化さ
れている。即ち、搭載具30の搭載フレーム30aと駆
動フレーム30bとが一体に固定されている。その駆動
フレーム30bは板材がコ字状に曲折され、その開口端
にヒンジ2およびクランプ3を介して開閉フレーム30
cが開閉自在に取付られている。そして、その駆動フレ
ーム30bに駆動機構40が設けられている。さらに、
その駆動フレーム30b、開閉フレーム30cには図
3、図7に示す如く、上下方向にh離間した夫々の位置
に三つのローラ42が放射状に三方向からポール10を
圧接するように配置されている。
【0014】そして合計6つのローラ42によりポール
10を抱持している。いずれも回転面の中心がポール1
0の軸心を向く姿勢を有する。その下側のローラ42の
1つは、電動の駆動モータ41に連結される駆動ローラ
42aで、その他は単なる補助ローラ42bである。ま
た、駆動機構40は、ウォームとウォームホイールとで
構成された減速機構43を備える。なお、前記の如く、
ローラ42を囲むフレームは「コ」の字型の2片のフレ
ーム部材でヒンジ2により開閉自在に軸支され、その開
閉フレーム30cを閉じ、クランプ3を締結することに
より、6個のローラ42がポール10の外周を圧接抱持
する構造となっている。この駆動フレーム30bの上端
および開閉フレーム30cの下端には夫々リミットスイ
ッチ5が設けられ、搭載具30の昇降範囲を特定する。
【0015】いっぽう、ポール10に沿う昇降の主体は
墨出し装置99である。その墨出し装置99としては、
市販の可視レーザ式墨出し装置を用いることができる。
一例としてニッショー株式会社から市販されているロボ
ラインシリーズRL−VHを使用できる。この墨出し装
置は可視光半導体レーザ光線をライン状に照射し、水平
・垂直の両方向の墨出しを一度に行うことができる。ま
た、内蔵されたセンサーにより装置の傾き状態を検出
し、マイコン制御により±5°までその姿勢を自動的に
復帰補正することができる。この墨出し装置99は搭載
フレーム30aに固定され、その重心はポール10の軸
心と、駆動ローラ42aの回転面の中心と、を含む平面
内に配置され、該重心の直下に三脚22の1脚が配置さ
れる。
【0016】電源・制御部50は、墨出し装置99と、
駆動機構40のための電源・制御部であって、駆動機構
40のための可搬の入力手段51を備える。ここで、可
搬の入力手段51とは、墨出し装置99が投影するレー
ザ光線の線幅が距離とともに拡大して、例えば、精度
上、15mの距離が限界とすれば、少なくともその位置
から、駆動機構40を操作できる可搬の手段を意味す
る。ケーブル52の有無は問わない。
【0017】次に、図1〜図7を参照して上記墨出し装
置用昇降装置1の作用を作業手順に沿って説明する。支
持機構20を、閉脚状態のまま座板21aによって自立
させ、摺動ブロック24を座板21aに接触するまで降
下させ、開脚ナット20bを締結する。次に支柱21の
鉛直性を確認しながら、伸縮脚26を引き出して基面8
1に当て、ロックネジ26aで固定することにより、簡
単な操作で支持機構20の設置を完了できる。なお、支
持機構20の特徴は、支柱21と三脚22との4脚によ
って支持する所にある。その作用については支持機構2
0に働く力を詳しく記してから説明する。
【0018】同一直径のエレメントポール11は、図4
に示す、両端の嵌合付きネジ機構12によって順次、螺
着接続され、形成されたポール10が支持機構20に立
設される。ポール10の高さは、必要に応じてエレメン
トポール11の長さを選び、或いは接続数を変えて、所
要の作業高さに対応させることができる。最上段のエレ
メントポールの上端には、図2に示す、ストッパ4が取
付られる。嵌合付きネジ機構12は、同心で段差がな
く、真直性ある緊密な接続を実現する。これは駆動機構
40の昇降に際して振動を生じさせない。また、ポール
10は全長にわたり同径である。従って、ポール10を
支持機構20に直立させ、最下部で駆動機構40を装着
した後、駆動機構40を作動させて上昇させることがで
きる。これも組立作業を容易にしている。
【0019】昇降部一式がポール10の軸心まわりに有
