JP2000176601A - 鋳造品の製造方法 - Google Patents

鋳造品の製造方法

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JP2000176601A
JP2000176601A JP10359114A JP35911498A JP2000176601A JP 2000176601 A JP2000176601 A JP 2000176601A JP 10359114 A JP10359114 A JP 10359114A JP 35911498 A JP35911498 A JP 35911498A JP 2000176601 A JP2000176601 A JP 2000176601A
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Masami Takemoto
正巳 武本
Takashi Koyama
孝 小山
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NIPPON CASTING CO Ltd
Nippon Chuzo Co Ltd
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NIPPON CASTING CO Ltd
Nippon Chuzo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (1)鋳鋼の最小肉厚が1.5mmの薄肉鋳
鋼品の製造が可能であり、(2)ロストワックス法と比
較して造型法が簡便で、大型薄肉鋳鋼品の製造が可能で
あり、(3)加熱鋳型で、鋳型から発生するガスが無
く、ガス欠陥の少ない鋳鋼品の製造を可能であり、
(4)鋳型の高温強度が15kgf/cm2以上である
鋳造品の製造方法を提供する。 【解決手段】 下記ステップからなる鋳造品の製造方
法、(1)ムライト質サンドを主成分とする鋳物砂に、
けい酸ソーダおよび添加剤を加えて混練し、所要の形状
に造型して鋳型を作製し、(2)鋳型を炭酸ガスで硬化
させ、(3)鋳型を500〜1000℃の範囲内の温度
に加熱し、そして、(4)加熱した状態の鋳型に溶融金
属を鋳込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温強度のある炭
酸ガス型法による加熱鋳型を用いた鋳造法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、精密鋳造法のロストワックス法が
知られている。ロストワックス法は、ワックス模型にコ
ーティングを施した後脱蝋・焼成して、見切り面のない
殻状(シェル状)の鋳型をセラミックで作り、このよう
に作った鋳型に溶湯を高温状態に保ったまま鋳込んで鋳
物を製造する方法である。ロストワックス法は、複雑形
状の小物量産鋳物を、精度良く作ることができるので、
ジェツトエンジン部品、ガスタービン部品等の製造に使
用されている。
【0003】しかしながら、ロストワックス法によって
製造される鋳造品の大きさは最大1,000mm(作り
やすい長さは300mm以下)、重量は最大120kg
(一般的には10kg)であり、それ以上の大物の鋳造
品を製造することができなく、更に、金型製作→ワック
スインジェクション→ツリ−組立→コ−ティング→脱蝋
→焼成→鋳込みと工程が複雑であり、製造コストが高い
という欠点がある。
【0004】また、炭酸ガス型法(以下、「ガス型法」
ともいう)は、文献「ガス型鋳物」牧口利貞、佐藤昌介
共著に記載されているように、鋳物砂(けい砂)に5±
2%のけい酸ソ−ダ(モル比通常2〜2.3)を添加混
練し、造型後、炭酸ガス(CO2ガス)を吹き込み(吹
き込み圧1〜1.5atm)、生成したシリカゲルの結
合力によって鋳型を常温で硬化させる造型法である。炭
酸ガス型法の原理は、一般には、 Na2O・mSiO2(mn+X)H2O+CO2=Na2
