JP2000169775A - インクジェット記録用インク及びインクジェット記録法 - Google Patents

インクジェット記録用インク及びインクジェット記録法

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JP2000169775A
JP2000169775A JP36852598A JP36852598A JP2000169775A JP 2000169775 A JP2000169775 A JP 2000169775A JP 36852598 A JP36852598 A JP 36852598A JP 36852598 A JP36852598 A JP 36852598A JP 2000169775 A JP2000169775 A JP 2000169775A
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ink
weight
water
jet recording
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JP36852598A
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English (en)
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Junji Suzuki
淳司 鈴木
Kunichi Yamashita
勲一 山下
Takeshi Hashimoto
健 橋本
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙上で滲み、かぶりがなく、高解像度、高濃
度で均一な画像が得られ、ノズル先端でのインク乾燥に
よる目詰まりが発生せず、吐出応答性、吐出安定性が良
好で、紙上においてインクの乾燥性が良く、しかも長期
保存安定性が良いインクジェット記録用インク及びそれ
を使用するインクジェット記録法を提供する。 【解決手段】 水、顔料、水溶性樹脂及び水溶性有機溶
媒を含有する水性インクにおいて、前記水溶性樹脂が、
下記一般式(1)で示される単量体を合む重合体を含有
し、インク中の分散粒子の数平均粒子径が15〜100
nmであることを特徴とするインクジェット記録用イン
ク。 CH2=CHNRlCOR2(1) (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素
原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用インク及びそれを用いたインクジェット記録法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式の原理は、ノズ
ル、スリットあるいは多孔質フィルム等から、液体ある
いは溶融固体インクを吐出させ、紙、布、フィルム等の
被記録材に記録を行うものである。インクを吐出する方
法は、静電誘引力を利用してインクを吐出させる、いわ
ゆる電荷制御方式、圧電素子の振動圧力を利用してイン
クを吐出させる方式、熱により気泡を形成、成長させる
ことにより生じる圧力を利用してインクを吐出させる、
いわゆる熱インクジェット方式等、各種の方式が提案さ
れており、これらの記録方式により、極めて高精細の画
像を得ることができる。
【0003】これらインクジエット記録装置に使用され
るインクに関しては、(1)紙上で滲み、かぷりのな
い、高解像度、高濃度で均一な画像が得られること、
(2)ノズル先端でのインク乾燥による目詰まりが発生
せず、常に吐出応答性、吐出安定性が良好であること、
(3)紙上においてインクの乾燥性が良いこと、(4)
画像の堅牢性がよいこと、(5)長期保存安定性がよい
こと、などの特性が要求される。
【0004】インクジェット記録用インクは、主として
染料を色材としたインクが用いられているが、画像の耐
水性、耐光性に劣っているため、顔料を色材としたイン
クの検討が進められている。顔料は、本質的に水に不溶
であるので、インク中に安定に分散させる方法として、
分散剤を使用する方法が検討された。しかし、分散剤と
して界面活性剤を用いると表面張力が必要以上に低下
し、印字画質の悪化、泡による印字ぬけ等の問題が発生
しやいため、主として水溶性の重合体が分散剤として各
種検討されている。
【0005】水溶性の重合体としては、顔料と親和性の
高い疎水性部と水性媒体と親和性の高い親水性部を共に
有する共重合体が各種提案されている。例えば、高分子
分散剤と特定の溶媒を含むインク(特開昭56−147
859号公報)、特定のモノマーを含有する重合休を合
むインク(特開平6−306317号公報、特開平6−
306318号公報、特開平7−242849号公報)
等が提案されている。また、特開平8−311385号
公報には、N一ビニルカルボン酸アミドからなる水溶性
(共)重合体1種以上と、水溶液にしたときの流動特性
が擬塑性である親水性ポリマー1種以上とを含有するイ
ンキ用添加剤が、書き味などの筆感の向上を目的として
提案されているが、インクジェット用水性顔料インク用
としての具体的な記載はない。すなわち、上記の(1)
〜(5)の要求特性をすべて満たすインクジェット記録
用インクは未だ得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記の技術的な問題を解決し、紙上で滲み、か
ぶりがなく、高解像度、高濃度で均一な画像が得られ、
ノズル先端でのインク乾燥による目詰まりが発生せず、
常に吐出応答性、吐出安定性が良好であり、紙上におい
てインクの乾燥性が良く、かつ長期保存安定性が良いイ
ンクジェット記録用インクを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、水、水溶性有機溶媒、顔料及び水溶性樹脂を必
須成分とする水性インクにおいて、前記水溶性樹脂が、
下記一般式(1)で示される単量体を含む重合体を含有
し、インク中の分散粒子の数平均粒子径が15〜100
nmであることを特徴とするインクジェット記録用イン
クを使用したときに、上記の課題を達成することができ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、水、顔料、水溶性樹
脂及び水溶性有機溶媒を含有する水性インクにおいて、
前記水溶性樹脂が、下記一般式(1) CH2=CHNRlCOR2(1) (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素
