JP2000167024A - 調剤用薬剤払出装置 - Google Patents

調剤用薬剤払出装置

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JP2000167024A
JP2000167024A JP10342613A JP34261398A JP2000167024A JP 2000167024 A JP2000167024 A JP 2000167024A JP 10342613 A JP10342613 A JP 10342613A JP 34261398 A JP34261398 A JP 34261398A JP 2000167024 A JP2000167024 A JP 2000167024A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の調剤用薬剤を吸引して効率よく払い
出す。 【解決手段】多数の薬剤カセット40を収納する収納庫
23とともにそれらの薬剤カセット40から調剤用薬剤
を吸引して取り出す取出機構30が設けられた支持部2
1+22が、即ちユニット20が、上下に分離可能に重
ねられて、構成される。このような調剤用薬剤払出装置
では、調剤用薬剤を吸引して取り出す処理が各収納庫ご
とに個別の取出機構で独立して行われる。これにより、
収納庫の段数に束縛されない安定したスループットが得
られる。さらに、拡張性・柔軟性も高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、病院薬局等に設
置されて調剤作業自動化の一翼を担う調剤用薬剤払出装
置に関し、詳しくは、処方箋データ等の指示に基づいて
種々の調剤用薬剤を払い出すとともにその払出に際して
薬剤を吸引して取り出す調剤用薬剤払出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、調剤用薬剤払出装置として、自動
化の進んだ錠剤分包機や散薬分包機の他、薬剤を摘んで
抜き出すもの(特開平2−309967号公報)も知ら
れている。これらのうち、錠剤分包機や散薬分包機は、
多数の薬剤カセットから種々の調剤用薬剤を効率良く取
り出して収集するようになっているが、その取り扱い対
象がバラの錠剤や未包装の散薬に限られる。これに対
し、摘み出し等の手法を用いた払出装置は、PTP錠剤
すなわち錠剤のパックされたシートパックなど、予め包
装等された薬剤も、取り扱えるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、摘み出しに
よる薬剤取出は、複数の部材からなる摘み機構を適切に
作動させるとともに、その摘み機構を多数の薬剤カセッ
ト間で逐次移動させるため、装置構造が複雑化するう
え、処理効率を上げるのが難しい。
【0004】一方、調剤用薬剤を吸引して取り出す調剤
用薬剤払出装置も開発されており、これは、同一出願人
による特願平10−197901号において第6実施例
として開示されている。これは、比較的簡素な構造であ
っても、一個ごとの薬包体や複数個の束ねられた薬包体
などの予製剤を、傷つけたりしないで適切に、払い出せ
るようになっている。そして、吸引が確立されれば、P
TP錠剤にも適用が可能である。
【0005】しかしながら、この調剤用薬剤払出装置で
は、薬剤カセットと取出機構とが一対一になっているの
で、多種類の薬剤を取り扱うには、薬剤カセットの個数
だけ取出機構も設ける必要がある。そして、各取出機構
には何れも吸引手段を連結する必要がある。このため、
個々の構造が簡素であっても、それらに張り巡らされる
吸気用配管等は複雑になってしまう。かといって、単純
に吸引部材を多数の薬剤カセット間で逐次移動させるよ
うにしたのでは、却って装置構造が複雑化するうえ、依
然として処理効率の改善は望めない。
【0006】そこで、各種の薬剤を払い出せるように調
剤用薬剤払出装置を改良するに際し、吸引方式の利点が
