JP2000169536A - 高分子固体電解質の製造方法 - Google Patents

高分子固体電解質の製造方法

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JP2000169536A
JP2000169536A JP10351118A JP35111898A JP2000169536A JP 2000169536 A JP2000169536 A JP 2000169536A JP 10351118 A JP10351118 A JP 10351118A JP 35111898 A JP35111898 A JP 35111898A JP 2000169536 A JP2000169536 A JP 2000169536A
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aryl group
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glycol diacrylate
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Masamichi Onuki
正道 大貫
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リチウム二次電池等の材料として有用な、高分
子固体電解質を、高生産性且つ泡のない高品質で製造す
る方法を提供する。 【解決手段】(A)エチレン性不飽和二重結合を複数個
有するポリアルキレングリコール系モノマーを、(B)
リチウム塩及び(C)溶媒の存在下で重合、硬化させて
高分子固体電解質を製造するに当たり、下記一般式
(I)で表されるパーオキシエステルの存在下、重合さ
せることを特徴とする高分子固体電解質の製造方法。 【化1】 (式中、 R1〜R3 は、水素原子または炭化水素残基で
あり、互いに同一でも異なっていても良い。但し、R1
〜R3のうち少なくとも1つは、炭素数2以上のアルキ
ル基またはアリール基である。R4,R5は、それぞれ独
立に、アルキル基またはアリール基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子固体電解質
の製造方法に関するものである。詳しくは、放電特性な
どに優れ、リチウム二次電池等に使用できる固体電解質
を短時間で効率的に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、リチウム塩等の支持電解質を
非水系溶媒に溶解した電解液をポリマーによって保持さ
せたゲル状の固体電解質が、リチウム電池などに使用さ
れた場合、液漏れを原理上完全に抑制できる固体電解質
として期待され、種々検討が行われている。この様な固
体電解質の製法として、不飽和二重結合を有するモノマ
ーとリチウム塩及び溶媒を含む組成物を、重合、硬化さ
せる方法が知られている。その際の重合方法としては、
熱分解してラジカル発生させる開始剤を添加して加熱す
る方法(熱硬化法)、光増感剤を添加して紫外線を照射
する方法、開始剤を加えることなく直接電子線やγ線な
どの放射線を照射する方法などが知られている。特に熱
硬化法は特別な装置を必要とせず簡便であることからこ
れまで広く適用されている。その際の開始剤としては過
酸化ベンゾイルに代表されるジアシルパーオキサイド
類、パーオキシエステル類などの有機過酸化物、または
アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物が用いら
れる。
【0003】パーオキシエステル類は他の開始剤に比べ
て、分解時のガス発生が少ないこと、液体であるために
溶解工程が不要であることなどのメリットがあり、従来
よりt−ブチルパーオキシ2―エチルヘキサノエートの
使用が提案されている(特公平7−25838等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして、本発明者の
検討によれば、従来用いられているt−ブチルパーオキ
シ2―エチルヘキサノエートは、硬化速度が遅く、高生
産性が期待できるレベルには到達していなかった。また
パーオキシエステルの中には調液後しばらく発泡を続け
る場合があり、生産性を落としていた。そこで、本発明
の目的は、残存気泡を持たない均一な高分子固体電解質
を極めて高い効率で製造する方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定のパーオキシエス
テル類を開始剤として用いることで気泡のない固体電解
質を短時間で製造できることを見出し本発明を完成する
に至った。すなわち本発明の要旨は、(A)エチレン性
不飽和二重結合を複数個有するポリアルキレングリコー
ル系モノマーを、(B)リチウム塩及び(C)溶媒の存
