JP2000167027A - 油剤の殺菌方法 - Google Patents

油剤の殺菌方法

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JP2000167027A
JP2000167027A JP10341574A JP34157498A JP2000167027A JP 2000167027 A JP2000167027 A JP 2000167027A JP 10341574 A JP10341574 A JP 10341574A JP 34157498 A JP34157498 A JP 34157498A JP 2000167027 A JP2000167027 A JP 2000167027A
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JP
Japan
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sterilization
oil solution
organic acid
reinforcement
oil
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JP10341574A
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English (en)
Inventor
Masuhiko Kawamura
益彦 川村
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた殺菌力を有し,かつ,被加工物や工作
機械に悪影響がなく,作業環境や自然環境に対する負荷
が少ない,油剤の殺菌方法を提供する。 【解決手段】 油剤に,有機酸のアルカリ金属塩からな
る殺菌増強剤,及び油剤に導電性を付与する電解質を加
え,上記油剤に直流電圧を印加して上記殺菌増強剤を電
気分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,油剤の殺菌方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来,水溶性油剤には,錆止め,腐敗防止
のためにアミン類などの窒素化合物を添加することが行
われていた。しかし,廃油剤を処理した排水中に窒素化
合物が含まれている場合には,その排水を放流した河
川,湖沼,海洋などが富栄養化するおそれがある。した
がって,厳しい排水基準が設けられている。そのため,
環境負荷の少ない油剤が従来より開発されている。
【0003】その1つに,窒素化合物を含まない窒素フ
リー油剤がある。しかし,窒素フリー油剤は,水素イオ
ン濃度(pH)の安定性に劣るため,長期にわたって腐
敗防止性能を維持することが困難である。
【0004】一方,食塩水等を電気分解して得られる強
酸性電解水は強い殺菌作用を有している。この強酸性電
解水は,主成分である塩素または次亜塩素酸自体の殺菌
力より強い殺菌性を持つといわれている(河野雅弘 第
12回ウォータ研究会セミナー資料,1998.2.2
1)。しかし,塩素や次亜塩素酸は激しい腐食性をもつ
ため,機械加工ラインには使用できない。
【0005】また,殺菌,抗菌作用のある銅や銀をイオ
ンとして溶解する技術がある。しかし,これらのイオン
が電気化学的により卑である鉄に接触すると,貴なイオ
ンである銅や銀が表面に析出して局部電池を形成し腐食
を促進する。そのため,やはり,工作機械などに用いる
油剤の腐食防止剤として用いるには不向きである。
【0006】また,特開平9−164303号公報の発
明の詳細な説明の中に,「洗浄液は電気分解で生成する
発生期の酸素により酸化される等で殺菌される」旨の記
載がある。しかし,水の電気分解で発生する「発生期の
酸素」だけでは,通常数百kg以上もの大量の油剤の腐
敗を防止するには殺菌力が不十分である。
【0007】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,優れ
た殺菌力を有し,かつ,被加工物や工作機械に悪影響が
なく,作業環境や自然環境に対する負荷が少ない,油剤
の殺菌方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】本発明は,油剤に,有機酸のアルカ
リ金属塩からなる殺菌増強剤,及び油剤に導電性を付与
する電解質を加え,上記油剤に直流電圧を印加して上記
殺菌増強剤を電気分解することを特徴とする油剤の殺菌
方法である。
【0009】本発明は,電気分解時の陽極近傍における
強い酸化作用,陰極近傍における強い還元作用を利用し
て,環境負荷の大きい薬剤を使わずに,長期にわたって
腐敗防止性能維持ができる新規な殺菌方法である。
【0010】本発明の作用機構は次のように推定され
る。殺菌増強剤は,有機酸のアルカリ金属塩である。有
機酸は殺菌,抗菌作用が強い反面,水に溶解しにくい。
これに対して,有機酸のアルカリ金属塩は水に溶解しや
すい反面,殺菌作用は弱い。
【0011】本発明では,有機酸のアルカリ金属塩から
なる殺菌増強剤及び電解質を添加した油剤に,直流電圧
を印加している。すると,油剤に電流が流れ,油剤の中
の殺菌増強剤が電気分解され,アルカリ金属が電極に析
出する。析出したアルカリ金属は直ちに金属水酸化物と
なる。一方,遊離した有機酸は殺菌作用が強い「酸」と
なり,優れた殺菌性能を発揮する。遊離した有機酸は直
ちに近傍にある金属水酸化物と反応してアルカリ金属塩
に戻る。そして,電気分解,塩生成を繰り返す。
【0012】このような優れた殺菌効果を発揮する本発
明の殺菌方法を行うことにより,油剤を取り巻く環境に
腐敗による異臭が発することを防止でき,清潔な環境を
保持できる。また,菌の生成物の蓄積による,油剤の外
観の劣化及び油剤の変質を防止できる。また,油剤を濾
