JP2000173507A - 陰極線管装置 - Google Patents
陰極線管装置Info
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- JP2000173507A JP2000173507A JP34508998A JP34508998A JP2000173507A JP 2000173507 A JP2000173507 A JP 2000173507A JP 34508998 A JP34508998 A JP 34508998A JP 34508998 A JP34508998 A JP 34508998A JP 2000173507 A JP2000173507 A JP 2000173507A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 画面の中央と左右両端との間の中間領域にお
ける縦線内部ピンクッション歪みを十分に補正すると同
時に、偏向パワーの浪費を抑え、歪みのない高品位な画
像を再現しかつ安全性と経済性に優れた陰極線管装置を
提供する。 【解決手段】 陰極線管に偏向ヨーク装置と可飽和リア
クタとが装着され、可飽和リアクタが、水平用コイルと
垂直用コイルとが巻装された少なくとも一対のコアで構
成されていて、可飽和リアクタから発生する磁界を電子
ビームに作用させて、縦線内部ピンクッション歪みを補
正する。
ける縦線内部ピンクッション歪みを十分に補正すると同
時に、偏向パワーの浪費を抑え、歪みのない高品位な画
像を再現しかつ安全性と経済性に優れた陰極線管装置を
提供する。 【解決手段】 陰極線管に偏向ヨーク装置と可飽和リア
クタとが装着され、可飽和リアクタが、水平用コイルと
垂直用コイルとが巻装された少なくとも一対のコアで構
成されていて、可飽和リアクタから発生する磁界を電子
ビームに作用させて、縦線内部ピンクッション歪みを補
正する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ用デ
ィスプレイ等に適した陰極線管装置に関するものであ
り、特に画面の中間領域に顕著に発生する縦線内部ピン
クッション歪みを補正する技術に関するものである。
ィスプレイ等に適した陰極線管装置に関するものであ
り、特に画面の中間領域に顕著に発生する縦線内部ピン
クッション歪みを補正する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディスプレイ管の画面がフラット
化されるにつれて、画面の曲率半径が次第に大きくなっ
てきた。これに伴い、陰極線管の画面に投影された画像
の左右に生じる縦線ピンクッション歪みも益々大きくな
り、この縦線ピンクッション歪みを補正するための様々
な対策がなされている。
化されるにつれて、画面の曲率半径が次第に大きくなっ
てきた。これに伴い、陰極線管の画面に投影された画像
の左右に生じる縦線ピンクッション歪みも益々大きくな
り、この縦線ピンクッション歪みを補正するための様々
な対策がなされている。
【0003】これらの対策として、可飽和リアクタを偏
向ヨークの偏向コイル付近、もしくはディスプレイモニ
ターセットの回路基盤上に設けることにより、縦線ピン
クッション歪みを補正する方式が採用されている。
向ヨークの偏向コイル付近、もしくはディスプレイモニ
ターセットの回路基盤上に設けることにより、縦線ピン
クッション歪みを補正する方式が採用されている。
【0004】可飽和リアクタを偏向ヨークの偏向コイル
付近に設ける方式の一例として、特開昭63―1243
47号には、偏向ヨークの電子銃側の上部に、日の字状
のコアに一次コイルと二次コイルを巻いて形成した可飽
和リアクタを設け、この可飽和リアクタの一次コイルを
電源回路と演算増幅部の間に接続し、二次コイルを水平
偏向コイルに直列接続したものが開示されている。この
例では、一次コイルの電流変化に応じて二次コイルのイ
ンダクタンスを変化させ、水平偏向コイルに縦線ピンク
ッション歪みを補正する変調電流を流し、偏向ヨーク内
に垂直方向の補正磁束を発生させることにより、縦線ピ
ンクッション歪みを補正する。
付近に設ける方式の一例として、特開昭63―1243
47号には、偏向ヨークの電子銃側の上部に、日の字状
のコアに一次コイルと二次コイルを巻いて形成した可飽
和リアクタを設け、この可飽和リアクタの一次コイルを
電源回路と演算増幅部の間に接続し、二次コイルを水平
偏向コイルに直列接続したものが開示されている。この
例では、一次コイルの電流変化に応じて二次コイルのイ
ンダクタンスを変化させ、水平偏向コイルに縦線ピンク
ッション歪みを補正する変調電流を流し、偏向ヨーク内
に垂直方向の補正磁束を発生させることにより、縦線ピ
ンクッション歪みを補正する。
【0005】このような可飽和リアクタを偏向ヨークの
コイル付近に設ける方式では、可飽和リアクタをセット
の回路基盤上に設ける方式に比べて、セット内での部品
配置をセットに対応させて考慮する必要がなく、比較的
簡易な方法で縦線ピンクッション歪みを補正することが
できるといった利点がある。
コイル付近に設ける方式では、可飽和リアクタをセット
の回路基盤上に設ける方式に比べて、セット内での部品
配置をセットに対応させて考慮する必要がなく、比較的
簡易な方法で縦線ピンクッション歪みを補正することが
できるといった利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術は、縦線ピンクッション歪みの補正量を、画面の中
央から水平方向周辺へリニア的に増していくものであ
り、画面の左右両端付近での縦線周辺ピンクッション歪
みを補正することはできても、画面の中央と左右両端と
の間の中間領域に特異的に発生する縦線内部ピンクッシ
ョン歪みを十分に補正することはできず、結局、画面の
中間領域に縦線内部ピンクッション歪みが残存してしま
うことがあった。
技術は、縦線ピンクッション歪みの補正量を、画面の中
央から水平方向周辺へリニア的に増していくものであ
り、画面の左右両端付近での縦線周辺ピンクッション歪
みを補正することはできても、画面の中央と左右両端と
の間の中間領域に特異的に発生する縦線内部ピンクッシ
ョン歪みを十分に補正することはできず、結局、画面の
中間領域に縦線内部ピンクッション歪みが残存してしま
うことがあった。
【0007】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
てなされたもので、縦線内部ピンクッション歪みを十分
に補正することができ、画像歪みのない高品位な陰極線
管装置を提供することを目的としている。
