JP2000176742A - ワイヤカット放電加工装置 - Google Patents

ワイヤカット放電加工装置

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JP2000176742A
JP2000176742A JP10351995A JP35199598A JP2000176742A JP 2000176742 A JP2000176742 A JP 2000176742A JP 10351995 A JP10351995 A JP 10351995A JP 35199598 A JP35199598 A JP 35199598A JP 2000176742 A JP2000176742 A JP 2000176742A
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movable pulley
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wire
motor
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Hisanori Yamada
久典 山田
Tatsuo Kuroda
達雄 黒田
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Sodick Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周囲に切断刃または突起部を等ピッチで設け
た二個のローラ間にワイヤ電極を引き込んで細断処理す
る細断装置を備えたワイヤカット放電加工装置に於て、
ワイヤ電極を所定速度で走行移動させる引っ張り駆動機
構と前記細断装置間のワイヤ電極に弛みを生じさせるこ
となく円滑に細断処理を行い得るようにすること、また
更には、引っ張り駆動機構と細断装置間のワイヤ電極の
張力の周期的変動を抑えて加工精度の悪化を防止するこ
と。 【解決手段】 上下方向に移動可能な可動プーリを設
け、該可動プーリに前記引っ張り駆動機構と前記細断装
置間のワイヤ電極を懸架し、前記可動プーリの上下位置
を検出する位置検出装置と、該位置検出装置の検出信号
により前記細断装置のローラを回転駆動するモータの作
動を制御して前記可動プーリの上下位置を所定位置に保
持する制御装置を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、間隔を置いて配置
した一対のガイド間にワイヤ電極を張架して軸方向に走
行移動させ、該ワイヤ電極に微小な放電間隙を介して被
加工物を対向配置し、前記放電間隙に加工液を介在させ
た状態でワイヤ電極と被加工物間に間歇的な電圧パルス
を印加して繰返し放電パルスを発生させると共に、両者
間にワイヤ電極の軸方向と略直交する方向の相対的な加
工送りを与えて所望輪郭形状の切断加工を行うワイヤカ
ット放電加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3はワイヤカット放電加工装置の概略
を示す構成図であり、1はベッド、2は該ベッド1上に
互いに直交するX及びY軸方向に移動可能に設けたXY
クロステーブル、3,4は該XYクロステーブル2を移
動させるX軸及びY軸駆動モータ、5,6は各モータ
3,4の回転角を検出するロータリエンコーダ、7はX
Yクロステーブル2上に固定して設けた載物台であり、
該載物台7上に、被加工物8を取付ける加工テーブル面
がXY二軸平面と平行に形成されている。これ等XYク
ロステーブル2、モータ3,4、及びエンコーダ5,6
によって加工送り機構が構成され、必要に応じ、各エン
コーダ5,6により各軸移動量が検出されてフィードバ
ック制御される。
【0003】9はベッド1に起立させて設けたコラム、
10,11はコラム9からXYクロステーブル2上に伸
長させて設けた上下一対の上アームと下アームである。