維持されるような工夫をすることが課題となる。この発
明は、このような課題を解決するためになされたもので
あり、種々の調剤用薬剤を吸引して効率よく払い出す調
剤用薬剤払出装置を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るためになされた本発明の調剤用薬剤払出装置につい
て、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0008】本発明の調剤用薬剤払出装置は(、出願当
初の請求項1に記載の如く)、多数の薬剤カセットを収
納する収納庫とともにそれらの薬剤カセットから調剤用
薬剤を吸引して取り出す取出機構が設けられた支持部
が、上下に分離可能に重ねられてなるものである。
【0009】このような構成の調剤用薬剤払出装置にあ
っては、払出対象の調剤用薬剤は、それを収容した薬剤
カセットから取出機構によって吸着されて取り出され
る。しかも、各収納庫ごとに個別の取出機構によって独
立して取り出されるので、上下に亘る収納庫の段数によ
ってスループットが変動するということが無い。また、
取り扱う薬剤の種類が増えて薬剤カセットを追加する必
要が生じたときには、収納庫を納めた支持部を積み増す
ことで、容易に対処できる。さらに、一部の収納庫を外
すときにも、その支持部を上下の支持部と分離して抜き
取ることで、容易に対処でき、その場合、その収納庫が
無くても残りの収納庫は何ら支障無く稼動する。これに
より、性能を損なうこと無く、拡張性・柔軟性を高める
ことができる。したがって、この発明によれば、種々の
調剤用薬剤を吸引して効率よく払い出す調剤用薬剤払出
装置を実現することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明の調剤用薬剤払出装置について、これを実施する
ための形態を説明する。
【0011】[第1の実施の形態]上記解決手段の調剤
用薬剤払出装置を具体的にした本発明の第1実施形態
は、薬剤カセットと取出機構と収納庫と支持部とを具え
た調剤用薬剤払出装置において、前記支持部は、上下に
分離可能な複数個が設けられ、これらが重なって設置さ
れたものであり、前記収納庫は、前記支持部ごとに設け
られ、それぞれが該当支持部に格納されたものであり、
前記薬剤カセットは、前記収納庫ごとに多数格納され、
それぞれが調剤用薬剤を複数収容するものであり、前記
取出機構は、前記収納庫ごとに設けられ、それぞれが前
記薬剤カセットのうち該当収納庫に格納されているもの
から調剤用薬剤を取り出すものであり、かつ、それぞれ
の取出機構には調剤用薬剤の取出位置に向けてパッドが
設けられるとともに、そのパッドには負圧源に連通する
通気口が形成されていることを特徴とする。
【0012】[第2の実施の形態]本発明の第2実施形
態の調剤用薬剤払出装置は、薬剤カセットから調剤用薬
剤を複数の通気口で吸引して取り出す取出機構と、前記
通気口うちの何れかの流量変化に応じて他の通気口の吸
引を止める手段とを備えたものである。
【0013】具体的には、調剤用薬剤を複数収容する薬
剤カセットと、この薬剤カセットから調剤用薬剤を取り
出す取出機構と、この取出機構に設けられ前記取出位置
に向けて複数の通気口が形成されたパッドと、前記複数
の通気口から共通の負圧源に至るそれぞれの連通路に対
して設けられ該当連通路を開閉する複数の切換弁と、前
記連通路のうち何れか開状態の連通路における流量の低
下に応じて他の連通路に対する切換弁を閉じさせる制御
手段とを備えた調剤用薬剤払出装置である。
【0014】このような調剤用薬剤払出装置にあって
は、払出対象の調剤用薬剤は、それを収容した薬剤カセ
ットから取出機構によって吸着されて取り出されるが、
そのとき、その調剤用薬剤の吸着面が平坦であれば、総
ての通気口で吸引がなされる。また、その調剤用薬剤の
吸着面が平坦で無く凸凹になっていた場合、凸部分に当
たった通気口では調剤用薬剤の吸着がなされるとともに
