JP2000171536A - フロッピーディスケット型メモリーカード入出力装置用磁気センサーおよびそれを持っている入出力装置 - Google Patents

フロッピーディスケット型メモリーカード入出力装置用磁気センサーおよびそれを持っている入出力装置

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JP2000171536A
JP2000171536A JP34273298A JP34273298A JP2000171536A JP 2000171536 A JP2000171536 A JP 2000171536A JP 34273298 A JP34273298 A JP 34273298A JP 34273298 A JP34273298 A JP 34273298A JP 2000171536 A JP2000171536 A JP 2000171536A
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magnetic
magnetic sensor
output device
thickness
memory card
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JP34273298A
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English (en)
Inventor
Fumio Nitanda
文雄 二反田
Shunsuke Arakawa
俊介 荒川
Tadashi Kotani
忠 小谷
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Hitachi Ferrite Electronics Ltd
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Hitachi Ferrite Electronics Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロッピーディスクドライブに挿入組み込む
ことのできるメモリーカード入出力装置の磁気センサー
は、透磁率の高い材料であるパーマロイが使用されてい
るが、200kHz以上では透磁率が低下する。そこで
200kHz〜1MHzの高周波数で出力の大きな磁気
センサーを得る。 【解決手段】 厚さ10〜100μmの金属軟磁性体薄
板、例えばアモルファス金属軟磁性体薄板を積層して2
0μm〜0.5mm厚にしたコアに入出力コイルを巻回
した磁気センサーは、高周波におけるインダクタンスが
大で、大きな出力が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、市販のフロッピー
ディスクドライブに挿入して使用することのできるメモ
リーカード入出力装置に関し、特にその装置にメモリー
カードを組み込み、その入出力をフロッピーディスクド
ライブを介して行なうことのできる磁気センサーに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】個人の健康診断結果などの情報をICカ
ードに蓄積しておき、そのICカードを持って医療機関
などを訪れたときに、ICカードに入っている情報を基
にして医療を行うことができ、また医療を施したときの
カルテの内容をICカードに保管することができる。ま
た、電子マネーとしてICカードを使うことも検討され
ている。すなわち、ICカードに使用する人の銀行口
座、暗証番号、必要により口座の残高を記憶させてお
き、お金を使うたびにICカードを経由して銀行口座と
の通信決済を行うというものである。
【0003】またデジタルカメラの撮像情報は比較的情
報量が多いので、容量の大きいフラッシュメモリーに保
管することが提案されている。フラッシュメモリーは数
メガバイトから10メガバイトの容量を持っているので
デジタルカメラの撮像情報をフラッシュメモリーに保管
しておき、そのフラッシュメモリーをパソコンに接続す
ることによって、パソコンで処理を行うことができ、そ
の結果をフラッシュメモリーに蓄積することでMOのよ
うな追加の外部記憶装置を必要としないというものであ
る。
【0004】これらのICカードにしてもフラッシュメ
モリーにしても、それらの入出力装置として独自の機器
が必要であり、この必要性のために普及が妨げられてい
る。コンピュータ、特に広く用いられているパソコンの
入出力装置としてはフロッピーディスクドライブ特に
3.5" フロッピーディスクドライブが一般に市販され
ている。3.5" フロッピーディスクドライブを用い
て、ICカードやフラッシュメモリーの入出力が行なえ
ると普及にはずみが付くものと考えられる。3.5" フ
ロッピーディスクドライブを用いてICカードやフラッ
シュメモリーなどメモリーカードの入出力を行うことも
考えられており、3.5" フロッピーディスクドライブ
に挿入組み込むことのできるフロッピーディスケット型
メモリーカード入出力装置が提案されている。
【0005】フロッピーディスケット型メモリーカード
入出力装置には、フロッピーディスクドライブに挿入し
て、フロッピーディスクドライブヘッドとの間で情報の
入出力を行うために磁気センサーが付いている。磁気セ
ンサーは高い感度を必要とする事から、そのコアとして
は、透磁率の高い材料であるパーマロイが用いられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし信号の周波数は
200kHz以上なので、パーマロイの透磁率μが低下
して、その出力が低くなり、入出力ができないあるい
は、誤動作を生じることがあった。
【0007】そこで本発明では、周波数が200kHz
〜1MHzで出力の大きなフロッピーディスケット型メ
モリーカード入出力装置用の磁気センサーを提供し、ま
たその様な磁気センサーを持ったメモリーカード入出力
装置を提供することを目的としている。
【0008】また、本発明では、金属薄板を積層したコ
アを持っており、その金属薄板を300℃以下の低い温
度で熱処理を施して大きな出力が得られた磁気センサー
を提供し、またその様な磁気センサーを持ったメモリー
カード入出力装置を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のフロッピーディ
スケット型メモリーカード入出力装置用磁気センサー
は、フロッピーディスクドライブの磁気ヘッドとの間で
電磁相互作用によって情報の入出力を行う磁気センサー
であって、金属軟磁性体薄板を積層した20μm〜0.
