JP2000179182A - 耐振部材を備える構造物 - Google Patents

耐振部材を備える構造物

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JP2000179182A
JP2000179182A JP11142380A JP14238099A JP2000179182A JP 2000179182 A JP2000179182 A JP 2000179182A JP 11142380 A JP11142380 A JP 11142380A JP 14238099 A JP14238099 A JP 14238099A JP 2000179182 A JP2000179182 A JP 2000179182A
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Naoto Ichikawa
直人 市川
Shinji Sera
信次 世良
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MENSEIHIN SOGO KIKAKU KK
Original Assignee
MENSEIHIN SOGO KIKAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 梁、柱から構成される矩形空間を窓、開口と
して利用でき、振動感知時には前記矩形空間にブレース
材を位置させて耐振性能を向上させることができる構造
物を得る。 【解決手段】 水平構造部材である梁11と垂直構造部
材である柱12とからなる矩形フレームを有し、水平構
造部材および/または垂直構造部材に近接して伸縮可能
な耐振部材13を設置し、振動感知時に耐振部材13を
変位させて水平構造部材と垂直構造部材との間にブレー
ス材として位置させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震等の振動に対
して耐振機能を有する耐振部材を備える構造物に関し、
特に振動感知時に変位してブレース材として位置させて
耐振機能または制震機能を有する構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ブレース材を備える耐振構造物
は、柱等の垂直部材と梁等の水平部材とからなる矩形の
柱梁架構内にブレース材として斜材を固定してある。ま
た、外壁面にブレースとしての斜材が露出している耐振
構造物もあり、さらに、既存構造物の外側に耐振補強の
ためブレースを設置している構造物がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
従来のブレース材を備える構造物においては、常時、斜
材を含んで構成されているため、建物内部に設置された
場合は室内空間を遮断して平面の自由度を制約する不具
合を有している。また、ブレース材が外壁面にあるとき
は窓からの眺望を遮るとともに建物の美観上からも好ま
しくないという問題がある。
【0004】本発明は、前記問題点を解決するためなさ
れたものであり、地震、強風等の発生時には耐振部材が
斜材として位置し、ブレース材が構成されて耐振補強さ
れ、または制震機能が付加され、平常時は斜材が隠れて
いるため平面の自由度を制約することがなく、眺望を遮
ることなく、機能を損なうことのない耐振部材を備える
構造物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る耐振部材を備える構造物は、水平構造
部材と垂直構造部材とからなる矩形フレームを有し、前
記水平構造部材および/または垂直構造部材に近接して
耐振部材を設置し、振動感知時に前記耐振部材を変位さ
せて前記水平構造部材と垂直構造部材との間にブレース
材として位置させることを特徴とする。
【0006】水平構造部材と垂直構造部材とからなる矩
形フレームを有し、水平構造部材および/または垂直構
造部材に近接して伸縮可能であり伸長状態を保持する中
間ロック装置を有する耐振部材を設置し、前記耐振部材
の一端を回動可能に支持するとともに該耐振部材をロッ
ク装置により保持し、振動感知時に前記ロック装置を解
除して耐振部材の他端を変位させて端部ロック装置によ
り固定するとともに前記中間ロック装置を作動させ、前
記耐振部材をブレース材として位置させるものであり、
水平構造部材および/または垂直構造部材は、耐振部材
の他端が変位するガイド手段を有するようにしてもよ
い。
【0007】前記した耐振部材を備える構造物におい
て、耐振部材は減衰装置を付加するように構成でき、ま
た、耐振部材と水平構造部材および/または垂直構造部
材との間に減衰装置を設けるように構成でき、減衰装置
はオイルダンパー、減衰棒または減衰コマ、高減衰積層
ゴムまたは鉛プラグ入り積層ゴム、鉛ダンパーまたは極
軟鋼等を用いることができる。
【0008】また、他の耐振部材を備える構造物は、水
平構造部材と垂直構造部材とにより矩形フレームを形成
し、前記水平構造部材に近接して一端を支持され他端が
下方に回動可能である第1の耐振部材を設置し、前記垂
直構造部材に近接して一端を支持され他端が内方に回動
可能である第2の耐振部材を設置し、振動感知時に前記
第1および第2の耐振部材を一端を中心に回動変位させ
他端側を相互に固定して前記水平構造部材と垂直構造部
材との間にブレース材として位置させることを特徴とし
ている。
【0009】前記した耐振部材を備える構造物におい
て、前記矩形フレームに一端を支持され他端が前記第1
または第2の耐振部材の長手方向の溝部を摺動可能の軸
に連結される第3の耐振部材を水平構造部材または垂直
構造部材に近接して設置し、振動感知時に前記第1およ
び第2の耐振部材の他端を変位させて固定するととも
に、中間ロック機構を作用させて前記第1および第2の
耐振部材を伸縮不能としてブレース材として位置させ、
前記第3の耐振部材を前記第1および第2の耐振部材の
復帰を阻止するように位置させるように構成してもよ
い。
【0010】前記した耐振部材を備える構造物におい
て、前記垂直構造部材に沿う上下方向の溝部に一端を摺
動かつ回動可能に支持され、他端が前記第3の耐振部材
の他端に連結される第4の耐振部材を垂直構造部材に近
接して設置し、第4の耐振部材を第3の耐振部材と協動
して前記第1および第2の耐振部材の復帰を阻止するよ
うに位置させるように構成してもよく、前記第4の耐振
部材は、前記上下方向の溝部に沿って摺動する摺動部材
が連結されるように構成してもよい。
【0011】前記のように構成された耐振部材を備える
構造物によれば、平常時には耐振部材は梁、柱に近接し
て位置しているため矩形空間を窓、開口として利用する
ことができ、振動感知時には斜材として位置してブレー
ス材として機能させて耐振性能を向上させることがで
き、減衰装置を付加することにより制震機能を達成する
ことができる。また、強風、地震等の振動が終了したと
きには、斜材として位置する耐振部材を元の位置に復帰
させ、窓、開口として利用できるため眺望や機能を妨げ
ることはない。
【0012】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を図面を参照し
て説明する。図1(a)は平常時における構造物の概略
正面図、(b)は振動感知時における構造物の概略正面
図である。図1において、構造物10は水平構造部材で
ある梁11と垂直構造部材である柱12とからなる複数
の矩形フレームを有する建築構造物であり、本例では鉄
骨造5階建ての建築構造物であり、図示していないが奥
行き方向にも矩形フレームを有するものである。構造物
10の水平構造部材である梁11および/または垂直構
造部材である柱12に近接して伸縮可能な耐振部材13
を設置してあり、本例では1階部分の4つの矩形フレー
ムと、2〜4階の両端の矩形フレームと、5階の4つの
