JP2000173656A - 非水系二次電池の製造方法と非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池の製造方法と非水系二次電池

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JP2000173656A
JP2000173656A JP10351805A JP35180598A JP2000173656A JP 2000173656 A JP2000173656 A JP 2000173656A JP 10351805 A JP10351805 A JP 10351805A JP 35180598 A JP35180598 A JP 35180598A JP 2000173656 A JP2000173656 A JP 2000173656A
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secondary battery
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coating
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Haruaki Ishizaki
晴朗 石崎
Naoki Matsuo
直樹 松尾
Takeharu Kikuchi
健晴 菊池
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解液を染込こんだゲル層を用いる非水系二
次電池において、ゲルの活物質層への染込みが十分に行
なわれるようにして、高容量化を実現する非水系二次電
池の製造方法と、この製造方法による非水系二次電池を
提供する。 【解決手段】 正極と、負極と、電解液を含浸したゲル
層とからなり、正極および負極は、活物質が分散された
懸濁液を集電体上に所望のパターンで塗布した電極であ
り、且つ、ゲル層が電極上に設けられている非水系二次
電池の製造方法において、ゲル層は、ゲル塗料を複数
回、電極上に塗布して設ける非水系二次電池の製造方法
であり、最初に塗布するゲル塗料の濃度は、その後に塗
布するゲル塗料の濃度より薄いこととする。また、この
非水系二次電池の製造方法により非水系二次電池を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系二次電池の
製造方法と、この製造方法により作製される非水系二次
電池に関し、さらに詳しくは電解液を含有させたゲルに
よる層を正負の活物質塗布面間に設定する、電圧が高く
放電エネルギーの大きな非水系二次電池の製造方法と非
水系二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯用電子機器等を駆動するための電源
として、経済性や省資源の目的から二次電池が使用さ
れ、近年、その用途は急速に拡大しつつある。また、電
子機器の小型化、高性能化に伴い、用いられる電池は小
型、軽量で高容量であることが求められている。
【0003】従来、二次電池としては鉛電池やニッケル
・カドミウム電池等が利用されてきたが、これらはエネ
ルギー密度や重量といった課題を残したままである。そ
こで、近年、高エネルギー密度の非水系リチウム二次電
池が実用化されてきた。
【0004】この非水系リチウム二次電池は、充電時に
正極中のリチウムが電解液を介して負極中に吸蔵され、
放電時には負極中のリチウムが電解液を介して正極中に
吸蔵されるという電気化学的な可逆反応を利用したもの
である。言い換えれば、リチウムが正極と負極の間を行
き来することで充放電が行われる。
【0005】さて、非水系リチウム二次電池は、従来よ
り図4に示す構造のものがあった。即ち、正極51に正
極リード52を溶接し、正極51、セパレータ53a、
負極54、セパレータ53bを順次重ね合わせ、これを
ロール状に巻きとって電池素子とし、その電池素子より
取り出した負極リード55を鋼板製の負極缶56の底に
溶接し、負極缶56の底に絶縁板57を配設して前記電
池素子を負極缶56に収納している。この負極缶56に
非水系電解液を注入し、その後、電池素子の上部に絶縁
板58、ガスケット59、安全弁60を設置し、正極リ
ード52を正極蓋61に溶接して該正極蓋61を前記負
極缶56に嵌め、その縁をかしめて一体化した構造であ
る。
【0006】この非水系リチウム二次電池では電解液に
リチウム塩を溶解した非水系溶媒が用いられており、こ
の電解液の漏れを防止するためには剛性を備えたハード
セル(例えば図4の負極缶56と正極蓋61)を使用す
ることは不可欠であった。しかしながら、上述したよう
に非水系リチウム二次電池の主要な搭載機器は小型携帯
