JP3674137B2 - ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

ビニル系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビニル系重合体の製造方法に関する。より詳しくは、特定の触媒を用いてビニル系モノマーを効率的に重合し、ビニル系重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オレフィン重合用均一触媒として、IV族メタロセンとアルミノキサンからなるカミンスキー触媒が広く知られている。カミンスキー触媒は、エチレン重合ならびにエチレンとα−オレフィンの共重合に対して極めて高い活性を示し、数多くの報告例がある。
例えば、特開昭58−19309号公報には、(シクロペンタジエニル)MeRHal(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン原子、Meはジルコニウムまたはチタン、Halはハロゲン原子である)で表される遷移金属化合物とアルミノキサンからなる触媒によるエチレン重合、ならびにエチレン/α−オレフィン共重合が開示されている。
【0003】
また、特開昭62−121707号公報には、インデニル基、置換インデニル基およびその部分水素化物からなる群から選ばれた少なくとも2個の基が低級アルキル基を介して結合した多座配位性化合物を配位子とする周期表IVB族の遷移金属化合物とアルミノキサンによる、α−オレフィン系ランダム共重合体の製造方法が開示されている。
しかしながら、これらカミンスキー触媒は、高価なアルミノキサンが多量に必要であり、工業的には、製造コスト面で問題がある。
【0004】
近年、アルミノキサンを使用しない新しい触媒系として、IV族遷移金属メタロセンカチオンとテトラアリールホウ素アニオンを用いた触媒系が報告されている。例えば、特表平1−502036号公報には、ビス(シクロペンタジエニル)金属化合物とテトラアリールホウ素化合物との反応物を触媒とするエチレン重合ならびにエチレン/α−オレフィン共重合が開示されている。
しかしこの場合、使用するホウ素化合物が、高価であるとともに有毒であり、コスト面ならびに衛生面で問題がある。
また、上記のIV族遷移金属化合物を成分とする触媒は、極性基を含有するモノマーの重合に対して著しく低い活性しか示さず、製造できる製品は非極性のものに限られている。
【0005】
最近、助触媒を全く必要としないメタロセン触媒として、有機ランタニド化合物が注目されている。
J.Am.Chem.Soc.1985,Vol107,8091−8103には、{〔C(CHMH}(Mは、La,Nd,Lu)単独でエチレンを重合することが報告されている。
また、特開平2−258808号公報には、一般式[Cp]M(式中のCpはシクロペンタジエニル基または置換シクロペンタジエニル基、Mはランタニド系金属である)で表される有機ランタニド化合物と電子供与体との錯体からなる触媒の存在下、不飽和カルボン酸エステルを重合させる方法が開示されており、有機ランタニド化合物が、極性モノマーも重合し得ることが示されている。
しかしながら、これら有機ランタニド化合物は、一般に非常に不安定であり、かつ合成経路が複雑で合成操作に熟練を要し、工業触媒としての使用に際しては問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、合成法が簡単な触媒を用いて、α−オレフィンのみならず極性モノマーをも重合可能であり、幅広い製品群を製造しうる製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、α−オレフィン、不飽和カルボン酸エステルおよびビニル芳香族化合物の群から選ばれた少なくとも1種のビニル系モノマーを、下記一般式(I)で表される有機希土類化合物であって、(C 6 5 3 Sc,(C 6 5 3 Y,(C 6 5 3 Yb,(C 6 5 CC) 3 Yb,(C 6 4 H) 2 Yb(THF) 4 ,(C 6 5 2 Yb(THF) 4 ,(C 6 5 CC) 2 Yb,(n−C 4 9 CC) 2 Yb,〔(CH 3 3 SiCH 2 3 Er(THF) 2 ,〔(CH 3 3 SiCH 2 3 Tm(THF) 2 ,〔(CH 3 3 SiCH 2 3 Yb(THF) 2 ,〔(CH 3 3 SiCH 2 3 Lu(THF) 2 ,{〔(CH 3 3 Si〕 2 CH} 3 Y,{〔(CH 3 3 Si〕 2 CH} 3 La,{〔(CH 3 3 Si〕 2 CH} 3 Sm,{〔(CH 3 3 Si〕 2 CH} 3 Lu,{〔(CH 3 3 Si〕 3 C} 2 Ybおよび{〔(CH 3 3 Si〕 3 C} 3 Ybからなる群より選ばれる少なくとも1種を触媒に用いて重合することを特徴とするビニル系重合体の製造方法を提供するものである。
M(ED) ・・・・・(I)
