JP2000167323A - 吸着性シート及び空気浄化用フィルター - Google Patents

吸着性シート及び空気浄化用フィルター

Info

Publication number
JP2000167323A
JP2000167323A JP34550798A JP34550798A JP2000167323A JP 2000167323 A JP2000167323 A JP 2000167323A JP 34550798 A JP34550798 A JP 34550798A JP 34550798 A JP34550798 A JP 34550798A JP 2000167323 A JP2000167323 A JP 2000167323A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
activated carbon
granular activated
adsorptive
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34550798A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Imagawa
真之 今川
Shinichi Minemura
慎一 峯村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP34550798A priority Critical patent/JP2000167323A/ja
Priority to DE69940137T priority patent/DE69940137D1/de
Priority to EP19990109101 priority patent/EP0955087B1/en
Publication of JP2000167323A publication Critical patent/JP2000167323A/ja
Priority to US09/925,687 priority patent/US6746760B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高脱臭性能及び高除塵性能を有しながら、粉
塵に対する目詰まりを生じ難く、低圧力損失、高粉塵容
量で、寿命の長い吸着性シート及びフィルターを提供す
ること。 【解決手段】 平均粒子径60〜600μmの粒状活性
炭を支持部材に接着固定してなる粒状活性炭含有シート
を含んでなる吸着性シートであって、該吸着性シートの
厚み方向に実質的に通気孔を形成せしめてなり、且つ、
前記微細な孔の個数が前記吸着性シート1cm2当たり
1〜20個である吸着性シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にガス中の粉塵
及び悪臭の吸着除去に用いる吸着性シート、並びに、該
吸着性シートを構成要素とする空気浄化用フィルターに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、粒状活性炭は、安価且つ通気
性が良好な上、エアロゾルや溶液中の溶質に対して強力
な吸着能を示すため、気体や液体の浄化或いは脱臭等を
目的に一般的に利用されてきた。
【0003】この様な粒状活性炭を空気浄化用フィルタ
ーに適用する技術の1つとして、浄化したい空気をシー
ト面に対して直交方向に通気させて用いるシート状吸着
材がある。しかしながら、かかるシート状吸着材中の粒
状活性炭は、それ自体のみではろ過膜として成形するこ
とが容易ではなく、仮に何らかの担体を用いて濾過膜を
形成することができたとしても担体から簡単に剥離して
流失してしまうという問題を有していた。
【0004】このような事情から、粒状活性炭を空気浄
化用フィルターの素材として有効に利用し得る技術の開
発が進められ、これまでに、不織布、ネット状基材、ポ
リウレタンフォームに活性炭を担持することにより粒状
活性炭を有効に利用する方法などが開発されている。
【0005】例えば、特開昭48―72088には、不
織布に接着剤を付着させ、その後活性炭を散布して得ら
れた吸着性シートが開示されている。しかし、かような
吸着性シートは、活性炭を強固に固持しようとすれば接
着剤を多量に不織布一面に覆うことが必要となり、その
結果、通気抵抗が高くなり、また比較的粗い粉塵たとえ
ば、花粉、砂塵、スパイク粉塵等に対して早期の目詰ま
りを起こしやすいという問題があった。
【0006】また、特開平9―285531や特開平9
―173752には、通気抵抗を低減するためにネット
状基材にバインダーを塗布しその後活性炭を担持させた
吸着性シートや、ポリウレタンフォームにバインダーを