過するフィルタに菌が付着して目詰まりを起こすことも
ない。
【0013】有機酸のアルカリ金属塩は,食品や化粧品
の添加物として,あるいは医薬品としても用いられるも
のであり,人体や環境に対する負荷は少ない。
【0014】また,付随する効果として,腐食性のある
塩素化合物や,富栄養化の原因となる窒素化合物を殺菌
剤として使うことなく,油剤の殺菌を行うことができ
る。そのため,環境に対する負荷の少ない油剤を提供で
きる。
【0015】本発明において,殺菌増強剤は,有機酸の
アルカリ金属塩からなる。ここで,上記有機酸として
は,安息香酸,サリチル酸,ソルビン酸,デヒドロ酢
酸,パラオキシ安息香酸などがあり,これらの1種また
は2種以上からなることが好ましい。これにより,電気
分解により優れた殺菌力を発揮できる。また,アルカリ
金属としては,ナトリウム,カリウムなどの中から選ば
れる1種または2種以上からなることが好ましい。これ
により,殺菌増強剤の水への溶解度が向上する。
【0016】有機酸のアルカリ金属塩としては,例え
ば,安息香酸ナトリウム,安息香酸カリウム,サリチル
酸ナトリウム,サリチル酸カリウム,ソルビン酸ナトリ
ウム,ソルビン酸カリウム,デヒドロ酢酸ナトリウム,
デヒドロ酢酸カリウム,パラオキシ安息香酸ナトリウ
ム,パラオキシ安息香酸カリウムの中から選ばれる1種
又は2種以上からなることが好ましい。これにより,殺
菌増強剤の水への溶解度が高く,かつ電気分解により優
れた殺菌力を発揮できる。電解質としては,例えば,N
SO,KSO,NaCO,KCO
NaOH,KOHなどを用いることができる。硝酸塩,
リン酸塩は富栄養化成分を含み,塩酸塩は金属に対して
腐食性を有するため,好ましくない。
【0017】油剤に印加する直流電圧の大きさは,殺菌
増強剤が電気分解する程度とする。かかる観点から,例
えば,1V〜20Vの直流電圧を印加することが好まし
い。1V未満の場合には,電気分解が生じないおそれが
あり,20Vを超える場合にはそれに見合う殺菌効果が
得られないおそれがある。また,直流電圧は油剤に,連
続的に印加しても良いし,定期的または必要な場合にだ
け間欠的に印加しても良い。連続的に印加する場合に
は,油剤の腐敗を半永久的に防止できる。また,油剤の
腐敗が生じた場合に印加しても良い。
【0018】油剤としては,特に限定しないが,例え
ば,水溶性切削油(JIS K2241のW1種,W2
種),水溶性作動油,各種冷却水,塗装ブース水などが
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態に係る油剤の殺菌方法について説明す
る。機械加工工場の現場から採取した水溶性切削油腐敗
液400mlをビーカに採り,硬質黒鉛製の板(表面積
50cm)2枚を浸して電極とし,両極間に所定の直
流電圧を所定時間印加して電気分解を行った。供試腐敗
液には,電解質であるNaSO,または殺菌効果増
強剤として安息香酸ナトリウムを添加した。
【0020】電気分解前後の液中の生菌数は,サンアイ
バイオチェッカーにより計測した。即ち,サンアイバイ
オチェッカーの菌数検知プレートを験液中に浸した後,
37℃に調温したインキュベータに入れて24時間ある
いは48時間加温し,検知プレート上にあらわれた細菌
のコロニーの分布から験液中の生菌数を判定した。な
お,切削油腐敗液中の生菌数は常に変動しているため,
殺菌効果は電解処理前後の生菌数の比較あるいは対照試
験との比較により評価している。上記実験結果を表1に
示した。
【0021】
【表1】
【0022】次に,実験結果を説明する。 腐敗液をそのまま電気分解した場合(実験No. 2) 電気分解前の生菌数が10個/mlあった腐敗液を,
そのまま10Vで1時間電気分解しても顕著な殺菌効果
は認められなかった。
【0023】腐敗液に殺菌増強剤を添加して電気分解
をした場合(実験No. 3) 殺菌増強剤としての安息香酸ナトリウムだけを腐敗液に
添加した場合には,10個/mlあった生菌数が,1
0Vで1時間の電気分解を行っても減少しなかった。
【0024】腐敗液に電解質を加えて電気分解を行っ
た場合(実験No. 5) 腐敗液に導電性を付与するための電解質として,中性で
殺菌力のないNaSOを加えた場合には,10
/mlあった生菌数が電気分解によって10個/ml
と減少した。
【0025】腐敗液に殺菌効果増強剤及び電解質を添
加して電気分解を行った場合(実験No. 6) 殺菌効果増強剤として安息香酸ナトリウム,及び電解質
としてのNaSO を加えた場合には,10個/m
lあった生菌数が,10万分の1の10個/mlまで
著しく減少した。
【0026】以上のことから,腐敗油に,有機酸のアル
カリ金属塩からなる殺菌増強剤,及び油剤に導電性を付
与する電解質を加え,直流電圧を印加して殺菌増強剤を
電気分解することにより,顕著な殺菌効果が得られるこ
とがわかる。
【0027】
【発明の効果】以上のごとく,本発明によれば,優れた
殺菌力を有し,かつ,被加工物や工作機械に悪影響がな
く,作業環境や自然環境に対する負荷が少ない,油剤の
殺菌方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 129/26 C10M 129/26 177/00 177/00 // C10N 10:02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油剤に,有機酸のアルカリ金属塩からな
    る殺菌増強剤,及び油剤に導電性を付与する電解質を加
    え,上記油剤に直流電圧を印加して上記殺菌増強剤を電
    気分解することを特徴とする油剤の殺菌方法。
JP10341574A 1998-12-01 1998-12-01 油剤の殺菌方法 Pending JP2000167027A (ja)

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