JP2000178076A - 炭素繊維強化炭素補強材を設けた成形断熱材 - Google Patents

炭素繊維強化炭素補強材を設けた成形断熱材

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JP2000178076A
JP2000178076A JP10354324A JP35432498A JP2000178076A JP 2000178076 A JP2000178076 A JP 2000178076A JP 10354324 A JP10354324 A JP 10354324A JP 35432498 A JP35432498 A JP 35432498A JP 2000178076 A JP2000178076 A JP 2000178076A
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carbon fiber
insulating material
heat insulating
carbon
reinforcement
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Shunichi Sudo
須藤俊一
Satoshi Yamano
智 山野
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Nippon Carbon Co Ltd
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Nippon Carbon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温炉用断熱材につき、良好な断熱性
能を維持しつつ、コスト面や工数面での負担が少なく、
強度、弾性率を向上させ、高温炉における熱履歴による
変形を有効に防止できる断熱材を提供する。 【解決手段】 炭素繊維の断熱積層体の内部に炭素繊
維強化炭素の補強材を埋設してなる高温炉用断熱材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温炉用の炭素繊維成
形断熱材に関し、より詳しくは、炭素繊維強化炭素(以
下C/Cという)の補強材を使用することにより、断熱
性能を劣化させることなく断熱材の弾性率および強度を
向上させた炭素繊維成形断熱材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、真空蒸着炉、半導体単結晶成
長炉等の各種の高温炉に炭素繊維成形断熱材が使用され
ている。
【0003】かかる断熱材は、すぐれた断熱性能を有す
るとともに、高温使用で変形の少ない形状安定性を有す
ることが要求される。
【0004】例えば、特開平2−227244号には、
複数層の炭素繊維製フェルトを炭化物又は黒鉛化物で接
合し一体化して、かつ嵩密度を一端から他端に向かって
減少させた成形断熱材が記載されている。
【0005】また、特開平3−254933号には、炭
素繊維を含む断熱層の少なくとも一方の面に、鱗状黒鉛
粉末及び炭素質充填剤を含む炭素質結合剤により、炭素
繊維フェルト層又は炭素繊維シート層が積層されている
断熱材が記載されている。
【0006】しかし、従来より炭素繊維断熱材は、断熱
性能を向上させるために、かさ比重を低く、0.1〜
1.0g/cc程度として、ポーラスな材質のものが好
ましいとされてきた。
【0007】このようなポーラス質の断熱材は断熱性は
良好だが、弾性率、強度の面では、不十分なものとな
る。
【0008】一般に炭素繊維成形断熱材の製造方法は以
下の通りである。1.低密度の炭素繊維よりフエルトを作
製する。2.フェルトにフェノール樹脂等の樹脂を含浸す
る。3.フエルト積層面に樹脂を塗布してホットプレス、
型込め成形、オートクレーブ法などで成形する。4.80
0〜1300℃で焼成して樹脂分を炭化する。5.さらに
高温の2000〜3000℃で熱処理し黒鉛化する。
【0009】このようにして製造された断熱材は、炭素
繊維同士の結合が弱く、又繊維の含有量も少ないので弾
性率、強度は比較的低いものになる。
【0010】かかる断熱材を高温炉で使用した場合、熱
履歴によるクリープ変形により問題が生じることが多
い。
【0011】すなわち、高温炉内の天井に貼り付けられ
た断熱材は、自重により下方に垂れるように変形し、い
わゆる「垂れ」の問題を生じやすい。
【0012】また、炉内の側面に貼り付けられた断熱材
は、表裏の温度差が原因で、弓なりに変形することが多
く、いわゆる「反り」の問題を生じやすい。
【0013】近年、高温炉の大型化に伴い、断熱材も必
然的に大型化しているため、上記のような断熱材の変形
も生じやすくなっている。そこでかかる変形を抑えるた
めに種々の対策がとられている。
【0014】例えば、炉体への取付けに関し、取付けボ
ルト等の本数を増やし、取付け個所を多くしたり、断熱
材の表面に炭素繊維のクロスを貼り付けることにより強
度の向上を図ったり、断熱材の表面にC/C材の薄板で
断熱材を被覆することが行なわれている。
【0015】しかし、いずれの方法も工数面やコスト面
で負担が多く、強度、弾性率の向上の面でも充分ではな
く、さらに断熱性能の面でも好ましくない影響を与える
場合がある。例えば、取り付けボルトの数を多くする
と、ボルトを伝わり熱が外に逃げやすくなるため熱ロス
が増加する。また炭素繊維のクロスを貼り付ける方法
は、一旦出来上がった断熱材に、接着剤を用いてクロス
を貼り付けるために工数が増加する。また高強度の炭素
繊維を使うほど、接着性が悪くなる。C/Cの薄板で断
熱材を被覆する方法は、C/Cの加工工数が余分にかか
り、また構造が複雑になり、組立て数が増大する。また
補強効果も十分なものではない。このような状況によ
り、良好な断熱性能を維持しつつ、工数面、コスト面の
負担も少なく、形状変形が少ない断熱材が望まれてい
た。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題点に