12,13は加工部に加工液を噴射供給する上下一対の
ノズル装置であり、被加工物と対向する加工部のワイヤ
電極14を位置決めするダイス状等の一対のガイド1
5,16が該ノズル装置12,13内に夫々固定支持さ
れている。17は上アーム10に設けたXY二軸平面と
直交するZ軸の移動機構であり、該Z軸移動機構17の
先端部にX軸と平行なU軸及びY軸と平行なV軸方向に
移動可能にUVクロステーブル18が設けられる。該テ
ーブル18に上部ノズル装置12が固定支持され、下部
ノズル装置13は下アーム11の先端部に固定支持され
ている。従って、上側のガイド15はU,V,及びZ軸
方向に移動可能であり、下側のガイド16は固定状態で
ある。19はUVクロステーブル18をZ軸方向に移動
するZ軸駆動モータ、20は該モータ19の回転角を検
出するロータリエンコーダ、21,22はUVクロステ
ーブル18のU軸駆動モータ及びV軸駆動モータ、2
3,24は各モータ21,22の回転角を検出するロー
タリエンコーダであり、必要に応じ、各エンコーダ2
0,23,24により各軸移動量が検出されてフィード
バック制御される。
【0004】加工に際し、ワイヤ電極14は供給リール
25から繰出され、ブレーキ機構26を経てガイドロー
ラ27に案内され上側ガイド15から被加工物8の加工
スタート孔を挿通して下側ガイド16を通り、必要に応
じて設けたガイドローラ28を介し引っ張り駆動機構2
9を経てワイヤ電極細断装置30に至る走行経路に張架
される。図示していないが、通常のワイヤカット放電加
工装置は該走行経路へワイヤ電極を張架する各種の自動
結線機構を備えており、前記走行経路へのワイヤ電極の
張架は自動的に行われる。また、上側ガイド15のZ軸
位置がZ軸移動機構17により被加工物8の板厚に応じ
て調整設定されると共に、上側ガイド15のX,Y各軸
位置が、適宜の治具を用いる等してUVクロステーブル
18を駆動制御することにより、加工部のワイヤ電極1
4を加工テーブル面に垂直に位置出しする位置に調整設
定される。ブレーキ機構26は、例えばパウダブレーキ
等の電磁ブレーキ26aとピンチローラ26bにより構
成され、引っ張り駆動機構29は、モータにより所定の
周速度で回転するキャプスタン29aとピンチローラ2
9bにより構成され、引っ張り駆動機構29から排出さ
れて送り出された使用済みのワイヤ電極14は細断装置
30により所定の長さに細かく切断され細断片14aと
なって回収容器31内に収納される。
【0005】32は加工電源装置であり、ワイヤ電極1
4に接触して設けた通電子33と被加工物8に出力端子
が接続され、設定された所定パルス条件(τon、τo
ff、Ip等)の電圧パルスを被加工物8とワイヤ電極
14間に間歇的に印加し、また、発生する放電状態を監
視する。
【0006】34はコンピュータであり、CPU34
a、ROM34b、RAM34c、入力インターフェイ
ス34d、出力インターフェイス34eから構成され
る。35は、CPU34aの指令に従いXY各軸ドライ
バ36、及びUVZ各軸ドライバ37にパルス分配し
て、各モータ3,4,19,21,22の作動を数値制
御するNC装置である。38はキーボード等の入力装置
であり、該入力装置38により電圧パルスのパルス条
件、ワイヤ電極の張力、速度等の走行条件、加工液の流
量、液圧等の供給条件等の各種加工条件、及び、その他
各種設定値、初期値等が入力設定される。39はCRT
等の表示装置であり、X,Y,Z,U,Vの各軸の現在
位置座標値、入力装置37により設定された各種加工条
件、設定値、初期値等、及び加工の進行状況等が数値表
示あるいはグラフィック表示される。
【0007】このようなワイヤカット放電加工装置に於
て、引っ張り駆動機構29のキャプスタン29aを所定
速度で回転させてワイヤ電極14を所定の速度で走行移
動させると共に、ブレーキ機構26の作動を制御し所定
の制動力を作用させて加工部のワイヤ電極14に所定の
張力を付与し、ノズル12,13から放電間隙に加工液