CO3・XH2O+m(SiO2・nH2O) 但し、m:けい酸ソ−ダのモル比 n:けい酸ゲルの含水量 X:炭酸ソ−ダの結晶水のモル数 で示される。
【0005】炭酸ガス型法は、使用歴が最も古く、1)
乾燥が不要、2)注湯までの時間の短縮、3)中子の芯
金が省略可能、4)熟練を必要としない、5)生産性の
向上等造型法が簡便なことから一般に広く使われてい
る。
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、従来
の、炭酸ガス型法では、けい砂を骨材とするガス型砂の
高温強度は0であるので加熱鋳型へ適用することは不可
能である。そのため、鋳鋼品の場合、ガス欠陥が発生し
易く、更に、鋳造可能な最小肉厚が通常6.5mm程度
であるので、薄肉鋳鋼品を鋳造することができないとい
う問題がある。図1を参照して、以下に更に詳細に説明
する。
【0007】図1は、けい砂を骨材とするガス型砂の熱
間強度を示す図である。けい砂(粒度指数65)にけい
酸ソ−ダ(モル比2.25)を5%添加して2分間混練
後、φ50×50高さの試験片を造型し、通ガス後、1
00℃の間隔で常温〜1200℃にそれぞれ1時間加熱
保持し、圧縮強さを測定した。その結果を、図1に示
す。
【0008】圧縮強さは、シリコニット電気炉(33k
w、幅300×高300×奥行600mm)と鋳物砂の抗
圧力試験機とを隣接させ、各温度に1時間加熱し、特殊
の鋏でつかんで試験機に移し測定した。
【0009】350℃で最高強度が表れている理由は、
炭酸ガスと反応しなかった未反応けい酸ソ−ダが加熱に
より脱水硬化し、強度が上昇したものと思われる。
【0010】350℃以上の温度ではシリカゲルの脱水
によって強度が低下しているが、500℃の温度近傍か
らNa2OとSiO2との間にガラス生成反応が開始さ
れ、さらに昇温すると、急激にガラス化が進行して、け
い砂粒界にガラス物質が進入して結合度が極端に弱くな
り、900℃以上の温度で熱間強度はOkgf/cm2
になっている。
【0011】また、近年機械部品、構造部品の軽量化の
観点から薄肉の鋳鋼品の要求がある。
【0012】本発明はこのような事情に鑑み、以下の目
的を達成するための製造方法を提供することにある。 (1)鋳鋼の最小肉厚が1.5mmの薄肉鋳鋼品の製造
を可能とする。 (2)ロストワックス法と比較して造型法が簡便で、大
型薄肉鋳鋼品の製造を可能とする。 (3)加熱鋳型で、鋳型から発生するガスが無く、ガス
欠陥の少ない鋳鋼品の製造を可能とする。 (4)鋳型の高温強度が15kgf/cm2以上である
こと。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた。その
結果、けい砂の代わりにアルミナを主成分とするムライ
ト質サンドを採用することにより、鋳物砂の熱間強度が
大幅に増大するので、加熱鋳型への適用が可能となるこ
とを知見した。即ち、ムライト質サンドを主成分とする
鋳物砂にけい酸ソーダと添加剤を加えて混練し、造型し
た後、炭酸ガスで硬化させ、その後、その鋳型を500
〜1000℃に加熱し、高温のまま鋳込むことによっ
て、上述した目的を達成することができることを知見し
た。
【0014】この発明は、上記知見に基づいてなされた
ものであって、この発明の鋳造品の製造方法の第1態様
は、下記ステップからなる鋳造品の製造方法である。 (1)ムライト質サンドを主成分とする鋳物砂に、けい
酸ソーダおよび添加剤を加えて混練し、所要の形状に造
型して鋳型を作製し、 (2)前記鋳型を炭酸ガスで硬化させ、 (3)前記鋳型を500〜1000℃の範囲内の温度に
加熱し、そして、 (4)前記温度に加熱した状態の鋳型に溶融金属を鋳込
む。
【0015】この発明の鋳造品の製造方法の第2態様
は、前記添加剤が可燃質添加剤であることを特徴とする
ものである。
【0016】この発明の鋳造品の製造方法の第3態様
は、前記添加剤が抗火石粉またはけい石粉であることを