塗布しその後活性炭を担持させた吸着性シートが開示さ
れている。しかし、どちらの場合もネット状であり開孔
率が非常に大きいため、脱臭効率が低く、活性炭が脱落
する可能性が大きい。もし、活性炭脱落のためにシート
を積層しても、脱臭効率の低下は免れなかった。
【0007】上記で説明した通り、粒状活性炭を不織布
状のシートに固定した空気浄化用のフィルター素材であ
って、悪臭ガスに対する吸着性能や粉塵に対する除塵性
能が優れているのは当然のこととして、折り曲げ加工時
の活性炭の脱落性においても、粉塵に対する目詰まり・
通気抵抗においても充分満足し得る吸着性シートや空気
浄化用フィルターは得られていないのが現状であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、優れた除塵性能及び脱臭性能と共に、さらに通気性
(低圧力損失、長寿命)と加工性(粒状活性炭の保持
性)が共に優れた吸着性シート及び空気浄化用フィルタ
ーを提供することにある。
【0009】本発明者らは、上記課題を解決するため
に、粒状活性炭を含む吸着性シートの厚み方向に微細な
通気し得る程度の大きさの孔を設けることにより、粒状
活性炭の保持性を十分に担保し、且つ、通気性に優れた
吸着性シートが得られることを見出した。
【0010】上記において、驚いたことに、孔の大きさ
を粉塵の大きさよりもかなり大きく設定した場合でさ
え、粉塵の漏れは予測に反して極めて少ない量となり、
これに対して、粉塵の保持量及び通気抵抗は大幅に改善
され、このことにより吸着性シートの寿命が大きく延長
されることを見出した。
【0011】また、上記において、孔の個数を一定範囲
の個数とすることにより、特に、粒状活性炭の保持性能
を維持したままで、通気抵抗や粉塵保持量を改善し得る
ことを見出した。
【0012】本発明者らは上記の知見を基に、更に重ね
て検討した結果、本発明に到達したものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、平均粒
子径60〜600μmの粒状活性炭を支持部材に接着固
定してなる粒状活性炭含有シートを含んでなる吸着性シ
ートであって、該吸着性シートの厚み方向に実質的に通
気し得る微細な孔を形成せしめてなり、且つ、前記微細
な孔の個数が前記吸着性シート1cm2当たり1個〜2
0個であることを特徴とする吸着性シート。
【0014】本発明の吸着性シートの好ましい実施態様
は、前記微細な孔1個当たりの平均開孔面積が0.5m
2〜3mm2である。
【0015】本発明の吸着性シートの好ましい実施態様
は、前記粒状活性炭含有シートが、主に支持繊維と接着
性繊維からなる繊維層と、繊維層を形成する支持繊維と
接着性繊維の連続した部分により粒状活性炭が接着固定
されてなる活性炭層とが一体的に形成されてなるもので
ある。
【0016】本発明の吸着性シートの好ましい実施態様
は、前記活性炭含有シートに通気性シートを積層してな
る。
【0017】本発明の吸着性シートの好ましい実施態様
は、前記通気性シートがエレクトレット不織布である。
【0018】また、本発明は、上記の吸着性シートをプ
リーツ状又は波状に成型してなる空気浄化用フィルター
を提供するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の吸着性シートは、平均粒
子径60〜600μmの粒状活性炭を支持部材に接着固
定してなる粒状活性炭含有シートを含むことが必要であ
る。粒状活性炭含有シートを含むことにより、効果的に
臭気成分の吸着・除去を行うためである。
【0020】本発明の吸着性シートにおいて、粒状活性
炭を支持部材に接着固定してなる粒状活性炭含有シート
としては、支持部材として不織布、ネット状基材、ポリ
ウレタンフォームを用いて、かかる支持部材に接着剤に
より粒状活性炭を接着固定せしめた粒状活性炭含有シー
ト等が好適に用いられる。
【0021】本発明の吸着性シートは、該吸着性シート
の厚み方向に実質的に通気し得る微細な孔を形成せしめ
てなることが必要である。なお、かかる微細な孔は、吸
着性シートを貫通していても、貫通していなくてもよ
く、吸着性シートの厚み方向に設けられた孔であり、実
質的に通気し得る微細な孔であればよく、微細な孔1個
当たりの開孔面積は0.1mm2〜15mm2であること
が好ましく、0.2mm2〜10mm2であればより好ま
しい。開孔面積が0.1mm2未満の場合には、通気抵
抗低下や粉塵に対する目詰まり低減の効果が小さく、1
0mm2を越える場合には、粒状活性炭の保持が不十分
となり脱落が発生する恐れを生じる。
【0022】本発明の吸着性シートは、前記微細な孔の
個数が吸着性シート1cm2当たり1〜20個であるこ
とが必要であり、2〜15個であればより好ましく、3
