JP4072659B2 - 昇降装置を有する墨出し装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ式の墨出し装置99を高所で位置決めするための昇降装置を有する墨出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ式墨出し装置99は、かつての墨糸による墨出し具に代わって広く活用されるようになった。例えば、水平センサを備えて水平姿勢を維持し、鉛直下方を照らす1条のレーザ光線を備えて、これが基面81に定めた1点Pを照射するように該装置99を配置すれば、その点Pを通る2つの直交鉛直面と、該装置99が置かれた高さの水平面と、の3平面に可視レーザ光線を放射することができる。レーザ光線を赤色とすれば、天井や床、壁面に、上記の直交3平面による切断面の切り口が赤い線となって映し出される。墨糸のような痕跡を残さないので、消去の必要がなく、照射しながら所要の位置にマークを記すようにして活用される。
投影される線幅は至近距離で1mm、15m程度の距離で4〜5mmに拡大する。これが1地点からの照射による作業範囲の限度である。これは通常のビルの間仕切りや、照明・空調機器・コンセントの取付位置、基面・窓枠の水平出し等々のためには十分な精度である。一例として、発電所におけるケーブル棚の敷設工事のように長尺区間に及ぶ場合でも、前後に合計30m程度の範囲を1単位として墨出し装置99を順次移動し、線幅の中心を繋ぎながら延長することによって十分な精度の墨出し機能が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、問題は、例えば上記ケーブル棚が、天井周辺の高所に設けられる場合である。特に発電所等においては通常のビルとは違って天井が高く、高所の壁面に水平線を投影するには、基面81から5m程度の高所に墨出し装置99を搬送し、静止させる必要がある。しかも、1mmの桁の位置合わせのために、悪くても目標位置の前後に微小送りを繰り返し、その都度、速やかに静止させて投影線の揺れを防ぐ必要がある。
市場には、通常のビルにおける場合のために、先端に墨出し装置99を設置して、ポールを手動で伸縮・固定するものがある。しかし、それはポールの長さが不足していて上記の目的を達せられない。しかも、ポールの伸縮の調整と投影部での位置確認とのために、2人一組の作業を前提としている、などの難点があった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、5m規模の高さの壁面に水平線を投影する場合について、投影線の位置決めの操作性、すなわち、振動や揺れを伴うことなく敏速に、精度良く位置決めが可能で、かつ一人作業による位置決め操作、及び分解・組立を狙いとする信頼性に優れた昇降装置を有する墨出し装置を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち請求項1に記載の発明は、
可視レーザ光線を放出するレーザ式墨出し装置99と、
ポール10と、
ポール10を床面等の基面81上の所望の位置へ移動自在に直立させる支持機構20と、
前記レーザ式墨出し装置99が搭載され、ポール10の外周に保持されて、その軸線方向に移動自在に支持される搭載具30と、
搭載具30をポール10の軸線に沿って昇降させる駆動機構40と、
駆動機構40を制御する電源・制御部50と、
を備え、その搭載具30を介して前記レーザ式墨出し装置99が昇降され、それが所望の高さに停止して保持されるように構成された昇降装置を有する墨出し装置である。
【0005】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、
断面外周が円形で、長手方向の先端に継手または嵌合付きネジ機構12を介して複数のエレメントポール11を順次、直列に接続してポール10が構成される昇降装置を有する墨出し装置である。
【0006】
