JPH06263537A - 擬似一方向強化c/c複合材料及びその製造方法 - Google Patents

擬似一方向強化c/c複合材料及びその製造方法

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JPH06263537A
JPH06263537A JP5053668A JP5366893A JPH06263537A JP H06263537 A JPH06263537 A JP H06263537A JP 5053668 A JP5053668 A JP 5053668A JP 5366893 A JP5366893 A JP 5366893A JP H06263537 A JPH06263537 A JP H06263537A
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JP
Japan
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composite material
unidirectional
carbon
sheets
reinforced
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JP5053668A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Aiba
康博 愛場
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Resonac Corp
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一方向のみならず繊維と直角方向の熱伝導
率、強度等に優れる擬似一方向強化C/C複合材料及び
その製造方法を提供する。 【構成】 炭素繊維の一方向シートを3〜9枚おきに1
枚の割合で繊維の方向を直角に積層してなる擬似一方向
強化C/C複合材料及び炭素繊維の一方向シートを3〜
9枚おきに1枚の割合で繊維の方向を直角に積層し、成
形後成形体に炭素マトリックスを含浸する擬似一方向強
化C/C複合材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核融合炉壁材、高温
炉、その他の高温分野に使用される擬似一方向強化C/
C複合材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維強化炭素複合材料(C/C複合
材)には、一方向強化材、繊維をXY方向の二次元的に
配置した2D材及び繊維をXYZ方向の三次元的に配置
した3D材がある。このうち、一方向強化材の製造法
は、主に以下の二方法が知られている。市販の一方向
プリプレグシートを、繊維の方向を揃えて積層し、樹脂
を硬化、炭化し、更に炭素マトリックスを含浸する方法
(文献例;日本機械学会誌、第10巻、第2号、P.5
6、C/Cコンポジット開発の現状)。フィラメント
ワインディング法で炭素繊維束を一方向に揃えて板等に
巻き付け、これに炭素マトリックスを含浸する方法(文
献例;炭素No.115、炭素繊維強化炭素複合材
料)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来法で得られる一方
向強化C/C複合材は、2D材や3D材に比べて繊維が
一方向に配向しているため、繊維の方向の熱伝導や強度
は著しく改善されるものの、他の方向即ち繊維と直角方
向の熱伝導率、強度(層間剪断強度)等の特性は著しく
低下するという問題があった。逆に、2D材や3D材は
一方向強化材に比べて繊維と直角方向の熱伝導率や強度
は大きくなるが、一方向のような高い熱伝導が得られな
い点で問題がある。更に、3D材は容易に製造できない
問題もある。本発明は、一方向のみならず、繊維と直角
方向の熱伝導率、強度等の特性に優れる擬似一方向強化
C/C複合材料及びその製造方法を提供するものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の一
方向強化材や2D材あるいは3D材でもなく、一方向強
化材と2D材の間で、かつ、一方向強化材に近い材料が
本発明者らの目的に叶っていることを見出し。即ち、本
発明者らは炭素繊維方向と該炭素繊維に対し直角な二方
向の熱伝導率、強度等の特性を向上させるまでもなく、
炭素繊維方向に対し直角な一方向の特性のみ向上させる
だけで十分と考え、炭素繊維方向に対し直角な方向の一
方向に少量炭素繊維を配することで一方向強化材の良い
特性を損なわずに炭素繊維に対し直角方向の特性を必要
最小限改善できることを見い出した。
【0005】本発明は炭素繊維の一方向シートを3〜9
枚おきに1枚の割合で繊維の方向を直角に積層してなる
擬似一方向強化C/C複合材料及び炭素繊維の一方向シ
ートを3〜9枚おきに1枚の割合で繊維の方向を直角に
積層し、成形後成形体に炭素マトリックスを含浸する擬
似一方向強化C/C複合材料の製造方法に関する。
【0006】本発明の擬似一方向強化C/C複合材料に
おける一方向シートの積層方向の割合は、直角方向1に
対して正常方向3〜9とされ、この条件以外では本発明
