JP2000178293A - 希土類金属を基礎とする、重合活性を有し、橋かけされていない単核ビスアルキル金属のセミサンドイッチ錯体 - Google Patents

希土類金属を基礎とする、重合活性を有し、橋かけされていない単核ビスアルキル金属のセミサンドイッチ錯体

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JP2000178293A
JP2000178293A JP11264283A JP26428399A JP2000178293A JP 2000178293 A JP2000178293 A JP 2000178293A JP 11264283 A JP11264283 A JP 11264283A JP 26428399 A JP26428399 A JP 26428399A JP 2000178293 A JP2000178293 A JP 2000178293A
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Jun Prof Dr Okuda
ジュン、オクダ
Kai Hultzsch
カイ、フルチュ
Michael Dr Gepraegs
ミヒャエル、ゲプレグス
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C08F4/00Polymerisation catalysts
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    • C08F4/52Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors selected from light metals, zinc, cadmium, mercury, copper, silver, gold, boron, gallium, indium, thallium, rare earths or actinides selected from boron, aluminium, gallium, indium, thallium or rare earths

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】種々のモノマーを配位重合して、均質で高純度
の生成物を工業的規模で得られる安定な金属錯体を提供
する。 【解決手段】一般式I [MがSc、Y、La又はランタニド金属、Rが水素、
ハロゲン、C1〜C20アルキル、C3〜C10シクロアルキ
ル、C6〜C15アリール又はC3〜C30シリルを表し、隣
接する2個のRがC4〜18の飽和/不飽和の環若しく
は複素環基を形成しても良く、R’、R’’がC1〜C
20アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C15アリ
ール又はアルキル部のC1〜10でアリール部のC6〜
15であるアルキルアリール、Lが低分子量のルイス−
塩基有機化合物、mが0〜4の整数、nが0又は1を表
す。]の重合活性を有し、橋かけされていない単核ビス
アルキル金属のセミサンドイッチ錯体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、式(I):
【0002】
【化3】
【0003】[但し、Mが、スカンジウム、イットリウ
ム、ランタン又はランタニド金属を表し、Rが、水素、
ハロゲン、C1〜C20アルキル、C3〜C10シクロアルキ
ル、C6〜C15アリール又はC3〜C30有機シリルを表
し、その際、隣接する2個の基Rが、炭素原子数4〜1
8の飽和若しくは不飽和の環式基若しくは複素環基を形
成しても良く、R’、R’’が、C1〜C20アルキル、
3〜C10シクロアルキル、C6〜C15アリール又はアル
キル部分の炭素原子数が1〜10で、アリール部分の炭
素原子数が6〜15であるアルキルアリールを表し、L
が、ルイス−塩基の、低分子量有機化合物を表し、m
が、0、1、2、3又は4を表し、そしてnが、0又は
1を表す。]で表される重合活性を有し、橋かけされて
いない単核ビスアルキル金属のセミサンドイッチ錯体に
関する。更に、本発明は、極性若しくは非極性オレフィ
ン性不飽和モノマー及びラクトンの(共)重合のため
に、触媒として橋かけされていない単核のビスアルキル
金属のセミサンドイッチ錯体を使用することに関する。
さらにまた、本発明は、極性若しくは非極性オレフィン
性不飽和モノマー又はラクトンから(共)重合体を製造
する方法に関する。
【0004】
【従来の技術】希土類金属を基礎とする錯体について、
最近、非極性及び極性オレフィン性不飽和モノマーの両
方を配位制御して重合する触媒としての安定性が調査さ
れることが増加している(参照、H.Yasuda, E. Ihara,
Bull. Chem. Soc. Jpn. 1997,70, 1745-1767頁)。しか
しながら、極性モノマー、例えばアクリレート又はアク
リロニトリルは、なお、特に工業的方法において、フリ
ー・ラジカル法により重合されている。しかしながら、
フリー・ラジカル重合方法は、屡々制御が難しく、広い
分子量分布の重合生成物が得られる。
【0005】ポリオレフィンは、現在、原子番号の小さ
い遷移金属を基礎とする特定のメタロセン錯体を補助的
に用いて、工業規模で製造されている(参照、Angew. C
hem.Int. Ed. Engl. 1995, 34, 1143頁)。後者の方法