てなされたもので、縦線内部ピンクッション歪みを十分
に補正することができ、画像歪みのない高品位な陰極線
管装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の陰極線管装置は、陰極線管に偏向ヨーク装
置と可飽和リアクタとが装着され、可飽和リアクタから
発生する補正磁界を電子ビームに作用させて、縦線内部
ピンクッション歪みを補正するものである。
に、本発明の陰極線管装置は、陰極線管に偏向ヨーク装
置と可飽和リアクタとが装着され、可飽和リアクタから
発生する補正磁界を電子ビームに作用させて、縦線内部
ピンクッション歪みを補正するものである。
【0009】このようにすることにより、縦線内部ピン
クッション歪みを容易に補正することができる。
クッション歪みを容易に補正することができる。
【0010】また、本発明の陰極線管装置は、可飽和リ
アクタが、それぞれに水平用コイルと垂直用コイルとが
巻装された少なくとも一対のコアにより構成されてい
る。
アクタが、それぞれに水平用コイルと垂直用コイルとが
巻装された少なくとも一対のコアにより構成されてい
る。
【0011】このようにすることにより、簡単な構成で
可飽和リアクタを構成することができる。
可飽和リアクタを構成することができる。
【0012】また、本発明の陰極線管装置は、水平用コ
イルが、偏向ヨーク装置の水平偏向コイルに磁気的に結
合されている。
イルが、偏向ヨーク装置の水平偏向コイルに磁気的に結
合されている。
【0013】このようにすることにより、高圧のかかる
水平偏向コイルと可飽和リアクタとを間接的に接続する
ことができる。
水平偏向コイルと可飽和リアクタとを間接的に接続する
ことができる。
【0014】また、本発明の陰極線管装置は、一対のコ
アが、偏向ヨーク装置の電子銃側で管軸に関してほぼ対
称な垂直方向の位置に配置されている。
アが、偏向ヨーク装置の電子銃側で管軸に関してほぼ対
称な垂直方向の位置に配置されている。
【0015】さらに、本発明の陰極線管装置は、偏向電
流の正負を判別する判別回路と、判別回路の出力によっ
て切り替えを行うスイッチング回路とを備えている。
流の正負を判別する判別回路と、判別回路の出力によっ
て切り替えを行うスイッチング回路とを備えている。
【0016】このようにすることにより、画面の象限に
応じて発生させる磁界の方向を変えることができる。
応じて発生させる磁界の方向を変えることができる。
【0017】また、本発明の陰極線管装置は、さらに他
の一対のコアが、偏向ヨーク装置の電子銃側で管軸に関
してほぼ対称な水平方向の位置に配置されている。
の一対のコアが、偏向ヨーク装置の電子銃側で管軸に関
してほぼ対称な水平方向の位置に配置されている。
【0018】このようにすることにより、簡単な構成で
画面の象限に応じて発生させる磁界の方向を変えること
ができる。
画面の象限に応じて発生させる磁界の方向を変えること
ができる。
【0019】さらに、本発明の陰極線管装置は、コアの
長手方向が、垂直方向と一致していることが望ましい。
長手方向が、垂直方向と一致していることが望ましい。
【0020】また、本発明の陰極線管装置は、コアが、
Mn、Mg、Niの内少なくとも一つを含有するZn系
材料から生成されている。
Mn、Mg、Niの内少なくとも一つを含有するZn系
材料から生成されている。
【0021】このようにすることにより、比較的少ない
電流でもコアを飽和させることができる。
電流でもコアを飽和させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて詳しく説明する。
て図面を用いて詳しく説明する。
【0023】(第1の実施の形態)図2は本発明の第1
の実施の形態に係る陰極線管装置の部分断面図である。
の実施の形態に係る陰極線管装置の部分断面図である。
【0024】図2に示すように、本実施の形態に係る陰
極線管装置は、パネル1とファンネル2とで外囲器が構
成されている。パネル1の内部には蛍光体の塗られた蛍
光面3があり、多数の孔を有する色選別電極4がフレー
ム5に保持され、この色選別電極4が蛍光面3に対向す
るようにフレーム5が支持機構6によってパネルピン7
に掛止されている。また、ファンネル2のネック部8に
はインライン型の電子銃9が管軸Aに沿って内装されて
おり、この電子銃9から射出される電子ビーム10を上
下左右に偏向させるための偏向ヨーク11がファンネル
2の外部に装着されており、偏向ヨーク11のネック側
には、板状部材12がある。
極線管装置は、パネル1とファンネル2とで外囲器が構
成されている。パネル1の内部には蛍光体の塗られた蛍
光面3があり、多数の孔を有する色選別電極4がフレー
ム5に保持され、この色選別電極4が蛍光面3に対向す
るようにフレーム5が支持機構6によってパネルピン7
に掛止されている。また、ファンネル2のネック部8に
はインライン型の電子銃9が管軸Aに沿って内装されて
おり、この電子銃9から射出される電子ビーム10を上
下左右に偏向させるための偏向ヨーク11がファンネル
2の外部に装着されており、偏向ヨーク11のネック側
には、板状部材12がある。
【0025】図3は、本実施の形態に係る陰極線管装置
の可飽和リアクタを動作させるための回路図であり、主
に、判別回路13とスイッチング回路14と可飽和リア
クタ15より構成される。
の可飽和リアクタを動作させるための回路図であり、主
に、判別回路13とスイッチング回路14と可飽和リア
クタ15より構成される。
【0026】判別回路13は、偏向ヨークの水平偏向電
流の極性、つまり画面の左側偏向と右側偏向とを判別す
るものである。
流の極性、つまり画面の左側偏向と右側偏向とを判別す
るものである。
【0027】また、スイッチング回路14は、判別回路
13から出力される画面の左側または右側に相当する信
号に応じて、可飽和リアクタ15のコアに巻装されてい
る垂直用コイルのうち、動作させるべきものを選択して
切り替えるものである。
13から出力される画面の左側または右側に相当する信
号に応じて、可飽和リアクタ15のコアに巻装されてい
る垂直用コイルのうち、動作させるべきものを選択して
切り替えるものである。
【0028】さらに、可飽和リアクタ15のコアに接続
されているダイオードD1〜D6は、それぞれのダイオ
ードのスイッチ作用を利用して、D1、D2は、水平偏
向電流の極性により、また、D3、D4、D5、D6
は、垂直偏向電流の極性により、それぞれ動作するコイ
ルを切り替えるものである。
されているダイオードD1〜D6は、それぞれのダイオ
ードのスイッチ作用を利用して、D1、D2は、水平偏
向電流の極性により、また、D3、D4、D5、D6