〔一般式(I)中、MはSc、Y、ランタニドから選ばれる希土類元素であり、Rは独立して炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素および/またはハロゲン原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基であり、Mとの間にシグマアルキル結合を形成しており、EDは電子供与性配位子分子であり、mは2〜3の整数であり、nは0〜4の数である。〕
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる有機希土類化合物は、上記一般式(I)で表される。
この場合、Mが所定の希土類元素以外では、本発明の効果が発揮されない。Mとしては、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luが好ましく、このうちでもY,La,Nd,Sm,Tm,Er,Yb,Luが特に好ましい。とりわけ好ましくは、Y,Sm,Ybである。
【0009】
また、Rの具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、フェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、メチルエチニル基、ブチルエチニル基、フェニルエチニル基、トリメチルシリルメチル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基、トリス(トリメチルシリル)メチル基など、Mとの間にシグマアルキル結合を形成する残基が挙げられるが、特にイソプロピル基、t−ブチル基、ペンタフルオロフェニル基、フェニルエチニル基、トリメチルシリルメチル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基、トリス(トリメチルシリル)メチル基が好ましい。
【0010】
この場合、Rがシクロアルカジエニル基など、Mとの間にシグマアルキル結合以外の結合を形成する残基では、一般に重合効率に劣る。特殊なシクロアルカジエニル基の場合には、充分な重合効率を発現することもあるが、その場合は、化合物の合成経路が煩雑であり、工業的な実用性に劣る。
【0011】
さらに、EDは、電子供与性配位子分子であり、具体的にはテトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタンなどが挙げられ、好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンが挙げられる。
【0012】
本発明で用いる有機希土類化合物は、希土類金属ハロゲン化物あるいは希土類金属アルコキシドと所望のRのアルカリ金属塩との反応、もしくは所望のRの水銀化合物ないしタリウム化合物とのトランスメタレーション反応などによって簡便に合成することができる。
【0013】
以下に、本発明で用いる有機希土類化合物の具体例を示す。
本発明で用いる有機希土類化合物の具体例は、(CSc,(CY,(CYb,(CCC)Yb,(CH)Yb(THF),(CYb(THF),(CCC)Yb,(n−CCC)Yb,〔(CHSiCHEr(THF),〔(CHSiCHTm(THF),〔(CHSiCHYb(THF),〔(CHSiCHLu(THF),{〔(CHSi〕CH}Y,{〔(CHSi〕CH}La,{〔(CHSi〕CH}Sm,{〔(CHSi〕CH}Lu,{〔(CHSi〕C}Yb,{〔(CHSi〕C}Ybが挙げられる。
【0014】
上記の有機希土類化合物は、必要に応じて適当な担体に担持して用いることができる。担体の種類については特に制限はなく、無機酸化物担体、それ以外の無機担体、有機担体のいずれをも用いることができる。また、担持方法についても、特に制限はなく、公知の方法を適宜利用して良い。
【0015】
次に、本発明において重合に供されるビニル系モノマーについて説明する。
本発明において重合に供されるビニル系モノマーは、α−オレフィン、不飽和カルボン酸エステル、ビニル芳香族化合物のうちから選ばれる少なくとも一種である。
【0016】
α−オレフィンの具体例は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられる。このうち、好ましくはエチレン、プロピレン、1−ペンテン、1−ヘキセンであり、特に好ましくはエチレンである。
【0017】
また、不飽和カルボン酸エステルの具体例は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。このうち、好ましくはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸t−ブチルであり、特に好ましくはメタクリル酸メチルである。
【0018】