〜10個であれば特に好ましい。かような微細な孔を形
成せしめることにより、通気抵抗を低下させると同時
に、粉塵保持量を大きく向上させ、さらには、吸着シー
トの寿命を大幅に改善することができるからである。個
数が20個を越える場合には、粒状活性炭の固持が不十
分となり、粒状活性炭の脱落が発生する恐れを生じる。
【0023】本発明の吸着性シートに形成された微細な
孔1個当たりの平均開孔面積は、0.5mm2〜3mm
2であることが好ましく、1mm2〜2mm2であればよ
り好ましい。平均開孔面積が0.5mm2未満の場合に
は通気抵抗低下や粉塵に対する目詰まり低減の効果が小
さい。平均開孔面積が3mm2を越える場合には、粒状
活性炭の固持が不十分となり、粒状活性炭の脱落が発生
する恐れがある。
【0024】なお、孔1個当たりの平均開孔面積の測定
は、吸着性シートの任意の3点から1cm角の大きさで
サンプリングしたものについて、面積測定機能の付属し
た顕微鏡、例えばキーエンス社製高精細デジタルマイク
ロスコープVH−6300を用いて測定する。
【0025】本発明の吸着性シートに形成された通気孔
の開孔率は、3%〜10%であることが好ましく、5%
〜8%であればより好ましい。開孔率が3%未満の場合
には通気抵抗低下や粉塵に対する目詰まり低減の効果が
小さい。開孔率が10%を越える場合には、粒状活性炭
の固持が不十分となり、粒状活性炭の脱落が発生する恐
れがある。
【0026】なお、開孔率の測定は、吸着性シートの任
意の3点から1cm角の大きさでサンプリングしたもの
について、開孔面積の総和を求め、下記式により求め
る。 開孔率=開孔面積の総和/サンプル面積×100
【0027】本発明の吸着性シートに形成された微細な
孔を開孔する方法は、特に限定されるものではなく、例
えばニードルパンチ法、エアパンチ法、水流交絡法等を
単独、又は組み合わせて用いる方法などが好適に用いら
れる。また、開孔部の形状も特に限定されるものではな
く、円筒状、円錐状等が好適に用いられる。
【0028】本発明の吸着性シートに用いられる粒状活
性炭含有シートは、主に支持繊維及び接着性繊維からな
る繊維層と、繊維層を形成する支持繊維と接着性繊維の
連続した部分により粒状活性炭が接着固定されてなる活
性炭層とが一体的に形成されてなることが好ましい。か
ような繊維層を有することにより、粒状活性炭に触れず
に折り曲げ加工等が可能となり、また、かような活性炭
層を有することにより、粒状活性炭は粒状活性炭含有シ
ートに強固に一体的に固定され、折り曲げ加工時の粒状
活性炭脱落が極めて生じ難くなるためである。さらに、
本発明の吸着性シートは、上記の構成とすることによ
り、溶融させた接着性繊維や接着剤の使用を最小限と
し、粒状活性炭本来の脱臭性能を最大限に利用すること
を可能とすると同時に、シート全体の通気抵抗を低く維
持することを可能としたものである。
【0029】本発明の吸着性シートに用いられる粒状活
性炭の平均粒子径は、60〜600μmであることが必
要であり、100〜550μmであれば好ましく、20
0〜500μmであればより好ましい。平均粒子径が6
0μm未満の場合には、一定の高吸着容量を得るのに通
気抵抗が大きくなりすぎ、また、同時にシート充填密度
が高くなりやすく、粉塵供給時に早期の圧損上昇を引き
起こす原因にもなる。平均粒子径が600μmを越える
場合には、脱落が生じやすくなり、またワンパスでの初
期吸着性能が極端に低くなり、更にはプリーツ形状及び
ハニカム状等の空気浄化用フィルターとしたときの折り
曲げ、及び波状加工時の加工性が悪くなる。なお、上記
の粒状活性炭は、通常の分級機を使用して所定の粒度調
整をすることにより、得ることが可能である。また、上
記の平均粒子径は、JIS標準ふるい(JISZ880
1)により求めた値である。
【0030】本発明の吸着性シートに用いられる粒状活
性炭の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、
ヤシガラ系、木質系、石炭系等が好適に用いられる。ま
た、上記の粒状活性炭は、形状的には破砕炭、造粒炭、
ビーズ炭等が好適に用いられる。
【0031】本発明の吸着性シートに用いられる粒状活
性炭のJISK1474に準拠して測定したときのトル
エン吸着量は、20重量%以上が好ましい。悪臭ガス等
の無極性のガス状及び液状物質に対して高い吸着性能を
必要とするためである。
【0032】本発明の吸着性シートに用いられる粒状活
性炭は、極性物質の吸着性能を向上することを目的とし
て、薬品処理を施して用いてもよい。ガス薬品処理に用
いられる薬品としては、アルデヒド系ガスやNOx等の窒
素化合物、SOx等の硫黄化合物、酢酸等の酸性の極性