機器であり、軽量化が求められているが、鋼板を用いた
ハードセルではこれを達成することは困難であった。ま
た、携帯パソコン等は薄型化が進み、これに搭載する電
池も薄いものが要求されるが、ハードセルを用いた電池
はハードセル自体に厚みがあるため、薄型化が制約され
ていた。
【0007】これらの問題を解消する電池として、最近
はポリマー系リチウム二次電池、或いは単にポリマー電
池、ゲル電池等と称されるものの開発が活発になってき
ている。実際の電池では正負両電極の間に多孔質のセパ
レータを介す場合もあるが、基本的には図5に示すよう
に、正極集電体71、正極活物質層72、ゲル層73、
負極活物質層74、負極集電体75の順に積層されてい
て、ゲル層73に電解液を染込ませてある。このように
ゲル層73に電解液を染込ませてあるために、液漏れは
防止され、その結果、ハードセルが不要になって軽量化
を実現し、また形状の自由度を確保している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電解液がゲル
層に染込んだ形態をとるために、電解液を含むゲルの活
物質層への染込みが十分に行なわれず、両極間でリチウ
ムの移動ができないという現象を招き、結局は目的の電
池容量が得られないという問題が生じてきている。即
ち、正負両電極の活物質層へのゲルの染込みは電池の特
性を左右する大きな問題となっている。
【0009】従って本発明の課題は、電解液を染込こん
だゲル層を用いる非水系二次電池において、ゲルの活物
質層への染込みが十分に行なわれるようにして、高容量
化を実現する非水系二次電池の製造方法と、この製造方
法による非水系二次電池を提供しようとするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
なされたものであり、正極と、負極と、電解液を含有し
たゲル層、または正極と、負極と、電解液を含有したゲ
ル層、および正極と負極間に配設したセパレータとから
なり、正極および負極は、活物質が分散された懸濁液を
集電体上に所望のパターンで塗布した電極であり、且
つ、ゲル層が電極上に設けられている非水系二次電池の
製造方法において、ゲル層は、ゲル塗料を複数回、電極
上に塗布して設ける非水系二次電池の製造方法を提案す
る。また、最初に塗布するゲル塗料の濃度は、その後に
塗布するゲル塗料の濃度より薄いこととする。
【0011】また、上述した非水系二次電池の製造方法
により非水系二次電池を形成して、上記課題を解決す
る。
【0012】本発明によると、最初の濃度の薄いゲル塗
料の電極への塗布により、電解液を含むゲルが十分に活
物質に浸透し、その後の濃度の濃いゲル塗料の塗布で所
望の厚みのゲル層を得ることができるため、電気容量が
大きく、充放電特性に優れた非水系二次電池が形成され
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者はゲルの活物質層への浸
透を図るため鋭意検討を重ねた結果、塗布するゲル塗料
の濃度を下げる、即ち、粘度を極力下げることが有効で
あることを見出した。しかし、一方では粘度を下げたゲ
ル塗料を用いると所望の厚みを得るためには塗布の回数
を増やす必要があり、これは電池の生産性を下げるもの
であった。従って少ない回数の塗布で済むことを目的と
して、2回目以降に塗布するゲル塗料の濃度を1回目よ
りも上げることが有効であることを確認した。
【0014】従って、本発明はゲルの活物質層への浸透
を図るために、希釈したゲル塗料を初めに塗布し、さら
に所望の厚みのゲル層を効率よく得るために濃度を濃く
したゲル塗料を2回目以降に塗布することで、目的に合
致した非水系二次電池を得ることを特徴としている。
【0015】さて、本発明にかかわる非水系二次電池に
用いられる材料、電池の構造および製造方法は、上述し
たようにゲル塗料を複数回塗布すること、および初回に
塗布するゲル塗料の濃度を薄くし2回目以降の濃度を濃
くすること以外、通常の非水系二次電池の製造プロセス
が適用できる。
【0016】即ち、正極は一般式LiMxOy(M、
x、yはそれぞれ金属の種類、金属の組成比、酸素の組
成比を表す)で表される金属酸リチウム化合物の正極活
物質と導電性を増すためにアセチレンブラック等の導電
剤とを、ポリフッ化ビニリデン等の結着剤と共に分散
し、アルミニウム箔等の導電性の基板に薄膜状に塗布し
乾燥して形成する。この塗布は必要に応じて基板の両面
に行なってもよい。また、所望の密度を得るために、プ
レスを行なってもよい。
【0017】また、負極はリチウムイオンを吸蔵する炭
素材料として、結晶化の低い炭素粉末や結晶化の高い黒
鉛粉末をポリフッ化ビニリデン等の結着剤と共に分散