特徴とするものである。
【0017】この発明の鋳造品の製造方法の第4態様
は、前記鋳物砂100%に対して前記けい酸ソーダが4
〜6%、前記添加剤が1〜2%の配合割合であることを
特徴とするものである。
【0018】この発明の鋳造品の製造方法の第5態様
は、前記加熱温度は900〜1000℃であることを特
徴とするものである。
【0019】この発明の鋳造品の製造方法の第6態様
は、前記造型を消失型模型を用いて行うことを特徴とす
るものである。
【0020】この発明の鋳造品の製造方法の第7態様
は、前記造型を模型を抜いて行うことを特徴とするもの
である。
【0021】
【発明の実施の形態】上述したように、けい砂を主骨材
とするガス型砂を使用する炭酸ガス型法では、砂の熱間
強度が0kgf/cm2であり、加熱鋳型への適用は不
可能であった。けい砂の代わりにアルミナを主成分とす
るムライト質サンド(アルミナ(Al 23)を60%以
上含有し、残りがシリカ(SiO2)からなっている)
を採用することにより、鋳物砂の熱間強度が大幅に増大
するので、加熱鋳型へ適用することが可能となった。
【0022】この発明の鋳造品の製造方法において、ム
ライト質サンド(アルミナ(Al23)を60%以上含
有し、残りがシリカ(SiO2)からなっている)を主
成分とする鋳物砂100重量%に対してけい酸ソーダが
4〜6重量%、前記添加剤が1〜2重量%の配合割合で
あるべきである。その理由を以下に詳細に述べる。
【0023】炭酸ガス型法において、ムライト質サンド
を骨材とする鋳物砂の熱間強度と、そして、ムライト質
サンドに対するけい酸ソーダ2号(モル比2.25)の
適正な配合量とを実験1によって求めた。 [実験1]本実験に使用したムライト質サンドの粒度分
布図を図2に示し、そして、ムライト質サンドの性質
を、鋳物砂に使用されるけい砂と比較して、図10にお
ける表1に示す。
【0024】図3は、けい酸ソーダの添加量を変化した
場合のガス型砂(骨材はムライト質サンド)の熱間強度
を示す図である。ムライト質サンドに可燃質添加剤1%
を添加したものに、けい酸ソーダ2号(モル比2.2
5)を3%、4%、5%、7%とその添加量を変えて添
加し、混練後φ50×50の試験片を造型した。その
後、0〜1200℃の範囲の温度にわたって、100℃
の間隔で、試験片をそれぞれ1時間加熱して、その時の
試験片の圧縮強さを測定すると共に、1000℃の温度
で1時間加熱後・冷却して試験片の残留強度を測定し
た。その結果を、グラフで図3に示す。
【0025】この図3から明らかなように、 けい酸ソーダ3%のときには、常温強度が不足し、砂
型表面にぼろつきがみられた。(不可) けい酸ソーダ4%のときには、圧縮強さは、最低とな
る800℃の温度においても15kgf/cm2であ
り、800℃付近からは、圧縮強さは、急に増大して、
1000℃の温度で最大となり、また、1000℃の温
度における残留強度は45kgf/cm2であり、ほぼ
均衛のとれた値となっている。 けい酸ソーダ5%のときには、けい砂を骨材とする従
来のガス型砂の900℃における圧縮強さは0kgf/
cm2であったのに対して、ムライト質サンドを骨材と
するこの発明のガス型砂の900℃の温度における圧縮
強さは、25kgf/cm2と造型時の必要強度である
15kgf/cm2を上回っており、更に圧縮強さは、
900℃付近から急に増大して、1000℃で最大とな
った。 けい酸ソーダ7%のときには、1000℃で加熱・冷
却後の試験片の残留強度が89kg/cm2となり、鋳
込み後の砂落としが困難であった。(不可) なお、図に示していないけれども、けい酸ソーダ6%
のときには、この発明のガス型砂の900℃の温度にお
ける圧縮強さは、30〜35kgf/cm2であり、残
留強度は70kgf/cm2であった。従って、けい酸
ソーダ6%のときにも、本発明の効果が得られることが
わかる。
【0026】従って、けい酸ソーダの配合割合は、鋳物