物質に対しては、例えばエタノールアミン、ポリエチレ
ンイミン、アニリン、アニシジン等のアミン系薬剤や水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸グアニジン、
炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が好適に用いられ、
アンモニア、メチルアミン、トリメチルアミン、ピリジ
ン等の塩基性の極性物質に対しては、例えば、リン酸、
クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等が好適に用いら
れる。なお、薬品処理は、例えば、粒状活性炭に薬品を
担持させたり、添着することにより行う。また、活性炭
に直接薬品を処理する以外に、シート面表面付近に通常
のコーティング法等で添着加工する方法やシート全体に
含浸添着することも可能である。
【0033】本発明の吸着性シートに含まれる粒状活性
炭含有シートは、粒状活性炭を30〜80重量%含有す
ることが好ましい。30重量%未満の場合には、良好な
吸着性能が得られず、80重量%を越える場合には、吸
着性シートの強度が低下する。
【0034】本発明の吸着性シートに含まれる粒状活性
炭含有シートは、支持部材として支持繊維を5〜50重
量%含有することが好ましい。5重量%未満では、抄紙
性が悪くなり、50重量%を超える場合には、吸着効果
が不良となる。
【0035】上記の支持繊維の外表面積は、1m2/g
以下であることが好ましい。1m2/gを越える場合に
は、通気性及び抄紙性が低下するためである。なお、上
記の支持繊維としては、フィブリル化した繊維、フィブ
リル化していない繊維の両者が用いられる。
【0036】上記の支持繊維の繊維長は、3〜20mm
であることが好ましい。3mm未満の場合には、通気性
が悪くなり、20mmを超える場合には、抄紙性やシー
トの地合が悪くなり、通気抵抗、吸着性能のバラツキが
大きくなる。
【0037】上記の支持繊維の比重は、0.8〜1.7
g/ccであることが好ましい。比重が0.8g/cc
未満の場合には、抄紙スラリー生成時に、支持繊維と粒
状活性炭とが分離して形成されるため、表面層に支持繊
維の緻密な層が形成され、通気抵抗が高くなり、また、
支持繊維による粒状活性炭の固持が不十分となり、粒状
活性炭の脱落が大きくなる。比重が1.7g/ccをこ
える場合には、粒状活性炭(比重約1.8)との比重差
が小さいため、表面層が形成されず、本来の目的を達成
できない。また、上記の支持繊維としては、親水性のあ
るのものが好ましい。活性炭含有シートをより強固に形
成するためである。
【0038】上記の支持繊維の材質は、特に限定される
ものではなく、例えば、ポリエステル、ポリアクリロニ
トリル、ポリアミド、ポリオレフィン等の合成繊維の
他、リンター、木綿、麻、木材パルプ、レーヨン、ガラ
ス繊維等が用いられる。好ましくは、木材パルプ、レー
ヨン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドであ
る。なお、繊維形状は同心円形でも異形断面でもよい。
また倦縮のかかった繊維も使用できる。
【0039】本発明の吸着性シートに含まれる粒状活性
炭含有シートの製造工程は、予め活性炭、支持繊維、接
着性繊維を水中に分散させスラリー状とし、これを長網
式、短網式、円網式等の方法によって水分を除去し湿潤
ウェッブをつくり、その後プレスローラーで軽く絞り、
あるいは吸引後、回転乾燥ドラムにて接触乾燥する方法
で吸着性シートの連続物を製造できる。また、スラリー
中に高分子系、無機系の分散剤や凝集剤を適量添加して
歩留まりを向上させることもできる。また、通気性のあ
る穴のあいた金型や樹脂型に上記スラリーを流し込み、
その後吸引、乾燥する方法でも本発明の吸着性シートを
製造できる。また、支持繊維、接着性繊維を含む不織布
ウェッブを予め作製しておき、この中に活性炭を分散さ
せその後、熱風を吹き付ける方法でシート化する方法で
も製造可能であるが、活性炭の均一分散性を考慮すると
前述の水中に分散する工程を介して製造するのがより好
ましい。
【0040】本発明の吸着性シートに含まれる粒状活性
炭含有シートは、接着剤として、接着性繊維を有するこ
とが好ましい。
【0041】上記の接着性繊維は、水膨潤性繊維や熱溶
融性繊維等、混抄時の接着成分(バインダー)となるも
のであればよく、例えば、ポリビニルアルコール繊維、
ポリエチレン繊維やポリプロピレン−ポリエチレン、ポ
リエステル複合繊維、ポリアミド複合繊維等が好適に用
いられる。また、これらの繊維はシースコア構造でも、
サイドバイサイド構造、あるいは倦縮のある繊維でもよ
い。
【0042】上記の接着性繊維の比重は、0.8〜1.