5mm厚のコアに入出力コイルを巻回したことを特徴と
する。好ましくは、この金属軟磁性体薄板はアモルファ
ス金属薄板である。
【0010】本発明のフロッピーディスケット型メモリ
ーカード入出力装置用磁気センサーは、200kHz〜
1MHzの周波数において、磁気センサーのインダクタ
ンスが400μH〜800μHであることが好ましい。
コアの厚みは、40μm〜0.1mmであることが好ま
しい。
【0011】使用しているアモルファス金属軟磁性体薄
板などの金属軟磁性体薄板の厚さが5〜100μmであ
り、これを積層することによって20μm〜0.5mm
厚、より好ましくは40μm〜0.1mm厚のコアとす
ることが高周波における特性を改善し、高出力でかつ波
形歪みの無い信号を得る事が出来る。
【0012】本発明のフロッピーディスケット型メモリ
ーカード入出力装置用磁気センサーに用いている金属軟
磁性体薄板は、アモルファスであることが好ましく、そ
れはCo系であることが好ましく、特に組成が一般式で
Coa b c (a, b, c:原子%)で示される材料(こ
こでMはFe,NiおよびMnから選ばれた少なくとも
1種の元素であり、XはSi,B,P,C,およびGe
から選ばれた少なくとも1種の元素で、Coの10原子
%以下をCr,Mo,W,V,Nb,Ta,Ti,Z
r,Hfから選ばれた少なくとも1種の元素で置換して
おり、a + b + c = 100,50 ≦ a≦ 80, b≦ 15 であ
る)であることが好適である。またこのアモルファス金
属軟磁性体薄板のキュリー温度は250℃以下であるこ
とが特に好ましい。
【0013】また本発明のフロッピーディスケット型メ
モリーカード入出力装置は、上記の磁気センサーを持っ
ていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら本発明を
詳細に説明する。図1は本発明に関するフロッピーディ
スケット型メモリーカード入出力装置の平面図で、図2
は本発明に関するフロッピーディスケット型メモリーカ
ード入出力装置用磁気センサーとフロッピーディスクド
ライブの磁気ヘッドとの関係を説明する斜視図で、図3
は本発明に関するフロッピーディスケット型メモリーカ
ード入出力装置用磁気センサーの測定回路図と信号波形
を示す図である。図4は本発明および比較例に使用して
いる金属軟磁性体薄板の熱処理条件を示す図で、図5は
図4に示した熱処理を施した金属軟磁性体薄板を用いて
作製した磁気センサーのインダクタンスの周波数特性を
示す図である。
【0015】本発明に関するフロッピーディスケット型
メモリーカード入出力装置1は、その平面図を図1に示
すような構造をしており、フロッピーディスクドライブ
に組み込まれたときにフロッピーディスクドライブの磁
気ヘッドとの間で情報の入出力が行なえるようになって
いる。ここでは最も広く用いられている3.5″フロッ
ピーディスクドライブに取り付けられる構造をしたディ
スケットを用いているが、それ以外のサイズあるいは構
造をしたディスケットについても応用できることは以下
の説明から明らかとなるであろう。ディスケットケース
の一端にフロッピーディスクドライブの磁気ヘッドが入
り込むための開口13があり、磁気センサーとの距離を
規定するための非磁性体のシートでカバーされている。
この開口13の内部には軟磁性体薄板からできた磁気セ
ンサー2が設けられており、磁気センサー2の磁気ギャ
ップがフロッピーディスクドライブの磁気ヘッドと対向
するようになっている。
【0016】入出力装置1には、ICカードあるいは磁
気カードなどのように磁気ストライプを持ったメモリー
カードを収納するためのスペース15があり、またメモ
リーカードとの間で情報をやり取りするためのカードコ
