JP2000166855A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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JP2000166855A
JP2000166855A JP10345396A JP34539698A JP2000166855A JP 2000166855 A JP2000166855 A JP 2000166855A JP 10345396 A JP10345396 A JP 10345396A JP 34539698 A JP34539698 A JP 34539698A JP 2000166855 A JP2000166855 A JP 2000166855A
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JP10345396A
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Hirota Okada
裕太 岡田
Tatsuya Ishizuka
達也 石塚
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】先端カバーの成形時の引けによる水切れの悪化
をを防止できるとともに、先端カバーの破損を防止しつ
つ観察用レンズのレンズ枠を固定する固定部材の取り付
けスペースを先端構成部の本体部材側に十分に確保でき
る内視鏡の提供を目的としている。 【解決手段】複数の観察用レンズ21を保持するレンズ
枠32と洗浄用ノズル23とが設けられた先端構成部1
8を有する挿入部13bを備え、先端構成部が、金属材
料の本体部材27と、本体部材の前端に被装され且つ電
気的絶縁性の樹脂先端カバー28とから成り、レンズ枠
が先端カバーと本体部材とにわたって配設されている内
視鏡2において、レンズ枠の周辺の先端カバーの肉厚は
洗浄用ノズルの周辺の先端カバーの肉厚と略等しく設定
され、かつ、レンズ枠および洗浄用ノズルの周辺の先端
カバーの肉厚はその他の先端カバーの部位の肉厚よりも
小さく設定されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、内視鏡の挿入部の先端は、観察
用レンズや照明用レンズ等の光学系要素や洗浄用ノズル
等が設けられる先端構成部として形成されている。ま
た、この先端構成部は、金属材料によって形成される本
体部材と、この本体部材の前端に被装され且つ電気的絶
縁性の樹脂材料によって形成される先端カバーとを備え
ている。
【0003】また、通常、前記先端カバーの肉厚(内視
鏡挿入部の長手方向に沿った肉厚)は、例えば特開平8
−136829号公報の図2に示されるように、観察用
レンズの周辺、洗浄用ノズルの周辺、照明用レンズの周
辺のどの部位においても同一に設定されている。すなわ
ち、先端カバーの肉厚を全体にわたって略均一に設定す
ることにより、先端カバーの成形時の引けを防止するよ
うにしている。
【0004】一方、特開平8−173369号公報に
は、金属材料で形成された洗浄用ノズルを先端構成部の
本体部材に対して電気的に絶縁させるために、絶縁材料
によって形成された先端カバーの肉厚を洗浄用ノズルの
周辺部でのみ大きく設定する技術が開示されている。
【0005】また、観察用レンズやその後部に接続され
る固体撮像素子などの光学系要素が内視鏡の先端部から
抜けてしまうことを防止するために、観察用レンズのレ
ンズ枠の側部に固定部材を突き当てることが一般に行な
われている。固定部材としては固定強度および再生の点
からビスが望ましく、このビスは金属材料によって形成
された先端構成部の本体部材に固定される。ビスを樹脂
製の先端カバーに固定しない理由は、仮に先端カバーに
雌ネジを加工してこの雌ネジにビスを固定しようとして
も、樹脂は軟らかいため、ネジ山が破損し易く、ネジ固
定機能が損なわれる虞があるためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、固体撮像素子の
小型化が進み、それに伴って観察用レンズも小径となり
観察用レンズ群の全長(レンズ枠の全長)が短くなって
くると、レンズ枠を固定する前記固定部材の取付けスペ
ースを先端構成部の本体部材上に確保することが困難に
なってくる。
【0007】すなわち、一般に、観察用レンズを保持す
