JP2000176050A - ゴルフボ―ル用材料及びゴルフボ―ル - Google Patents
ゴルフボ―ル用材料及びゴルフボ―ルInfo
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Abstract
金属化合物とを加熱混合して得られる生成物からなるこ
とを特徴とするゴルフボール用材料と、該ゴルフボール
用材料にて形成されたゴルフボールを提供する。 【効果】 本発明のゴルフボール用材料にて中間層が形
成されたゴルフボールは、フィーリングが良好で、飛距
離の向上が図れるものである。
Description
アとカバーとの間に形成される中間層の配合材料として
好適なゴルフボール用材料及び該ゴルフボール用材料に
て形成されたゴルフボールに関する。
り、ゴルフボールに対しては、各種材料を改良すること
により、飛距離などの性能の向上を図ることが行われて
いる。この中でも、ポリエステル系熱可塑性エラストマ
ーは柔軟かつ反発弾性の高い材料であることから、ゴル
フボールにおいてはコアとカバーとの間に形成される中
間層材として、また用途によりコア材やカバー材として
用いられている。
性が多様化していることもあり、中間層、コア材、カバ
ー材としてより柔軟で高反発弾性を付与し得る材料の開
発が望まれている。
中間層材、あるいはカバー材やコア材などに用いられ
て、フィーリングが良好で、飛び性能の向上を図ること
ができるゴルフボール用材料及び該ゴルフボール用材料
にて形成された反発性が高くフィーリングの良好なゴル
フボールを提供することを目的とする。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと、金属化合
物(アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物ある
いはその他の金属化合物)とを加熱混合して得られる生
成物が反発性能に優れ、打撃時のフィーリングに優れた
ゴルフボールを与える材料として好適であることを知見
すると共に、該材料にて形成されたゴルフボール、特に
該材料にて中間層が形成されたゴルフボールは、上記優
れた反発性能、フィーリングが付与されることを知見
し、本発明をなすに至ったものである。
と、第1発明のゴルフボール用材料は、ポリエステル系
熱可塑性エラストマーと金属化合物とを加熱混合して得
られる生成物からなるものである。
リエステル系熱可塑性エラストマーは公知のものを使用
することができるが、ポリエステル系熱可塑性エラスト
マー自体のショアD硬度は、通常20以上、好ましくは
30以上であることが推奨され、上限としては55以
下、好ましくは50以下、とりわけ47以下であること
が推奨される。ショアD硬度が低いと反発性に劣り、シ
ョアD硬度が高いと打撃時のフィーリングが悪くなる場
合がある。
マーとして具体的には、市販品として東レ・デュポン社
製のハイトレル3078、同4047、同4767など
を挙げることができる。
ある金属化合物としては、アルカリ金属化合物,アルカ
リ土類金属化合物もしくはその他の金属化合物から選ば
れる1種又は2種以上の金属化合物である。
成分としてアルカリ金属、アルカリ土類金属及びその他
の金属、具体的には、リチウム,ナトリウム,マグネシ
ウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウム,アルミ
ニウム,亜鉛,銅,ニッケル,コバルト,鉄から選ばれ
る金属を含む金属酸化物又は金属水酸化物であることが
推奨され、具体的には、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、
炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム等を挙げることができ、本発明においては、酸化マグ
ネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウムを好適に使用
することができる。
酸塩、酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩等も使用す
ることができる。
し、上記ポリエステル系熱可塑性エラストマーと金属化
合物との配合割合は、特に制限されるものではないが、
通常、ポリエステル系熱可塑性エラストマー100質量
部に対し、金属化合物0.1質量部以上、より好ましく
は1.0質量部以上、上限として15質量部以下、より
好ましくは10質量部以下であることが推奨される。ポ
リエステル系熱可塑性エラストマーに対する金属化合物
が少ないと、反発性の改良効果が小さくなってしまい、
多いと、流動性の増加に伴い、加工性に劣るものとなっ
てしまう場合がある。
エステル系熱可塑性エラストマーと金属化合物とを加熱
混合した生成物であるが、生成物の製造には、通常の一
軸もしくは二軸押出し機を使用することができる。この
場合、押出し温度を、通常150℃以上300℃以下に