7g/ccであることが好ましい。抄紙スラリー生成後
に、支持繊維の近傍に存在し、粒状活性炭含有シートの
表面層及び裏面層の形態保持性を良好なものとするため
である。
【0043】上記の接着性繊維の繊維長は、1〜20m
mであることが好ましい。1mm未満の場合には、通気
性が悪くなり、20mmを超える場合には、抄紙性やシ
ートの地合が悪くなり、通気抵抗、吸着性能のバラツキ
が大きくなる。
【0044】上記の接着性繊維の混抄割合は、1〜30
重量部が好ましく、5〜20重量部であればより好まし
い。1重量部未満の場合には、接着成分としての機能を
発揮することができず、30重量部を超える場合には、
吸着性が相対的に低下し、通気抵抗も上昇する。
【0045】本発明の吸着性シートは、抗菌剤、抗かび
剤、抗ウイルス剤、難燃剤等の付随的機能を有する成分
等を含めて構成してもよい。これらの成分は繊維類中に
練り込んでも、後加工で添着、及び担持して付与しても
よい。例えば、難燃剤を含めて構成することにより、F
MVSS.302で規定されている遅燃性の基準やUL
難燃規格に合致した吸着性シートを製造することが可能
である。
【0046】上記の付随的機能を有する成分は、粒状活
性炭へ添着又は担持してもよい。但し、この際には、粒
状活性炭本来の吸着機能を損なわないよう留意する必要
がある。また、繊維類に吸着性能を有する繊維、例え
ば、イオン交換繊維等を用いることにより、脱臭機能を
強化することも可能である。
【0047】本発明の吸着性シートの厚みは、0.5〜
2.7mmが好ましい。通気性や加工性を良好にするた
めである。
【0048】本発明の吸着性シートの坪量は、70g/
2以上が好ましく、220g/m2以上であればさらな
る高吸着能化が実現でき、より官能的に除去効果が感じ
られるものとなるため好適である。
【0049】本発明の吸着性シートに含まれる粒状活性
炭含有シートの充填密度は、0.15〜0.3g/cc
であれば好ましく、0.17〜0.25g/ccであれ
ばより好ましい。0.15g/cc未満の場合には、粉
塵除去効率が低くなり、0.3g/ccを超える場合に
は、目詰まりにより早期の通気抵抗上昇を引き起こし、
フィルターとしては好ましくない。 このようなシート
密度に調整するには、支持繊維中に繊維径15μm以上
のものを適量混抄することにより、繊維と活性炭間に空
隙を持たせることが容易となるためより好ましい。
【0050】本発明の吸着性シートの使用法は支持繊
維、接着性繊維からなる表面層側を下流に配置するのが
よい。なぜなら、所定の風圧を与えた場合に粒状活性炭
の脱落を抑えることができるためである。また、シート
厚み方向の充填密度を考えた場合、粗から密の状態を実
現できているため、粉塵を上流側から負荷した場合にシ
ート厚み方向に比較的まんべんなく粉塵が保持できるた
め早期の目詰まりによる圧損上昇がおこりにくくなる。
【0051】本発明の吸着性シートの粒状活性炭が多く
含まれる裏面層に通気性シートを積層することもでき
る。ここでいう通気性シートの種類は不織布状、織物
状、ニット状等形態は特に問わない。材質は木材パル
プ、レーヨン、アセテート、ポリエステル、ポリアクリ
ロニトリル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリクラール等を単独、及び混合物の使用ができる
がこの限りではない。
【0052】前記通気性シートとして、特に、永久帯電
されたいわゆるエレクトレット化されたシートを積層す
れば、タバコ煙粒子、カーボン粒子、海塩粒子をはじめ
とするサブミクロン粒子に対する除去効果も増大するこ
とができる。かかるエレクトレット化されたシートを得
る方法としては、エレクトレット化が可能な原料からな
る繊維を不織布に成形してコロナ荷電処理を施したり、
エレクトレット化されたフィルムを割繊繊維化して不織
布に成形するフィルムスプリット法等公知の方法を使用
する事が出来るが、特に荷電効率が高く、嵩高い状態で
のシート化が可能で通気抵抗を低く抑える事が可能であ
るフィルムスプリット法を用いる事が好ましい。
【0053】積層方法は単純に暈ね合わせるだけでもよ
く、また少量の接着剤の塗布、あるいは熱融着性を利用
した接着法、たとえば、接着繊維を被接着体に吹きかけ
る方法、接着性シートをシート間に挿入し接着する方法
や、超音波により融着させ接着する方法等もあるが、強
固に接着出来る一方で、通気抵抗が上昇する可能性があ
る。通気抵抗の上昇を防止するためにもバインダーを使
用しない、ニードルパンチや水流交絡法の様な方法で交
絡する方法がより好ましい。いずれにしても、上流側に
配置することになるので、風圧により通気性シートが簡
単にはがれることがない。このためあまり強固な接着は
不要である。
【0054】本発明の吸着性シート、及び吸着性シート
と補強シートを積層したシートはプリーツ状や波状に成