矩形フレームの合計14個の矩形フレームに耐振部材1
3を設置してある。耐振部材13は平常時は図1(a)
のように垂直構造部材である柱12に近接して位置して
いるため、矩形フレームを構成する梁11および柱12
は中央部が開放状態となっており、地震や強風時のよう
な振動感知時に耐振部材13を変位させて水平構造部材
である梁11と垂直構造部材である柱12との間にブレ
ース材として位置させるものである。
【0013】ここで、図2〜5を参照して梁、柱から構
成される1つの矩形フレームについて詳細に説明する。
図2は1つの矩形フレームを詳細に示す正面図であり、
(a)は平常時の正面図、(b)はブロック部を省略し
た状態の振動感知時の正面図を示す。図3(a)は耐振
部材の上部の詳細図、(b)はその断面図である。図4
は耐振部材の端部ロック装置を示す断面図であり、
(a)は平常時、(b)はロック時を示す。図5は耐振
部材の中間ロック装置を示し、(a)は平常時の断面
図、(b)はロック時の断面図、(c)は概略斜視図で
ある。
【0014】矩形フレームは梁11、11と柱12、1
2とから構成されて内部は矩形空間であり、上部の梁1
1にはガイドレール14が固着されている。ガイドレー
ル14は図3に示されるように、梁11に固着される上
辺と、この上辺から直角に垂直方向に連続して垂下する
両側辺と、この両側辺から直角に水平方向に連続する両
下辺とから構成され、両下辺の間は貫通溝となってい
る。耐振部材13、13は筒状部材15、15と、この
内部に位置し緩く嵌合する軸状部材16、16とから構
成され、両者が摺動することにより伸縮可能となってい
る。耐振部材13、13の下端は、下方の梁11の両端
に固着された軸受け17、17により回動可能に支持さ
れ、その上端にはガイドレール14内を移動可能なロー
ラ18、18が回転可能に支持され、前記貫通溝内を軸
状部材16、16が移動可能な構成である。
【0015】耐振部材13、13は平常時は柱12、1
2に近接して垂直に位置するように電磁ロック装置1
9、19により吸着され、柱12、12と耐振部材1
3、13との間に設けた圧縮ばね20、20により柱か
ら離れる方向に付勢されている。電磁ロック装置19、
19は風速計21と地震のP波を検出するセンサー22
との出力を入力するとともに電源23が接続される制御
部24からの出力により駆動される。
【0016】前記したように、耐振部材13、13の一
端は軸受け17、17により支持され、他端はガイドレ
ール14内を移動可能のローラ18、18により移動可
能である。そして、振動感知時に耐振部材13、13の
他端はガイドレール14内を変位して端部ロック装置2
5により固定可能となっている。すなわち、端部ロック
装置25は図4に示されるように、ローラ18、18の
軸部にスプリング26により突出可能であるピン27、
27を有しており、これらのピンはガイドレール14の
固定孔28、28に挿入可能となっている。
【0017】一方のピン27には調整ねじ29が螺合さ
れており、この調整ねじによりスプリング26の弾性力
を調整可能である。調整ねじ29には6角穴が形成さ
れ、6角レンチ(図示せず)が挿入可能である。ガイド
レール14の両端部には6角レンチが挿入可能の調整孔
30が穿設されている。端部ロック装置25のピン2
7、27および固定孔28、28は、耐振部材13、1
3がブレース部材として機能するための所定の強度を有
するものである。
【0018】耐振部材13、13の中間部には中間ロッ
ク装置31が設けられている。中間ロック装置31は伸
長した状態の耐振部材13をブレース部材として機能さ
せるために、伸長状態を保持するものである。中間ロッ
ク装置31は図5に示されるように、耐振部材13の筒
状部材15に固着されたケース部32と、このケース部
内でスプリング33により軸状部材方向に付勢されるロ
ック片34と、このロック片を移動させる調整軸35、
調整ナット36およびハンドル37とから構成される。
調整軸35はケース部32に固着された調整ナット36
に螺合され、上端にハンドル37が固定され、下端にロ
ック片34を支持する拡径部が形成されている。そし
て、軸状部材16にはロック片34が嵌合可能のロック
孔38が形成されている。ロック孔38およびロック片
34は耐振部材13がブレース部材として機能するため
の所定の強度を有するものである。
【0019】本発明に係る耐振部材を備える構造物の一
実施形態は前記した構成であり、以下に動作について説
明する。構造物10は梁11、柱12から構成される矩
形フレームを有しており、平常時に、この矩形フレーム
は開口部、窓等に有効利用されるものである。しかしな
がら、地震あるいは強風発生時にはP波のセンサー22
あるいは風速計21からの出力により制御部24を介し
て電磁ロック装置19、19が作動する。電磁ロック装
置19、19は本例では常時ON状態に設定され、制御
部24からの出力によりOFF状態となり耐振部材1
3、13を開放してフリーの状態とする。
【0020】これにより耐振部材13、13は圧縮ばね
20、20により押圧されて上部のローラ18、18が
ガイドレール14内を中心方向に移動し、筒状部材1
5、15内を軸状部材16、16が摺動して耐振部材1
3、13は伸長する。ローラがガイドレール14の中心
部に移動するとピン27、27が固定孔28、28に嵌
合し、端部ロック装置25がロックされる。このとき、
同時に中間ロック装置31もロックされる。すなわち、
中間ロック装置31のロック片34がスプリング33に
よりロック孔38に嵌合し、耐振部材13は伸長した状
態でロックされ矩形フレーム内に斜材として位置し、ブ
レース部材として機能して応力伝達を満たして梁、柱か
ら構成される矩形フレームを補強する。
【0021】地震や強風が終了したときは、耐振部材1
3の端部ロック装置25および中間ロック装置31を解
除する。まず、中間ロック装置31を解除するときは、
図5(b)の状態から調整ナット36に螺合する調整軸
35をハンドル37を左回転して上部に引き上げ、ロッ
ク片34がロック38孔から脱出した状態で停止する
と、ロック片34をスプリング33に抗して上方に保持
される。これにより中間ロック装置31は解除され、耐
振部材13は縮小可能な状態となる。
【0022】端部ロック装置25を解除するときは、図
4(b)の状態から調整ねじ29を緩め、スプリング2
6の押圧力を弱くしてピン27、27を押し込み、ロー
ラ18を移動してピン27、27をガイドレール14の
側壁に当接させる。耐振部材13は中間ロック装置31
が解除されているので縮小させることができる。そし
て、耐振部材13の軸状部材16をそれぞれ柱方向に移
動させて耐振部材13を縮小し、柱12に近接した状態
で電磁ロック装置19を作動させて耐振部材13を吸着
する。この状態で調整孔30から6角レンチを挿入して
調整ねじ29を締め込み、ピン27、27が所定の圧力
にてガイドレール14の側壁を押圧するように設定す
る。
【0023】中間ロック装置31のロック片34は調整
軸35により引き上げられて保持されているので、ハン
ドル37を右回転して調整軸35を押し込んでロック片
34をフリーとし、ロック片34が軸状部材16の外周
面を押圧するように設定する。これにより、梁、柱の矩
形空間は元に戻り、窓や開放空間として利用できるとと
もに最初の待機状態となる。このように、地震時や強風
時等、構造物の耐力が必要なときには耐振部材が変位し
てブレース部材として補強し、平常時は耐振部材が梁や
柱に近接して矩形空間が確保されているため、開口や窓
として活用でき、間取り等の設計時の制限を少なくする
ことができる。
【0024】なお、前記した実施形態の圧縮ばね20、
20に代えて図6に示されるようにすることができる。
図6は耐振部材の付勢手段の他の例を示す正面図であ
る。図6において、上部のガイドレール14Aは両端の
柱に接近した部分の位置が高く、中央の部分の位置が低