請求項3に記載の発明は、請求項1において、
前記搭載具30は、ポール10の外周を複数の方向から中心に向かって押圧する複数のポール拘束用のローラ42を備え、
前記駆動機構40は、ポール10の外周に押圧する駆動ローラ42aと、可逆回転する駆動用モータ41とを備え、その駆動モータ41の回転軸に前記駆動ローラ42aが連結された昇降装置を有する墨出し装置である。
【0007】
請求項4に記載の発明は、請求項1において、
支持機構20が、ポール10の下端部外周を支持するポール支持部と、そのポール支持部から放射方向に且つ下方へ伸縮自在に伸びて夫々の先端が接地する三脚22と、を具備し、
そのポール10の下端が座板21aを介して接地するように構成された昇降装置を有する墨出し装置である。
【0008】
請求項5に記載の発明は、請求項1において、
支持機構20は、
上端にポール10が直列に接続されると共に、下端に接地用の座板21aが設けられた支柱21と、
その支柱21の中間部以上の外周に取付られるかなめ材23に、放射方向へ夫々の定尺脚25の一端が回動自在に連結されて、長手方向に伸縮自在に形成された三脚22と、
そのかなめ材23の下方に位置し、支柱21の中間部以下に上下動自在に挿通される摺動ブロック24と、
その摺動ブロック24に一端が軸支され、他端が前記三脚22の各定尺脚25に軸支されたリンク27と、を具備し、
その支柱21が墨出し装置99その他の重量及び昇降に伴う鉛直方向の反力を支持し、三脚22が転倒モーメントを支持することを特徴とする昇降装置を有する墨出し装置である。
【0009】
請求項6に記載の発明は、前記駆動モータ41が電動モータである昇降装置を有する墨出し装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項3において、
ポール10の軸線方向に離間する少なくとも2つの位置で、各位置ごとにそのポール10の外周に放射状に三方向から三つのローラ42が圧接されてポール10を抱持し、それら合計六つのローラの内少なくとも一つが駆動ローラ42aを構成し、その駆動ローラ42aが駆動モータ41に連結された昇降装置を有する墨出し装置である。
請求項8の発明は、請求項1において、電源・制御部50が、墨出し装置99の移動範囲おいて可搬、又は遠隔の入力手段51を備えたことを特徴とする昇降装置を有する墨出し装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明の昇降装置を有する墨出し装置の1例を示す側面図、図2はその搭載具30の正面図、図3は同平面図、図4はポール10の接続構造の1例を示す断面図、図5は支持機構20の三脚22が開脚状態にある場合を示す側面図で、三脚22の2脚の図示が省略されている。図6は支持機構20の三脚22が閉脚状態にある場合を示す側面図、図7はポール10に対すると墨出し装置99、駆動ローラ42a及び補助ローラ42bの相対位置を示して、駆動ローラ42aの作用を説明する説明図である。図1において昇降装置1は、ポール10と、墨出し装置99ほかを支持する支持機構20と、墨出し装置99を搭載する搭載具30と、目的とする墨出し装置99を昇降させる駆動機構40と、駆動機構40を制御する電源・制御部50と、可搬の入力手段51と、を備えている。
【0011】
ポール10は、図4に示すように、両端に嵌合付きネジ機構12を備えたエレメントポール11が複数直列に接続されて構成される。そのポール10の上端にはストッパ4が設けられ、搭載具30の上昇の上限を定めている。
そのポール10の支持機構20の概要は図5に示す。支持機構20は、支柱21と、三脚22との4脚を有する。支柱21はその上端に内ネジが形成され、そこにポール10の下端の外ネジが螺着される。この支柱21は、ポールの下端部で代用することもできる。
【0012】