さらに、ビニル芳香族化合物の具体例は、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジンなどが挙げられる。このうち、好ましくはスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンであり、特に好ましくはスチレンである。
【0019】
これらのビニル系モノマーは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。また、上記ビニル系モノマーとともに、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどのラクトン類、γ−バレロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタムなどのラクタム類、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、トリメチレンカルボナートなどの環状カルボナート類のうちから選ばれた少なくとも1種の化合物を用い、共重合体を製造することもできる。
【0020】
上記有機希土類化合物は、上記モノマーに対し、通常、0.001〜2モル%、好ましくは0.005〜1モル%の範囲で使用する。0.001モル%未満では、モノマーないし重合溶媒中の不純物の影響を受けやすくなり、一方2モル%を超えると、生成ポリマーの分子量が充分に上がらず、またポリマー中の触媒残滓による着色などの問題が生ずる。
【0021】
次に、本発明のビニル系重合体の製造の形態について説明する。
ビニル系重合体の製造は、気相重合法、溶液重合法、スラリー重合法などの適宜の方法によって行われる。また、これらの重合操作は、バッチ式でも連続式でも実施することができる。
【0022】
上記溶液重合法あるいはスラリー重合法において使用される反応媒体としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどが挙げられる。これらの反応媒体は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。また、原料であるビニル系モノマーが重合条件下で液状の場合には、ビニル系モノマーも反応媒体として使用できる。
【0023】
重合温度は、重合活性、得られるビニル系重合体の分子量に影響を与えるため重要であるが、目的に応じて−100〜150℃の範囲で自由に設定することが可能である。
重合に際しての分子量調節は、例えばビニル系モノマーと有機希土類化合物の濃度比の制御、温度の制御、水素その他の分子量調節剤の利用など、公知の方法により行うことができる。
得られるビニル系ポリマーの数平均分子量(Mn)は、通常、5,000〜150万、好ましくは8,000〜75万である。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、これら実施例に何ら制約されるものではない。
実施例中の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、東ソー(株)製、SC8010型ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置を用い、クロロホルムを溶媒として室温で測定した。
【0025】
なお、ポリエチレン、およびエチレン/ε−カプロラクトンブロック共重合体は、1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒として135℃で測定しようとしたが、溶解しなかった。
また、DSC測定は、セイコー電子工業(株)製、SSC5100 DSC22C型示差走査型熱量計を用いて行なった。
なお、以下に示す有機希土類化合物の合成、および重合反応は、すべてアルゴン雰囲気中で実施した。
【0026】
実施例1
{〔(CH Si〕 CH} Smの合成
トリス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)サマリウム1.87g(2.4mmol)をn−ヘキサン40mlの溶解した溶液に、ビス(トリメチルシリル)メチルリチウム1.22g(7.33mmol)をn−ヘキサン10mlに溶解した溶液に加え、室温にて30分間攪拌した。析出した不溶物を遠心分離によって除去した。次いで、上澄み液を減圧にて濃縮し、−25℃で再結晶を行なったところ、0.54g(0.859mmol)の目的物を橙色針状結晶として得た。
【0027】
エチレンの重合
上記で合成した{〔(CHSi〕CH}Sm;18.9mg(0.03mmol)をシュレンクチューブ中で10mlのトルエンに溶解し、40℃、常圧でエチレンガスを導入することにより、重合反応を開始した。40℃で3時間重合を行なったのち、大過剰のメタノール中へ重合溶液を加え、重合反応を停止させるとともに、生成したポリエチレンを沈澱させた。重合体をろ別、真空乾燥し、0.32gのポリエチレンを得た。GPCにより分子量を測定しようとしたが、ここで得られたポリエチレンは、溶媒である1,2,4−トリクロロベンゼンに不溶であったため、測定不能であった。
【0028】