く構成してある。このように構成することにより、電磁
ロック装置19、19が解除され、耐振部材13、13
がフリーの状態となると耐振部材のローラ18、18は
ガイドレール14Aの傾斜に沿って中央に移動し、耐振
部材13、13は変位して伸長することができる。他の
構成については前記した実施形態と同等である。
【0025】また、耐振部材の付勢手段のさらに他の例
を示す正面図である図7に示されるように、耐振部材1
3のローラ18にワイヤ40を連結し、ワイヤの先端に
重錘41を取り付けて耐振部材13をガイドレール14
の中心部に向けて付勢するように構成してもよい。この
例では電磁ロック装置42は重錘41をロックする構成
である。この場合は電磁ロック装置42が解除されると
重錘41がフリーの状態となり、重錘41が重力により
下方に移動してローラ18を中央に移動し耐振部材13
を変位させ、伸長させることができる。なお、重錘4
1、電磁ロック装置42等は一方の耐振部材13につい
て図示したが、他方の耐振部材についても同等であるの
で図示を省略した。また、他の構成については前記した
実施形態と同等である。
【0026】さらに、耐振部材の付勢手段を図8のよう
に構成することもできる。図8(a)はその平面図、
(b)はその正面図である。図8において、ガイドレー
ル14の前面には引張りばね43、43が設けてあり、
その一端はガイドレールに固着された止め板14a、1
4aに係止され、その他端はガイドレールの貫通孔4
4、44を貫通して耐振部材13、13のローラ18、
18に接続されている。この例によれば、耐振部材1
3、13を固定している電磁ロック装置が解除されると
耐振部材はフリーの状態となり、引張りばね43、43
により中央に向けて変位される。
【0027】つぎに本発明の他の実施形態を図9〜11
を参照して説明する。図9は他の実施形態の矩形フレー
ムの要部正面図であり、(a)は平常時、(b)は振動
感知時を示す。図10は耐振部材の折り曲げ部を示す要
部拡大正面図であり、(a)は振動感知時、(b)は折
り曲げ時を示す。図11は端部ロック装置の概略構成図
である。この実施形態においては、耐振部材45は第1
の部材46と第2の部材47とがヒンジ部48で折り曲
げ可能であり、第1の部材46は下端が軸受け49によ
り回動可能に支持され、第2の部材47の上端には案内
軸50が取り付けてある。平常時に第1の部材46は柱
12に近接し、第2の部材47は梁11に近接して位置
するように構成されている。耐振部材45は直角に折り
曲げた状態で縮小し、直線状にした状態で伸長してブレ
ース材として機能するものである。
【0028】耐振部材45、45の案内軸50、50は
ガイド溝51、51内を移動可能であり、耐振部材同士
は引張りばね52により互いに接近する方向に付勢され
ている。耐振部材の第2の部材47、47は上部の梁1
1に固定された電磁ロック装置53、53によりロック
されており、ロック解除により両耐振部材が接近する方
向に変位するように構成されている。耐振部材45のヒ
ンジ部48は図10に示されるように、円弧部48a、
角部48b、規制部48cが形成され、直角に折り曲げ
られた状態から直線状態までの90度の範囲で回動する
ように規制されている。
【0029】ガイド溝51、51の中央部には案内軸5
0、50をロックする端部ロック装置54、54が位置
している。この端部ロック装置54は、図11に示され
るように、ガイド溝51の中央端に案内軸50を保持す
るスペースを有して回動するロック片55を備え、この
ロック片55は常時重力により下方に位置し、ロックを
解除するときに引き上げるワイヤ56が付属している。
ロック片55は概略扇型をしており、案内軸50の入口
側は傾斜辺55aが形成され、ロック側は円弧辺55b
が形成され、軸部55cにより回動可能に支持されてい
る。
【0030】この実施形態においては、地震等によりセ
ンサーが作動した場合、または強風により風速計が出力
した場合に電磁ロック装置53、53が作動してピンが
引き込み、耐振部材45、45の端部のロックを解除す
る。そして、両耐振部材が引張りばね52により引き寄
せられて変位し、案内軸50、50がガイド溝51、5
1内を摺動する。案内軸50、50がガイド溝51、5
1の中央端に到達すると、ヒンジ部48は円弧部48a
に沿って回転して角部48bが規制部48cに当接して
直線状態に保持される。同時に案内軸50、50が端部
ロック装置54、54のロック片55、55を押し上げ
てガイド溝51、51の中央端にロックされる。これに
より耐振部材45、45は梁11、11、柱12、12
より構成される矩形フレームの斜材として位置し、ブレ
ース材として機能して矩形フレームを補強する。平常時
は耐振部材45、45は梁11、柱12に近接して位置
し、矩形空間を妨げないため窓や開口として利用するこ
とができる。
【0031】図12は端部ロック装置の他の実施例を示
す断面図であり、図12において端部ロック装置60
は、ガイド溝61等のガイド手段内を移動可能である耐
振部材の先端のローラ62を、ガイド溝の端部に出没可
能のロック部材63により固定する構成である。ロック
部材63はガイド溝61から突設されたケース64内に
装着され、ばね65によりガイド溝方向に付勢されると
ともに、取付軸66をハンドル67により左回転するこ
とによりガイド溝から退避させることができる構成であ
る。取付軸66のねじ部にはケース64に固着されたナ
ット68が螺合され、取付軸66はケース64の孔に遊
嵌されている。
【0032】この例において耐振部材の端部をロックす
るときは、ローラ62がロック部材63の傾斜辺を押圧
してロック部材63を押し下げてガイド溝61の端部に
位置することによりロックされ、ロック解除するとき
は、ハンドル67を左回転させてロック部材63を退避
させ、ローラ62をガイド溝61の中央部に戻すことに
より行える。ローラ62をガイド溝61の中央部に戻し
たあとは、ハンドル67を右回転させることにより、取
付軸66を図上で上方に移動しロック可能状態とする。
【0033】図13を参照して折り曲げるタイプの耐振
部材の中間ロック装置について説明する。図13はその
要部断面図であり、(a)は折り曲げ時、(b)は振動
感知時を示す。折り曲げ可能な耐振部材70は第1の部
材71、第2の部材72およびこれらを連結するヒンジ
部73から構成され、ヒンジ部73は円弧部、角部を有
し90度の範囲で回動可能である。上方に位置する第1
の部材71の外周にはロック筒体74が遊嵌され、第1
の部材71に削設した溝部に位置するロックレバー71
aにより固定されている。ロックレバー71aは第1の
部材に回動可能に支持されて反時計方向に付勢され、外
周に突出する一方の腕部がロック筒体74を保持し、他
方の腕部が第1の部材71の端面から突出している。第
2の部材72にはストッパリング72aが固着されてい
る。
【0034】耐振部材70は平常時は折り曲げられてお
り、振動感知時に直線状態に伸長されロックされる。耐
振部材が90度に折り曲げられた状態から直線状態にさ
れるとき、ロックレバー71aは第2の部材72の端面
により押圧されて時計方向に回動され、ロックレバー7
1aの一方の端部が外周面から引込まれる。これにより
ロック筒体74は重力により落下してヒンジ部73を覆
いストッパリング72aに当接する。このようにして耐
振部材70の中間ロックが行われる。中間ロックを解除
するときは、ロック筒体74を上方に持ち上げヒンジ部
73を折り曲げることにより、ロックレバー71aがば
ねにより反時計方向に回動して一方の腕部が外周面に突
出してロック筒体74の下方への移動を阻止する。
【0035】図14を参照して、耐振部材の中間ロック
装置の他の例を説明する。図14(a)は平常時におけ
る縦断面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)