原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で示される
単量体を合む重合体を含有し、インク中の分散粒子の数
平均粒子径が15〜100nmであることを特徴とする
インクジェット記録用インク;水溶性樹脂が、上記一般
式(1)で示される単量体と、下記一般式(2) CH2=CR3COR4 (2) (式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4は炭素
数1〜20のアルキル、アリール、又はアルキルアリー
ル基を示す) 又は下記一般式(3) CH2=CR565 (3) (式中、R5は水素原子又はメチル基を示す)で示され
る単量体とを重合して得られる重合体を含有することを
特徴とする前記インクジェット記録用インク;水溶性樹
脂が、上記一般式(1)で示される単量体と、下記一般
式(4) CH2=CR6COOH (4) (式中、R6は水素原子又はメチル基を示す)で示され
る単量体を含む単量体を重合して得られた重合体を含有
することを特徴とする前記インクジェット記録用イン
ク;水溶性樹脂が、上記一般式(1)で示される単量体
と、上記一般式(4)で示される単量体と、上記一般式
(2)で示される単量体及び上記一般式(3)で示され
る単量体の少なくとも1種の単量体とを重合して得られ
る重合体を含有することを特徴とする前記インクジエッ
ト記録用インク;水溶性樹脂に含まれる重合体の酸性基
の一部又は全部がアルカリにより中和されていることを
特徴とする前記インクジェット記録用インク;水溶性樹
脂の分子量が、3000〜30000の範囲であること
を特徴とする前記インクジェット記録用インク;水溶性
樹脂の含有量が、インクの全重量に対し、0.1〜5重
量%であることを特徴とする前記インクジェット記録用
インク;前記インクジェット記録用インクを用いること
を特徴とするインクジェット記録法;及び熱インクジェ
ット方式により記録することを特徴とする前記インクジ
ェット記録法である。
【発明の実施の形態】
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
インクジェット記録用インクは、水、顔料、水溶性樹脂
及び水溶性有機溶媒を必須成分とするものである。本発
明のインクジェット記録用インクに使用される水溶性樹
脂は、下記一般式(1)で示される単量体を含む単量体
を重合して得られた重合体を合有していることを特徴と
する。 CH2=CHNRlCOR2 (1) (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素
原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
【0010】ここで、R2の炭素数1〜4のアルキル基
としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチ
ル基、tert−ブチル基等が挙げられる。これらの
内、R1がHで、R2がメチル基又は水素原子であるもの
が好ましく使用される。なお、一般式(1)で示される
1種の単量体からなる単独重合体の他、一般式(1)で
示される2種以上の共重合可能な単量体からなる共重合
体も使用することができる。
【0011】水溶性樹脂は、一般式(1)で示される単
量体の他、共重合可能な単量体との共重合体が使用でき
る。その場合、一般式(1)で示される単量体の重合比
が少なくとも5モル%であることが好ましい。組み合わ
せる単量体の種類により一概には言えないが、一般式
(1)の単量体の重合比が5モル%未満となると、本発
明の効果が得にくくなる。共重合体としては、下記一般
式(2)及び下記一般式(3)から選択された少なくと
も1種の単量体を重合して得られた重合体を含有する共
重合体であることが好ましい。 CH2=CR3COR4 (2) (式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4は炭素
数1〜20のアルキル、アリール又はアルキルアリール
基を示す) CH2=CR565 (3) (式中、R5は水素原子又はメチル基を示す)
【0012】ここで、R4の炭素数1〜20のアルキ
ル、アリール、アルキルアリール基としては、例えば、
メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n
−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、ヘキシ
ル、2−エチルヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタ
デシル、フェニル、ベンジル基等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。一般式(2)及び一般式
(3)から選択される単量体の内、メチル(メタ)アク
リレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)ア
クリレート、スチレンが好ましく使用される。上記の重
合体の重合比は、一般式(1)の単量体:45〜10モ
ル%、一般式(2)の単量体:50〜0モル%、一般式
(3)の単量体:40〜0モル%の範囲とすることが好
ましい。
【0013】さらに、上記の単量体に加え、下記一般式
(4)で示される単量体を共重合した重合体を使用する
ことが好ましい。 CH2=CRlCOOH (4) (式中、R1は水素原子又はメチル基を示す) 一般式(4)で示される単量体を共重合した重合体を使
用する場合は、一般式(4)の単量体の重合比を40〜
0モル%の範囲とすることが好ましい。
【0014】これらの単量体の他、インクの特性を損な
わない範囲で、共重合可能なモノマーを共重合したり、
エステル化、加水分解等により、他のくり返し単位を使
用することも可能である。
【0015】例えば、クロトン酸、イタコン酸、イタコ
ン酸モノエスデル、マレイン酸、マレイン酸モノエステ
ル、フマル酸、フマル酸モノエスデル、ビニルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン
等のカルボキシル基、スルホン酸基含有モノマー、ビニ
ルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビ
ニルナフタレン誘導体、クロトン酸アルキルエステル、
イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキル
エステルやカチオン性の官能基を有するモノマー、例え