型することによりフィルターユニット化が可能となる。
この際のフィルター厚みはカーエアコン内部装着をはじ
めとする車載用途や家庭用空気清浄機であれば、通常の
内部スペースの関係から、10〜60mm程度、ビル空
調用途へよく設置される大型のフィルタユニットであれ
ば40〜400mm程度が収納スペースから考えると適
している。ひだ山頂点間隔は2〜30mm程度が適して
いる。2mm以下ではひだ山間が密着しすぎでデッドス
ペースが多く、効率的にシートを活用できなくなる。一
方、30mm以上ではシート展開面積が小さくなるため
フィルター厚みに応じた除去効果を得ることができなく
なる。
【0055】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に沿って設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0056】尚、実施例中の数値は以下のような方法で
測定した値である。 JIS15種※)粉塵保持量 (線速30cm/s、供給濃度0.5g/m3の条件下
で測定)粉塵に対する目詰まり度の代用特性。初期圧損
から150Pa上昇したときを寿命と判 断し、該時点
において濾材に堆積した粉塵量を天秤で秤量した値であ
る。 ※)以下の混合粉体である。 JIS8種(平均約8μm、関東ローム) 72% カーボンブラック(平均約0.1μm) 23% コットンリンタ(平均約1.5μm) 5%
【0057】通気抵抗は線速30cm/sの条件下で
の値で、差圧計を用いて測定した値である。
【0058】シート充填密度 シート充填密度(g/cc)=シート目付/シート厚み [シート厚みは180gf/cm2の荷重下での値]
【0059】(実施例1)活性炭を70重量部、8デニ
ール×繊維長8mmのレーヨン繊維を18重量部、水熱
溶融性繊維である1デニール×繊維長3mmのポリビニ
ルアルコール12部とをパルパーで水中に分散し湿式抄
紙用原液を調整した。これを長網式抄紙法にて抄紙して
湿潤ウェッブをつくり、その後プレスローラーで軽く絞
り140℃で回転乾燥ドラムにて乾燥し、目付300g
/m2、シート充填密度0.21g/ccの低充填密度
吸着シートを得た。このシートは抄紙スクリーン上で粒
状活性炭とレーヨン(比重約1.5)、ポリビニルアル
コール(比重約1.3)の比重差により、沈降速度の差
異が生じ、その結果活性炭含有層(裏面層)と支持繊維
及び接着性繊維からなる表面層を形成できた。
【0060】この吸着性シートに、ニードルパンチ装置
を用いて平均開孔面積1.2mm2であり、かつシート
1cm2当たりに微細な孔が平均4個になる様に孔を開
け、得られたシートの通気抵抗を測定したところ59P
aと低く、トルエン吸着量はシート重量の33%もあり
非常に高吸着能を有するシートになった。またフィルタ
ーとして使用中に粒状活性炭の脱落もなく、取り扱い性
に非常に優れたものであった。また、特筆すべき点は、
JIS15種の粉塵負荷した場合に終圧に達するまでの
圧損上昇がゆるやかで目詰まりしにくく、最終的に27
g/m2もの粉塵を保持できた事である。すなわち脱臭
機能だけでなく、除塵機能も優れたシートである。ま
た、このシートをレシプロ式ひだおり機にてフィルター
厚み30mm、ひだ山頂点間隔7mmのプリーツ状に加工
しフィルターユニットにしたところ、ひだ山折り目で割
れの発生もなく、またこのフィルターは十分堅固であ
り、折り山側から4m/sの面風速を与えても山崩れせ
ず加工性にも問題が無いことがわかった。
【0061】(比較例1)ニードルパンチ装置により孔
を形成しないこと以外は実施例1と同様にして、吸着性
シートを作成した。この吸着性シートについて、通気抵
抗を測定したところ82Paと実施例1の場合より通気
抵抗が大きかった。また、JIS15種の粉塵負荷した
場合に終圧に達するまでの圧損上昇が実施例1と比較し
速く目詰まりしやすい。最終的に20g/m2しか粉塵
を保持できなかった。
【0062】(実施例2)実施例1で得られた吸着性シ
ートと、通気性シートとしてスプリットファイバー型エ
レクトレット不織布とを重ね、ニードルパンチ加工を行
ったところ強度的に問題無く積層された。それと同時に
シート1cm2当たりに微細な孔を平均7個開孔した。
このシートの裏面層を上流に配置し通気抵抗を測定した
ところ73Paと低かった。またフィルターとして使用
中に粒状活性炭の脱落もなく、取り扱い性に非常に優れ
たものであった。更に、特筆すべきはJIS15種の粉
塵負荷した場合に終圧に達するまでの圧損上昇が非常に
ゆるやかで目詰まりしにくく、最終的に45g/m2
の粉塵を保持できた。すなわち脱臭機能だけでなく、除
塵機能も優れたシートである。また、このシートをレシ
プロ式ひだおり機にてフィルター厚み40mm、ひだ山
頂点間隔9mmのプリーツ状に加工しフィルターユニッ
トにしたところ、ひだ山折り目で割れの発生もなく、ま