は(a)のC−C線断面図、(d)はロック時の縦断面
図、(e)は(d)のE−E線断面図である。耐振部材
は外側パイプ材75と内側パイプ材76とが伸縮可能に
嵌合する構成である。中間ロック装置77は、外側パイ
プ材75の取付孔に挿入される2つのロック片78、7
8と内側パイプ材76に凹設された2つの嵌合溝79、
79とから構成される。2つのロック片78、78は図
示していない付勢手段により中心方向に付勢されてい
る。
【0036】この中間ロック装置77においては、振動
感知時に耐振部材が変位、伸長して梁、柱間に斜材とし
て位置すると、ロック片78、78は中心方向に移動し
て嵌合溝79、79に陥没する。このようにして耐振部
材が伸長した状態でロックすることができる。ロックを
解除するときは、ロック片78、78を付勢手段に抗し
て外側に拡げて嵌合溝79、79から脱出させ、外側パ
イプ材75内に内側パイプ材76を押し込めばよい。な
お、ロック片の付勢手段は、図12に示されるロック部
材63の付勢手段と同様の構成のものや電磁ロック装置
が用いられ、ロックおよび解除が行える。
【0037】図15を参照して、減衰装置を付加した耐
振部材を備える構造物の実施形態を説明する。図15
は、その矩形フレームを示す正面図である。この実施形
態の主要部分は前記した第1の実施形態と実質的に同等
であり、実質的に同一の構成については同一の参照符号
を付して詳細な説明を省略する。概略構成を説明する
と、構造物10は梁11、柱12から構成される複数の
矩形フレームを有し、その1つの矩形フレームは梁1
1、11と柱12、12とから構成される。2つの耐振
部材13、13は伸縮可能であり、その上端のローラ1
8、18が上部の梁11に固着されたガイドレール14
内を移動可能であり、下端は軸受け17、17により下
部の梁11に固定されている。耐振部材13、13は平
常時は電磁ロック装置19、19によりロックされて柱
12、12に近接して位置し矩形フレームの中央は開放
されているが、振動感知時には電磁ロック装置が解除さ
れて、耐振部材13、13は変位、伸長して斜材となり
ブレース材として機能するものである。
【0038】この実施形態では、耐振部材に減衰装置を
付加することを特徴とする。すなわち、耐振部材13、
13は軸受け17、17に近い部分に減衰装置80、8
0を付加している。減衰装置の一例として図16に示さ
れるオイルダンパー80について説明する。オイルダン
パー80は、シリンダ・ピストン構造よりなり、図16
に示されるようにシリンダ81内でピストン82により
分割された2つの室83、83内に収容されるオイル等
の粘性流体84が連通管85を介して流動するように構
成されている。そして、一方の室83には、バッファ室
86を設けてあり、ピストンロッドの先端は取付部87
となっており、シリンダ81の端部は取付部88となっ
ている。取付部87、88間に変位が生ずるとピストン
82が移動し、一方の室83の粘性流体84が他方の室
83へ連通管85を介して移動し、そのときの粘性抵抗
により変位を減衰させるものである。
【0039】オイルダンパー80は取付部87、88を
介して耐振部材13の間に固定されているため、ピスト
ン82の往復動方向すなわち耐振部材13の軸方向の減
衰作用を行える構成になっている。このため、振動を感
知して耐振部材13、13が変位、伸長してブレース部
材として機能しているとき、耐振部材には圧縮または引
張り荷重が作用し地震等の変位が加わっているが、オイ
ルダンパー80の減衰作用により地震エネルギーを減衰
させることができ、制震部材として使用することができ
る。
【0040】つぎに、減衰装置の他の例として減衰棒9
0を図17を参照して説明する。減衰棒90は相対変位
する2つの部材間に装着されるものであり、取付部材9
1にはねじ部92が形成され、ねじ部92にボールベア
リング93を介して案内ナット94が回転自在に螺合さ
れている。案内ナット94に回転内筒95が固着されて
いる。もう一方の取付部材96は固定外筒97に固着さ
れており、固定外筒97内に案内ナット94および回転
内筒95がボールベアリング98、98を介して回転自
在に支持されている。そして、回転内筒95と固定外筒
98との間に粘性流体99が封入されている。
【0041】従って、前記した減衰棒90においては、
地震等が発生し両取付部材91、96の間に変位が生ず
ると、ねじ部92、案内ナット94により案内ナット9
4および回転内筒95が回転され、粘性流体99が回転
速度に応じた粘性抵抗を生じ、地震エネルギーは熱エネ
ルギーに変換されて吸収される。
【0042】減衰装置のさらに他の例として減衰コマ1
00を図18を参照して詳細に説明する。減衰コマ10
0は相対変位する2つの部材間に装着されるものであ
り、取付部材101にはねじ部102が形成され、ねじ
部102にボールベアリング103を介して案内ナット
104が回転自在に螺合されている。もう1つの取付部
材105はケーシング106に固着され、ケーシング1
06内に案内ナット104がボールベアリング107、
107を介して回転自在に支持されている。案内ナット
104には円盤状の回転コマ108が固着されており、
回転コマ108の周囲のケーシング106内には粘性流
体109が封入されている。粘性流体109はシリコー
ンまたはポリイソブチレン等の粘性流体が用いられてい
る。
【0043】前記した減衰コマ100は、地震等により
構造物10が変形すると、ブレース部材を介して圧縮あ
るいは引っ張り荷重が加わり、両取付部材101、10
5間の距離が変化する。この変化によりねじ部102を
介して案内ナット104が回転され、回転コマ108が
粘性流体109内を回転し、このときの粘性抵抗により
地震エネルギーを吸収するのである。この回転コマ10
8を使用した減衰コマ100は、回転コマを高速回転さ
せてエネルギーを吸収するので、比較的小規模の地震の
際、有効に機能する。
【0044】減衰装置の他の実施形態を図19を参照し
て説明する。図19は減衰装置の他の実施形態を付加し
た耐振部材を備える構造物の概略正面図であり(a)は
平常時、(b)は振動感知時を示す。前記した実施形態
と同様に、構造物10の矩形フレームは梁11、11、
柱12、12とから構成され、矩形フレーム内には梁に
近接して耐振部材110、110が、柱に近接して耐振
部材111、111が位置しており、耐振部材同士はヒ
ンジ部112、112により連結され、耐振部材11
1、111の下端が軸受により下方の梁11に回動可能
に固定されている。そして、ヒンジ部を覆えるように筒
状のロック筒体113、113が遊嵌されている。耐振
部材110、111は筒状部材と軸状部材とから構成さ
れて軸方向に伸縮可能である。耐振部材111は平常時
は電磁ロック装置により柱12に近接して固定され、振
動感知時に電磁ロック装置が解除されることにより耐振
部材111、112が変位して斜材となりブレース材と
して機能するものである。
【0045】上方の梁11の中央部と耐振部材110、
110との間には減衰装置115が取付けられ、この減
衰装置115は梁に固着された減衰部116とその下方
の傾斜面を有する連動部117とから構成され、連動部
に耐振部材110、110の上端が回動可能に当接して
いる。減衰部116は高減衰積層ゴム、鉛プラグ入り積
層ゴム、鉛ダンパー、極軟鋼等から構成され、地震等の
エネルギーを減衰させるものであり、連動部117は耐
振部材110、110の上端が当接して地震等による変
位を減衰部116に伝達するものである。
【0046】減衰部116の1つを構成する極軟鋼は極
低降伏点鋼とも呼ばれ、一般の建設用鋼材と比較して降
伏点が低く、伸びの大きい鋼材であり、降伏点が低いた
め、柱、梁等の一般鋼材が降伏する前に降伏し、履歴降
伏効果により地震エネルギーを素早く吸収し、柱、梁等
の骨組みに作用する地震力および変形を低減するもので