ばN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,
N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメ
チルアミノメタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミ
ノアクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン
等の他ポリオキシエチレン基、水酸基を有するモノマー
等も使用できるが、これらに限定されるものではない。
なお、共重合は、ランダム共重合の他、ブロック共重
合、グラフト共重合したものも使用できる。好ましい重
合体の例としては、表1のものが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0016】
【表1】
【0017】本発明のインクジェット記録用インクの成
分である水溶性樹脂の分子量は、好ましくは3000〜
30000、より好ましくは、3000〜15000の
範囲である。この範囲外の分子量を有する水溶性樹脂も
使用できるが、分子量が3000未満では、分散安定性
が劣化し易く、また30000を超えるとインクの粘度
が高くなり、噴射特性か劣化し易いといった間題が発生
する。なお、重合体の平均分子量の測定方法は各種の方
法が知られているが、本発明においてはGPC(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィ)法で測定される値と
して定義する。
【0018】なお、水溶性樹脂に含まれる重合体の酸性
基の一部または全部は、アルカリにより中和されている
ことが好ましい。
【0019】水溶性樹脂の含有量は、インクの全重量に
対し、0.1〜5重量%が好ましく、0.2〜3重量%
がより好ましい。水溶性樹脂の含有量が0.1重量%未
満では、分散安定性が劣化しやすく、また5重量%を超
えるとインクの粘度が高くなり、噴射特性が劣化しやす
いといった問題が発生する。
【0020】本発明のインクジェット記録用インクにお
いて使用される顔料は、無機、有機顔料いずれも使用で
きる。黒色では、ファーネスブラック、ランプブラッ
ク、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカー
ボンブラック顔料が好ましく、例えばRaven700
0、Raven5750、Raven5250、Rav
en5000ULTRAII、Raven3500、Ra
ven2500ULTRA、Raven2000、Ra
ven1500、Raven1255、Raven12
50、Raven1200、Raven1190ULT
RAII、Raven1170、Raven1080UL
TRA、Raven1060ULTRA、Raven7
90ULTRA、Raven780ULTRA、Rav
en760ULTRA(以上、コロンビアン・カーボン
社製)、Regal400R、Regal330R、R
egal660R、MogulL、Monarch70
0、Monarch800、Monarch880、M
onarch900、Monarch1000、Mon
arch1100、Monarch1300、Mona
rch1400(以上、キャボット社製)、Color
Black FW1、Color Black FW2、
Color Black FW2V、ColorBlac
k 18、Color Black FW200、Col
or Black S150、Color Black S
160、Color Black S170、Print
ex 35、Printex U、Printex V、
Printex 140U、Printex140V、
Special Black 6、Special Bl
ack 5、Special Black 4A、Spe
cial Black 4(以上、デグッサ社製)、N
o.25、No.33、No.40、No.47、N
o.52、No.900、No.2300、MCF−8
8、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、
三菱化学社製)等を使用することができる。また、マグ
ネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラッ
ク等を黒色顔料として用いてもよい。
【0021】シアン色の顔料としては、C.I.Pigm
ent Blue−1、C.I.Pigment Blue−
2、C.I.Pigment Blue−3、C.I.Pigm
ent Blue−15、C.I.Pigment Blue
−15:1、C.I.Pigment Blue−15:
3、C.I.Pigment Blue−15:34、C.I.
Pigment Blue−16、C.I.Pigment
Blue−22、C.I.Pigment Blue−60
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】マゼンタ色の顔料としては、C.I.Pigm
ent Red5、C.I.Pigment Red7、C.I.
Pigment Red12、C.I.Pigment Re
d48、C.I.Pigment Red48:1、C.I.P
igment Red57、C.I.Pigment Red
112、C.I.Pigment Red122、C.I.Pi
gment Red123、C.I.Pigment Red
146、C.I.Pigment Red168、C.I.Pi
gment Red184、C.I.PigmentRed
202等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0023】黄色の顔料としては、C.I.Pigment
Yellow−1、C.I.Pigment Yellow
−2、C.I.Pigment Yellow−3、C.
I.Pigment Yellow−12、C.I.Pig
ment Yellow−13、C.I.Pigment
Yellow−14、C.I.Pigment Yell
ow−16、C.I.Pigment Yellow−1
7、C.I.Pigment Yellow−73、C.
I.Pigment Yellow−74、C.I.Pig
ment Yellow−75、C.I.Pigment
Yellow−83、C.I.Pigment Yell
ow−93、C.I.Pigment Yellow−9
5、C.I.Pigment Yellow−97、C.
