JP2000178713A - β−FeSi2薄膜の形成方法 - Google Patents

β−FeSi2薄膜の形成方法

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剛 吉武
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に製造できるターゲット材を用い、低い
基板温度で、アニール無しに、基板材料の種類を問わず
にβ−FeSi2 単相の薄膜を成膜できる方法の開発。 【構成】 溶融法または焼結法により製造したFeとS
iの成分原子比が1:2の組成のFeSi2 合金をター
ゲット材料とし、基板温度を500℃以下として、紫外
光領域の波長のレーザを用いてパルスレーザアブレーシ
ョンにより基板上に堆積したままでβ相のFeSi2
膜を堆積する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光デバイス材料、
高効率太陽電池材料、熱−電気抵抗材料等として期待さ
れているβ−FeSi2 薄膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体特性をもつβ−FeSi2 は、
0.8−0.85eVの光バンドギャップ、高光吸収係
数、高温での良好な物理的−化学的安定性、耐酸化性等
の優れた特性を有し、Si基板にエピタキシャル成長可
能であるが、β−FeSi2 結晶は、単結晶中にFe原
子を16個、Si原子を32個含む複雑な構造を持つて
おり、それだけに、その結晶成長は、どのような方法を
用いても極めて困難であることが知られている。
【0003】β−FeSi2 膜は、Ion Beam Synthesis
(IBS)法、Reactive Deposition Epitaxy (RD
E)法、Solid Phase Epitaxy (SPE)法、Molecula
r Beam Epitaxy(MBE)法、Pulsed Laser Depositio
n (PLD)法等種々の方法が報告されている。
【0004】例えば、特開平4−210463号公報に
は、アルミナ基板上にPVD法により多結晶のβ−Fe
Si2 膜を堆積する際に、基板温度を200〜600℃
とし、その後500〜900℃でアニールすることによ
り、サーミスタ定数のばらつきを小さくする方法を開示
している。また、特開平7−166323号公報は、単
結晶Si基板上に絶縁膜を挟んで形成された単結晶Si
層上に鉄をPVD法により堆積させ、この鉄と単結晶S
i層とを固相反応させて単結晶のβ−FeSi 2 薄膜を
形成する方法を開示している。
【0005】イオンビーム(IBS)法は、質量分離し
56Fe+ イオンを高濃度(>10 16ions/c
2 )でSi結晶基板に直接注入するので、高純度のβ
相の生成が期待できる。また、複数の注入エネルギー
(多重イオン注入)によって注入分布を自由に変化さ
せ、β相を形成する深さを制御できる等の利点があり、
3重イオン注入法等も報告されている(「Ion-Beam Synt
hesized Semiconducting β-FeSi 2 Controlld by Ann
ealing Procedure and Phase-Transtions」 Y.Maeda,T.F
ujita,T.Akita,K.Umezawa and K.Miyake,MRS Symp.Pro
c.486(1998)329)が、IBS法では成膜後に加熱して結
晶を成長させる必要がある。
【0006】また、IBS法は、熱による作用を利用す
る方法であり、基板を高温に加熱する必要があり、基板
の種類が制限される問題点がある。このような、問題点
を解決するものとして、特開平10−130826号公
報には、化合物構成元素の内の一方の金属のイオンビー
ムを化合物構成元素の内の他方より成る基板に照射して
化合物薄膜を500℃以下の比較的低温で成膜する方法
を開示しており、この方法でSi基板を300℃に加熱
し、基板に対してFeイオンビームとSiイオンビーム