たこのフィルターは堅固であり、折り山側から4m/s
の面風速を与えても山崩れせず非常に加工性にすぐれ、
かつ取り扱い性に優れたものであることがわかった。
【0063】(比較例2)比較例1で得られた吸着性シ
ートにホットメルト樹脂を噴霧し、通気性シートとして
スプリットファイバー型エレクトレット不織布を重ね接
着したところ強度的に問題無く積層された。このシート
の裏面層を上流に配置し通気抵抗を測定したところ11
2Paであり、JIS15種の粉塵負荷した場合に終圧
に達するまでの粉塵保持量が30g/m2となり、実施
例2と比較すると通気抵抗が高く、目詰まりし易くなっ
た。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の吸着性シート
及び空気浄化用フィルターは、通気性及び粒状活性炭の
保持性が良好で、悪臭ガスに対する吸着性能に優れ、粉
塵に対する目詰まりを生じ難く、更には、折り曲げ加工
性も良好である。特に本発明はカーエアコン等の高風速
領域での使用条件において優れた性能を発現することが
可能であり、本発明の産業上の利用性は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D019 AA01 BA03 BA12 BA13 BA17 BB03 BB05 BB10 BC01 BC05 BC10 BD01 CA02 CB06 4D058 JA13 JA14 JB13 JB14 JB25 JB26 JB39 JB41 KA13 SA01 SA04 TA04 TA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径60〜600μmの粒状活性
    炭を支持部材に接着固定してなる粒状活性炭含有シート
    を含んでなる吸着性シートであって、該吸着性シートの
    厚み方向に実質的に通気し得る微細な孔を形成せしめて
    なり、且つ、前記微細な孔の個数が前記吸着性シート1
    cm2当たり1個〜20個であることを特徴とする吸着
    性シート。
  2. 【請求項2】 前記微細な孔1個当たりの平均開孔面積
    が0.5mm2〜3mm2であることを特徴とする請求項
    1に記載の吸着性シート。
  3. 【請求項3】 前記粒状活性炭含有シートが、主に支持
    繊維と接着性繊維からなる繊維層と、繊維層を形成する
    支持繊維と接着性繊維の連続した部分により粒状活性炭
    が接着固定されてなる活性炭層とが一体的に形成されて
    なることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸着性シ
    ート。
  4. 【請求項4】 前記活性炭含有シートに通気性シートを
    積層してなることを特徴とする請求項1乃至3に記載の
    吸着性シート。
  5. 【請求項5】 前記通気性シートがエレクトレット不織
    布であることを特徴とする請求項4に記載の吸着性シー
    ト。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5に記載の吸着性シートを
    プリーツ状又は波状に成型してなることを特徴とする空
    気浄化用フィルター。
JP34550798A 1998-05-08 1998-12-04 吸着性シート及び空気浄化用フィルター Pending JP2000167323A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34550798A JP2000167323A (ja) 1998-12-04 1998-12-04 吸着性シート及び空気浄化用フィルター
DE69940137T DE69940137D1 (de) 1998-05-08 1999-05-07 Blattförmiges Adsorptionsmittel für Gase und Luftreinigungsfilter
EP19990109101 EP0955087B1 (en) 1998-05-08 1999-05-07 Gas adsorption sheet and air-purifying filter
US09/925,687 US6746760B2 (en) 1998-05-08 2001-08-10 Gas adsorption sheet and air-purifying filter

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34550798A JP2000167323A (ja) 1998-12-04 1998-12-04 吸着性シート及び空気浄化用フィルター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000167323A true JP2000167323A (ja) 2000-06-20

