JP2000166577A - 植物プロモ―タ―およびタ―ミネ―タ― - Google Patents

植物プロモ―タ―およびタ―ミネ―タ―

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JP2000166577A
JP2000166577A JP11281475A JP28147599A JP2000166577A JP 2000166577 A JP2000166577 A JP 2000166577A JP 11281475 A JP11281475 A JP 11281475A JP 28147599 A JP28147599 A JP 28147599A JP 2000166577 A JP2000166577 A JP 2000166577A
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聡美 西川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】遺伝子を植物で効率よく発現させることの可能
なプロモーター及びターミネーターの提供。 【解決手段】(a)又は(b)のDNAを含む植物フ゜ロモーター
及び、(c)又は(d)のDNAを含む植物ターミネーター。 (a)特定の2種類のうちのいずれかの塩基配列からな
るDNA (b)(a)の塩基配列において1もしくは複数の塩基
が欠失、置換もしくは付加された塩基配列であって、
(a)の塩基配列のうちの250bp以上からなる任意の領
域における塩基配列との同一性が90%以上である塩基配
列からなり、かつ植物細胞においてフ゜ロモーター機能を有す
るDNA (c)(a)とは異る特定の塩基配列からなるDNA (d)(c)の塩基配列において1もしくは複数の塩基
が欠失、置換もしくは付加された塩基配列であって、
(c)の塩基配列のうちの250bp以上からなる任意の領
域における塩基配列との同一性が90%以上である塩基配
列からなり、かつ植物細胞においてターミネーター機能を有す
るDNA

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物プロモーター
および植物ターミネーターに関する。
【0002】
【従来の技術】植物の細胞へ遺伝子を導入し発現させる
ことによって、有用形質を付与した種々の形質転換植物
の作出が試みられ、一部で実用化されるに至っている。
このような形質転換植物を作出するには、植物の細胞内
に導入した遺伝子を効率よく発現させることが重要であ
る。プロモーターは細胞内での遺伝子の転写レベルを決
定する主要な因子であり、一般に目的遺伝子を転写活性
の強いプロモーターの制御下におくことにより該遺伝子
の発現量を高めることができる。また、ターミネーター
は転写終結を指令する役割に加えて、転写により生じた
RNA鎖のプロセシングや分解に対しても重大な影響を
示すことから、目的遺伝子の翻訳領域の3’末端直後に
ターミネーターを挿入しておくと該遺伝子の発現量増大
に効果的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな遺伝子導入による植物育種に使用し得る植物プロモ
ーターおよびターミネーターはその種類が未だ十分とは
言い難く、遺伝子を植物の細胞内で効率よく発現させる
ことの可能な新たなプロモーターおよびターミネーター
の開発が強く望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況下、本発
明者らは植物の細胞内で機能可能なプロモーターおよび
ターミネーターについて鋭意検討を行った結果、特定の
塩基配列を有するDNAを使用することにより、植物の
葉、根などの組織において目的遺伝子を効率よく発現さ
せることができることを見い出し、本発明に至った。す
なわち、本発明は、 1)(a)または(b)のDNAを含む植物プロモータ
ー; (a)配列番号1または配列番号7で示される塩基配列
からなるDNA (b)配列番号1または配列番号7で示される塩基配列
において1もしくは複数の塩基が欠失、置換もしくは付
加された塩基配列であって、配列番号1または配列番号
7で示される塩基配列のうちの250bp以上からなる任意
の領域における塩基配列との同一性が90%以上である塩
基配列からなり、かつ、植物細胞においてプロモーター
機能を有するDNA(以下、本発明プロモーターと記
す。)、 2)該プロモーター、所望の遺伝子および植物ターミネ
