JP2019045366A - 地質探査方法及び地質探査システム - Google Patents

地質探査方法及び地質探査システム Download PDF

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Abstract

【課題】トンネルの上方の地山状況を精度よく把握することができる地質探査方法及び地質探査システムを提供する。【解決手段】地山10のトンネル坑内15に、震源装置21及び坑内受振器25を設け、地山10の地表面10aに、地表受振器26を設ける。震源装置21からの発破振動を、地表受振器26に及び坑内受振器25において受振する。解析装置の制御部は、トンネル坑内15と地山10の地表面10aとの間において伝搬した弾性波の透過波の第1実測伝搬時間を取得する。制御部は、トンネル坑内15に設置した震源装置21から坑内受振器25に伝搬した弾性波の屈折波の第2実測伝搬時間を取得する。制御部は、第1実測伝搬時間及び第2実測伝搬時間を用いたトモグラフィ解析により、トンネル坑内15を構築した地山状況を探査する。【選択図】図1

Description

本発明は、トンネル等の地下空間を構築する地山の地質状況を探査する地質探査方法及び地質探査システムに関する。
トンネル掘削のために、切羽前方の地質状況を予測することがある(例えば、非特許文献1参照。)。この非特許文献1には、切羽付近で発生させた弾性波を地表面の受振点で観測し、トモグラフィ解析を行なうトンネルトモグラフィ探査システムが記載されている。
図6に示すように、掘削するトンネル坑内50の上方に帯水層61が存在し、前方に断層帯62が存在している場合を想定する。このような地山において、トンネル坑内50の前方の断層帯62を掘削すると、帯水層61の水が断層帯62を介してトンネル内に浸水する可能性がある。そこで、トンネルの前方だけでなく、トンネルの上方の地山状況を把握することが重要である。
地山状況を探査する方法として、弾性波トモグラフィ技術を屈折法弾性波探査に応用した技術が知られている(例えば、非特許文献2参照。)。
また、弾性波トモグラフィ解析を用いて、トンネルを掘削する予定路線の上方の地質状況を推定する技術も検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この文献に記載の地質探査法においては、トンネル掘削予定路線上の地表面に複数の受振器を設置する。そして、トンネル掘削に用いる発破により発生する弾性波を、地表面に設置した受振器にて逐次、計測する。
弾性波トモグラフィ探査方法においては、複数の速度構造モデル候補を仮定し、各速度構造モデル候補と経路長とを用いて理論上の伝搬時間(理論伝搬時間)を算出する(例えば、非特許文献3参照。)。ここでは、実測された伝搬時間との残差が少ない理論伝搬時間の速度構造モデル候補を、その地山の地質状況として特定する。
この各速度構造モデル候補においては、各層の速度は深部ほど大きいと仮定される(例えば、非特許文献4参照。)。
図7に示すように、この速度構造モデル候補においては、地表から地下深部に行くにつれて、相対的に速度の遅い層(低速度層)が存在しない地山において、地表で起震し、受振する場合を想定する。この場合、屈曲波は深い界面での伝播速度が速くなる。そして、起震源から、各層の界面で屈折した弾性波(屈曲波)が、順次、地表受振器に到達する。
特開平7−259472号公報
鹿島建設株式会社、「山岳トンネル技術 前方探査 トンネルトモグラフィ トンネル切羽前方の広域な地質状況をトモグラフィ手法により高精度に評価」、[online]、[平成29年7月13日検索]、インターネット、<URL:http://www.kajima.co.jp/tech/c_mountain_tunnel/fore_inv/index.html> 杉田 裕・真田 祐幸・相澤 隆生・伊東 俊一郎、「簡易型弾性波トモグラフィ調査システムの開発」、地層処分研究開発部門 幌延深地層研究ユニット[online]、[平成29年7月13日検索]、インターネット、<URL:http://jolissrch-inter.tokai-sc.jaea.go.jp/pdfdata/JAEA-Research-2011-043.pdf> 小原大輔・ジャナキラマン カリヤン クマール 「トモグラフィ的手法を用いた屈折法弾性波探査解析法の開発」、[online]、[平成29年7月13日検索]、こうえいフォーラム第9号/2001.1、p7−p14、インターネット、<URL:https://www.n-koei.co.jp/rd/thesis/pdf/200012/forum9_002.pdf> 物理探査学会 物理探査要領作成委員会著 「物理探査適用の手引き」 2000年3月 p3−p4