ンタクト端子16が設けられている。磁気センサー2と
カードコンタクト端子16との間で情報を処理するため
に必要によりCPU18が設けられている。CPU18
などの駆動のための電源として電池あるいは小型発電機
が入出力装置1内に設ける必要があるが、図ではこれら
を省略している。
【0017】磁気センサー2は、金属軟磁性体薄板を積
層した20μm〜0.5mm厚のコア21の一部に例え
ば0.5〜1mmのギャップ長を持った磁気ギャップ2
2が設けられており、コア21にはコイル23が100
〜200回巻かれて設けられている。磁気センサー2の
磁気ギャップ22がフロッピーディスクドライブの磁気
ヘッド31のギャップ32と小さな空隙、例えば0.1
4mmのプラスチックシートを介して対向するようにし
て、フロッピーディスクドライブの磁気ヘッド31と磁
気センサー2の間の電磁相互作用によって情報の入出力
を行うようになっている。フロッピーディスクドライブ
の磁気ヘッド31は広く用いられているものなので詳し
い構造やその働きについての説明は必要がないだろう。
【0018】磁気センサー2のコア21は厚さが5〜1
00μmの金属軟磁性体薄板を2枚以上積層して20μ
m〜0.5mm厚、好ましくは40μm〜0.1mmの
厚さにしている。金属軟磁性体薄板の間に接着剤例えば
エポキシ系接着剤を塗布することによって、薄板間の絶
縁と変形を防止しひいてはノイズの防止をしている。
【0019】本発明では、5〜100μm厚の金属軟磁
性体薄板を積層して用いているので、高周波帯域での表
皮効果を防止し、高周波磁界に対する磁束を大きくする
ことができる。すなわち、軟磁性体の高周波特性を十分
に利用できる。この意味でも薄板間の絶縁は有効であ
る。金属軟磁性体薄板の厚さは薄いほど高周波特性が良
くなるが、5μm未満になると薄板間の絶縁に使用して
いる接着剤層の体積比率が多くなるので、5μm以上が
好ましく、また100μmを超えると表皮効果が大きく
なって高周波特性が低下する。また金属軟磁性薄板とし
てFe, Co,Niなどの磁性を有する遷移金属とB,
C, P, Siなどのガラス形成物質とから成る非晶質合
金(アモルファス材)を用いれば、高周波特性はさらに
改善される。この理由は、パーマロイ等の一般の金属軟
磁性材料に比べてアモルファスは比抵抗が高く、薄板を
積層する効果と併せて高周波帯域での表皮効果を防止す
る作用がさらに強化されるためである。このうちCo系
アモルファス材はFe系アモルファスに比べて透磁率が
高く、また耐食性も良いので、高出力や高信頼性を要求
される本用途にはCo系が適している。アモルファス薄
板は一般に溶湯を片ロールで急冷して作成し、厚さが5
〜50μmとなるので、製造面から言ってこの厚さが良
い。
【0020】本発明では金属軟磁性体薄板を積層したコ
アの厚さは20μm〜0.5mmとしている。コア厚さ
を20μm未満とすると、コアの機械的強度が弱くなる
ために組立てや保持が困難となる。積層数が大であるほ
どコア厚も大になり、コア中を通る磁束量が多くなって
インダクタンスや出力を大きくすることができるが、コ
アの外周にコイルを取り付ける必要があるので、フロッ
ピーディスケット内に入れることのできる厚さという面
から、全体のコア厚は0.5mm以下に制限される。さ
らにノイズに比べて十分な大きさの信号出力を得るため
にはコア厚は40μm以上が望ましく、また磁気センサ
ーの共振周波数を信号の周波数帯域より十分に高く保つ
ためにはコア厚を0. 1mm以下にすることが望まし
い。
【0021】金属軟磁性体薄板としてはアモルファスの
ように高周波における透磁率の高い材料が好ましい。こ
の材料を組成の面から言うとCo系のアモルファス金属
軟磁性体である。これは一般式で Coa b c (a, b, c:原子%) で示される材料である。ここでMはFe,NiおよびM