とを交互に照射することにより、β−FeSi2 の結晶
薄膜が得られたことが記載されている。
【0007】パルスレーザアブレーション(PLD)法
は、ターゲットの組成とのずれのない薄膜が得られる、
雰囲気の圧力が1Torr付近までの広い領域で成膜で
きる、成長速度を極めて速くすることができる等の利点
を有し、例えば、特許第2525910号公報に開示さ
れているように、プラズマの発生しやすい10-4〜1T
orrの圧力範囲でプラズマを併用してZnOやPLZ
T等の酸化物、TiN、BN等の窒化物、その他の酸窒
化物、炭化物等を形成するものや、特開平9−2418
32号公報に開示されているように、Ta−Ni系合金
等のアモルファス合金被膜を形成するもの等、種々の薄
膜の形成方法として好適であるが、成長速度が非常に速
く結晶化が十分に行われず、膜質が悪かったり、クラス
タ粒子が薄膜中に液滴状に堆積した「ドロップレット」
と言われる付着物等の欠点があり、PLD法を用いたβ
−FeSi2 膜の形成は、上述のようにβ−FeSi2
の構造が非常に複雑なこともあり、その製法についての
研究は従来ほとんどなされていなかった。
【0008】レーザアブレーション法によるβ−FeS
2 実用的な成膜法についての報告は少ないが、最近、
「日本物理学会誌」(VoL.53.No.11,P858〜859,1998)
には、水平温度勾配法及び化学気相輸送法を発展させた
方法により成長させた単一β相ポリ及び単結晶バルクβ
−FeSi2 試料、つまりターゲット材自体をβ相とし
たものを用いてレーザアブレーション法や電子ビーム蒸
着法によるエピタキシャル結晶成長を行い良質のβ−F
eSi2 薄膜試料が得られたことが報告されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】β−FeSi2 は、地
球上に豊富に存在し、人畜無害であり、環境および資源
問題を克服し、Si−ULSI代替オプトエレクトロニ
クスデバイス、理論効率16〜23%を有する太陽電
池、IR光センサー、熱電子デバイス等の次世代環境低
負荷半導体として、さらには、従来の化合物半導体とは
異なる多彩な物性を発揮する半導体として期待されてい
る。
【0010】しかしながら、単相のβ−FeSi2 薄膜
を調製することは困難である。なぜなら、α−FeSi
2 、ε−FeSi2 、CsCl型FeSi、γFeSi
等のその他の鉄シリサイド相がβ−FeSi2 相に混っ
て形成されやすいからからである。
【0011】従来のβ−FeSi2 薄膜の形成方法で
は、基板に単結晶Siを用いてFeを堆積したり、Fe
基板にSiを堆積したりするため、基板材料に制約があ
り、また、エピタキシャル成長を起こさせるために、一
般に、基板の温度は500℃を超える温度にするとか、
適当な圧力条件にするとかが必要であり、さらにβ−F
eSi2 を得るために成膜後に600℃以上での長時間
のアニールが必要であり、β−FeSi2 の作成は、困
難で繁雑であった。
【0012】そこで、β−FeSi2 単相の薄膜を種々
の用途に用いるには、安価に製造できるターゲット材を
用い、低い基板温度で、アニール無しに、基板材料の種
類を問わずに成膜できるシンプルな成膜方法が求められ
ていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ターゲット
と基板との間にシャドウマスクを設けたり、ターゲット
から放出された成膜材料を通過面積コントロール部材を
介して基板に到達させる等の従来技術において採用され
ているような特別の手段を用いずに、ドロップレットの
ない膜を形成すると同時に低い基板温度で結晶性の優れ
たβ−FeSi 2 相を成長させる方法について、鋭意研
究開発を進めたところ、アブレーション法の熱的作用と
光化学的作用の異なった作用をうまく利用することによ
り、基板温度が特定の範囲で膜質を悪くせずに結晶化を
十分に行わせることができ、安価に製造できるターゲッ
ト材を用いて上記の課題の解決が図れることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は、溶融法または焼結法
