JP2000169583A - 球状ポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

球状ポリシロキサンの製造方法

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JP2000169583A
JP2000169583A JP11266545A JP26654599A JP2000169583A JP 2000169583 A JP2000169583 A JP 2000169583A JP 11266545 A JP11266545 A JP 11266545A JP 26654599 A JP26654599 A JP 26654599A JP 2000169583 A JP2000169583 A JP 2000169583A
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organic solvent
fatty acid
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weight
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Hideo Yamada
秀雄 山田
Yoshinori Tanigami
嘉規 谷上
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Nihon Yamamura Glass Co Ltd
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Nihon Yamamura Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒度分布の狭い球状ポリシロキサン特に球状
シリコーン粒子を製造する方法を提供する。 【解決手段】 疎水性有機溶媒中、該溶媒に可溶なHL
B1〜9の界面活性剤溶液が連続相であり、水が分散相
であるW/O型エマルションへトリアルコキシシラン、
テトラアルコキシシランまたはそれらの混合物から選ば
れたシランモノマーを分散し、シランモノマーの加水分
解・縮重合反応を進める。前記有機溶媒:界面活性剤の
重量比が10:90〜94:6の範囲において反応生成
物は球状ポリシロキサン粒子となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はW/O型エマルショ
ンを反応媒体として、有機珪素化合物を加水分解、縮重
合し、球状ポリシロキサンを製造する方法に関する。さ
らに詳しくは、本発明は特定の組成のW/O型エマルシ
ョンを反応媒体として、クロマトグラフのカラム用充填
剤、液晶パネルディスプレイのスペーサー、樹脂添加用
のフィラー等として用いられる、極めて真球度が高く、
粒径が揃った、分散性の良い球状ポリシロキサン、特に
球状シリコーン粒子を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水に相溶性のない有機溶媒中に界
面活性剤を用いて水を分散させエマルションとし、有機
珪素化合物を加水分解、縮重合することによりシリカ及
びシリコーン微粒子を得る方法が知られている。
【0003】例えば、特開平1−264924号公報に
は、テトラアルコキシシランを水あるいは水とアルコー
ルの混合溶液で加水分解してシリカゾルを形成し、得ら
れたシリカゾルを油と乳化剤からなる油性分散媒中に攪
拌しながら添加して乳化させ、乳化状態で上記シリカゾ
ルをゲル化させ、これを焼成して球状シリカを製造する
方法が開示されている。しかし、この方法はシリカゲル
の合成が上記の通り二段階法であり工程が複雑であると
共に、ゾルのゲル化に一晩の熟成が必要であり合成に要
する時間が極めて長い。また、テトラアルコキシシラン
以外のケイ酸エステルについては、全く開示されていな
い。
【0004】また特開平4−240110号公報には、
ケイ酸エステルと水との混合液を分散安定剤の存在下、
該混合液と実質的に相溶性のない有機液体中に懸濁さ
せ、ケイ酸エステルを加水分解してゲル状シリカ粒子を
製造する方法が開示されている。この方法も、上記と同
様二段階合成法であり工程が複雑である。また、テトラ
メトキシシラン以外のケイ酸エステルを用いる場合の合
成法の具体的開示はなされていない。
【0005】特開昭63−291807号公報には、ケ
イ酸エステル、水、酸もしくはアルカリ触媒の混合液中
に、水に相溶性のない有機溶剤と非イオン界面活性剤と
を存在させ、W/O型エマルションを形成させシリカゲ
ルを生成させる、高純度球状シリカの製造方法が開示さ