は、垂直偏向電流の極性により、それぞれ動作するコイ
ルを切り替えるものである。
【0029】図1は、本実施の形態に係る陰極線管装置
の板状部材12をネック側から見た図である。
の板状部材12をネック側から見た図である。
【0030】図1において、板状部材12には、ほぼ中
心にネック通過孔16が設けられ、このネック通過孔1
6の垂直方向(陰極線管の画面の垂直軸に沿った方向)
の両側の対称な位置には、陰極線管の画面の垂直方向両
端においてグリーンコンバーゼンスを調整するための一
対のコマコイル17、17’が装備されている。さらに
ネック通過孔16とコマコイル17、17’との間には
可飽和タイプの細長い四角柱状の一対のコア18、1
8’が、その長手方向が垂直方向と一致するように装着
されている。コア18には、水平偏向誘導電流が流れる
水平用コイル19、20と、垂直偏向電流が流れる垂直
用コイル21、22、23、24とが巻装され、コア1
8’には、水平誘導電流が流れる水平用コイル19’、
20’と、垂直偏向電流が流れる垂直用コイル21’、
22’、23’、24’とが巻装されている。また、同
番号のコイル(例えば19と19’)は、互いに直結さ
れていて、且つ、電流が流れた際にコア18と18’と
が同方向の磁界を発生するよう巻装されている。
心にネック通過孔16が設けられ、このネック通過孔1
6の垂直方向(陰極線管の画面の垂直軸に沿った方向)
の両側の対称な位置には、陰極線管の画面の垂直方向両
端においてグリーンコンバーゼンスを調整するための一
対のコマコイル17、17’が装備されている。さらに
ネック通過孔16とコマコイル17、17’との間には
可飽和タイプの細長い四角柱状の一対のコア18、1
8’が、その長手方向が垂直方向と一致するように装着
されている。コア18には、水平偏向誘導電流が流れる
水平用コイル19、20と、垂直偏向電流が流れる垂直
用コイル21、22、23、24とが巻装され、コア1
8’には、水平誘導電流が流れる水平用コイル19’、
20’と、垂直偏向電流が流れる垂直用コイル21’、
22’、23’、24’とが巻装されている。また、同
番号のコイル(例えば19と19’)は、互いに直結さ
れていて、且つ、電流が流れた際にコア18と18’と
が同方向の磁界を発生するよう巻装されている。
【0031】ここで、コア18、18’は、Mg−Zn
を素材とする1mm×1mm×30mmの四角柱で形成
されており、水平用コイルおよび垂直用コイルは、それ
ぞれ100回巻装されている。
を素材とする1mm×1mm×30mmの四角柱で形成
されており、水平用コイルおよび垂直用コイルは、それ
ぞれ100回巻装されている。
【0032】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。図4に示すように、判別回路13は、オペアンプで
構成した積分回路部25と0x(ゼロエックス)スイッ
チ素子を用いたスイッチ回路部26とトランジスタ構成
したバッファ回路部27とで構成される。
る。図4に示すように、判別回路13は、オペアンプで
構成した積分回路部25と0x(ゼロエックス)スイッ
チ素子を用いたスイッチ回路部26とトランジスタ構成
したバッファ回路部27とで構成される。
【0033】まず、判別回路13の(a)に水平偏向周
期に同期したパルス信号28が入力されると、このパル
ス信号28は積分回路部25により変換され、(b)に
三角波29が現れる。三角波29はコンデンサにより直
流分がカットされ、その後スイッチ回路部26に入力さ
れる。このスイッチ回路部26には0xスイッチ素子が
使われており、三角波の0Vを基準に三角波の電圧が0
Vより高ければプラス5Vの電圧が出力され、0Vより
低ければマイナス5Vが出力される。いま入力される三
角波は直流分がカットされているので0Vレベルが平均
値となる。この0Vレベルの境界がちょうど水平周期の
半分となるのでこれをスイッチ回路部26に入力する
と、(c)では水平偏向周期の半周期の方形波30が得
られる。この方形波30により画面の左側と右側を判別
したあと、この方形波30をバッファ回路部27を通し
てスイッチング回路14へ出力する。
期に同期したパルス信号28が入力されると、このパル
ス信号28は積分回路部25により変換され、(b)に
三角波29が現れる。三角波29はコンデンサにより直
流分がカットされ、その後スイッチ回路部26に入力さ
れる。このスイッチ回路部26には0xスイッチ素子が
使われており、三角波の0Vを基準に三角波の電圧が0
Vより高ければプラス5Vの電圧が出力され、0Vより
低ければマイナス5Vが出力される。いま入力される三
角波は直流分がカットされているので0Vレベルが平均
値となる。この0Vレベルの境界がちょうど水平周期の
半分となるのでこれをスイッチ回路部26に入力する
と、(c)では水平偏向周期の半周期の方形波30が得
られる。この方形波30により画面の左側と右側を判別
したあと、この方形波30をバッファ回路部27を通し
てスイッチング回路14へ出力する。
【0034】スイッチング回路14は、図5に示される
ように、主にトランス31とトランジスタT1、T2、
T3、T4により構成される。
ように、主にトランス31とトランジスタT1、T2、
T3、T4により構成される。
【0035】トランス31は実際にコイルを選択するト
ランジスタをローインピーダンスで駆動する特性を持
ち、トランス31の一次側に判別回路で得た方形波を入
力し、二次側でプラス,マイナスの方形波を取り出す。
今、二次側のコイルn2はトランジスタT1、T3のベ
ース端子に接続されている。T1、T2はNPNトラン
ジスタを用いているためプラスの方形波でオン動作す
る。すなわち画面の左側でオンすることになる。
ランジスタをローインピーダンスで駆動する特性を持
ち、トランス31の一次側に判別回路で得た方形波を入
力し、二次側でプラス,マイナスの方形波を取り出す。
今、二次側のコイルn2はトランジスタT1、T3のベ
ース端子に接続されている。T1、T2はNPNトラン
ジスタを用いているためプラスの方形波でオン動作す
る。すなわち画面の左側でオンすることになる。
【0036】同様にトランス二次側n3はトランジスタ
T2、T4のベース端子に接続されている。T2、T4
はPNPトランジスタを用いているためマイナスの方形
波でオン動作する。すなわち画面の右側でONすること
になる。
T2、T4のベース端子に接続されている。T2、T4
はPNPトランジスタを用いているためマイナスの方形
波でオン動作する。すなわち画面の右側でONすること
になる。
【0037】これにより画面の左側と右側とでのトラン
ジスタの作用を分割することができ、例えば、画面左側