在下で重合、硬化させて高分子固体電解質を製造するに
当たり、下記一般式(I)で表されるパーオキシエステ
ルの存在下、重合させることを特徴とする高分子固体電
解質の製造方法に存する。
【0006】
【化4】
【0007】(式中、 R1〜R3 は、水素原子または炭
化水素残基であり、互いに同一でも異なっていても良
い。但し、R1〜R3のうち少なくとも1つは、炭素数2
以上のアルキル基またはアリール基である。R4,R
5は、それぞれ独立に、アルキル基またはアリール基を
示す。)即ち、本発明方法においては、R1〜R3のうち
少なくとも1つが炭素数2以上のアルキル基又はアリー
ル基であるパーオキシエステルを使用することにより、
従来より用いられてきたt―ブチルパーオキシアルカノ
エート(すなわちR1〜R3 が全て炭素数1)と比較し
て飛躍的に高い硬化速度を示すものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明で使用される(A)エチレン性不飽和二重結合を
複数個有するポリアルキレングリコール系モノマーと
は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ア
リル基等の不飽和二重結合を複数有し、さらに分子内に
ポリアルキレングリコールユニットを含有するものが挙
げられる。これらを例示すると、ポリアルキレングリコ
ールジアクリレート、ポリアルキレングリコールジメタ
クリレートなどの2官能モノマー、トリメチロールプロ
パンアルコキシレートトリアクリレート、ペンタエリス
リトールアルコキシレートトリアクリレートなどの3官
能モノマー、ペンタエリスリトールアルコキシレートテ
トラアクリレート、ジトリメチロールプロパンアルコキ
シレートテトラアクリレートなどの4官能以上のモノマ
ーなどが挙げられる。これら多官能モノマーは2種以上
併用することが可能である。
【0009】3官能以上のモノマーの場合には、重合さ
せた後でも未反応二重結合が残存しやすい傾向にある
が、ゲル電解質中の未反応二重結合は内部抵抗の高い界
面を形成するのに寄与する場合があるので、存在しない
ことが望ましい。従って、多官能モノマーのなかでも、
特に2官能モノマーを単独或いは主成分として使用する
ことが好ましい。特に好ましい2官能モノマーは、アク
リロイル基またはメタクリロイル基のようなアクリル系
官能基を2個有するポリアルキレングリコール系2官能
モノマーである。具体的には、下記一般式(III)で表さ
れる化合物が挙げられる。
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R’、R”は、それぞれ独立し
て、水素原子又は低級アルキル基であり、互いに同一で
も異なっていてもよい。またnは1〜50の整数であ
る。)一般式(III)において、R’、R”としては、水
素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特に
水素原子又はメチル基が好ましい。nは好ましくは6以
下であり、特に好ましくは4以下である。
【0012】具体的には例えば、エチレングリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラ
エチレングリコールジメタクリレートなどのポリエチレ
ングリコールジアクリレート類及びポリエチレングリコ
ールジメタクリレート類、プロピレングリコールジアク
リレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジ
プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレング
リコールジメタクリレート、トリプロピレングリコール
ジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリ
レート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、
テトラエチレングリコールジメタクリレートなどのポリ
プロピレングリコールジアクリレート類及びポリプロピ
レングリコールジメタクリレート類などが挙げられる。
この中でも、特にR’が水素原子であるアクリレート類
は、反応速度が格段に早く電解質の生産性向上につなが
るので好ましい。特にジエチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラ
エチレングリコールジアクリレート、トリプロピレング
リコールジアクリレートは入手が容易で安価であること
から好適に用いられる。
【0013】2官能モノマー或いはこれを主成分とする
多官能モノマーの量は硬化前の組成物全体に対して通常
50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。モ
