JP2000170037A - 熱接着性複合繊維及びこれを用いた繊維成形体 - Google Patents

熱接着性複合繊維及びこれを用いた繊維成形体

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JP2000170037A
JP2000170037A JP34410698A JP34410698A JP2000170037A JP 2000170037 A JP2000170037 A JP 2000170037A JP 34410698 A JP34410698 A JP 34410698A JP 34410698 A JP34410698 A JP 34410698A JP 2000170037 A JP2000170037 A JP 2000170037A
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Satohiko Tsutsui
聡彦 筒井
Mitsuru Kojima
満 小島
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルター材、イオン交換繊維、電池用バッ
テリセパレーター等の産業資材として好適に利用できる
熱接着性複合繊維及びそれを用いた繊維成形体を提供す
ること。 【解決手段】 シンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体からなる高融点樹脂のA成分とこれよりも低
融点のシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体からなる低融点樹脂のB成分とから形成された熱接着
複合繊維であって、該複合繊維の断面は高融点樹脂のA
成分が中央部から外側に向かってストランドが放射状に
伸びる分岐部を形成し、かつ低融点樹脂のB成分が分岐
部と接続して突出する突起部を形成した異形構造である
ことを特徴とする熱接着性複合繊維及びそれを用いた繊
維成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は異形断面を有する熱
接着性複合繊維に関する。更に詳しくは、産業資材、特
にフィルター材、イオン交換繊維、電池用バッテリセパ
レーター等などの用途として適した熱接着性複合繊維及
びこれを用いた繊維成形体、特にフィルターに関する。
【0002】
【背景技術】エレクトロニクスやバイオケミカル等の産
業発展により、気体や液体の濾過には、捕集性の高いフ
ィルターが重要視されている。高い濾過効率を得る濾材
としては、極細ガラス繊維不織布や木材パルプ、木綿、
レーヨン等を湿式抄紙した濾紙や細繊度の合成繊維に樹
脂を含浸したものが使われてきた。しかしガラス繊維は
アルカリに弱く、濾過面積を多く取るためのひだ折り加
工の際に、繊維自体の破壊による自己発塵が生じたり、
賦形性が悪いという問題がある。また、樹脂を含浸させ
た濾紙等では、濾過精度を上げると圧力損失が大きくな
り濾過ライフが短くなるという問題があった。
【0003】この対策として、濾材に合成繊維で作られ
た異形断面繊維を用いることで、表面積の増加と異形断
面突起部の効果により高い濾過効率を維持しながら、低
圧力損失でロングライフのフィルターを得る方法が報告
されている。特開昭63−295712号公報にはこの
様なフィルターの製造に有効な異形断面からなる熱接着
性複合繊維が開示されており、この繊維を用いたウエブ
シートはバルキー性と圧縮回復率を高度に有する物であ
ることが報告されている。しかし、ポリエステル樹脂か
らなる繊維であるために耐薬品性に劣るという欠点を有
している。
【0004】一方、ポリスチレン系重合体を含有する繊
維は、スチレン系重合体の側鎖であるベンゼン環の反応
性の高さから、例えばベンゼン環にスルホン基を導入
し、イオン交換繊維として、あるいはその親水性を利用
して電池用セパレーターなどの用途に利用することが提
案されている。さらにこれらの用途では、繊維の表面積
を大きくするために分割繊維にすること(特開平8−8
1829号公報)、あるいはポリスチレン系繊維と他の
熱可塑性繊維を混綿とすること(特開平7−31026
5号公報)等が提案されているが、2次加工の際の不織
布の形態安定性に問題が残っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の欠点を改良したフィルター材、イオン交換繊
維、電池用バッテリセパレーター等の産業資材として好
適に利用できる熱接着性複合繊維及びそれを用いた繊維
成形体を提供しようとするものである。
【0006】本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、シ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体からな
る高融点樹脂のA成分と、それよりも低融点のシンジオ
