JP4025903B2 - 洗浄水の製造方法及び洗浄水 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水を電気分解して得られるアルカリ性の洗浄水の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
脱脂洗浄にはこれまでフロン113や1・1・1−トリクロロエタンに代表されるハロゲン化炭化水素系洗浄液が大量に用いられてきたが、オゾン層破壊や地下水、土壌汚染等の環境破壊が指摘され、多くの物質が使用禁止となっている。これらに変わる代替洗浄方法の技術開発が進められ、各種の洗浄方法が提案されているが、それぞれに問題を含んでいるのが現状である。
【0003】
代替洗浄方法は水系、準水系、非水系に大別できる。
【0004】
水系は、アルカリ洗剤、中性洗剤等を使用する方法と、市水あるいは純水のみで洗浄する方法がある。しかし、どの水系洗浄方法でも金属、特に鉄鋼を洗浄する場合は錆の発生が問題になることが多く、乾燥工程で大量の熱エネルギーを必要となることや、防錆剤を併用する必要があった。
特に、洗剤を使用する方法ではリンス工程が必要となることや、洗剤の濃度管理が必要となる。また、洗剤に含まれる界面活性剤には内分泌攪乱作用を疑われる成分(アルキルフェノール、ノニルフェノール等)を含んでいるか、分解によって生成される危険性が報告されている。
また、市水、純水のみの洗浄では十分な洗浄効果が得られないことがある。
【0005】
準水系は、グリコールエーテルやアルコール、エステル等を水と混合した洗浄液を用いるが、引火の危険性がある。またリンス工程が必要であることや、防錆についての配慮が必要なのは水系と類似している。
【0006】
非水系は、アルコールや炭化水素等の引火性溶剤を使用するため、防爆対策が必要である。また、溶剤の中には乾燥が遅いものもあり、乾燥設備を大型化する必要がある。
【0007】
こういった中で、特開平10−192860号で開示されているような、水を電気分解して得られるアルカリ性水を洗浄水として利用する技術が注目されている。
この方式は、界面活性剤やアルカリ薬剤を使用せず、一般の市水、工業用水等を原料に電気分解を行いアルカリ性水とすることで、水の洗浄力を高めるものである。
水の安全性を損なうことなく、洗浄力を高められるため代替洗浄として有効である。
また、アルカリ性イオン水は他の水洗浄方式と比較して、発錆を抑止する効果も有する。しかし、これはすべての金属に長期的な効果を示すものではなく、水洗浄である以上、防錆対策が必要であることは他の水洗浄同じである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特開平9−137287号では、電気分解によって得られたアルカリ性水を鉄加工品の洗浄に用いる場合に、酸性イオン水で洗浄を行ってからアルカリ性水で洗浄する方法が開示されている。
しかし、酸性イオン水は金属腐食性があるため、めっき等の表面処理がされず鉄素地が露出した鉄鋼・鋳鉄製品では、酸性イオン水で洗浄を行う段階で錆が発生するという問題がある。
【0009】
また、市水や工業用水を電気分解すると、その中に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンが電気分解によってアルカリ性水側に移動し、これらのイオン濃度が高くなる。このイオンの一部は炭酸化合物として、水中のシリカ等と一緒に析出し、配管やバルブに付着するため、電解イオン水製造装置の配管内部を定期的に酸性溶液等で洗浄する必要があった。
【0010】
さらに、電気分解では陰極側からアルカリ水が生成されると同時に、陽極側からほぼ同量の酸性水が生成される。この酸性水は前述の通り金属腐食性があるため洗浄には不適であり、通常は排水されるが、pHが2.5から5.5程度であるためアルカリ薬剤で中和して排水する必要があった。
【0011】
一方、アルミニウムをアルカリ性水で洗浄する場合、洗浄温度が高く、被洗浄物が洗浄水に接触している時間が長いときにはアルミニウムの表面が、黒褐色に変色することがあり、アルミニウムの洗浄には適さないことがあった。
【0012】