の不利は、有効な反応とするためには、少なくない量の
助触媒を添加する必要がある点である。この種の、有用
で、慣用的な不均一助触媒はメチルアルミノキサン(M
AO)である。このため、メタロセン触媒により製造さ
れる重合生成物は、触媒又は助触媒残渣により汚染され
ることが多く、着色程度、或いは物理的、機械的又はレ
オロジー特性において悪影響を受ける。煩雑な洗浄工程
は、触媒残渣による汚染を減少させるために屡々必要で
ある。
【0006】原子番号の小さい遷移金属のメタロセン化
合物の場合のように、現在では希土類金属の選択された
重合活性を有するサンドイッチ錯体を製造することも可
能である。US5312881には、α−置換アクリレ
ートの共重合の触媒として働く、ランタニドの橋かけビ
スシクロペンタジエニル錯体が記載されている。しかし
ながら、満足な重合結果を得るために、ルイス酸の助触
媒、例えばメチルアルミノキサンを、触媒組成物に添加
しなければならない。EP−A0634429には、ブ
ロック共重合体を非極性及び極性モノマーからサマリウ
ムの橋かけサンドイッチ錯体の補助により得ることがで
きる旨記載されている(参照、Yasuda et al., Macromo
lecules, 1992, 25, 5115-5116頁)。しかしながら、使
用されるメタロセン錯体は、極めて敏感であるか不安定
であり、基本的にそれを分光学的に分析することは不可
能である。橋かけサンドイッチ錯体は一般に、橋かけさ
れていないサンドイッチ若しくはセミサンドイッチ錯体
より、製造が更に複雑である。
【0007】Ihara et al., Proc. Jpn. Acad., 1996,
71, 126頁には、アルキルアクリレートを、サマリウム
又はイットリウムの橋かけされていない単核のサンドイ
ッチ錯体、即ちSm(Me)(C5Me52(THF)
又はY(Me)(C5Me52(THF){但し,Me
=メチル、THF=テトラヒドロフラン}の存在下に、
配位重合することができることが示された。Yasuda et
al., Bull. Chem. Soc.Jpn. 1997, 70(8), 1745-1767頁
によれば、メチルメタクリレートは、この種の単核錯体
LnMe(C5Me52{Ln=Y、Sm、Yb又はL
u}を用いて重合することができる。Hue et al., J. R
are Earths, 1995, 13, 144頁には、収率は大きくない
が、アクリロニトリルを嵩高い錯体Sm(O−C62
2,6−(t−Bu)2−4−Me)2を用いて重合する
ことができたことが記載されている。Tanaka et al., B
ull. Chem. Soc. Jpn. 1997, 70(8), 1745-1767頁で
は、アクリロニトリルの重合にセミサンドイッチ錯体L
a[CH(SiMe322(C5Me5)使用したこと
が記載されている。Mu et al., Organometallics, 199
6, 15, 2720-2726には、スカンジウム・セミサンドイッ
チ錯体の製造が記載されているが、重合触媒としてそれ
を使用するのではなく、二核水素化スカンジウムサンド
イッチ錯体の前駆体として使用している。しかしなが
ら、この錯体は重合活性がない。
【0008】Schaverien, Organometallics, 1994, 13
(1), 69-82頁には、二核水素化イットリウム・セミサン
ドイッチ錯体[(C5Me5)Y(OAr)(μ−H)]
2{Ar=2,6−C63−(t−Bu)2}を、対応す
る単核モノアルキルシクロペンタジエニル錯体から出発
して製造する旨記載されている。非極性オレフィン性不
飽和モノマーを、この二核イットリウム錯体を用いて重
合することができるが、単核前駆体の重合活性は調査さ
れなかった。
【0009】今日までに発見された希土類金属の単核セ
ミサンドイッチ錯体は、もしそれらが少しでも触媒活性
があっても、選択された極性のオレフィン性不飽和モノ
マーに対してさえ穏やかな重合活性を示す程度である。
【0010】それ自体でも、広範なモノマーの重合に好
適であり、同時に、簡単な方法で比較的大量に問題なく
製造することができる安定な金属錯体を見出すことが望
ましいであろう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、種々
のモノマーを配位重合して、均質で、高純度の生成物を
工業的規模で得ることができる安定な金属錯体を見出す
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
が、冒頭に記載された、希土類金属を基礎とする、橋か
けされていない単核ビスアルキル金属のセミサンドイッ
チ錯体により達成されることを見出した。更に、極性若
しくは非極性のオレフィン性不飽和モノマーの(共)重
合用の触媒としての、これらの使用を見出した。本発明
者等は、また上述のモノマーから(共)重合体を製造す
る方法も見出した。
【0013】
【発明の実施の形態】上記橋かけされていない単核ビス
アルキル金属のセミサンドイッチ錯体は、式(I)で表
され、Mが、イットリウムを表し、Rが、C1〜C10
ルキル又はC3〜C21有機シリルを表し、その際、隣接
する2個の基Rが縮合芳香族環を形成しても良く、
R’、R’’が、C1〜C10アルキル又はC6〜C10アリ
ールを表し、Lが、テトラヒドロフラン、2,5−ジア
ルキルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジアルキルエ
ーテル、アセトニトリル、トリアリールホスフィン又は
ハロゲン化トリアリールホスフィンを表し、そしてmが
0を表す、場合の錯体化合物が好ましい。
【0014】本発明の単核錯体(I)において、可能な
中心金属Mは、希土類金属、即ちスカンジウム、イット
リウム、ランタン、又はランタニド金属、即ちセリウ
ム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウ
ム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプ
ロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウム及びルテチウム(参照、Lehrbuch der anorgan
ishen Chemie, Holleman-Wiberg, de Gruyter, Berlin,
1985, 59頁)である。イットリウム、ランタン、ルテ
チウム、エルビウム及びイッテルビウムが好ましく、特
にイットリウムが好ましい。単核錯体(I)において、
金属Mは、一般に形式正3電荷体で存在する。
【0015】モノアニオン性、η5−結合、シクロペン
タジエニル環式配位子Cpは、基Rと少なくとも一個の
有機珪素基−SiR’3を有する。可能な基Rの例とし
ては、水素、ハロゲン(例、フッ素、塩素又は臭素)、
直鎖若しくは分岐のC1〜C2 0アルキル、好ましくはC1
〜C10アルキル(例、メチル、エチル、n−プロピル、
i−プロピル、n−ブチル又はt−ブチル、特にメチ
ル)、C3〜C10シクロアルキル、好ましくはC3〜C7
シクロアルキル(例、シクロプロピル又はシクロヘキシ
ル)、又はC6〜C15アリール、好ましくはC6〜C10
リール(例、フェニル又はナフチル)を挙げることがで
きる。好適なアリールの置換体としては、C1〜C6アル
キル(例、メチル又はi−プロピル)又はハロゲン
(例、フッ素、塩素又は臭素)で置換されたC6〜C15
アリール、好ましくはC6〜C10アリールを挙げること
ができる。隣接する2個の基Rはまた、炭素原子数4〜
18(好ましくは炭素原子数4〜15)の飽和若しくは
飽和の環式基若しくは複素環基を形成することができ
る。このような基としては、例えばアリール上に縮合し
た単位を挙げることができる。従って、インデニル、フ
ルオレニル又はベンゼンデニル系が同様に好適なモノア
ニオン性、η5−結合配位子である。
【0016】更に可能な基Rとしては、シリル置換基S
i(R*3を挙げることができる。基R*は、それぞれ
独立してC1〜C20アルキル、好ましくはC1〜C10アル
キル(例、メチル、エチル又はi−プロピル)、C3
10シクロアルキル、好ましくはC3〜C7シクロアルキ
ル(例、シクロプロピル又はシクロヘキシル)、C6
15アリール、好ましくはC6〜C10アリール(例、フ
ェニル)、又はアルキル部分の炭素原子数が1〜10
で、アリール部分の炭素原子数が6〜15であるアルキ
ルアリール(例えばベンジル)を表すことができる。単
一化合物(I)において、基Rは同一であっても、異な
る意味を有することもできる。
【0017】モノアニオン性のη5−結合環式配位子
は、少なくとも1個の有機珪素置換基SiR’3(但
し、R’は上述のR*についての一般的及び好ましい意
味を表すと考えることができる)を有する。基R’は、
相互に同一でも、異なっていても良い。例えば、i−プ
ロピル、フェニル又はハロゲン化アリール(例、ペンタ
フルオロフェニル)は、メチル又はエチルのように、同
時に珪素原子に結合することができる。
【0018】少なくとも1個のSiR’3基を含む上述
の化合物の中で、中心の金属に配位するη5−結合配位
子として特に有用な化合物は、シクロペンタジエニル、
テトラ−C1〜C6アルキルシクロペンタジエニル、イン
デニル、フルオレニル又はベンゼンデニルから誘導され
るもので、後の3個の配位子は、C1〜C6アルキル又は
3〜C30有機シリルで一置換又は多置換されていても
良い。好ましいη5−結合配位子は、R’3Si−置換シ
クロペンタジエニル、テトラ−C1〜C4アルキルシクロ
ペンタジエニル、インデニル、又はベンゼンデニルであ
り、そしてC1〜C4アルキル−一置換〜三置換インデニ
ル又はベンゼンデニルである。トリメチルシリル−、ジ
メチルフェニルシリル−若しくはジメチルペンタフルオ
ロフェニルシリル−一置換シクロペンタジエニル、テト
ラメチルシクロペンタジエニル又はインデニルを用いる
ことが特に好ましく、中でもテトラメチルシクロペンタ
ジエニルが好ましい。
【0019】中心の金属に配位した配位子Lは、一般
に、低分子量の有機ルイス塩基、即ち供与電子対を有す
る化合物である。配位子Lとしては、例えばテトラヒド
ロフラン、2,5−ジアルキルテトラヒドロフラン
(例、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン)、ジオキ
サン、ジアルキルエーテル(例、ジメチルエーテル又は
ジエチルエーテル)、アセトニトリル、トリアリールホ
スフィンを挙げることができ、特にトリフェニルホスフ
ィン、又は部分ハロゲン化若しくはペルハロゲン化トリ
アリールホスフィン、トリス(p−フルオロフェニル)
ホスフィン又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ホス
フィンを挙げることができる。
【0020】化合物(I)の基R’’は、基R’の一般
的な意味を表すと考えることができる。これらの基は、
シリル置換基−SiR’’3が嵩高い基を形成するよう