鑑み、本発明者は良好な断熱性能を維持しつつ、コスト
面や工数面での負担が少なく、強度、弾性率を向上さ
せ、高温炉における熱履歴による変形を有効に防止でき
る断熱材を提供する。また、強度、弾性率を向上させる
ことにより、構造材としての利用分野を広げるものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため本発明者が提案するのは、炭素繊維の断熱積層
体内部に炭素繊維強化炭素の補強材を埋設してなる高温
炉用成形断熱材である。
【0018】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おける炭素繊維成形断熱材は、炭素繊維のフェルト、ク
ロス、チョップファイバー、トウ等の積層体である。
【0019】炭素繊維フェルト、クロス積層体の場合
は、樹脂を含浸しない軟質の材料や樹脂を含浸してプリ
プリグ処理をした硬質の材料である。
【0020】こうした炭素繊維積層体は、高温炉で使用
した場合、前記のように「反り」や「垂れ」の問題が多
発し変形を生じることが多い。
【0021】そこで本発明では、高強度、高弾性の材料
である炭素繊維強化炭素(以下C/Cという)からなる
補強材を断熱材の中に埋設することにより、断熱材の強
度、弾性率を向上させ、コスト、工数の負担を最少にと
どめて、「反り」や「垂れ」の変形の問題を解消し、ま
た構造材としての利用分野を広げるものである。
【0022】本発明で用いるC/C補強材は、引張り強
度2500Mpa以上の高強度でまた引張り弾性率20
0GPa以上の高弾性の炭素繊維を用いることが好まし
い。
【0023】かかる高強度、高弾性の炭素繊維を一方向
あるいは0/90度に繊維が配向されるC/C材から棒
状又は格子状、薄板等に作製する。
【0024】上記のC/C補強材は、断熱材フェルトの
積層時に積層面の間に挟み込むように棒状、針状、格子
状、板状等の形状で単独又はこれらの組合わせで埋設す
る。断熱材の強度は、このC/C補強材の本数や厚みを
変えることにより容易に調整でき る。
【0025】C/C補強材の配置について、一般にハニ
カム構造体では、中立軸より遠い場所に配置したほうが
補強効果はすぐれるのだが、炭素繊維成形断熱材の場
合、ポーラスなため圧縮強度が弱いので、かかる配置は
適当ではなく、積層面内に配置するのがよい。
【0026】C/C補強材は、断熱材の内部に配置する
ことが必要で、外部に配置したり、補強材が断熱材の端
面より外に露出したりすると、伝導伝熱により熱を伝え
やすくなり、断熱効果が低下するので好ましくない。
【0027】上記のようなC/C補強材を内部に埋設さ
せた炭素繊維成形断熱材は、高剛性となり、その結果、
1.熱履歴による変形の防止が可能になり、従来より問題
となっていた高温炉における炭素繊維断熱材の「反れ」
や「垂れ」の問題が解消できる。2.構造材としての利用
可能分野が広がる。3.取付けボルトの本数を減らすこと
ができる。
【0028】
【発明の効果】本発明によると、炭素繊維成形断熱材の
断熱性を損なうことなく、剛性を高くし、寸法安定性を
向上させることができる。すなわち、C/Cの補強材を
炭素繊維成形断熱材の内部に埋め込むことにより、コス
ト面、工程面での負担を最少限に抑え、断熱性能を低下
させることなく、剛性を高め寸法安定な炭素繊維成形断
熱材が得られる。
【0029】近年、高温炉の大型化に伴い、断熱材も大
型化する傾向にあり、熱履歴による断熱材のクレープ変
形である「反り」や「垂れ」の問題が増加しているが、
本発明の断熱材はかかる変形の問題を有効に解決でき、
断熱材の寿命延長に効果が大きく、工業上有用である。
【0030】
【実施例】
【実施例1】断熱材としてフェルトに樹脂を含浸し、積
層、硬化、焼成して得られた断熱材を用い た。C/C
製補強材として一方向に引き揃えた炭素繊維を用いて、
硬化、焼成、含浸を繰り返し得られたものを用意した。
上記のC/C製補強材を断熱材の積層体の内部の積層面
に埋設した。この補強材入りの断熱材を1100℃位で
運転するろう付炉において、操業したところ、180日
経過したが、熱履歴によるクリープ変形は生じなかっ
た。
【0031】
【実施例2】高温焼成炉(操炉温度2000℃)の炉の
天井に、1000mm×1000mmのボード状のC/
C補強材入りの格子状断熱材を使用したところ、1年を
経過したが、熱履歴によるクリープ変形は生じなかっ
た。また、通常は9ケ所をボルトで固定しているが、高
弾性のため4本の取付けボルトで固定できた。
【0032】
【実施例3】高温炉において、被焼成物は通常ソリッド
状グラファイト材の構造体の上に載せるが、高強度、高
弾性の断熱材を用いて、かかる構造体を使用せず、断熱
材の上に直接被焼成物を載せることが可能となったため
断熱性が向上した。
【0033】
【実施例4】補強材として直径8mmの棒状C/Cを埋
設したボード状断熱材において、曲げ強度を測定したと
ころ、補強前は0.7MPaであったのに対し補強後は
300MPa以上の強度を有した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素繊維の断熱積層体の内部に炭素繊維強
    化炭素の補強材を埋設してなることを特徴とする高温炉
    用成形断熱材。
  2. 【請求項2】補強材の形状が棒状、格子状又は板状であ
    ることを特徴とする請求項1記載の高温炉用成形断熱
    材。
JP10354324A 1998-12-14 1998-12-14 炭素繊維強化炭素補強材を設けた成形断熱材 Pending JP2000178076A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102543324A (zh) * 2010-12-21 2012-07-04 哈米尔顿森德斯特兰德公司 空气循环机复合绝缘板

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