るレンズ枠は、先端構成部の先端カバーから本体部材に
わたって配設されるが、レンズ枠の全長が短くなると、
本体部材側に位置するレンズ枠の部位が僅かとなり、こ
の僅かなレンズ枠の部位の側部に本体部材側からビスを
突き当てること、すなわち、ビスの取付けスペースを本
体部材側に確保することが難かしくなる。
【0008】そのため、このような場合には、レンズ枠
が位置する部分で先端カバーの肉厚を薄くすることによ
って、レンズ枠を本体部材側に大きく突出させて、本体
部材側にビスの入るスペースを確保するようにしてい
る。
【0009】しかし、このように、観察用レンズのレン
ズ枠が位置する部分でのみ先端カバーの肉厚を薄く形成
すると、 先端カバーの成形時に引けが生じる虞があ
る。また、この引けを防止するために、特開平8−13
6829号公報のように先端カバーの肉厚を全体にわた
って均一に設定すると、先端カバーの肉厚を全体にわた
って薄くせざるを得なくなり、内視鏡の先端部に衝撃が
加わった際に先端カバーが破損してしまう虞がある。
【0010】また、引けに関する問題は、特開平8−1
73369号公報のように先端カバーの肉厚を洗浄用ノ
ズルの周辺部でのみ大きく設定する場合においても生じ
る。すなわち、洗浄用ノズルの周辺部でのみ先端カバー
の肉厚を大きくすると、観察用レンズと洗浄用ノズルと
の間の先端カバーの表面に引けが起き易くなる。引けが
生じた場合には、洗浄用ノズルからの洗浄用流体がこの
引け部に溜まり、観察時の水切れが悪化してしまうこと
となる。
【0011】本発明は前記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、先端カバーの成形時
の引けによる水切れの悪化を防止できるとともに、先端
カバーの破損を防止しつつ観察用レンズのレンズ枠を固
定する固定部材の取り付けスペースを先端構成部の本体
部材側に十分に確保できる内視鏡を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、複数の観察用レンズを保持するレンズ枠
と前記観察用レンズのうち最先端に位置するレンズの表
面を洗浄するための洗浄用ノズルとが設けられた先端構
成部を先端に有する挿入部を備え、前記先端構成部が、
金属材料によって形成される本体部材と、この本体部材
の前端に被装され且つ電気的絶縁性の樹脂材料によって
形成される先端カバーとから成り、前記レンズ枠が先端
カバーと本体部材とにわたって配設されている内視鏡に
おいて、前記レンズ枠の周辺の先端カバーの肉厚は洗浄
用ノズルの周辺の先端カバーの肉厚と略等しく設定さ
れ、かつ、レンズ枠および洗浄用ノズルの周辺の先端カ
バーの肉厚はその他の先端カバーの部位の肉厚よりも小
さく設定されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の一実施形態について説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施形態に係るビデオ
内視鏡を備えたシステム1の全体構成を概略的に示して
いる。図示のように、ビデオ内視鏡2は、操作部13a
と挿入部13bとからその本体が構成されている。操作
部13aには、挿入部13b内に形成された鉗子チャン
ネル24(図2および図4〜図6参照)に連通する鉗子
挿入口20が設けられている。また、操作部13aから
はユニバーサルコード14が延びており、このユニバー
サルコード14の先端には光源装置3に接続されるコネ
クタ15が設けられている。また、コネクタ15から延
びる信号ケーブル16の先端には、ビデオプロセッサ4
に接続されるコネクタ17が設けられている。なお、ビ
デオプロセッサ4には、モニタ5と、VTRデッキ6
と、ビデオプリンタ8と、ビデオディスク7とがそれぞ
れ接続されている。
【0015】また、挿入部13bは、可撓管部12と、
可撓管部12の先端に接続され且つ遠隔的に湾曲操作さ
れる湾曲部19と、湾曲部19の先端に設けられた先端
構成部18とから構成されている。
【0016】図2は、ビデオ内視鏡2の先端構成部18
の正面図、図3は図2のABCDE線に沿う断面図、図
4は図2のFGB線に沿う断面図である。 図3に示す
ように、先端構成部18は、本体部材27と、その前面
に取り付けられる先端カバー28とから成る。この場
合、本体部材27は、ステンレス等の耐食性の金属によ
って形成されている。また、先端カバー28は、本体部