により製造したFeとSiの成分原子比が1:2の組成
のFeSi2 合金をターゲット材料とし、基板温度を5
00℃以下として、紫外光領域の波長のレーザを用いて
パルスレーザアブレーションにより基板上に堆積したま
までβ相のFeSi2 薄膜を堆積することを特徴とする
レーザアブレーション法によるβ−FeSi2 薄膜の形
成方法である。紫外光領域の波長のレーザとしては、エ
キシマレーザ、特に、より波長の短いArFエキシマレ
ーザが好ましい。
【0015】基板温度は、従来の方法と比べて低温でよ
く、500℃以下、より好ましくは400℃以下であ
る。 基板温度は、室温領域までも可能であるが、β−
FeSi2 単相膜を形成するには100℃近傍がより好
ましい。基板温度が500℃を超えるとFeSi相等の
他のメタリックな相が生成し始めるので好ましくない。
【0016】本発明のβ−FeSi2 薄膜形成方法によ
れば、Ts<100℃以下では、アモルファス+β相構
造、100≦Ts≦400℃では、β−FeSi2 の単
相膜、400<Ts≦500℃では、β−FeSi2
FeSiの混相膜が得られる。
【0017】従来のPLD法は、β−FeSi2 結晶の
形成に極めて有効であると考えられるものの、欠陥のな
い高品質のβ−FeSi2 を得るにはアニーリングのよ
うな結晶成長処理が必要であった。本発明の方法は、こ
のようなアニーリングを必要とせずに、堆積したままで
欠陥のない高品質のβ−FeSi2 相を溶融法や焼結法
で製造したターゲット材を用いて得ることができる。
【0018】本発明において、上記のように基板温度を
低温として、紫外光領域の波長のレーザを用いることに
より高品質のβ−FeSi2 が得られる理由は次のよう
に考えられる。レーザアブレーション(PLD)法で
は、種々の材料で表面の溶融に起因してターゲットから
飛散する直径1〜10μmの球状粒子が付着した膜に混
じることが知られている。これらの粒子は、ドロップレ
ットの原因となり膜の特性を大きく損なう。本発明者
は、紫外光領域の波長のレーザを用いることによりこの
ドロップレットの発生を抑制できることを見出した。
【0019】アブレーション法は、熱的作用と光化学的
作用の異なった作用から構成される。ドロップレット飛
散がレーザの波長とフルーエンスに依存する理由は、1
064nmおよび532nmのような長波長のレーザ
は、主に熱的な作用に基づくアブレーションをもたら
す。それゆえ、ターゲット表面の溶融によりドロップレ
ットが飛散する。
【0020】一方、ArFレーザの193nmのような
短波長では、主に、光化学的アブレーションをもたら
し、光子エネルギーは、原子の電気的状態を励起するの
に消費され、ドロップレットの飛散のための熱は、ター
ゲットの表面に残らない。しかし、フルーエンスととも
に増大するので、より大きなフルーエンスでは残存する
熱によりドロップレットの飛散が始まる。
【0021】また、β−FeSi2 膜の成長を決める二
つの主要因は、基板の温度と、基板到達粒子の励起種と
そのエネルギーであり、これらの二つの要因は、膜表面
のモビリティを制御し、これにより膜の特性を決めるも
のである。
【0022】堆積した膜の構造が基板温度に強く依存す
る他の製造方法と対照的に、PLD法は、基板温度より
も、基板到達粒子の励起種とそのエネルギーが、β−F
eSi2 クリスタリット、特にβ−FeSi2 核の成長
にとって重要な役割を有しており、本発明の方法の条件
を満たすことにより、初めて高品質のβ−FeSi2
得られるものである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、溶融法または焼
結法により製造したFeSi合金で作ったターゲットに
パルスレーザ光を照射することにより基板上にβ−Fe
Si2 膜を堆積させる方法であるが、レーザアブレーシ
ョン法自体は、パルスレーザ光を集光し固体のターゲッ
トに照射して、放出された原子、分子、イオンをターゲ
ットから一定の間隔をあけて設置した基板上に堆積する