ノマー量が多すぎるとイオン伝導度は低下する。また少
なすぎると強度が低下し、固体を形成しない場合すらあ
り得る。
【0014】また、本発明においては、モノマー成分と
して上記多官能モノマーの他に不飽和二重結合を1つ有
する単官能モノマーを共存させてもよい。特に、アクリ
ロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の
不飽和二重結合を有する基を有するモノマーを共存させ
ると強度が向上するので好ましい。このようなモノマー
としては、アクリレート、メタクリレートなどの不飽和
エステル類、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリ
ルなどのビニル化合物などが挙げられる。中でもアクリ
レート及びメタクリレートなどの不飽和エステル類はラ
ジカル重合がしやすい点で通常使用される。特に好適に
用いられる単官能モノマーとしては、例えば、2ーメト
キシエチルアクリレート、2ーエトキシエチルアクリレ
ートなどの2ーアルコキシエチルアクリレート類、ジエ
チレングリコールメチルエーテルアクリレート、ジエチ
レングリコールエチルエーテルアクリレートなどのジエ
チレングリコールアルキルエーテルアクリレート類、ポ
リエチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、
ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルアクリ
レートなどのポリエチレングリコールアリールエーテル
アクリレート類、アクリル酸2ー(メチルチオ)エチル
などの含硫黄アクリレート類が挙げられる。特にエーテ
ルユニットを持つ2−エトキシエチルアクリレート、ジ
エチレングリコールエチルエーテルアクリレートなどの
アクリレートは好適に使用される。エーテルユニットは
Liとの親和性が高いためイオン導電度の向上に寄与す
るので有効である。単官能モノマーを併用する場合、単
官能モノマーの上記多官能モノマーに対する重量割合
は、通常0〜500%、好ましくは0〜300%であ
る。単官能モノマーの割合が多すぎると強度が低下し、
ゲル化を起こさない場合すらあり得る。
【0015】本発明で用いる(B)リチウム塩として
は、特に制限はないが、LiPF6、LiAsF6、Li
BF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、C
3SO3Li、C49 SO3Li、CF3COOLi、
(CF3CO)2NLi、(CF 3SO22 NLi、(C
25SO2)NLiなどのリチウム塩が挙げられる。特
に溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF6、Li
BF4、LiClO4、CF3SO3Li及び(CF3
22NLiからなる群から選ばれる少なくとも一種が
好適に用いられる。
【0016】リチウム塩の量は、硬化前の組成物全量に
対して通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上であ
る。また、通常は30重量%以下、好ましくは20重量
%以下である。リチウム塩の量が少なすぎても多すぎて
もイオン導電度は低下する傾向にある。また、リチウム
塩の液成分に対する濃度は通常0.5〜2.5mol/
L程度である。
【0017】本発明で用いる(C)溶媒としては、リチ
ウム塩を溶解させるものであれば特に限定されないが、
高いイオン導電性を得るために通常ジメチルカーボネー
ト(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチ
ルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート
(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、メチルエチ
ルカーボネート(MEC)などのアルキルまたはアルキ
レンカーボネート類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロ
ラクトン、δ―バレロラクトンなどのラクトン類、ギ酸
メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、安息香酸メ
チルなどのエステル類、1、2―ジメトキシエタン、テ
トラヒドロフランなどのエーテル類、スルホラン、ジメ
チルスルホキシドなどの含硫黄化合物類が好ましく用い
られる。またこれらの溶媒の混合液を用いてもよい。特
に好ましくはカーボネート類またはラクトン類である。
またこれらの溶媒に予め所定量のリチウム塩を溶解させ
たものが市販されており、これらを用いてもよい。溶媒