して投入することができるが、ポリエステル系熱可塑性
エラストマーと金属化合物を同時に投入しても、ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマーを溶融させた後、次い
で、金属化合物をベント口から投入してもよい。押出し
機滞留時間は通常15秒以上15分以内にすることがで
き、これよりも早いと反応が十分に進まず、逆に長すぎ
ると樹脂に焼けが出る可能性がある。滞留時間を長くす
る方法として、フィーダーからの原料樹脂投入量を少な
くしたり、スクリュー回転数を落としたり、スクリュー
形状を調整するなど適宜工夫することができる。
エラストマーと上記金属化合物とを加熱混合して得られ
る生成物は、ASTM−D1238による測定により、
210℃、2160g荷重負荷時におけるメルトフロー
インデックス(MFR)が0.01g/min以上、特
に0.1g/min以上、上限として3g/min以
下、特に1g/min以下であることが好ましい。MF
Rが少ないと、射出成形が困難となり、ボールへの加工
性が悪くなってしまう場合がある。
物は、JIS−K7215の測定方法によるショアD硬
度が20以上、特に30以上、上限として55以下、特
に50以下であることが好ましい。ショアD硬度が低い
と反発性が悪くなり、打撃時の飛距離が小さくなり、ま
た、硬度が高すぎると打撃時のフィーリングが硬く感じ
られ、十分なソフト感が得られないことがある。
は、JIS−K7113の測定方法における10%伸張
時の応力が0.98MPa以上、特に1.96MPa以
上、上限として14.7MPa以下、特に9.8MPa
以下であることが好ましく、応力が少ないと反発性が悪
くなる場合があり、逆に多いと打撃時のフィーリングが
硬く感じられ、十分なソフト感が得られなくなる場合が
ある。
フボールの材料として単独で又はその他の材料中に適量
を配合して使用することができ、例えば、コアにカバー
を被覆してなるツーピースゴルフボールのコア材又はカ
バー材、コアに中間層、カバーを順に被覆してなるスリ
ーピース以上のマルチピースゴルフボールのコア材、中
間層材、カバー材、糸巻きゴルフボールのソリッドセン
ター材やカバー材として好適に使用することができる
が、特に、スリーピース以上のマルチピースゴルフボー
ルの中間層材として好適に使用することができる。
1発明のゴルフボール用材料にて形成されたゴルフボー
ルで、反発性能、フィーリング性能に優れたものであ
る。
被覆してなるツーピースゴルフボール、コアに中間層、
カバーを順に被覆してなるスリーピース以上のマルチピ
ースゴルフボール、糸巻きゴルフボールのいずれであっ
てもよく、これらゴルフボールの形成に、上記第1発明
のゴルフボール用材料が使用されていれば特に制限され
るものではないが、特に、コアと、該コアに被覆形成さ
れた中間層と、該中間層に被覆形成されたカバーとを具
備してなる少なくとも3層以上の多層構造ゴルフボール
であって、上記中間層が第1発明のゴルフボール用材料
にて形成されたものであることが推奨される。
層以外のコア材、カバー材は共に材料に制限はなく、例
えば、コア材には、基材ゴム、共架橋剤、有機過酸化物
を含む公知のゴム組成物等の公知材料にて形成すること
ができる。
ッドゴルフボールに用いられている天然及び/又は合成
ゴムを使用することができるが、本発明においては、ポ
リブタジエンゴムを使用することが好ましく、特にシス
構造を少なくとも40%以上、特に90%以上有する
1,4−ポリブタジエンゴムの使用が好ましい。
に対しては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン
ブタジエンゴム等を適宜配合してもよい。また、高反発
性を実現するためにシス構造を90%以上有する1,4
−ポリブタジエンゴムが基材ゴム中に90%以上含まれ
ていることが好ましい。
ールには、メタクリル酸、アクリル酸等の不飽和脂肪酸
の亜鉛塩、マグネシウム塩やトリメチルプロパントリメ
タクリレート等のエステル化合物などが使用されてお
り、本発明においてもこれらを使用することができる
が、本発明においては、反発性の高さからアクリル酸亜
鉛を好適に使用し得る。これら共架橋剤の配合量は、上
記基材ゴム100質量部に対し15質量部以上40質量
部以下とすることが好ましい。
クミルパーオキサイドあるいはジクミルパーオキサイド
と1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサンの混合物などが好適であ
る。その配合量は、基材ゴム100質量部に対し0.1
質量部以上5質量部以下とすることが好ましい。
じて各種添加剤を配合することができ、例えば、比重調
整に酸化亜鉛や硫酸バリウムなどを配合したり、老化防
止剤等も配合することができ、更に、本発明のゴルフボ
ール用材料を配合することもできる。
るには、例えば、上記各成分を一般的な混練り機、例え
ばニーダー、バンバリーミキサーやロール等を用いて混