非特許文献3に記載されているように、トモグラフィ解析においては、起震源と受振点とを結ぶ経路が存在する地盤の速度構造モデルを用いて地盤構造を特定する。
ここで、地盤構造において、起震源の配列方向及び受振点の配列方向と平行に、帯水層等の低速度層が存在することがある。この場合には、低速度層が、起震源又は受振点の近くに位置している場合においても、弾性波(透過波)の理論伝搬時間は同じ値になるため、低速度層の位置を特定することが困難であった。
また、図8に示すように、第3層に低速度層が存在する地山において、地表で起震し、受振する場合には、弾性波(屈曲波)は、第2層と第3層との界面では屈折波が伝搬しない。この場合、屈折波により検出できない領域が生じる。
特に、低速度層が薄い場合、低速度層の有無による理論伝搬時間の差が誤差範囲になるため、低速度層の存在を特定することが難しかった。
・上記課題を解決する地質探査方法は、起震源から受振点までの弾性波の伝搬時間を用いたトモグラフィ解析により、軸方向に細長い地下空間を構築する地山を探査する方法であって、地下空間の内部及び前記地山の地表面の何れか一方に設置した起震源から他方に伝搬させた弾性波の第1実測伝搬時間と、前記地下空間の内部に設けられた起震源から前記地下空間の内部に設けられた受振点に伝搬させた弾性波の第2実測伝搬時間とを計測し、前記第1実測伝搬時間及び前記第2実測伝搬時間を用いたトモグラフィ解析により、前記地山の地質を評価する。
本発明によれば、地山における透過波と屈折波とを併用したトモグラフィ解析により、細長い地下空間を構築する地山の状況を精度よく把握することができる。
本実施形態における地質探査方法に用いる起震源と受振点との配置を説明する説明図。 本実施形態における地質探査システムの構成を説明する説明図。 本実施形態におけるトモグラフィ解析処理の処理手順の流れ図。 本実施形態において用いる弾性波を説明する説明図であって、(a)は各層の弾性波速度、(b)は各層における弾性波の状態を示す。 本実施形態の速度構造モデルにおいて複数のセルを通過する経路の一例を説明する図。 従来の地山状況における課題を説明する説明図。 従来の速度構造モデルを説明する説明図であって、(a)は各層の弾性波速度、(b)は各層における屈曲波の状態を示す。 従来の速度構造モデルを説明する説明図であって、(a)は各層の弾性波速度、(b)は各層における屈曲波の状態を示す。
以下、図1〜図5を用いて、地質探査方法及び地質探査システムを具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、地山10に掘削されるトンネル(水平軸方向に細長い地下空間)の地山(地質)状況を探査する。
図1に示すように、地山10には、帯水層等の低速度層11及び断層帯12が存在している場合を想定する。ここでは、トンネル坑内15の前方(右側)に掘削予定路線16を示している。地山10の地表面10aには、複数の地表受振器26が設けられている。この地表受振器26は、坑外記録装置M1に接続されている。
地表受振器26は、第1受振点として機能し、例えばジオフォン(陸上受振器)などの小型の地震計を用いる。本実施形態では、この地表受振器26は、トンネル坑内15の上方や掘削予定路線16の前方等の地表面10aの複数箇所に配置される。各地表受振器26には、それぞれを特定するための受振器識別子が記憶されている。各地表受振器26は、測定した発破振動を、受振器識別子とともに坑外記録装置M1に出力する。
坑外記録装置M1は、内部時計とGPS(Global Positioning System;全地球測位システム)受信器と記憶部とを備える。内部時計は、GPS受信器においてGPS信号の受信時にGPS時刻と同期する。更に、GPS受信器は、GPS信号に基づいて地球上における位置情報(例えば緯度、経度及び標高)を特定する演算処理を実行する。
坑外記録装置M1は、地表受振器26が測定した発破振動を、内部時計の時刻を時間軸とする波形データ(受振結果)として、内蔵する記憶部に記録する。この場合、坑外記録装置M1は、受振結果を、受振器識別子及びGPS信号から特定した位置情報に関連付けて記録する。