を噴射供給しつつ、被加工物8とワイヤ電極14間に間
歇的に電圧パルスを印加して繰返し放電を発生させると
共に、両者間にモータ3,5の駆動制御による加工送り
を与えて所定輪郭形状の切断加工が行われる。加工送り
は予めROM34bに格納されている加工プログラムに
従ってCPU34aにより制御され、また加工中は放電
状態が監視され、検出された信号により加工状態の良否
が判別されて、電圧パルスの印加中止、パルス条件の変
更、あるいはワイヤ電極の走行条件、加工液の供給条件
の変更等の制御が行われる。
【0008】被加工物8と対向する加工部を設定された
所定の張力と速度をもって走行移動したワイヤ電極を所
定の長さに細かく切断する細断装置30として、例え
ば、特公昭61−53170号公報に記載された細断装
置が提案されている。この細断装置は、図4に示すよう
に、切断刃301を全周に等ピッチで設けたローラ30
a(前記公報に於て「歯車状カッタ」と称す)と、前記
切断刃と等ピッチで突起302を全周に設けたローラ3
0bとを対向させて設置し、両ローラ30a,30bを
同方向に同調して回転させることにより、引っ張り駆動
機構から排出されて送り出されたワイヤ電極14を、両
ローラの回転により順次対向して近接する前記切断刃3
01と前記突起302の間に挟持し折り曲げながら緊張
状態で両ローラ間に引き込んで行き、前記突起間の凹部
に切断刃の刃先で押圧することにより、切断刃のピッチ
で定まる所定の周期でワイヤ電極を細断片14aに細か
く切断する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような細断装置で
は、加工開始時に、引っ張り駆動機構と細断装置間のワ
イヤ電極に張力零を含む所定の張力あるいは僅かな弛み
を付与した状態で、ワイヤ電極を細断装置に引き込んで
行く。この際、前記ローラを一定速度で回転させていて
も、ワイヤ電極が前記両ローラ間に引き込まれるときに
前記突起間の凹部に順次押し込まれることにより、ワイ
ヤ電極の細断装置への引き込み速度は周期的に変動す
る。通常、細断装置30のローラは直径50〜100mm
程度、周囲の突起の数が50〜100個程度で、ワイヤ
電極を5〜15mm程度の長さに切断する。また、キャプ
スタン29aの回転周速度は通常100〜300mm/sec
程度であるから、ワイヤ電極を例えば10mmの長さに細
断する場合、10〜30Hz程度の周波数で引き込み速
度が変動することになる。
【0010】また、ワイヤ電極の細断時に、前記各ロー
ラの切断刃と突起部は、ワイヤ電極と強く圧接した状態
での摩擦を繰返すため、高硬度材で形成されていても摩
耗が避けられない。このため、細断時間の経過とともに
ワイヤ電極の細断装置への引き込み平均速度が低下し
て、引っ張り駆動機構と細断装置間のワイヤ電極に弛み
を生じ、該弛みが経時的に増大することになる。更に、
この大きく弛んだワイヤ電極に上述した引き込み速度の
周期的な変動が作用して、弛んだワイヤ電極が乱雑に大
きく飛び跳ねることにより、ワイヤ電極が絡まる等して
ワイヤ電極の走行不良や細断処理不良を招来することに
なる。
【0011】また、引っ張り駆動機構と細断装置間のワ
イヤ電極に所定の張力が付与されている場合、上述した
引き込み速度の周期的変動により付与張力が周期的に変
化し、引っ張り駆動機構と細断装置間のワイヤ電極の張
力の周期的変化が加工部のワイヤ電極の張力を多少なり
とも変動させ、加工精度に悪影響を及ぼす。
【0012】また、前記公報に記載された細断装置のよ
うに、切断刃でワイヤ電極を切断する装置では、刃先が
短時間に摩耗して切断能力が低下してしまい、耐用時間
が短い欠点があるところから、ワイヤ電極を刃で切断す
るのではなく、全周に等ピッチで突起を有する二個のロ
ーラ30a,30bを用い、両ローラの突起部と突起部
とによりワイヤ電極を挟持して引き込み、一方のローラ
の突起部間の凹部に他方のローラの突起部でワイヤ電極
を押し込むことにより、ワイヤ電極を引っ張り力で破断