材27を電気的に絶縁する目的から、 ポリサルフォン
やノリル等の絶縁性の樹脂によって形成されている。な
お、図3中、21は観察用レンズ、22は固体撮像素
子、23は洗浄用ノズル、25は照明用レンズ、29は
回路基板、30はケーブル、32は複数の観察用レンズ
21を保持するレンズ枠である。
【0017】図3および図4に示されるように、観察用
レンズ21(レンズ枠32)の周辺の先端カバー28の
肉厚(内視鏡挿入部13bの長手方向に沿う肉厚)は、
洗浄用ノズル23の周辺の先端カバー28の肉厚と略等
しくなっている。また、照明用レンズ25および鉗子チ
ャンネル24の周辺の先端カバー28の肉厚は、観察用
レンズ21の周辺および洗浄用ノズル23の周辺の先端
カバー28の肉厚と比較して大きくなっている。
【0018】また、図6に示されるように、本体部材2
7の前面には、ここに取り付けられる先端カバー28の
肉厚に応じて、段差がつけられている。すなわち、肉厚
の小さい先端カバー28の部位が取り付けられる観察用
レンズ21および洗浄用ノズル23の周辺の本体部材2
7の前面は、肉厚の大きい先端カバー28の部位が取り
付けられる照明用レンズ25あるいは鉗子チャンネル2
4などの他の内蔵物周辺の本体部材27の前面よりも前
方に突出して位置している。
【0019】図5は、図3のB―B線に沿う断面を示し
ている。図示のように、観察用レンズ21はレンズ枠3
2に挿入して保持され、本体部材27の径方向に延在し
て取り付けられたビス37の先端がレンズ枠32の側面
に突き当てられている。これにより、レンズ枠32が固
定され、観察用レンズ21が内視鏡挿入部13bの軸方
向に移動することが規制される。また、先端カバー28
の前方への脱落を防止するために、先端カバー28と本
体部材27とにわたって形成された穴には、先端カバー
抜け止めピン38が挿入されている。
【0020】ところで、一般に、観察用レンズ21を保
持するレンズ枠32は、先端構成部18の先端カバー2
8から本体部材27にわたって配設されるが、レンズ枠
32の全長が短くなると、本体部材27側に位置するレ
ンズ枠32の部位が僅かとなり、この僅かなレンズ枠3
2の部位の側部に本体部材27側からビス37を突き当
てること、すなわち、ビス37の取付けスペースを本体
部材27側に確保することが難かしくなる(前述したよ
うに、ビス37は金属材料によって形成された先端構成
部18の本体部材27に固定する必要がある。)しかし
ながら、本実施形態では、前述したように、観察用レン
ズ21の周辺で先端カバー28の肉厚を小さく設定し
て、この肉厚の小さいカバー部分と対向する本体部材2
7の部位を他の部位よりも前方に突出させている。した
がって、本体部材27の内部に挿入されるレンズ枠32
の長さが長くなり、本体部材27の内部に設けられた固
定用のビス37をレンズ枠32の側部に突き当てて固定
することが可能となる。また、この場合、観察用レンズ
21の周辺の先端カバー28の肉厚は、洗浄用ノズル2
3の周辺の先端カバー28の肉厚と略等しくなっている
ため、先端カバー28の成形時に引けが生じることがな
い。すなわち、観察用レンズ21の周辺の先端カバー2
8の肉厚と洗浄用ノズル23の周辺の先端カバー28の
肉厚とが大きく異なると、樹脂によって形成される先端
カバー28の成形時に両者の間に引けが出易くなる。引
けが生じると、洗浄時に洗浄用ノズル23から噴出され
た洗浄用流体がこの引け部に溜まり易く、洗浄時の水切
れが悪化する虞がある。しかし、本実施形態のように、
両者間の肉厚を略等しく設定すると、引けができにく
く、また、水切れが良好となる。
【0021】また、本実施形態では、観察用レンズ21
と洗浄用レンズ23の周辺以外の先端カバー28の肉厚
を大きく設定しているため、内視鏡2の先端に衝撃が加
わっても、先端カバー28が破損することはない。
【0022】図7は先端構成部18の他の構成を示して
いる。図示のように、本体部材27には、各内蔵物を配
するための複数の孔が設けられている。また、本体部材
27の側部にはその長手方向に沿って切り欠き部72が
設けられており、この切り欠き部72を介して1つの孔
35が外部と連通している。なお、切り欠き部72は本
体部材27の基端まで続いている。また、切り欠き部7
2は、固体撮像素子22や回路基盤29を孔35内に挿
入できる大きさに設定されている。
【0023】孔35には、観察用レンズ21、固体撮像