本発明は、従来の電気分解によるアルカリ水よりも高い防錆効果が得られ、安全性と洗浄品質を両立する洗浄水を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1は、原水中のカルシウムイオン濃度を1.0mmol/dm3以下、及びマグネシウムイオン濃度を1.0mmol/dm3以下にする工程、或いは、原水中の硫酸イオンを0.2mmol/dm 3 以下、及び/または塩化物イオンを0.5mmol/dm 3 以下、及びカルシウムイオン濃度を1.0mmol/dm 3 以下、及びマグネシウムイオン濃度を1.0mmol/dm 3 以下にする工程と、この後に原水中の炭酸ナトリウム濃度を0.1〜10.0mmol/dm3に調整する工程を有し、これを電気分解してpH値が8.0以上13.0以下であり、及び/または、酸化還元電位が−100mV〜−1000mVである洗浄水において、製造した洗浄水に水酸化カルシウムを0.05mmol/dm 3 〜2mmol/dm 3 の範囲で添加する工程を有することを特徴とする洗浄水の製造方法である。
【0014】
【0015】
【0016】
本発明の第2は、原水中のカルシウムイオン濃度を1.0mmol/dm3以下及びマグネシウムイオン濃度を1.0mmol/dm3以下にする工程、或いは、原水中の硫酸イオンを0.2mmol/dm3以下及び/または塩化物イオンを0.5mmol/dm3以下及びカルシウムイオン濃度を1.0mmol/dm3以下及びマグネシウムイオン濃度を1.0mmol/dm3以下にする工程と、この後に原水中の炭酸ナトリウム濃度を0.1〜10.0mmol/dm3に調整する工程を有し、これを電気分解してpH値が8.0以上13.0以下であり、及び/または、酸化還元電位が−100mV〜−1000mVである洗浄水を得る洗浄水、または上記記載の洗浄水の製造方法で製造した洗浄水において、アルカリ性水中の溶存水素濃度が0.01mg/dm3以上0.052mg/dm3以下であり、溶存酸素濃度が6mg/dm3以下であることを特徴とする洗浄水である。
【0017】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
(第1の発明)電気分解によってアルカリ性水を生成し洗浄水として用いる場合、電解槽や配管内部に白色のスケールが析出して流路を塞ぎ、アルカリ性水の生成量が減少したり、電解槽を破損したりすることがある。これは、原水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンが電気分解によってアルカリ性水側に移動し、アルカリ性水中のカルシウム及びマグネシウムイオン濃度が高くなり、これらのイオンが炭酸化合物として、水中のシリカ等と一緒に析出するためである。カルシウムイオン濃度が2.0mmol/dm3の場合、電気分解を60〜80時間行うと、配管内にスケールが付着し始め、100時間では内径10mmの配管を塞ぐようになる。
【0018】
そこで、スケールの付着を防止するため、本発明では電気分解を行う前の原水中のカルシウムイオン濃度を1.0mmol/dm3以下、及びマグネシウムイオン濃度を1.0mmol/dm3以下にすることが有効であることを見出した。こうすることにより、電解槽や配管内での炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等のスケール化しやすい化合物の生成を防止することができる。
【0019】
この効果は原水中のカルシウムイオン濃度とマグネシウムイオン濃度の合計が1.5mmol/dm3以下で顕著になり、両イオン濃度がそれぞれ1.0mmol/dm3以下になると、250時間以上連続して電気分解を行ってもスケールの付着は生じない。
【0020】
また、アルカリ性水と同時に生成される酸性水は金属の洗浄に使用すると錆が発生するため、排水することになるが、pHが低いと、中和して排水している。
しかし、本発明者らは、原水に炭酸ナトリウムを添加し、その濃度を0.1〜10.0mmol/dm3に調整してから電気分解を行うと、生成される酸性水のpHが5.8から6.5の範囲となり、排水のための中和の必要が無くなることを見出した。
【0021】