れている。この方法は、界面活性剤濃度が従来W/O型
エマルションを形成させるために用いられてきたのと同
程度であり、反応を進行させるためには酸もしくはアル
カリ触媒が必須である。また、テトラアルコキシシラン
以外のケイ酸エステルについては、全く開示されていな
い。
【0006】特開昭63−85012号公報には、ケイ
酸エステルと水からなる原料溶液を、HLB価が2〜9
の非イオン性界面活性剤を溶解又は分散した有機溶媒中
で乳化してケイ酸ゲルを生成させ、ケイ酸質球状粒子を
製造する方法が開示されている。この方法も、界面活性
剤濃度は従来W/O型エマルションを形成させるために
用いられてきたのと同程度であり、反応を進行させるた
めに、実質的には酸又はアルカリ触媒が必須である。さ
らに、テトラメトキシシラン以外のケイ酸エステルを用
いる場合の合成法の具体的開示はなされていない。
【0007】特開平4−33927号公報には、加水分
解可能なシラン化合物、部分加水分解物、低縮合物、そ
れらの誘導体の単独又は2種以上の混合物を、分散剤と
してノニオン系界面活性剤を使用し、塩基性触媒または
酸性触媒の存在下、分散媒中で懸濁後、加水分解縮合さ
せ球状シリコーン微粒子を得る方法が開示されている。
しかし、ここで開示されている方法はO/W型エマルシ
ョンを反応媒体とする方法であり、反応を完了させるの
に10時間もの長時間が必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする問題】本発明は、工程が比較
的単純で、合成に要する時間が短く、酸又はアルカリ触
媒を必須とせずに極めて真球度が高く、粒径が揃った分
散性の良い球状ポリシロキサン粒子、特に球状シリコー
ン粒子を製造する方法を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
従来法における問題点を解決し、粒径の制御が可能で、
粒径が揃っており、金属イオンの混入が無く純度が高
い、極めて真球度が高い球状ポリシロキサン粒子を、従
来法より単純な工程で且つ短時間で再現性良く得るため
に鋭意研究を重ねた。その結果、加水分解可能な有機珪
素化合物のW/O型エマルション中における加水分解・
縮重合が、特定の組成では酸、アルカリ等の意図的な反
応触媒を添加することなく進行し、上記目的が達成され
ることを見出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0010】即ち、本発明は、疎水性有機溶媒と、これ
に可溶でHLB値が1〜9の界面活性剤の重量比が1
0:90〜94:6であり、これらの合計100重量部
に対し10〜180重量部の水を添加して乳化させたW
/O型エマルションを反応媒体として、式:RnSi
(OR’)4-n (式中、nは0又は1、Rはメチル基、
エチル基、ビニル基又はフェニル基、R’は低級アルキ
ル基)で表される有機珪素化合物を加水分解・縮重合さ
せることを特徴とする球状ポリシロキサンの製造方法に
関する。
【0011】
【発明実施の形態】本発明において、反応媒体であるW
/O型エマルションの油相の主要構成成分として用いら
れる疎水性有機溶媒には、実質的に水と相溶性が無く、
アルコキシシラン等の有機珪素化合物を溶解しうる有機
溶媒が特に制限無く用いられる。上記有機溶媒として
は、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、
デカン、ウンデカン、ドデカン等の脂肪族直鎖炭化水素
類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン
等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ドデシルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭
化水素類、ジブチルエーテル、ジベンジルエーテル、ジ
ヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエ
ーテル等のエーテル類、石油エーテル、石油ベンジン、
石油ナフサ、リグロイン、工業ガソリン、灯油などの石
油留分類等があげられる。これらの溶媒は単独で用いて
も良く、又、2種類以上の混合溶媒として用いても良
い。用いる疎水性有機溶媒としては、生成物の粒子径の
均一性や凝集等の問題を考慮すると、脂肪族の炭化水素
を主成分とする溶媒を選択することがより好ましい。
【0012】本発明で用いる界面活性剤としては、上記
疎水性有機溶媒に溶解するHLB値が1〜9の界面活性
剤が採用される。特に、反応媒体中で解離しないことか
ら非イオン界面活性剤が好適に使用でき、中でもソルビ