する偏心重量の重心位置は、墨出し装置99の重心位置
にほぼ等しい。そして、墨出し装置99は三脚22の先
端が囲む円形内に配置される。ポール10の鉛直性は、
墨出し装置99自体がその姿勢の自動調整機能を有する
から厳密な配慮を必要としない。但し、ポール10の転
倒防止のために、最初の上昇時に墨出し装置99が有す
る直下点への照射機能を利用して、鉛直性が確認され
る。必要があれば、伸縮脚26によって姿勢が修正され
る。
【0020】次に、駆動モータ41による駆動機構40
の作用について説明する。ポール10に沿って墨出し装
置99を昇降させるには、駆動機構40の構成の方法に
より、例えば国旗掲揚のような手動方式も可能である。
しかし、一人作業や作業負担の軽減を目標とすれば、動
力による駆動方式が不可欠である。動力源には油・空圧
や電力があり、特に発電所では、圧縮空気や電源の入手
に不自由はない。しかし、駆動モータ41を電動とする
駆動方式は、墨出し作業の準備を含む作業性、機構の制
御性においてより優れ、最も安定した技術のもとに信頼
性の高い、低廉な駆動機構40を構成できる。
【0021】駆動機構40は、墨出し装置99を搭載し
て上下に始動し、搬送、停止、或いは、上下に微小送り
を繰り返して設定位置を定める。少なくとも停止の都
度、微細な揺れを速やかに減衰させ、レーザ光の投影線
を安定させる必要がある。ここでは、図7ほかを参照し
て、駆動機構40に働く力の概要を説明する。ポール1
0を昇降する搭載具30、駆動機構40、墨出し装置9
9等は、夫々質量を有し、夫々に重力が働く。いっぽ
う、駆動モータ41からトルクを受けた駆動ローラ42
aは、ポール10との接点で、ポール10の母線の向き
に摩擦力を受ける。これが駆動力である。駆動力は、一
般にその作用線が上記昇降部一式の重心を通らないか
ら、昇降部一式を回転させる。
【0022】回転させまいとするローラ42は、偶力を
形成して、ポール10に垂直抗力を及ぼす。これが転倒
力である。中でも駆動ローラ42aには、正確に垂直抗
力が働く。この垂直抗力は、ポール10とローラ42と
の間にあらかじめ与えられた締め代による垂直抗力に加
算され、駆動力の容量を増強する。既に述べたように、
駆動力の本質は摩擦力である。摩擦力は摩擦係数μと垂
直抗力とに依存する。駆動モータ41が稼働時の駆動力
と、停止時の制動力とは、作用は逆であるが本質は同一
である。これらの関係は、次のように整理される。
【0023】昇降部一式を加速度αで上昇させる場合の
所要の駆動力Fと、ポール10が駆動ローラ42aに及
ぼす摩擦力fと、の間に次の関係が成り立つ。すなわ
ち、 F=f (1) F=(M+m)(α+g) (2) f≦μ〔N+M(α+g)R/h〕 (3) ここで、昇降部一式に作用する力F、fの向きは上方を
正で表す。Mは図7において、昇降部一式の質量のう
ち、墨出し装置99に代表されるポール10と駆動ロー
ラ42aとの接点まわりの偏心部の質量、mは接点回り
の対称部の質量である。αは上昇向きを正とする昇降部
の加速度、gは重力の加速度、μはポール10と駆動ロ
ーラ42aとの摩擦係数、Nは駆動ローラ42aとポー
ル10との間にあらかじめ与えられた垂直抗力、Rは駆
動ローラ42aの配置によって図示のR1、R2のいず
れかで、ポール10と駆動ローラ42aとの接点と偏心
部の質量の重心との水平距離、hは駆動ローラ42aと
補助ローラ42bの鉛直距離である。
【0024】上記の3式から、上向きの加速度を正とす
る加速度αの運動においては、 (M+m)(α+g)≦μ〔N+M(α+g)R/h〕 (4) が成立つ。以下、(4)式と図7において、α>0の場
合には、偏心部の質量Mによる力のモーメントは反時計
方向に作用して、イ、ハの位置のローラ42が右辺第2
項に示す正の垂直抗力を受ける。α=0の静止状態にお
いては状態は変わらず、更に、0>α>−gにおいても
右辺第2項の絶対値は次第に小さくなるが同様に正であ
る。しかし、α≦−gの場合には、右辺第2項は負とな
り、イ、ハの位置に設けられた駆動ローラ42aは、偏
心部の質量Mによる垂直抗力を、すなわち駆動力や制動
