JP2000176998A - 複合材の成形方法および成形治具 - Google Patents
複合材の成形方法および成形治具Info
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Abstract
レグに発生するガスを確実に排出して、気泡のない製品
を成形する。 【解決手段】 表面に網目状に設けられた溝から成る真
空吸引路3を有する成形治具1上に通気性シート8を配
置し、通気性シート8上にプリプレグ9を積層し、成形
治具1の外周部にプリプレグ9を囲むシール材11を配
置し、これら全体を真空バッグフィルム12で覆い、真
空バッグフィルム12の内部を真空吸引しつつ加圧加熱
硬化処理する。
Description
る真空吸引により成形品のガス残留を防ぐことができる
複合材の成形方法および成形治具に関し、詳しくは熱硬
化型ポリイミド系樹脂を使用した複合材の成形方法およ
び成形治具に関する。
成形方法が適用されている。この真空バッグ成形方法
は、プリプレグを平滑面を有する成形治具上に積層し、
積層したプリプレグを通気性シートおよび真空バッグフ
ィルムで覆い、真空バッグフィルムの内部空間を成形治
具に設けられた吸引口から真空吸引し、オートクレーブ
内で加圧加熱硬化して所定形状の成形品を得る方法であ
る。
プレグの積層時にプリプレグ間にガスが混入したり、成
形中に発生したガスがプリプレグ中に残存するし、成形
後に気泡として残留することになり、製品の強度等の品
質が著しく劣化させることになる。
う方法として、実開平3−129422号公報に、成形
型の周囲に筒状体を配置し、真空吸引の際にガスを筒状
体に入り込み易くし、プリプレグ中のガスの排出を行な
う方法が開示されている。
は、複合材の中央部から周辺部に向けて徐々に気泡を排
除するようにし、プリプレグ中ガスの排出を行なう方法
が開示されている。
として、多孔質通気性物質を用いた成形型(特開昭60
−24905号公報参照)やバキューム吸着方式のワー
クホルダ(実開平6−71039号公報参照)が知られ
ている。
ては、ポリイミド系複合材の成形時における成形圧力は
320℃で14kgf/cm2 程度であり、エポキシ系
複合材の成形圧力(180℃で7〜8kgf/cm2 )
より相当高く、硬化時にはガスが発生するので成形時に
は常に真空吸引が必要であるが、真空吸引の際に、大気
圧もしくは成形圧力によって通気性シート等のガス通路
が塞がり、複合材中のガスの排出が不充分となり、ガス
が気泡として複合材成形品内部に残留するという問題が
ある。
に開示されている技術手段は、このような場合でもガス
通路を確保することはできるものの、吸引が成形品の外
周部のみであるため、成形品の全体形状が大きくなる
と、成形品中央部からのガスの排出が必ずしも充分に行
なわれないという問題がある。
もので、成形品が大きい場合であっても、複合材中のガ
スの排出を確実に行ない、ガスが成形品内に残留するの
を防止し、高品質の複合材製品を容易に得ることができ
る複合材の成形方法および成形治具を提供することを目
的とする。
けで各種形状の複合材製品を得ることができ、成形治具
の共用化を図ることができるようにすることにある。
法は、表面に真空吸引路を有する成形治具上に通気性シ
ートを配置し、通気性シート上にプリプレグを積層し、
成形治具の外周部にプリプレグを囲むようにシール材を
配置し、これら全体を真空バッグフィルムで覆い、真空
バッグフィルムの内部を真空吸引し、加圧加熱硬化処理
して複合材製品を得るものであり、真空吸引を成形治具
表面の真空吸引路を介して行なうことで、大気圧や成形
圧力に影響されることなく吸引路を確保でき、成形品の
下面全域から充分にガスを排出することが可能となり、
気泡のない高品質の複合材製品を得ることができる。
吸引路を有する成形治具上に通気性を有する成形型を配
置し、成形型上にプリプレグを積層し、成形治具の外周
部にプリプレグを囲むようにシール材を配置し、これら
全体を真空バッグフィルムで覆い、真空バッグフィルム
の内部を真空吸引し、加圧加熱硬化処理して複合材製品
を得るものであり、成形型の交換のみで各種形状の成形
品を成形でき、成形治具は共用とすることが可能とな
る。
る溝部により形成された真空吸引路と、隣り合う溝部の