タクチック構造を有するスチレン系重合体からなる低融
点樹脂のB成分との、異形構造を有する熱接着性複合繊
維により、シンジオタクチック重合体の特徴である耐熱
性、耐薬品性を維持しながら、表面積の大きい繊維を得
ることができ、かつその繊維を熱接着することにより不
織布強力の高い繊維成形体とすることができ、この繊維
成形体はフィルター材、イオン交換繊維、電池用バッテ
リセパレーター等の産業資材として好適に利用できるこ
とを知り、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記技術課題
を解決するために以下の構成を有する。 (1) 融点差が10℃以上である少なくともA,Bの
2成分で構成されるシンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体からなる熱接着性複合繊維であって、該
熱接着性複合繊維の断面は、シンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体からなる高融点樹脂のA成分が
中央部から外側に向かってストランドが放射状に伸びる
分岐部を形成し、かつ該A成分よりも低融点であるシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体からなる
低融点樹脂のB成分が該A成分の分岐部と接続して接続
部を形成する異形構造であることを特徴とする熱接着性
複合繊維。 (2) 高融点樹脂のA成分と接続する低融点樹脂のB
成分の接触割合が、該低融点樹脂の全周長の10〜50
%である(1)項に記載の熱接着性複合繊維。 (3) 下記式(I)で表わされる繊維表面積増加比が
1.3以上である(1)又は(2)項に記載の熱接着性
複合繊維。 F=L/(4πS)1/2 (I) ただし、ここにFは繊維表面積増加比であり、Lは異形
断面繊維断面の平均外周長であり、Sは異形断面繊維の
断面積である。 (4) (1)〜(3)項のいずれかに記載の熱接着性
複合繊維を用いた繊維成形体。 (5) (1)〜(3)項のいずれかに記載の熱接着性
複合繊維を用いたフィルター。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱接着性複合繊維は融点差が10℃以上である
高融点樹脂(A成分)及び低融点樹脂(B成分)である
主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン
系樹脂(以下SPSと略称する。)からなる。高融点樹
脂のA成分であるSPSとは、炭素-炭素結合から形成
される主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニ
ル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するもの
であり、そのタクティシティーは同位体元素による核磁
気共鳴法(13C−NMR法)により定量される。13C−
NMR法により測定されるタクティシティーは、連続す
る複数個の構造単位の存在割合、例えば2個の場合はダ
イアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペン
タッドによって示すことができるが、本発明の熱接着性
複合繊維に用いるSPSとは、通常はペンタッドで85
%以上、好ましくは95%以上のシンジオタクティシテ
ィーを有するポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリ
エチルスチレン、ポリイソプロピルスチレンなどのポリ
アルキルスチレン、ポリクロロスチレン、ポリブロモス
チレン、ポリフルオロスチレンなどのポリハロゲン化ス
チレン、ポリクロロメチルスチレンなどのポリハロゲン
化アルキルスチレン、ポリメトキシスチレン、ポリエト
キシスチレンなどのポリアルコキシスチレン、ポリ安息
香酸エステルスチレンなどであり、これらを単独で又は
混合して、或いはこれら重合体を構成するモノマー相互
の共重合体、或いはこれらのモノマーを主成分とした共
重合体である。熱接着性複合繊維の高融点樹脂として用
いる場合には、低融点樹脂との融点差が大きい方が、熱
加工により繊維成形体への加工時の繊維自体の強度劣化
が少ない。このため高融点樹脂のA成分としては、シン
ジオタクチック構造を有するスチレン重合体の中でもポ
リスチレンホモポリマーを好適に使用できる。
【0009】一方、本発明の熱接着性複合繊維に用いる
低融点樹脂のB成分としては、前記複合繊維の高融点樹
脂のA成分であるSPSよりも融点の低いものを挙げる
ことができる。この融点の低いSPSとは、前に例示し
たポリスチレンのフェニル基に種々の置換基を有するも
の、例えば、ポリメチルスチレン、ポリエチルスチレ
ン、ポリイソプロピルスチレンなどのポリアルキルスチ
レン、ポリクロロスチレン、ポリブロモスチレン、ポリ