させて切断する細断装置(特開平10−277,844
号公報参照)も考えられるが、このような細断装置に於
ても、突起部の摩耗による引き込み平均速度の低下に起
因するワイヤ電極の弛み、あるいは引き込み速度の周期
的な変動に関しては同様であって、やはり細断処理不良
や加工精度悪化等の問題がある。
【0013】叙上の問題点に鑑み、本発明は、引っ張り
駆動機構から送り出されたワイヤ電極を、周囲に等ピッ
チで切断刃を設けたローラと突起を設けたローラ間、あ
るいは周囲に等ピッチで突起を設けた二個のローラ間に
引き込み、ワイヤ電極を突起部間の凹部に切断刃により
押し込んで刃により所定の長さに切断処理、またはワイ
ヤ電極を一方のローラの突起部間の凹部に他方のローラ
の突起部により押し込んで引っ張り力で破断させて所定
の長さに切断処理する細断装置を備えたワイヤカット放
電加工装置に於て、引っ張り駆動機構と細断装置間のワ
イヤ電極に弛みを生じさせることなく円滑に細断処理を
行い得るようにすること、また更には、引っ張り駆動機
構と細断装置間のワイヤ電極の張力の周期的変動を抑え
て加工精度の悪化を防止することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明のワイヤカット放電加工装置は、上下方向に
移動可能な可動プーリを設け、該可動プーリに前記引っ
張り駆動機構と前記細断装置間のワイヤ電極を懸架し、
前記可動プーリの上下位置を検出する位置検出装置と、
該位置検出装置の検出信号により前記細断装置のローラ
を回転駆動するモータの作動を制御して前記可動プーリ
の上下位置を所定位置に保持する制御装置を設けてなる
ことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1により
説明する。図1(a)に於て、40は可動プーリであ
り、支持軸40aに回転自在に支承されている。40b
は縦長に形成した案内溝であり、支持軸40aは両側面
が部分的に平面状に形成され、案内溝40b内に挿入配
置されて、前記平面状の側面を案内溝40bの内側面に
摺接させて上下方向に摺動する。ワイヤ電極14は引っ
張り駆動機構29から可動プーリ40に懸架されて細断
装置30に至る走行経路に張架される。ワイヤ電極14
の可動プーリ40への懸架を含む走行経路への張架は自
動結線機構により自動的にまたは手作業により行われ、
引っ張り駆動機構29と細断装置30間のワイヤ電極1
4は、一端部がキャプスタン29aとピンチローラ29
b間に挟持され、他端部が細断装置の両ローラ30a,
30b間に挟持されて両端部拘束状態で可動プーリ40
を支持する。29cはキャプスタン29aを回転駆動す
るモータであり、30cはローラ30aを回転駆動する
モータである。また、41は案内溝40bに案内されて
上下方向に移動する可動プーリ40の上下位置を検出す
る位置検出装置、42は位置検出装置41の検出信号に
より可動プーリ40の上下位置を所定位置に保持するよ
うにモータ30cの作動を制御する制御装置であり、制
御装置42としては図3のコンピュータ34が使用され
る。
【0016】このような構成により、加工開始時には、
通常、ワイヤ電極14のキャプスタン29aの回転によ
る加工部走行移動速度とローラ30aの回転による細断
装置30への引き込み平均速度とが同じ所定速度に初期
設定され、加工部を通過して引っ張り駆動機構29から
送り出されたワイヤ電極14が可動プーリ40を支持し
た状態で細断装置30に引き込まれて行く。この時の可
動プーリ40の上下位置が位置検出装置41により検出
され、該検出信号に基づいてモータ30cの作動が制御
装置42により制御される。制御装置42は、位置検出
装置41の検出信号により可動プーリ40の位置が所定
位置(所定の上限位置と下限位置間の位置)にあるかど
うか判別し、所定位置から外れている場合、例えば上限
位置よりも上に越えていることが判別されたときは、該
判別信号によりモータ30cの回転速度を低下させるよ