方法として公知の手段であり、本発明の方法において
も、これらの公知の方法、装置を使用できる。
【0024】本発明の方法の実施においては、成膜室内
を、ターボ分子ポンプあるいは油拡散ポンプを用いて、
10-6Torr以下に排気し、熱電対で基板温度をモニ
ターし、ヒータへ供給する電流にフィードバックをかけ
ることにより基板温度を、500℃以下の範囲に制御す
る。
【0025】レーザ源には、紫外光領域の波長のレーザ
であるArF、KrF、XeF、XeCl等のエキシマ
レーザ、好ましくは、ArFエキシマレーザ(波長19
3nm、パルス半幅値20ns)を用いる。レーザフル
ーエンスFは、1.5〜5J/cm2 の間でパルスエネ
ルギーを調整して変化させる。フルーエンスには、膜が
堆積し始めるしきい値とドロップレットが堆積し始める
しきい値が存在し、その間のフルーエンスで膜作成を行
えば、ドロップレットのない良質なβ−FeSi2 膜が
得られる。これらのしきい値は用いるレーザによって異
なりArFレーザの場合は、それぞれ2J/cm2 、4
J/cm2 である。ターゲットへのレーザ入射角度は4
5度、くり返し周波数は、10Hzが好ましい。また、
フルーエンスは、ターゲットとほぼ同一のFeとSiの
成分原子比の膜を得るための重要な要因である。
【0026】基板としては、Si(100)基板及びS
i(111)基板のみならず、アルミナ、フェライト等
のセラミックス基板、単結晶複合酸化物等の酸化物基
板、窒化物基板、ガラス基板、ステンレス鋼等の金属基
板等を使用でき、基板材料の種類に特に限定されない。
【0027】ターゲット材料は、FeとSiの成分原子
比が1:2の組成のFeSi2 合金であれば、α型鉄シ
リサイド合金やこれを加熱してβ型鉄シリサイド結晶構
造に転換したもの、アモルファスなものを用いることが
できる。このFeSi2 合金は、Fe,Si原料のアー
ク溶融法、FeSi粉末の焼結法により製造されたもの
が好ましい。
【0028】膜厚が約50nm以下の制約のある従来法
と比べて、本発明の方法によれば、例えば、200〜3
00nmの厚みのβ−FeSi2 膜を堆積させることは
容易になし得ることであり、それ以上の膜厚も可能であ
るが、堆積させるβ−FeSi2 膜の厚みは、用途等に
応じて適宜定める。
【0029】
【実施例】実施例1 図1は、使用するレーザアブレーション装置を示す。こ
の装置は、成膜室10内にターゲット15と基板16を
所定の間隔で設置し、光源ユニットから放射され、レン
ズ17で集光したレーザ光を窓部11から成膜室10内
に導入し、ターゲット15を回転させながら照射する。
基板16はヒーター12で加熱制御する。成膜室10内
を真空にするためのターボ分子ポンプあるいは油拡散ポ
ンプ等の排気装置13を付設する。
【0030】ターゲットは、アーク溶融法で調製したF
eとSiの成分原子比が1:2の組成のFeSi2 合金
(99.99%)を用いた。Si(100)基板をター
ゲットから25mmの間隔をあけてターゲットと平行に
設置した。チャンバー内は、ターボ分子ポンプを用い
て、10-6Torr以下に排気した。レーザ源には、A
rFエキシマレーザ(波長193nm、パルス半幅値2
0ns)を用いた。ターゲットの照射領域は約2mm2
とし、レーザフルーエンスFは、2J/cm2 とした。
ターゲットへのレーザ入射角度は45度、くり返し周波
数は、10Hzとした。
【0031】基板温度を、それぞれ100℃、200
℃、300℃、350℃、375℃、400℃、425
℃、450℃として、500nmの厚みのβ−FeSi
2 膜を堆積させた。堆積速度は、0.04nm/sであ
った。
【0032】上記のFeSi2 合金ターゲットを用いて
作成した鉄シリサイド薄膜の表面形状を走査型電子顕微
鏡で観察した結果、図2に示すようにドロップレットの
少ない滑らかな膜が得られることが分かった。堆積した
膜の組成は、X線光電子分光法で測定した。結晶構造
は、Cu−Kα照射によりX線回折法を用いて評価し
た。X線回折パターンを、2θ−θスキャンの場合を図
3、2θスキャンの場合を図4に、ラマンスペクトルを