フルオロスチレンなどのポリハロゲン化スチレン、ポリ
クロロメチルスチレンなどのポリハロゲン化アルキルス
チレン、ポリメトキシスチレン、ポリエトキシスチレン
などのポリアルコキシスチレン、ポリ安息香酸エステル
スチレンなどがある。またこれらを単独で又は混合し
て、或いはこれら重合体を構成するモノマーにスチレン
モノマーを加えたモノマー群の2種以上のモノマーから
なる共重合体、或いはこれらのモノマーを主成分とした
共重合体である。即ち、上述したモノマー群から選択さ
れる1種以上のモノマーとエチレン、プロピレン、ブテ
ン、ヘキセン、オクテン等のオレフィンモノマー、ブタ
ジエン、イソプレン等のジエンモノマー、環状オレフィ
ンモノマー、環状ジエンモノマー、若しくはメタクリル
酸メチル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の極性
ビニルモノマーとのシンジオタクチックスチレン構造を
有する共重合体である。
【0010】本発明の目的を損なわない程度ならA成
分、もしくはB成分であるSPSにアタクチック、アイ
ソタクチック構造を有するスチレン系重合体、ポリブタ
ジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、エチレン−プロ
ピレン共重合体または天然ゴム等、高融点樹脂のA成分
よりも低融点になるものであれば特に限定することなく
添加することができる。
【0011】本発明に用いるSPSは高融点成分、低融
点成分とも平均分子量は繊維として使用可能なものであ
れば特に制限はない。また分子量分布(Mw/Mn)に
ついてもとくに制限を受けることなく使用することがで
きるが、分子量分布は狭い方が紡糸時の曳糸性は良く、
1.8〜8.0の範囲内にあれば特に問題はない。この
ように複合繊維の高融点樹脂のA成分、低融点樹脂のB
成分とも同じスチレン系重合体であると複合繊維とした
場合に両成分の相溶性が非常に良くなるためA成分とB
成分の剥離などが起こらない。このため、熱融着させて
不織布とした場合、剥離が起こりにくく、不織布強度低
下も抑えることができる。この様に両成分ともSPSと
したのは、本発明の複合繊維が異形断面を有するもので
あるため両成分が剥離し易く、相溶性の良い樹脂を選択
する必要性が有るためである。その結果、異形断面であ
ることによる不織布の強度低下を抑制することができ、
初めて本発明が達成されたのである。
【0012】本発明の熱接着性複合繊維に係る高融点樹
脂のA成分と低融点樹脂のB成分の融点差は10℃以
上、好ましくは15℃以上、より好ましくは20℃以上
の温度差であることが望ましい。この融点差が15℃以
上であれば、熱処理による高融点成分へのダメージが少
なくなり、高強力が維持できる。又、本発明の目的の一
つは耐熱性の良好な不織布を得ることである。そのため
には、汎用樹脂であるポリオレフィン系のポリエチレ
ン、ポリプロピレン樹脂の融点である100〜170℃
を超える融点でなければならない。低融点であるB成分
樹脂の融点は好ましくは200℃以上である。ポリオレ
フィン系樹脂よりも高融点である汎用樹脂としてはポリ
エステル、或いはポリアミド樹脂が有る。しかし、これ
らの樹脂は主鎖中に極性基を有するため耐薬品性に劣る
という欠点を有している。従って、各種SPSのうち、
極性基を含有しないものの組み合わせを選択することに
より、本発明の別の目的である耐薬品性の良好な不織布
を得ることができる。又、たとえ極性基を有するSPS
であっても、使用する雰囲気によっては耐薬品性を有す
る場合が有り、その雰囲気により、SPSの種類を選択
することにより本発明の目的を達成することができる。
更にその極性基は、機能性を付与することに利用するこ
ともできる。
【0013】本発明の熱接着性複合繊維の断面は、高融
点樹脂のA成分が中央部から外側に向かって複数のスト
ランドが放射状に伸びる分岐部を形成し、かつ低融点樹
脂のB成分がA成分の分岐部と接続して接続部を形成し
た異形断面構造である。また、熱接着性複合繊維は、そ
れを構成する低融点樹脂のB成分の一部が製造工程で剥
離すると、熱接着された繊維交差点の数が減少し、その
結果接着性が低下し好ましくない。特に本発明の複合繊
維は特定の異形断面構造を有するため剥離が起こりやす
く、このため複合繊維を構成するA、B両樹脂の接続部
の形状が重要となる。
【0014】つまり、構成するA、Bの樹脂の接触部、
つまり高融点樹脂のA成分と接続する低融点樹脂のB成
分の接触割合は、B成分の周長の10%以上、より好ま
しくは15%以上接触していることが好ましく、複合繊
維に外力が加わっても剥離しないことが必要である。し
かし、低融点樹脂のB成分の繊維表面露出が少ないと繊
維同士の熱接着力が低く、結果として強力の低い不織布
となるため、A、Bの樹脂の接触部は、B成分の周長の
50%以下、より好ましくは30%以下であることが好
ましい。また、繊維の比表面積を増加させるためには、