ーターが機能可能な形で連結されてなるキメラ遺伝子、 3)該プロモーターを有するベクター、 4)該プロモーターが宿主細胞に導入されてなる形質転
換体、 5)形質転換植物の製造過程において、該プロモーター
を植物細胞に導入し該プロモーターの制御下に遺伝子を
発現させる工程を含むことを特徴とする形質転換植物の
作製方法、 6)(c)または(d)のDNAを含む植物ターミネー
ター; (c)配列番号2で示される塩基配列からなるDNA (d)配列番号2で示される塩基配列において1もしく
は複数の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列
であって、配列番号2で示される塩基配列のうちの250bp
以上からなる任意の領域における塩基配列との同一性が
90%以上である塩基配列からなり、かつ、植物細胞にお
いてターミネーター機能を有するDNA(以下、本発明
ターミネーターと記す。)を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、さらに詳細に本発明を説明
する。本発明で用いられる遺伝子工学的技術は、たとえ
ば、J.,Sambrook, E.,F.,Frisch, T.,Maniatis著、モレ
キュラークローニング第 2 版(Molecular Cloning 2nd
edition)、コールド スプリング ハーバー ラボラ
トリー発行(Cold Spring Harbor Laboratory pres
s)、1989年及び D.,M.,Glover著、DNA クローニング
(DNA Cloning)、IRL発行、1985年などに記載されてい
る通常の方法に準じて行うことができる。
【0006】本発明において、「プロモーター機能」と
は、プロモーターとして作用する能力、すなわち、遺伝
子の転写を開始する作用を意味し、「植物プロモータ
ー」とは、植物においてプロモーター機能を有するDN
Aをいう。本発明プロモーターは、具体的には、以下の
(a)または(b)のDNA(以下、本プロモーターD
NAと記す。)を含む。 (a)配列番号1または配列番号7で示される塩基配列
からなるDNA (b)配列番号1または配列番号7で示される塩基配列
において1もしくは複数の塩基が欠失、置換もしくは付
加された塩基配列であって、配列番号1または配列番号
7で示される塩基配列のうちの250bp以上からなる任意
の領域における塩基配列との同一性が90%以上である塩
基配列からなり、かつ、植物細胞においてプロモーター
機能を有するDNA 前記の塩基の欠失、置換または付加には、DNAの取得
源に用いられた生物の種差、系統差、個体差、組織間の
差異等により天然に生じる変異や、DNAに人為的に導
入された変異等が含まれる。本プロモーターDNAに
は、例えば、配列番号1で示される塩基配列において、
植物細胞におけるプロモーター機能を有するかぎりその
一部の塩基が欠失された塩基配列からなるDNAも含ま
れる。かかるDNAは、自然界からクローニングされた
DNAであっても、自然界からクローニングされたDN
Aに塩基の欠失、置換または付加が導入されたDNAで
あっても、人為的に化学合成されたDNAであってもよ
い。
【0007】本プロモーターDNAは、例えば、Daucus
carotaなどのニンジンのゲノムDNA等からPCR法
を利用して単離することができる。例えば、Daucus car
ota等のニンジンの葉などの組織を採取し、得られた組
織を液体窒素中で凍結させた後、乳鉢などにより物理的
に磨砕することにより細かい粉末状の組織片とする。該
組織片から通常の方法によりゲノムDNAを抽出する。該
抽出操作は、例えば、M.Shure et al, Cell, 35:225(19
83)等に記載されているCTAB法、S.O.Rogers and A.J.Be
ndich, Plant.Mol.Biol., 5:69(1985)等に記載されてい
る尿素−フェノール法などにより行なうことができる。
得られたゲノムDNAを鋳型として、例えば、配列番号1
または配列番号7の塩基番号1から20で示される塩基
配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号1または
配列番号7の塩基番号2029から2052で示される
塩基配列に相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチ
ドをプライマーに用いて、1回〜数回のPCRを行うことに
より、配列番号1または配列番号7で示される塩基配列
からなるDNAや、配列番号1または配列番号7で示さ
れる塩基配列において1もしくは複数の塩基が欠失、置
換もしくは付加された塩基配列からなるDNAを増幅す
ることができる。尚、このようなプライマーに用いるオ
リゴヌクレオチドは、配列番号1または配列番号7で示
される塩基配列に基いて適宜設計することができ、ま
た、その5'末端側に、制限酵素認識配列等を付加しても
よい。上記のようにして増幅されたDNAは、「Molecular
Cloning:A Laboratory Manual 2nd edition」(1989),
Cold Spring Harbor Laboratory Press、「Current Pro
tocols In Molecular Biology」(1987), John Wiley &
Sons,Inc.ISBN0-471-50338-X等に記載される通常の方法
に準じてベクターにクローニングすることができる。具
体的には、例えばInvitrogen社のTAクローニングキット
に含まれるプラスミドベクターやStratagene社のpBlues
criptIIなどのプラスミドベクターを用いてクローニン
グすることができる。クローニングされたDNAの塩基配
列は、F.Sanger,S.Nicklen,A.R.Coulson著、Proceeding
s of National Academy of Science U.S.A.(1977), 7
4, 5463頁-5467頁等に記載されるダイデオキシターミネ
ーティング法などにより分析することができる。塩基配
列分析用の試料調製には、例えば、パーキンエルマー社
のABI PRISM Dye Terminator Cycle Sequencing Ready
Reaction Kitなどの市販の試薬を用いてもよい。上述の
ようにして得られるDNAの下流にレポーター遺伝子、
例えば、β−グルクロニダーゼ遺伝子を連結し、これを
必要に応じてベクターにクローニングして、後述するパ
ーティクルガン法、アグロバクテリウム菌感染法などの
方法を用いて、例えば、タバコ培養細胞BY−2などの
植物培養細胞に導入する。次いで、該培養細胞の細胞抽
出液を調製してそのβ−グルクロニダーゼ活性を酵素学
的手法により測定し該活性値を指標にするか、または、
該培養細胞を5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル
−β−D−グルクロン酸を添加した染色液中に浸して青
色色素の沈着を観察し色素の沈着度を指標にすることに
より、上記DNAのプロモ−ター機能の有無を確認し、
本プロモーターDNAを得ることができる。また、同様
にして、レポーター遺伝子に連結されてなる上記DNA
を、例えばタバコ野性株細胞などの植物細胞に導入して
この細胞から植物体を再生させ、該植物体もしくはその
子孫の各組織におけるβ−グルクロニダーゼ活性を測定
するか、または、該植物体もしくはその子孫の各組織も
しくはその切片を、5−ブロモ−4−クロロ−3−イン
ドリル−β−D−グルクロン酸を添加した染色液中に浸
して青色色素の沈着を観察することにより、上記DNA
のプロモーター機能を調べ、本プロモーターDNAを得
ることもできる。尚、レポーター遺伝子としては、β−
グルクロニダーゼ遺伝子に限らず、ルシフェラーゼ遺伝
子、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
遺伝子、グリーンフルオレセイントプロテイン遺伝子等
を使用することもできる。
【0008】また、本プロモーターDNAは、例えば、
配列番号1または配列番号7で示される塩基配列の少な
くとも一部を有するDNAを標識し、これをプローブに
用いて植物等由来のDNAにハイブリダイズさせ、該プ
ローブが特異的に結合したDNAを検出しクローニング
することにより取得することもできる。ここで、前記プ
ローブをハイブリダイズさせるDNAとしては、例え
ば、ニンジンなどの植物由来のゲノムDNAライブラリー
等を使用することができる。該DNAライブラリーには、
市販のゲノムDNAライブラリーを用いることもできる
し、また「Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2n
d edition」(1989),Cold Spring Harbor Laboratory Pr