実施例2
スチレンの重合
実施例1で合成した{〔(CHSi〕CH}Sm;62.9mg(0.10mmol)をシュレンクチューブ中で5mlのトルエンに溶解し、50℃でスチレン1.04g(10.0mmol)を加えることにより、重合反応を開始した。50℃で6時間重合を行なったのち、大過剰のメタノール中へ重合溶液を加え、重合反応を停止させるとともに、生成したポリスチレンを沈澱させた。重合体をろ別、真空乾燥し、1.04gのポリスチレンを得た。GPCにより測定したところ、数平均分子量(Mn)は6,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.81であった。
【0029】
比較例1
スチレンの重合
重合触媒として、実施例1で合成した{〔(CHSi〕CH}Smの代わりに、J.Am.Chem.Soc.,1988,Vol.110,6423−6432に従って合成した〔(CHSmCH(THF);50.8mg(0.10mmol)を用いる以外は、実施例2と同様に実施したが、ポリスチレンは得られなかった。
【0030】
実施例3
メタクリル酸メチル(MMA)の重合
実施例1で合成した{〔(CHSi〕CH}Sm;62.9mg(0.10mmol)をシュレンクチューブ中で15mlのトルエンに溶解し、−78℃でMMA1.00g(10.0mmol)を加えることにより、重合反応を開始した。−78℃で20時間重合を行なったのち、大過剰のメタノール中へ重合溶液を加え、重合反応を停止させるとともに、生成したポリMMAを沈澱させた。重合体をろ別、真空乾燥し、53.1mgのポリMMAを得た。GPCにより測定したところ、ポリMMAの数平均分子量(Mn)は65,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.38であった。
【0031】
比較例2
メタクリル酸メチル(MMA)の重合
シュレンクチューブ中に、Witco社製のメチルアルミノキサン(分子量=800〜1,200)の30%トルエン溶液をAl原子換算で50mmol(10.2ml)入れた。次いで、MMAを1.00g(10.0mmol)加えた。−78℃で、STREM社製のビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド21.6mgを5mlのトルエンに溶解した溶液に加え、重合を開始した。−78℃で20時間重合を行なったのち、大過剰のメタノール中へ重合溶液を加え、重合反応を停止させた。沈澱物を回収、分析したところ、全てメチルアルミノキサンの残滓であり、ポリMMAは生成していなかった。
【0032】
実施例4
{〔(CH Si〕 C} Ybの合成
YbI;0.986g(2.31mmol)をベンゼン19mlに懸濁した液に、K{C〔Si(CH};1.26g(4.64mmol)をベンゼン38mlに溶解した溶液に加え、室温で48時間攪拌した。その後、溶媒を留去し、得られた固体をn−ヘキサンで抽出した。上澄み液を減圧にて濃縮し、−25℃で再結晶を行なったところ、0.19g(0.30mmol)の目的物を橙色針状結晶として得た。
【0033】
エチレンの重合
上記で合成した{〔(CHSi〕C}Yb;19.1mg(0.03mmol)をシュレンクチューブ中で10mlのトルエンに溶解し、室温、常圧でエチレンガスを導入することにより、重合反応を開始した。室温で1時間重合を行なったのち、大過剰のメタノール中へ重合溶液を加え、重合反応を停止させるとともに、生成したポリエチレンを沈澱させた。重合体をろ別、真空乾燥し、0.79gのポリエチレンを得た。GPCにより分子量を測定しようとしたが、ここで得られたポリエチレンは、溶媒である1,2,4−トリクロロベンゼンに不溶であったため、測定不能であった。
【0034】
実施例5
エチレンとε−カプロラクトンとのブロック共重合
実施例4で合成した{〔(CHSi〕C}Yb;25.4mg(0.04mmol)をシュレンクチューブ中で8mlのトルエンに溶解し、室温、常圧でエチレンガスを導入することにより、重合反応を開始した。室温で1時間重合を行なったのち、ε−カプロラクトン0.46g(4.0mmol)を加え、さらに30分間重合反応を継続した。次いで、大過剰のメタノール中へ重合混合物を加え、重合反応を停止させるとともに、生成した重合体を沈澱させた。重合体をろ別、真空乾燥し、0.64gのエチレン/ε−カプロラクトン・ブロック共重合体を得た。次いで、共重合体中のε−カプロラクトン・ホモポリマーを除去するため、クロロホルムで12時間の還流抽出を行なった。その後、DSC分析に供したところ、137℃でポリエチレン・ブロックの融点のほか、66℃にポリε−カプロラクトン・ブロックの融点も観測され、ブロック共重合体であることが確認された。
GPCにより分子量を測定しようとしたが、ここで得られたブロック重合体は、溶媒である1,2,4−トリクロロベンゼンに不溶であったため、測定不能であった。
【0035】
実施例8
(C Yb(THF) の合成