前記式(I)で示される繊維表面積増加比は1.3以上
であることが好ましい。これらのバランスにより本発明
の複合繊維は成り立っているのである。
【0015】本発明の熱接着性複合繊維及びこれを用い
た繊維成形体をフィルター、バッテリーセパレーター及
びイオン交換用繊維等の産業資材として用いる場合に
は、繊維表面積の大小が重要となる。即ち表面積が増加
することにより、フィルターでは高い濾過効率、またバ
ッテリーセパレーターでは保液量の増加、さらにイオン
交換用繊維では吸着能力の向上などを期待することがで
きる。本発明の熱接着性複合繊維の断面の一例を図1〜
図4に示す。ただし、以下に説明する繊維断面に限定さ
れるものではない。
【0016】図1に示した熱接着性複合繊維(a1)は
高融点樹脂のA成分1が中央部から外側に向かって3本
のストランドが放射状に伸びる分岐部を形成し、かつ低
融点樹脂のB成分2が該分岐部の各ストランドの長手方
向先端に接続して接続部を形成している。
【0017】図2に示した熱接着性複合繊維(a2)は
高融点樹脂のA成分1が中央部から外側に向かって4本
のストランドが放射状に伸びる分岐部を形成し、かつ低
融点樹脂のB成分2が該分岐部の各ストランドの長手方
向先端に接続して接続部を形成している。
【0018】図3に示した熱接着性複合繊維(a3)は
高融点樹脂のA成分1が中央部から外側に向かって4本
のストランドが放射状に伸びる分岐部を形成し、かつ低
融点樹脂のB成分2が該分岐部の各ストランドのほぼ先
端部近傍に各ストランド毎にストランドの長手方向とは
交差する方向にストランドを隔ててほぼ反対方向に接続
して2つの接続部とからなる。そしてこの場合、接続部
の一方が分岐部のストランドのほぼ先端部近傍の位置に
接続しており、もう一方がストランドの先端部よりやや
根元寄りの位置に接続している。もちろん両方の接続部
がストランドのほぼ同じ位置からストランドを隔ててほ
ぼ反対方向に接続してもよい。
【0019】図4に示した熱接着性複合繊維(a4)は
高融点樹脂のA成分1が中央部から外側に向かって4本
のストランドが放射状に伸びる分岐部を形成し、かつ低
融点樹脂のB成分2が該分岐部の各ストランドのほぼ先
端部近傍に各ストランド毎にストランドの長手方向とは
交差する方向にストランドを隔ててほぼ反対方向に接続
して2つの接続部とからなる。
【0020】本発明の熱接着性複合繊維の繊維径は特に
限定されるわけではないが、繊維径が太すぎると、本発
明に用いるスチレン系重合体は、結晶性が高く、ガラス
転移温度が100℃前後と室温より高いため、繊維成形
体に加工する場合、柔軟性に欠け、加工工程での繊維折
れなどが問題となることがある。従って繊維の柔軟性が
確保できる繊維径とすることが好ましい。特にフィルタ
ーなどの素材として用いる場合には、繊維径は細い方が
好ましく、1〜100μmとすることが好ましい。ま
た、繊維長も特に限定されるわけではないが、不織布の
成形法によって適宜選択する。カーディング法、エアー
レイド法などの乾式法では5〜110mm程度とするこ
とが好ましく、湿式法では、3〜20mm程度とするこ
とが好ましい。
【0021】さらに本発明の熱接着性複合繊維は、本発
明の効果を妨げない範囲において、本発明で用いるシン
ジオタクチックポリスチレン以外の樹脂添加を妨げるも
のではない。その他、通常使用される界面活性剤、安定
剤、難燃剤、着色剤等の添加剤を必要に応じて使用する
ことができる。
【0022】本発明の熱接着性複合繊維を製造する方法
の一例として、まず通常の溶融紡糸機を用いて、前記重
合体の組合せからなる長繊維を紡出し延伸を行う。延伸
は必要に応じて多段延伸を行っても良い。さらに延伸
後、熱収縮性の低減のために必要に応じて定長熱処理ま
たは弛緩熱処理を行う。この熱処理は、特にその条件は
限定されないが、例えば140〜250℃の乾熱雰囲気
中、延伸比0.8〜1.2倍の条件下、1〜50秒間熱
処理を行う方法が挙げられる。得られた繊維は必要に応
じて機械捲縮を付与し短繊維に切断する。以上は、短繊
維の製造工程の一例を示したが、トウを切断せず、長繊
維トウを分繊ガイドなどによりウェブとすることもでき
る。その後は必要に応じて高次加工工程を経て繊維成形
体が形成される。かかる工程において、繊維を紡出後、
繊維の静電気防止、繊維成形体への加工性向上のための
平滑性付与などを目的として、界面活性剤を付着させ
る。界面活性剤の種類、濃度は用途に合わせて適宜選択
する。付着の方法は、ローラ法、浸漬法、噴霧法、パッ
トドライ法などを用いることができる。付着は、紡糸工
程、延伸工程、捲縮工程のいずれで付与しても差し支え
ない。さらに短繊維、長繊維に問わず、紡糸工程、延伸
工程、捲縮工程以外の、例えば繊維成形体に成形後、界
面活性剤を付与させることもできる。ここで繊維成形体
とは、布状の形態であればいかなるものでも良く、例え
ば織物、編物、不織布あるいは不織繊維集合体などがあ