偏向の場合には、垂直用コイル21、21’、23、2
3’を動作させ、画面右側偏向の場合には、垂直用コイ
ル22、22’、24、24’を動作させる。
ジスタの作用を分割することができ、例えば、画面左側
偏向の場合には、垂直用コイル21、21’、23、2
3’を動作させ、画面右側偏向の場合には、垂直用コイ
ル22、22’、24、24’を動作させる。
【0038】ここで、画面上の位置に応じた可飽和リア
クタの磁気飽和特性を、図6を用いて簡単に説明する。
クタの磁気飽和特性を、図6を用いて簡単に説明する。
【0039】図6は、画面を領域ごとに分割した際の、
各領域における偏向電流と、可飽和リアクタのインダク
タンスを示す図である。直線32は垂直偏向電流を、直
線33は水平偏向電流を表し、また、曲線34は垂直偏
向電流により発生するインダクタンス、曲線35は水平
偏向電流により発生するインダクタンスを表す。
各領域における偏向電流と、可飽和リアクタのインダク
タンスを示す図である。直線32は垂直偏向電流を、直
線33は水平偏向電流を表し、また、曲線34は垂直偏
向電流により発生するインダクタンス、曲線35は水平
偏向電流により発生するインダクタンスを表す。
【0040】画面をI、II、III、IVの領域に分
割して考えると、水平方向(陰極線管の画面の水平軸に
沿った方向)の画面走査は、II、IIIの領域におい
てはマイナスの水平偏向電流が走査を司り、I、IVの
領域においてはプラスの水平偏向電流が走査を司る。ま
た垂直方向の画面走査は、I、IIの領域においてはマ
イナスの垂直偏向電流が司り、III、IVの領域にお
いてはプラスの垂直偏向電流が司る。
割して考えると、水平方向(陰極線管の画面の水平軸に
沿った方向)の画面走査は、II、IIIの領域におい
てはマイナスの水平偏向電流が走査を司り、I、IVの
領域においてはプラスの水平偏向電流が走査を司る。ま
た垂直方向の画面走査は、I、IIの領域においてはマ
イナスの垂直偏向電流が司り、III、IVの領域にお
いてはプラスの垂直偏向電流が司る。
【0041】本実施の形態に係る陰極線管装置の可飽和
リアクタは、判別回路、スイッチング回路を設けたこと
によって、水平偏向電流、垂直偏向電流のプラス、マイ
ナスに応じて、動作させるコイルを切り替えるものであ
る。このことから、水平偏向電流、垂直偏向電流の極性
に関係なく、画面の水平軸、垂直軸に関して対象な磁気
飽和特性を得ることができる。
リアクタは、判別回路、スイッチング回路を設けたこと
によって、水平偏向電流、垂直偏向電流のプラス、マイ
ナスに応じて、動作させるコイルを切り替えるものであ
る。このことから、水平偏向電流、垂直偏向電流の極性
に関係なく、画面の水平軸、垂直軸に関して対象な磁気
飽和特性を得ることができる。
【0042】さらに、本実施の形態に係る陰極線管装置
の可飽和リアクタは、画面の水平方向、垂直方向とで磁
気飽和状態を変えるものである。
の可飽和リアクタは、画面の水平方向、垂直方向とで磁
気飽和状態を変えるものである。
【0043】本実施の形態では、画面の水平方向と垂直
方向とで磁気飽和状態を異ならせるために、水平用コイ
ルに流れる電流値と垂直用コイルに流れる電流値とを異
ならせている。具体的には、水平用コイルには2.0A
p−p、垂直用コイルには1.5Ap−pの電流を流
し、また、水平用コイルと垂直用コイルの巻数、コアの
サイズおよび材料はすべて同一としている。このように
することにより、可飽和リアクタのインダクタンスは、
垂直方向では、水平軸から離れるに連れて徐々にインダ
クタンスが増加して垂直方向両端付近36で飽和する特
性となり、水平方向では、垂直軸から遠ざかるに連れて
徐々にインダクタンスが増加して水平方向中間付近37
で飽和する特性となっている。
方向とで磁気飽和状態を異ならせるために、水平用コイ
ルに流れる電流値と垂直用コイルに流れる電流値とを異
ならせている。具体的には、水平用コイルには2.0A
p−p、垂直用コイルには1.5Ap−pの電流を流
し、また、水平用コイルと垂直用コイルの巻数、コアの
サイズおよび材料はすべて同一としている。このように
することにより、可飽和リアクタのインダクタンスは、
垂直方向では、水平軸から離れるに連れて徐々にインダ
クタンスが増加して垂直方向両端付近36で飽和する特
性となり、水平方向では、垂直軸から遠ざかるに連れて
徐々にインダクタンスが増加して水平方向中間付近37
で飽和する特性となっている。
【0044】以上述べたような可飽和リアクタの磁気飽
和特性により、ネック部に磁界が発生する。
和特性により、ネック部に磁界が発生する。
【0045】例えば、画面の右側を偏向する場合すなわ
ち図6中I、IVの領域では、図7に示すように磁界3
8がネック8の内部に発生する。このとき、可飽和リア
クタのコアの長手方向を画面の垂直方向と一致させてい
ることから、発生する磁界38の向きは垂直方向とな
り、右側偏向する場合の水平偏向電流の極性に応じて、
上から下の方向となる。
ち図6中I、IVの領域では、図7に示すように磁界3
8がネック8の内部に発生する。このとき、可飽和リア
クタのコアの長手方向を画面の垂直方向と一致させてい
ることから、発生する磁界38の向きは垂直方向とな
り、右側偏向する場合の水平偏向電流の極性に応じて、
上から下の方向となる。
【0046】ここで、フレミングの左手の法則に従い、
図8に示す矢印方向39すなわち画面の中央に向かう方
向に力が働き、この力が縦線ピンクッション歪みを補正
する補正力となる。
図8に示す矢印方向39すなわち画面の中央に向かう方
向に力が働き、この力が縦線ピンクッション歪みを補正
する補正力となる。
【0047】この補正力は、前述した本実施の形態にお
ける過飽和リアクタの磁気飽和特性に応じて、画面の水
平方向では、画面中央で弱く、右中間領域で強くなる。
また、画面の垂直方向では、画面中央で弱く、上下両端
部で最も強くなる。これらの補正力は、その作用を水平
偏向周期と垂直偏向周期とで併せ持って電子ビームに作
用し、画面右側中間領域のピンクッション歪み(画面右
側の縦線内部ピンクッション歪み40)を特に強く補正
するものである。
ける過飽和リアクタの磁気飽和特性に応じて、画面の水
平方向では、画面中央で弱く、右中間領域で強くなる。
また、画面の垂直方向では、画面中央で弱く、上下両端
部で最も強くなる。これらの補正力は、その作用を水平
偏向周期と垂直偏向周期とで併せ持って電子ビームに作
用し、画面右側中間領域のピンクッション歪み(画面右
側の縦線内部ピンクッション歪み40)を特に強く補正
するものである。
【0048】画面の正面から見て左側を偏向する場合、
すなわちII、IIIの領域についても同様に考えるこ