塞がれて流量が変化する。そして、これに応じて、凹部
分に向けられて調剤用薬剤に達しなかった通気口では、
吸引が止められる。これにより、いずれの場合でも、調
剤用薬剤の吸着時には総ての通気口を介する流れが止め
られることから、吸着に寄与しない無駄な外気の吸い込
みが阻止されるので、吸引力の低下が防止されて、その
調剤用薬剤は確実に吸着されて取り出される。
【0015】[第3の実施の形態]本発明の第3実施形
態の調剤用薬剤払出装置は、調剤用薬剤を載せる可動台
を内蔵した着脱自在な薬剤カセットと、この薬剤カセッ
トから調剤用薬剤を吸引して取り出す取出機構と、前記
可動台に連なる伝動部材に接触して前記可動台を前記取
出機構の吸引箇所に向けて進退させる進退駆動部とを備
えたものである。
【0016】具体的には、調剤用薬剤を複数収容する薬
剤カセットと、この薬剤カセットを着脱自在に格納する
格納庫または支持する支持部と、前記薬剤カセットに内
蔵して設けられ前記調剤用薬剤を載せて移動しうる可動
台と、この可動台に連結するとともに一部が前記薬剤カ
セットから露出して設けられた伝動部材と、前記薬剤カ
セットから調剤用薬剤を取り出す取出機構と、この取出
機構に設けられ前記薬剤カセットに向けて通気口が形成
されたパッドと、前記通気口に連通する負圧源と、前記
伝動部材に接触して摩擦伝動にて前記可動台を前記パッ
ドに向けて進退させる進退駆動部とを備えた調剤用薬剤
払出装置である。
【0017】このような調剤用薬剤払出装置にあって
は、払出対象の調剤用薬剤は、それを収容した薬剤カセ
ットから取出機構によって吸着されて取り出される。そ
して、薬剤カセットが空になって、調剤用薬剤を補充す
るとき、作業者は、薬剤カセットを外し、その可動台の
上に複数の調剤用薬剤を載せて収容する。それから、そ
の薬剤カセットを元のところに戻す。そうすると、伝動
部材が進退駆動部に接触することから、可動台が取出機
構の吸引箇所に向けて進行するので、調剤用薬剤が次々
と吸着可能になって、調剤用薬剤の払出が続行される。
これにより、流体を扱うため制約が多くて複雑になりや
すい取出機構を薬剤カセットから分離して固定的に設置
しても、スプラインやギヤの噛み合い等を気にすること
無く、楽に、調剤用薬剤の補充作業を行うことができ
る。
【0018】[第4の実施の形態]本発明の第4の実施
形態は、調剤用薬剤を複数収容する多数の薬剤カセット
と、これらの薬剤カセットを環状に並べて着脱自在に収
納する収納庫と、この収納庫を回転可能に支持する支持
部と、この支持部に設けられ前記収納庫を回転させる回
転駆動手段と、前記支持部に設けられ前記薬剤カセット
のうち前記収納庫の回転にて取出位置に来た薬剤カセッ
トから調剤用薬剤を取り出す取出機構と、この取出機構
に設けられ前記取出位置の前記薬剤カセットに向けて複
数の通気口が形成されたパッドと、前記複数の通気口か
ら共通の負圧源に至るそれぞれの連通路に対して設けら
れ該当連通路を開閉する複数の切換弁と、前記連通路の
うち何れか開状態の連通路における流量の低下に応じて
他の連通路に対する切換弁を閉じさせる制御手段と、前
記薬剤カセットのそれぞれに内蔵して設けられ前記調剤
用薬剤を載せて移動しうる可動台と、前記薬剤カセット
のそれぞれに設けられ該当可動台に連結するとともに一
部が該当薬剤カセットから露出した伝動部材と、それら
の伝動部材のうち前記取出位置に来た薬剤カセットのも
のに接触してその可動台を前記パッドに向けて進退させ
る進退駆動部とを備えた調剤用薬剤払出装置であって、
前記支持部は、上下に分離可能な複数個が設けられ、こ
れらが重なって設置されており、前記収納庫は、前記支
持部ごとに設けられ、それぞれが該当支持部に格納され
ており、前記薬剤カセットは、前記収納庫ごとに多数格
納されており、前記取出機構は、前記収納庫ごと即ち前
記支持部ごとに設けられており、前記パッドは、前記取
出機構ごとに設けられているものである。
【0019】
【実施例】本発明の調剤用薬剤払出装置の一実施例につ