に選択することが好ましい。従って、少なくとも一個の
基R’’は、例えばi−プロピル、t−ブチル、ヘキシ
ル、フェニル又は置換フェニル基であることは好まし
い。しかしながら、非常に良好な結果は、全てのR’’
がメチルの場合でさえ達成される。η1−結合アルキル
配位子は、1個又は2個のシリル基(n=0又は1)で
置換することもできる。
【0021】特に好ましい希土類金属を基礎とする、橋
かけされていない、単核のビスアルキル金属セミサンド
イッチ錯体としては、[(トリメチルシリル)シクロペ
ンタジエニル]ビス(トリメチルシリルメチル)イット
リウム、{[ジメチル(フェニル)シリル]シクロペン
タジエニル}ビス(トリメチルシリルメチル)イットリ
ウム及び、{[ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シ
リル]シクロペンタジエニル}ビス(トリメチルシリル
メチル)イットリウムを挙げることができる。
【0022】式(I)の新規なビスアルキル金属錯体
は、M[CH2-n(SiR’’31+n3(L)2(II)
(n=0又は1)の種類の化合物から出発し、例えばC
54(H)(SiR’3)(III)と反応させることによ
り得られる。−20〜70℃の範囲(好ましくは−10
〜50℃の範囲)の反応温度において、1〜5時間の反
応時間が、等量の収率を不活性溶剤中で得るために十分
な時間である。このような不活性溶剤としては、例えば
脂肪族炭化水素(例、n−ペンタン、n−ヘキサン又は
シクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、ト
ルエン又はキシレン)、又はハロゲン化炭化水素(例、
塩化メチレン又はクロロホルム)を挙げることができ
る。脂肪族炭化水素(例、n−ペンタン、n−ヘキサ
ン)の使用が好ましい。反応は、通常大気圧下で行われ
るが、0.5〜20バールの範囲の反応圧力も使用する
ことができる。
【0023】新規な単核のセミサンドイッチ錯体
(I)、及び式(C55)M(L)[CH 2-n(Si
R’’31+n2(IV)を有する一般的な錯体{IV式にお
いて、置換基R及びR’’、配位子L及び中心の金属M
並びに記号nは、上記で(I)について述べた一般的及
び好ましい意味を有し、従って化合物(I)を含むもの
である}は、それ自体、又は式(I)又は(IV)を有す
る化合物の混合物の形で、極性及び/又は非極性オレフ
ィン性不飽和モノマ−又はラクトンの重合用触媒として
使用することができる。
【0024】極性不飽和モノマーとしては、ビニルシア
ニド(例、アクリロニトリル又はメタクリロニトリ
ル)、アクリル酸及びアクリル酸のC1〜C20アルキル
及びC6〜C15アリールエステル、同様にメタクリル酸
及びメタクリル酸のC1〜C20アルキル及びC6〜C15
リールエステル、又はこれらの混合物を挙げることがで
きる。適当なアクリレートとしては、特にメチル、エチ
ル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘ
キシル、グリシジル及びフェニルアクリレートを挙げる
ことができ、そして適当なメタクリレートとしては、特
にメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチ
ル、2−エチルヘキシル、グリシジル及びフェニルメタ
クリレートを挙げることができる。特に好ましい極性不
飽和モノマーは、n−ブチル、t−ブチル及び2−エチ
ルヘキシルアクリレート、グリシジルアクリレート、及
びアクリロニトリルである。
【0025】更に好適な極性モノマーとしては、ラクト
ン、特に3〜10の環炭素を有するものである。これら
のラクトンの中で、プロピオラクトン、バレロラクトン
及びカプロラクトンが好ましい。ラクトンの混合物も使
用することができる。 使用可能な非極性オレフィン性
不飽和モノマーとしては、エテン、プロペン、及びC 4
〜C20−α−オレフィン系炭化水素(例、1−ブテン、
1−ヘキセン、1−オクテン又は1−デセン)を挙げる
ことができる。また、ビニル芳香族化合物、例えばスチ
レン、α−メチルスチレン又はビニルトルエンも適当で
ある。エテン、プロペン又はスチレンが好ましく、特に
エテンが好ましい。非極性オレフィン性不飽和モノマー
の混合物を使用することができる。
【0026】上述の単核の金属錯体(I)及び(IV)
は、非極性オレフィン性不飽和モノマーの混合物、極性
オレフィン性不飽和モノマーの混合物、又は上述の極性
及び非極性オレフィン性不飽和モノマーの混合物を
(共)重合するために使用することができる。
【0027】化合物(I)及び(IV)の存在下における
極性オレフィン性不飽和モノマーの重合は、塊状又は溶
液で行われる。重合を溶液で行った場合、非プロトン性
溶剤を用いることが好ましい。例えば、脂肪族炭化水素
(例、ペンタン又はヘキサン)、芳香族炭化水素(例、
ベンゼン、トルエン又はキシレン)、又はハロゲン化炭
化水素(例、塩化メチレン又はクロロホルム)を挙げる
ことができる。低分子量の、直鎖又は環式のエーテル化
合物(例、ジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン)
を使用することも可能である。反応は、トルエン等の芳
香族炭化水素中で行うことが好ましい。モノマーの初期
濃度は、一般に0.001〜5モル/L(リットル)、
好ましくは0.01〜4モル/Lに設定される。重合温
度は、反応を塊状及び溶液で行う場合の両方で、広い範