とができる。但し、この場合に発生する補正力の方向は
矢印41の方向となり、画面右側を偏向する場合とは垂
直軸に関して対称となる。また、補正力の強弱は、画面
右側偏向の場合と同様となり、画面左側中間領域のピン
クッション歪み(画面左側の縦線内部ピンクッション歪
み42)を特に強く補正するものである。
すなわちII、IIIの領域についても同様に考えるこ
とができる。但し、この場合に発生する補正力の方向は
矢印41の方向となり、画面右側を偏向する場合とは垂
直軸に関して対称となる。また、補正力の強弱は、画面
右側偏向の場合と同様となり、画面左側中間領域のピン
クッション歪み(画面左側の縦線内部ピンクッション歪
み42)を特に強く補正するものである。
【0049】以上のように、本実施の形態によれば、画
面左右中間領域の縦線内部ピンクッション歪みを十分に
補正することができる。
面左右中間領域の縦線内部ピンクッション歪みを十分に
補正することができる。
【0050】また、本実施の形態によれば、水平偏向コ
イルと水平用コイルとを磁気的に結合することにより、
高圧のかかる水平偏向コイルと可飽和リアクタとを間接
的に接続しているため、絶縁性の面で安全であり、ま
た、偏向パワーの浪費を抑えることができる。
イルと水平用コイルとを磁気的に結合することにより、
高圧のかかる水平偏向コイルと可飽和リアクタとを間接
的に接続しているため、絶縁性の面で安全であり、ま
た、偏向パワーの浪費を抑えることができる。
【0051】(第2の実施の形態)次に本発明の第2の
実施の形態について説明する。
実施の形態について説明する。
【0052】第1の実施の形態と異なるのは、偏向ヨー
クの電子銃側でネックの垂直方向の両側と、ネックの水
平方向の両側とにそれぞれ一対ずつコアが配置されてい
て、合わせて二対のコアが可飽和リアクタを構成してい
る点である。また、本実施の形態では判別回路とスイッ
チング回路は設けられていない。
クの電子銃側でネックの垂直方向の両側と、ネックの水
平方向の両側とにそれぞれ一対ずつコアが配置されてい
て、合わせて二対のコアが可飽和リアクタを構成してい
る点である。また、本実施の形態では判別回路とスイッ
チング回路は設けられていない。
【0053】図9(a)、(b)は、本実施の形態に係
る陰極線管装置の可飽和リアクタを動作させるための回
路図である。
る陰極線管装置の可飽和リアクタを動作させるための回
路図である。
【0054】図9(a)に示すように、水平偏向コイル
43、43’と差動コイル44とが結線されており、差
動コイル44に誘導コイル45と水平用コイル46、4
6’、47、47’が結線されている。
43、43’と差動コイル44とが結線されており、差
動コイル44に誘導コイル45と水平用コイル46、4
6’、47、47’が結線されている。
【0055】また、図9(b)に示すように、垂直偏向
コイル48、48’とコマコイル17、17’とが結線
されている。また、それぞれ直列接続された垂直用コイ
ル49と49’、50と50’は、さらに、それぞれ直
列接続された垂直用コイル51と51’、52と52’
と並列接続されており、ここで構成される二つの並列回
路は、それぞれダイオードD7、D8と直列接続されて
いる。それぞれのダイオードは逆向きになるように並列
配置されて、コマコイル17、17’に結線されてい
る。
コイル48、48’とコマコイル17、17’とが結線
されている。また、それぞれ直列接続された垂直用コイ
ル49と49’、50と50’は、さらに、それぞれ直
列接続された垂直用コイル51と51’、52と52’
と並列接続されており、ここで構成される二つの並列回
路は、それぞれダイオードD7、D8と直列接続されて
いる。それぞれのダイオードは逆向きになるように並列
配置されて、コマコイル17、17’に結線されてい
る。
【0056】図10は本実施の形態に係る陰極線管装置
の板状部材12をネック側から見た図である。
の板状部材12をネック側から見た図である。
【0057】図10において、ネック通過孔16と一対
のコマコイル17、17’との間には、一対の可飽和タ
イプの細長い四角柱状のコア18、18’が、その長手
方向が垂直方向に一致するよう装着されている。コア1
8には、水平用コイル46と、垂直用コイル49、52
とが巻装されており、コア18’には水平用コイル4
6’と、垂直用コイル49’、52’とが巻装されてい
る。
のコマコイル17、17’との間には、一対の可飽和タ
イプの細長い四角柱状のコア18、18’が、その長手
方向が垂直方向に一致するよう装着されている。コア1
8には、水平用コイル46と、垂直用コイル49、52
とが巻装されており、コア18’には水平用コイル4
6’と、垂直用コイル49’、52’とが巻装されてい
る。
【0058】また、ネック通過孔16の水平方向両側に
は、一対の可飽和タイプの細長い四角柱状のコア53、
53’が、その長手方向が垂直方向に一致するよう装着
されている。コア53には、水平用コイル47と、垂直
用コイル50、51とが巻装されており、コア53’に
は水平用コイル47’と、垂直用コイル50’、51’
とが巻装されている。
は、一対の可飽和タイプの細長い四角柱状のコア53、
53’が、その長手方向が垂直方向に一致するよう装着
されている。コア53には、水平用コイル47と、垂直
用コイル50、51とが巻装されており、コア53’に
は水平用コイル47’と、垂直用コイル50’、51’
とが巻装されている。
【0059】水平用コイル46と46’、47と47’
は、水平偏向コイル43と43’と共に用いられる差動
コイル44から磁気誘導によって起動され、それぞれの
二つの同番号のコイル(例えば、46と46’)から発
生する磁界の向きは同一である。また、画面正面から見
て右側偏向のときは磁界が下向きに、左側偏向のときは
磁界が上向きになるようにこれらの水平用コイルは巻装
されている。
は、水平偏向コイル43と43’と共に用いられる差動
コイル44から磁気誘導によって起動され、それぞれの
二つの同番号のコイル(例えば、46と46’)から発
生する磁界の向きは同一である。また、画面正面から見
て右側偏向のときは磁界が下向きに、左側偏向のときは
磁界が上向きになるようにこれらの水平用コイルは巻装
されている。
【0060】垂直用コイル49と49’、50と50’
は、垂直偏向コイル48と48’、と直列接続されてお
り、また、これらの垂直用コイルは画面正面から見て右
側偏向の時は下向き、左側偏向のときは上向きの磁界を
発生するよう、巻装および結線されている。
は、垂直偏向コイル48と48’、と直列接続されてお
り、また、これらの垂直用コイルは画面正面から見て右