る。また、混綿、混紡、混繊、交撚、交編、交繊などの
方法で混合した繊維を前記方法で布状の形態にすること
もできる。不織繊維集合体とは、例えばカード法、エア
レイド法、あるいは抄紙などの方法で均一にしたウェブ
状物あるいはこのウェブ状物に織物、編物等を積層した
ものをいう。
【0023】本発明の熱接着性複合繊維からなる不織布
の製造方法としては、例えば、前記熱接着性複合繊維の
短繊維を用いてカーディング法、エアーレイド法を用い
て必要な目付けのウェブを作成する。またメルトブロー
法、スパンボンド法などで直接ウェブを作成してもよ
い。前記方法で作成したウェブを、ニードルパンチ法、
サクションドライヤー法、高圧水流法、熱風乾燥装置、
超音波融着装置あるいは熱ロール法等の公知の方法で加
工して不織布を得ることができる。この不織布の目付け
は、特に限定されるものではないが、10〜500g/
2のものが好ましい。より好ましくは15〜300g
/m2のものである。目付けが10g/m2未満である
と、目付けが小さすぎて均一な不織布を製造することが
困難であるばかりでなく、不織布としての利用価値が乏
しい。一方、目付けが500g/m2を超えると、目付
けが大きすぎて不織布が厚くなるとともに硬くなり、熱
接着複合繊維の特徴である熱処理による不織布化工程で
ウェブ内部まで熱が伝わりにくく強度の高い不織布とす
ることが難しくなる。このような場合には、ニードルパ
ンチ法、高圧水流法、で予め交絡させておき、その後、
熱処理を行うことにより、高目付でも強度の高い不織布
とすることができる。
【0024】前記で得た熱接着性複合繊維に必要に応じ
て他の繊維を混合して、不織布や繊維成形体を製造する
ことができる。この他の繊維としては、例えば、フッ素
系繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリアリーレ
ン繊維等のエンジニアリングプラスチック繊維、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリオレフィンなどの合成繊維な
どが挙げられる。
【0025】以 下、実施例、比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定される
ものではない。なお、実施例中の性能評価は、下記方法
に従った。
【0026】(繊維引張強伸度)JIS−L1017法
に準じ、島津製作所(株)製オートグラフ AGS50
0Dを用い、試長100mm、引張速度100mm/分
で測定した。
【0027】(不織布引張強伸度)5cm幅の不織布を
島津製作所(株)製オートグラフ AGS500Dを用
い、MD方向の不織布破断強度を測定した。試長100
mm、試験速度200mm/分で測定し、測定温度は室
温とした。
【0028】(曳糸性)溶融紡糸時の曳糸性を糸切れの
発生率により、次の3段階で評価した。 〇:糸切れが全く発生せず、操作性が良好である。 △:糸切れが1時間あたり2回 ×:糸切れが1時間あたり3回以上発生し、操作上問題
がある。
【0029】(融点)樹脂ペレットをDupont社製
熱分析装置DSC10を用いて、昇温速度10℃/分で
測定した。
【0030】(A成分とB成分の接触割合)繊維断面の
光学顕微鏡画像、または、電子顕微鏡画像を画像処理装
置に取り込み、画像処理によりA,B成分の接触部とB
成分の全外周長を測定し、A,B成分の接触割合を算出
した。 A,B成分の接触割合(%)=(A,B成分の接触部の
長さ/B成分の全外周長)×100
【0031】(繊維表面積増加比)繊維断面の光学顕微
鏡画像、または、電子顕微鏡画像を画像処理装置に取り
込み、画像処理により断面積と外周長を測定し、同じ断
面積となる円の外周長(円周)との比を表面積増加比と
した。その計算式は前記式(I)に示した。
【0032】(濾過精度)30リットルの水槽から毎分
30リットルの流量でフィルターに循環通水する。水槽
にケーキ(JIS Z8901 試験用ダスト 7種と
8種を重量比1:1で混合したもの)を毎分0.5gず
つ投入し、投入開始1分後に原液中と濾液中のケーキの
粒度分布を粒子測定器で測定する。2μm以上、5μm
以上、10μm以上、20μm以上及び50μm以上の
各粒子についてそれぞれ捕集効率を算出し、濾過精度と
する。 捕集効率(%)=(1−(濾液中の所定粒子の個数÷原
液中の所定粒子の個数))×100
【0033】(濾過ライフ)30リットルの水槽から毎
分30リットルの流量でフィルターに循環通水する。水
槽にケーキ(JIS Z8901 試験用ダスト 7種
と8種を重量比1:1で混合したもの)を毎分0.5g
ずつ投入し、フィルターの入口と出口の圧力差、すなわ
ち差圧が2kg/cm2になるまでの時間を濾過ライフ
(分)とする。
【0034】(捕集量)濾過ライフを測定終了後のフィ
ルターをオーブンで乾燥して、濾過前のフィルター重量
との差を捕集量(g)とした。