砂100重量%に対して4〜6重量%の範囲である。け
い酸ソーダの好ましい配合割合は、鋳物砂100重量%
に対して4〜5重量%の範囲である。なお、VRH法
(減圧造型法)を適用するときには、けい酸ソーダの配
合割合は、ムライト質サンド100重量%に対して1〜
3重量%であっても良い結果が得られる。
【0027】次に、ムライト質サンドの使用によって炭
酸ガス型砂の熱間強度が大幅に増大する理由は次の通り
である。 1)ムライト質サンドの耐火度が高く、けい砂に比して
膨張量が少ない。
【0028】表1に示すように、耐火度に関しては、け
い砂のSK33に対して、ムライト質サンドはSK37
であり、ムライト質サンドの方が、約95℃高い。また
熱膨張率に関しては、けい砂の1.39%に対して、ム
ライト質サンドは殆どなく、特に、けい砂において現れ
る575℃のα石英→β石英の急膨張(約1.1%)
は、ムライト質サンドには存在しない。 2)ムライト質サンドの粒子表面は、けい砂の表面に比
して凹凸が激しく、砂粒子表面へのケイ酸ソ−ダの付着
面積が広く、強固に接着している。 3)ケイ酸ソ−ダの反応生成物であるNa2O−SiO2
系ガラスは、900℃で粘度が下がり強度が低下する
が、これにSiO2−Al23が添加されると生成ガラ
スの粘度が上昇する。ムライト質サンドの場合、高粘度
のNa2O−Al2 3−SiO2系化合物のガラスが生成
して、熱間強度が大幅に上昇する。
【0029】可燃質添加剤の添加量は、2%を越えると
熱間強度が低下して鋳型の表面安定性が低下する。一
方、可燃質添加剤の添加量が1%未満では残留強度の改
善に寄与しない。従って、可燃質添加剤の添加量は、1
〜2重量%の範囲に限定する。可燃質添加剤としては、
カーボンパウダー、コークス粉、木屑等の可燃性のもの
であればよい。
【0030】この発明の鋳造品の製造方法において、鋳
型を500〜1000℃の範囲内の温度に加熱する。そ
の理由を以下に説明する。
【0031】鋳型の加熱は、溶湯の温度低下を防ぎ、湯
流れ性を改善し、また鋳物砂の中の揮発性物質を除去し
て鋳型からの発生ガスの影響をなくすために行う。
【0032】鋳型の加熱温度が500℃未満では、砂型
中の揮発性物質の除去が不十分であり、薄肉鋳鋼品の鋳
込みの場合に溶鋼先端の温度が低下し、湯廻り不良が発
生する。
【0033】一方、鋳型の加熱温度が1000℃を超え
ると、図3に示す通り、鋳型の熱間圧縮強さが低下す
る。従って、鋳型の加熱温度は、500〜1000℃の
範囲に限定する。上述した温度範囲内で、鋳型の加熱温
度の最も望ましい範囲は、900〜1000℃である。
【0034】次に、この発明の鋳造品の製造方法におい
て、添加剤として抗火石粉またはけい石粉を使用するこ
とができる。その理由を、実験2において説明する。 [実験2]ムライト質サンドにケイ酸ソ−ダ5%と添加
剤として抗火石粉またはけい石粉を1%添加した後、実
験1と同様の条件で実験2を行なった。その結果、90
0℃において、添加剤として可燃質添加物1%加えた実
験1では、熱間強度は25kg/cm2であったのに対
して、抗火石粉またはけい石粉を1%添加すると、熱間
強度は、38及び39kg/cm2であった。
【0035】熱間強度を上昇させるためには、抗火石粉
(Al23:77、SiO2:12)またはけい石粉を
添加するとよく、抗火石粉またはけい石粉の量が2%を
超えると骨材の表面積が増加し、けい酸ソーダの添加量
が増加し、高粘度ガラスが生成して熱間強度が高くなり
過ぎ、砂おとしが悪くなる。一方、抗火石粉またはけい
石粉の量が1%未満では高温強度の増加に寄与しない。
従って、抗火石粉またはけい石粉の添加量は、1〜2重
量%に限定する。
【0036】
【実施例】次に本発明の鋳造品の製造方法を実施例によ
って詳細に説明する。 実施例1 本実施例の製品「架台−1」(30×100×3mm、
50×100×1.5mm、30×100×1.5m
m)を図4に示す。 鋳込み方案は、図5に示す通りであり、まず、この方