ある。
【0047】地震、強風等により電磁ロック装置が解除
されると耐振部材111、111が柱12、12から離
れて移動し、耐振部材110、111が直線状になるよ
うに瞬時に変位してヒンジ部112をロック筒体113
が覆って耐振部材110、111の中間ロックを行い、
斜材となって柱、梁から構成される矩形フレームに位置
する。この例では耐振部材110、111は伸長せずに
縮小して変位する。この状態で構造物10が変形すると
矩形フレームが変形し、耐振部材に圧縮、引っ張り荷重
が作用し、この荷重が減衰装置115に伝達される。減
衰装置の減衰部116は鉛ダンパー等から構成されるた
め、変形することにより地震等のエネルギーを減衰させ
ることができる。このようにして、平常時は矩形空間と
して窓、開口として利用でき、振動を感知すると耐振部
材が変位してブレース材として機能して矩形フレームを
補強し、しかも減衰装置115により地震等のエネルギ
ーを減衰させることができる。
【0048】本発明の他の実施形態を図20〜22を参
照して説明する。図20〜22はそれぞれ平常時と、振
動感知時の概略正面図である。図20(a)、(b)に
おいて、構造物120を構成する矩形フレームは上方の
梁121と2本の柱122、122と移動梁123とか
ら構成される。移動梁123は図示していないロック装
置により柱122、122の上部に固定されるとともに
図示していないガイド手段に沿って下降可能であり、移
動梁123と上方の梁121との間に2つの伸縮可能な
耐振部材124、124が位置している。これらの耐振
部材は筒状部材と軸状部材とから構成され、内側端部は
梁121の中央の取付部125に支持され、外側端部は
移動梁123の両端の取付部126、126に支持され
ている。
【0049】この例においては、振動を感知するとロッ
ク装置が解除され、移動梁123が瞬時に下方に変位し
て柱122、122の下端に固定され、耐振部材12
4、124が変位、伸長して上方の梁121の中央部と
下方の移動梁123の両端との間に斜材として位置して
ブレース材として機能する。構造物120の矩形フレー
ムはこのようにして耐振部材124、124により補強
される。
【0050】図20(c)、(d)においては、耐振部
材124、124の取付けが図20(a)、(b)の場
合と反対の場合を示している。すなわち、耐振部材12
4、124は外側端部が上方の梁121に支持され、内
側端部が移動梁123に支持されている。なお、同一の
参照符号は同等の構成を示すものである。この場合は前
記した図20(a)、(b)の場合と同様の作用効果を
奏する。
【0051】図20(e)、(f)においては、構造物
120の矩形フレームは梁121と柱122、122か
ら構成され、上方の梁121と移動梁123との間に交
差する耐振部材127、127が位置している。耐振部
材は2つの筒状部材が中心軸128により回動可能に連
結されており、筒状部材の両端部に伸縮可能に挿入され
た軸状部材の端部が梁121および移動梁123の両端
部に支持されている。
【0052】この例では、振動を感知すると移動梁12
3が瞬時に下方に変位して耐振部材127、127を伸
長させて固定される。移動梁123は柱の下端部に固定
されるとともに耐振部材の軸状部材も筒状部材に固定さ
れ、構造物120の矩形フレームの補強が行われる。前
記した3つの例においても、平常時は矩形空間は窓、開
口等に利用でき、振動感知時には耐振部材がブレース部
材として機能して補強が行われ、振動終了時には元の位
置に復帰させることができる。
【0053】図21(a)、(b)においては、構造物
130の矩形フレームは梁131、131と柱132、
132とから構成され、矩形フレーム内には移動梁13
3が図示していないガイド手段に沿って下降可能に位置
している。上方の梁131に近接して移動梁133との
間には4本の伸縮可能な耐振部材134が位置してい
る。移動梁の下方には柱に近接して伸長しない耐振部材
135、135が位置しており、耐振部材の下端は下方
の梁131の両端部に支持され、上端は移動梁133に
設けたガイド手段136に移動可能に支持されている。
【0054】この例においては、振動が感知されると耐
振部材135、135を固定しているロック装置(図示
せず)が解除され、耐振部材135、135が内側に向
けて倒れて耐振部材の上端部がガイド手段136、13
6に沿って移動する。これにより移動梁133は下降し
て4つの耐振部材134を伸長させて固定される。この
ようにして、伸長しない耐振部材135、135が移動
梁133の下方の矩形フレームを補強し、伸長する4つ
の耐振部材134が移動梁133の上方の矩形フレーム
を補強する。
【0055】図21(c)、(d)においては、移動梁
133の上方には2つの伸長可能な耐振部材137、1
37が設けられており、移動梁133の下方の耐振部材
135、135は伸長しないものである。なお、前記し
た例と同等の構成については、同一の参照符号を付して
詳細な説明を省略する。この例においては、前記した例
と同様の作用効果を奏するものであり、伸長する耐振部
材の数を少なくできるという効果を奏する。
【0056】図22においては、構造物140の矩形フ
レームは梁141、141と柱142、142とから構
成され、矩形フレーム内には梁に近接して耐振部材14
3、143が、柱に近接して耐振部材144、144が
位置しており、耐振部材同士はヒンジ部145、145
により連結されている。そして、ヒンジ部を覆えるよう
に筒状のロック筒体146、146が遊嵌されている。
耐振部材143、144は前記した例と同様に筒状部材
と軸状部材とから構成され、筒状部材と軸状部材とは伸
縮可能に嵌合している。
【0057】この例においては、振動を感知するとヒン
ジ部145、145が直線状になるように4つの耐振部
材が変位し、この場合は耐振部材は総て縮小される。そ
して、ヒンジ部をロック筒体146、146が覆い4つ
の耐振部材の中間ロックを行う。この例では耐振部材の
端部は総て直線変位をせず、軸に対する回動変位を行う
ため動作が安定するという効果がある。
【0058】なお、図20〜22の各実施形態におい
て、耐振部材124、127、134、135、13
7、143、144に図16〜19に示される減衰装置
を付加するように構成してもよいのは勿論である。
【0059】本発明のさらに他の実施形態を図23〜2
5を参照して説明する。図23(a)は本発明の他の実
施形態の平常時の正面図、(b)は中間動作時の正面
図、図24は耐振補強時にブレース材として位置させた
状態の正面図、図25の(a)は図24のF−F線断面
図、(b)は図24のG−G線断面図、(c)は第2の
耐振部材の一部を破断した要部正面図、(d)は図24
のH−H線断面図である。
【0060】図23〜25において、構造物150は水
平構造部材151と垂直構造部材152とにより矩形フ
レームを形成し、上部に位置する水平構造部材151に
近接して一端を支持板の支点153aにて支持され他端
が下方に回動可能である第1の耐振部材153を設置し
てある。また、垂直構造部材152に近接して一端を支
持板の支点154aにて支持され他端が内方に回動可能
である第2の耐振部材154を設置してあり、振動感知
時に第1および第2の耐振部材153、154を一端を
中心に回動変位させ他端側を相互に固定して水平構造部
材151と垂直構造部材152との間にブレース材とし
て位置させるものである。
【0061】耐振部材153は断面が矩形状で長手方向
にスライド可能のスリーブ155が嵌合しており、この
スリーブと耐振部材154とがヒンジ部155aにて連
結され耐振部材153と154の他端は連係されてい
る。耐振部材153の他端には下方に向けて突部153
bが突設され、この突部は耐振部材154の中間部に凹
設された凹部154bに嵌合可能であり、突部153b