Family

ID=18377055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34550798A Pending JP2000167323A (ja) 1998-05-08 1998-12-04 吸着性シート及び空気浄化用フィルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000167323A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002204928A (ja) * 2001-01-12 2002-07-23 Toyobo Co Ltd 光触媒担持脱臭シート及び空気浄化用フィルター
JP2005161308A (ja) * 2003-11-11 2005-06-23 Yamatoyo Sangyo Kk フィルター
JP2005218967A (ja) * 2004-02-05 2005-08-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd アレルゲン不活性化フィルタおよびこのアレルゲン不活性化フィルタを用いた車両用空調機
JP2016112493A (ja) * 2014-12-12 2016-06-23 東洋紡株式会社 空気清浄用フィルタ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002204928A (ja) * 2001-01-12 2002-07-23 Toyobo Co Ltd 光触媒担持脱臭シート及び空気浄化用フィルター
JP2005161308A (ja) * 2003-11-11 2005-06-23 Yamatoyo Sangyo Kk フィルター
JP4641408B2 (ja) * 2003-11-11 2011-03-02 ヤマトヨ産業株式会社 フィルター
JP2005218967A (ja) * 2004-02-05 2005-08-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd アレルゲン不活性化フィルタおよびこのアレルゲン不活性化フィルタを用いた車両用空調機
JP2016112493A (ja) * 2014-12-12 2016-06-23 東洋紡株式会社 空気清浄用フィルタ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20030207635A1 (en) Gas adsorption sheet and air-purifying filter
JP3783820B2 (ja) 空気浄化用フィルター
KR20100075456A (ko) 여과재 및 필터 유닛
JPWO2003066193A1 (ja) 流体清浄フィルター及びフィルター装置
JP3714453B2 (ja) 吸着性シート及びその製造方法並びに空気浄化用フィルター
JP5082292B2 (ja) 吸着性シート
JP3783819B2 (ja) 空気浄化用フィルター
JP2008086841A (ja) ガス除去用濾材、複合フィルタ及びフィルタエレメント
JP2013094367A (ja) 空気清浄用濾材
WO2019188923A1 (ja) フィルター用湿式不織布、フィルター用濾材、およびフィルター
JPH0474505A (ja) 空気浄化フィルターエレメント
JP2002204928A (ja) 光触媒担持脱臭シート及び空気浄化用フィルター
JP3767722B2 (ja) 吸着性シート及び空気浄化用フィルター
JP2000167323A (ja) 吸着性シート及び空気浄化用フィルター
JP6115413B2 (ja) フィルターエレメント
JPH1157467A (ja) 積層型脱臭濾材
JP2013220375A (ja) フィルター濾材
JP6194579B2 (ja) 空気清浄用濾材
JPH08281030A (ja) 空気清浄用フィルターシート
CN113795323B (zh) 过滤器用滤材及过滤器
KR100448974B1 (ko) 공기정화용 필터와 그 제조방법
JPWO2004011136A1 (ja) フィルター用素子、フィルター及びその使用方法並びに浄化方法
JPH11156124A (ja) ハニカム状空気浄化フィルタ
JP2679714B2 (ja) 吸着性シートおよび空気浄化用フィルター
JP5720415B2 (ja) 空気清浄用濾材

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050610

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051104