囲で変えることができる。温度は、−100〜90℃、
好ましくは65℃以下の温度を選択するのが一般的であ
る。重合時間は、一般に1〜50時間であるが、10〜
24時間の反応時間が有用であることが分かった。重合
反応は、大気圧下、また0.001〜50バールの範囲
の圧力で、良好に行うことができる。重合は通常0.5
〜20バールで行われる。モノマーの触媒に対する比
は、通常50〜10000の範囲、好ましくは70〜5
000の範囲である。記載された重合反応は、不活性な
反応条件下、即ち酸素及び水分が除去された条件で行う
ことが好ましい。所望により、例えばアルゴン又は窒素
を保護ガスとして使用することができる。
【0028】ポリラクトンの製造において、上述の重合
条件を同様に使用することができる。しかしながら、反
応条件は、1時間未満で高収率を得るのに屡々十分であ
る。
【0029】単核金属錯体(I)又は(IV)の存在下に
上述の方法により得られる極性重合体は、通常アタクチ
ック体で得られる。極性オレフィン性不飽和モノマーか
ら始めて、2000〜200000g/モル、好ましく
は3000g/モルを超える範囲の分子量Mnを有する
(共)重合体が、高収率で容易に得られる。多分散度(p
olydispersity)(Mw/Mn)は、1.1〜3.0、好ま
しくは1.7未満であり、収率は50%を超えることに
信頼性がある。60〜100%の収率も同様に、再生産
可能な状態で得ることができる。ラクトンから始めて、
10000〜100万g/モル、好ましくは50000
g/モルを超える、特に100000g/モルを超える
範囲の分子量を有する重合体を得ることが可能である。
多分散度は、1.1〜3.0、好ましくは1.5未満の
範囲がである。収率は高い信頼性で極めて高く、一般に
70〜100%の範囲にある。
【0030】化合物(I)又は(IV)の存在下に非極性
モノマーの重合は、塊状又は溶液で同様に行うことがで
きる。重合を溶液で行った場合、非プロトン性溶剤を使
用することが好ましい。例えば、脂肪族炭化水素(例、
ペンタン又はヘキサン)、芳香族炭化水素(例、ベンゼ
ン、トルエン又はキシレン)、又はハロゲン化炭化水素
(例、塩化メチレン又はクロロホルム)を挙げることが
できる。低分子量の、直鎖又は環式のエーテル化合物
(例、ジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン)を使
用することも可能である。ヘキサン及び塩化メチレンの
使用が好ましく、特にトルエンが好ましい。モノマーの
初期濃度は、一般に0.001〜5モル/L(リット
ル)、好ましくは0.01〜4モル/Lに設定される。
重合温度は、広い範囲で変えることができる。温度は、
−100〜90℃、好ましくは65℃以下の温度を選択
するのが一般的である。重合時間は、一般に1〜50時
間であるが、10時間未満の反応時間が有用であること
が分かった。重合反応は、大気圧下、また0.001〜
100バールの範囲の圧力で、良好に行うことができ
る。重合は通常0.5〜20バールで行われる。記載さ
れた重合反応は、不活性な反応条件下、即ち酸素及び水
分が除去された条件で行うことが好ましい。
【0031】上記の非極性及び極性重合体の製造方法に
おいて、重合を開始するために、新規な錯体(I)又は
錯体(IV)をモノマー溶液に添加することが有利である
ことが分かった。当然、錯体(I)又は(IV)は、それ
自体、又は溶解状態で初めに充填されていても良い。重
合においては、一般に更に助活性剤又は助触媒が必要と
されることはない。
【0032】単核金属錯体(I)又は(IV)の存在下に
非極性モノマーから得られる重合体は、1000〜50
0000g/モル、好ましくは5000g/モルを超え
る範囲の分子量Mwを有する。C3〜C20オレフィン性不
飽和化合物を基礎とするポリマーは、通常アタクチック
体で得られる。短い反応時間、例えば0.5〜5時間の
範囲でさえ、良好な収率又は変換率が達成される。反応
時間は、1時間で屡々十分である。5を超える、そして
15さえ超える触媒活性(=重合体のg/触媒のミリモ
ル/時間/バール)が容易に得ることができる。
【0033】記載の金属錯体(I)又は(IV)により、
単独重合体(例、ポリアクリロニトリル、ポリ(n−ブ
チルアクリレート)又はポリエチレン)を得ることがで
きるだけでなく、異種の非極性モノマー単位、異種の極
性モノマー単位又は非極性及び極性モノマー単位から構
成されるブロック共重合体を製造することも可能であ
る。後者の種類の共重合体の例としては、ポリ(エテン
−b−t−ブチルアクリレート)、ポリ(エテン−b−
メチルアクリレート)、ポリ(エテン−b−メチルメタ
クリレート)、ポリ(エテン−b−ε−カプロラクト
ン)及びポリ(アクリロニトリル−b−エテン)を挙げ
ることができる。
【0034】記載の重合反応は、一般にプロトン性化合
物、例えば低分子量アルコール(例、メタノール、エタ
ノール又はi−プロパノール)を添加することにより停
止される。得られる(共)重合体は、一般に固体で沈殿
し、例えばろ過により機械的に分離される。上述の方法
により得られる(共)重合体は、繊維、フィルム及び成
形体の製造に適当である。
【0035】記載の方法によりアクリレートから得られ
る単独重合体及び共重合体は、特に、熱可塑性ポリマー
又はポリマー混合物の耐衝撃性改良剤として使用するこ
とができる。適当な熱可塑性ポリマー又は混合物成分と
しては、ポリアミド及びポリエステルを挙げることがで