I.Pigment Yellow−98、C.I.Pig
ment Yellow−114、C.I.Pigmen
t Yellow−128、C.I.Pigment Ye
llow−129、C.I.Pigment Yello
w−151、C.I.PigmentYellow−15
4等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0024】黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原
色の顔料の他、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、
金、銀色等の金属光沢顔料、無色の体質顔料、プラスチ
ックビグメント等を使用してもよい。また、木発明のた
めに、新たに合成した顔料を使用してもよい。
【0025】また、これらの顔料に対し、顔料の表面に
親水性官能基を導入した、自己分散可能な顔料を使用す
ることもできる。親水化処理する方法は公知の方法や新
たに発明されたいずれの方法も使用できる。例えば、酸
化剤例えば硝酸、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、次亜
塩素酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、オゾン等
による酸化処理、シラン化合物等の力ップリング剤によ
る処理、ポリマーグラフト化処理、プラズマ処理等の公
知の方法の他、新たに開発した方法も使用でき、またこ
れらの方法を組み合わせてもよい。
【0026】これらの水中に自己分散可能な親水処理顔
料は、この発明の為に新たに作製されたものの他、市販
の親水処理顔料を使用することができる。本発明に好ま
しく使用することができる市販の水中に自己分散可能な
親水処理顔料としては、例えば、MICROJET B
LACK CW−1(オリエント化学工業社製)、CA
B−O−JET200(キャボット社製)、CAB一0
一JET300(キャボット社製)等が挙げられる。
【0027】これらの顔料及び親水性顔料は、その製造
工程で混入した不純物、例えば残余の酸化剤等の不純
物、その他の無機不純物や有機不純物を除去し、精製す
ることが望ましい。特に、インク中のカルシウム、鉄、
珪素をそれぞれ10ppm以下、好ましくは5ppm以
下にすることが望ましい。これらの無機不純物含有量
は、例えば高周波誘導結合プラズマ発光分析法により測
定することができる。これらの除去は、例えば、水洗浄
や、逆浸透膜、限外ろ過膜、イオン交換法等の方法、活
性炭、ゼオライト等による吸着の方法を単独又は組み合
わせて行うことができる。
【0028】顔料の含有量は、インクの全重量に対し、
0.1〜20重量%とすることが好ましく、1〜10重
量%とすることがより好ましい。
【0029】本発明のインクジェット記録用インクに用
いられる水溶性有機溶剤としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−
ペンタンジオール、1,2,6−へキサントリオール、
トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコー
ル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノブチルエーテル等の多価アルコール誘導体、ピロ
リドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシル
ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒、あ
るいは、チオジエタノール、チオジグリセロール、スル
ホラン、ジメチルスルオキシド等の含硫黄溶媒、炭酸プ
ロピレン、炭酸エチレン、グルコース及びその誘導体等
の糖類や糖アルコール類等を用いることができる。これ
らの水溶性有機溶剤は単独で用いても、2種以上混合し
てもよい。水溶性有機溶剤の含有量は、インクの全重量
に対して、1〜60重量%とすることが好ましく、5〜
40重量%とすることがより好ましい。
【0030】本発明のインクジエット記録用インクに用
いられる水は、特に不純物が混入することを防止するた
め、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水を使用
することが好ましい。
【0031】本発明のインクジェット記録用インクに
は、表面張力等のインク特性を調整するため界面活性剤
を添加することができる。本発明のインクジエット記録
用インクに使用できる界面活性剤の種類としては、各種
のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチ
オン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、アニ
オン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が好ましく
用いられる。
【0032】アニオン性界面活性剤としては、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、
高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エス
テルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エ
ステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アル
キルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリ
ン酸塩等を使用することができる。これらの中でも、ド
デシルベンゼンスルホン酸塩、ケリルベンゼンスルホン
酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチ
ルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビ
フェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン
酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が
好ましく使用される。
【0033】ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
トール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪
酸アミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレング
リコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加
物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール
ブロックコポリマー等を使用することができる。これら
の中でも、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルピタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロール
アミド、アセチレングリコール、アセチレングリコール
のオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリ
プロピレングリコールブロックコポリマーが好ましく使
用される。その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加
物等のシリコーン系界面活性剤や、バーフルオロアルキ
ルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、
オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ
素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、
リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用でき
る。
【0034】これらの界面活性剤は、単独で使用しても
混合して使用してもよい。また界面活性剤のHLBは、
溶解安定性等を考慮すると7〜20の範囲であることが
好ましい。界面活性剤の添加量は、その種類により一概
には言えないが、インク重量に対し合計で0.001〜
5重量%、好ましくは、0.001〜2重量%、さらに
好ましくは0.01〜2重量%の範囲とすることができ
る。界面活性剤の添加量が0.001重量%未満では、
添加の効果が得られず、また5wt%を超える量を添加
すると、画像の滲みの問題が発生しやすい。
【0035】本発明のインクジェット記録用インクに
は、一価アルコールを添加することが好ましい。本発明
のインクジェット記録用インクに用いられる一価アルコ
ールとしては、炭素数4以下の脂肪族アルコール及びベ
ンジルアルコールが挙げられ、エタノール、イソプロピ
ルアルコール、ベンジルアルコールが好ましく使用さ
れ、これらは、単独でも2種以上を混合して用いてもよ
い。一価アルコールの含有量は、インクの全重量に対し
て、1〜5重量%とすることが好ましく、2〜4重量%
とすることがより好ましい。含有量が1重量%未満とな
ると、画像の乾燥時間が長くなり、5重量%を超えると
画像滲みが増え、濃度が低下しやすい。
【0036】本発明のインクジエット記録用インクに
は、尿素及び尿素誘導体を添加することが好ましい。本
発明のインクジェット記録用インクに用いられる尿素及
び尿素誘導体としては、尿素、1,1−ジメチル尿素、
1,3−ジメチル尿素、1,1−ジエチル尿素、1,3
−ジエチル尿素等が挙げられ、好ましくは尿素が用いら
れる。尿素及び尿素誘導体の含有量は、インクの1〜1
0重量%とすることが好ましく、3〜8重量%とするこ
とがより好ましい。含有量が1重量%未満となると、目
詰まりし防止効果が低く、10重量%超えると画像滲み
が増え、濃度が低下しやすい。
【0037】本発明のインクジェット記録用インクに
は、インクのpHを調整するためにpH調整剤を必要に
応じて用いることができる。pH調整剤としては、塩
酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン
酸、ホウ酸、リン酸、亜リン酸、乳酸等の酸や水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ア
ンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−
プロパノール、アンモニア等の塩基、及びリン酸塩、シ
ュウ酸塩、アミン塩やグッドバッファー等のpH緩衝剤
が好ましく用いられる。
【0038】その他、インクの特性制御のために、ポリ
エチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類
及びその誘導体、その他水溶性ポリマー、アクリル系ボ
リマーエマルション、ボリウレタン系エマルション等の
ボリマーエマルション、シクロデキストリン、大環状ア
ミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、アセトア
ミド等を用いることができる。その他、必要に応じ、酸
化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収
剤、及びキレート化剤さらに水溶性染料、分散染料、油
溶性染料等も添加することができる。
【0039】本発明のインクジェット記録用インクの表
面張力は、20〜65mN/mの範囲とすることが好ま
しい。通常のインクジェット記録用インクでは、表面張
力が20〜40mN/mの範囲となると、普通紙に印字
した場合に、画像の乾燥時間が速くなるものの、滲みや
ふとりが発生し易くなり、高解像の画像が得られない
が、本発明のインクを用いる場合には、このような問題
は発生せず、良好な画像が得られる。しかし、表面張力
が65mN/mより高いと浸透が遅くなり、画像の乾燥
時問が長くなるので好ましくない。
【0040】本発明のインクジェット記録用インクの粘
度は、1.5〜5.0mPa・sが好ましく、1.5〜
3.5mPa・sがより好ましい。粘度が1.5mPa
・sよりも小さい場合には、インクの保存安定性が低下
し、粘度が10mPa・sより大きい場合には、吐出力
が低下し、目詰まりした場合回復し難い等の問題が生じ
易い。
【0041】本発明のインクジェット記録用インクの導
電率は、インクに添加される物質により変わり一概には
言えないが、0.05〜0.4S/mが好ましく、0.