が凹部154bに嵌合することにより耐振部材153と
154は一直線状となり、伸縮不能となってブレース材
として機能する。
【0062】耐振部材154はヒンジ部155a側から
凹部154bまでは断面が略U字状をしており、内部に
耐振部材153が嵌合することができる。耐振部材15
4の凹部154bから回動支点側の端部までの断面は、
略U字状の内部に矩形部が嵌合固定された中実の断面と
なっている。耐振部材154の内方には長手方向に溝部
154cが形成されている。
【0063】矩形フレームの直角部の支点156aに一
端を支持された第3の耐振部材156は、他端が第2の
耐振部材154の溝部154cを摺動可能の軸156b
に連結されており、平常時は垂直構造部材152に近接
して平行に設置されている。耐振部材156は振動感知
時に耐振部材153、154の他端を変位させて固定す
るとともに、突部153bと凹部154bとからなる中
間ロック機構を作動させて耐振部材153、154を伸
縮不能としてブレース材として位置させ、耐振部材15
3、154の復帰を阻止するように位置するものであ
る。
【0064】垂直構造部材152に沿って断面がU字状
のガイド部157が固着され、この垂直のガイド部内を
移動部材158が上下動可能に位置している。ガイド部
157の側面に溝部157aが形成され、移動部材15
8に固定されたピン158aが溝部から突出している。
そして、第4の耐振部材159は一端をピン158aに
回動可能に支持され、他端を耐振部材156の他端の軸
156bに連結されている。第4の耐振部材159も平
常時は垂直構造部材152に近接して設置されている。
耐振部材159は耐振部材156と協動して耐振部材1
53、154の復帰を阻止するように位置するものであ
る。
【0065】移動部材158を溝部157aの上端にピ
ン158aが位置する状態で保持するロック装置158
bが設けられ、このロック装置は例えば地震を感知する
センサー(図示せず)からの信号により作動するように
構成されている。なお、ロック装置158bは移動部材
158に凹部を設け、この凹部にピンを挿入して移動部
材158をロックする等、適宜の構成とすることができ
る。
【0066】本発明に係る構造物150は前記した構成
であり、以下に動作について説明する。地震が発生し、
センサーが例えば地震のP波を検出するとロック装置1
58bを作動させ、移動部材158がフリーの状態とな
り自重により落下する。これにより耐振部材159は上
端部をピン158aに押下げられ、他端の軸156bが
矩形フレームの内側に移動され、耐振部材154を支点
154aを中心として反時計方向に回動させる。このよ
うに耐振部材154は反時計方向に回動され、耐振部材
159の下降、旋回により軸156bは溝部154c内
を図23(b)のように上昇する。これと同時に耐振部
材154の他端のスリーブ155が耐振部材153に沿
って左進し、耐振部材153を時計方向に回動し、スリ
ーブ155は耐振部材153の支点方向に移動する。
【0067】移動部材158が最下位置まで下降すると
図24の状態となり、耐振部材153と154は一直線
状となり突部153bが凹部154bに嵌合して伸縮不
能となる。これにより構造物150の矩形フレームは耐
振部材153と154によって構成されるブレースによ
り補強される。また、第3の耐振部材156はブレース
として機能する耐振部材153および154の中心部
と、ブレースの支点でない矩形フレームの直角部とを連
結し、耐振部材153と154の復帰を阻止するように
機能するため、補強がより完全となる。さらに、第4の
耐振部材159も同様に復帰を阻止するように機能して
いる。このように地震が発生すると、平常時、矩形フレ
ームに近接して位置する耐振部材が瞬時にブレースとし
て機能して構造物を補強することができる。
【0068】地震の振動がおさまると、ブレースとして
機能している耐振部材を元の位置に復帰させることがで
きる。すなわち、図24の状態から移動部材158を上
方に移動すると、第4の耐振部材はピン158aにより
左端が持ち上げられ、右端の軸156bが溝部154c
内を移動して耐振部材156が反時計方向に回動され
る。同時に耐振部材154が支点154aを中心として
時計方向に回動され、スリーブ155が右進することに
より耐振部材153が支点153aを中心に反時計方向
に回動され図23(b)の状態となる。
【0069】さらに、移動部材158を上昇させると、
各耐振部材はそれぞれ回動して図23(a)の状態に復
帰する。そして、ロック装置158bが移動部材158
を上昇させた状態で保持する。このようにして平常時は
構造物の矩形フレーム内を開口部として利用し、地震時
には開口部にブレース部材を機能させて耐振補強するこ
とができる。この実施形態においては、各耐振部材15
3、154、156は一端を中心として回動する部材で
あり、また耐振部材159も支点は移動するが基本的に
は回動するため、耐振補強するときの動作および復帰す
るときの動作が安定して行えるという効果がある。
【0070】なお、本実施形態では、図25(b)、
(c)に示されるように、耐振部材156、159は耐
振部材153、154の片側に設置する例を示したが、
耐振部材153、154の両側に対称的に設置するよう
に構成してもよく、これにより耐振部材の強度を高める
ことができる。
【0071】つぎに本発明の他の実施形態を図26〜2
8を参照して説明する。図26(a)は本発明の他の実
施形態の平常時の正面図、(b)は中間動作時の正面
図、図27は耐振補強時にブレース材として位置させた
状態の正面図、図28は図27の要部の拡大斜視図であ
る。構造物160は水平構造部材161と垂直構造部材
162とにより矩形フレームを形成し、上部に位置する
水平構造部材161に近接して一端を支持板の支点16
3aにて支持され他端が下方に回動可能である第1の耐
振部材163を設置してある。
【0072】また、垂直構造部材162に近接して一端
を支持板の支点164aにて支持され他端が内方に回動
可能である第2の耐振部材164を設置してあり、振動
感知時に第1および第2の耐振部材163、164を一
端を中心に回動変位させ他端側を相互に固定して水平構
造部材161と垂直構造部材162との間にブレース材
として位置させるものである。耐振部材163は中央部
にロック段差部163bを形成してあり、これより支点
側は断面が正方形状であり反対側は厚さが半分に削られ
た長方形断面の薄肉部となっている。そして、薄肉部に
長手方向の摺動溝163cが形成されている。耐振部材
164は耐振部材163の移動範囲に対応して薄肉材で
形成され、上部の摺動溝164bと中央部の摺動溝16
4cとを形成してある。
【0073】耐振部材163の摺動溝163cと耐振部
材164の摺動溝164bとはピン165により連結さ
れ、耐振部材163と164は他端同士が連係されてい
る。耐振部材164の摺動溝164bは部材の側辺に沿
って突出して形成され、突出部の角部164dはロック
段差部163bの角度と同一に形成され係合が可能とな
っている。なお、ピン165は例えば両端に鍔部を形成
して摺動溝163cおよび164bに脱落不能に摺動可
能に位置するものであるが、図を簡略化するため図示を
省略している。
【0074】矩形フレームの直角部の支点166aに一
端を支持された第3の耐振部材166は、他端が第2の
耐振部材164の摺動溝164cを摺動可能の軸166
bに連結されており、平常時は垂直構造部材162に近
接して平行に設置されている。垂直構造部材162に沿
って断面がU字状のガイド部167が固着され、この垂
直のガイド部内を移動部材168が上下動可能に位置し
ている。
【0075】ガイド部167の側面に溝部167aが形
成され、移動部材168に固定されたピン168aが溝
部から突出している。そして、第4の耐振部材169は