きる。ポリアクリロニトリルは、例えば繊維材料として
有用である。
【0036】希土類金属を基礎とする本発明の単核セミ
サンドイッチ錯体は、製造が簡単で、良好な熱安定性を
有する。これらは、広範囲の極性及び非極性モノマーの
重合に好適である。本発明の方法により、単独重合体及
びブロック共重合体の両方を得ることができる。得られ
る重合体の多分散度は小さい。助触媒又は助活性剤の添
加は、非極性モノマー及び極性モノマーの両方において
不必要であるか、或いはその活性さえ減少させる場合が
あるので、得られる重合体は、直接、即ち精製工程無し
に、極めて高純度で、再生可能な好収率で得られる。記
載の方法により得られる(共)重合体は、一般に工業的
用途に好適な分子量を有する。
【0037】下記に実施例を示し、本発明を説明する。
【0038】
【実施例】製造される単独重合体の分子量は、60cm
−5μm−SDVカラム上でのゲル・パーミエーション
・クロマトグラフィ(標準物質としてポリスチレン、溶
離液としてテトラヒドロフランを用い、1ml/分の流
速で)により決定した。
【0039】ポリエチレンの融点及び溶融エンタルピー
を、Netzsch DSC 204測定器を用いてDSCにより決定
した。
【0040】1H−NMR−、13C−NMR−及び29
i−NMRスペクトルを、Bruker DRX 400分光計で記録
した。
【0041】I.新規な単核ビスアルキルイットリウム
セミサンドイッチ錯体の製造 a)Y(CH2SiMe33(THF)2 塩化イットリウム(586mg)を、テトラヒドロフラ
ン(THF)(30ml)に溶解させ、55℃で30分
間攪拌した。溶剤を蒸留で除去し、固体残渣をヘキサン
(40ml)及びTHF(0.3ml)と混合した。−
78℃にて、LiCH2SiMe3(856mg)のヘキ
サン(20ml)溶液を加え、得られた懸濁液を0℃で
1.5時間攪拌した。反応混合物のろ過により、無色微
結晶のY(CH2SiMe33(THF)2を得た。
【0042】1H−NMR(C66,25℃):δ=−
0.71(d,2J(Y,H)=2.3Hz,6H;Y
−CH2)、0.27(s,27H;SiCH3)、1.
30(m,8H;β−CH2)、3.93(m,8H;
α−CH2);13C−NMR(C 66,25℃):δ=
4.6(SiCH3)、25.0(β−CH2)、33.
7(d,1J(Y,C)=35.7Hz,Y−CH2)、
70.8(β−CH2)。
【0043】b)[C5Me4(SiMe3)]Y(CH2
SiMe33(THF)(C1) [C5Me4(H)(SiMe3)](144mg)を、
ペンタン(5ml)に溶解させた溶液を、Y(CH2
iMe33(THF)2(365mg)のペンタン(1
0ml)溶液に0℃で加え、混合物をこの温度で2時間
攪拌した。傾しゃした反応溶液を、減圧下に蒸発させ、
所望の生成物を冷却ペンタン(−30℃)中で結晶化さ
せることにより、無色微結晶(280mg)の形で得
た。[C5Me4(H)(SiMe3)]を、P. Jutzi,
R. Sauer, J. Organomet. Chem. 1973, 50, C29頁以下
により示された方法により製造した。
【0044】1H−NMR:δ=−0.61(d,2
(Y,H)=3.1Hz,4H;Y−CH2)、0.3
0(s,18h;CH2SiCH3)、0.41(s,9
H、Si−CH3)、1.15(m,4H,β−C
2)、1.96、2.24(s,6H,C5Me4)、
3.52(m,4H,α−CH2);13C−NMR:δ
=2.6(SiCH3)、4.6(CH2SiCH3)、
11.5、14.6(C5Me4)、24.8(β−CH
2)、34.7(d,1J(Y,C)=43.7Hz,Y
−CH2)、70.4(α−CH2)、115.0(C5
Me4 C−SiCH3)、123.3、126.4(C5
Me4);29Si−NMR:δ=−10.3(SiM
3)、−3.2(d,2J(Y,Si)=2.1Hz,
CH2SiMe3)。
【0045】c)[C5Me4(SiMe2Ph)]Y
(CH2SiMe33(THF)(C2) [C5Me4(H)(SiMe2Ph)](190mg)
を、ペンタン(5ml)に溶解させた溶液を、Y(CH
2SiMe33(THF)2(355mg)のペンタン
(10ml)溶液に0℃で加え、混合物をこの温度で2
時間攪拌した。傾しゃした反応溶液を、減圧下に蒸発さ
せ、所望の生成物を冷却ペンタン(−30℃)中で結晶
化させることにより、無色微結晶(305mg)の形で
得た。[C5Me4(H)(SiMe2Ph)]を、P. Ju
tzi, R. Sauer, J. Organomet. Chem. 1973, 50, C29頁
以下により示された方法により製造した。
【0046】1H−NMR:δ=−0.58(d,2
(Y,H)=3.1Hz,4H;Y−CH2)、0.3
0(s,18h;CH2SiCH3)、0.69(s,6
H、Si−CH3Ph)、1.20(m,4H,β−C
2)、1.97、2.15(s,6H,C5Me4)、
3.47(m,4H,α−CH2)、7.17(m,3
H,C65)、7.53(m,2H,C65);13C−
NMR:δ=1.8(SiCH3Ph)、4.6(CH2
SiCH3)、11.6、14.8(C5Me4)、2
4.9(β−CH2)、34.9(d,1J(Y,C)=
43.7Hz,Y−CH2)、70.0(α−CH2)、
112.6(C5Me4 C−SiCH3)、123.6、
127.1(C5Me4)、128.0、128.8、1
34.3(C65)、141.6(C65)、141.