いて、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
図1は、その内部構造を簡略化して示した全体模式図で
あって、(a)が平面図、(b)が展開状態の正面図で
ある。また、図2は、全体外観を示し、(a)が正面
図、(b)が斜視図である。さらに、図3は、その一部
を示し、(a)が取出機構、(b)が吸引手段である。
また、図4は、薬剤カセットを示し、(a)が正面図、
(b)が側面図である。
【0020】この調剤用薬剤払出装置は(図1,図2参
照)、付加ユニット10の上に下段の調剤用薬剤払出ユ
ニット20が乗せられ(図1(b)では前面カバー28
を省いて示した)、その上に中段の調剤用薬剤払出ユニ
ット20が乗せられ(図1(b)ではフレーム22も省
いて示した)、その上に上段の調剤用薬剤払出ユニット
20が乗せられ(図1(b)では回転駆動手段24や支
柱25さらには薬剤カセット40も省いて示した)、こ
れらを積み重ねたものの最上に天板15が乗っている。
【0021】3段の調剤用薬剤払出ユニット20は(図
1参照)、何れも、ベース21やフレーム22等からな
る支持部と、ベース21の上面中央部に設けられ回転可
能に支持されている収納庫23と、ベース21又はフレ
ーム22に取着して設けられ収納庫23を回転させる回
転駆動手段24と、ベース21に植設された支柱25に
よって収納庫23の上方に支持された取出機構30とを
具えている。
【0022】ベース21は、剛性を持った鋼板等からな
る板状体であり、該当ユニットの底板を兼ねている。そ
の下面には、他のユニットと上下に重ねて設置するに際
し上下分離および連結が容易に行えるよう、図示しない
位置決めピンや係止部材も設けられている。フレーム2
2は、やはり鋼製の角材やアングル材等からなり、ベー
ス21の四隅に立てられて、前面カバー28や他の側面
カバーが取り付けられるとともに、上に乗った他のユニ
ットを下から支えるようになっている。
【0023】収納庫23は、スライドベアリング等で双
方向回転可能に支持されたターンテーブル等からなり、
その上面に対し、放射状に、薬剤カセット40を装着す
るための図示しない掛止用穴の加工や掛止具およびその
ロック部材等の付設が施されたものである。その中心部
は、ベース21を貫通するシュート26や立筒27を挿
通させるために、打ち抜かれている。これにより、収納
庫23は、多数の薬剤カセット40を環状に並べて着脱
自在に収納するものとなっている。
【0024】回転駆動手段24は、適宜のカップリング
等を介して回転出力軸が収納庫23に対し回転伝達可能
に連結された電動モータ等からなり、その回転位置が、
後述するコントローラ12によって制御されるようにな
っている。シュート26は、ベース21に固設され、該
当ユニットの上下間ほぼいっぱいに延び、積み重なった
上下段の他のユニット20のシュート26と共に一本の
案内路を形成するようになっている(図2(a)参
照)。また、取出機構30の先端に対向するところに
は、調剤用薬剤50を投入するための開口26aが形成
されている。立筒27は、下から通って上に出たコント
ローラ12のケーブル等を回転駆動手段24や取出機構
30等に分配接続しやすいように、背がシュート26よ
り少し低くなっている。
【0025】取出機構30(図3(a)参照)は、支柱
25の上端のところから横へ延び出た状態で固定されて
いて、その下を、収納庫23の回転に連れて薬剤カセッ
ト40が通過しうるようになっている。そして、その真
下のところを取出位置とし、そこに来た薬剤カセット4
0から調剤用薬剤50を取り出すために、取出機構30
には、パッド駆動部31〜33にて駆動されるパッド3
4と、進退駆動部35とが設けられている。
【0026】進退駆動部35は、薬剤カセット40と動
的に接触伝動状態を確立してその駆動を行うために、直
下すなわち取出位置に来た薬剤カセット40の転動輪4
5に向けて進退する上下移動機構と、転動輪45に接触