し、銅箔等の導電性の基板に薄膜状に塗布し乾燥して形
成する。この塗布は必要に応じて基板の両面に行なって
もよい。また、所望の密度を得るために、プレスを行な
ってもよい。
【0018】ゲル層は樹脂とその樹脂を膨潤させる溶媒
と電解質とからできている。樹脂としてはポリフッ化ビ
ニリデン、ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデ
ン共重合体やポリアクリロニトリル等が、溶媒としては
γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、エチルメチルカーボネート等が使われてい
る。また、電解質としては、六フッ化リン酸リチウム、
過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム等のリチウ
ム塩が例示できる。
【0019】そしてこのゲル層は、常温ではゼリー状で
流動性に劣るため、一般には温度を上げることで液状に
して各電極に塗布される。さらに、ゲル塗料の電極への
染込みをよくするために、電解液よりも沸点の低い溶媒
を希釈溶媒として加えることも可能である。また、この
ときのゲル塗料、または希釈ゲル塗料の温度範囲は、ゲ
ル塗料が均一に液状になる温度以上であり、且つ、それ
らに含まれる溶媒のうち最も沸点の低い溶媒の沸点温度
以下であり、且つ、ゲル塗料を構成する物質の反応温度
以下の範囲である。
【0020】電池の構成としては、この液状になったゲ
ル塗料を、活物質層を塗設した電極に塗布し、そのまま
互いの活物質層が対向するように貼り合わせる。また、
両電極活物質層の物理的接触を避けるために、その間に
セパレータを挟んでもよい。このセパレータとしては、
従来の液系リチウム二次電池に使われてきたポリエチレ
ンやポリプロピレン製の微多孔膜等が例示できる。
【0021】つぎに、電極の塗布について説明する。ま
ず、図1(a)に示す片面塗布装置を用いる場合、集電
体1を巻き込んでいる巻き出しロール2から巻き取りロ
ール3に向かって集電体1が巻き取られていく。この巻
き出しロール2から集電体1が所定距離送り出された位
置に、集電体1に塗布すべき活物質を分散した懸濁液4
を収納したコーターヘッド5が配置されていて、その先
端から懸濁液4が集電体1に塗布され、ドライヤー6で
乾燥されて巻き取りロール3に巻き取られていく。両面
塗布の場合は一度巻き取りロール3に巻き取られた後、
再度、巻き出しロール2に装着して裏面の塗布を同様に
して行なう。
【0022】また、図1(b)に示す両面塗布装置を用
いてもよい。この場合、集電体1を巻き込んでいる巻き
出しロール12から巻き取りロール13に向かって集電
体1が巻き取られていく。この巻き出しロール12から
集電体1が所定距離送りだされた位置に、集電体1に塗
布すべき活物質を分散した懸濁液14、15を収納した
上部コーターヘッド16、下部コーターヘッド17が集
電体1を両面から挟むように配置されていて、その先端
から懸濁液14、15が集電体1に塗布され、ドライヤ
ー18で乾燥されて巻き取りロール13に巻き取られて
いく。
【0023】尚、塗布は上述した装置に限ることなく、
所望の塗膜が得られるものであればグラビア塗布方式、
スクリーン塗布方式等が使用できる。
【0024】ついでプレスが必要とされる場合、図1
(c)に示すプレス装置を用いることができる。上述し
たようにして懸濁液が塗布され、乾燥された電極21が
巻き出しロール22から巻き取りロール23に向かって
巻き取られていく間にプレスロール24a、24b間で
プレスされる。図1(c)ではプレスロール24a、2
4b間を一回通過させるだけであるが、所望の塗膜が得
られるように多段式のプレス機を用いたり、また、プレ
ス効率を上げるために電極を加熱しながらプレスするこ
とも有効である。
【0025】さて、本発明は上述したようにして得られ
た電極にゲル層を多数回塗布すること、特に初回に塗布
するゲル塗料の濃度を薄くし、その後に塗布するゲル塗
料の濃度を濃くすることを特徴としている。その塗布に
は図1(d)に示す複数の塗料出口を有する塗布装置を
用いることができる。電極21が巻き出しロール32か
ら巻き取りロール33に向かって走行するあいだに、途
中に設けられているコータヘッド34から、まず、濃度
の薄いゲル塗料35が、つぎに濃度の濃いゲル塗料36
が塗布され、ドライヤー37で電解液だけが蒸発され
る。
【0026】尚、図1(a)、図1(b)に示す塗布装
置を用いて多数回塗布することも可能である。また、塗
料押し出し方式の塗布装置を用いることに限ることはな
い。さらに、ゲル塗料の塗布と電池組み込みとの関係
は、ゲル層塗布後に電極をスリットする方法、或いは電
極をスリットしてからゲル層を塗布する方法、また、こ
