JP2000170478A - トンネル切羽前方探査方法 - Google Patents

トンネル切羽前方探査方法

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JP2000170478A
JP2000170478A JP36197498A JP36197498A JP2000170478A JP 2000170478 A JP2000170478 A JP 2000170478A JP 36197498 A JP36197498 A JP 36197498A JP 36197498 A JP36197498 A JP 36197498A JP 2000170478 A JP2000170478 A JP 2000170478A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地山を掘削してトンネル等の空間を形成する
際に切羽前方十m〜数十mの中間的探査距離を迅速に調
査する方法を提供すること。 【解決手段】 TBM100の掘削振動により切羽前方
に生じる反射波RWを加速度計RCV−C、RCV−
F、RCV−M、RCV−Bにより検出して切羽前方に
おける弾性波速度を演算して切羽前方の地山の硬堅、軟
弱を判別する。また、先進ボーリング掘削時にロータリ
ー・パーカッションドリル200から発生する振動によ
り生じた弾性波500を地山210に設けた加速度計2
22により受振して収録し、収録した振動データとロー
タリー・パーカッションドリル200の打撃タイミング
データとから切羽前方の地山における弾性波速度を計算
し、切羽前方の地質状況を判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地山にトンネル等
を掘削形成する場合において、掘削面である切羽の前方
の未掘削地層の地質状況を探査するためのトンネル切羽
前方探査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、地山を掘削してトンネル等の空
間を形成する工事を行う場合、トンネル切羽の前方地質
状況を調査することにより地山の各部の弾性波速度を推
定し、推定された弾性波速度を基準に地山の岩盤等級を
区分して、各岩盤等級ごとにトンネルの掘削や支保の対
処方法を検討することが行われている。このような調査
を行うことによりトンネルの掘削や支保を安全に且つ効
率良く施工することができる。
【0003】掘削しようとする地山の弾性波速度分布を
推定する方法としては、従来から、ボーリング孔を利用
して地山の弾性波速度を計測する弾性波速度検層方法が
広く用いられている。この方法は、火薬等を用いて地山
に人工的に振動を生じさせることにより弾性波(地震
波)を発生させ、その弾性波を所定の測定点において計
測することにより地山の弾性波速度分布を推定する方法
である。その代表的な方法として、ボーリング孔口近傍
で振動を発生させボーリング孔内に複数設置した振動計
により弾性波を測定する方法、ボーリング孔内において
複数回の振動を発生させボーリング孔口近傍に設置した
振動計により測定する方法などが公知である。
【0004】ところで、近年、トンネルの大断面掘削や
高速掘削の要求が高まるにつれ、トンネルを施工する場
合、円筒状の前胴前部にカッタヘッドを回転自在に設
け、該カッタヘッドに地盤を破壊するディスクカッタを
多数取り付けて成るトンネルボーリングマシン(以下、
TBMと略称する)を用いた機械化施工が多くなってき
ているが、TBMを用いたトンネル施工時には、TBM
の水没や軟弱層におけるトラップを避けるために掘削事
前の地質情報が必須であり、切羽前方探査の重要性が非
常に増大している。掘削事前の地質情報としては、地表
踏査や物理探査(電気探査、地震探査など)のデータが
ある。また、現在、切羽前方の地質を予測する方法とし
て、TSP法(地震反射法)やHSP法、あるいは電磁
波反射法を用いた数mの切羽近傍探査法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】TBMを用いてトンネ
ルを掘削する場合には、施工時に切羽前方の地質をリア
ルタイムで知る方法が必須となる上、TBMの掘削速度
が速い場合は切羽前方十m〜数十mの中間的探査距離を
迅速に調査することが重要となる。しかし、掘削事前の
地質情報は概査程度と考えられ、TBMのトラップ層を