して回転させる回転駆動機構とを具えている。そして、
取出位置の薬剤カセット40について、その可動台42
を、上下方向に即ちパッド34に向けて進退させるよう
になっている。
【0027】パッド34は(図3(b)参照)、柔軟性
・変形容易性・密着性を具有した軟質ゴム等からなる吸
着体であって、その一つの面に多数の通気口34aが形
成されたものであり、これらの通気口34aを下にして
取出機構30に組み込まれる。これにより、通気口34
aは、取出位置の薬剤カセット40の方を向き、ストッ
ク部41の上端開口を介して調剤用薬剤50に対向する
こととなる。そして、その調剤用薬剤50を吸引するた
めに、パッド34には、次の吸引手段60が付加され
る。
【0028】吸引手段60(図3(b)参照)は、上記
のパッド34に加えて、切換弁61と絞り部62と圧力
センサ63との組を複数具えたものである。切換弁61
は、共通の負圧源70から分岐して複数の通気口34a
に至る連通路64のうち分岐したそれぞれのところに設
けられ、該当する分岐連通路64を開閉するようになっ
ている。絞り部62は、流速に応じた圧力変化を測る圧
力センサ63が接続されたものであり、切換弁61と共
に該当分岐連通路64に介挿されている。
【0029】これらの切換弁61の電磁駆動部および圧
力センサ63の信号出力部は、適宜のインターフェイス
等を介してコントローラ12に接続されている。そのコ
ントローラ12は、圧力センサ63の検出圧力に基づい
て絞り部62の通過流量を算出するとともに切換弁61
を制御して、連通路64のうち何れか開状態の連通路6
4における流量の低下に応じて他の連通路64に対する
切換弁61を閉じさせるようになっている。
【0030】パッド駆動部31〜33は(図3(a)参
照)、支柱25の近くからシュート26に向けて水平に
延びた固定アーム31と、これによって水平方向移動可
能に支持されてシュート26に向けて進退する水平動ア
ーム32と、これとパッド34との間に設けられパッド
34を昇降させる上下動アーム33とからなり、パッド
34を、取出位置の薬剤カセット40のストック部41
の上端開口のところに送り込むとともに、シュート26
の開口26aのところにも送り込めるようになってい
る。
【0031】薬剤カセット40は(図4参照)、調剤用
薬剤50を複数収容するために、上面の解放した箱状の
ストック部41と、ストック部41に内蔵して設けられ
た可動台42と、ストック部41から露出して設けられ
た伝動部材としてのスライダ43,ベルト44,転動輪
45とを具えたものである。ストック部41は、多数の
調剤用薬剤を上下に重ねて収容するために、内側が調剤
用薬剤50より少し大きくて、全体的には直方体をした
容器の形状になっている。これを持って外側に引くと、
ロックされていない薬剤カセット40が、収納庫23か
ら水平方向へ容易に引き出せて、調剤用薬剤50の補充
作業等が簡単に行えるようになっている。
【0032】可動台42は、上面に調剤用薬剤50が安
定して載るようにそれに近いサイズに上面が形成される
とともに水平で平坦な状態に仕上げられる。これは、ス
トック部41に内蔵されるが、ストック部41には固定
されず、次のスライダ43に連結されるようになってい
る。スライダ43は、可動台42に連結するとともに上
下移動可能に支持された伝動部材であり、その一部がス
トック部41から露出してベルト44に取り付けられ
る。また、転動輪45は、その支軸がベルト44の駆動
輪に連結される。これにより、転動輪45が回転駆動さ
れると、可動台42は、ストック部41の中で上下に移
動し、可動台42に載っている調剤用薬剤50も、上に
押し上げられたり下に戻ったり、上下移動するようにな
っている。
【0033】付加ユニット10は(図1(b)参照)、
調剤用薬剤払出ユニット20を支えるため堅固に作られ
た筐体11の中に、各調剤用薬剤払出ユニット20に分
散されないコントローラ12や、トレイ14をシュート