07〜0.3S/mがより好ましい。導電率が0.4S
/mを超えると、インクの保存安定性が劣化しやすくな
る。
【0042】本発明のインクジェット記録用インクのp
Hは、6.0から11.0が好ましく、より好ましくは
7.5から9.0である。pHが6.0未満となると、
目詰まりしやすく、11.0を超えるとへッド構成部材
を腐食あるいは溶解し易くなる。
【0043】本発明のインクジェット記録用インク中の
分散粒子の数平均粒子径は、15〜100nmであるこ
とを要件とし、15〜70nmが好ましく、15〜60
nmがより好ましい。数平均粒子径が15nm未満とな
ると、インクの粘度が高くなりやすく、目詰まりが発生
しやすくなる。一方、100nmを超えると、インクの
保存安定性が低下しやすい。また、体積平均粒子径mv
と数平均粒子径mnの比で表わされる粒度分布mv/m
nは、1.1〜3であることが好ましく、より好ましく
は1.1〜2.2である。粒度分布が広くなると、浸透
速度が遅くなったり、耐さっか性が低下しやすい。木発
明において分散粒子の粒子径は、マイクロトラックUP
A粒度分析計9340(Leeds&Northrup
社製)を用い、上記インクを希釈しないで測定した。な
お、測定時に入力するパラメーターとして、粘度には、
被測定インクの粘度を、分散粒子の密度には、色材の密
度を入力した。
【0044】本発明のインクジェット記録用インク1リ
ットル中に含まれる粒子径0.5μm以上の粒子の数
は、7.5×1010個以下であることが好ましく、5×
1010個以下であることがより好ましい。0.5μm以
上の粒子の数が、7.5×1010個を超えると印字の信
頼性が低下しやすい。0.5μm以上の粒子数は、Ac
cusizer TM770 Optical Part
icle Sizer(Particle Sizing
Systems社製)を測定装置として用いた。この
装置は、測定部を通過する粒子を光学的手法を用いて検
出するものである。測定は、水性インクジェット記録液
の2μlを測定セル中に入れ、所定の測定法に従って行
い、1リットル中の値に換算した。
【0045】本発明のインクの製造方法として、顔料を
分散する工程では、各種の攪拌、分散装置を使用するこ
とができるが、ガラス、セラミック、全属等のボール或
いはビーズ等のいわゆる分散メディアを使用する分散機
を使用すると、顔料の粉砕、分散工程で分散メディア及
び分散容器の摩耗により、無機不純物が顔料分散液やイ
ンク中に大量に混入する場合が多い。したがって、分散
メディアを用いない分散装置の使用が望ましい。特に超
音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーからなる群か
ら選択された少なくとも1種以上の装置によって分散す
るのが好ましい。超音波ホモジナイザーで分散する際、
真空引き、加温、市販の脱泡/脱気装置等により脱泡、
脱気を行ってから分散するのが望ましい。分散メディア
を使用する分散装置を使用する場合は、必要に応じ、混
入した無機不純物の除去を行うことが好ましい。また、
分散後、遠心分離による粗大粒子除去を行うことが好ま
しい。さらに、必要に応じろ過等により粗大粒子を除去
した後に、所定の溶媒、添加剤等を加えて撹拝混合後濾
過を行い、インクとする。又は、顔料及び分散剤と所定
の溶媒、添加剤等を加えて撹拝混合後分散処理、遠心分
離、ろ過等により粗大粒子を除去してもよい。
【0046】本発明のインクジェット記録用インクは、
通常のインクジェット記録装置は勿論、インクの紙への
定着を補助するためのヒーター等を搭載した記録装置、
中間転写機構を搭載し、中間体にインクを印字後、紙等
の被記録体に転写する記録装置で用いることもできる。
本発明のインクジェット記録用インクは、熱インクジェ
ット方式により記録することが好ましい。
【0047】(作用)本発明において、顔料、水溶性樹
脂、水溶性有機溶媒及び水を含有する水性インクジエッ
ト記録用インクにおいて、前記水溶性樹脂が、一般式
(1)で示される単量体を含む重合体を含有し、インク
中の分散粒子の数平均粒子径が15〜100nmである
場合、インク吐出ノズルにおける目詰まりが低減し、イ
ンクの安定性、印字画像品質が向上する。原因は明確で
はないが、前記水溶性樹脂が、一般式(1)で示される
単量体を合む単量体を重合して得られる重合体が、顔料
分散剤又は分散安定剤として作用し、かつ一般式(1)
の単量体からなる重合体の繰り返し単位が水溶性有機溶
媒と水の両方に親和性を有するため、ノズル先端で水分
が蒸発して水溶性有機溶媒の濃度が増加しても、顔料が
凝集しにくく、目詰まりを改善できるものと考えられ
る。また、同様に記録媒体上では、印字後インク中の水
分蒸発により、水溶性有機溶媒の濃度が増加しても、凝
集して媒体上に過度に残留せず、乾燥性と画像品質に優
れると考えられる。
【0048】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明する。 (実施例1)上記表1中のNo.1の重合体10重量部
と、前記重合体の95%中和相当量のNaOHに、全量
が100重量部になるように水を加えて、加熱攪拌し、