の量は、固体電解質全量に対して通常40重量%以上、
好ましくは70重量%以上である。一方、通常は95重
量%以下、好ましくは90重量%以下である。溶媒が少
なすぎるとイオン導電度が低下し、多すぎると電解質の
強度が弱くなる傾向にある。
【0018】本発明における固体電解質には、必要に応
じて他の成分を含有させることができる。例えば、電池
としての安定性や性能、寿命を高めるために、トリフル
オロプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、
カテコールカーボネート、1,6−Dioxaspir
o[4,4]nonane−2,7−dione(スピ
ロジラクトン)、12−クラウン−4−エーテル等の添
加剤を使用できる。
【0019】本発明は少なくとも上記(A)、(B)、
(C)を含有する組成物を、前記一般式(I)で表され
るパーオキシエステルの存在下、重合硬化させる。前
記、一般式(I)において、R1〜R3 としては、水素
原子、メチル、エチル、n−プロピル、iープロピル、
n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、tーブチル、ネ
オペンチル、n−ヘキシル等の炭素数1〜10の分岐を
有していても良い鎖状アルキル基、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、メチルシクロヘキシル、イソボルニル、
1−アダマンタンメチル等の炭素数4〜13の環状アル
キル基、フェニル、トリル、キシリル、t−ブチルフェ
ニル、ナフチル等の炭素数6〜18のアリール基等が挙
げられ、R1 〜R3 の少なくとも1つは、水素原子、メ
チル基以外の基である。R4 〜R5 としては、上記と同
様のアルキル基、アリール基が挙げられる。好ましく
は、下記一般式(II)で表されるパーオキシエステル類
である。
【0020】
【化6】
【0021】(式中、R11は炭素数2以上のアルキル基
またはアリール基であり、R41,R51は、それぞれ独立
に、アルキル基またはアリール基である。)一般式(I
I)において、R11としては炭素数2以上の前述のアル
キル基、アリール基が挙げられ、R41,R51は前述のア
ルキル基、アリール基と同様の基が挙げられる。
【0022】具体的には、例えば、t―アミルパーオキ
シ2―エチルヘキサノエート、α―クミルパーオキシ2
―エチルヘキサノエート、t―ヘキシルパーオキシ2―
エチルヘキサノエート、1−シクロヘキシルー1―メチ
ルエチルパーオキシ2―エチルヘキサノエートなどのパ
ーオキシ2―エチルヘキサノエート類、t―アミルパー
オキシイソブチレート、α―クミルパーオキシイソブチ
レート、t―ヘキシルパーオキシイソブチレート、1−
シクロヘキシルー1―メチルエチルパーオキシイソブチ
レートなどのパーオキシイソブチレート類などが挙げら
れる。パーオキシエステルの量は硬化前の組成物全量に
対して通常0.05重量%以上、好ましくは0.1重量
%以上である。また、通常は3重量%以下、好ましくは
2重量%以下である。パーオキシエステルの量が少なす
ぎると硬化に長時間を有し、多すぎると生成した固体電
解質中に気泡が生じる傾向にある。
【0023】本発明方法は、一般式(I)のパーオキシ
エステル類の存在下、(A)、(B)及び(C)を重合
硬化させるが、本発明方法で使用されるパーオキシエス
テルは、比較的二酸化炭素を放出しにくい構造をしてい
るため、調液時の発泡が少ないので、多官能モノマー類
とパーオキシエステルとを混合した後、熱硬化するまで
の熟成は特に必要ない。重合(硬化処理)の温度は、使
用するパーオキシエステルによっても異なるが、通常5
0℃以上150℃以下であり、好ましくは70℃以上1
20℃以下である。温度が低すぎると硬化速度が遅くな
り固体電解質の生産性が低下する。また温度が高すぎる
と、リチウム塩の分解及び溶媒の揮散を招くので好まし
くない。重合時間は通常30秒以上30分以下である。
好ましくは1分以上20分以下である。処理時間が短い
と硬化が不十分となる結果、短絡しやすい電解質を与え
る。また処理時間が長すぎても特に意味はなく生産性が
低下するだけである。
【0024】本発明方法で使用する各原料は、予め脱水
しておくのが好ましい。水分量は50ppm以下好まし
くは30ppm以下がよい。水が多量に存在すると、水
の電気分解及びリチウム金属との反応、リチウム塩の加
水分解などが起こる可能性があり、電池用の電解質とし
て不適当な場合がある。脱水の手段としては特に制限は
ないが、モノマー、溶媒などの液体の場合はモレキュラ
ーシーブ4A等を用いればよい。特にリチウム置換した
モレキュラーシーブを用いるのが好ましい。またリチウ
ム塩などの固体の場合は分解が起きない温度で加熱、乾
燥すればよい。
【0025】上記各原料の調合する場合は、水分、酸