捉えられない場合が多い。
【0006】TSP法(地震反射法)は切羽前方100
〜150mを調査する調査法であるが、切羽を止める必
要があり、電磁波反射法は切羽近傍探査であるため、探
査深度が数m〜十数mと短いという問題点を有してい
る。
【0007】また、前述の弾性波速度検層方法のうち、
前者の方法では、複数個の振動計をボーリング孔内に設
置しなければならないため、その作業は煩雑であり、か
つ探査に非常に時間がかかっていた。さらに、上記振動
計は非常に高価であるが、孔内崩れなどで回収が困難に
なるトラブルも多く発生していた。また、後者の方法で
は、ボーリング孔の先端部より順次火薬震源を挿入する
ためのロッドを出し入れする必要があり、測定に時間が
かかっていた。また、いずれにしても、爆薬を使用する
場合が多く、手続きや取扱いで制限を受ける。
【0008】このように、TBMの掘削速度が速い場合
は、切羽前方十m〜数十mの中間的探査距離を迅速に調
査することが重要となるにも拘らず、このような調査方
法は未だ開発されていないのが現状である。
【0009】本発明の目的は、従来技術における上述の
問題点を解決することができるトンネル切羽前方探査方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明によれば、TBMで地山を掘削
してトンネル等の空間を形成する際に切羽前方の地質状
況を探査するためのトンネル切羽前方探査方法であっ
て、前記TBMが地山を掘削することにより生じる掘削
振動で切羽前方に生じる弾性波を受振手段により検出し
て前記切羽前方における弾性波速度を演算し、、演算さ
れた弾性波速度から前記切羽前方の地山の硬堅、軟弱を
判別するようにしたトンネル切羽前方探査方法が提案さ
れる。
【0011】掘削振動により生じた弾性波は地山内を球
面状に伝播して切羽前方の弾性波反射面または何等かの
反射体により反射されるか、或いは回り込んでTBMに
戻ってくる。このTBMに戻ってきた弾性波を受振手段
で収録して弾性波速度を演算し、弾性波速度が速い場合
は地山は硬堅、遅い場合は地山は軟弱と判断することが
できる。TBMの掘削動作により生じる掘削振動を利用
するので、特に弾性波発生装置を必要としないという利
点がある。
【0012】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
において、前記TBMに複数の加速度計を受振手段とし
て設置し、該加速度計で収録した各弾性波の到着時刻差
から弾性波速度を演算する構成が提案される。計測精度
を向上させるには、加速度計をTBMの両側に設置する
のが好ましい。
【0013】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
において、前記加速度計によって収録された少なくとも
2つの収録データに対してSWDの解析方法を適用し、
前記地山の弾性波速度を演算する構成が提案される。
【0014】請求項4の発明によれば、請求項2又は3
の発明において、前記加速度計が少なくとも前記TBM
の面盤とメイン・グリッパとに取り付けられており、前
記TBMの面盤とメイン・グリッパとに取り付けれてい
る加速度計により収録されたデータを用いて前記地山の
弾性波速度を演算する構成が提案される。
【0015】請求項5の発明によれば、地山にトンネル
等の空間を掘削形成する際に切羽前方の地質状況を探査
するためのトンネル切羽前方探査方法であって、先進ボ
ーリング掘削時に掘削用ドリルのビットから発生する振
動により地山に生じた弾性波を地山に設けた受振手段に
より受振して収録し、収録した振動データと前記掘削用
ドリルの打撃タイミングを示すタイミングデータとから
切羽前方の地山における弾性波速度を計算し、前記切羽
前方の地質状況を判別するようにしたトンネル切羽前方
探査方法が提案される。
【0016】請求項6の発明によれば、請求項5の発明
において、前記振動データと前記タイミングデータとを
ミニソシー解析法を用いて波形データ処理し、前記地山
における弾性波速度を計算するようにした方法が提案さ
れる。
【0017】請求項7の発明によれば、地山にトンネル
等の空間を掘削形成する際に切羽前方の地質状況を探査
するためのトンネル切羽前方探査方法であって、先進ボ
ーリング掘削時に掘削用ドリルのビットから一定周期で
振動を発生させ、該振動により地山に生じた弾性波を地
山に設けた受振手段により受振して収録し、収録した振