タン脂肪酸エステル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステ
ル、ペンタエリスリット脂肪酸エステル、プロピレング
リコール脂肪酸エステル、ジエチレングリコール脂肪酸
エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の多価アルコール型
非イオン界面活性剤が好適に使用される。ここで、ポリ
グリセリン脂肪酸エステルはジグリセリン、テトラグリ
セリン、ヘキサグリセリン等グリセリン縮合物の脂肪酸
エステルを意味する。HLB値が1未満又は9を越える
と安定な、W/O型エマルションを形成できない恐れが
ある。球状ポリシロキサンを得るまでの所要時間や、凝
集の問題等を考慮すると、HLB値は1.5〜5である
ことがより好ましい。
【0013】本発明において、好適に使用できる界面活
性剤としては、ソルビタントリオレエート、ソルビタン
セスキオレエート、ソルビタンモノオレエート、ソルビ
タントリステアレート、ソルビタンジステアレート、ソ
ルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレ
ート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパル
ミテート等のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンモ
ノステアレート、グリセリンモノオレエート等のグリセ
リン脂肪酸エステル、ジグリセリンジオレエート、ジグ
リセリンモノオレエート、ジグリセリンモノステアレー
ト、テトラグリセリンモノオレエート、テトラグリセリ
ンモノステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ペンタエリスリットモノステアレート、ペンタエリ
スリットモノパルミテート等のペンタエリスリット脂肪
酸エステル、プロピレングリコールモノステアレート、
プロピレングリコールモノラウレート等のプロピレング
リコール脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノス
テアレート、ジエチレングリコールモノラウレート等の
ジエチレングリコール脂肪酸エステル、スクロースジス
テアレート、スクローストリステアレート、スクロース
ジパルミテート、スクロースジラウレート等のショ糖脂
肪酸エステル等が具体的に例示される。これらを単独で
用いても、複数組合せて用いてもよい。上記の内、反応
速度とW/O型エマルションの安定性を考慮すると、ソ
ルビタン脂肪酸エステルがより好ましく、とりわけソル
ビタントリオレエートが好ましい。
【0014】上記疎水性有機溶媒と、上記界面活性剤の
重量比は10:90〜94:6とすることが好ましい。
疎水性有機溶媒が10重量部未満で、界面活性剤が90
重量部を越えると得られる球状ポリシロキサンの凝集が
著しくなる。逆に疎水性有機溶媒が94重量部を越え、
界面活性剤が6重量部未満では反応が遅くなり、短時間
で所望の球状ポリシロキサンを得ることが困難になる。
疎水性有機溶媒と界面活性剤の重量比は、用いる疎水性
有機溶媒と界面活性剤の種類、水の量、所望の球状ポリ
シロキサンの粒径に応じて上記範囲内で適宜選択され
る。球状ポリシロキサンを得るまでの所要時間や、凝集
の問題等を考慮すると、疎水性有機溶媒と界面活性剤の
重量比は15:85〜88:12であることがより好ま
しい。
【0015】疎水性有機溶媒と界面活性剤の合計量にお
ける上記界面活性剤の濃度は、得られるポリシロキサン
粒子の粒径に強く影響し、濃度が高くなるにつれ粒径が
大きくなる傾向がある。上記界面活性剤は、W/O型エ
マルションを形成するのみならず加水分解・縮重合速度
を大きくする効果を有する。従来、W/O型エマルショ
ンを形成するのに必要とされてきた量よりも過剰の界面
活性剤を反応場に存在させることにより、酸、アルカリ
等の触媒を添加しなくても短時間で反応を進行させるこ
とができる。
【0016】本発明で用いる反応媒体であるW/O型エ
マルションの水相には、脱イオン水または蒸留水などの
不純物が極めて少ないものを使用するのが好ましい。水
相に塩酸やアンモニアなどに代表される有機珪素化合物
の加水分解反応触媒を添加することは必須ではないが、
有機珪素化合物の種類、その他の成分の種類や量によっ
て粒子形成に時間がかかるようであれば、W/O型エマ
ルションの安定性を損なわない範囲で添加してもよい。
【0017】疎水性有機溶媒と界面活性剤の合計量に対
する水の量は、得られるポリシロキサン粒子の粒径に強
く影響し、濃度が高くなるにつれ粒径が小さくなる傾向