支柱21とポールとの接続構造はエレメントポールどうしを接続する図4と同じである。また、支柱21の下端には座板21aがもうけられている。三脚22は、支柱21の上端に固定されたかなめ材23と、支柱21を挿通させてこれを摺動する摺動グロック24とを有する。かなめ材23にはその軸心を含み、軸心回りに三等分された各位置に定尺脚25の上端がピン28aにより軸支され、夫々の定尺脚25の下端にリンク27の一端がピン28bにより軸支され、そのリンク27の他端が摺動ブロック24にピン28cにより軸支されている。また、定尺脚25内には伸縮脚26がロックネジ26aを介して出入自在に挿入されている。そして、摺動ブロック24を可動範囲の最下端に摺動させ、開脚ナット20bを支柱21に設けられた開脚ネジ20aに締結すれば、三脚22の第1次の開脚が終了する。定尺脚25は、前記の如く、伸縮脚26と、これを所望の長さで固定するためのロックネジ26aとを備える。図6にこの支持機構20の閉脚状態を示し、搬送の便に供する。
【0013】
次に、駆動機構40は、図2、図3に示す如く、墨出し装置99を搭載する搭載具30と一体化されている。即ち、搭載具30の搭載フレーム30aと駆動フレーム30bとが一体に固定されている。その駆動フレーム30bは板材がコ字状に曲折され、その開口端にヒンジ2およびクランプ3を介して開閉フレーム30cが開閉自在に取付られている。そして、その駆動フレーム30bに駆動機構40が設けられている。さらに、その駆動フレーム30b、開閉フレーム30cには図3、図7に示す如く、上下方向にh離間した夫々の位置に三つのローラ42が放射状に三方向からポール10を圧接するように配置されている。
【0014】
そして合計6つのローラ42によりポール10を抱持している。いずれも回転面の中心がポール10の軸心を向く姿勢を有する。その下側のローラ42の1つは、電動の駆動モータ41に連結される駆動ローラ42aで、その他は単なる補助ローラ42bである。また、駆動機構40は、ウォームとウォームホイールとで構成された減速機構43を備える。なお、前記の如く、ローラ42を囲むフレームは「コ」の字型の2片のフレーム部材でヒンジ2により開閉自在に軸支され、その開閉フレーム30cを閉じ、クランプ3を締結することにより、6個のローラ42がポール10の外周を圧接抱持する構造となっている。この駆動フレーム30bの上端および開閉フレーム30cの下端には夫々リミットスイッチ5が設けられ、搭載具30の昇降範囲を特定する。
【0015】
いっぽう、ポール10に沿う昇降の主体は墨出し装置99である。その墨出し装置99としては、市販の可視レーザ式墨出し装置を用いることができる。一例としてニッショー株式会社から市販されているロボラインシリーズRL−VHを使用できる。この墨出し装置は可視光半導体レーザ光線をライン状に照射し、水平・垂直の両方向の墨出しを一度に行うことができる。また、内蔵されたセンサーにより装置の傾き状態を検出し、マイコン制御により±5°までその姿勢を自動的に復帰補正することができる。
この墨出し装置99は搭載フレーム30aに固定され、その重心はポール10の軸心と、駆動ローラ42aの回転面の中心と、を含む平面内に配置され、該重心の直下に三脚22の1脚が配置される。
【0016】
電源・制御部50は、墨出し装置99と、駆動機構40のための電源・制御部であって、駆動機構40のための可搬の入力手段51を備える。ここで、可搬の入力手段51とは、墨出し装置99が投影するレーザ光線の線幅が距離とともに拡大して、例えば、精度上、15mの距離が限界とすれば、少なくともその位置から、駆動機構40を操作できる可搬の手段を意味する。ケーブル52の有無は問わない。
【0017】
次に、図1〜図7を参照して上記昇降装置1を有する墨出し装置の作用を作業手順に沿って説明する。支持機構20を、閉脚状態のまま座板21aによって自立させ、摺動ブロック24を座板21aに接触するまで降下させ、開脚ナット20bを締結する。次に支柱21の鉛直性を確認しながら、伸縮脚26を引き出して基面81に当て、ロックネジ26aで固定することにより、簡単な操作で支持機構20の設置を完了できる。なお、支持機構20の特徴は、支柱21と三脚22との4脚によって支持する所にある。その作用については支持機構20に働く力を詳しく記してから説明する。