力に利用することはできない。この場合には、駆動ロー
ラ42aをロ、又はニの位置に配置することによって駆
動力、制動力を得ることができる。
【0025】現実の昇降加速度αは、レーザ光線を15
mの距離に投影して1mmの昇降を制御するために、−
g<α<gの範囲の、小さな絶対値に設定する必要があ
る。したがって、駆動ローラ42aは、図7の(b)
(c)に示すイ、又はハの位置に設けられる。この場
合、加速度の作用には4つの状態がある。α>0上昇開
始と下降停止、α<0の上昇停止と下降開始時である。
いずれの場合にも加速度の絶対値が等しいとすれば、駆
動力、制動力の大きさは、上昇開始、下降停止時におい
て、より大きく、下降開始、上昇停止時には、より小さ
い。しかし、右辺第2項の垂直抗力は常に有効に利用さ
れる。
【0026】イ、ハの位置によるR、すなわちR1、R
2の違いの効果は、現実には、図示したほど大きくはな
い。加速度が変化したときの偏心質量Mに起因する昇降
部の回転運動の中心は、駆動ローラ42aの接点で始ま
る。しかし、直ちにイ、ハの各接点の中点に移動して、
2つのローラ42に均等に垂直抗力が作用するからであ
る。Rの大小は、駆動ローラ42aを、ポール10の軸
心に対して偏心質量M側と、反対側とのいずれに置く
か、によって決まる。また、駆動ローラ42aと補助ロ
ーラ42bとの直径比が大きいほど影響が大きい。Rが
大きければ、より大きな垂直抗力が働き、駆動力や制動
力の容量を高めることができる。
【0027】hは、(4)式から明らかなように、垂直
抗力を低下させる。垂直抗力が過大であれば、加速度α
の大きさに従って、ローラ42やその支持構造が変形す
る。変形は振動の原因となるから、M、m、α、R、
h、N、μ、およびローラ材質を含む機構の剛性は、全
体としてのバランスを必要とする。いっぽう、ポール1
0の軸心と偏心質量Mの重心と、の水平距離Lは、構造
上ローラ42の直径の大きさに影響され、ポール10に
作用する曲げモーメントの大きさを定める。曲げモーメ
ントが大きければ、ポール10の撓みはそれだけ大き
く、振動の原因を構成する。この意味では、Lを極力小
さくすることが望ましく、実施例では(c)の構成が採
用されている。
【0028】駆動機構40の始動・停止に伴う振動は、
作用する力の大きさが変わることによる弾性変形に起因
する。この意味で、本墨出し装置用昇降装置1には、各
種の力に忠実に対応する構造が採用され、剛性を高めつ
つ軽量化が図られている。特にローラ42には、摩擦係
数と剛性とを兼ね備えた素材が選択されている。
【0029】支柱21と三脚22と、による4脚の支持
構造は、伸縮脚26の設定に注意を怠ると1脚が浮き、
不安定支持の可能性を残す。しかし、慎重な設定によっ
て独特の効果を得ることができる。一般に、支柱構造は
引張り・圧縮荷重に対して剛性が高い。一方、三脚構造
は曲げモーメントが作用して撓みを生じやすく、附属の
可動機構で、様々な変位を伴いやすい。然るに、支持機
構20の支柱21は、ポール10に沿って働く鉛直方向
の力Fを座板21aを通じて直接、基面81に伝える。
三脚22は、残りの、偏心質量Mによってイ、ハのロー
ラ42に作用する転倒力に対処すればよい。単独の三脚
に比べて、三脚22の負担は著しく軽減されている。す
なわち、支柱21と三脚22とは、それぞれ変位・変形
に対して得意とする荷重を分担して支持し、支持機構2
0全体としての変形・変位を低減し、振動の原因を極
力、排除している。
【0030】壁面のマークに新たなレーザ光の投影線を
一致させる作業において、不一致量と操作方向と、を確
認して合図を送る者と、15m離れた位置で、合図に従
って墨出し装置用昇降装置1を操作する者と、の二人作
業より、確認と操作とを一人でできる方が遥かに手際が
良く能率的である。それには、墨出し装置99の作業範
囲で制御が可能な、可搬、又は遠隔の入力手段51を備
えることは必要不可欠である。それにより一人作業を実
現し、使いやすい墨出し装置用昇降装置1を提供するこ
とができる。なお、本実施例では、墨出し装置99を上
下に大きく搬送する場合と、設定位置の前後に微少送り