図5に示す。
【0033】基板温度が100℃の場合は、基板からの
回折ピークのみが観測され、生成膜はアモルファスにな
っていると考えられるが、ラマンスペクトルでは、β−
FeSi2 による181cm-1と239cm-1に中心を
持つ2箇所のピークが観察され、100℃以下でもβ−
FeSi2 の生成が可能であることを示している。
【0034】200℃以上の各温度では、β−FeSi
2 の(041)面あるいは(014)面と考えられる回
折ピークと(224)面と考えられる回折ピークが観測
されるようになり、β−FeSi2 が成長し始めること
が分かる。
【0035】350℃以上の各温度では、さらにβ−F
eSi2 の(220)面の回折ピークが観測される。
【0036】425℃、450℃になると、β−FeS
2 の(311)面あるいは(040)面と考えられる
回折ピークが観測され始めるのに加えて、FeSiの
(110)面からの回折ピークが観測されるようにな
り、生成膜は、β−FeSi2 とFeSiとの混相膜と
なっていることが分かる。
【0037】比較例1 レーザをQ−Nd:YAGレーザ(波長1064nm、
532nm、パルス反幅値15ns)を用いた以外は実
施例1と同様に成膜した。得られた鉄ケイ化物膜は、膜
表面に多数のドロップレットが見られ、β−FeSi2
は生成しなかった。
【0038】
【発明の効果】イオンビーム法等の他の薄膜形成法の場
合は、β−FeSi2 相の成長には膜作成後に数時間に
わたる600〜900℃のアニーリングが必要であり、
その作成は困難で、かつ手間が掛かるのに対して、本発
明の薄膜形成方法は、他の形成法に比べて低い基板温度
の200〜450℃で、しかもアニーリングなしでβ−
FeSi2 相を安価に製造できるターゲット材を用いて
生成できるので実用的方法として画期的なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いるPLD装置の概念を示
す側面図。
【図2】本発明の実施例のβ−FeSi2 膜の表面形状
を示す走査型電子顕微鏡写真。
【図3】本発明の実施例のβ−FeSi2 膜のX線回折
(2θ−θスキャン)パターンを示すグラフ。
【図4】本発明の実施例のβ−FeSi2 膜のX線回折
(2θスキャン)パターンを示すグラフ。
【図5】本発明の実施例のβ−FeSi2 膜のラマンス
ペクトルを示すグラフ。
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月20日(1999.1.2
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】 本発明のβ−FeSi2 薄膜形成方法に
よれば、Ts<100℃以下では、アモルファスおよび
/またはβ相構造、100≦Ts≦400℃では、β−
FeSi2 の単相膜、400<Ts≦500℃では、β
−FeSi 2 とFeSiの混相膜が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融法または焼結法により製造したFe
    とSiの成分原子比が1:2の組成のFeSi2 合金を
    ターゲット材料とし、基板温度を500℃以下として、
    紫外光領域の波長のレーザを用いてパルスレーザアブレ
    ーションにより基板上に堆積したままでβ相のFeSi
    2 薄膜を堆積することを特徴とするレーザアブレーショ
    ン法によるβ−FeSi2 薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 レーザをArFエキシマレーザとし、基
    板温度を100℃以上400℃以下とし、成膜室の圧力
    範囲を10-6Torr以下とし、レーザフルーエンスを
    1.5〜5J/cm2とすることを特徴とする請求項1
    記載のレーザアブレーション法によるβ−FeSi2
    膜の形成方法。
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