【0018】
同一直径のエレメントポール11は、図4に示す、両端の嵌合付きネジ機構12によって順次、螺着接続され、形成されたポール10が支持機構20に立設される。ポール10の高さは、必要に応じてエレメントポール11の長さを選び、或いは接続数を変えて、所要の作業高さに対応させることができる。最上段のエレメントポールの上端には、図2に示す、ストッパ4が取付られる。
嵌合付きネジ機構12は、同心で段差がなく、真直性ある緊密な接続を実現する。これは駆動機構40の昇降に際して振動を生じさせない。また、ポール10は全長にわたり同径である。従って、ポール10を支持機構20に直立させ、最下部で駆動機構40を装着した後、駆動機構40を作動させて上昇させることができる。これも組立作業を容易にしている。
【0019】
昇降部一式がポール10の軸心まわりに有する偏心重量の重心位置は、墨出し装置99の重心位置にほぼ等しい。そして、墨出し装置99は三脚22の先端が囲む円形内に配置される。
ポール10の鉛直性は、墨出し装置99自体がその姿勢の自動調整機能を有するから厳密な配慮を必要としない。但し、ポール10の転倒防止のために、最初の上昇時に墨出し装置99が有する直下点への照射機能を利用して、鉛直性が確認される。必要があれば、伸縮脚26によって姿勢が修正される。
【0020】
次に、駆動モータ41による駆動機構40の作用について説明する。
ポール10に沿って墨出し装置99を昇降させるには、駆動機構40の構成の方法により、例えば国旗掲揚のような手動方式も可能である。しかし、一人作業や作業負担の軽減を目標とすれば、動力による駆動方式が不可欠である。
動力源には油・空圧や電力があり、特に発電所では、圧縮空気や電源の入手に不自由はない。しかし、駆動モータ41を電動とする駆動方式は、墨出し作業の準備を含む作業性、機構の制御性においてより優れ、最も安定した技術のもとに信頼性の高い、低廉な駆動機構40を構成できる。
【0021】
駆動機構40は、墨出し装置99を搭載して上下に始動し、搬送、停止、或いは、上下に微小送りを繰り返して設定位置を定める。少なくとも停止の都度、微細な揺れを速やかに減衰させ、レーザ光の投影線を安定させる必要がある。ここでは、図7ほかを参照して、駆動機構40に働く力の概要を説明する。
ポール10を昇降する搭載具30、駆動機構40、墨出し装置99等は、夫々質量を有し、夫々に重力が働く。いっぽう、駆動モータ41からトルクを受けた駆動ローラ42aは、ポール10との接点で、ポール10の母線の向きに摩擦力を受ける。これが駆動力である。駆動力は、一般にその作用線が上記昇降部一式の重心を通らないから、昇降部一式を回転させる。
【0022】
回転させまいとするローラ42は、偶力を形成して、ポール10に垂直抗力を及ぼす。これが転倒力である。中でも駆動ローラ42aには、正確に垂直抗力が働く。この垂直抗力は、ポール10とローラ42との間にあらかじめ与えられた締め代による垂直抗力に加算され、駆動力の容量を増強する。
既に述べたように、駆動力の本質は摩擦力である。摩擦力は摩擦係数μと垂直抗力とに依存する。駆動モータ41が稼働時の駆動力と、停止時の制動力とは、作用は逆であるが本質は同一である。これらの関係は、次のように整理される。
【0023】
昇降部一式を加速度αで上昇させる場合の所要の駆動力Fと、ポール10が駆動ローラ42aに及ぼす摩擦力fと、の間に次の関係が成り立つ。すなわち、
F=f (1)
F=(M+m)(α+g) (2)
f≦μ〔N+M(α+g)R/h〕 (3)