の目的を達成することができない。一方向シートの積層
は炭素繊維の方向と一致させることが好ましい。炭素繊
維はPAN系、ピッチ系、汎用品、高強度品、高弾性品
いずれでも良く、使用目的に応じて用いればよい。核融
合炉壁に用いる場合にはピッチ系高弾性品が好ましい。
炭素マトリックスも制限はないが、炭化率の高い熱硬化
性樹脂、熱可塑性樹脂、ピッチ等を出発物質とした炭素
あるいは、熱分解炭素が好ましい。
【0007】
【作用】上記したように、一方向強化C/C複合材料の
炭素繊維方向に対し直角な方向の一方向にも少量、炭素
繊維を配すること、即ち、炭素繊維の一方向シートを3
〜9枚おきに1枚の割合で繊維の方向を直角に積層した
炭素繊維構造を持つことが一方向強化C/C複合材料の
炭素繊維方向の熱伝導率、強度等の特性を損なわずに、
炭素繊維方向と直角な方向の一方向の熱伝導率、強度等
を高める作用をしている。本発明では熱伝導率及び強度
を特性の代表例として取り上げたが、導電率、熱膨張係
数その他の特性にも当然作用している。特性全体を総括
すると、本発明は一方向強化C/C複合材料の異方性を
小さくする方向に作用するものである。
【0008】
【実施例】
実施例1 ピッチ系高弾性炭素繊維束(弾性率が500GPa、密
度2.15g/cc、繊維径10μm、フィラメント数
2000本)を一方向に幅25mmあたり20本の密度
で並べた一方向シート(目付232g/m2)にレゾー
ル型のフェノール樹脂(日立化成工業製、商品名VP−
801)を含浸したプリプレグを200mm角に切断
し、この切断した234枚のプリプレグを3枚おきに1
枚の割合で繊維方向を直角にする以外は繊維の方向を揃
えて積層し、金型中160℃で厚さが50mmになる圧
力で成形し、FRP成形体を作製した。次にこのFRP
成形体を不活性雰囲気中で約5日間かけて900℃まで
の温度で樹脂を炭化した。次いで真空加圧含浸法により
溶融したピッチ(軟化点が86℃、固定炭素60重量
%、キノリン不溶分0.1重量%以下)を含浸し、上記
と同様の方法で炭化した。このピッチ含浸、炭化工程を
5回繰り返し、更に2800℃で黒鉛化後、嵩密度1.
9g/ccの擬似一方向強化C/C複合材料を得た。特
性を表1に示す。
【0009】実施例2〜4 実施例1で234枚のプリプレグを5枚おき、7枚お
き、9枚おきに1枚の割合で繊維方向を直角にする以外
は繊維の方向を揃えて積層し、以下実施例1と同様の工
程を経て嵩密度1.9g/ccの擬似一方向強化C/C
複合材料を得た。特性を表1に示す。
【0010】比較例1 実施例1で234枚のプリプレグを繊維方向をすべて同
じ方向に積層する以外は実施例1と同様の工程を経て嵩
密度1.9g/ccの一方向強化C/C複合材料を得
た。特性を表1に示す。
【0011】比較例2 実施例1で234枚のプリプレグを1枚おきに繊維方向
を直角に積層する以外は実施例1と同様の工程を経て嵩
密度1.9g/ccの一方向強化C/C複合材料を得
た。特性を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】表1から明らかなように、炭素繊維を一方
向だけにした比較例1の一方向強化C/C複合材料は三
方向のうち二方向の熱伝導率、曲げ強度とも極めて低
い。これに対し一方向シートを一部直角方向に積層した
構造の実施例の擬似一方向強化C/C複合材料は上記二
方向のうち一方向の熱伝導率、曲げ強度が改善されてい
ることが示される。また、一方向シートを正常方向と直
角方向の交互に積層した構造の比較例2の一方向強化C
/C複合材料は異方性が低く、特性が劣る。これに対し
一方向シートを一部直角方向に積層した構造の実施例の
擬似一方向強化C/C複合材料は一方向の優れた特性を
失っていないことが示される。
【0014】
【発明の効果】従来の一方向強化C/C複合材料では、
繊維と直角方向の熱伝導率及び曲げ強度が極めて低い問
題があったが、本発明によれば、炭素繊維の一方向シー
トを3〜9枚おきに1枚の割合で繊維の方向を直角にし
て積層することによって、繊維と直角方向のうちの一方
向の熱伝導率及び曲げ強度を2〜9倍に改善できる。即
ち、擬似の一方向強化により特性の異方性を小さくする
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維の一方向シートを3〜9枚おき
    に1枚の割合で繊維の方向を直角に積層してなる擬似一
    方向強化C/C複合材料。
  2. 【請求項2】 炭素繊維の一方向シートを3〜9枚おき
    に1枚の割合で繊維の方向を直角に積層し、成形後成形
    体に炭素マトリックスを含浸することを特徴とする擬似
    一方向強化C/C複合材料の製造方法。
JP5053668A 1993-03-15 1993-03-15 擬似一方向強化c/c複合材料及びその製造方法 Pending JPH06263537A (ja)

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Cited By (2)

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