【0035】(フィルター性能測定用プリーツフィルタ
ーの作成)不織布をひだ折り加工機でひだの折り高さ
(以下山高と略す)を15mmにした濾材を得た。これ
を折り山数50山に切断し、外径36mm、内径28m
mのシンジオタクチックポリスチレン製の支持成形体に
周回させ、不織布の合わせ部分をヒートシール機で接着
した。濾材と支持体の両端部をシンジオタクチックポリ
スチレンで接着し、外径66mm、内径28mm、長さ
250mmの中空円筒状のプリーツフィルターを得た。
【0036】
【実施例】実施例1 スチレン90重量部、p−メチルスチレン10重量部か
らなるシンジオタクチックポリスチレン共重合体(MF
R:25g/10分、300℃、2.16kg荷重)を
B成分とし、シンジオタクチックポリスチレン(MF
R:20g/10分、300℃、2.16kg荷重)を
A成分として、図1に示した繊維断面を与える紡糸口金
を用い、A,B成分の接触割合を60%目標に設定し、
複合重量比60/40(B成分/A成分)、単糸繊度が
3d/fの未延伸糸を得た。その後、120℃の熱ロー
ルにて1.7倍に延伸し、スタッファボックスで機械捲
縮を付与し、収縮を抑えるために220℃の乾熱雰囲気
中、延伸比0.9倍で弛緩熱処理を行い、所定長に切断
して短繊維とした。これらの短繊維は、捲縮数15個/
25mm、カット長51mm、繊度2デニールであっ
た。得られた短繊維をローラーカード機でウェブとし、
加工温度230℃、加圧圧力20kg/cm、エンボス
面積率25%の条件でカレンダー加工を行い、目付55
g/m2 の不織布を得た。製造条件及び物性測定結果は
表1に示した。これによると繊維表面積増加比が、2に
なっているため比較例(鞘芯型)で示した不織布である
繊維表面積増加比が1のものに比較してフィルター性能
が向上しているのは明らかである。
【0037】
【表1】
【0038】実施例2、比較例1 スチレン90重量部、p−メチルスチレン10重量部か
らなるシンジオタクチックポリスチレン共重合体(MF
R:25g/10分、300℃、2.16kg荷重)を
B成分とし、シンジオタクチックポリスチレン(MF
R:30g/10分、300℃、2.16kg荷重)を
A成分として、図1に示した繊維断面を与える紡糸口金
を用い、A,B成分の接触割合を20%目標に設定した
もの(実施例2)、または図5(比較例1)に示した繊
維断面を与える紡糸口金を用いて、複合重量比40/6
0(B成分/A成分)、単糸繊度が3d/fの未延伸糸
を得た。その後、120℃の熱ロールにて1.7倍に延
伸し、スタッファボックスで機械捲縮を付与し、収縮を
抑えるために220℃の乾熱雰囲気中、延伸比0.9倍
で弛緩熱処理を行い、所定長に切断して短繊維とした。
これらの短繊維は、捲縮数15個/25mm、カット長
51mm、繊度2デニールであった。得られた短繊維を
ローラーカード機でウェブとし、加工温度230℃、加
圧圧力20kg/cm、エンボス面積率25%の条件で
カレンダー加工を行い、目付50g/m2の不織布を得
た。製造条件及び物性測定結果を表1、表2に示した。
これによると本発明の繊維から成る不織布の濾過精度の
向上は明らかである。
【0039】
【表2】
【0040】実施例3 スチレン95重量部、p−クロロスチレン5重量部から
なるシンジオタクチックポリスチレン共重合体(MF
R:20g/10分、300℃、2.16kg荷重)を
B成分として、シンジオタクチックポリスチレン(MF
R:20g/10分、300℃、2.16kg荷重)を
A成分として、図3に示した繊維断面を与える紡糸口金
を用い、A,B成分の接触割合を25%目標に設定し、
実施例1と同様な方法で、捲縮数15個/25mm、カ
ット長51mm、繊度2デニールの短繊維を得た。得ら
れた短繊維をローラーカード機でウェブとし、加工温度
230℃、加圧圧力20kg/cm、エンボス面積率2
5%の条件でカレンダー加工を行い、目付50g/m2
の不織布を得た。製造条件及び物性測定結果を表1に示
した。これによると本発明の繊維から成る不織布の濾過
精度の向上は明らかである。
【0041】実施例4 スチレン90重量部、p−メチルスチレン10重量部か
らなるシンジオタクチックポリスチレン共重合体(MF
R:25g/10分、300℃、2.16kg荷重)を
B成分として、シンジオタクチックポリスチレン(MF
R:20g/10分、300℃、2.16kg荷重)を
A成分として、図4に示した繊維断面を与える紡糸口金
を用い、A,B成分の接触割合を25%目標に設定し、
実施例1と同様な方法で、捲縮数15個/25mm、カ
ット長51mm、繊度2デニールの短繊維を得た。得ら
れた短繊維をローラーカード機でウェブとし、サクショ
ンバンドドライヤーを用いて、加工温度240℃の条件
で熱処理を行い、目付50g/m2 の不織布を得た。製
造条件及び物性測定果を表1に示した。これによると本
発明の繊維から成る不織布の濾過精度の向上は明らかで
ある。