nから選ばれた少なくとも1種の元素であり、XはS
i,B,P,C,およびGeから選ばれた少なくとも1
種の元素で、a + b + c = 100, 50 ≦ a≦ 80, b≦ 15
である。Mに含まれる元素は合金の磁歪やキュリー温度
などの磁気特性を調整する。Co系アモルファス金属は
小さい負の磁歪を持つので磁歪を正にする元素であるF
e,Ni,Mnを適当量入れて金属の磁歪を望ましい値
にする。Mnはキュリー温度を低下させるので、熱処理
温度を低くすることができるようになるが、過剰のMn
の添加は温度特性を悪くするので、10原子%以内とす
る。このことから、M元素の添加量は15原子%以下、
好ましくは4〜10原子%である。またXに含まれる元
素(半金属元素)はアモルファス化する効果を持つ。X
元素のうちB,Si,P,Cが実際的な元素であり、C
o系アモルファス金属の場合、B,Siが適したもので
ある。特にBとSiの複合添加でアモルファス形成能が
向上する。通常Siが6〜12原子%、Bが8〜14原
子%とが添加される。X元素が増えるほど結晶化温度は
上昇し、アモルファス相が形成しやすく安定になる。し
かし、合金の共晶(あるいは亜共晶)組成に近いように
選択される。望ましい磁気特性を有する均質な非晶質合
金を安定に得るために、上記の組成範囲が選ばれたもの
である。
【0022】また好ましくはこの一般式でCoの10原
子%以下をCr,Mo,W,Ti,Zr,Hf,V,N
b,Taから選ばれた少なくとも1種の元素で置換する
ことができる。さらに置換された元素の総量は全体の1
原子%以上であることがより好ましい。これは高透磁
率、低損失などの良好な磁気特性を維持しながら、材料
のキュリー温度をさらに下げることが可能となるためで
ある。しかし、置換量が10原子%を超えるとキュリー
温度を大きく下げて、温度特性を劣化し、また磁歪調整
の妨げとなる。特に好ましい範囲は2〜6原子%であ
る。
【0023】金属軟磁性体薄板がCo系アモルファスの
場合、上に述べた組成になるように母合金を配合し、こ
れを非酸化性雰囲気中で高周波溶解する。例えば、12
50℃の溶湯を溶解炉下部に開けたノズルから銅製ロー
ラー上に噴出して、106 K/sec程度の冷却速度で
固化して10〜25μm厚のアモルファス金属軟磁性体
薄板を得る。この金属軟磁性体薄板を磁気センサーの形
状になるようにフォトエッチング法、もしくはプレスに
より型抜きを行う。型抜きをした金属軟磁性体薄板を必
要によりキュリー温度以上で結晶化温度以下で熱処理を
行う。溶湯から急冷凝固した金属材料では、凝固時の歪
みを開放する必要から熱処理を施す。この熱処理によっ
て、歪みの開放と透磁率の改善をする。この熱処理温度
は高い方が、透磁率の改善などの為には良いがその熱処
理温度はキュリー温度以上で、材料の結晶化温度や脆化
温度以下とする必要がある。脆化温度は高い方が好まし
いが、材料の構造緩和なので、結晶化温度が高い方が脆
化温度も高く安定といえるが、必ずしも結晶化温度に比
例はしない。結晶化温度が高いほどアモルファス相が安
定である。一方、キュリー温度が低いほど、熱処理温度
を下げることができるが、低すぎると磁気特性の温度依
存性が悪くなる。この材料ではキュリー温度は150〜
300℃の範囲、好ましくは250℃以下にあるので、
熱処理をキュリー温度以上300℃以下で行うことによ
って磁気特性を向上することができる。
【0024】このようにして得た金属軟磁性体薄板に接
着剤を塗布して、2枚以上積層することで磁気センサー
コアが得られる。このコアに100〜200回コイルを
巻くが、この時に200kHz〜1MHzにおけるイン
ダクタンスが400〜800μHであることが好まし