を行い、マークに投影線を合わせる場合と、のために2
速度の制御ができるように構成されている。最終的な位
置合わせに振動を伴わせないためである。
【0031】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の墨出し装
置用昇降装置は、基面81の所望の位置に設定され、墨
出し装置99を搭載してこれを昇降させ、所望の高さに
保持するものであって、ポール10と、ポール10を直
立させる支持機構20と、墨出し装置99を搭載する搭
載具30と、搭載具30をポール10に沿って昇降させ
る駆動機構40と、駆動機構40を制御する電源・制御
部50と、を備えているので、これにより、墨出し装置
99を、高所に、素早く搬送し、レーザ光を目標位置に
能率的に投影することができる。
【0032】請求項2に記載の墨出し装置用昇降装置
は、円形断面を有し、長手方向の先端に継手または嵌合
付きネジ機構12を備えたエレメントポール11が順
次、直列に接続されたポール10を備えたので、廉価・
軽量で剛性が高く、振動を生じ難いものを提供できる。
請求項3に記載の墨出し装置用昇降装置によれば、搭載
具30をポール10に合理的に支持させた状態で、その
昇降動作を円滑に行なえる。請求項4項に記載の墨出し
装置用昇降装置によれば、ポール下端が座板21aを介
して接地され、それと三脚22との四脚により支持機構
20を構成するから、ポール10および昇降装置の荷重
を合理的に支持して、昇降部の昇降に伴う振動を徹底し
て抑制し、レーザ光の微細な位置合わせの容易なものを
提供できる。
【0033】また請求項5に記載の発明は、支柱21と
三脚22と、の4脚を備えた支持機構20を有すること
を特徴とする。その支柱21の上端にポールが接続され
るように構成したから、それらの組立、分解が容易で取
扱いやすい墨出し装置用昇降装置となる。請求項6に記
載の墨出し装置用昇降装置は、駆動機構40の駆動モー
タ41が電動モータであるので、小型で強力な、しかも
制御性が良く、かつ低廉な駆動機構40を備えたものを
提供できる。
【0034】請求項7に記載の墨出し装置用昇降装置
は、駆動機構40が、駆動モータ41により駆動される
1個の駆動ローラ42aと、5個の補助ローラ42bに
よってポール10を上下二箇所の離間位置で把持するか
ら、昇降駆動が円滑に行なえ、転倒の恐れのない、しか
も振動が抑制された機能的、経済的なものを提供でき
る。請求項8に記載の墨出し装置用昇降装置は、墨出し
装置99の移動範囲で可搬または遠隔の入力手段51を
備えたことを特徴とする。これは一人作業の実現のため
の各種の配慮に加え、決定的な手段を備えたもので、電
源・制御部50から離れ、墨出し作業の作業位置から駆
動機構40を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の墨出し装置用昇降装置の1例を示す側
面図。
【図2】同墨出し装置用昇降装置の搭載具30の正面
図。
【図3】同平面図。
【図4】本発明の墨出し装置用昇降装置のポール10の
接続構造の1例を示す断面図。
【図5】本発明の墨出し装置用昇降装置の支持機構20
の三脚22が開脚状態にある場合を示す側面図で、三脚
22の2脚の図示が省略されている。
【図6】同支持機構20の三脚22が閉脚状態にある場
合を示す側面図。
【図7】本発明の墨出し装置用昇降装置のポール10に
対する墨出し装置99、駆動ローラ42a及び補助ロー
ラ42bの相対位置を示して、駆動ローラ42aの作用
を説明する説明図。
【符号の説明】
1 墨出し装置用昇降装置 2 ヒンジ 3 クランプ 4 ストッパ 5 リミットスイッチ 10 ポール 11 エレメントポール 12 嵌合付きネジ機構 20 支持機構 20a 開脚ネジ 20b 開脚ナット 21 支柱 21a 座板 22 三脚 23 かなめ材 24 摺動ブロック 25 定尺脚 26 伸縮脚 26a 伸縮ネジ 27 リンク 28a ピン 28b ピン 28c ピン 30 搭載具 30a 搭載フレーム 30b 駆動フレーム 30c 開閉フレーム 40 駆動機構 41 駆動モータ 42 ローラ 42a 駆動ローラ 42b 補助ローラ 43 減速機構 50 電源・制御部 51 可搬の入力手段 52 ケーブル 81 基面 99 墨出し装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポール10と、 ポール10を床面等の基面81上の所望の位置へ移動自