【0042】実施例5 スチレン95重量部、p−クロロスチレン5重量部から
なるシンジオタクチックポリスチレン共重合体(MF
R:20g/10分、300℃、2.16kg荷重)を
B成分として、シンジオタクチックポリスチレン(MF
R:20g/10分、300℃、2.16kg荷重)を
A成分として、図4に示した繊維断面を与える紡糸口金
を用い、A,B成分の接触割合を25%目標に設定し、
実施例1と同様な方法で、捲縮数15個/25mm、カ
ット長3mm、繊度2デニールの短繊維を得た。得られ
た短繊維をローラーカード機でウェブとし、サクション
バンドドライヤーを用いて、加工温度240℃の条件で
熱処理を行い、目付50g/m2 の不織布を得た。製造
条件及び物性測定結果を表1に示した。これによると本
発明の繊維から成る不織布の濾過精度の向上は明らかで
ある。
【0043】実施例6 スチレン95重量部、p−メチルスチレン5重量部から
なるシンジオタクチックポリスチレン共重合体(MF
R:20g/10分、300℃、2.16kg荷重)8
0重量部とアタクチックポリスチレン(旭化成工業
(株)製、スタイロン679)20重量%の混合物をB
成分とし、シンジオタクチックポリスチレン(MFR:
20g/10分、300℃、2.16kg荷重)をA成
分として、図4に示した繊維断面を与える紡糸口金を用
い、A,B成分の接触割合を20%目標に設定し、複合
重量比40/60(B成分/A成分)、単糸繊度が4d
/fの未延伸糸を得た。その後、120℃の熱ロールに
て2.0倍に延伸し、スタッファボックスで機械捲縮を
付与し、収縮を抑えるために220℃の乾熱雰囲気中、
延伸比0.9倍で弛緩熱処理を行い、所定長に切断して
短繊維とした。これらの短繊維は、捲縮数15個/25
mm、カット長51mm、繊度2デニールであった。得
られた短繊維をローラーカード機でウェブとし、加工温
度230℃、加圧圧力20kg/cm、エンボス面積率
25%の条件でカレンダー加工を行い、目付100g/
2 の不織布を得た。製造条件及び物性測定結果を表2
に示した。これによると本発明の繊維から成る不織布の
濾過精度の向上は明らかである。
【0044】実施例7 スチレン90重量部、エチレン、ブタジエン混合物10
重量部からなるシンジオタクチックポリスチレン共重合
体(MFR:30g/10分、300℃、2.16kg
荷重)をB成分として、シンジオタクチックポリスチレ
ン(MFR:20g/10分、300℃、2.16kg
荷重)をA成分として、図2に示した繊維断面を与える
紡糸口金を用い、A,B成分の接触割合を20%目標に
設定した繊維断面を与える紡糸口金を用い、A,B成分
の接触割合を20%目標に設定し、複合重量比40/6
0(B成分/A成分)、単糸繊度が7d/fの未延伸糸
を得た。その後、120℃の熱ロールにて2.5倍に延
伸し、スタッファボックスで機械捲縮を付与し、収縮を
抑えるために190℃の乾熱雰囲気中、延伸比0.9倍
で弛緩熱処理を行い、所定長に切断して短繊維とした。
これらの短繊維は、捲縮数15個/25mm、カット長
51mm、繊度3デニールであった。得られた短繊維を
ローラーカード機でウェブとし、加工温度230℃、加
圧圧力20kg/cm、エンボス面積率25%の条件で
カレンダー加工を行い、目付50g/m2 の不織布を得
た。製造条件及び物性測定結果を表2に示した。これに
よると本発明の繊維から成る不織布の濾過精度の向上は
明らかである。
【0045】実施例8、比較例2 スチレン90重量部、p−クロロスチレン10重量部か
らなるシンジオタクチックポリスチレン共重合体(MF
R:20g/10分、300℃、2.16kg荷重)を
B成分として、シンジオタクチックポリスチレン(MF
R:20g/10分、300℃、2.16kg荷重)を
A成分として、図2に示した繊維断面を与える紡糸口金
を用い、A,B成分の接触割合を20%目標に設定した
もの(実施例8)、または図5(比較例2)に示した繊
維断面を与える紡糸口金を用い、紡糸口金から吐出した
複合繊維群をエアーサッカーに導入して牽引延伸し、複
合長繊維を得、続いて、エアーサッカーより排出された
前記長繊維群を、帯電装置により同電荷を付与せしめ帯
電させた後、反射板に衝突させて開繊し、開繊した長繊
維群を裏面に吸引装置を設けた無端ネット状コンベヤー
上に、長繊維ウェブとして捕集する。捕集した長繊維ウ
ェブは、無端コンベヤーに載せられたまま搬送され、加
工温度220℃、加圧圧力20kg/cm、エンボス面
積率25%の条件でカレンダー加工を行い、繊度約3デ
ニール、目付45g/m2の不織布を得た。製造条件及
び物性測定結果を表2に示した。これによると本発明の
繊維から成る不織布の濾過精度の向上は明らかである。
【0046】
【発明の効果】本発明の熱接着性複合繊維は、シンジオ
タクチック構造を有するスチレン系重合体の異形断面熱
接着性複合繊維であるため、シンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体の特徴である耐熱性、耐薬品性