側偏向の時は下向き、左側偏向のときは上向きの磁界を
発生するよう、巻装および結線されている。
【0061】また、垂直用コイル52と52’は、水平
用コイル46と46’により発生する磁界とは逆向きの
磁界を発生するよう、また、垂直用コイル51と51’
は、水平用コイル47と47’により発生する磁界とは
逆向きの磁界を発生するよう巻装および結線されてい
る。
用コイル46と46’により発生する磁界とは逆向きの
磁界を発生するよう、また、垂直用コイル51と51’
は、水平用コイル47と47’により発生する磁界とは
逆向きの磁界を発生するよう巻装および結線されてい
る。
【0062】ここで、コア18、18’、53,53’
はMg−Znを素材とする1mm×1mm×25mmの
四角柱で形成されており、水平用コイル46、46’、
47、47’および垂直用コイル52、52’、51、
51’はそれぞれ100回巻装され、また、垂直用コイ
ル49、49’、50、50’はそれぞれ75回巻装さ
れている。
はMg−Znを素材とする1mm×1mm×25mmの
四角柱で形成されており、水平用コイル46、46’、
47、47’および垂直用コイル52、52’、51、
51’はそれぞれ100回巻装され、また、垂直用コイ
ル49、49’、50、50’はそれぞれ75回巻装さ
れている。
【0063】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。例えば、画面の右側の領域を偏向している場合を想
定する。今、垂直偏向電流の極性に応じて図9中のD7
が動作すると考えると、垂直用コイル49、49’、5
1、51’に垂直偏向電流が流れる。さらに、水平用コ
イル46、46’、47、47’には、水平偏向電流が
流れる。このため、各コア18、18’、53,53’
からは磁界が発生する。
る。例えば、画面の右側の領域を偏向している場合を想
定する。今、垂直偏向電流の極性に応じて図9中のD7
が動作すると考えると、垂直用コイル49、49’、5
1、51’に垂直偏向電流が流れる。さらに、水平用コ
イル46、46’、47、47’には、水平偏向電流が
流れる。このため、各コア18、18’、53,53’
からは磁界が発生する。
【0064】ここで、垂直用コイル51、51’は、水
平用コイル47、47’により発生する磁界とは逆向き
の磁界を発生するように巻装されているため、実質的に
コア53、53’からの磁界は相殺される。つまり、こ
こで発生する磁界は、コア18、18’のみからの磁界
となり、その方向は、垂直用コイル49と49’が右側
偏向の時は下向きの磁界が生じるように巻装されている
ことから、下向きとなる。
平用コイル47、47’により発生する磁界とは逆向き
の磁界を発生するように巻装されているため、実質的に
コア53、53’からの磁界は相殺される。つまり、こ
こで発生する磁界は、コア18、18’のみからの磁界
となり、その方向は、垂直用コイル49と49’が右側
偏向の時は下向きの磁界が生じるように巻装されている
ことから、下向きとなる。
【0065】また、垂直偏向電流の極性が変わりD8が
動作するときには、垂直用コイル50、50’、52、
52’に垂直偏向電流が流れる。さらに、水平用コイル
46、46’、47、47’には、水平偏向電流が流れ
る。このため、各コア18、18’、53,53’から
は磁界が発生する。
動作するときには、垂直用コイル50、50’、52、
52’に垂直偏向電流が流れる。さらに、水平用コイル
46、46’、47、47’には、水平偏向電流が流れ
る。このため、各コア18、18’、53,53’から
は磁界が発生する。
【0066】ここで、垂直用コイル52、52’は、水
平用コイル46、46’により発生する磁界とは逆向き
の磁界を発生するように巻装されているため、実質的に
コア18、18’からの磁界は相殺される。つまり、こ
こで発生する磁界は、コア53、53’のみからの磁界
となり、その方向は、垂直用コイル50と50’が右側
偏向の時は下向きの磁界が生じるように巻装されている
ことから、やはり下向きとなる。
平用コイル46、46’により発生する磁界とは逆向き
の磁界を発生するように巻装されているため、実質的に
コア18、18’からの磁界は相殺される。つまり、こ
こで発生する磁界は、コア53、53’のみからの磁界
となり、その方向は、垂直用コイル50と50’が右側
偏向の時は下向きの磁界が生じるように巻装されている
ことから、やはり下向きとなる。
【0067】画面の右側の領域を偏向する場合にも、上
記と同様の動作を行う。但し、発生する磁界の方向は、
垂直用コイルが左側偏向のときは上向きの磁界を発生す
るよう巻装されていることから、上向きとなる。
記と同様の動作を行う。但し、発生する磁界の方向は、
垂直用コイルが左側偏向のときは上向きの磁界を発生す
るよう巻装されていることから、上向きとなる。
【0068】以上述べたように、本実施の形態に係る陰
極線管装置の可飽和リアクタは、ネック部の上下または
左右のコイルの接続により、水平偏向電流、垂直偏向電
流のプラス、マイナスに応じて、動作させるコイルを切
り替えるものである。このことから、水平偏向電流、垂
直偏向電流の極性に関係なく、画面の各領域で水平軸、
垂直軸に対して対象な磁界分布を得ることができる。
極線管装置の可飽和リアクタは、ネック部の上下または
左右のコイルの接続により、水平偏向電流、垂直偏向電
流のプラス、マイナスに応じて、動作させるコイルを切
り替えるものである。このことから、水平偏向電流、垂
直偏向電流の極性に関係なく、画面の各領域で水平軸、
垂直軸に対して対象な磁界分布を得ることができる。
【0069】また、本実施の形態に係る陰極線管装置の
可飽和リアクタの磁気飽和特性は、第1の実施の形態と
同様に、画面の水平方向と垂直方向とで飽和状態を変え
るものである。本実施の形態では、水平用コイルと一部
の垂直用コイルとで巻数を異ならせることにより、垂直
方向では、水平軸から離れるに連れて徐々にインダクタ
ンスを増加させて垂直方向両端付近で飽和する磁気特性
とし、水平方向では、垂直軸から遠ざかるに連れて徐々
にインダクタンスを増加させて水平方向中間領域で飽和
する磁気特性としている。
可飽和リアクタの磁気飽和特性は、第1の実施の形態と
同様に、画面の水平方向と垂直方向とで飽和状態を変え
るものである。本実施の形態では、水平用コイルと一部
の垂直用コイルとで巻数を異ならせることにより、垂直
方向では、水平軸から離れるに連れて徐々にインダクタ
ンスを増加させて垂直方向両端付近で飽和する磁気特性
とし、水平方向では、垂直軸から遠ざかるに連れて徐々
にインダクタンスを増加させて水平方向中間領域で飽和