素子22、回路基盤29、ケーブル30が先端側から順
に接続されて配されている。また、固体撮像素子22お
よび回路基盤29の周辺を覆う形で設けられる金属枠や
保護チューブなどは設けられておらず、孔35には固体
撮像素子22と回路基盤29とケーブル30とを覆う形
で接着剤が充填されている。
【0024】このような構成では、孔35の側部に設け
られた切り欠き部72から固体撮像素子22や回路基盤
29を孔35内に挿入し、本体部材27上で各部を接続
することができる。したがって、通常保護の目的から設
けられる保護部材などが不要となり、その分、固体撮像
素子22および回路基盤29の周囲の外径を抑えること
ができる。すなわち、切り欠き部27から固体撮像素子
および回路基盤を本体部材27内に挿入して本体部材2
7内で撮像ユニットを組み立てることができるため、従
来のように、内視鏡2の先端部と独立して撮像ユニット
を組み立てる場合と異なり、 撮像ユニットの外周に保
護部材を設ける必要がなくなる。そのため、撮像ユニッ
トの外径を小さくすることができ、それに伴って、内視
鏡2の先端部の外径を小さくすることができる。
【0025】なお、特開平10−174675号公報等
に開示されている技術においても、先端構成部の本体部
材に、観察用レンズ、固体撮像素子、回路基盤およびケ
ーブルからなるいわゆる撮像ユニットを挿入するための
挿入孔と、それと連通する切り欠き部とが設けられてい
るが、内視鏡と別体で製造される撮像ユニットを内視鏡
に組み込むためには、撮像ユニットの保管あるいは輸送
時の保護の目的から、金属などの枠や保護チューブを撮
像ユニットに被せるなどの必要が生じ、撮像ユニットの
外径が大きくなってしまっていた。そのため、撮像ユニ
ットを入れるための大きなスペースが内視鏡側の先端構
成部の本体部材内に必要となり、内視鏡の先端部の細径
化を困難にしていた。これに対して、図7の構成によれ
ば、内視鏡の先端構成部内で撮像ユニットを組み立てる
ことができるとともに、その後、接着剤によって強度を
確保するため、保護部材が不要となり、また、保護部材
に比べれば接着剤の充填の方が先端構成部の外径の増大
は僅かで済むため、前述した従来の問題は解消される。
【0026】図8は内視鏡先端部の別の構成を示してい
る。図示のように、先端構成部18の本体部材27の後
端には、湾曲部19が接続されている。湾曲部19は複
数の湾曲駒67を連結することによって形成されてい
る。本体部材27から湾曲部19およびそれに接続され
る可撓管部12内には、観察用レンズ21、ケーブル3
0、鉗子チャンネル24等の複数の内蔵物が設けられて
いる。
【0027】本体部材27と接続する最先端の湾曲駒6
7には、鉗子チャンネル24が位置する側に、湾曲駒6
7の内側と外側とを連通する湾曲駒切り欠き部71が設
けられている。この湾曲駒切り欠き部71は、本体部材
27から湾曲部19にかけて設けられた湾曲ゴム66に
より覆われているため、内視鏡2の外部に露出すること
はない。
【0028】鉗子チャンネル24は、本体部材27に設
けられた金属製のパイプであるチャンネルパイプ69の
後部にテフロン等のチューブで形成されたチャンネルチ
ューブ68を接続することにより構成される。チャンネ
ルパイプ69とチャンネルチューブ68との接続部は鉗
子チャンネル24の最大径部となり、この最大径部が湾
曲駒切り欠き部71に位置して露出している。
【0029】湾曲駒切り欠き部71の端面には、湾曲部
19の内側から外側に向かって肉厚が小さくなるテーパ
部70が設けられている。無論、テーパ部70の代わり
にR面取りを施しても良い。また、湾曲駒切り欠き部7
1の端面に軟性部材を配しても良い。
【0030】以上のように、本体部材27と湾曲部19
との接続部において、湾曲駒67に湾曲駒切り欠き部7
1を設けると、この部分で鉗子チャンネル24を湾曲駒
67からはみ出させて配置させることができる(鉗子チ
ャンネル24の最大径部を湾曲駒切り欠き部71から湾
曲駒67の外部に逃がすことができる)ため、本体部材
27と湾曲部19との接続部において湾曲駒67の肉厚
分だけ内視鏡2の外径を小さくすることができる。
【0031】なお、 従来においても、例えば実公平4
−11683号公報に示されるように、先端構成部の本
体部材と湾曲部との接続部で、湾曲駒に内蔵物(鉗子チ
ャンネル等)の膨大部を逃がす切り欠き部を設けること
により、この部分の外径を細くする技術は知られてい