い。これはインダクタンスが400μHより小さいと出
力が小さく、かつ出力波形が歪むなどの問題が生じ、ま
た800μHを超えると磁気センサーの共振周波数が動
作周波数帯域に近づいて出力が不安定になるためであ
る。
【0025】このようにして得た磁気センサー2の評価
回路図と信号波形を図3に示す。この図で4は評価回路
で、そのなかにフロッピーディスクドライブ3を持って
いる。フロッピーディスクドライブの磁気ヘッド31と
小さな空隙を介して磁気センサー2の磁気ギャップが対
向するように設置して、パルス発振回路41から同図の
にあるような矩形波パルスを出す。フロッピーディス
クドライブ3の記録ヘッドドライバ34から磁気ヘッド
31のコイル33に同図のにあるような電圧波形が与
えられる。磁気センサー2のコイル23には同図にあ
る出力が得られる。この図で左側は500kHzの入力
に対する応答を、右側は250kHzの入力に対する応
答を各々示している。この応答出力波形は急峻であり、
出力の大きさも1000mV以上である。この大きな出
力は、インダクタンスの値が400〜800μHと大き
な値を持っていることによることによるものである。
【0026】
【実施例】アモルファス金属軟磁性体薄板AとしてCo
70Mo0.3 (Fe,Mn)6 (Si,B)23.7(原子
%)の組成からなり、厚さ20μmのものを3層積層し
て60μmのコアとした。またアモルファス金属軟磁性
体薄板BとしてCo69Mo2. 5 (Fe,Mn)5 (S
i,B)23.5(原子%)の組成からなり、厚さ20μm
のものを3層積層して60μmのコアを得た。比較例と
してNi79Mo2 0.01Mn0.7 Bal.Fe(重量
%)の組成をしたパーマロイ薄板を用いその厚さ100
μmのものを1層でコアとした。アモルファス金属軟磁
性体薄板Aのキュリー温度は270℃、アモルファス金
属軟磁性体薄板Bのキュリー温度は200℃であった。
キュリー温度の違いは主としてCoを置換したMoの組
成比に起因したものである。他の非磁性元素で置換して
も同様にキュリー温度を下げることが出来るが、十分な
キュリー温度低減効果を得るためには全体の1原子%以
上になるまでCoを置換する事が必要である。
【0027】これらのコアを図4に示す熱処理条件で熱
処理をした後、コアのギャップを押し広げて175ター
ンの巻き線を施したボビンを挿入し、磁気センサーとし
た。パーマロイ薄板は1100℃で2時間保持をした後
900℃まで炉冷を行なった後、水素中急冷を施した。
パーマロイはこのように高い温度で熱処理を施す必要が
あるので材料の弾性が失われ、表1にあるようにボビン
挿入時にコアが屈曲する問題があった。アモルファスA
を図4の条件A〜Cで熱処理を施したものと、全く熱処
理を施さなかったものについてその特性を比較した。表
1にあるようにこの材料では全く熱処理を施さなかった
ものと、条件AおよびBすなわち150〜220℃程度
で熱処理をしたものは、靱性が大で接着強度も十分であ
るが、それらのインダクタンスは低かった。それに比し
て、アモルファスAでも、熱処理条件C(310℃で2
時間保持)のものは500kHzにおけるインダクタン
スが大きくなったが、材料が脆くなり、接着強度が劣化
した。このため磁気センサー組み立て工程において、積
層したアモルファス薄板が剥離したり、コアが破損しや
すくなる問題があった。
【0028】アモルファスBは、280℃以下の熱処理
である熱処理条件A、Bおよび熱処理を施さないもので
もインダクタンスが大きくなった。またこれらの熱処理
条件では靱性が大で接着強度も大であり、磁気センサー
組立工程において積層した薄板の剥離や破損などの問題
は生じなかった。さらにコアは十分な曲げ弾性を維持し
ており、巻き線を施したボビンをコアのギャップを押し