6(C65CSiCH3);29Si−NMR:δ=−1
3.8(SiMe2Ph)、−3.2(d,2J(Y,S
i)=2Hz,CH2SiMe3)。
【0047】II.本発明とは異なる単核イットリウムセ
ミサンドイッチ錯体の製造 a)[(N−t−Bu)(SiMe2)(C5Me4)]
Y(CH2SiMe3)(THF)(C3) (C5Me4H)SiMe2NHt−Bu(186mg)
のヘキサン(5ml)溶液を、Y(CH2SiMe33
(THF)2(365mg)のペンタン(10ml)溶
液に0℃で添加し、そして混合物をこの温度で2時間攪
拌した。傾しゃした反応溶液を減圧下に蒸発し、そして
所望の生成物を冷却ペンタン(−30℃)中で結晶化さ
せることにより、無色微結晶(320mg)の形で得
た。(C5Me4H)SiMe2NHt−Buを、Shapiro
et al., J. Am. Chem. Soc. 1994, 116, 4623頁により
示された方法により製造した。
【0048】1H−NMR:δ=−0.93(d,2
(Y,H)=3.1Hz,2H;Y−CH2)、0.2
8(s,9H;CH2SiCH3)、0.74(s,6
H,SiCH3)、1.08(br s,4H,β−C
2)、1.38(s,9H、C(CH33)、2.0
4、2.19(s,6H,C5Me4)、3.36(br
s,4H,α−CH2);13C−NMR:δ=4.7
(CH2SiCH3)、8.4(NSiCH3)、11.
5、14.0(C5Me4)、24.7(β−CH2)、
26.2(d,1J(Y,C)=44.9Hz,Y−C
2)、36.0(C(CH33)、54.0(C(C
33)、70.7(α−CH2)、106.6(C5
4 C−SiCH3)、122.3、126.4(C5
Me4);29Si−NMR:δ=−25.0(NSiM
2)、−2.7(d,2J(Y,Si)=1.9Hz,
CH2SiMe3)。
【0049】III.重合反応 a)極性モノマーの単独重合 i)アクリロニトリルの単独重合 実験1(本発明に従う) I.b)に記載のようにして得られた単核錯体C1(1
05mg)を、アクリロニトリル(2.7g)のトルエ
ン(10ml)溶液に添加し、そして混合物を−30℃
で14時間攪拌した。反応混合物にメタノール(10m
l)添加後、ポリアクリロニトリルを白色固体として単
離することができた(1.8g、収率:66%)。
【0050】実験2(本発明とは異なる) II.a)に記載のようにして得られた単核錯体C3(9
9mg)を、アクリロニトリル(3.5g)のトルエン
(10ml)溶液に添加し、そして混合物を室温で16
時間攪拌した。反応混合物にメタノール(10ml)添
加後、ポリアクリロニトリルを白色固体として単離する
ことができた(0.84g、収率:24%)。
【0051】ii)t−ブチルアクリレートの単独重合 実験3(本発明に従う) I.b)に記載のようにして得られた単核錯体C1(1
05mg)を、t−ブチルアクリレート(1.97g)
のトルエン(10ml)溶液に添加し、そして混合物を
−30℃で17時間攪拌した。反応混合物にメタノール
(10ml)添加後、ポリ(t−ブチルアクリレート)
を白色固体として単離することができた(1.95g、
収率:99%)。
【0052】実験4(本発明とは異なる) II.a)に記載のようにして得られた単核錯体C3(9
9mg)を、t−ブチルアクリレート(7.9g)のト
ルエン(10ml)溶液に添加し、そして混合物を−3
0℃で18時間攪拌した。反応混合物にメタノール(1
5ml)添加後、ポリ(t−ブチルアクリレート)を白
色固体として単離することができた(3.0g、収率:
38%)。
【0053】iii)ε−カプロラクトンの単独重合 実験5(本発明に従う) 触媒C1(132mg)をε−カプロラクトン(5.6
7g)のトルエン(50ml)溶液に添加し、混合物を
この温度で1時間攪拌した。反応をメタノール(50m
l)の添加により停止させ、ポリエステルを白色結晶と
して単離した(5.2g、収率:92%) b)非極性モノマーの単独重合 i)エテンの単独重合 実験6(本発明に従う) エテンを、トルエン(50ml)中で、単核触媒C1
(24.8mg)の存在下、5バールの圧力で室温にて
1時間重合させた。反応混合物にメタノール(25m
l)添加後、ポリエチレンを白色固体として単離するこ
とができた(3.6g)。
【0054】実験7(本発明に従う) エテンを、トルエン(50ml)中で、単核触媒C2
(32.1mg)の存在下、5バールの圧力で室温にて
1時間重合させた。反応混合物にメタノール(25m
l)添加後、ポリエチレンを白色固体として単離するこ
とができた(1.55g)。