動データから切羽前方の地山における弾性波速度を計算
し、前記切羽前方の地質状況を判別するようにしたトン
ネル切羽前方探査方法が提案される。
【0018】請求項8の発明によれば、請求項7の発明
において、前記振動データの自己または相互相関関数を
求めることにより弾性波の直接波を抽出し、前記直接波
の到達時刻より弾性波速度を計算するようにした方法が
提案される。
【0019】非火薬震源として、先進ボーリング掘削時
のドリルビットによる振動を用いるので、手続きや取扱
いで制限を受けることがなく、地山の弾性波速度を簡易
的に且つ迅速に測定することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0021】図1には、地山を掘削してトンネル等の空
間を形成する際に本発明の方法により切羽前方の地質状
況を探査することができるようにしたTBM100が示
されている。TBM100の掘削動作時に生じる掘削振
動に因って切羽前方に生じる弾性波をTBM100にお
いて検出するため、TBM100の面盤101の近傍、
メイン・グリッパ102及び後続台車103には、加速
度計RCV−C、RCV−F、RCV−M、RCV−B
がそれぞれ図示の如く配設されている。なお、図1はT
BM100の掘削時の状況を示しているのでメイン・グ
リッパ102は反力を取るため、拡大されている。
【0022】図2には、TBM100を用いて地山11
0を掘削した場合にTBM100の面盤101に取り付
けられたカッター101Aによる掘削振動が地山110
内を球面状に伝播し、前方の弾性波反射面104によっ
て球面状に伝播していった掘削振動が弾性波反射面10
4で反射して戻ってくる様子が示されている。
【0023】この掘削振動の反射波RWのデータを収録
するため、TBM100に配設された加速度計RCV−
C、RCV−F、RCV−M、RCV−Bが用いられ
る。なお、地山110内に弾性波反射面104の如き何
等かの反射体がない場合でも、TBM100の動作によ
って生じる掘削振動は回り込んでTBM100に到達す
るので、加速度計RCV−F、RCV−M、RCV−B
でこれらの振動を収録することができる。
【0024】このようにして収録された反射波RW又は
回り込み振動のデータを、加速度計RCV−C、RCV
−F、RCV−M、RCV−Bからの出力を受け取って
いるコンピュータシステムによって解析処理し、TBM
100の前方の地山110における弾性波速度を演算す
る。この弾性波速度の演算は、加速度計RCV−C、R
CV−F、RCV−M、RCV−Bのうちの少なくとも
2つによって収録されたデータに基づいて実行すること
ができる。
【0025】解析方法は、主として、石油業界で研究が
進んでいるSWD(SeismicWhile Dri
lling)の解析方法が使用可能である。SWDの解
析法では、フィルタリング、デコンボルーション、マイ
グレーション等の一連の波動信号処理を行うが、本発明
の解析方法はこれに準じた解析法となる。
【0026】また、3成分地震計を用いるため、波動X
成分Y成分、Y成分Z成分及びX成分Z成分を直交軸に
プロットすることで波動入射角度を推定することができ
る。このことにより、トンネル前方からの反射波動であ
るかが判断可能となる。
【0027】次に、図2を用いて最も簡単な地山弾性波
速度の推定法につき説明する。図2は、TBM100の
掘削振動が地山110内を伝播し、弾性波反射面104
で反射して戻ってきた反射波RWのデータが各加速度計
RCV−C、RCV−F、RCV−M、RCV−Bで収
録される場合を示す図である。
【0028】加速度計RCV−C、RCV−F、RCV
−M、RCV−Bで収録したデータに相互相関関数を用
いるなどして、ある1つのイベント(位相)を抽出し、
その到達時刻を、それぞれ、t0、t1、t2、t3と
すると、例えば、RCV−C及びRCV−Mの設置間隔
L1から、地山弾性波速度VpをVp=L1/(t2−
t0)、また、RCV−F及びRCV−Bの設置間隔L
2からVp=L2/(t3−t1)などと推定可能であ
る。
【0029】このようにして演算された弾性波速度から
弾性波速度が速い場合は地山は硬堅、弾性波速度が遅い
場合は地山は軟弱と判断することができる。
【0030】このように、TBM100に加速度計RC
V−C、RCV−F、RCV−M、RCV−Bを設置
し、TBM100の掘削動作により生じる振動を利用す