溶解した後、メンブランフィルターでろ過し、樹脂水溶
液を得た。得られた水溶液30重量部に純水187.8
重量部を加えて攪拌した後、カーボンブラック(Mog
ul L:キャボット社製)30重量部を攪拌しながら
加え、30分間攪拌後、超音波ホモジナイザー(出力3
00W)で10分間処理し、10wt%Na0H水溶液
2.2重量部を加え、攪拌した後、さらに超音波ホモジ
ナイザー(出力300W)で20分間処理した。純水を
50重量部加え攪拌後、8000rpmで30分間遠分
離処理することにより顔料分散液を得た。
【0049】 得られた顔料分散液 61.7重量部 ジエチレングリコール 10重量部 ジグリセリンのオキシエチレン付加物 5重量部 (分子量約7500) イソプロピルアルコール 3重量部 尿素 6重量部 ポリオキシエチレンオレイルエーテル 0.03重量部 (オキシエチレン=30モル) 純水 14.27重量部 上記成分を混合撹絆後、ポアサイズ2μmのメンブレン
フィルターで濾過して、インクとした。
【0050】(実施例2)実施例1のNo.1の重合体
の代わりに、上記表1中のNo.2の重合体を使用した
こと以外は実施例1と同様にして、インクを作製した。
【0051】(実施例3)上記表1中のNo.8の重合
体3重量部と、スチレン/アクリル酸の60/40(モ
ル%)分子量7100の重合体の90%中和相当量Na
塩7重量部に、水90重量部を加えて、加熱攪拌し、溶
解した後メンブランフィルターでろ過し、樹脂水溶液を
得た。得られた水溶液50重量部に純水170重量部を
加えて攪拌した後、カーボンブラック(Monarch
880:キャボット社製)30重量部を攪拌しながら
加え、30分間攪拌した後、超音波ホモジナイザー(出
力300W)で30分間処理した。純水を50重量部加
え攪拌後、8000rpmで30分間遠分離処理するこ
とにより顔料分散液を得た。
【0052】 得られた顔料分散液 40重量部 チオジエタノール 10重量部 ジエチレングリコール 5重量部 イソプロピルアルコール 3重量部 尿素 6重量部 ポリオキシエチレンオレイルエーテル 0.03重量部 (オキシエチレン=30モル) 純水 35.97重量部 上記成分を混合攪拌後、ポアサイズ2μmのメンブレン
フィルターで濾過してインクとした。
【0053】(比較例1)実施例1のNo.1の重合体
の代わりに、スチレン/アクリル酸の60/40(モル
%)分子量7100の重合体の90%中和相当量Na塩
を使用したこと以外は実施例1と同様にして、インクを
作製した。
【0054】(比較例2)実施例1のNo.1の重合体
の代わりに、スチレン/アクリル酸の40/60(モル
%)分子量6800の重合体の90%中和相当量Na塩
を使用したこと以外は実施例1と同様にして、インクを
作製した。
【0055】(比較例3)実施例3のNo.8の重合体
を加えずに、スチレン/アクリル酸の60/40(モル
%)分子量7100の重合体の90%中和相当量Na塩
の量を10重量部に変更したこと以外は実施例3と同様
にしてインクを作製した。
【0056】(試験例1)実施例1〜3及び比較例1〜3
において得られたインクを用いて、下記の評価を実施し
た。 (1)インク表面張力 23℃、55%RHの環境において、ウイルヘルミー型
表面張力形を用いて測定した。 (2)インク粘度 レオマット115(Contraves社製)を測定装
置として用いた。その測定は、水性インクジェット記録
液を測定容器に入れ、所定の方法で装置に装着し、測定
を行った。測定温度は23℃で行い、せん断速度は14
00s 1で測定した。
【0057】(3)インク導電率 23℃で、導伝率計A0L−40−3302(DKK社
製)を測定装置として用いて測定した。 (4)インクpH 23℃の環境において、ガラスpH電極を用いて測定し
た。 (5)数平均粒子径及び体積平均粒子径/数平均粒子径 分散粒子の粒子径は、マイクロトラックUPA粒度分析
計9340(Leeds&Northrup社製)を用
い、上記インクを希釈しないで測定した。なお、測定時
に入力するパラメーターとして、粘度には、被測定イン
クの粘度を、分散粒子の密度には、色材の密度を使用し
た。
【0058】(6)0.5μm以上の粒子数 0.5μm以上の粒子数は、Accusizer TM
770 OpticalParticle Sizer
(Particle Sizing Systems社
製)を測定装置として用いた。この装置は、測定部を通
過する粒子を光学的手法を用いて検出するものである。
測定は、水性インクジェット記録液の2μlを測定セル
中に入れ、所定の測定法に従って行い、1リットル中の
値に換算した。上記(1)〜(6)の評価結果を表2に
示す。
【0059】(7)分散安定性テスト 上記インクを20gを蓋付きのガラス管に密閉し、70
℃雰囲気で100時間保管した。保管後のサンプルに対
し、上記(6)の測定を実施し、0.5μm以上の粒子
数の保管前に対する増加率を算出し以下の基準で評価し
た。 ○・・・増加率が2倍未満 △・・・増加率が2倍以下3.5倍未満 ×・・・増加率が3.5倍以上
【0060】(8)目詰まり性テスト 試作したインクジェット印字装置(熱インクジェット方