がある。水の量は、有機珪素化合物を加水分解するのに
十分な量であり、且つ、反応開始時から反応終了時まで
反応媒体がW/O型エマルションとして安定に存在しう
るように、上記疎水性有機溶媒と上記界面活性剤の合計
100重量部に対し、10〜180重量部とするのが好
ましい。水の量が10重量部未満では反応速度が遅くな
りすぎ、所望の球状ポリシロキサンを得るのに要する時
間が長くなる恐れがある。逆に水の量が180重量部を
越えると、反応中にエマルションがW/O型を維持する
のが困難になる。反応速度、安定なW/O型エマルショ
ン形成等を考慮すると、水の量は上記疎水性有機溶媒と
上記界面活性剤の合計100重量部に対し、15〜15
0重量部とするのがより好ましく、20〜120重量部
とするのがさらに好ましい。
【0018】本発明において、上記疎水性有機溶媒に可
溶の、加水分解・縮重合可能な有機珪素化合物として
は、式:RnSi(OR’)4-n (式中、nは0又は
1、Rはメチル基、エチル基、ビニル基又はフェニル
基、R’は低級アルキル基)で表される有機珪素化合物
が用いられる。この内、W/O型エマルションを反応媒
体として反応が進行しやすく、比較的容易に球状ポリシ
ロキサンを形成するメチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン及び
テトラメトキシシランの内の少なくとも1種を用いるこ
とが好ましい。とりわけ、メチルトリメトキシシランを
50モル%以上含有する有機珪素化合物を用いることが
好ましい。これらの有機珪素化合物は、オリゴマーが形
成される二段階合成法とは異なり、W/O型エマルショ
ンの油相に溶解するため、モノマーの形態でエマルショ
ンの微細な水相へ移動し、核を形成すると考えられる。
従って、粒径の揃った、凝集のない、真球度の極めて高
い球状ポリシロキサン粒子が容易に得られる。
【0019】上記有機珪素化合物の添加量は、疎水性有
機溶媒の種類及び量、界面活性剤の種類及び量、該有機
珪素化合物の種類等の条件により異なるが、収量や反応
媒体中で生成した球状ポリシロキサン粒子の凝集防止等
を考慮すると、疎水性有機溶媒と、これに可溶でHLB
値が1〜9の界面活性剤の合計100重量部に対し、5
〜80重量部であることが好ましく、10〜60重量部
であることがより好ましく、15〜45重量部であるこ
とがさらに好ましい。
【0020】反応媒体であるW/O型エマルションの調
製にあたって、各成分の混合順序は問わない。しかし、
粒径が均一な球状ポリシロキサンを得るためには、まず
疎水性有機溶媒と界面活性剤を混合して均一溶液とし、
それを攪拌しながら水を滴下して均一なエマルションを
形成することが好ましい。加水分解・縮重合可能な有機
珪素化合物は、水を滴下する前に上記均一溶液に添加し
てもよいし、水を滴下混合して均一なW/O型エマルシ
ョンを形成してから添加してもよい。
【0021】反応温度は、通常0〜100℃、好ましく
は5〜80℃である。反応温度は粒子形成速度に正の相
関を示し、有機珪素化合物の種類、量やその他の成分の
種類、量等によって、反応速度が小さく粒子を得るのに
時間がかかる場合は反応温度を高く、逆に、反応速度が
大きく粒子成長過程において凝集を起こしてしまう場合
には反応温度を低く、適宜調整すればよい。再現性を高
くするため、反応温度は監視し一定に保つのが好まし
い。
【0022】生成した粒子はデカンテーションやろ過等
により反応媒体から分離することができる。粒子表面に
付着している界面活性剤や難揮発性の有機溶媒等は、有
機溶媒で洗浄するか、又はそのまま500〜1000℃
程度に加熱して付着物を燃焼分解して除去してシリカ粒
子としても良い。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例をあげて具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限され
るものではない。なお、得られた球状ポリシロキサン粒
子の形態観察は、走査型電子顕微鏡(日立製作所製 S
−2150)を用いて行った。また、得られた球状ポリ
シロキサン粒子は粒度分布測定装置(MICROTRA
C製 9220 FRA)を用いて測定し、平均粒径を
D50で示した。また、粒度分布を粒径に対する累積重
量曲線図で最小粒径からの累積重量が75%の点の粒径
を、最小粒径からの累積重量が25%の点の粒径で除し
た値D75/D25で示す。
【0024】実施例1 内容積が500mLの栓付瓶に、疎水性有機溶媒として
n−オクタン(石津製薬株式会社製)20g、界面活性
剤としてソルビタントリオレエート(商品名:イオネッ
ト S−85、三洋化成工業株式会社製、HLB 1.