特に、原水中のカルシウムイオンとマグネシウムイオン濃度をそれぞれ1.0mmol/dm3以下にしておくことで、添加した炭酸ナトリウムが炭酸塩として析出することを防止できるため、少量の炭酸ナトリウムの添加で効果が得られるようになる。
【0022】
このようにイオン成分を調整した原水を電気分解して、pH値が8.0以上13.0以下であり、及び/または、酸化還元電位が−100mV〜−1000mVである洗浄水を得ることは従来の方法と比較して、装置のメンテナンスや排水処理において、その労力が大幅に削減できる点で優れている。
ただし、炭酸ナトリウム濃度を10.0mmol/dm3以上にすると、洗浄品に対する残留イオン成分が多くなり、精密洗浄には適さなくなる。
【0023】
また、原水中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンを低減する工程の前、あるいは後において、硫酸イオンと塩化物イオンを減少させておくと、得られるアルカリ性水の金属腐食性が大幅に低減することがわかった。
特に硫酸イオンを0.2mmol/dm3以下、及び/または塩化物イオンを0.5mmol/dm3以下にした原水を電気分解して得られたアルカリ性水と、硫酸イオンと塩化物イオンを低減せずに生成したアルカリ性水とで鋼板を浸漬して錆が発生するまでの時間を比較すると、イオンを低減した方が3倍以上長く錆が発生しなかった。また、アルミニウムを浸漬した場合、硫酸イオン及び/または塩化物イオンを減少させたアルカリ性水では表面の変色は見られないが、硫酸イオンと塩化物イオンを低減しなかった方では表面が黒褐色に変色した。
【0024】
原水中に存在する硫酸イオンや塩化物イオンは、電気分解によって酸性水の方に濃縮するが、一部はアルカリ性水にも残留する。これらアルカリ性水に含まれる硫酸イオンや塩化物イオンは、金属表面で局部電池を形成する際にその腐食を早める傾向が強いために、これらが多く存在すると発錆しやすくなる。
【0025】
このため、あらかじめ原水に含まれる硫酸イオンや塩化物イオンを低減しておくことは、生成したアルカリ性水の防錆性を向上する効果がある。
【0026】
また、このアルカリ性水に水酸化カルシウムを0.05mmol/dm3〜2mmol/dm3の範囲で添加すると、更にアルカリ性水の防錆性を高めることができる。
これは、添加した水酸化カルシウムのカルシウムイオンがアルカリ性水中の炭酸水素イオンと結合して炭酸水素カルシウム(Ca(HCO3))を形成し、これがカソードインヒビター的な働きを示して、金属表面のカソード部分に不溶性皮膜を生成し、カソード反応の起こる面積を減少させるため、防錆効果が生じると考えられる。
【0027】
更に、第1の発明で炭酸ナトリウムを添加した場合、これに含まれる炭酸イオンは水中で炭酸水素イオンと平衡状態にあるため、上記の炭酸水素カルシウムの形成に役立つ。
【0028】
ここで添加する水酸化カルシウムの添加量は、0.05mmolより少ないと炭酸水素カルシウムの形成が不十分となり防錆効果が得られず、また、2mmol/dm3以上になると、炭酸カルシウムが析出物として洗浄水中に浮遊し、これが被洗浄物を汚染することになってしまう。
【0029】
(第2の発明)電解槽においてアルカリ性水が生成される陰極では、電極表面で水素過電圧を超えた場合、水素ガスが発生する。水素ガスが発生すると陰極室中での水素分圧が上昇し、相対的に酸素分圧が減少する。すると、ヘンリーの法則によって溶存酸素濃度が低下することになる。
溶存酸素は金属表面を酸化させる作用が強く、特にその濃度が0から15mg/dm3の範囲では腐食速度は濃度に比例的に増加する。
すなわち、陰極における水素発生によって溶存酸素濃度を低下させることで、アルカリ性水の防錆性を向上することが可能であり、本発明においては溶存水素濃度を0.01mg/dm3以上0.052mg/dm3以下とし、溶存酸素濃度を6mg/dm3以下としたアルカリ性水の防錆効果が著しく高いことを見出した。
【0030】
【発明の実施の形態】
発明の第1の実施形態を以下に説明する。
ここで使用する実施例1のアルカリ性水は次のようにして生成した。