間に形成された支持部と、真空吸引路に連通する口金と
を有し、溝部の一点で真空引きした場合であっても、成
形品の下面全域を均等に吸引することができる。
参照して説明する。
形態に係る複合材の成形方法に用いる成形治具を示し、
この成形治具1は、例えば平板状をなすスチールあるい
はアルミニウム合金等の成形治具本体2を有する。この
成形治具本体2の上面には2つの真空吸引路3が独立し
た2つの経路を形成するように設けられている。
に、升目状に配された凹み溝4により形成され、隣り合
う凹み溝4の間に支持部5が形成されている。これら支
持部5に後述するプリプレグ9が支持される。凹み溝4
は、例えば幅が0.5〜2.0mm、深さが約2mm、
ピッチが約25〜100mmである。各真空吸引路3に
は口金6が連結されている。口金6は吸引ホース7を介
して図示しない真空装置に接続されている。
成形方法について説明する。
すように、この成形治具1の口金6を吸引ホース7を介
して図示しない真空装置に接続する。
うに、成形治具1の上面に真空吸引路3上に位置するよ
うに配置する。この通気性シート8は、図5に示すよう
に、通気性を有するガラスクロスで形成される外側シー
ト8aと内側シート8bで構成されている。内側シート
8bは、外側シート8aよりも織目が細かいガラスクロ
スで形成され離型処理が施されている。
たはガラス繊維に半硬化樹脂を含浸させたプリプレグ9
を積層し、積層したプリプレグ9の上に、図5に示すよ
うに、通気性シート10を配置する。この通気性シート
10は、通気性を有するガラスクロスで形成される外側
シート10aと内側シート10bで構成されている。内
側シート10bは、外側シート10aよりも織目が細か
いガラスクロスで形成され離型処理が施されている。
および図4に示すように、両真空吸引路3,3を囲むよ
うにリング状をなす例えばシリコーン系のシール材11
が配置される。そして、ナイロンまたはポリイミド系の
真空バッグフィルム12が、成形治具1の上面に設けら
れたシール材11に周辺部分をシールするように配置さ
れる。これにより、成形準備段階は終了する。
配置し、図示しない真空装置を作動させて、各真空吸引
路3を通して真空バッグフィルム12の内部空間を真空
吸引し、その状態を保持したまま、加圧加熱硬化処理し
て複合材製品を得る。
1に載置されたプリプレグ9は、その下面全域から真空
吸引され、しかも、真空吸引路3が大気圧や成形圧力に
よる影響を受けることがないので、プリプレグ9の積層
時にプリプレグ9の間に残存するガスや成形中にプリプ
レグ9から発生するガスを成形中に成形治具1の下面か
ら外部に排出することができる。
に比較して、複合材成形における真空吸引を不具合なく
行なうことができ、成形治具1の表面形状を成形品の形
状に合わせ加工することにより様々な部品形状に適用す
ることができる。
両方の真空吸引路3に亘るような大形成形品の成形につ
いて説明したが、一方の真空吸引路3のみでも足りるよ
うな小形の成形品を成形する場合には、図6に示すよう
に、一方の真空吸引路3のみを用いて成形することがで
きる。これにより、通気性シート8,10、シール材1
1および真空バッグフィルム12等を必要最少限の大き
さとしてコストダウンを図ることができる。
複合材の成形方法に用いる成形治具を示すもので、この
成形治具21は、上記成形治具1と同一構成の成形治具
本体2と、成形治具本体2の上面に着脱可能に配置され
た成形型20とから構成されている。成形型20は、通
気性を有するグラファイト製で成形品の成形モールド2
0aを有する。
3は、図7に示すように、升目状に配された凹み溝4を
有し、隣り合う凹み溝4の間に支持部5が形成されてい
る。凹み溝4は、幅が0.5〜2.0mm、深さが約2
mm、ピッチが約25〜100mmである。各真空吸引
路3には口金6が連結されている。口金6は吸引ホース
7を介して図示しない真空装置に接続されている。
成形方法について説明する。
ように、成形型20を配置し、成形型20の成形モール
ド20aの上面に多孔質性の離型フィルム22を介しプ
リプレグ9を積層する。
8および図9に示すように、両真空吸引路3を囲むよう
にリング状をなすシール材11を配置し、その上に真空
バッグフィルム12を配置する。