【0055】実験8(本発明とは異なる) エテンを、トルエン(50ml)中で、単核触媒C1
(25.1mg)及びC1に対して10当量のAl(i
−Bu)3(0.5mlの1モルトルエン溶液)の存在
下、4.5バールの圧力で室温にて1時間重合させた。
反応混合物にメタノール(25ml)添加後、ポリエチ
レンを白色固体として単離することができた(0.2
g)。
【0056】実験9(本発明とは異なる) エテンを、トルエン(50ml)中で、単核触媒C3
(20mg)の存在下、4.5バールの圧力で室温にて
2時間重合させた。反応混合物にメタノール(25m
l)添加後、ポリエチレンを単離することができた(7
5mg)。
【0057】実験1〜5の結果を表1にまとめ、実験6
〜9の結果を表2にまとめた。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カイ、フルチュ ドイツ、65207、ヴィースバーデン、シラ ーシュトラーセ、40 (72)発明者 ミヒャエル、ゲプレグス ドイツ、67245、ラムプスハイム、ブーベ ンシュタイク、6

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [但し、Mが、スカンジウム、イットリウム、ランタン
    又はランタニド金属を表し、 Rが、水素、ハロゲン、C1〜C20アルキル、C3〜C10
    シクロアルキル、C6〜C15アリール又はC3〜C30有機
    シリルを表し、その際、隣接する2個の基Rが、炭素原
    子数4〜18の飽和若しくは不飽和の環式基若しくは複
    素環基を形成しても良く、 R’、R’’が、C1〜C20アルキル、C3〜C10シクロ
    アルキル、C6〜C15アリール又はアルキル部分の炭素
    原子数が1〜10で、アリール部分の炭素原子数が6〜
    15であるアルキルアリールを表し、 Lが、ルイス−塩基の、低分子量有機化合物を表し、 mが、0、1、2、3又は4を表し、そしてnが、0又
    は1を表す。]で表される重合活性を有し、橋かけされ
    ていない単核ビスアルキル金属のセミサンドイッチ錯
    体。
  2. 【請求項2】 Mが、イットリウムを表し、 Rが、C1〜C10アルキル又はC3〜C21有機シリルを表
    し、その際、隣接する2個の基Rが縮合芳香族環を形成
    しても良く、 R’、R’’が、C1〜C10アルキル又はC6〜C10アリ
    ールを表し、 Lが、テトラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒ
    ドロフラン、ジオキサン、ジアルキルエーテル、アセト
    ニトリル、トリアリールホスフィン又はハロゲン化トリ
    アリールホスフィンを表し、そしてmが、0を表す請求
    項1に記載のビスアルキル金属のセミサンドイッチ錯
    体。
  3. 【請求項3】 極性若しくは非極性オレフィン性不飽和
    モノマー又はラクトンの(共)重合のために、触媒とし
    て請求項1又は2に記載のビスアルキル金属のセミサン
    ドイッチ錯体の使用。
  4. 【請求項4】 式(IV): 【化2】 [但し、Mが、スカンジウム、イットリウム、ランタン
    又はランタニド金属を表し、 Rが、水素、ハロゲン、C1〜C20アルキル、C3〜C10
    シクロアルキル、C6〜C15アリール又はC3〜C30有機
    シリルを表し、その際、隣接する2個の基Rが、炭素原
    子数4〜18の飽和若しくは不飽和の環式基若しくは複
    素環基を形成しても良く、 R’’が、C1〜C20アルキル、C3〜C10シクロアルキ
    ル、C6〜C15アリール又はアルキル部分の炭素原子数
    が1〜10で、アリール部分の炭素原子数が6〜15で
    あるアルキルアリールを表し、 Lが、低分子量の、ルイス−塩基有機化合物を表し、そ
    してnが、0又は1を表す。]で表される橋かけされて
    いないビスアルキル金属のセミサンドイッチ錯体の存在
    下に、モノマーを(共)重合させることを特徴とする極
    性若しくは非極性オレフィン性不飽和モノマー又はラク
    トンから(共)重合体を製造する方法。
  5. 【請求項5】 極性モノマーとして、(メタ)アクリル
    酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニ
    トリル又はラクトンを使用し、そして非極性モノマーと
    して、エテン又はC3〜C20−α−オレフィンを使用す
    る請求項4に記載の方法。
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