開いて挿入した後でも変形することなく、コアの平坦性
が損なわれる事は無かった。アモルファスBであって
も、熱処理条件C、Dでは靱性の低下と接着強度の低下
が生じたが、このような高温での熱処理を施さなくとも
また熱処理がなくとも良好な磁気特性が得られるのでこ
のような熱処理は必要としないものである。
【0029】
【表1】
【0030】このようにして得た各コアに175回のコ
イルを巻いた磁気センサーの500kHzにおける出力
を表1に合わせて示す。本発明による磁気センサーは出
力の大きいものであることがわかる。また出力は、信号
の周波数と同じ500kHzにおけるインダクタンスに
ほぼ比例していた。
【0031】また、各コアのインダクタンスの周波数特
性を図5に示している。なお図5のアモルファスAは熱
処理条件C、アモルファスBは熱処理条件B、パーマロ
イは熱処理条件Eによるものである。この図から明らか
なように、パーマロイは低周波数では大きなインダクタ
ンスを持つが200kHz以上では急激に低下してい
る。アモルファスはA,Bともに100kHz以上にな
っても大きなインダクタンスを持ち、200kHz〜1
MHzで400〜800μHの範囲にある。この高周波
帯域におけるインダクタンスの高さが、大きい出力の得
られる原因である。またアモルファスでは周波数に対す
るインダクタンスの変化率も小さく、周波数帯域の広い
信号に対して均等な出力が要求される本用途に適したも
のである。これは主として材料自体の持つ特性に起因す
るが、本発明にあるように薄板を積層することにより高
周波領域での渦電流損が緩和された効果も加味されてい
る。ただ上に述べたようにアモルファスAは同じ磁気特
性を実現する上でアモルファスBに比して高い熱処理温
度を必要とし、このため靭性や接着強度が劣化する問題
がある。したがって本用途に対しては、アモルファスB
の方がより適している。
【0032】
【発明の効果】本発明の、10〜100μm厚の金属軟
磁性体薄板、例えばアモルファス金属軟磁性体薄板を積
層して20μm〜0.5mm厚にしたコアに入出力コイ
ルを巻回したフロッピーディスケット型メモリーカード
入出力装置用磁気センサーは、200kHz〜1MHz
の周波数におけるインダクタンスが大で、大きな出力が
得られる。そこでこの磁気センサーをメモリーカード入
出力装置に用いると誤動作のないものとなる。また、コ
アに用いている材質は熱処理温度が280℃以下と低い
ものあるいは熱処理の必要のないものなので、熱処理に
よるコア材の脆化や変形がなく、積層を必要とするコア
材として適したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関するフロッピーディスケット型メモ
リーカード入出力装置の平面図である。
【図2】本発明に関するフロッピーディスケット型メモ
リーカード入出力装置用磁気センサーとフロッピーディ
スクドライブの磁気ヘッドとの説明斜視図である。
【図3】本発明に関するフロッピーディスケット型メモ
リーカード入出力装置用磁気センサーの測定回路図と信
号波形を示す図である。
【図4】本発明に使用している金属軟磁性体薄板の熱処
理条件を示す図である。
【図5】本発明に使用している金属軟磁性体薄板のイン
ダクタンスの周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1 フロッピーディスケット型メモリーカード入出
力装置 13 開口 15 スペース 16 カードコンタクト端子 18 CPU 2 磁気センサー 21 コア 22 磁気ギャップ 23 コイル 3 フロッピーディスクドライブ 31 磁気ヘッド 32 ギャップ 33 コイル 34 記録ヘッドドライバ 4 評価回路 41 パルス発振回路