26の下方に搬入するとともにそこから他の調剤機器や
監査部門へ搬出する搬送コンベア13等を、格納するよ
うになっている。コントローラ12は、いわゆるパソコ
ン等のコンピュータからなる電子制御装置であり、その
プログラム制御によって、上述した回転駆動手段24や
吸引手段60の制御に加えて、搬送コンベア13の制御
を、図示しない通信可能なホストコンピュータやバーコ
ードリーダ等の読取装置あるいは手動の操作部などを介
して得た処方情報や調剤情報に基づいて、行うようにな
っている。
【0034】この実施例の調剤用薬剤払出装置につい
て、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明す
る。図1(b)は、装置を薬局等に導入するときの設置
状況を示し、図5は、払出対象とされる調剤用薬剤の典
型例であるPTP錠剤についてその外観を示す。また、
図6は、取出機構30とその直下に来た薬剤カセット4
0との側面図であり、矢印A〜Fにて薬剤の取り出し動
作を図示している。
【0035】設置場所への搬入に際し、付加ユニット1
0や各調剤用薬剤払出ユニット20は、分離した状態
で、分割搬入される。そして、先ず付加ユニット10を
固定し、その上に下段の調剤用薬剤払出ユニット20を
載置する。そのとき、位置決めピンを利用してシュート
26等の位置を合わせるとともに、係止部材を利用して
固定する。それから、同様にして、中段および上段の調
剤用薬剤払出ユニット20をセットし、最後に天板15
で上端を塞ぐ。こうして、小人数でも容易に設置作業が
行われる。
【0036】それから、薬剤カセット40のストック部
41に調剤用薬剤50を収容するために、先ず可動台4
2を最下位置まで降ろしておき、その上に、調剤用薬剤
50を適宜枚数だけ重ねて載せる。その際、調剤用薬剤
50が平坦部51の他に凸部52も有るPTP錠剤のよ
うなものであっても(図5(a)参照)、平坦部51が
上になっているか(図5(b)参照)、それとも下にな
っているか(図5(c)参照)といったことは気にしな
いで、気楽に収容して良い。
【0037】そして、次々と、薬剤の種類や包装形態ご
とに分けて、多数の薬剤カセット40に対して薬剤を収
容するとともに、収容済みの薬剤カセット40を適当な
調剤用薬剤払出ユニット20の収納庫23に装着する。
また、その装着した薬剤カセット40についての装着位
置と薬剤情報とを、操作卓等を利用した手動で又は読み
取り装置やダウンロード等を利用した自動処理で、コン
トローラ12に設定しておく。こうして、調剤用薬剤払
出ユニット20の設置に加えて、多数の薬剤カセット4
0及び各種の調剤用薬剤50のセットが終了し、自動払
出の準備が調う。
【0038】電源投入等がなされ、動作可能になった状
態で、調剤の指示を受けると、例えばホストコンピュー
タ等から処方指令が送られて来たのをコントローラ12
が受け取ると、その情報に基づき、コントローラ12の
制御に従って、トレイの搬入搬出や必要な調剤用薬剤の
選択的払出などが行われる。すなわち、処方箋や患者ご
とに、空のトレイ14が、搬送コンベア13等によって
付加ユニット10内に搬入され、シュート26の直下に
置かれる(図2(a)の破線を参照)。
【0039】また、これと同時に又はその後に、調剤用
薬剤払出ユニット20では、収納庫23が回転して、処
方情報に基づいて選択された調剤用薬剤50を収容した
薬剤カセット40が取出機構30直下の取出位置に移動
して来る。そして、進退駆動部35が下降して転動輪4
5に接触しそれを駆動すると(図6(a)の矢印Aを参
照)、可動台42が上昇して調剤用薬剤50が押し上げ
られる(図6(a)の矢印Bを参照)。そのとき、パッ
ド34は逆に下降し(図6(b)の矢印Cを参照)、そ
の通気口34a形成面が、最も上の調剤用薬剤50の上
面に当接する。
【0040】さらに、その状態で、吸引手段60による
吸引が行われる。この吸引は、先ず切換弁61を総て開