を維持しながら、繊維表面積を広く、かつ熱接着による
高不織布強力の繊維成形体とすることができる。このた
め、フィルター材、イオン交換繊維及び電池用バッテリ
セパレーター等の産業資材として好適に利用できる。特
にフィルター材として使用する場合には、異形断面糸が
持つ突起部での遮り、溝への沈降による捕集量の増加、
さらに濾過ライフを維持しながら低ミクロン粒子の濾過
精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱接着性複合繊維の繊維断面図の
例示である。
【図2】本発明に係る熱接着性複合繊維の繊維断面図の
例示である。
【図3】本発明に係る熱接着性複合繊維の繊維断面図の
例示である。
【図4】本発明に係るに係る熱接着性複合繊維の繊維断
面図の例示である。
【図5】比較例の熱接着性複合繊維の断面図である。
【符号の説明】
a1 本発明の熱接着性複合繊維 a2 本発明の熱接着性複合繊維 a3 本発明の熱接着性複合繊維 a4 本発明の熱接着性複合繊維 a5 比較例の熱接着性複合繊維 1 高融点樹脂(A成分) 2 低融点樹脂(B成分)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L041 AA07 AA20 BA04 BA05 BA11 BA38 BA49 BA59 BC04 BD03 BD06 BD11 BD20 CA47 DD01 DD05 4L045 AA05 BA03 BA06 BA18 BA37 BA51 BA60 DA42 4L047 AA18 AA27 AB02 AB09 BA05 BA09 BB09 CA12 CA19 CB01 CC12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点差が10℃以上である少なくとも
    A,Bの2成分で構成されるシンジオタクチック構造を
    有するスチレン系重合体からなる熱接着性複合繊維であ
    って、該熱接着性複合繊維の断面は、シンジオタクチッ
    ク構造を有するスチレン系重合体からなる高融点樹脂の
    A成分が中央部から外側に向かってストランドが放射状
    に伸びる分岐部を形成し、かつ該A成分よりも低融点で
    あるシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
    からなる低融点樹脂のB成分が該A成分の分岐部と接続
    して接続部を形成する異形構造であることを特徴とする
    熱接着性複合繊維。
  2. 【請求項2】 高融点樹脂のA成分と接続する低融点樹
    脂のB成分の接触割合が、該低融点樹脂の全周長の10
    〜50%である請求項1に記載の熱接着性複合繊維。
  3. 【請求項3】 下記式(I)で表わされる繊維表面積増
    加比が1.3以上である請求項1または2に記載の熱接
    着性複合繊維。 F=L/(4πS)1/2 (I) ただし、ここにFは繊維表面積増加比であり、Lは異形
    断面繊維断面の平均外周長であり、Sは異形断面繊維の
    断面積である。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の熱接着
    性複合繊維を用いた繊維成形体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の熱接着
    性複合繊維を用いたフィルター
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010126824A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Daiwabo Holdings Co Ltd 金属めっき繊維構造物及びそれを焼成してなる金属構造物
CN102534863A (zh) * 2011-12-29 2012-07-04 江西国桥实业有限公司 双组份无纺布纺丝及其生产方法
JP2014030785A (ja) * 2012-08-02 2014-02-20 Japan Vilene Co Ltd フィルタ
KR20200018870A (ko) * 2018-08-13 2020-02-21 주식회사 휴비스 팜 섬유가 포함된 부직포

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KR20200018870A (ko) * 2018-08-13 2020-02-21 주식회사 휴비스 팜 섬유가 포함된 부직포
KR102097691B1 (ko) 2018-08-13 2020-04-07 주식회사 휴비스 팜 섬유가 포함된 부직포

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