8)80gを仕込み、よく混合して均一溶液とした。そ
の溶液をマグネティックスターラで攪拌しながらイオン
交換水93.3gを滴下し、80分間攪拌を続けてW/
O型エマルションを形成した。
【0025】上記溶液を攪拌しながら、メチルトリメト
キシシラン(商品名:KBM−13、信越化学工業株式
会社製)26.7gをすみやかに滴下し、さらに1時間
攪拌した。反応中、エマルションの温度は28℃に保持
した。攪拌を停止して反応溶液を静置し、ポリシロキサ
ン粒子を沈降させ上澄み液を分離した。さらに、2−プ
ロパノール再分散とデカンテーション処理を行い、上澄
み液を取り除いた後、残留分を120℃に加熱して除去
し、生成したポリシロキサン粒子を取出した。
【0026】得られたポリシロキサン粒子は走査型電子
顕微鏡による観察の結果、真球状で、凝集は確認されな
かった。また、平均粒径D50は68.60μmで、D
75/D25は、1.92であった。結果を表1に示
す。
【0027】実施例2〜8 n−オクタン、ソルビタントリオレエート、イオン交換
水及びメチルトリメトキシシランの配合量を変える(表
1参照)以外は実施例1と同様にしてポリシロキサン粒
子を得た。得られたポリシロキサン粒子は走査型電子顕
微鏡による観察の結果、真球状で、凝集は確認されなか
った。一例として、実施例7のポリシロキサン粒子の電
子顕微鏡写真を図1に示す。また、得られた粒子のD5
0と、D75/D25を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例9 反応中のエマルションの温度を5℃に保持し、メチルト
リメトキシシランを滴下後の攪拌時間が3時間である以
外は実施例4と同様に処理して、ポリシロキサン粒子を
得た。得られたポリシロキサン粒子は走査型電子顕微鏡
による観察の結果、真球状で、凝集は確認されなかっ
た。また、得られた粒子のD50は5.15μmで、D
75/D25は1.30であった。
【0030】実施例10 界面活性剤がソルビタンモノオレエート(商品名:イオ
ネット S−80、三洋化成工業株式会社製、HLB
4.3)であり、イオン交換水の量が93.3gである
以外は実施例4と同様に処理して、ポリシロキサン粒子
を得た。得られたポリシロキサン粒子は走査型電子顕微
鏡による観察の結果、真球状で、凝集は確認されなかっ
た。また、得られた粒子のD50は13.72μmで、
D75/D25は1.79であった。
【0031】実施例11 疎水性有機溶媒がケロシン(石津製薬株式会社製)であ
る以外は実施例4と同様に処理して、ポリシロキサン粒
子を得た。得られたポリシロキサン粒子は走査型電子顕
微鏡による観察の結果、真球状で、凝集は確認されなか
った。また、得られた粒子のD50は4.98μmで、
D75/D25は1.73であった。
【0032】実施例12 有機珪素化合物がメチルトリエトキシシラン(商品名:
LS−1890、信越化学工業株式会社製)であり、反
応中のエマルションの温度を50℃に保持し、メチルト
リエトキシシランを滴下後の攪拌時間が3時間である以
外は実施例2と同様に処理して、ポリシロキサン粒子を
得た。得られたポリシロキサン粒子は走査型電子顕微鏡
による観察の結果、真球状で、凝集は確認されなかっ
た。また、得られた粒子のD50は1.13μmで、D
75/D25は1.20であった。
【0033】実施例13 有機珪素化合物の種類及び量がフェニルトリメトキシシ
ラン(商品名:LS−2750、信越化学工業株式会社
製)22.2gであり、イオン交換水の量が93.3g
である以外は実施例7と同様に処理して、ポリシロキサ
ン粒子を得た。得られたポリシロキサン粒子は走査型電
子顕微鏡による観察の結果、真球状で、凝集は確認され
なかった。また、得られた粒子のD50は0.49μm
で、D75/D25は1.13であった。
【0034】実施例14 界面活性剤がソルビタンモノラウレート(商品名:スパ
ン #20、東京化成工業株式会社製、HLB 8.