フロントページの続き (72)発明者 荒川 俊介 島根県安来市安来町2107番地2 日立金属 株式会社冶金研究所内 (72)発明者 小谷 忠 鳥取県鳥取市南栄町26番地1 日立フェラ イト電子株式会社内 Fターム(参考) 2G017 AD04 AD05 AD51 AD63 AD65

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロッピーディスクドライブの磁気ヘッ
    ドとの間で電磁相互作用によって情報の入出力を行う磁
    気センサーであって、アモルファス金属軟磁性体薄板を
    積層した20μm〜0.5mm厚のコアに入出力コイル
    を巻回したことを特徴とするフロッピーディスケット型
    メモリーカード入出力装置用磁気センサー。
  2. 【請求項2】 200kHz〜1MHzの周波数におい
    て、磁気センサーのインダクタンスが400μH〜80
    0μHであることを特徴とする請求項1記載のフロッピ
    ーディスケット型メモリーカード入出力装置用磁気セン
    サー。
  3. 【請求項3】 コアの厚みが40μm〜0.1mmであ
    ることを特徴とする請求項1あるいは2記載のフロッピ
    ーディスケット型メモリーカード入出力装置用磁気セン
    サー。
  4. 【請求項4】 5〜100μm厚の金属軟磁性体薄板を
    積層した20μm〜0.5mm厚のコアに入出力コイル
    を巻回したことを特徴とするフロッピーディスケット型
    メモリーカード入出力装置用磁気センサー。
  5. 【請求項5】 コアの厚みが40μm〜0.1mmであ
    ることを特徴とする請求項4記載のフロッピーディスケ
    ット型メモリーカード入出力装置用磁気センサー。
  6. 【請求項6】 アモルファス金属薄板が一般式で Coa b c (a, b, c:原子%) (ここでMはFe,NiおよびMnから選ばれた少なく
    とも1種の元素であり、XはSi,B,P,C,および
    Geから選ばれた少なくとも1種の元素で、Coの10
    原子%以下をCr,Mo,W,V,Nb,Ta,Ti,
    Zr,Hfから選ばれた少なくとも1種の元素で置換し
    ており、a + b + c = 100, 50 ≦ a≦ 80,b≦ 15 であ
    る。)で示されるCo系であることを特徴とする請求項
    1〜3いずれか記載のフロッピーディスケット型メモリ
    ーカード入出力装置用磁気センサー。
  7. 【請求項7】 アモルファス金属薄板のキュリー温度が
    250℃以下であることを特徴とする請求項6記載のフ
    ロッピーディスケット型メモリーカード入出力装置用磁
    気センサー。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7いずれか記載の磁気センサ
    ーを持っていることを特徴とするフロッピーディスケッ
    ト型メモリーカード入出力装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004039757A (ja) * 2002-07-01 2004-02-05 Sony Corp 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置
JP2008283173A (ja) * 2008-04-07 2008-11-20 Sony Corp 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置

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