うに制御し、ワイヤ電極14の細断装置30への引き込
み平均速度を遅くして、可動プーリ40を自重により下
方に移動させ、上限位置に到達したことが判別されたら
モータ30cの回転速度を元の初期設定速度に復帰さ
せ、また下限位置よりも下にあることが判別されたとき
は、該判別信号によりモータ30cの回転速度を高める
ように制御し、ワイヤ電極14の細断装置30への引き
込み平均速度を速めて、可動プーリ40を上方に移動さ
せ、下限位置に到達したことが判別されたらモータ30
cの回転速度を元の初期設定速度に復帰させる。
【0017】このようにして、可動プーリ40を所定位
置に支持した状態で、ワイヤ電極の引っ張り駆動機構2
9からの送り出し速度と細断装置30への引き込み平均
速度を同じに設定した初期状態で加工が開始され、加工
に使用されたワイヤ電極14は、細断装置30に連続的
に引き込まれ、両ローラ30a,30b間に於てローラ
周囲の突起部の形状に応じたL字形、V字形、U字形等
の細断片14aに次々と切断され、回収容器31内に落
下して収納される。加工時間の経過に伴い、ローラ30
a,30bの摩耗によりワイヤ電極14の細断装置30
への引き込み平均速度が低下し、可動プーリ40が下降
して下限位置よりも下になると、位置検出装置41の検
出信号を基準信号と比較する制御装置42の判別回路に
より下限位置よりも下降したことが判別され、該判別信
号によりモータ30cの回転速度が高められてワイヤ電
極14の引き込み平均速度が増大する。該引き込み平均
速度の増大により可動プーリ40は下降から反転して上
昇移動を開始し下限位置を越えてゆっくりと上昇を続け
る。やがて位置検出装置41の検出信号に基づいて制御
装置42の判別回路により可動プーリ40が上限位置を
越えたことが判別されると、該判別信号によりモータ3
0cの回転速度を低下させワイヤ電極14の引き込み平
均速度を減少させて、可動プーリ40を上昇から下降移
動へと反転させる。そして、可動プーリ40が下降移動
を続け下限位置よりも下降すると、前記と同様にして、
ワイヤ電極14の引き込み平均速度が増大されて、可動
プーリ40は下降から上昇移動に反転する。このような
上昇と下降を可動プーリ40に比較的狭い上限位置と下
限位置間に於てゆっくりと行わせることにより、ワイヤ
電極は細断装置30に安定した走行状態で引き込まれて
円滑に細断処理される。また、モータ30cの回転速度
を変更制御した後、位置検出装置41の検出信号の変化
を監視し、可動プーリ40の移動の向きが反転しないと
きはモータ30cの回転速度の変更程度を段階的に増大
させる等、モータ30cの作動が適宜制御される。
【0018】また、ローラ30a,30bの摩耗以外の
何等かの原因によりワイヤ電極14の引き込み平均速度
が低下し、可動プーリ40が下降して下限位置を越えた
とき、あるいは何等かの原因によりワイヤ電極14の引
き込み平均速度が増大し、可動プーリ40が上昇して上
限位置を越えたときも、モータ30cの作動が制御装置
42により前記と同様に制御されて、可動プーリ40が
上限位置と下限位置の間に保持される。
【0019】このように引っ張り駆動機構29と細断装
置30間のワイヤ電極を可動プーリ40に懸架し、可動
プーリ40を所定の上限位置と下限位置間に保持するよ
うに細断装置のローラ駆動モータ30cの作動を制御す
ることにより、ワイヤ電極の弛みによる絡み等を防止し
て細断処理を安定して円滑に行うことができる。しか
し、ワイヤ電極の細断装置30への引き込み速度は上述
したように10〜30Hz程度の頻度で変動するから、
この引き込み速度の周期的な変動による引っ張り駆動機
構29と細断装置30間のワイヤ電極の張力の周期的変
化を抑えるためには、可動プーリ40の微小な変位を感
度良く検出し、モータ30cの作動を応答性高く制御し
て、可動プーリ40を所定の一定位置に保持することが
求められる。この場合は、先ず加工開始時に可動プーリ
40を所定の一定位置に支持した後、制御装置42によ