原水に水道水(滋賀県東浅井郡びわ町、硬度60ppm)を用い、これを軟水装置(日本錬水(株)製ME−5S型、使用イオン交換樹脂:スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂(ナトリウム形))に通水してカルシウムイオン濃度、及びマグネシウムイオン濃度を0.005mmol/dm3以下とした。これに炭酸ナトリウムを添加して炭酸ナトリウム濃度を2.0mmol/dm3とした。
【0031】
上記の水を有隔膜電解槽にて電気分解を行い、アルカリ性水を得てこれを洗浄水とした。電気分解の条件は印加電圧DC60V、電流密度1.0A/dm2、生成量2L/分である。
【0032】
実施例2のアルカリ性水は、原水に水道水(滋賀県東浅井郡びわ町、硬度60ppm)を用い、これをイオン交換樹脂式純水装置(日本錬水(株)製C−20S型)に通水してカルシウムイオン濃度、マグネシウムイオン濃度、硫酸イオン濃度、塩素イオン濃度を総て0.005mmol/dm3以下とした。これに炭酸ナトリウムを添加して炭酸ナトリウム濃度を2.0mmol/dm3とした。これを実施例1と同じ条件で電気分解を行い、アルカリ性水を得て洗浄水とした。
【0033】
実施例3−1のアルカリ性水は、実施例1で得たアルカリ性水に水酸化カルシウムを1.0mmol/dm3添加して洗浄水とした。
【0034】
実施例3−2のアルカリ性水は、実施例2で得たアルカリ性水に水酸化カルシウムを1.0mmol/dm3添加して洗浄水とした。
【0035】
また、比較のため、比較例1、2−1、2−2、2−3、3−1、3−2、3−3、3−4のアルカリ性水を生成した。
【0036】
比較例1のアルカリ性水は、実施例1の中の軟水装置に通水する工程を省略し、原水中のカルシウムイオン濃度とマグネシウムイオン濃度を調整せずに電気分解したものである。
【0037】
比較例2−1のアルカリ性水は、実施例1で炭酸ナトリウムを添加したところを塩化ナトリウムの添加に変更して電気分解したものである。塩化ナトリウムの添加量は原水中の塩化ナトリウム濃度が4.0mmol/dm3になるようにした。これはナトリウムイオン濃度が炭酸ナトリウムの場合と同じになるようにするためである。
【0038】
比較例2−2のアルカリ性水は、実施例1の炭酸ナトリウム濃度を0.05mmol/dm3として電気分解を行い、アルカリ性水を得て洗浄水とした。
【0039】
比較例2−3のアルカリ性水は、実施例1の炭酸ナトリウム濃度を15.0mmol/dm3として電気分解を行い、アルカリ性水を得て洗浄水とした。
【0040】
比較例3−1のアルカリ性水は、実施例1で得たアルカリ性水に水酸化カルシウムを0.03mmol/dm3添加して洗浄水とした。
【0041】
比較例3−2のアルカリ性水は、実施例1で得たアルカリ性水に水酸化カルシウムを3.0mmol/dm3添加して洗浄水とした。
【0042】
比較例3−3のアルカリ性水は、実施例2で得たアルカリ性水に水酸化カルシウムを0.03mmol/dm3添加して洗浄水とした。
【0043】
比較例3−4のアルカリ性水は、実施例2で得たアルカリ性水に水酸化カルシウムを3.0mmol/dm3添加して洗浄水とした。
【0044】
上記のアルカリ性水を洗浄水として、以下に述べるような方法で洗浄性、防錆性、スケール付着防止性、酸性水のpHの比較を行った。
被洗浄物は、一般用冷間圧延鋼板(SPCC)寸法100×50×t1mmを用いた。これにプレス加工油(日本工作油株式会社PG−3066)を塗布し、各洗浄水をスプレー噴射して洗浄し、温風乾燥を行い、完全乾燥した後に室内放置した。洗浄条件は洗浄水温度60℃、スプレー圧0.5MPa、洗浄時間2分、洗浄水量15L/分である。
【0045】
評価方法は、洗浄性については洗浄後、温風乾燥を行った被洗浄物を25%墨汁水溶液に1分間浸漬して引き上げ、自然乾燥した後に、表面に残った墨汁の状況を観察して判断した。
また、防錆性は墨汁水溶液に浸漬しなかった被洗浄物を室内放置し、錆の発生状況を観察した判断した。
【0046】
電解イオン水生成装置のアルカリ性水配管に対するスケール付着防止性の評価については、配管ホースの内面に付着したスケールを観察して判断した。
また、アルカリ性水と同時に生成される酸性水のpHも測定して、排水可能か判断した。
各アルカリ性水のpHと評価結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