練りし、金型に入れ、これを145〜160℃にて加
熱、加圧、成形することによって得られる。
の直径は、通常25mm以上、特に30mm以上、上限
として40mm以下、特に38mm以下に調製すること
ができる。直径が小さい場合、ボール全体の反発性が十
分とれず、上記範囲を超えると打撃による耐久性が低下
する場合がある。
ョアD硬度は、通常42以上、特に46以上、上限とし
て60以下、特に56以下であることが推奨される。
荷重負荷時のたわみ(変形)量は、通常2mm以上、特
に2.5mm以上、上限として5mm以下、特に4.5
mm以下であることが推奨される。
明のゴルフボール用材料を主体として形成されることが
好ましく、中間層材中に、通常50質量%以上、好まし
くは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、
最も好ましくは100質量%配合することが推奨され、
残部がある場合は、公知の中間層用材料を配合し得、例
えば、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエー
テルエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱
可塑性エラストマー、アイオノマー樹脂、オレフィン系
エラストマー、スチレン系エラストマーなどにて形成す
ることができる。
成することができ、予め作製したソリッドコアに被覆形
成すればよく、例えば、通常の射出成形による方法、中
間層材でハーフカップを成形し、これをソリッドコアに
被せ熱プレス成形する方法などを挙げることができる。
0.5mm以上、特に1mm以上、上限として3mm以
下、特に2.5mm以下であることが好ましい。
カバーの硬度よりも低いことが推奨され、中間層とカバ
ーとのショアD硬度差は、通常5以上、特に10以上、
上限として40以下、特に30以下であることが推奨さ
れ、硬度差が少なくても、多くても、繰り返し打撃耐久
性が悪くなる場合がある。中間層自体のショアD硬度
は、具体的には、通常10以上、特に30以上、上限と
して60以下、特に47以下であることが推奨される。
で形成した中間層は、BS903規格により測定される
反発弾性率が通常50%以上、特に60%以上、上限と
して100%以下、特に95%以下になるように形成す
ることが好ましい。反発弾性率が少ないと、ボール自体
の反発性がかなり低いものとなり、飛距離が不十分にな
る場合がある。
公知のカバー材を使用することができ、例えば、アイオ
ノマー樹脂や熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主材
として用いることができるが、特に、アイオノマー樹脂
を主材とすることが好ましい。
ば、デュポン社製「サーリン」、三井・デュポンポリケ
ミカル社製「ハイミラン」、エクソン化学社製「アイオ
テック」などの市販品を用いることができる。
に応じて上記アイオノマー樹脂以外に種々の添加剤、例
えば顔料、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤
等を常用量添加することができる。更に、本発明の加熱
混合して得られる生成物に用いるのとは別の酸化亜鉛、
硫酸バリウム等の金属酸化物、チタン、鉛、タングステ
ン等の金属粉を配合し、比重を高くすることもできる。
にして製造することができ、製造方法としては、例えば
射出成形による方法、カバー材でハーフカップを成形
し、これをソリッドコアに被覆形成された中間層に被せ
て熱プレス成形する方法などを挙げることができる。
層のショアD硬度より硬く、所定の硬度差になるように
調整されるが、カバー自体のショアD硬度は、通常45
以上、特に50以上、上限として70以下、特に65以
下であることが推奨され、ショアD硬度が高すぎると打
感が悪く、繰り返し打撃耐久性に劣るおそれがあり、シ
ョアD硬度が軟らかいと反発性が悪く、打撃時の飛距離
が小さくなる場合がある。
ものではないが、通常1mm以上、特に1.5mm以
上、上限として3mm以下、特に2.5mm以下に形成
することが好ましい。この場合、カバーを多層構造とす
る場合には、トータル厚さが上記範囲内にあることが好
ましい。
れるものであるが、その幾何学的配列としては、8面
体、20面体などで、ディンプルの模様としては、スク
ウエアー型、ヘキサゴン型、ペンタゴン型、トライアン
グル型などのいかなるものを採用しても差し支えない。
エステル系熱可塑性エラストマーと金属化合物とを加熱
混合して得られる生成物を主材として中間層が形成され
ているので、反発性能を高くすることができ、打撃時の
フィーリング及びコントロール性能が改良されると共
に、飛距離性能の向上を図ることができる。
さはゴルフ規則に従い、直径42.67mm以上、重量
45.93g以下に形成することができる。
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