り、位置検出装置41の検出信号の変化から可動プーリ
40の変位の向きが上昇か下降かを判別(制御を不安定
化させない程度のゲイン余有をもたせて判別)し、上昇
変位のときはモータ30cの回転速度を低下させ、下降
変位のときはモータ30cの回転速度を高める如く、可
動プーリ40の変位を抑えるようにモータ30cの作動
を制御することにより、ワイヤ電極の細断装置30への
引き込み速度の周期的変動を抑えて、ワイヤ電極の張力
の周期的変化に起因する加工精度の悪化を防止すること
ができる。また、可動プーリ40を所定の一定位置に保
持するようにモータ30cの作動を制御することによ
り、加工精度の悪化を防止し得るだけでなく、細断装置
30のローラ突起部の摩耗等によるワイヤ電極の引き込
み平均速度の変動を防止し、ワイヤ電極を弛ませること
なく安定に走行移動させて、細断装置30で円滑に細断
処理することができる。
【0020】図1(b)は本発明の他の実施の形態を示
し、この実施の形態は、可動プーリ40に流入するワイ
ヤ電極14bと該プーリ40から流出して行くワイヤ電
極14cとが共に鉛直状態で平行になるように、回転自
在のガイドローラ43を設けた点で図1(a)の構成と
相違する。このように構成すれば、ワイヤ電極の細断装
置30への引き込み速度若しくは引き込み平均速度の変
動による、引っ張り駆動機構29と細断装置30間のワ
イヤ電極の長さの変化に対する可動プーリ40の移動量
が、図1(a)のようにワイヤ電極14が可動プーリ4
0に傾斜した状態で流入・流出する場合よりも大きくな
るから、ワイヤ電極の引き込み速度若しくは引き込み平
均速度の変動を的確に検出することができる。また、図
1(b)の構成によれば、ワイヤ電極の引き込み速度若
しくは引き込み平均速度の変化、即ち、引っ張り駆動機
構29と細断装置30間のワイヤ電極の長さの単位時間
当りの変化量と可動プーリ40の移動速度とが比例定数
2で比例するから、位置検出装置41の検出信号から可
動プーリ40の移動速度を検知することにより、ワイヤ
電極の引き込み速度若しくは引き込み平均速度の変化を
定量的に容易に的確に把握して、モータ30cの作動を
最適に変更制御することができるのに対し、図1(a)
の構成では、可動プーリ40に流入・流出するワイヤ電
極の傾斜角度が可動プーリの上下位置により変化するた
め、ワイヤ電極の引き込み速度若しくは引き込み平均速
度の変化を定量的に把握してモータ30cの作動を適確
に変更制御することが困難である。
【0021】図1(c)は本発明の更に他の実施の形態
を示し、この実施の形態は、細断装置30の両ローラ3
0a,30bを水平方向に対向させて配置し、該両ロー
ラ間にワイヤ電極が鉛直に引き込まれるように回転自在
のガイドローラ44を設けて、細断装置30から細断片
14aが下方に排出されるようにした点で図1(b)の
構成と相違する。このように構成すれば、細断片14a
が側方に排出される図1(a)(b)の場合よりも排出
が容易であり、より一層安定した円滑な細断処理が可能
となる。また、両ローラ30a,30bの対向方向と垂
直にワイヤ電極を引き込むことにより、図1(a)の場
合よりもローラとワイヤ電極との摩擦接触長さが低減さ
れるから、ローラの摩耗を減少させて寿命を延ばすこと
ができる。この点は図1(b)の場合も同様である。
【0022】図2により位置検出装置41の具体例につ
いて説明する。図2(a)は、歪みゲージを位置検出装
置41に用いた場合を示す。図に於て、45は所定の弾
性係数を有する平板状の撓み部材であり、一端または両
端が支持部材46を介して固定部47に固定されてお
り、該撓み部材45の表面に歪みゲージ48が接着固定
されていて、該歪みゲージ48を用いた出力電圧信号は
制御装置42に接続されている。49は可動プーリ40
の支持軸40aに取付けた棒状の押圧部材であり、加工
開始時に、位置検出装置41の検出信号に基づきモータ
30cの作動が制御されて、可動プーリ40が上方また