て、各真空吸引路3を通して真空バッグフィルム12の
内部空間を真空吸引し、その状態を保持したまま、プリ
プレグ積層体を加圧加熱硬化処理して複合材製品を得
る。
20を用いて成形するので、成形治具21に設けた真空
吸引路3の升目を粗くしても成形品を充分に真空吸引す
ることができ、成形型20を交換するだけで各種形状の
成形品を成形できる。また、成形治具を共用することで
成形治具の製作コストを低く抑えることができる。
型20を通気性を有するグラファイトで形成する場合に
ついて説明したが、図10に示すように、スチールある
いはアルミニウム合金製のマンドレル31に通気性を確
保するための直径1.0〜2.0mm、ピッチ約1イン
チの真空吸引孔32を穿設した成形型30を用いること
もできる。
成形治具2の上面の2箇所に独立して設けた場合につい
て説明したが、成形治具2の上面全域に単一の真空吸引
路3を設けるようにしても、成形治具2の上面に3箇所
以上に真空吸引路3を設けるようにしてもよい。真空吸
引路3の構成も升目状に配した凹み溝4に限らず、渦巻
き状とした溝であってもよい。
面に真空吸引路を有する成形治具上に、通気性シートを
介してプリプレグを積層したことで、吸引路が大気圧や
成形圧力に影響されることなく確保でき、成形品の下面
全域からガスを確実に外部に排出することができ、気泡
のない高品質の複合材製品を成形することができる。
る成形治具上に通気性を有する成形型を配置し、この成
形型上にプリプレグを積層したことで、吸引路を大気圧
や成形圧力に影響されることなく確保できるとともに、
成形型を交換するだけで各種形状の成形品を成形するこ
とができ、成形治具の共用化を図ることができる。
溝部により形成し、隣り合う溝部の間に支持部を形成し
たことで、溝部の一点で真空引きした場合であっても、
成形品の下面全域を均等に吸引することができる。
方法に用いる成形治具にプリプレグを配置した状態を示
す斜視図。
た状態を示す図。
態を示す図3相当図。
方法に用いる成形治具にプリプレグを配置した状態を示
す斜視図。
た状態を示す図。
造の成形型を示す斜視図。
Claims (9)
- 【請求項1】表面に真空吸引路を有する成形治具上に通
気性シートを配置し、通気性シート上にプリプレグを積
層し、成形治具の外周部にプリプレグを囲むようにシー
ル材を配置し、これら全体を真空バッグフィルムで覆
い、真空バッグフィルムの内部を真空吸引し、加圧加熱
硬化処理することを特徴とする複合材の成形方法。 - 【請求項2】プリプレグと真空バッグフィルムとの間に
通気性シートを介装することを特徴とする請求項1記載
の複合材の成形方法。 - 【請求項3】表面に真空吸引路を有する成形治具上に通
気性を有する成形型を配置し、成形型上にプリプレグを
積層し、成形治具の外周部にプリプレグを囲むようにシ
ール材を配置し、これら全体を真空バッグフィルムで覆
い、真空バッグフィルムの内部を真空吸引し、加圧加熱
硬化処理することを特徴とする複合材の成形方法。 - 【請求項4】成形型とプリプレグとの間に通気性を有す
る離型フィルムを介装することを特徴とする請求項3記
載の複合材の成形方法。 - 【請求項5】真空吸引路は、網目状に設けられた溝部
と、溝部に連通して溝部の周囲に設けられた閉じた溝
と、溝部又は溝に連通された口金と、を有することを特
徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の複合材の
成形方法。 - 【請求項6】表面に設けた交差する溝部及び溝部に連通
して溝部の周囲に設けられた閉じた溝により形成された
真空吸引路と、隣り合う溝部の間に形成された支持部
と、真空吸引路に連通する口金とを有することを特徴と
する成形治具。 - 【請求項7】支持部は升目状をなしていることを特徴と
する請求項6に記載の成形治具。 - 【請求項8】真空吸引路は、相互に独立して設けられた
少なくとも2つの経路を有することを特徴とする請求項
6または7に記載の成形治具。 - 【請求項9】真空吸引路の上に通気性を有する成形型を
配置したことを特徴とする請求項6ないし8のいずれか
に記載の成形治具。
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