れら2つの方法を適宜組み合わせる方法等、本発明にか
かわるゲル層が塗設できるものであれば、如何なる方法
を用いて電極素子を形成し、電池組み込みをしてもよい
ことは当然である。
【0027】電池素子は活物質層を塗布していない部分
にリード線を溶接した後、両極の活物質層が対向するよ
うに重ね合わせてできている。この重ね合わせ法として
は、所望の大きさに切り取られた電極を重ねる方法や、
重ねた電極を巻く方法等がある。このようにしてできた
電池素子は、ラミネートフィルムの間に挟んだ後、両電
極のゲル層の密着性を上げるためにプレスを行ない、電
池素子が外気と触れないようにシールが施される。この
ときのラミネートフィルムとしてはアルミを蒸着したも
の等が使用できる。
【0028】つぎに、上述したようにして構成される電
池素子を用いて、実施例1〜5、比較例1に記載の非水
系二次電池を作製し、特性を測定した。尚、各例におい
て「部」とは特に指定しない限り、「重量部」を意味す
るものである。
【0029】<実施例1>正極は次のように作製した。 LiCoO2 (平均粒径10μm) 100部 ポリフッ化ビニリデン(平均分子量30万) 5部 カーボンブラック(平均粒径15nm) 10部 N−メチル−2−ピロリドン 100部 上記組成の懸濁液をディスパーにて4時間混合し、これ
を図1(a)に示す塗布装置にて厚さ20μmのアルミ
ニウム箔の両面に塗布した。塗布パターンは両面とも塗
布長160mm、未塗布部分長30mmの繰り返しで、
両面の塗り始めおよび塗り終わりの位置は互いに一致す
るように制御している。両面塗布後の電極原反は図1
(c)に示すプレスロールを用いて線圧300kg/c
mでプレスした。プレス後の電極厚は100μmであ
る。
【0030】負極は次のようにして作製した。 人造グラファイト(平均粒径20μm) 100部 ポリフッ化ビニリデン(平均分子量30万) 15部 N−メチル−2−ピロリドン 200部 上記組成の懸濁液をディスパーにて4時間混合し、これ
を図1(a)に示す塗布装置にて厚さ10μmの銅箔の
片面に塗布した。塗布パターンは塗布長160mm、未
塗布部分長30mmの繰り返しである。塗布後の電極原
反は図1(c)に示すプレスロールを用いて線圧300
kg/cmでプレスした。プレス後の電極厚は50μm
である。
【0031】ゲル層第一層は次のものである。 ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン)共重合体 100部 (ヘキサフルオロプロピレン含有量6部、平均分子量70万) 電解液 400部 ジメチルカーボネート(DMC:希釈溶剤) 2500部 ここで電解液の組成はつぎのとおりである。 溶 剤 分:エチレンカーボネート(EC)/プロピレ
ンカーボネート(PC)/γ−ブチルラクトン(GB
L)=4/3/3 電 解 質:LiPF6 電解質濃度:1.2モル/リットル 上記組成のゲル溶液を70℃加温状態でディスパーにて
3時間混合し、これを図1(a)に示す塗布装置にて正
負両電極原反に塗布した。また、ドライヤーはDMCだ
けが蒸発するように調整した。またその塗布量は、DM
C蒸発後のゲル成分が電極活物質層に全て染込んでしま
う程度(約90cc/m2 )で、厚みとして現れるほど
の量ではない。
【0032】ゲル層第二層は次のものである。 ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン)共重合体 100部 (ヘキサフルオロプロピレン含有量6部、平均分子量70万) 電解液 400部 ジメチルカーボネート(DMC:希釈溶剤) 1000部 ここで電解液の組成は下記のとおりである。 溶 剤 分:エチレンカーボネート(EC)/プロピレ
ンカーボネート(PC)/γ−ブチルラクトン(GB
L)=4/3/3 電 解 質:LiPF6 電解質濃度:1.2モル/リットル 上記組成のゲル溶液を70℃加温状態でディスパーにて
3時間混合し、これを図1(a)に示す塗布装置にて負
極電極原反に塗布した。また、ドライヤーはDMCだけ
が蒸発するように調整した。ゲル塗料の塗布量は、DM
C蒸発後のゲル層厚みが20μmになるように調整して
いる(塗布量は約70cc/m2 )。
【0033】つぎに、ゲル層を塗布した正極電極を38
mm幅に、負極電極を40mm幅に裁断し、両極の帯状
電極のパンケーキを作製した。その後、正負両電極の箔
露出部分のゲルを除去した上で、それぞれリード線を溶
着し、さらに互いの活物質塗布面が対向するように貼り
合わせた後、圧着し、組み込み部で電池素子を形成して
いる。
【0034】最後にラミネートフィルムで覆う形で電池
素子を挟み込んだ上、フィルムを溶着して図2に示す非