式、ドロップ滴:約45ng)を用いて、吐出停止後、
キャップをしない状態で、23℃、55%RHの環境に
おいて放置し、吐出を再開した時に画像乱れを生じるま
での放置時間を測定した。評価は、以下の基準で行っ
た。 ◎・・・90秒以上 ○・・・60秒以上90秒未満 △・・・30秒以上60秒未満 ×・・・30秒未満
【0061】(9)目詰まり回復性テスト 上記の印字装置を用いて、正常に印字できることを確認
した後、1ケ月間23℃、55%RHの環境下でキャッ
プをしない状態で放置し、バキュームによる回復操作を
正常に印字できるまで繰り返して、回数を記録し、以下
の基準で評価した。 ◎・・・1回以下で回復 ○・・・2〜3回で回復 △・・・4〜5回で回復 ×・・・6回以上で回復
【0062】(10)画質濃度 FX−L紙(富士ゼロックス社製)に対し、上記印字装
置を用いてベタを印字し、光学濃度計X−Rite M
0DEL404(X一Rite社製)を用いて測定し
た。 ○・・・1.2以上 △・・・1.1以上1.2未満 ×・・・1.1未満
【0063】(11)乾燥性評価テスト 上記の印字テストと同様にFX一L紙(富士ゼロックス
社製)に対しベタ印字部を印字して、印字画像の上から
別のFX一L紙を重ねさらに上から100g/cm2
荷重をかけ、重ねた紙にインクが転写されなくなるまで
の時間を測定し、以下の基準で評価した。 ◎・・・5s未満 ○・・・5s以上10s未満 △・・・10s以上20s未満 ×・・・20s以上
【0064】(12)画質評価デストFX一L紙(富士
ゼロックス社製)、4024紙(ゼロックス社製)に対
し、上記印字装置を用いで印字テストを行い、官能評価
を実施した。 ◎・・・滲みなし ○・・・わずかに滲みが認められるが許容範囲 △・・・滲みあり ×・・・多くの部分でヒゲ状の滲みあり 上記(7)〜(12)の評価結果を下記表3に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】表2及び表3に示される結果から明らかな
ように、実施例1〜3のインクは、比較例1〜3のイン
クに比べて、分散安定性、目詰まり性、目詰まり回復
性、画像濃度、乾燥性及び画質の全ての面において優れ
た結果が得られた。
【0068】(実施例4)Cab−O−Jet300
(キャボット社製)を、顔料濃度10重量%となるよう
に希釈し、8000prmで30分間遠心処理して、顔
料分散液(顔料濃度8.7重量%)を得た。 得られた顔料分散液 50重量部 No.3の重合体(90%Na中和塩) 1重量部 ジエチレングリコール 20重量部 サーフィノール465 1重量部 尿素 6重量部 純水 42重量部 上記成分を混合攪拌後、ポアサイズ2μmのメンブレン
フィルターで濾過してインクとした。
【0069】(実施例5)Microjet Blac
k CW−1(オリエント化学工業社製)を、7000
prmで20分間遠心分離処理して、顔料分散液(顔料
濃度16.8wt.%)を得た。 得られた顔料分散液 30重量部 No.4の重合体(90%Na中和塩) 1重量部 ジエチレングリコール 20重量部 ブチルカルビトール 4.5重量部 尿素 6重量部 純水 38.5重量部 上記成分を混合攪拌した後、ポアサイズ2μmのメンブ
レンフィルターで濾過してインクとした。
【0070】(比較例4)実施例4のNo.3の重合体
(90%Na中和塩)を添加せずに、純水の添加量を4
3重量部に変更したこと以外は実施例4と同様にしてイ
ンクを作製した。
【0071】(比較例5)実施例5のNo.4の重合体
(90%Na中和塩)を添加せずに、純水の添加量を3
8.5重量部に変更したこと以外は実施例5と同様にし
てインクを作製した。
【0072】(試験例2)実施例4、5及び比較例4、
5において得られたインクについて、試験例1と同じ評
価を行なった。結果を表4及び表5に示す。
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】表4及び表5に示される結果から明らかな
ように、実施例4及び5のインクは、比較例4及び5の
インクに比べて、分散安定性、目詰まり性、目詰まり回
復性、画像濃度、乾燥性及び画質の全ての面において優
れた結果が得られた。
【0076】(実施例6) 表1のNo.5の重合体 7.5重量部 銅フタロシアニン顔料 25重量部 (C.I.Pigment Blue−15:3) 超純水 217.5重量部 上記成分を混合し、超音波ホモジナイザー(出力300
W)で40分間処理した。この液を8000rpmで3
0分間遠分離処理することにより、顔料分散液(顔料濃
度8.1重量%)を得た。
【0077】 得られた分散液 37重量部 ジエチレングリコール 20重量部 サーフィノール465 1重量部 尿素 6重量部 純水 36重量部 上記成分を混合攪拌した後、ポアサイズ2μmのメンブ
レンフィルターで濾過してインクとした。
【0078】(実施例7) 表1のNo.6の重合体 7.5重量
部 キナクリドン顔料 25重量部 (C.I.Pigment Red−122) 超純水 217.5重量部 上記成分を混合し、超音波ホモジナイザー(出力300