ここで、昇降部一式に作用する力F、fの向きは上方を正で表す。Mは図7において、昇降部一式の質量のうち、墨出し装置99に代表されるポール10と駆動ローラ42aとの接点まわりの偏心部の質量、mは接点回りの対称部の質量である。αは上昇向きを正とする昇降部の加速度、gは重力の加速度、μはポール10と駆動ローラ42aとの摩擦係数、Nは駆動ローラ42aとポール10との間にあらかじめ与えられた垂直抗力、Rは駆動ローラ42aの配置によって図示のR1、R2のいずれかで、ポール10と駆動ローラ42aとの接点と偏心部の質量の重心との水平距離、hは駆動ローラ42aと補助ローラ42bの鉛直距離である。
【0024】
上記の3式から、上向きの加速度を正とする加速度αの運動においては、
(M+m)(α+g)≦μ〔N+M(α+g)R/h〕 (4)
が成立つ。以下、(4)式と図7において、
α>0の場合には、偏心部の質量Mによる力のモーメントは反時計方向に作用して、イ、ハの位置のローラ42が右辺第2項に示す正の垂直抗力を受ける。
α=0の静止状態においては状態は変わらず、更に、0>α>−gにおいても右辺第2項の絶対値は次第に小さくなるが同様に正である。しかし、
α≦−gの場合には、右辺第2項は負となり、イ、ハの位置に設けられた駆動ローラ42aは、偏心部の質量Mによる垂直抗力を、すなわち駆動力や制動力に利用することはできない。この場合には、駆動ローラ42aをロ、又はニの位置に配置することによって駆動力、制動力を得ることができる。
【0025】
現実の昇降加速度αは、レーザ光線を15mの距離に投影して1mmの昇降を制御するために、−g<α<gの範囲の、小さな絶対値に設定する必要がある。したがって、駆動ローラ42aは、図7の(b)(c)に示すイ、又はハの位置に設けられる。この場合、加速度の作用には4つの状態がある。α>0上昇開始と下降停止、α<0の上昇停止と下降開始時である。いずれの場合にも加速度の絶対値が等しいとすれば、駆動力、制動力の大きさは、上昇開始、下降停止時において、より大きく、下降開始、上昇停止時には、より小さい。しかし、右辺第2項の垂直抗力は常に有効に利用される。
【0026】
イ、ハの位置によるR、すなわちR1、R2の違いの効果は、現実には、図示したほど大きくはない。加速度が変化したときの偏心質量Mに起因する昇降部の回転運動の中心は、駆動ローラ42aの接点で始まる。しかし、直ちにイ、ハの各接点の中点に移動して、2つのローラ42に均等に垂直抗力が作用するからである。Rの大小は、駆動ローラ42aを、ポール10の軸心に対して偏心質量M側と、反対側とのいずれに置くか、によって決まる。また、駆動ローラ42aと補助ローラ42bとの直径比が大きいほど影響が大きい。Rが大きければ、より大きな垂直抗力が働き、駆動力や制動力の容量を高めることができる。
【0027】
hは、(4)式から明らかなように、垂直抗力を低下させる。垂直抗力が過大であれば、加速度αの大きさに従って、ローラ42やその支持構造が変形する。変形は振動の原因となるから、M、m、α、R、h、N、μ、およびローラ材質を含む機構の剛性は、全体としてのバランスを必要とする。
いっぽう、ポール10の軸心と偏心質量Mの重心と、の水平距離Lは、構造上ローラ42の直径の大きさに影響され、ポール10に作用する曲げモーメントの大きさを定める。曲げモーメントが大きければ、ポール10の撓みはそれだけ大きく、振動の原因を構成する。この意味では、Lを極力小さくすることが望ましく、実施例では(c)の構成が採用されている。
【0028】
駆動機構40の始動・停止に伴う振動は、作用する力の大きさが変わることによる弾性変形に起因する。この意味で、本墨出し装置用昇降装置1には、各種の力に忠実に対応する構造が採用され、剛性を高めつつ軽量化が図られている。特にローラ42には、摩擦係数と剛性とを兼ね備えた素材が選択されている。
【0029】
支柱21と三脚22と、による4脚の支持構造は、伸縮脚26の設定に注意を怠ると1脚が浮き、不安定支持の可能性を残す。しかし、慎重な設定によって独特の効果を得ることができる。
一般に、支柱構造は引張り・圧縮荷重に対して剛性が高い。一方、三脚構造は曲げモーメントが作用して撓みを生じやすく、附属の可動機構で、様々な変位を伴いやすい。