水系二次電池を作製した。尚、図2において符号41は
電池素子を包むラミネートフィルムであり、符号42は
正負活物質の貼り合わせ部のラミネートフィルムであ
り、符号43は正極リード線であり、符号44は負極リ
ード線である。
【0035】電極素子の組込み後、2時間以内に50m
Aの定電流で充電した後、さらに4.2V定電圧条件で
1時間充電した。その後、一般環境(25℃、60RH
%)で24時間放置した後、放電電流50mAで電圧
3.0Vまで放電して、完成電池とした。
【0036】<実施例2>第一層ゲル塗料の希釈溶剤で
あるDMCの量を2000部とし、第二層ゲル塗料は実
施例1と同じものを用いた。塗布量は第一層はDMC蒸
発後で厚みとして現れない程度(約70cc/m2 )で
あり、第二層はDMC蒸発後のゲル層厚みが20μmに
なるように調整している(塗布量は約70cc/
2 )。それ以外は実施例1と同様にして非水系二次電
池を作製した。
【0037】<実施例3>第一層ゲル塗料の希釈溶剤で
あるDMCの量を1500部とし、第二層ゲル塗料は実
施例1と同じものを用いた。塗布量は第一層はDMC蒸
発後で厚みとして現れない程度(約40cc/m2 )で
あり、第二層はDMC蒸発後のゲル層厚みが20μmに
なるように調整している(塗布量は約70cc/
2 )。それ以外は実施例1と同様にして非水系二次電
池を作製した。
【0038】<実施例4>第一層ゲル塗料の希釈溶剤で
あるDMCの量を3000部とし、第二層ゲル塗料は実
施例1と同じものを用いた。塗布量は第一層はDMC蒸
発後で厚みとして現れない程度(約110cc/m2
であり、第二層はDMC蒸発後のゲル層厚みが20μm
になるように調整している(塗布量は約70cc/
2 )。それ以外は実施例1と同様にして非水系二次電
池を作製した。
【0039】<実施例5>第一層ゲル塗料および第二層
ゲル塗料とも、希釈溶剤であるDMCの量を1000部
とした。塗布量は第一層はDMC蒸発後で厚みとして現
れない程度(約10cc/m2 )であり、第二層はDM
C蒸発後のゲル層厚みが20μmになるように調整して
いる(塗布量は約70cc/m2 )。それ以外は実施例
1と同様にして非水系二次電池を作製した。
【0040】<比較例1>希釈溶剤であるDMCの量を
1000部(実施例1の第二層用ゲル塗料と同一)と
し、1度だけ各電極に塗布し乾燥した。塗布量はDMC
蒸発後のゲル層厚みが20μmになるように調整してい
る(塗布量は約80cc/m2 )。それ以外は実施例1
と同様にして非水系二次電池を作製した。
【0041】上述した実施例1〜5、比較例1の作製工
程、および完成した電池に対して以下の測定を行い評価
を行なった。
【0042】<ゲル染込み検査>電極の活物質層から集
電体を剥がし、活物質層をEDX−EPMA(通称:X
MA、使用機種:Philips製XL−30FEG
(SEM部)+Philips製EDAX・DX4i
(XMA部))にかけ、活物質層の集電体界面側から電
解質に起因した燐が検出されるか否かで、ゲルの電極へ
の染込み度合いを調べた。
【0043】<電池容量評価>作製された電池は50m
Aの定電流で充電した後、さらに4.2V定電圧条件で
1時間充電した。放電は電流50mAで終止電圧3.0
Vで行い、電池容量を求め、設計容量に対する比率を計
算した。
【0044】<負荷特性評価>電池容量を求めた後、5
0mAの定電流で充電し、放電電流を125mA、25
0mA、500mA、750mAと順に変えて、各放電
電流での電池容量を求め、設計容量に対する750mA
放電電流での電池容量の比率を計算した。
【0045】これらの評価結果を表1に示す。
【表1】
【0046】表1からも分かるように、実施例1〜5の
ゲル層を2度塗布した場合、比較例の単層塗布に比べて
容量、負荷特性とも改善する傾向が認められる。特に第
一層ゲル塗料の濃度を第二層の濃度よりも下げた場合、
活物質層の集電体界面から燐が検出されるようになり、
著しい電池特性の改善が認められる。尚、第一層ゲルの
濃度を下げることによって電池特性が改善される理由
は、希釈により粘度が下がり、第一層ゲル塗料が含浸し
易くなった結果、活物質が有効に電池反応に寄与したた
めと考えられる。
【0047】尚、実施例1で用いた正極および負極の懸
濁液をテフロンフィルム上に塗布して乾燥し、形成され
た厚み約0.5mmの活物質層をフィルムから剥がし、
その上に粘度計標準液を滴下して下面に浸透するまでの
時間を測定した(27℃ 60RH%環境下、浸透は塗
装膜の変色を目視で確認)。そのときの粘度と浸透時間
との関係の1例を図3に示す。この結果から、浸透速度
は粘度に大きく依存しており、速やかに浸透させるため
には粘度は下げたほうがよいことが確認できる。