る。しかし、切り欠き部の端面が角部を有したままであ
ったため、内蔵物が切り欠き部の角部で損傷を受け易か
った。すなわち、内蔵物の一部が切り欠き部においては
湾曲駒の外側に位置し、切り欠き部のない湾曲部の手元
側では湾曲駒の内部に位置するため、切り欠き部の端面
に内蔵物が押し当てられて、湾曲駒の外側から内側に向
けて内蔵物が曲げられることになり、切り欠き部の端面
で内蔵物が傷つけられ破損し易かった。
【0032】これに対して、本構成では、湾曲駒切り欠
き部71の端面に、湾曲駒67の内部から外部に向かっ
て湾曲駒67の肉厚が小さくなる向きにテーパ部70が
設けられているため、鉗子チャンネル24がこのテーパ
部70に接触し、湾曲駒切り欠き部71の端面によるチ
ャンネルチューブ68の損傷を防ぐことができる。
【0033】ところで、内視鏡の挿入部を口腔から体腔
内に挿入する場合には、口にくわえて内視鏡の挿入部を
挿入し易くするために、 一般に、マウスピースが使用
される。従来、例えば実公昭59−12883号公報に
示されるように、マウスピースは、口腔内で患者の歯に
よってくわえられる偏平筒状部と、この偏平筒状部の端
部に形成され且つ偏平筒状部の外径よりも大きな外径を
有する小判状の鍔部とからなる。この場合、鍔部が患者
の歯の裏側に当接することにより、患者に装着されたマ
ウスピースの吐き出しが防止される。
【0034】また、特願平10−2071号明細書に
は、マウスピースの偏平筒状部の挿入方向の中途部に小
判状の鍔部を設けた例が示されている。この場合、鍔部
を患者の唇と歯茎の間に位置させることにより、患者が
術中にマウスピースを吐き出すことを防いでいる。
【0035】しかし、特願平10−2071号明細書に
示されるように、マウスピースの筒状部の中途部に鍔部
を設けると、唇と歯茎との間に鍔部が挟まれるため、術
中の患者の吐き出しは防止できるが、異物が唇と歯茎と
の間に入るため、患者に不快感を与えていた。そこで、
以下では、術中の患者の吐き出し防止機能を維持したま
ま、患者に不快感を与えないマウスピースについて説明
することとする。
【0036】そのようなマウスピースが図9〜図11に
示されている。図示のように、マウスピース57は、前
端面から後端面まで連通する挿通孔59を有した偏平筒
状部60からなる。マウスピース57の断面形状は、そ
の前端部付近を除いて外径が略均一な楕円状を成してい
る。マウスピース57の前端部は、他の楕円状部分の外
径よりも大きい小判状の鍔部61として形成されてい
る。
【0037】鍔部61の両側部には、それぞれベルト5
8が設けられている。これらのベルト58は、図11に
示されるように、マウスピース57を患者に装着した際
に、患者の後頭部で接合できる長さに設定されている。
なお、図12に示されるように、患者の耳に係止できる
輪部が各ベルト58の端部に設けられていても良い。ま
た、図13に示されるように、患者の耳に係止できるフ
ック部が各ベルト58の端部に設けられていても良い。
【0038】本構成のマウスピース57は、図9に示さ
れるように患者の口腔内に装着される。この時、入れ歯
を使用している歯のない患者の場合には、上歯茎と下歯
茎との間でマウスピース57の偏平筒状部60を挟む。
偏平筒状部60には小突起等が存在しておらず、また、
前端部付近に設けられた鍔部61を除いて、マウスピー
ス57はその前端から後端まで略均一の断面形状となっ
ているため、患者の歯茎を刺激することがない(これに
対して、特願平10−2071号明細書に示されるよう
に偏平筒状部60に小突起等があると、歯茎が直接に刺
激され、患者が痛みを感じることになる)。また、鍔部
61の両側部にはベルト58が設けられているため、こ
れらのベルト58を患者の後頭部側で接続することによ
り、検査中の患者のマウスピース57の吐き出しを防止
できる。
【0039】図14および図15は、内視鏡の輸送・保
管時に梱包して使用するキャリングケースを示してい
る。図14は、ビデオ内視鏡2が収納されたキャリング
ケースを上方向から見た図であり、図15はビデオ内視
鏡2が収納されたキャリングケースを側方から見た図で
ある。
【0040】これらの図に示されるように、本構成のキ
ャリングケースは、上蓋62と下蓋63とからなる。下
蓋63には、上蓋62側に向かって複数の突起状の凸部
64が設けられている。これらの凸部64のうち、ビデ
オ内視鏡2が位置する部分の凸部64の長さは、 他の