する磁気特性としている。
【0070】したがって、本実施の形態によれば、中間
領域の縦線内部ピンクッション歪みを十分に補正するこ
とができる。
領域の縦線内部ピンクッション歪みを十分に補正するこ
とができる。
【0071】また、本実施の形態によれば、前記水平用
コイルは差動コイルからの誘起によって起動される構成
となっており、高圧のかかる水平偏向コイルと直接には
つながっていない。このため、絶縁性の面で安全である
と同時に、偏向パワーの増大を招くことがない。
コイルは差動コイルからの誘起によって起動される構成
となっており、高圧のかかる水平偏向コイルと直接には
つながっていない。このため、絶縁性の面で安全である
と同時に、偏向パワーの増大を招くことがない。
【0072】さらに、本実施の形態によれば、判別回
路、スイッチング回路を用いることなく、コイルの巻装
および配線により単純なシステムを構成することができ
る。
路、スイッチング回路を用いることなく、コイルの巻装
および配線により単純なシステムを構成することができ
る。
【0073】なお、本発明では、垂直偏向電流に同期し
たインダクタンスの飽和特性と、水平偏向電流に同期し
たインダクタンスの飽和特性とを異ならせるために、第
1の実施の形態では、水平偏向電流と垂直偏向電流とで
電流値を異ならせる構成とし、また、第2の実施の形態
では、水平用コイルと一部の垂直用コイルとで巻数を異
ならせる構成としている。但し、これらの構成に限った
ものではなく、例えば、水平用コイルの巻装されるコア
と垂直用コイルの巻装されるコアとで断面積を異ならせ
る、もしくは材料を異ならせるといった構成であっても
同様の作用効果を得ることができる。
たインダクタンスの飽和特性と、水平偏向電流に同期し
たインダクタンスの飽和特性とを異ならせるために、第
1の実施の形態では、水平偏向電流と垂直偏向電流とで
電流値を異ならせる構成とし、また、第2の実施の形態
では、水平用コイルと一部の垂直用コイルとで巻数を異
ならせる構成としている。但し、これらの構成に限った
ものではなく、例えば、水平用コイルの巻装されるコア
と垂直用コイルの巻装されるコアとで断面積を異ならせ
る、もしくは材料を異ならせるといった構成であっても
同様の作用効果を得ることができる。
【0074】また、第1および第2の実施の形態では、
図6に示すように、可飽和リアクタのインダクタンス
は、垂直方向では、水平軸から離れるに連れて徐々にイ
ンダクタンスが増加して垂直方向両端付近36で飽和す
る特性となり、水平方向では、垂直軸から遠ざかるに連
れて徐々にインダクタンスが増加して水平方向中間付近
37で飽和する特性となっており、垂直方向、水平方向
共に、飽和開始後のインダクタンスはほぼ横這い状態と
なっているが、必ずしもこれに限ったものではない。例
えば、縦線内部ピンクッション歪みの発生量が大きい場
合には、水平方向について飽和開始後のインダクタンス
が減少するような構成として、左右中間領域に比べ左右
両端でインダクタンスを小さくすると、縦線内部ピンク
ッション歪みの補正効果をより高めることができる。
図6に示すように、可飽和リアクタのインダクタンス
は、垂直方向では、水平軸から離れるに連れて徐々にイ
ンダクタンスが増加して垂直方向両端付近36で飽和す
る特性となり、水平方向では、垂直軸から遠ざかるに連
れて徐々にインダクタンスが増加して水平方向中間付近
37で飽和する特性となっており、垂直方向、水平方向
共に、飽和開始後のインダクタンスはほぼ横這い状態と
なっているが、必ずしもこれに限ったものではない。例
えば、縦線内部ピンクッション歪みの発生量が大きい場
合には、水平方向について飽和開始後のインダクタンス
が減少するような構成として、左右中間領域に比べ左右
両端でインダクタンスを小さくすると、縦線内部ピンク
ッション歪みの補正効果をより高めることができる。
【0075】さらに、第1および第2の実施の形態で
は、可飽和リアクタを構成するコアを、偏向ヨークのネ
ック側の板状部材に配置して、陰極線管のネック部付近
に設けているが、これに限ったものではなく、板状部材
を用いずに陰極線管の画面近くやファンネル付近に設け
ても、同様の作用を奏するものである。
は、可飽和リアクタを構成するコアを、偏向ヨークのネ
ック側の板状部材に配置して、陰極線管のネック部付近
に設けているが、これに限ったものではなく、板状部材
を用いずに陰極線管の画面近くやファンネル付近に設け
ても、同様の作用を奏するものである。
【0076】また、第1および第2の実施の形態では、
可飽和リアクタに使用するコアには四角柱状のものを使
用したが、これに限ったものではなく、他の角柱や円柱
であってもよいし、また、コアの長手方向両端が幅広く
なったI字型であっても同様の作用を奏する。またコア
の素材は、Mn−Znに限定するものではないが、少な
い電流でも飽和しやすい材料として、Mg−ZnやNi
−Znなどの、Zn系材料を用いることが望ましい。
可飽和リアクタに使用するコアには四角柱状のものを使
用したが、これに限ったものではなく、他の角柱や円柱
であってもよいし、また、コアの長手方向両端が幅広く
なったI字型であっても同様の作用を奏する。またコア
の素材は、Mn−Znに限定するものではないが、少な
い電流でも飽和しやすい材料として、Mg−ZnやNi
−Znなどの、Zn系材料を用いることが望ましい。
【0077】さらに、本実施の形態では、特定のコアの
磁界を相殺するために、水平用コイルから発生する磁界
とは逆の磁界を発生させるための垂直用コイルを、水平
用コイルが巻装されているコアと同一のコアに巻装して
いるが、垂直用コイルを別の新たなコアに巻装して水平
用コイル付近に設けても同様の作用効果を奏するもので
ある。
磁界を相殺するために、水平用コイルから発生する磁界
とは逆の磁界を発生させるための垂直用コイルを、水平
用コイルが巻装されているコアと同一のコアに巻装して
いるが、垂直用コイルを別の新たなコアに巻装して水平
用コイル付近に設けても同様の作用効果を奏するもので
ある。
【0078】また、第1および第2の実施の形態では、
グリーンコンバーゼンスの補正用としてコマコイルが設
けられているが、コマコイルが設けられていない場合で
あっても本発明の効果が発揮されることはいうまでもな
い。
グリーンコンバーゼンスの補正用としてコマコイルが設
けられているが、コマコイルが設けられていない場合で
あっても本発明の効果が発揮されることはいうまでもな
い。
【0079】
【発明の効果】以上のように、本発明の陰極線管装置
は、画面の水平方向へのピンクッション歪み補正量をリ
ニア的ではなく、特に中間領域で部分的に強くすること
ができ、縦線内部ピンクッション歪みの低減を行うこと