然るに、支持機構20の支柱21は、ポール10に沿って働く鉛直方向の力Fを座板21aを通じて直接、基面81に伝える。三脚22は、残りの、偏心質量Mによってイ、ハのローラ42に作用する転倒力に対処すればよい。単独の三脚に比べて、三脚22の負担は著しく軽減されている。
すなわち、支柱21と三脚22とは、それぞれ変位・変形に対して得意とする荷重を分担して支持し、支持機構20全体としての変形・変位を低減し、振動の原因を極力、排除している。
【0030】
壁面のマークに新たなレーザ光の投影線を一致させる作業において、不一致量と操作方向と、を確認して合図を送る者と、15m離れた位置で、合図に従って墨出し装置用昇降装置1を操作する者と、の二人作業より、確認と操作とを一人でできる方が遥かに手際が良く能率的である。それには、墨出し装置99の作業範囲で制御が可能な、可搬、又は遠隔の入力手段51を備えることは必要不可欠である。それにより一人作業を実現し、使いやすい墨出し装置用昇降装置1を提供することができる。
なお、本実施例では、墨出し装置99を上下に大きく搬送する場合と、設定位置の前後に微少送りを行い、マークに投影線を合わせる場合と、のために2速度の制御ができるように構成されている。最終的な位置合わせに振動を伴わせないためである。
【0031】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載の昇降装置を有する墨出し装置は、基面81の所望の位置に設定され、墨出し装置99を搭載してこれを昇降させ、所望の高さに保持するものであって、
ポール10と、ポール10を直立させる支持機構20と、墨出し装置99を搭載する搭載具30と、搭載具30をポール10に沿って昇降させる駆動機構40と、駆動機構40を制御する電源・制御部50と、を備えているので、これにより、墨出し装置99を、高所に、素早く搬送し、レーザ光を目標位置に能率的に投影することができる。
【0032】
請求項2に記載の昇降装置を有する墨出し装置は、円形断面を有し、長手方向の先端に継手または嵌合付きネジ機構12を備えたエレメントポール11が順次、直列に接続されたポール10を備えたので、廉価・軽量で剛性が高く、振動を生じ難いものを提供できる。
請求項3に記載の昇降装置を有する墨出し装置によれば、搭載具30をポール10に合理的に支持させた状態で、その昇降動作を円滑に行なえる。
請求項4項に記載の昇降装置を有する墨出し装置によれば、ポール下端が座板21aを介して接地され、それと三脚22との四脚により支持機構20を構成するから、ポール10および昇降装置の荷重を合理的に支持して、昇降部の昇降に伴う振動を徹底して抑制し、レーザ光の微細な位置合わせの容易なものを提供できる。
【0033】
また請求項5に記載の発明は、支柱21と三脚22と、の4脚を備えた支持機構20を有することを特徴とする。その支柱21の上端にポールが接続されるように構成したから、それらの組立、分解が容易で取扱いやすい昇降装置を有する墨出し装置となる。
請求項6に記載の昇降装置を有する墨出し装置は、駆動機構40の駆動モータ41が電動モータであるので、小型で強力な、しかも制御性が良く、かつ低廉な駆動機構40を備えたものを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の昇降装置を有する墨出し装置の1例を示す側面図。
【図2】 同昇降装置を有する墨出し装置の搭載具30の正面図。
【図3】 同平面図。
【図4】 本発明の昇降装置を有する墨出し装置のポール10の接続構造の1例を示す断面図。
【図5】 本発明の昇降装置を有する墨出し装置の支持機構20の三脚22が開脚状態にある場合を示す側面図で、三脚22の2脚の図示が省略されている。
【図6】 同支持機構20の三脚22が閉脚状態にある場合を示す側面図。
【図7】 本発明の昇降装置を有する墨出し装置のポール10に対する墨出し装置99、駆動ローラ42a及び補助ローラ42bの相対位置を示して、駆動ローラ42aの作用を説明する説明図。
【符号の説明】
1 昇降装置