部分の凸部64の長さよりも短く設定されている。な
お、上蓋62は凸部64を持たない平板状に形成されて
いる。また、上蓋62と下蓋63は塩化ビニール等等の
軟質性の部材で形成されている。
【0041】このような構成のキャリングケースは、内
視鏡2が位置する下蓋63のみ内視鏡2の形状に合わせ
て凸部64の長さを短くし、上蓋62を単なる平板状に
形成しているため、成型が楽である。しかも、塩化ビニ
ル材料は安価であるため、安くケースを作ることができ
る。
【0042】なお、本構成では、 上蓋62側に突起を
設け、下蓋63が平板であっても良い。また、下蓋63
の凸部64と対向する上蓋62の部位に、凸部64と嵌
合する凹部を設けても良い。
【0043】以上説明してきた技術内容によれば、 以
下に示すような各種の構成が得られる。
【0044】1.内視鏡挿入部の先端を構成する金属製
の先端構成部材とその前面を絶縁する樹脂製の先端カバ
ーを有する内視鏡において、前記先端構成部材及び前記
先端カバー上に内視鏡挿入方向前方を観察する観察用レ
ンズ及び前記観察用レンズの先端面を洗浄する洗浄用ノ
ズルを有し、かつ、前記観察用レンズと前記洗浄用ノズ
ル周辺の前記先端カバーの内視鏡挿入軸方向における肉
厚をほぼ同一とし、かつ、 他内蔵物周辺の先端カバー
の肉厚よりも小さくしたことを特徴とした内視鏡。
【0045】2.複数の内蔵物を有する内視鏡におい
て、観察用レンズと洗浄用ノズルを内視鏡挿入軸を中心
とした円周方向において隣り合った位置に配したことを
特徴とする第1項に記載の内視鏡。 3.観察用レンズと洗浄用ノズルとを内視鏡挿入軸を挟
んでほぼ対角線上に配したことを特徴とする第1項に記
載の内視鏡。 4.複数の内蔵物を有すビデオ内視鏡において、先端構
成部材に設けられた各内蔵物の挿入孔のうち、固体撮像
素子の挿入孔の内視鏡挿入軸に対する外周側面に切り欠
き部を設け、固体撮像素子、回路基盤及びケーブルを先
端構成部材上に固定したことを特徴とする内視鏡。
【0046】5.固体撮像素子、回路基盤及びケーブル
の配線、固定作業を先端構成部材の切り欠き部内で行う
ことを特徴とする第4項に記載の内視鏡の組立方法。 6.内視鏡湾曲部を構成する湾曲駒の最先端部の外周部
に,内蔵物の膨大部を逃がす切り欠き部を設けた内視鏡
において、前記切り欠き部の開口部端面に、湾曲駒内径
側から外径側にかけて前記湾曲駒肉厚が小さくなる向き
にテーパ部を設けたことを特徴とする内視鏡。
【0047】7.内視鏡湾曲部を構成する湾曲駒の最先
端部の外周部に、内蔵物の膨大部を逃がす切り欠き部を
設けた内視鏡において、前記切り欠き部の開口部端面
に、R面取り部を設けたことを特徴とする内視鏡。 8.内視鏡湾曲部を構成する湾曲駒の最先端部の外周部
に、内蔵物の膨大部を逃がす切り欠き部を設けた内視鏡
において、前記切り欠き部の開口部端面に軟性部材を設
けたことを特徴とする内視鏡。
【0048】9.内視鏡の挿入部を口腔から体腔内に挿
入する際に使用される内視鏡用マウスピースにおいて、
前面に設けられた小判状の鍔部以外の、前記内視鏡の挿
入部を挿通する挿通孔を設けた筒部本体の挿通方向の断
面形状が、ほぼ単一であることを特徴とする内視鏡用マ
ウスピース。 10.患者装着時に口腔内に位置する部分の筒部本体の
外周部には突起部を有しないことを特徴とする内視鏡用
マウスピース。 11.患者の吐き出し防止用手段を設けたことを特徴と
する第9項または第10項に記載の内視鏡用マウスピー
ス。
【0049】12.前面の小判状の鍔部の側部に紐状部
材を設けたことを特徴とする第11項に記載の内視鏡用
マウスピース。 13.紐状部材を側部の一方のみに設けたことを特徴と
する第12項に記載の内視鏡用マウスピース。 14.紐状部材を側部の両側に設けたことを特徴とする
第12項に記載の内視鏡用マウスピース。 15.紐状部材は、患者頭部の外周長とほぼ同じ長さを
有することを特徴とする第12項〜第14項のいずれか
1項に記載の内視鏡用マウスピース。
【0050】16.紐状部材は患者装着時に、患者耳部
までの長さとしたことを特徴とする第12項〜第14項
のいずれか1項に記載の内視鏡用マウスピース。 17.紐状部材は非伸縮性部材であることを特徴とする
第12項〜第16項のいずれか1項に記載の内視鏡用マ
ウスピース。 18.紐状部材に長さ調節機構を設けたことを特徴とす
る第12項〜第16項のいずれか1項に記載の内視鏡用