成物を使用して、バンバリーミキサーを用いて混練り
し、155℃で15分間加圧成形して、ソリッドコアを
作成した。
示す処方の中間層材、カバー材を順に射出成形して同一
形状のスリーピースソリッドゴルフボールを製造した。
ュー径32mm、L/D30、押出し機バレル温度21
0℃)にて、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと金
属化合物を同時投入して、加熱溶融混合して得られた生
成物を使用した。その際の滞留時間はおおよそ30秒で
あった。
距離性能、フィーリングを下記の通り評価した。結果を
表1,2に併記する。
は、1mm樹脂シートから試験片7個を作成し、これら
7個の試験片を重ねてJIS−K7215記載の測定方
法にて測定した。また、コア表面硬度は、コア表面に対
し、垂直方向に押して測定した。
ドライバーで、ヘッドスピード45m/sにて打撃を行
った際の値を測定した。
が実打したときの打球感を下記基準で評価した。 ◎:非常に良好 ○:良好
料を示す。 ハイトレル3078:東レ・デュポン(株)製 ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマーショアD硬度30 ハイトレル4047:東レ・デュポン(株)製 ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマーショアD硬度40 ハイトレル4767:東レ・デュポン(株)製 ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマーショアD硬度47 酸化マグネシウム:協和化学工業(株)製 酸化マグネ
シウム「キョーワマグ30」 水酸化マグネシウム:神島化学工業(株)製 水酸化マ
グネシウム「#200」 酸化亜鉛:堺化学工業(株)製 酸化亜鉛「酸化亜鉛3
種」 ハイミラン1605:三井・デュポンポリケミカル
(株)製 アイオノマー樹脂ショアD硬度63 ハイミラン1706:三井・デュポンポリケミカル
(株)製 アイオノマー樹脂ショアD硬度63
が形成されたゴルフボールは、フィーリングが良好で、
飛距離の向上が図れるものである。
Claims (11)
- 【請求項1】 ポリエステル系熱可塑性エラストマーと
金属化合物とを加熱混合して得られる生成物からなるこ
とを特徴とするゴルフボール用材料。 - 【請求項2】 金属化合物の金属成分がリチウム,ナト
リウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,
バリウム,アルミニウム,亜鉛,銅,ニッケル,コバル
ト,鉄から選ばれる金属である請求項1記載のゴルフボ
ール用材料。 - 【請求項3】 金属化合物が金属酸化物である請求項1
又は2記載のゴルフボール用材料。 - 【請求項4】 金属化合物が金属水酸化物である請求項
1又は2記載のゴルフボール用材料。 - 【請求項5】 金属化合物の使用量がポリエステル系熱
可塑性エラストマー100質量部に対して0.1〜15
質量部である請求項1乃至4のいずれか1項記載のゴル
フボール用材料。 - 【請求項6】 加熱混合して得られる生成物の210
℃、2160g荷重負荷時におけるメルトフローインデ
ックス(MFR)が0.01g/min以上である請求
項1乃至5のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。 - 【請求項7】 加熱混合して得られる生成物のショアD
硬度が20〜55であり、かつ10%の伸張時の応力
(JIS−K7113)が0.98〜14.7MPaで
ある請求項1乃至6のいずれか1項記載のゴルフボール
用材料。 - 【請求項8】 コアと中間層とカバーとを有する多層構
造ゴルフボールの中間層構成用材料である請求項1乃至
7のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。 - 【請求項9】 コアと、中間層と、カバーとを具備して
なる少なくとも3層以上の多層構造ゴルフボールにおい
て、上記中間層が請求項8記載のゴルフボール用材料を
配合してなる材料にて形成されたことを特徴とするゴル
フボール。 - 【請求項10】 中間層の厚さが0.5〜3mm、ショ
アD硬度が20〜55、BS903規格により測定され
る反発弾性率が50%以上であり、かつカバー硬度が中
間層硬度より高い請求項9記載のゴルフボール。 - 【請求項11】 カバーのショアD硬度が中間層のショ
アD硬度より5〜40高い請求項10記載のゴルフボー
ル。
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-
1999
- 1999-10-05 JP JP28380599A patent/JP3541747B2/ja not_active Expired - Fee Related
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