一方、トンネル坑内15には、起震源となる複数の震源装置21、起爆装置22、複数の坑内受振器25が設けられている。起爆装置22及び坑内受振器25は、坑内記録装置M2に接続されている。
本実施形態では、震源装置21としては、弾性波の伝搬を計測することを目的とする発破(専用発破)を用いる。この専用発破では、切羽手前の坑道の壁に、深さ1m程度で、数m間隔で12〜24カ所の孔を設ける。孔の奥に火薬を装填して、所定の時間間隔(例えば、3〜5分)で、複数の震源装置21を、順次、起爆させて、観測を行なう。この専用発破を、切羽(掘削)の進行に伴い、必要に応じて繰り返す。そして、発破位置を特定することにより、弾性波の伝搬経路を特定して、地質探査に用いることができる。
震源装置21には、起爆装置22が接続されている。この起爆装置22は、震源装置21を起爆するための装置であり、発破器と発破信号検出器とを備える。発破器は、震源装置21に電力を供給する。この発破器からの電力供給のタイミングから所定時間遅れで、震源装置21を爆発させて、発破振動が発生する。発破信号検出器は、発破器の電力供給を検出するとともに、パルス信号を坑内記録装置M2に出力する。
坑内受振器25は、第2受振点として機能し、地表受振器26と同様に、ジオフォンなどの小型の地震計を用いる。この坑内受振器25は、トンネルの長手方向に沿って所定の間隔、例えば10m程度の間隔を空けて並べて複数配置される。各坑内受振器25には、それぞれを特定するための受振器識別子が記憶されている。各坑内受振器25は、測定した発破振動を、受振器識別子に関連付けて坑内記録装置M2に出力する。
坑内記録装置M2は、トンネル坑外に持ち運び可能である。この坑内記録装置M2は、坑外記録装置M1と同様に、内部時計とGPS受信器と記憶部とを備える。内部時計は、GPS受信器においてGPS信号の受信時にGPS時刻と同期する。この坑内記録装置M2は、発破信号検出器から取得したパルス信号の立ち上がり時刻を、発破時刻として記録する。更に、坑内記録装置M2は、坑内受振器25が測定した発破振動を、内部時計の時刻を時間軸とする波形データ(受振結果)として、内蔵する記憶部に記録する。
<解析装置の構成>
次に、図2を用いて、トモグラフィ解析を行なう解析装置40の構成を説明する。ここでは、入力部30及び出力部31を備えた解析装置40を用いる。
入力部30は、キーボードやポインティングデバイス等、各種指示やデータを入力するために用いる。本実施形態では、入力部30は、トモグラフィ解析処理に用いるデータや処理の実行開始等の指示を取得する。出力部31は、ディスプレイ等を備え、各種情報を出力するために用いる。本実施形態では、解析結果として、最終速度構造の分布図を、解析結果として出力する。
解析装置40は、トモグラフィ解析処理を実行するコンピュータシステムである。この解析装置40は、制御部41、初期構造モデル記憶部45を備える。
制御部41は、CPU、RAM、ROM等から構成された制御手段として機能し、後述する処理(解析統括段階、実測伝搬時間算出段階、理論伝搬時間算出段階、モデル修正段階等を含む処理)を行なう。このための解析プログラムを実行することにより、解析統括部410、実測伝搬時間算出部411、理論伝搬時間算出部412、モデル修正部413等として機能する。
解析統括部410は、実測伝搬時間算出部411、理論伝搬時間算出部412及びモデル修正部413を管理して、トモグラフィ解析処理を実行する。この解析統括部410は、解析処理が終了するか否かを判定するために用いる許容値(許容誤差)を記憶している。
実測伝搬時間算出部411は、実際に測定された弾性波の波形データ(受振結果)から実測伝搬時間を算出する処理を実行する。
理論伝搬時間算出部412は、速度構造モデルに基づいて、理論上の伝搬時間を算出する処理を実行する。
モデル修正部413は、実測伝搬時間と理論伝搬時間との残差に基づいて、速度構造モデルを修正する処理を実行する。このモデル修正部413は、予め定められた近似方法に従って、インバージョン解析(逆解析)を行なうことにより、速度構造モデルを修正する。修正方法としては、例えば、逐次近似法や最小二乗反復法を用いることができる。逐次近似法は、波線を通過したセルに残差を振り分ける方法であり、最小二乗反復法は、残差を最小にすべくすべてのセルに振り分ける方法である。