が可能となる。したがって、画面の水平方向中間領域に
残存する縦線内部ピンクッション歪みを十分に補正する
ことができるため、歪みのない高品位な画像を再現する
陰極線管装置を提供することができる。
は、画面の水平方向へのピンクッション歪み補正量をリ
ニア的ではなく、特に中間領域で部分的に強くすること
ができ、縦線内部ピンクッション歪みの低減を行うこと
が可能となる。したがって、画面の水平方向中間領域に
残存する縦線内部ピンクッション歪みを十分に補正する
ことができるため、歪みのない高品位な画像を再現する
陰極線管装置を提供することができる。
【0080】また、本発明の陰極線管装置は、水平用コ
イルは差動コイルからの誘起によって起動される構成と
なっており、可飽和リアクタが高圧のかかる水平偏向コ
イルと直接にはつながっていない。
イルは差動コイルからの誘起によって起動される構成と
なっており、可飽和リアクタが高圧のかかる水平偏向コ
イルと直接にはつながっていない。
【0081】このため、絶縁性の面で安全であると同時
に、偏向パワーの浪費を抑えることができ、安全性およ
び経済性に優れた陰極線管装置を実現することができ
る。
に、偏向パワーの浪費を抑えることができ、安全性およ
び経済性に優れた陰極線管装置を実現することができ
る。
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る陰極線管装置
の板状部材をネック側から見た図
の板状部材をネック側から見た図
【図2】本発明に係る陰極線管装置の部分断面図
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る陰極線管装置
の可飽和リアクタを動作させるための回路を示す図
の可飽和リアクタを動作させるための回路を示す図
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る陰極線管装置
の判別回路および各点での波形を示す図
の判別回路および各点での波形を示す図
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る陰極線管装置
のスイッチング回路を示す図
のスイッチング回路を示す図
【図6】本発明に係る陰極線管装置の領域分割した画面
および各領域での偏向電流とインダクタンスの変化を示
す図
および各領域での偏向電流とインダクタンスの変化を示
す図
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る陰極線管装置
を右側偏向する場合の磁気飽和により発生する磁界の方
向を示す図
を右側偏向する場合の磁気飽和により発生する磁界の方
向を示す図
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る陰極線管装置
の磁気飽和により発生する補正力を示す図
の磁気飽和により発生する補正力を示す図
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る陰極線管装置
の可飽和リアクタを動作させるための回路を示す図
の可飽和リアクタを動作させるための回路を示す図
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る陰極線管装
置の板状部材をネック側から見た図
置の板状部材をネック側から見た図
10 電子ビーム 11 偏向ヨーク装置 15 可飽和リアクタ 18、18’ コア 19、19’、20、20’ 水平用コイル 21、21’、22、22’、23、23’、24、2
4’ 垂直用コイル 38 磁界
4’ 垂直用コイル 38 磁界
Claims (8)
- 【請求項1】 陰極線管に偏向ヨーク装置と可飽和リア
クタとが装着され、前記可飽和リアクタから発生する補
正磁界を電子ビームに作用させて、縦線内部ピンクッシ
ョン歪みを補正することを特徴とする陰極線管装置。 - 【請求項2】 前記可飽和リアクタが、それぞれに水平
用コイルと垂直用コイルとが巻装された少なくとも一対
のコアにより構成されている請求項1記載の陰極線管装
置。 - 【請求項3】 前記水平用コイルが、前記偏向ヨーク装
置の水平偏向コイルに磁気的に結合されている請求項2
に記載の陰極線管装置。 - 【請求項4】 前記一対のコアが、前記偏向ヨーク装置
の電子銃側で管軸に関してほぼ対称な垂直方向の位置に
配置されている請求項2または3に記載の陰極線管装
置。 - 【請求項5】 偏向電流の正負を判別する判別回路と、
前記判別回路の出力によって切り替えを行うスイッチン
グ回路とを備えた請求項1〜4に記載の陰極線管装置。 - 【請求項6】 前記一対のコアの他に、さらに他の一対
のコアが、前記偏向ヨーク装置の電子銃側で管軸に関し
てほぼ対称な水平方向の位置に配置されている請求項4
に記載の陰極線管装置。 - 【請求項7】 前記コアの長手方向が、垂直方向と一致
している請求項2〜6に記載の陰極線管装置。 - 【請求項8】 前記コアが、Mn、Mg、Niの内少な
くとも一つを含有するZn系材料から生成されている請
求項2〜7に記載の陰極線管装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34508998A JP2000173507A (ja) | 1998-12-04 | 1998-12-04 | 陰極線管装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34508998A JP2000173507A (ja) | 1998-12-04 | 1998-12-04 | 陰極線管装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000173507A true JP2000173507A (ja) | 2000-06-23 |
Family
ID=18374219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34508998A Pending JP2000173507A (ja) | 1998-12-04 | 1998-12-04 | 陰極線管装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2000173507A (ja) |
-
1998
- 1998-12-04 JP JP34508998A patent/JP2000173507A/ja active Pending
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