状態にして行われる。そこで、吸引対象の調剤用薬剤5
0が平坦部51を上にして収容されていた場合には、通
気口34aが総て調剤用薬剤50によって塞がれるの
で、その調剤用薬剤50がパッド34に吸着されるとと
もに、連通路64及び絞り部62を介して流れる通気量
が総てのところで速やかに減少してほぼ零になる。それ
から、その調剤用薬剤50は、パッド34に連れられて
上昇し(図6(b)の矢印Dを参照)、パッド34と共
にシュート26の方へ運ばれる(図6(b)の矢印Eを
参照)。そして、吸引手段60による吸引が止むと、開
口26aからシュート26内へ投入され、下で待ってい
るトレイ14に向けて落下する(図6(b)の矢印Fを
参照)。
【0041】これに対し、吸引対象の調剤用薬剤50が
凸部52を上にして収容されていた場合には、通気口3
4aは一部のものしか塞がれない。このため、塞がれた
通気口34aに向けて分岐している連通路64及びそこ
の絞り部62を介して流れる通気量はほぼ零になるが、
塞がれていない通気口34aに通じる連通路64を介し
て外気が流入するので、吸着に必要な負圧は得られな
い。この状態は、負圧源70の排気能力等に基づいて決
まる所定時間を経過しても、継続する。そこで、所定時
間の経過後に、通気の止まらない連通路64に設けられ
た切換弁61は、コントローラ12の制御によって強制
的に、閉状態に切換えられる。すると、負圧吸引力が速
やかに高まって、一部の通気口34aによる吸引だけで
も十分に、調剤用薬剤50がパッド34に吸着される。
こうして、この場合も確実に、取出位置から調剤用薬剤
50が取り出され、トレイ14へ払い出されることとな
る。
【0042】しかも、このような払出動作は、上段,中
段,下段それぞれの調剤用薬剤払出ユニット20で、同
時に並行して行われるので、払出処理が速やかに済む。
そして、処方箋等に基づく所望の薬剤が総てトレイ14
に収集されると、そのトレイ14は、搬送コンベア13
によって、監査部門等へ向けて搬出される。こうして、
各種薬剤の自動払出が、吸引を利用した取り出しによっ
て、的確に処理される。
【0043】また、使用開始後でも、新薬の増加等に起
因して、調剤用薬剤払出ユニット20を追加するような
場合には、一旦天板15を外しておいて、上段の調剤用
薬剤払出ユニット20の上に追加の調剤用薬剤払出ユニ
ット20をセットすることで、簡単に、装置を高さ方向
に成長させることができる。さらに、薬剤の種類によっ
て使用量が異なる等のため、補充頻度の高いものを作業
の楽なところに配置したいようなときも、薬剤カセット
40単位で細々と入れ替える他、調剤用薬剤払出ユニッ
ト20を上下入れ替える等のことで纏めて配置変更する
こともできる。
【0044】
【変形例】上記実施例では上下に分離される基本単位そ
れぞれを調剤用薬剤払出ユニット20と呼び、一繋がり
のユニット群(10+20+20+20)を纏めて調剤
用薬剤払出装置と呼んだが、これに限らず、一部少数の
ユニット群や個々のユニットを調剤用薬剤払出装置と呼
んでも良い。また、調剤用薬剤も、図5に例示したPT
P錠剤に限らず、予製剤や、箱もの等、吸引可能なもの
であれば、取り扱い可能である。
【0045】さらに、制御手段は、コントローラ12に
よる集中制御を例に挙げたが、これに限らず、各ユニッ
トごとに設けられたローカルなコントローラによる分散
制御も可能である。また、搬送コンベア13による自動
搬出は、必須でなく、扉を開閉等して作業者がトレイを
出し入れするのも可能であり、さらに、トレイも必須で
なく、作業者が掴んで取り出すようにしても良い。
【0046】上記実施例では、薬剤カセット40は、総
て同一であったが、これに限らず、薬剤の種類等に適し
た各種のサイズや形状のものを用いても良い。その際、
大きな薬剤カセット40は下段の調剤用薬剤払出ユニッ
ト20に集め、中程度の薬剤カセット40は中段の調剤
用薬剤払出ユニット20に集め、小さな薬剤カセット4
0は上段の調剤用薬剤払出ユニット20に集める等のこ