初期構造モデル記憶部45には、初期速度構造モデルが記憶される。この初期速度構造モデルは、トンネル掘削前の地山の調査結果やトンネルの設計等に応じて設定される。例えば、事前調査においては、地山10の地表面10aに地表受振器及び震源装置を設け、地表面10aからの発破振動の屈折波の受振結果を取得する。そして、この受振結果を用いて、トンネルを構築する地山の初期速度構造モデルを生成する。この初期速度構造モデルでは、トンネル坑内15から地表面10aの間の地山を、複数のセル(小片)に分割し、セルの境界上にノードを設ける。
<地質探査方法>
次に、図3及び図4を用いて、解析装置40を用いた地質探査方法について説明する。
まず、坑内受振器25及び地表受振器26は、受振結果を取得する。具体的には、トンネル坑内15に、複数の震源装置21及び坑内受振器25を設置し、地山10の地表面10aに地表受振器26を設置する。そして、起爆装置22を用いて、震源装置21を起爆させて発破振動を発生させ、坑内受振器25及び地表受振器26で受振結果を取得する。なお、本実施形態では、図1に示すように、専用発破を用いる場合を想定する。
次に、受振結果を用いて、解析装置40においてトモグラフィ解析処理を実行する。
図3に示すように、解析装置40の制御部41は、観測データの読取処理を実行する(ステップS1)。具体的には、制御部41の解析統括部410は、入力部30を介して、坑外記録装置M1及び坑内記録装置M2から、受振結果を取得する。この場合、解析統括部410は、坑外記録装置M1に受振結果とともに、地表受振器26の位置情報を取得する。更に、解析統括部410は、坑内受振器25の設置場所についての位置情報を取得する。ここでは、坑内受振器25の識別子に対応した位置情報を、入力部30を介して取得する。
次に、解析装置40の制御部41は、実測伝搬時間の算出処理を実行する(ステップS2)。具体的には、制御部41の実測伝搬時間算出部411は、各受振器(25,26)の受振結果の初動及び走時を用いて、弾性波の実測に基づく伝搬時間を算出する。ここでは、実測伝搬時間算出部411は、複数の震源装置21から各地表受振器26までの透過波に基づく第1実測伝搬時間と、複数の震源装置21から各坑内受振器25までの屈折波に基づく第2実測伝搬時間とを算出する。
次に、解析装置40の制御部41は、初期速度構造モデルの設定処理を実行する(ステップS3)。具体的には、制御部41の解析統括部410は、初期構造モデル記憶部45に記憶された初期速度構造モデルを、計算に用いる速度構造モデルとして特定する。
次に、解析装置40の制御部41は、速度構造モデルに基づき理論伝搬時間の算出処理を実行する(ステップS4)。ここでは、まず、制御部41の理論伝搬時間算出部412は、起震源から各受振点までの弾性波(透過波、屈折波)の経路長を算出する。具体的には、理論伝搬時間算出部412は、震源装置21及び各受振器(25,26)の位置情報を用いて、震源装置21から各受振器(25,26)までの弾性波の経路長を算出する。
制御部41は、透過波の経路長については、各震源装置21から受振器(25,26)までの距離を算出する。
一方、屈折波については、各震源装置21から受振器(25,26)まで、各屈折波の経路を特定する。
図4に示すように、第4層に低速度層が存在する地山において、坑内で起震し、受振する場合を想定する。この場合、第1層及び第2層は、トンネル坑道の存在により、緩みゾーンとなっている。このため、トンネル坑内に近い第1層及び第2層における伝播速度は、これら上層の第2層及び第3層における伝播速度よりも遅い。一方、第4層が低速度層であるため、第3層と第4層との界面には屈折波が伝搬せず、第4層と第5層との界面において屈曲波が伝搬する。なお、第5層と第6層との界面では、深度の影響により伝播速度が反転するため、屈折波が伝搬しない。
そして、理論伝搬時間算出部412は、算出した経路長と速度構造モデルとを用いて、理論伝搬時間の算出処理を実行する。この場合、起震源(震源装置21)から各受振器(25,26)までの経路の長さを、通過するセルに割り振る。各セルには、速度構造モデルが設定されているため、モデルに応じた速度と、各セルに割り振られた長さとを用いて、各セルを通過する伝搬時間を特定する。そして、特定した各セルの伝搬時間を合計することにより、理論上の伝搬時間を算出する。