2 ヒンジ
3 クランプ
4 ストッパ
5 リミットスイッチ
10 ポール
11 エレメントポール
12 嵌合付きネジ機構
20 支持機構
20a 開脚ネジ
20b 開脚ナット
21 支柱
21a 座板
22 三脚
23 かなめ材
24 動ブロック
25 定尺脚
26 伸縮脚
26a 伸縮ネジ
27 リンク
28a ピン
28b ピン
28c ピン
30 搭載具
30a 搭載フレーム
30b 駆動フレーム
30c 開閉フレーム
40 駆動機構
41 駆動モータ
42 ローラ
42a 駆動ローラ
42b 補助ローラ
43 減速機構
50 電源・制御部
51 可搬の入力手段
52 ケーブル
81 基面
99 墨出し装置

Claims (8)

  1. 可視レーザ光線を放出するレーザ式墨出し装置99と、
    ポール10と、ポール10を床面等の基面81上の所望の位置へ移動自在に直立させる支持機構20と、
    前記レーザ式墨出し装置99が搭載され、ポール10の外周に保持されて、その軸線方向に移動自在に支持される搭載具30と、
    搭載具30をポール10の軸線に沿って昇降させる駆動機構40と、
    駆動機構40を制御する電源・制御部50と、
    を備え、その搭載具30を介して前記レーザ式墨出し装置99が昇降され、それが所望の高さに停止して保持されるように構成された昇降装置を有する墨出し装置
  2. 請求項1において、
    断面外周が円形で、長手方向の先端に継手または嵌合付きネジ機構12を介して複数のエレメントポール11を順次、直列に接続してポール10が構成される昇降装置を有する墨出し装置
  3. 請求項1において、
    前記搭載具30は、ポール10の外周を複数の方向から中心に向かって押圧する複数のポール拘束用のローラ42を備え、前記駆動機構40は、ポール10の外周に押圧する駆動ローラ42aと、可逆回転する駆動用モータ41とを備え、その駆動モータ41の回転軸に前記駆動ローラ42aが連結された昇降装置を有する墨出し装置
  4. 請求項1において、
    支持機構20が、ポール10の下端部外周を支持するポール支持部と、そのポール支持部から放射方向に且つ下方へ伸縮自在に伸びて夫々の先端が接地する三脚22と、を具備し、そのポール10の下端が座板21aを介して接地するように構成された昇降装置を有する墨出し装置
  5. 請求項1において、
    支持機構20は、
    上端にポール10が直列に接続されると共に、下端に接地用の座板21aが設けられた支柱21と、
    その支柱21の中間部以上の外周に取付られるかなめ材23に、放射方向へ夫々の定尺脚25の一端が回動自在に連結されて、長手方向に伸縮自在に形成された三脚22と、
    そのかなめ材23の下方に位置し、支柱21の中間部以下に上下動自在に挿通される摺動ブロック24と、
    その摺動ブロック24に一端が軸支され、他端が前記三脚22の各定尺脚25に軸支されたリンク27と、を具備し、
    その支柱21が墨出し装置99その他の重量及び昇降に伴う鉛直方向の反力を支持し、三脚22が転倒モーメントを支持することを特徴とする昇降装置を有する墨出し装置。
  6. 請求項3において、
    前記駆動モータ41が電動モータである昇降装置を有する墨出し装置
  7. 請求項3において、
    ポール10の軸線方向に離間する少なくとも2つの位置で、各位置ごとにそのポール10の外周に放射状に三方向から三つのローラ42が圧接されてポール10を抱持し、それら合計六つのローラの内少なくとも一つが駆動ローラ42aを構成し、その駆動ローラ42aが駆動モータ41に連結された昇降装置を有する墨出し装置
  8. 請求項1において、
    電源・制御部50が、墨出し装置99の移動範囲おいて可搬、又は遠隔の入力手段51を備えたことを特徴とする昇降装置を有する墨出し装置
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