一端をピン168aに回動可能に支持され、他端を耐振
部材166の他端の軸166bに連結されている。第4
の耐振部材169も平常時は垂直構造部材162に近接
して設置されている。耐振部材166、169は振動感
知時に耐振部材163、164の他端を変位させるとと
もに、ロック段差部163bと角部164dとを係合さ
せて耐振部材163、164をロック固定してブレース
材として位置させ、耐振部材163、164の復帰を阻
止するように位置するものである。
【0076】本発明に係る構造物160は前記した構成
であり、以下に動作について説明する。地震が発生する
と図示していないロック装置を解除することにより移動
部材168がフリーの状態となり自重により落下する。
これにより耐振部材169は上端部をピン168aに押
下げられ、他端の軸166bが矩形フレームの内側に移
動され、耐振部材164を支点164aを中心として反
時計方向に回動させる。このように耐振部材164は反
時計方向に回動され、耐振部材169の下降、旋回によ
り軸166bは摺動溝164c内を上昇する。これと同
時にピン165が摺動溝164b内を下降し耐振部材1
63の摺動溝163c内を左進し耐振部材163を時計
方向に回動する。
【0077】移動部材168が最下位置まで下降すると
図27の状態となり、耐振部材163と164はロック
段差部163bと角部164dとが係合し、構造物16
0の矩形フレームは耐振部材163と164によって構
成されるブレースにより補強される。また、第3の耐振
部材166はブレースとして機能する耐振部材163お
よび164の中心部と、ブレースの支点でない矩形フレ
ームの直角部とを連結し、耐振部材163と164の復
帰を阻止するように機能するため、補強がより完全とな
る。さらに、第4の耐振部材169も同様に復帰を阻止
するように機能している。このように地震が発生する
と、平常時、矩形フレームの各辺に近接して位置する耐
振部材が瞬時にブレースとして機能して構造物を補強す
ることができる。
【0078】地震の振動がおさまると、ブレースとして
機能している耐振部材を元の位置に復帰させることがで
きる。すなわち、図27の状態から移動部材168を上
方に移動すると、第4の耐振部材169はピン168a
により左端が持ち上げられ、右端の軸166bが摺動溝
164c内を移動して耐振部材166が反時計方向に回
動される。同時に耐振部材164が支点164aを中心
として時計方向に回動され図26(b)の状態となる。
さらに移動部材168を上方に移動して耐振部材164
を垂直構造部材162に対接させたあと、耐振部材16
3の他端を上方に移動して支点163に対して反時計方
向に回動させ、図26(a)の状態に復帰させることが
できる。
【0079】この実施形態においては、前記した図23
〜25の実施形態に対し、耐振部材がブレースとして機
能しているとき耐振部材が一直線上でなく180度より
小さい角度を有しているため開口面積を大きくできる効
果がある。また、各耐振部材163、164、166は
一端を中心として回動する部材であり、また耐振部材1
69も支点は移動するが基本的には回動するため、耐振
補強するときの動作および復帰するときの動作が安定し
て行えるという効果がある。
【0080】前記した図26〜28の実施形態におい
て、図29のように変更することができる。すなわち、
耐振部材163の先端部を両側から削って薄肉としてロ
ック段差部163bを両面に形成し、耐振部材164の
先端を2枚の板状材で構成して耐振部材163を挟み、
耐振部材164の角部164dも対応して両面に形成
し、耐振部材166、169を2本づつ設置するように
構成している。このように構成することにより耐振部材
のブレース材としての強度を高めることができる。
【0081】なお、図23〜25の実施形態および図2
6〜28の実施形態において、移動部材158、168
は自重により下方に移動する例を示したが、例えばバネ
を用いて付勢する等適宜変更するようにしてもよい。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
構造物の矩形フレームにより構成される矩形空間は平常
時は斜材が位置しないため窓、開口等に利用でき、強
風、地震等による振動を感知したときは耐振部材が斜材
として位置してブレース材として機能するため、矩形フ
レームを補強することができる。また、振動が終了した
ときは耐振部材を元の位置に復帰できるため、矩形空間
を窓、開口等に利用することができ、また、減衰装置を
付加することにより制震機能を期待でき、眺望、機能を
妨げることはないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の耐振部材を備える構造物
の概略正面図であり、(a)は平常時、(b)は振動感
知時を示す。
【図2】図1の構造物の1つの矩形フレームの正面図で
あり、(a)は平常時、(b)はブロック部を省略した
状態の振動感知時を示す。
【図3】(a)は耐振部材の上部の詳細図、(b)はそ
の断面図である。
【図4】耐振部材の端部ロック装置の断面図であり、
(a)は平常時、(b)はロック時を示す。
【図5】耐振部材の中間ロック装置を示し、(a)は平
常時の断面図、(b)はロック時の断面図、(c)は概
略斜視図である。
【図6】耐振部材の付勢手段の他の例を示す正面図であ
【図7】耐振部材の付勢手段のさらに他の例を示す正面
図である
【図8】耐振部材の付勢手段のさらに他の例を示し、
(a)は平面図、(b)は正面図を示す。
【図9】本発明の他の実施形態の矩形フレームの要部正
面図であり、(a)は平常時、(b)は振動感知時を示
す。
【図10】図9の耐振部材の折り曲げ部を示す要部拡大
正面図であり、(a)は振動感知時、(b)は折り曲げ
時を示す。
【図11】図9の耐振部材の端部ロック装置の要部断面
図である。
【図12】耐振部材の中間ロック装置の他の例の要部断
面図である。
【図13】耐振部材の他の折り曲げ部を示す要部拡大断
面図であり、(a)は折り曲げ時、(b)は振動感知時
を示す。
【図14】耐振部材の中間ロック装置の他の例を示し、
(a)は平常時の要部縦断面図、(b)は(a)のB−
B線断面図、(c)は(a)のC−C線断面図、(d)
はロック時の縦断面図、(e)は(d)のE−E線断面
図である。
【図15】減衰装置を付加した耐振部材を備える構造物
の実施形態の矩形フレームを示す正面図である。
【図16】減衰装置の一例であるオイルダンパーの断面
図である。
【図17】減衰装置の他の例の減衰棒の断面図である。
【図18】減衰装置のさらに他の例の減衰コマの断面図
である。
【図19】減衰装置を付加する耐振部材を備える構造物
の他の実施形態の矩形フレームを示す正面図であり、
(a)は平常時、(b)は振動感知時を示す。
【図20】本発明の他の実施形態を示し、(a)、
(c)、(e)はそれぞれ平常時の概略正面図、
(b)、(d)、(f)はそれぞれ振動感知時の概略正
面図である。
【図21】本発明の他の実施形態を示し、(a)、
(c)はそれぞれ平常時の概略正面図、(b)、(d)
はそれぞれ振動感知時の概略正面図である。
【図22】本発明の他の実施形態を示し、(a)は平常
時の概略正面図、(b)は振動感知時の概略正面図であ
る。
【図23】本発明に係る耐振部材を備える構造物の他の
実施形態の正面図を示し、(a)は平常時、(b)は中
間動作時を示す。
【図24】図23に続く動作状態を示し、耐振補強時に
おける正面図である。
【図25】(a)は図24のF−F線断面図、(b)は
G−G線断面図、(c)は第2の耐振部材の凹部を示す
一部破断拡大図、(d)はH−H線断面図である。
【図26】本発明に係る耐振部材を備える構造物のさら
に他の実施形態の正面図を示し、(a)は平常時、
(b)は中間動作時を示す
【図27】図26に続く動作状態を示し、耐振補強時に
おける正面図である。