とで、各調剤用薬剤払出ユニット20ごとに装置高さや
収納カセット数などを最適化することができる。
【0047】上記実施例で、取出機構30は、収納庫2
3と同じく調剤用薬剤払出ユニット20に一つだけ設け
たが、これに限らず、一の収納庫23に対して二個以上
を設けても良く、少数の取出機構30が多数の薬剤カセ
ット40に対して共用されるようになっていれば良い。
また、連通路64は、横一列に並んだ4個の通気口34
aごとに分岐したものを示したが、これに限らず、縦や
斜めに並んだ又は飛び飛びの数個の通気口34aごとに
纏めて連通したところへ分岐するようにしても良く、あ
るいは個々の通気口34aごとに分岐するようにしても
良い。さらに、切換弁61に対する制御手段は、コント
ローラ12等の電子制御に限らず、圧力差や流量に基づ
いて作動する空気圧回路、例えばシャトル弁を利用した
切換制御回路などで具現化しても良い。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の調剤用薬剤払出装置にあっては、調剤用薬剤を吸引し
て取り出すに際し各収納庫ごとに個別の取出機構で独立
して行うようにしたことにより、収納庫の段数に束縛さ
れない安定したスループットが得られるうえ、拡張性・
柔軟性も高まり、その結果、種々の調剤用薬剤を吸引し
て効率よく払い出す調剤用薬剤払出装置を実現すること
ができたという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の調剤用薬剤払出装置の一実施例につ
いて、その内部構造を簡略化して示した全体模式図であ
って、(a)が平面図、(b)が展開状態の正面図であ
る。
【図2】 全体外観を示し、(a)が正面図、(b)が
斜視図である。
【図3】 (a)が取出機構を示し、(b)が吸着手段
を示す。
【図4】 薬剤カセットを示し、(a)が正面図、
(b)が側面図である。
【図5】 調剤用薬剤(PTP)の外観図である。
【図6】 薬剤の取り出し動作を示す図である。
【符号の説明】
10 付加ユニット(調剤用薬剤払出装置の共用部) 11 筐体(枠および外板、外箱) 12 コントローラ(制御手段) 13 搬送コンベア(搬出手段、送出手段) 14 トレイ(搬器、受器) 15 天板 20 調剤用薬剤払出ユニット(調剤用薬剤払出装置の
上下分離単位) 21 ベース(基板、枠、支持部) 22 フレーム(柱、枠、支持部) 23 収納庫(ターンテーブル) 24 回転駆動手段(電動モータ) 25 支柱(枠、支持部) 26 シュート(落下用筒、案内部材、収集部材) 26a 開口(投入口) 27 立筒(ケーブル管、配線用貫通路) 28 前面カバー 30 取出機構 31 固定アーム(パッド駆動部) 32 水平動アーム(パッド駆動部) 33 上下動アーム(パッド駆動部) 34 パッド(吸着部材、吸引手段) 34a 通気口(吸気口、吸着部) 35 進退駆動部(上下動可能な接触伝動用の回転
駆動部材) 40 薬剤カセット 41 ストック部(薬剤収容用箱体) 42 可動台(昇降台、収容薬剤押上部材) 43 スライダ(伝動部材) 44 ベルト(伝動部材) 45 転動輪(伝動部材) 50 調剤用薬剤 51 平坦部(シート、吸着容易部) 52 凸部(薬剤収納室) 60 吸引手段 61 切換弁(電磁弁、開閉弁) 62 絞り部(流量検出手段) 63 圧力センサ(流量検出手段) 64 連通路(流体通路、吸気用管路) 70 負圧源(吸気ユニット、吸引ポンプ、ブロア、コ
ンバム)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の薬剤カセットを収納する収納庫とと
    もにそれらの薬剤カセットから調剤用薬剤を吸引して取
    り出す取出機構が設けられた支持部が、上下に分離可能
    に重ねられてなる調剤用薬剤払出装置。
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