素、二酸化炭素を極力排除した雰囲気で行うのが望まし
い。特に水分については前述のように注意が必要であ
る。また酸素及び二酸化炭素が組成物中に多量存在する
と、重合する際に、これらの分子がポリマー鎖中に取り
込まれ電気化学的に不安定なマトリックスが形成される
可能性があるので好ましくない。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの
実施例により限定されるものではない。 実施例1 テトラエチレングリコールジアクリレート(東亜合成化
学社製:商品名アロニックスM―240)0.467
g、トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリ
レート(東亜合成化学社製:商品名アロニックスM―3
70)0.233g、スピロジラクトン(アルドリッチ
社製)0.465g、ソルライト(三菱化学社製、プロ
ピレンカーボネートとエチレンカーボネートの等重量混
合液にLiPF6を1mol/Lの濃度となるように溶
解させたもの)8.835g、t―アミルパーオキシ2
―エチルヘキサノエート(化薬アクゾ社製:商品名トリ
ゴノックス121)0.05gをサンプル瓶に秤取し不
活性な雰囲気下で混合した。調液直後の発泡は観測され
なかった。ついでこの組成物の一部をポリエチレンテレ
フタレート製フィルムの型枠(厚さ125ミクロン、縦
20mm、横20mm)に秤取し密閉した後、オーブン
に入れ90℃で5分間熱処理した。得られた固体をFT
―ラマン分析装置にて分析したところ、未反応のC=C
結合は観測されず(検出限界3%)、ほぼ完全に反応が
進行していることがわかった。また目視で観察した結
果、固体中に気泡は認められなかった。
【0027】実施例2 実施例1で使用したt―アミルパーオキシ2―エチルヘ
キサノエート0.05gの代わりに、t―ヘキシルパー
オキシ2―エチルヘキサノエート(日本油脂社製:商品
名パーヘキシルO)0.05gを用いた以外は、実施例
1と同様に調液、硬化を行ったところ、薄膜状の固体が
得られた。固体をFT―ラマン分析装置にて分析したと
ころ、未反応のC=C結合は観測されず(検出限界3
%)、ほぼ完全に反応が進行していることがわかった。
また調液直後の発泡及び生成した固体中の気泡は認めら
れなかった。
【0028】実施例3 実施例1で使用したt―アミルパーオキシ2―エチルヘ
キサノエート0.05gの代わりに、1,1,3,3―
テトラメチルブチルパーオキシ2―エチルヘキサノエー
ト(日本油脂社製:商品名パーオクタO)0.05gを
用いた以外は、実施例1と同様に調液、硬化を行ったと
ころ、薄膜状の固体が得られた。固体をFT―ラマン分
析装置にて分析したところ、未反応のC=C結合は観測
されず(検出限界3%)、ほぼ完全に反応が進行してい
ることがわかった。また調液直後の発泡及び生成した固
体中の気泡は認められなかった。
【0029】比較例1 実施例1で使用したt―アミルパーオキシ2―エチルヘ
キサノエート0.05gの代わりに、t―ブチルパーオ
キシ2―エチルヘキサノエート(化薬アクゾ社製:商品
名カヤエステルO)0.05gを用いた以外は、実施例
1と同様に調液、硬化を行ったところ、薄膜状の固体が
得られた。固体をFT―ラマン分析装置にて分析したと
ころ、未反応のC=C結合が7%存在していることがわ
かった。
【0030】実施例4 テトラエチレングリコールジアクリレート(東亜合成化
学社製:商品名アロニックスM―240)0.40g、
ジエチレングリコールエチルエーテルアクリレート(ア
ルドリッチ社製)0.80g、ソルライト(三菱化学社
製、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの
等重量混合液にLiPF6を1mol/Lの濃度となる
ように溶解させたもの)8.80g、t―アミルパーオ
キシ2―エチルヘキサノエート(化薬アクゾ社製:商品
名トリゴノックス121)0.05gをサンプル瓶に秤
取し不活性な雰囲気下で混合した。調液直後の発泡は観
測されなかった。ついでこの組成物の一部をポリエチレ
ンテレフタレート製フィルムの型枠(厚さ125ミクロ
ン、縦20mm、横20mm)に秤取し密閉した後、オ
ーブンに入れ90℃で5分間熱処理した。得られた固体
をFT―ラマン分析装置にて分析したところ、未反応の
C=C結合は観測されず(検出限界2%)、ほぼ完全に
反応が進行していることがわかった。また目視で観察し
た結果、固体中に気泡は認められなかった。
【0031】比較例2 実施例4で使用したt―アミルパーオキシ2―エチルヘ
キサノエート0.05gの代わりに、t―ブチルパーオ
キシ2―エチルヘキサノエート(日本油脂社製:商品名
カヤエステルO)0.05gを用いた以外は、実施例4
と同様に調液、硬化を行ったところ、薄膜状の固体が得
られた。固体をFT―ラマン分析装置にて分析したとこ