は下方に移動され、押圧部材49の先端部が撓み部材4
5の下面に所定圧力で圧接して撓み部材45に所定の撓
みを生じさせる位置に可動プーリ40が配置される。こ
の所定の一定位置に可動プーリ40を支持した状態で、
ワイヤ電極の引っ張り駆動機構29からの送り出し速度
と細断装置30への引き込み平均速度を同じに設定した
初期状態で加工が開始される。そして、加工中に可動プ
ーリ40が上方または下方に変位すると、該変位に追従
して撓み部材45の撓み量が変化し、該撓み量の変化が
歪みゲージ48により感度良く電圧変化として検出され
て制御装置42に出力され、検出信号から可動プーリ4
0の移動の向きと更には移動速度が検知されて、可動プ
ーリ40が所定の一定位置に保持されるようにモータ3
0cの作動が適切に制御される。
【0023】図2(b)は、差動トランスを位置検出装
置41に用いた場合を示す。図に於て、50は差動トラ
ンス、50aは磁性体であって差動トランス50内に挿
入配置され、該磁性体50aは支持部材50bの先端に
支持され、該支持部材50bは可動プーリ40の支持軸
40aに取付けられている。磁性体50aは可動プーリ
40と一緒に移動し、該磁性体50aの位置に応じた電
圧信号が差動トランス50から出力され、該出力電圧信
号は制御装置42に入力される。加工開始時に、位置検
出装置41の検出信号に基づきモータ30cの作動が制
御されて、可動プーリ40が上方または下方に移動さ
れ、差動トランス50から所定の電圧信号が出力される
位置に可動プーリ40が配置される。この所定の一定位
置に可動プーリ40を支持した状態で、ワイヤ電極の引
っ張り駆動機構29からの送り出し速度と細断装置30
への引き込み平均速度を同じに設定した初期状態で加工
が開始される。そして、加工中に可動プーリ40が上方
または下方に変位して磁性体50aが変位すると、該変
位が差動トランス50により感度良く電圧変化として検
出されて制御装置42に出力され、検出信号から可動プ
ーリ40の移動の向きと更には移動速度が検知されて、
可動プーリ40が所定の一定位置に保持されるようにモ
ータ30cの作動が適切に制御される。差動トランスを
用いた位置検出装置41として一般に電磁マイクロメー
タと呼ばれる計測器を使用すれば、サブミクロンの変位
の検出が可能である。
【0024】また、歪みゲージ、差動トランスの他、例
えば、磁気マークを記録した磁気スケールを固定側に設
け、該磁気マークを読取る磁気ヘッドを可動プーリ側に
設けて、可動プーリ40の変位を磁気マークの読取りに
より検出する位置検出装置を使用することができる。ま
た、ワイヤ電極14の細断装置30への引き込み速度の
上述した周期的な変動による引っ張り駆動機構29と細
断装置30間のワイヤ電極の張力の周期的変化の抑制を
図らない場合には、上限位置と下限位置に夫々リミット
スイッチを設け、該リミットスイッチの出力信号により
可動プーリ40の位置を検出してモータ30cの作動を
制御するようにしても良い。また、リミットスイッチに
代えて発光素子と光電変換素子の組合わせを用いる等、
位置検出装置としては各種の計測器や装置の使用が可能
である。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明によれば、
引っ張り駆動機構と細断装置間のワイヤ電極を上下方向
移動可能な可動プーリに懸架し、該可動プーリの位置を
検出した検出信号に基づき、細断装置のローラ駆動モー
タの作動を制御して可動プーリが所定位置に保持される
ようにしたことにより、引っ張り駆動機構と細断装置間
のワイヤ電極に弛みを生じさせることなく長期間安定し
て円滑に細断処理を行うことができ、また更には、引っ
張り駆動機構と細断装置間のワイヤ電極の張力の上述し
た周期的な変動を抑え、加工部のワイヤ電極の張力を所
定張力に維持して所期の精度の加工を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す正面図。
【図2】本発明の位置検出装置の具体的設置態様を示す