る構成であるから、特に弾性波発生装置を必要としな
い。また切羽を止めなくても切羽前方十m〜数十mの中
間的探査距離を迅速に調査することができるので、TB
M100の掘削進度が速くても切羽前方の地質状況を事
前に詳細に知ることができる。
【0031】本実施の形態では、加速度計RCV−C、
RCV−F、RCV−M、RCV−BをTBM100の
一側面に設置した例を示しているが、加速度計をTBM
100の両側に設置することも勿論可能である。加速度
計をTBM100の両側に設置すれば、さらに精度を向
上させることができる。すなわち、反射面がトンネル軸
方向に対して右前から左奥の方向に横断する場合、加速
度計をTBMの右側に設置すると、反射面が同じ側にあ
るので伝播経路は単純で、良好な結果を得ることができ
るが、加速度計をTBMの左側に設置すると、TBMを
回避した伝播経路となり、不良な結果となる場合が多
い。このように、TBMの両側で弾性波速度分布が違う
ことが想定できるため、加速度計をTBM100の両側
に設置すれば、さらに精度を向上させることができる。
【0032】上記では、加速度計で収録したデータを用
いて地山弾性波速度を得るための解析法の一例を図2を
参照して説明した。しかし、加速度計で収録したデータ
を用いて地山弾性波速度を得るための解析法は、上記説
明のものに限定されるものではなく、例えば、SWD法
を用いることも可能である。周知のように、SWD法そ
れ自体は石油探査業界では通常行われている方法で、深
度3000m以上をロータリードリルで掘削する際に、
地表で振動計測を行い、フィルタリング、デコンボルー
ション、マイグレーション等の信号処理を行う方法であ
る。主として、地表の振動計と地表のリグに設置した振
動計から得られた2つの振動波形に対して相互相関関数
を計算することで、地中伝播時間を求め、弾性波速度を
推定する方法である。
【0033】図3には、地山にトンネル等の空間を掘削
形成する際に切羽前方の地質状況を探査するため、先進
ボーリング掘削時に掘削用ドリルのビットから発生する
振動により地山に生じた弾性波を利用するようにした場
合の、本発明の実施の形態の一例が示されている。
【0034】図3において、200は、地山210にお
いて先進ボーリング掘削を行うために用いるロータリー
・パーカッションドリルであり、スイベル201、ドリ
ル・パイプ202、ドリル・ビット203を備えて成っ
ている。
【0035】ロータリー・パーカッションドリル200
を用いて地山210に先進ボーリングを掘削する際に、
ロータリー・パーカッションドリル200のドリル・ビ
ット203から発生する振動のデータが地山210に設
けた受振手段である加速度計222により受振されて収
録され、収録された振動データとロータリー・パーカッ
ションドリル200の打撃タイミングを示すタイミング
データとから切羽前方の地山における弾性波速度が計算
される。この計算結果から切羽前方の地質状況が判別さ
れる。ロータリー・パーカッションドリル200のスイ
ベル201及び地山210にはそれぞれ加速度計22
1、222が設けられている。300は、加速度計22
1、222からのデータを処理するためのA/D変換カ
ード301及びパソコン302を含む処理ユニットであ
る。
【0036】以下、図3を参照しながら、先進ボーリン
グを用いた弾性波速度測定方法について説明する。図3
に示したロータリー・パーカッションドリル200を用
いる測定でも弾性波の到達時刻の測定が重要であり、ロ
ータリー・パーカッションドリル200の打撃時刻を発
振時とし、加速度計221、222により上述のように
して収録したデータからその前方における地山210で
の弾性波速度を推定する。
【0037】ロータリー・パーカッションドリル200
の打撃間隔が一定している場合は、スイベル201に設
置した加速度計221と切羽面に設置した加速度計22
2により収録したデータとの相互相関により切羽面前方
の地山210の弾性波速度を推定する。
【0038】先ず、ドリル・ビット203からスイベル
201に設置した加速度計221までのドリル・パイプ
202内を伝播する弾性波400の伝播時間を計測す
る。
【0039】次に、1つの打撃時刻があって、その打撃
により発生した振動が、ドリル・ビット203まで伝播
し、弾性波500として地山210を伝播時間tで伝播
する。その伝播速度Vpは、ロータリー・パーカッショ
ンドリル200と切羽面に設置した加速度計222との