例えば、図5に示すように、起震源から受振点までの経路が通過する各セル(a1〜a6)に対応する速度と、各セルにおける経路の長さとの積の和によって、透過波における第1理論伝搬時間を算出する。この図5では、経路長を直線で表示しているが、折れ線や曲線等で仮定してもよい。なお、屈折波における第2理論伝搬時間も同様に算出する。
次に、解析装置40の制御部41は、残差の算出処理を実行する(ステップS5)。具体的には、制御部41の解析統括部410は、透過波における第1実測伝搬時間と第1理論伝搬時間との差(絶対値の差)の合計と、屈折波における第2実測伝搬時間と第2理論伝搬時間との差(絶対値の差)の合計との和を残差として算出する。
次に、解析装置40の制御部41は、残差が許容誤差以下かどうかの判定処理を実行する(ステップS6)。具体的には、制御部41の解析統括部410は、ステップS5で算出した残差と、予め記憶している許容誤差とを比較する。
ここで、残差が許容誤差以上と判定した場合(ステップS6において「NO」の場合)、解析装置40の制御部41は、速度構造モデルの修正処理を実行する(ステップS7)。具体的には、制御部41のモデル修正部413は、理論伝搬時間の算出に用いた速度構造モデルを、近似方法を適用して修正を行なって、新たな速度構造モデルを生成する。そして、解析装置40の制御部41は、生成した新たな速度構造モデルを用いて、ステップS4以降の処理を繰り返して実行する。
一方、残差が許容誤差より小さいと判定した場合(ステップS6において「YES」の場合)、解析装置40の制御部41は、解析結果の出力処理を実行する(ステップS8)。具体的には、制御部41の解析統括部410は、この時の速度構造モデルを、最終速度構造分布図(解析結果)として、出力部31のディスプレイに出力する。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、解析装置40の制御部41は、残差の算出処理を実行する(ステップS5)。この場合、透過波における第1実測伝搬時間と第1理論伝搬時間との差の合計と、屈折波における第2実測伝搬時間と第2理論伝搬時間との差の合計との和を残差として算出する。そして、この残差に応じて、解析装置40の制御部41は、解析結果の出力処理を実行する(ステップS8)。これにより、地山10の地表面10aを通過する弾性波の透過波と、低速度層11よりもトンネル坑内15側を通過する屈折波とを用いて、トモグラフィ解析を精度よく行なうことができる。従って、トンネルを構築する地山の状況を精度よく把握することができる。
(2)本実施形態では、トンネル坑内15に、震源装置21及び坑内受振器25を設ける。更に、地山10の地表面10aに、地表受振器26を設ける。そして、震源装置21からの発破振動を、坑内受振器25及び地表受振器26で測定する。これにより、震源装置21が発生した発破振動に基づいて透過波と屈折波との受振結果を同時に取得することができる。
(3)本実施形態では、地山10の地表面10aからの発破振動の屈折波の受振結果を用いて初期速度構造モデルを生成した。これにより、地表面10aのみでの屈折波の受振結果から算出した初期速度構造モデルに、トンネル掘削時の透過波、屈折波の受振結果を加えて、地山調査の精度を向上させることができる。
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態においては、トンネル坑内15に設けた震源装置21からの発破振動を、坑内受振器25及び地表受振器26で測定して、透過波及び屈折波の受振結果を取得した。透過波の受振結果は、屈折波の受振結果と別のタイミングで取得してもよい。例えば、地山10の地表面10aに震源装置21を設け、トンネル坑内15に設けた坑内受振器で測定して透過波の受振結果を取得してもよい。
・上記実施形態では、専用発破を用いる場合を想定した。発破としては、掘削することを目的とする発破(掘削発破)を用いてもよい。具体的には、掘削発破においては、瞬発電気雷管やDS電気雷管等で構成される10段程度の段発雷管を用いることができる。例えば、1段目には瞬発電気雷管を用いられ、2段目以降にはDS電気雷管を用いる。ここで、瞬発電気雷管は、通電から2ミリ秒以内で起爆するように制御される雷管である。また、DS電気雷管は、デシセコンド雷管、各段で通常250〜500ミリ秒ずつ遅れて起爆するように制御される雷管である。