ろ、未反応のC=C結合が5%存在していることがわか
った。以上の結果を表−1及び表−2にまとめて表示し
た。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】実施例から明らかなように、特定の構造
を有するパーオキシエステルの存在下、ポリアルキレン
グリコール系モノマー、リチウム塩及び溶媒を重合硬化
させる本発明方法によれば、残存気泡を持たない均一な
固体電解質を極めて高い生産性で製造することができ
る。この電解質はリチウム二次電池の材料として有用で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 10/40 H01M 10/40 B Fターム(参考) 4J002 BG041 BG051 DE196 DH006 DK006 EK057 EV236 GQ00 4J011 PA09 PA10 PA14 PA16 PB08 PB27 PC02 PC13 4J015 BA07 4J027 AB10 AB17 AB18 BA19 BA26 CA13 CA14 CA16 CA17 CA24 CA33 CB04 CC02 5H029 AJ14 AL12 AM02 AM03 AM05 AM07 AM16 CJ11 EJ11 HJ02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エチレン性不飽和二重結合を複数個
    有するポリアルキレングリコール系モノマーを、(B)
    リチウム塩及び(C)溶媒の存在下で重合、硬化させて
    高分子固体電解質を製造するに当たり、下記一般式
    (I)で表されるパーオキシエステルの存在下、重合さ
    せることを特徴とする高分子固体電解質の製造方法。 【化1】 (式中、 R1〜R3 は、水素原子または炭化水素残基で
    あり、互いに同一でも異なっていても良い。但し、R1
    〜R3のうち少なくとも1つは、炭素数2以上のアルキ
    ル基またはアリール基である。R4,R5は、それぞれ独
    立に、アルキル基またはアリール基を示す。)
  2. 【請求項2】 パーオキシエステルが、下記一般式(I
    I)で表されるエステルから選ばれることを特徴とする
    請求項1に記載の高分子固体電解質の製造方法。 【化2】 (式中、R11は炭素数2以上のアルキル基またはアリー
    ル基であり、R41,R51は、それぞれ独立に、アルキル
    基またはアリール基である。)
  3. 【請求項3】 (A)モノマーが、下記一般式(III)で
    表されるモノマーから選ばれる少なくとも1種を含有す
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子固
    体電解質の製造方法。 【化3】 (式中、R’、R”は、それぞれ独立に、水素原子又は
    低級アルキル基であり、nは1〜50の整数である。)
  4. 【請求項4】 (A)モノマーが、ジエチレングリコー
    ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
    ート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリ
    プロピレングリコールジアクリレートから選ばれる少な
    くとも1種を含有することを特徴とする請求項3に記載
    の高分子固体電解質の製造方法。
  5. 【請求項5】 (B)リチウム塩が、LiPF6、Li
    BF4、LiClO4、CF3 SO3 Li、及び(CF3
    SO22NLiからなる群から選ばれる少なくとも1
    種を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    か1項に記載の高分子固体電解質の製造方法。
  6. 【請求項6】 (C)溶媒が、カーボネート類またはラ
    クトン類であることを特徴とする請求項1乃至5のいず
    れか1項に記載の高分子固体電解質の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002216793A (ja) * 2001-01-15 2002-08-02 Toyota Motor Corp 燃料電池電解質膜の高温挙動解析治具および方法
JP2012054071A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Sekisui Chem Co Ltd リチウムイオン伝導性材料、リチウムイオン伝導性電解質膜、リチウムイオン伝導性電解質膜−電極接合体及びリチウムイオンポリマー電池

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