Yb;0.80g(4.65mmol)と(CHg;2.22g(4.15mmol)とを、14mlのテトラヒドロフラン中、室温で2分間攪拌した。次いで、反応混合物を10℃に冷却し、引き続き4時間攪拌した。遠心分離によって、不溶分を分離したのち、上澄み液を減圧にて濃縮した。さらに、n−ヘキサンを加えて、−25℃で再結晶を行なった結果、1.07g(1.34mmol)の目的物を赤橙色の結晶として得た。
【0036】
メタクリル酸メチル(MMA)の重合
重合触媒として、{〔(CHSi〕CH}Smの代わりに、上記で合成した(CYb(THF);79.9mg(0.10mmol)を用い、重合時間を6時間とした以外は、実施例3と同様に実施し、0.67gのポリMMAを得た。GPCにより測定したところ、数平均分子量(Mn)は30,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.34であった。
【0037】
実施例9
(PhCC) Ybの合成
Yb;0.99g(5.71mmol)と(CCC)Hg;2.58g(6.40mmol)とを、20mlのテトラヒドロフラン中、室温で4時間攪拌した。遠心分離によって、不溶分を分離したのち、上澄み液を減圧にて濃縮した。さらに、n−ヘキサンを加えて、−25℃で再結晶を行なった結果、1.61g(4.28mmol)の目的物を暗紫色の結晶として得た。
【0038】
メタクリル酸メチル(MMA)の重合
重合触媒として、上記で合成した(PhCC)Yb;37.5mg(0.10mmol)を、シュレンクチューブ中で15mlのテトラヒドロフランに溶解し、−78℃でMMA1.00g(10.0mmol)を加えることにより、重合反応を開始した。−78℃で6時間重合を行なったのち、大過剰のメタノール中へ重合溶液を加え、重合反応を停止させるとともに、生成したポリMMAを沈澱させた。重合体をろ別、真空乾燥し、0.52gのポリMMAを得た。GPCにより測定したところ、数平均分子量(Mn)は77,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.48であった。
【0039】
実施例10
ビニル系モノマーとして、メタクリル酸メチルの代わりに、アクリル酸ブチル1.28g(10mmol)を用いる以外は、実施例9と同様に実施し、1.02gのポリアクリル酸ブチルを得た。GPCにより測定したところ、数平均分子量(Mn)は72,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.45であった。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、合成法が簡単な触媒を用いて、α−オレフィンのみならず、極性モノマーをも重合可能であり、幅広い製品群を製造することが可能となる。

Claims (2)

  1. α−オレフィン、不飽和カルボン酸エステルおよびビニル芳香族化合物の群から選ばれた少なくとも1種のビニル系モノマーを、下記一般式(I)で表される有機希土類化合物であって、(C 6 5 3 Sc,(C 6 5 3 Y,(C 6 5 3 Yb,(C 6 5 CC) 3 Yb,(C 6 4 H) 2 Yb(THF) 4 ,(C 6 5 2 Yb(THF) 4 ,(C 6 5 CC) 2 Yb,(n−C 4 9 CC) 2 Yb,〔(CH 3 3 SiCH 2 3 Er(THF) 2 ,〔(CH 3 3 SiCH 2 3 Tm(THF) 2 ,〔(CH 3 3 SiCH 2 3 Yb(THF) 2 ,〔(CH 3 3 SiCH 2 3 Lu(THF) 2 ,{〔(CH 3 3 Si〕 2 CH} 3 Y,{〔(CH 3 3 Si〕 2 CH} 3 La,{〔(CH 3 3 Si〕 2 CH} 3 Sm,{〔(CH 3 3 Si〕 2 CH} 3 Lu,{〔(CH 3 3 Si〕 3 C} 2 Ybおよび{〔(CH 3 3 Si〕 3 C} 3 Ybからなる群より選ばれる少なくとも1種を触媒に用いて重合することを特徴とするビニル系重合体の製造方法。
    m M(ED)n
    ・・・・・(I)
    〔一般式(I)中、MはSc、Y、ランタニドから選ばれる希土類元素であり、Rは独立して炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素および/またはハロゲン原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基であり、Mとの間にシグマアルキル結合を形成しており、EDは電子供与性配位子分子であり、mは2〜3の整数であり、nは0〜4の数である。〕
  2. 上記一般式(I)で表される有機希土類化合物が{〔(CH33 Si〕2 CH}3 Smおよび/または{〔(CH3 3 Si〕3 C}2 Ybである請求項1記載のビニル系重合体の製造方法。
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