正面図。
【図3】ワイヤカット放電加工装置の概略を示す構成
図。
【図4】細断装置によるワイヤ電極の切断態様を示す説
明図。
【符号の説明】
1………………ベッド 2………………XYクロステーブル 3,4…………X軸及びY軸駆動モータ 5,6…………ロータリエンコーダ 7………………載物台 8………………被加工物 9………………コラム 10,11……上アームと下アーム 12,13……上下一対の加工液噴射ノズル装置 14……………ワイヤ電極 15,16……上下一対のガイド 17……………Z軸移動機構 18……………UVクロステーブル 19……………Z軸駆動モータ 20……………ロータリエンコーダ 21,22……U軸及びV軸駆動モータ 23,24……ロータリエンコーダ 25……………ワイヤ電極供給リール 26……………ブレーキ機構 27,28……ガイドローラ 29……………引っ張り駆動機構 30……………細断装置 31……………ワイヤ電極回収容器 32……………加工電源装置 33……………通電子 34……………コンピュータ 35……………NC装置 36……………XY各軸ドライバ 37……………UVZ各軸ドライバ 38……………入力装置 39……………表示装置 40……………可動プーリ 41……………位置検出装置 42……………制御装置 43,44……ガイドローラ 45……………撓み部材 46……………支持部材 47……………固定部 48……………歪みゲージ 49……………押圧部材 50……………差動トランス

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給リールから繰り出されブレーキ機構
    と引っ張り駆動機構により所定の張力と速度をもって一
    対のガイド間を走行移動して前記引っ張り駆動機構から
    送り出されたワイヤ電極を、周囲に等ピッチで切断刃を
    設けたローラと突起を設けたローラ間に引き込み前記突
    起部間の凹部に前記切断刃により押し込んで刃により所
    定の長さに切断処理、あるいは周囲に等ピッチで突起を
    設けた二個のローラ間に引き込み該二個のローラの内の
    一方のローラの突起部間の凹部に他方のローラの突起部
    により押し込んで引っ張り力で破断させて所定の長さに
    切断処理する細断装置を備え、前記一対のガイド間のワ
    イヤ電極と被加工物間の微小な放電間隙に加工液を介在
    させた状態で、ワイヤ電極と被加工物間に間歇的な電圧
    パルスを印加して繰返し放電パルスを発生させると共
    に、前記一対のガイド間のワイヤ電極と被加工物間に該
    ワイヤ電極の軸方向と略直交する方向の相対的な加工送
    りを与えて所望輪郭形状の切断加工を行うワイヤカット
    放電加工装置に於て、 上下方向に移動可能な可動プーリを設け、該可動プーリ
    に前記引っ張り駆動機構と前記細断装置間のワイヤ電極
    を懸架し、前記可動プーリの上下位置を検出する位置検
    出装置と、該位置検出装置の検出信号により前記細断装
    置のローラを回転駆動するモータの作動を制御して前記
    可動プーリの上下位置を所定位置に保持する制御装置を
    設けてなることを特徴とするワイヤカット放電加工装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014500701A (ja) * 2010-12-24 2014-01-09 北大方正集▲団▼有限公司 直線往復運動装置およびその位置決め制御方法

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JP2014500701A (ja) * 2010-12-24 2014-01-09 北大方正集▲団▼有限公司 直線往復運動装置およびその位置決め制御方法

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