【0048】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の非水系二次電池の製造方法とこの方法により製造さ
れた非水系二次電池によると、電極活物質層に十分なゲ
ル電解質を浸透させることを実現し、高容量化と充放電
特性に優れた非水系二次電池を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかわる電極塗布装置の概略図であ
る。
【図2】 ゲル電池の外観図である。
【図3】 粘度と浸透時間の関係を示す図である。
【図4】 従来の二次電池の構造を示す図である。
【図5】 ゲル電池の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1…集電体、2,12,22,32…巻き出しロール、
3,13,23,33…巻き取りロール、4,14,1
5…懸濁液、5,34…コーターヘッド、6,18,3
7…ドライヤー、16…上部コーターヘッド、17…下
部コーターヘッド、21…電極、24a,24b…プレ
スロール、35,36…ゲル塗料、41,42…ラミネ
ートフィルム、43…正極リード線、44…負極リード
線、51…正極、52…正極リード、53a,53b…
セパレータ、54…負極、55…負極リード、56…負
極缶、57,58…絶縁板、59…ガスケット、60…
安全弁、61…正極蓋、71…正極集電体、72…正極
活物質層、73…ゲル層、74…負極活物質層、75…
負極集電体
フロントページの続き Fターム(参考) 5H014 AA02 BB08 CC01 EE01 EE10 HH08 5H029 AJ02 AJ03 AK03 AL06 AM00 AM03 AM07 AM16 BJ04 CJ22 HJ10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と、負極と、電解液を含有したゲル
    層からなり、前記正極および前記負極は、活物質が分散
    された懸濁液を集電体上に所望のパターンで塗布した電
    極であり、且つ、前記ゲル層が前記電極上に設けられて
    いる非水系二次電池の製造方法において、 前記ゲル層は、ゲル塗料を複数回、前記電極上に塗布し
    て設けることを特徴とする非水系二次電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 最初に塗布するゲル塗料の濃度は、その
    後に塗布するゲル塗料の濃度より薄いことを特徴とす
    る、請求項1に記載の非水系二次電池の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の非水系二次電池の製造
    方法により製造されたことを特徴とする非水系二次電
    池。
  4. 【請求項4】 正極と、負極と、電解液を含有したゲル
    層と、セパレータとからなり、前記正極および前記負極
    は、活物質が分散された懸濁液を集電体上に所望のパタ
    ーンで塗布した電極であり、且つ、前記ゲル層が前記電
    極上に設けられている非水系二次電池の製造方法におい
    て、 前記ゲル層は、ゲル塗料を複数回、前記電極上に塗布し
    て設けることを特徴とする非水系二次電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 最初に塗布するゲル塗料の濃度は、その
    後に塗布するゲル塗料の濃度より薄いことを特徴とす
    る、請求項4に記載の非水系二次電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の非水系二次電池の製造
    方法により製造されたことを特徴とする非水系二次電
    池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002027857A1 (fr) * 2000-09-29 2002-04-04 Dai-Ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd. Procédé permettant de produire une pile secondaire au lithium
JP2005339926A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Yuasa Corp 帯状電極及びそれを用いた電池
JP2020092057A (ja) * 2018-12-07 2020-06-11 株式会社半導体エネルギー研究所 二次電池の製造方法

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