表1において、洗浄性の○は墨汁の濡れ性100%、△85%以上を示す。防錆性の◎は60日放置で錆発生なし、○は60日放置で錆発生あり、△は40日放置で錆発生ありを示す。
【0049】
スケール付着性の○は連続300時間の電気分解を行っても配管へのスケール付着なし、△は配管へのスケール付着はないが、洗浄タンク内にスケール付着あり、×は60時間で配管へのスケール付着ありを示す。酸性水pHの○はpHが5.8から6.5であり、△はpHが4.5から5.8であり、×はpHが4.4以下であることを示す。
【0050】
以上の結果から、実施例1、2、3−1、3−2は洗浄性、防錆性、スケール付着防止性、酸性水pHの総ての項目で優れていることがわかる。
【0051】
なお、本発明の各請求項の洗浄水を用いる洗浄方法は、前述の材料や方法に限定されるものではなく、鉄鋼以外の被洗浄物にも有効であり、洗浄方法も、浸漬攪拌洗浄、浸漬超音波洗浄等でも優れた効果を示す。
【0052】
次に、発明の第2の実施形態を以下に説明する。
ここで実施例として使用するアルカリ性水は実施例1と同様の生成条件で製造したものである。
【0053】
比較例4として、溶存水素濃度を低下するため電解電圧をDC5Vに低下して電気分解して得られたアルカリ性水を洗浄水とした。ただし、pHが低下しないように炭酸ナトリウムの添加量は10.0mmol/dm3とした。
【0054】
評価については、洗浄性と防錆性について行った。評価方法及び表の記号は第1の実施形態と同様である。
【0055】
各アルカリ性水のpHと評価結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
上記の結果から、溶存水素濃度が高く、溶存酸素濃度が低いほど、防錆効果が高いことがわかる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明では、硫酸イオン濃度、塩化物イオン濃度、溶存酸素濃度が低いことにより防錆力が高いアルカリ性水を得ることができる。また、カルシウムイオン濃度、マグネシウムイオン濃度を低くすることで、配管へのスケール付着防止性があるアルカリ性水を得ることができる。
【0059】
更に、酸性水のpH5.8より低くならないために、中和せずに排水可能となる。
Claims (2)
- 原水中のカルシウムイオン濃度を1.0mmol/dm3以下、及びマグネシウムイオン濃度を1.0mmol/dm3以下にする工程、或いは、原水中の硫酸イオンを0.2mmol/dm 3 以下、及び/または塩化物イオンを0.5mmol/dm 3 以下、及びカルシウムイオン濃度を1.0mmol/dm 3 以下、及びマグネシウムイオン濃度を1.0mmol/dm 3 以下にする工程と、この後に原水中の炭酸ナトリウム濃度を0.1〜10.0mmol/dm3に調整する工程を有し、これを電気分解してpH値が8.0以上13.0以下であり、及び/または、酸化還元電位が−100mV〜−1000mVである洗浄水において、製造した洗浄水に水酸化カルシウムを0.05mmol/dm 3 〜2mmol/dm 3 の範囲で添加する工程を有することを特徴とする洗浄水の製造方法。
- 原水中のカルシウムイオン濃度を1.0mmol/dm3以下及びマグネシウムイオン濃度を1.0mmol/dm3以下にする工程、或いは、原水中の硫酸イオンを0.2mmol/dm3以下、及び/または塩化物イオンを0.5mmol/dm3以下、及びカルシウムイオン濃度を1.0mmol/dm3以下、及びマグネシウムイオン濃度を1.0mmol/dm3以下にする工程と、この後に原水中の炭酸ナトリウム濃度を0.1〜10.0mmol/dm3に調整する工程を有し、これを電気分解してpH値が8.0以上13.0以下であり、及び/または、酸化還元電位が−100mV〜−1000mVである洗浄水、または請求項1記載の洗浄水の製造方法で製造した洗浄水において、アルカリ性水中の溶存水素濃度が0.01mg/dm3以上0.052mg/dm3以下であり、溶存酸素濃度が6mg/dm3以下であることを特徴とする洗浄水。
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