距離X、ドリル・パイプ202の長さLとすると、Vp
=(X2 +L2 1/2 /tで得られる。すなわち、ドリ
ル・ビット203の先端から切羽面までの長さがLであ
り、ドリル・パイプ202の切羽面の位置から加速度計
222の位置までの距離がXであれば、ドリル・ビット
203の先端から加速度計222の位置までの距離は
(X2 +L2 1/2 になり、これが弾性波500が伝播
した距離である。したがって、ドリル・ビット203の
先端から加速度計222の位置まで弾性波500が伝播
した時間がtと分かれば、伝播速度Vpを計算すること
ができる。例えば、L=400cm、X=300cmと
すると、伝播距離は500cmであり、伝播時間が2m
secの場合、弾性波速度はVp=2.5km/sec
となる。
【0040】この構成によれば、先進ボーリング掘削時
のロータリー・パーカッションドリル200のドリル・
ビット203による振動を用いるので、火薬等を用いる
必要がない。したがって手続きや取扱いに制限を受ける
ことがなくなる上、ボーリング孔の先端部から順次火薬
震源を挿入するためのロッドを出し入れする必要もない
ので、作業が容易になり、測定のための時間を大幅に短
縮することができる。
【0041】以上、ロータリー・パーカッションドリル
200の打撃間隔が一定している場合における弾性波速
度の推定方法について説明したが、ロータリー・パーカ
ッションドリル200の打撃間隔が可変であっても、図
3に示す測定系を用いて地山210における弾性波速度
を推定することができる。打撃間隔が可変の場合は、加
速度計221、222により収録された地山210を伝
播する弾性波のデータとロータリー・パーカッションド
リル200の打撃タイミングを示すタイミングデータと
をミニソシー解析法により波形データ処理することによ
り地山210における弾性波速度を推定することができ
る。
【0042】ミニソシーとは、土木工事で用いられるラ
ンマーを震源として用い、記録時間よりも短い間隔で連
続発振して記録をとる探査方式である。ランマーのエン
ジンの回転数の上下により制御される発振間隔はランダ
ムであることが要求される。
【0043】以下、図4を参照してミニソシーデータの
処理原理につき説明する。
【0044】図4(a)に示すようにパルスをランダム
な時間間隔で発生させる。そこで、(b)のような反射
面があると、震源の各パルスからの反射波が返り、
(c)に示す現場地震記録が得られる。例えば、40秒
間にわたってn個のパルス列を発生させ、5秒間の記録
をとるとすれば、現場地震記録は45秒間記録する。ま
た、レファレンストレース上のパルスの発生間隔をt
1、t2、・・・、tnとする。この場合におけるミニ
ソシーの処理手順は以下の通りである。 (1)現場地震記録(c)をウィンドー長が5秒のn個
のセグメントに分割する。 (2)セグメントをtn−t1、tn−t2、・・・、
0だけ時間シフトしてメモリー上に貯える。 (3)図4の(d)〜(f)のような各セグメントをた
し合わせることにより、パルス波震源の場合と同じよう
な記録が得られる(図4の(g))。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、上述の如く、TBMの
掘削動作により生じる掘削振動を利用し、地山内を球面
状に伝播して切羽前方の弾性波反射面または何等かの反
射体により反射されるか、或いは回り込んでTBMに戻
ってきた弾性波を受振手段で収録して弾性波速度を演算
し、弾性波速度が速い場合は地山は硬堅、遅い場合は地
山は軟弱と判断するようにしたので、切羽を止めなくて
も切羽前方十m〜数十mの中間的探査距離を迅速に調査
することができるので、TBMの掘削進度が速くても切
羽前方の地質状況を事前に詳細に知ることができる。ま
た、特に弾性波発生装置を必要としないという利点も得
られる。
【0046】また、先進ボーリング掘削時に掘削用ドリ
ルのビットから発生する振動により地山に生じた弾性波
を地山に設けた受振手段により受振して収録し、収録し
た振動データと前記掘削用ドリルの打撃タイミングを示
すタイミングデータとから切羽前方の地山における弾性
波速度を計算し、前記切羽前方の地質状況を判別するよ
うにした方法によれば、非火薬震源として、先進ボーリ
ング掘削時のドリルビットによる振動を用いるので、手
続きや取扱いで制限を受けることがなく、地山の弾性波