案図に基づいて光造型樹脂模型(エキポシ樹脂)を製作
した。
【0037】<鋳込み方案の概要> 縦湯口:頂部φ30mm、底部φ25mm、高さ80m
m 湯 道:15×15mm、2ヶ所 堰 :10×20mm、2ヶ所 湯口比:1:0.9:0.8とし、堰を絞って圧力がか
かる湯口比として鋳込み速度を速く計画した。
【0038】揚 り:両板状端面に4ケ所、底面に1ケ
所計5ケ所。
【0039】鋳 枠:木質で120×160×70(下
型用)、120×160×80(上型用)の寸法枠を使
用し、砂付きを充分確保した。 次に、ムライト質サンド100重量%、けい酸ソーダ
5重量%、可燃質添加剤1重量%の配合で鋳物砂を混練
し、まず上型を造型し、CO2ガスを通ガス後反転し、
下型を造型し、再反転してCO2ガスを通ガスし、硬化
後上型下型を割り模型を抜き去った後再度上型下型を合
わせて接合した。接合後その鋳型を、1000℃に加熱
したシリコニット電気炉に投入し、砂厚50mmにつき
1時間の割合で総時間2時間15分間加熱保持した。 溶解は、30kg高周波電気炉を用いてステンレス系
鋳鋼(JISSCS17)を溶製し、1669℃(IP
値)にて出鋼し、鋳込み温度1615℃で、加熱状態の
鋳型を炉から取り出して鋳込んだ。 鋳込み後、放冷し、ショット施工後、図6のA,B,
C面肉厚寸法及び本体寸法を測定した。
【0040】図6に示す通り、1.5mm肉厚部分を含
めて湯回り状況は良好であり、ガス欠陥もなく健全な鋳
造品が製作できた。
【0041】一般的には、鋳鋼では最小肉厚は6.5m
mとされているが、本実施例の加熱鋳型を採用すれば
1.5mm程度までの製品の鋳造が可能である。 実施例2 本実施例の製品「架台−2」(30×100×3mm、
50×100×1.5mm、30×100×1.5m
m、50×30×1.5mm2片)を図7に示す。
【0042】模型は樹脂模型を使用した。本実施例にお
いては、使用した樹脂模型を抜型せず、埋め込んだまま
の状態で炭酸ガスを通ガス、硬化し、そのまま1000
℃の温度に加熱した炉に鋳型を投入して、樹脂模型を消
失させて空洞部を形成し、加熱状態のまま空洞部に溶湯
を鋳込む他は実施例1と同じ条件で製造した。図8に架
台−2の鋳込み方案を示す。
【0043】図9に示す通り、1.5mm肉厚部分を含
めて湯回り状況は良好であり、ガス欠陥もなく健全な鋳
造品が製作できた。本体の炭素(C)含有量は、0.0
5%であった。
【0044】一般的には、鋳鋼では最小肉厚は6.5m
mとされているが、本実施例の加熱鋳型を採用すれば
1.5mm程度までの製品の鋳造が可能である。
【0045】一般の消失模型鋳造法は、注湯される溶湯
熱によって、直接有機質発泡体模型又は樹脂を燃焼させ
るので、有機質発泡体又は樹脂の分解ガス中に含まれる
炭素(C)が溶鋼へ侵入して、鋼中の炭素分が0.05
〜0.45%上昇する。従って、一般の消失模型鋳造法
は、比較的炭素含有量の低い鋳鋼には採用することがで
きず、炭素侵入が問題とならない鋳鉄に使用されてい
る。これに対して、本発明の方法においては、実施例で
示したように、砂型中の有機質模型を、鋳込む前に加熱
・燃焼させ、高温強度を保持した鋳型の空洞部に溶湯を
流し込むので、炭素侵入はなく低炭素鋳鋼を含む全ての
材質の鋳鋼に適用が可能である。
【0046】
【発明の効果】(1)従来通常の製造法では鋳鋼の最小
肉厚は6.5mmであったが、本発明により1.5mm
までの薄肉鋳鋼品の製造が可能になった。 (2)ロストワックス法と比較して工程が以下の通り大
幅に省略され、リ−ドタイムが大きく短縮された。
【0047】ロストワックス法:金型製作→ワックスイ
ンゼクション→ツリ−組立→コ−ティング→脱蝋→焼成
→鋳込み 本発明の方法: 模型を抜く場合:模型製作→造型→抜型→被せ(上型
下型を組立)→加熱→鋳込み 模型を消失させる場合:模型製作→造型→加熱→鋳込
み (3)加熱鋳型であるため、鋳型から発生するガスが無