    在に直立させる支持機構20と、 可視レーザ光線を放出するレーザ式墨出し装置99が搭
    載され、ポール10の外周に保持されて、その軸線方向
    に移動自在に支持される搭載具30と、 搭載具30をポール10の軸線に沿って昇降させる駆動
    機構40と、 駆動機構40を制御する電源・制御部50と、を備え、
    その搭載具30を介してレーザ式墨出し装置99が昇降
    され、それが所望の高さに停止して保持されるように構
    成された墨出し装置用昇降装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 断面外周が円形で、長手方向の先端に継手または嵌合付
    きネジ機構12を介して複数のエレメントポール11を
    順次、直列に接続してポール10が構成される墨出し装
    置用昇降装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記搭載具30は、ポール10の外周を複数の方向から
    中心に向かって押圧する複数のポール拘束用のローラ4
    2を備え、 前記駆動機構40は、ポール10の外周に押圧する駆動
    ローラ42aと、可逆回転する駆動用モータ41とを備
    え、その駆動モータ41の回転軸に前記駆動ローラ42
    aが連結された墨出し装置用昇降装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 支持機構20が、ポール10の下端部外周を支持するポ
    ール支持部と、そのポール支持部から放射方向に且つ下
    方へ伸縮自在に伸びて夫々の先端が接地する三脚22
    と、を具備し、 そのポール10の下端が座板21aを介して接地するよ
    うに構成された墨出し装置用昇降装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 支持機構20は、 上端にポール10が直列に接続されると共に、下端に接
    地用の座板21aが設けられた支柱21と、 その支柱21の中間部以上の外周に取付られるかなめ材
    23に、放射方向へ夫々の定尺脚25の一端が回動自在
    に連結されて、長手方向に伸縮自在に形成された三脚2
    2と、 そのかなめ材23の下方に位置し、支柱21の中間部以
    下に上下動自在に挿通される摺動ブロック24と、 その摺動ブロック24に一端が軸支され、他端が前記三
    脚22の各定尺脚25に軸支されたリンク27と、を具
    備し、 その支柱21が墨出し装置99その他の重量及び昇降に
    伴う鉛直方向の反力を支持し、三脚22が転倒モーメン
    トを支持することを特徴とする墨出し装置用昇降装置。
  6. 【請求項6】 請求項3において、 前記駆動モータ41が電動モータである墨出し装置用昇
    降装置。
  7. 【請求項7】 請求項3において、 ポール10の軸線方向に離間する少なくとも2つの位置
    で、各位置ごとにそのポール10の外周に放射状に三方
    向から三つのローラ42が圧接されてポール10を抱持
    し、それら合計六つのローラの内少なくとも一つが駆動
    ローラ42aを構成し、その駆動ローラ42aが駆動モ
    ータ41に連結された墨出し装置用昇降装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、 電源・制御部50が、墨出し装置99の移動範囲おいて
    可搬、又は遠隔の入力手段51を備えたことを特徴とす
    る墨出し装置用昇降装置。
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