マウスピース。 19.紐状部材端部に、環状部あるいは鍵状部を設けた
ことを特徴とする第12項〜第18項のいずれか1項に
記載の内視鏡用マウスピース。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の内視鏡に
よれば、先端カバーの成形時の引けを防止できるととも
に、先端カバーの破損を防止しつつ観察用レンズのレン
ズ枠を固定する固定部材の取り付けスペースを先端構成
部の本体部材側に十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るビデオ内視鏡を備え
たシステムの全体構成を示す概略図である。
【図2】図1の内視鏡の挿入部先端の正面図である。
【図3】図2のABCDE線に沿う断面図である。
【図4】図2のFGB線に沿う断面図である。
【図5】図3のB−B線に沿う断面図である。
【図6】(a)は図1の内視鏡の先端構成部の本体部材
の斜視図、(b)は先端構成部の先端カバーの斜視図で
ある。
【図7】先端構成部の他の構成例を示す側面図である。
【図8】内視鏡の先端部の別の構成を示す側断面図であ
る。
【図9】内視鏡用マウスピースを口腔内に装着した状態
を示す図である。
【図10】図9の内視鏡用マウスピースの斜視図であ
る。
【図11】図9の内視鏡用マウスピースの装着例を示す
図である。
【図12】図11の装着例の第1の変形例を示す図であ
る。
【図13】図11の装着例の第2の変形例を示す図であ
る。
【図14】内視鏡用キャリングケースの平面図である。
【図15】内視鏡用キャリングケースの側面図である。
【符号の説明】
2…内視鏡 13b…挿入部 18…先端構成部 21…観察用レンズ 27…本体部材 28…先端カバー 32…レンズ枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H040 BA14 CA22 DA12 DA14 DA17 DA54 EA02 GA02 4C061 AA00 BB00 CC00 DD03 FF35 JJ03 JJ06 JJ12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の観察用レンズを保持するレンズ枠
    と前記観察用レンズのうち最先端に位置するレンズの表
    面を洗浄するための洗浄用ノズルとが設けられた先端構
    成部を先端に有する挿入部を備え、前記先端構成部が、
    金属材料によって形成される本体部材と、この本体部材
    の前端に被装され且つ電気的絶縁性の樹脂材料によって
    形成される先端カバーとから成り、前記レンズ枠が先端
    カバーと本体部材とにわたって配設されている内視鏡に
    おいて、 前記レンズ枠の周辺の先端カバーの肉厚は洗浄用ノズル
    の周辺の先端カバーの肉厚と略等しく設定され、かつ、
    レンズ枠および洗浄用ノズルの周辺の先端カバーの肉厚
    はその他の先端カバーの部位の肉厚よりも小さく設定さ
    れていることを特徴とする内視鏡。
JP10345396A 1998-12-04 1998-12-04 内視鏡 Withdrawn JP2000166855A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002011607A1 (fr) * 2000-08-02 2002-02-14 Fuji Photo Optical Co., Ltd. Dispositif de lavage de fenetre d'observation d'endoscope

Cited By (2)

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WO2002011607A1 (fr) * 2000-08-02 2002-02-14 Fuji Photo Optical Co., Ltd. Dispositif de lavage de fenetre d'observation d'endoscope
US6638214B2 (en) 2000-08-02 2003-10-28 Fuji Photo Optical Co., Ltd. Observation window washing device of endoscope

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