W)で40分間処理した。この液を8000rpmで3
0分間遠分離処理することにより、顔料分散液(顔料濃
度8.0重量%)を得た。
【0079】 得られた分散液 37重量部 ジエチレングリコール 20重量部 ブチルカルビトール 4.5重量部 尿素 6重量部 純水 32.5重量部 上記成分を混合攪拌した後、ポアサイズ2μmのメンブ
レンフィルターで濾過してインクとした。
【0080】(実施例8) 表1のNo.7の重合体 7.5重量部 (90%Na中和塩) ジスアゾイエロー顔料 25重量部 (C.I.Pigment Yellow−83) 超純水 217.5重量部 上記成分を混合し、超音波ホモジナイザー(出力300
W)で40分間処理した。この液を8000rpmで3
0分間遠分離処理することにより、顔料分散液(顔料濃
度8.3重量%)を得た。
【0081】 得られた分散液 37重量部 ジエチレングリコール 20重量部 へキシルカルビトール 2重量部 尿素 6重量部 純水 35重量部 上記成分を混合攪拌した後、ポアサイズ2μmのメンブ
レンフィルターで濾過してインクとした。
【0082】 (比較例6) 表1中のNo.6の重合体 10重量部 スチレン/アクリル酸の40/60(モル%)分子量6800の重合体の90 %中和相当量Na塩 10重量 部 キナクリドン顔料 25重量部 (C.I.Pigment Red−122) 純水 55重量部 上記成分を混合し、ダイノーミル(メディアは、ジルコ
ニア0.5mm径)で2時間分散し、純水150部を使
用して、メディアから分散液を分離して、さらに超音波
ホモジナイザー(出力300W)で40分間処理した。
この液を10000rpmで30分間遠分離処理するこ
とにより、顔料分散液(顔料濃度7.1重量%)を得
た。
【0083】 得られた分散液 42重量部 ジエチレングリコール 20重量部 ブチルカルビトール 4.5重量部 尿素 6重量部 純水 27.5重量部 上記成分を混合攪拌後、ポアサイズ2μmのメンブレン
フィルターで濾過してインクとした。
【0084】(比較例7)表1のNo.8の重合体の3
重量部に純水165重量部を加え、攪拌した後、カーボ
ンブラック(Mogul L:キャボット社製)30重
量部を攪拌しながら加えた。これを30分間攪拌した
後、超音波ホモジナイザー(出力300W)で10分間
処理し、10wt%Na0H水溶液を2重量部を加え、
攪拌した後、さらに超音波ホモジナイザー(出力300
W)で30分間処理した。純水を50重量部加え攪拌し
た後、7000rpmで20分間遠分離処理することに
より、顔料分散液を得た。
【0085】 得られた顔料分散液 73重量部 ジエチレングリコール 10重量部 ジグリセリンのオキシエチレン付加物 5重量部 (分子量約7500) イソプロピルアルコール 3重量部 尿素 6重量部 ポリオキシエチレンオレイルエーテル 0.03重量部 (オキシエチレン=30モル) 純水 2.97重量部 上記成分を混合してインクとした。
【0086】(試験例3)実施例6〜8及び比較例6、
7について、試験例1と同様の評価を行なった。結果を
表6及び表7に示す。
【0087】
【表6】
【0088】
【表7】
【0089】表6及び表7に示される結果から明らかな
ように、実施例6〜8のインクは、比較例6、7のイン
クに比べて、分散安定性、目詰まり性、目詰まり回復
性、画像濃度、乾燥性及び画質の全ての面において優れ
た結果が得られた。
【0090】
【発明の効果】本発明により、分散安定性が良く、長時
間放置してもノズル閉塞が発生せず、画像の乾燥性と画
質の両立が可能なインクジェット記録用インク、及びそ
れを用いたインクジェット記録法が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 健 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 4J039 AD02 AD03 AD09 AD10 AD12 AD13 AD14 AD22 BA04 BE01 BE12 BE22 CA06 EA10 EA15 EA16 EA17 EA19 EA41 EA42 EA44 EA47 GA24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、顔料、水溶性樹脂及び水溶性有機溶
    媒を含有する水性インクにおいて、前記水溶性樹脂が、
    下記一般式(1)で示される単量体を合む重合体を含有
    し、インク中の分散粒子の数平均粒子径が15〜100
    nmであることを特徴とするインクジェット記録用イン
    ク。 CH2=CHNRlCOR2(1) (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素
    原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェット記録用イ
    ンクを用いることを特徴とするインクジェット記録法。
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