く、ガス欠陥の少ない鋳鋼品の鋳造が可能である。
(4)低炭素から高炭素合金元素の多少にかかわらず、
全ての材質の鋳造に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、けい砂を骨材とするガス型砂の熱間強
度を示す図である。
【図2】図2は、ムライト質サンドの粒度分布を示す図
である。
【図3】図3は、けい酸ソーダの添加量を変化した場合
のガス型砂(骨材はムライト質サンド)の熱間強度を示
す図である。
【図4】図4は、この発明の実施例で用いた「架台−
1」を示す図である。
【図5】図5は、この発明の実施例で行った「架台−
1」の鋳込み方案を示す図である。
【図6】図6は、この発明の実施例で鋳造した「架台−
1」の寸法結果を示す図である。
【図7】図7は、この発明の実施例で用いた「架台−
2」を示す図である。
【図8】図8は、この発明の実施例で行った「架台−
2」の鋳込み方案を示す図である。
【図9】図9は、この発明の実施例で鋳造した「架台−
2」の寸法結果を示す図である。
【図10】図10は、表1を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記ステップからなる鋳造品の製造方
    法。 (1)ムライト質サンドを主成分とする鋳物砂に、けい
    酸ソーダおよび添加剤を加えて混練し、所要の形状に造
    型して鋳型を作製し、(2)前記鋳型を炭酸ガスで硬化
    させ、(3)前記鋳型を500〜1000℃の範囲内の
    温度に加熱し、そして、(4)前記温度に加熱した状態
    の鋳型に溶融金属を鋳込む。
  2. 【請求項2】 前記添加剤が可燃質添加剤であることを
    特徴とする、請求項1に記載の鋳造品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記添加剤が抗火石粉またはけい石粉で
    あることを特徴とする、請求項1に記載の鋳造品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記鋳物砂100重量%に対して前記け
    い酸ソーダが4〜6重量%、前記添加剤が1〜2重量%
    の配合割合であることを特徴とする、請求項1から3の
    何れか1項に記載の鋳造品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱温度は900〜1000℃であ
    ることを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記
    載の鋳造品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記造型を消失型模型を用いて行うこと
    を特徴とする、請求項1から5の何れか1項に記載の鋳
    造品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記造型を模型を抜いて行うことを特徴
    とする、請求項1から5の何れか1項に記載の鋳造品の
    製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006212650A (ja) * 2005-02-02 2006-08-17 Kao Corp 鋳型の製造方法
JP5347077B1 (ja) * 2013-03-19 2013-11-20 テクノメタル株式会社 砂型鋳造方法
JP2014074825A (ja) * 2012-10-05 2014-04-24 Seiko Epson Corp プロジェクター、およびプロジェクターの制御方法
CN104475643A (zh) * 2014-11-03 2015-04-01 繁昌县琦祥铸造厂 一种碳钢铸件用型砂及其制备方法

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