【図28】図27の要部を示す概略斜視図である。
【図29】図26〜28に示す耐振部材の他の例を示す
概略斜視図である。
【符号の説明】
10、120、130、140 構造物 11、121、131、141 梁 12、122、132、142 柱 13、70、110、111、124、127、13
4、135、137、143、144 耐振部材 14、14A ガイドレール 14a 止め板 15 筒状部材 16 軸状部材 17、49 軸受け 18 ローラ 19、42、53 電磁ロック装置 20 圧縮ばね 21 風速計 22 センサー 23 電源 24 制御部 25、54、60 端部ロック装置 26、33 スプリング 27 ピン 28 固定孔 29 調整ねじ 30 調整孔 31 中間ロック装置 32 ケース部 34 ロック片 35 調整軸 36 調整ナット 37 ハンドル 38 ロック孔 40 ワイヤ 41 重錘 43 引張りばね 44 貫通孔 46、71 第1の部材 47、72 第2の部材 48、73、112、145 ヒンジ部 50 案内軸 51 ガイド溝 52 引張りばね 55 ロック片 56 ワイヤ 61 ガイド溝 62 ローラ 63 ロック部材 64 ケース 65 ばね 66 取付軸 67 ハンドル 68 ナット 71a ロックレバー 72a ストッパリング 74、113、146 ロック筒体 75 外側パイプ材 76 内側パイプ材 77 中間ロック装置 78 ロック片 79 嵌合溝 80 減衰装置(オイルダンパー) 81 シリンダ 82 ピストン 83 室 84 粘性流体 85 連通管 86 バッファ室 87、88 取付部 90 減衰棒 91、96、101、105 取付部材 92、102 ねじ部 93、98、103、107 ボールベアリング 94、104 案内ナット 95 回転内筒 97 固定外筒 99、109 粘性流体 100 減衰コマ 106 ケーシング 108 回転コマ 115 減衰装置 116 減衰部 117 連動部 123、133 移動梁 125、126 取付部 128 中心軸 136 ガイド手段 150、160 構造物 151、161 水平構造部材 152、162 垂直構造部材 153、163 第1の耐振部材 153a、154a、156a、163a、164a、
166a 支点 153b 突部 154、164 第2の耐振部材 154b 凹部 154c、157a、167a 溝部 155 スリーブ 155a ヒンジ部 156、166 第3の耐振部材 156b、166b 軸 157、167 ガイド部 158、168 移動部材 158a、165、168a ピン 158b ロック装置 159、169 第4の耐振部材 163b ロック段差部 163c、164b、164c 摺動溝 164d 角部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 15/04 F16F 15/04 A Fターム(参考) 2E125 AA03 AA13 AA33 AB05 AC13 AG04 AG12 BB09 BC09 BD01 BE07 CA64 CA79 EA25 3J048 AA05 AB01 BE03 BG06 DA03 EA38

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平構造部材と垂直構造部材とからなる
    矩形フレームを有し、前記水平構造部材および/または
    垂直構造部材に近接して耐振部材を設置し、振動感知時
    に前記耐振部材を変位させて前記水平構造部材と垂直構
    造部材との間にブレース材として位置させることを特徴
    とする耐振部材を備える構造物。
  2. 【請求項2】 水平構造部材と垂直構造部材とからなる
    矩形フレームを有し、前記水平構造部材および/または
    垂直構造部材に近接して伸縮可能であり伸長状態を保持
    する中間ロック装置を有する耐振部材を設置し、前記耐
    振部材の一端を回動可能に支持するとともに該耐振部材
    をロック装置により保持し、振動感知時に前記ロック装
    置を解除して耐振部材の他端を変位させて固定するとと
    もに前記中間ロック装置を作動させ、前記耐振部材をブ
    レース材として位置させることを特徴とする耐振部材を
    備える構造物。
  3. 【請求項3】 水平構造部材および/または垂直構造部
    材は、耐振部材の他端が変位するガイド手段を有するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の耐振部材を備え
    る構造物。
  4. 【請求項4】 耐振部材に減衰装置を付加することを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の耐振部材を
    備える構造物。
  5. 【請求項5】 耐振部材と水平構造部材および/または
    垂直構造部材との間に減衰装置を設けたことを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の耐振部材を備える
    構造物。
  6. 【請求項6】 減衰装置はオイルダンパーであることを
    特徴とする請求項4または5記載の耐振部材を備える構
    造物。
  7. 【請求項7】 減衰装置は減衰棒または減衰コマである
    ことを特徴とする請求項4または5記載の耐振部材を備
    える構造物。
  8. 【請求項8】 減衰装置は高減衰積層ゴムまたは鉛プラ
    グ入り積層ゴムであることを特徴とする請求項4または
    5記載の耐振部材を備える構造物。
  9. 【請求項9】 減衰装置は鉛ダンパーまたは極軟鋼であ
    ることを特徴とする請求項4または5記載の耐振部材を
    備える構造物。
  10. 【請求項10】 水平構造部材と垂直構造部材とにより
    矩形フレームを形成し、前記水平構造部材に近接して一
    端を支持され他端が下方に回動可能である第1の耐振部
    材を設置し、前記垂直構造部材に近接して一端を支持さ
    れ他端が内方に回動可能である第2の耐振部材を設置
    し、振動感知時に前記第1および第2の耐振部材を一端
    を中心に回動変位させ他端側を相互に固定して前記水平
    構造部材と垂直構造部材との間にブレース材として位置
    させることを特徴とする耐振部材を備える構造物。
  11. 【請求項11】 前記矩形フレームに一端を支持され他
    端が前記第1または第2の耐振部材の長手方向の溝部を
    摺動可能の軸に連結される第3の耐振部材を水平構造部
    材または垂直構造部材に近接して設置し、振動感知時に
    前記第1および第2の耐振部材の他端を変位させて固定
    するとともに、中間ロック機構を作用させて前記第1お
    よび第2の耐振部材を伸縮不能としてブレース材として
    位置させ、前記第3の耐振部材を前記第1および第2の
    耐振部材の復帰を阻止するように位置させることを特徴
    とする請求項10に記載の耐振部材を備える構造物。
  12. 【請求項12】 前記垂直構造部材に沿う上下方向の溝
    部に一端を摺動かつ回動可能に支持され、他端が前記第
    3の耐振部材の他端に連結される第4の耐振部材を垂直
    構造部材に近接して設置し、第4の耐振部材を第3の耐
    振部材と協動して前記第1および第2の耐振部材の復帰
    を阻止するように位置させることを特徴とする請求項1
    1に記載の耐振部材を備える構造物。
  13. 【請求項13】 前記第4の耐振部材は、前記上下方向
    の溝部に沿って摺動する摺動部材が連結されていること
    を特徴とする請求項12に記載の耐振部材を備える構造
    物。
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