6)であり、有機珪素化合物がテトラメトキシシラン
(商品名:LS−540、信越化学工業株式会社製)で
ある以外は実施例4と同様に処理して、ポリシロキサン
粒子を得た。得られたポリシロキサン粒子は走査型電子
顕微鏡による観察の結果、真球状で、凝集は確認されな
かった。また、得られた粒子のD50は0.16μm
で、D75/D25は1.37であった。
【0035】実施例15 メチルトリメトキシシランを加える順序を、イオン交換
水を加える前とし、イオン交換水添加後に1時間攪拌し
て反応させた以外は実施例4と同様に処理して、ポリシ
ロキサン粒子を得た。得られたポリシロキサン粒子は走
査型電子顕微鏡による観察の結果、真球状で、凝集は確
認されなかった。また、得られた粒子のD50は3.0
7μmで、D75/D25は1.54であった。
【0036】実施例16 n−オクタンの量が53.3gであり、界面活性剤の種
類及び量がモノイソステアリン酸グリセリル(商品名:
MGIS、日本サーファクタント工業株式会社製、HL
B 4.0)46.7gであり、イオン交換水の量が1
00gである以外は実施例4と同様に処理して、ポリシ
ロキサン粒子を得た。得られたポリシロキサン粒子は走
査型電子顕微鏡による観察の結果、真球状で、凝集は確
認されなかった。また、得られた粒子のD50は3.4
0μmで、D75/D25は1.55であった。
【0037】実施例17 メチルトリメトキシシランを4.5時間かけて滴下した
以外は実施例4と同様に処理して、ポリシロキサン粒子
を得た。得られたポリシロキサン粒子は走査型電子顕微
鏡による観察の結果、真球状で、凝集は確認されなかっ
た。また、得られた粒子のD50は0.21μmで、D
75/D25は1.08であった。
【0038】比較例1〜7 界面活性剤の量を2gとし、水相を表2に示す水溶液と
した以外は実施例7と同様に処理した。
【0039】比較例1〜2については、反応終了後には
高粘性の透明ゾルが反応容器の底に堆積し、球状粒子を
得るには至らなかった。比較例4〜6については、白色
の沈殿物が生じたが、SEMで観察したところ、真球状
の粒子は確認されなかった。比較例3、7については、
反応終了後に明確な生成物が確認されなかった。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られる球状ポ
リシロキサンは、極めて真球度が高く、凝集が無く、粒
径が揃っている。また、本発明の製造方法は、得られる
球状ポリシロキサンの粒径の制御が可能で、従来法より
容易に、かつ短時間で再現性良く目的物を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例7の球状ポリシロキサンの走
査型電子顕微鏡写真である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】疎水性有機溶媒と、これに可溶でHLB値
    が1〜9の界面活性剤の重量比が10:90〜94:6
    であり、これらの合計100重量部に対し10〜180
    重量部の水を添加して乳化させたW/O型エマルション
    を反応媒体として、式:RnSi(OR’)4-n (式
    中、nは0又は1、Rはメチル基、エチル基、ビニル基
    又はフェニル基、R’は低級アルキル基)で表される有
    機珪素化合物を加水分解・縮重合させることを特徴とす
    る球状ポリシロキサンの製造方法。
  2. 【請求項2】反応媒体が、塩基性触媒も酸性触媒も含有
    しない請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】界面活性剤が、非イオン界面活性剤である
    請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】非イオン界面活性剤が、ソルビタン脂肪酸
    エステル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ペンタ
    エリスリット脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂
    肪酸エステル、ジエチレングリコール脂肪酸エステル、
    ショ糖脂肪酸エステルおよびそれらの混合物から選ばれ
    る請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】有機珪素化合物が、メチルトリメトキシシ
    ラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキ
    シシラン、テトラメトキシシランおよびそれらの混合物
    から選ばれる請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】有機珪素化合物全量の内、メチルトリメト
    キシシランの比率が50モル%以上である請求項1乃至
    5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】疎水性有機溶媒と、これに可溶でHLB値
    が1〜9の界面活性剤の合計100重量部に対する有機
    珪素化合物の添加量が5〜80重量部である請求項1乃
    至6のいずれかに記載の方法。
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