速度を簡易的に且つ迅速に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により切羽前方の地質状況を探査
することができるようにしたTBMの実施の形態の一例
を示す図。
【図2】図1に示したTBMを用いて切羽前方の地質状
況を探査する方法を説明するための図。
【図3】先進ボーリング掘削時における本発明の方法の
実施の形態の一例を示す図。
【図4】ミニソシーデータの処理原理を説明するための
説明図。
【符号の説明】
100 TBM 101 面盤 101A カッター 102 メイン・グリッパ 103 後続台車 104 弾性波反射面 110、210 地山 200 ロータリー・パーカッションドリル 201 スイベル 202 ドリル・パイプ 203 ドリル・ビット 221、222 加速度計 300 処理ユニット 301 A/D変換カード 302 パソコン 400、500 弾性波 RCV−C、RCV−F、RCV−M、RCV−B 加
速度計 RW 反射波

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネルボーリングマシンで地山を掘削
    してトンネル等の空間を形成する際に切羽前方の地質状
    況を探査するためのトンネル切羽前方探査方法であっ
    て、 前記トンネルボーリングマシンが地山を掘削することに
    より生じる掘削振動で切羽前方に生じる弾性波を受振手
    段により検出して前記切羽前方における弾性波速度を演
    算し、演算された弾性波速度から前記切羽前方の地山の
    硬堅、軟弱を判別するようにしたことを特徴とするトン
    ネル切羽前方探査方法。
  2. 【請求項2】 前記トンネルボーリングマシンに複数の
    加速度計を受振手段として設置し、該加速度計で収録し
    た各弾性波の到着時刻差から弾性波速度を演算する請求
    項1記載のトンネル切羽前方探査方法。
  3. 【請求項3】 前記加速度計によって収録された少なく
    とも2つの収録データに対してSWDの解析方法を適用
    し、前記地山の弾性波速度を演算する請求項1記載のト
    ンネル切羽前方探査方法。
  4. 【請求項4】 前記加速度計が少なくとも前記トンネル
    ボーリングマシンの面盤とメイン・グリッパとに取り付
    けられており、前記トンネルボーリングマシンの面盤と
    メイン・グリッパとに取り付けれている加速度計により
    収録されたデータを用いて前記地山の弾性波速度を演算
    する請求項2又は3記載のトンネル切羽前方探査方法。
  5. 【請求項5】 地山にトンネル等の空間を掘削形成する
    際に切羽前方の地質状況を探査するためのトンネル切羽
    前方探査方法であって、先進ボーリング掘削時に掘削用
    ドリルのビットから発生する振動により地山に生じた弾
    性波を地山に設けた受振手段により受振して収録し、収
    録した振動データと前記掘削用ドリルの打撃タイミング
    を示すタイミングデータとから切羽前方の地山における
    弾性波速度を計算し、前記切羽前方の地質状況を判別す
    るようにしたことを特徴とするトンネル切羽前方探査方
    法。
  6. 【請求項6】 前記振動データと前記タイミングデータ
    とをミニソシー解析法を用いて波形データ処理し、前記
    地山における弾性波速度を計算するようにした請求項5
    記載のトンネル切羽前方探査方法。
  7. 【請求項7】 地山にトンネル等の空間を掘削形成する
    際に切羽前方の地質状況を探査するためのトンネル切羽
    前方探査方法であって、先進ボーリング掘削時に掘削用
    ドリルのビットから一定周期で振動を発生させ、該振動
    により地山に生じた弾性波を地山に設けた受振手段によ
    り受振して収録し、収録した振動データから切羽前方の
    地山における弾性波速度を計算し、前記切羽前方の地質
    状況を判別するようにしたことを特徴とするトンネル切
    羽前方探査方法。
  8. 【請求項8】 前記振動データの自己または相互相関関
    数を求めることにより弾性波の直接波を抽出し、前記直
    接波の到達時刻より弾性波速度を計算するようにした請
    求項7記載のトンネル切羽前方探査方法。
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