そして、例えば、1日1回の発破を、数日〜1カ月の期間、繰り返して観測を行なう。この段発発破では、1段目の心抜発破、2〜10段目程度の払い発破を行なう。心抜発破においては、例えば、基本6孔で瞬発電気雷管を用いての発破を行なう。この場合、起爆時間の誤差は2〜3msec程度であるので、6孔から起振される振動の時間差は無視でき、斉発発破と考えることができる。また、払い発破においては、例えば、8〜10孔/1段で、DS雷管を用いての発破を行なう。この場合、各段発における通電〜起爆時間において、測定記録がかぶらないようにしておくことが必須である。なお、探査用観測記録としては1段目の心抜発破の記録のみを使用するようにしてもよい。そして、切羽(掘削)の進行に伴い、これを必要に応じて繰り返す。この場合においても、発破位置を特定することにより、弾性波の伝搬経路を特定して、地質探査に用いることができる。
なお、専用発破と掘削発破とを両方用いてもよい。
・上記実施形態においては、地表面10aからの発破振動の屈折波の受振結果を用いて初期速度構造モデルを生成した。初期速度構造モデルの生成方法はこれに限定されず、例えば、ボーリング調査等の地形、地質観測結果や他の地山状況探査方法を用いてもよい。
・上記実施形態においては、水平軸方向に細長い地下空間であるトンネルを構築する地山の地質探査に適用した。細長い地下空間の軸方向は、水平方向に限定されない。例えば、ボーリング孔のように、垂直方向に細長い地下空間に起震源及び受振点を設けて、この地下空間を構築する地山の探査を行なってもよい。
M1…坑外記録装置、M2…坑内記録装置、10…地山、10a…地表面、11…低速度層、15…トンネル坑内、16…掘削予定路線、21…震源装置、22…起爆装置、25…坑内受振器、26…地表受振器、30…入力部、31…出力部、40…解析装置、41…制御部、45…初期構造モデル記憶部、50…トンネル、61…帯水層、65…断層帯、410…解析統括部、411…実測伝搬時間算出部、412…理論伝搬時間算出部、413…モデル修正部。

Claims (5)

  1. 起震源から受振点までの弾性波の伝搬時間を用いたトモグラフィ解析により、軸方向に細長い地下空間を構築する地山を探査する方法であって、
    地下空間の内部及び前記地山の地表面の何れか一方に設置した起震源から他方に伝搬させた弾性波の第1実測伝搬時間と、
    前記地下空間の内部に設けられた起震源から前記地下空間の内部に設けられた受振点に伝搬させた弾性波の第2実測伝搬時間とを計測し、
    前記第1実測伝搬時間及び前記第2実測伝搬時間を用いたトモグラフィ解析により、前記地山の地質を評価することを特徴とする地質探査方法。
  2. 前記第1実測伝搬時間の計測時の起震源を、前記地下空間の内部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の地質探査方法。
  3. 前記地下空間の内部に設けた起震源からの弾性波を、前記地山の地表面に設けた第1受振点と、前記地下空間の内部に設けた第2受振点とで同時に測定した弾性波の受振結果を用いて、前記第1実測伝搬時間及び前記第2実測伝搬時間を算出することを特徴とする請求項2に記載の地質探査方法。
  4. 前記トモグラフィ解析においては、前記地山の地表面に設けた起震源から前記地表面に設けた受振点で測定した受振結果を用いることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の地質探査方法。
  5. 受振点において測定した起震源からの弾性波の実測伝搬時間と、速度構造モデルに基づく理論伝搬時間との差とのが許容値よりも小さくなる速度構造モデルを、地山の地質状況として出力する制御部を備え、地下空間の内部を構築する地山を探査するシステムであって、
    前記制御部は、
    前記地下空間の内部に設けられた起震源から前記地山の地表面に設けられた受振点で測定した第1実測伝搬時間と、速度構造モデルに基づく第1理論伝搬時間との差と、
    前記起震源から前記地下空間の内部に設けられた受振点で測定した第2実測伝搬時間と、前記速度構造モデルに基づく第2理論伝搬時間との差との合計の残差が、前記許容値よりも小さくなったときの速度構造モデルを出力することを特徴とする地質探査システム。
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