essや「Current Protocols In Molecular Biology」(19
87),John Wiley & Sons,Inc.ISBN0-471-50338-X等に記
載される通常のライブラリー作製法に従い、例えば、ST
RATAGENE社のλ FIX II、λ EMBL3、λ EMBL4、λ DASH
II等のλベクターを用い、STRATAGENE社のGigapack pa
ckaging Extracts等をin vitroパッケージングに用いて
ゲノムDNAライブラリーを作製し、これを用いることも
できる。このようなDNAにプローブをハイブリダイズ
させる方法としては、コロニーハイブリダイゼーション
やプラークハイブリダイゼーションをあげることがで
き、ライブラリーの作製に用いられたベクターの種類に
応じて方法を選択するとよい。使用されるライブラリー
がプラスミドベクターで構築されたライブラリーである
場合には、コロニーハイブリダイゼーションを行なう。
具体的にはまず、ライブラリーのDNAを宿主微生物に
導入して形質転換体を取得し、得られた形質転換体を希
釈して寒天培地にまき、コロニーが現れるまで37℃で培
養を行う。また、使用されるライブラリーがファージベ
クターで構築されたライブラリーである場合には、プラ
ークハイブリダイゼーションを行なう。具体的にはま
ず、宿主微生物とライブラリーのファージを感染可能な
条件下で混合した後さらに軟寒天培地と混合し、これを
寒天培地上にまく。その後プラークが現れるまで37℃で
培養を行う。より具体的には、例えば、 Molecular Clo
ning 2nd edition(J.Sambrook, E.F.Frisch, T.Mania
tis著、Cold Spring Harbor Laboratory Press 1989
年)2.60から2.65等に記載されている方法に準じて、NZ
Y寒天培地に寒天培地1mm2当り0.1〜1.0pfuの密度で、約
9.0×105pfuのファージライブラリーを広げ、37℃で6〜
10時間培養する。次いで、前記のいずれのハイブリダイ
ゼーション法の場合も、前述の培養を行なった寒天培地
の表面にメンブレンフィルターをのせ、プラスミドを保
有する形質転換体やファージを該メンブレンフィルター
に転写する。このメンブレンフィルターをアルカリ処理
した後、中和処理し、次いで、DNAを該フィルターに固
定する処理を行なう。より具体的には例えば、プラーク
ハイブリダイゼーションの場合には、クローニングとシ
ークエンス:植物バイオテクノロジー実験マニュアル
(渡辺、杉浦編集、農村文化社1989年)等に記載の通常
の方法に準じて、前記寒天培地の上にニトロセルロース
フィルター又はナイロンフィルター等、例えば、Hybond
-N+(アマシャム社製)を置き、約1分間静置してファー
ジ粒子をメンブレンフィルターに吸着させる。次に、該
フィルターをアルカリ溶液(1.5M 塩化ナトリウム、0.5
N NaOH)に約3分間浸してファージ粒子を溶解させてフ
ァージDNAをフィルター上に溶出させた後、中和溶液
(1.5M 塩化ナトリウム、0.5M トリス-塩酸緩衝液、pH
7.5)に約5分間浸す処理を行う。該フィルターを洗浄溶
液(300mM 塩化ナトリウム、30mM クエン酸ナトリウ
ム、200mM トリス-塩酸緩衝液)で約5分間洗った後、例
えば、約80℃で約90分間ベーキングすることによりファ
ージDNAをフィルターに固定する。このように調製され
たフィルターを用いて、上記DNAをプローブとしてハ
イブリダイゼーションを行う。ハイブリダイゼーション
は、例えば、D.M.Glover編「DNA cloning, a practical
approach」 IRL PRESS (1985) ISBN 0-947946-18-
7、クローニングとシークエンス:植物バイオテクノロ
ジー実験マニュアル(渡辺、杉浦編集、農村文化社1989
年)、または、Molecular Cloning 2nd edition(J.Sa
mbrook, E.F.Frisch, T.Maniatis著、Cold Spring Harb
or LaboratoryPress 1989年)等の記載に準じて行なう
ことができる。プローブに用いるDNAを放射性同位元
素により標識するには、例えば、ベーリンガー社、宝酒
造社製のRandom Labelling Kit等を用いることができ、
通常のPCR反応組成中のdCTPを[α−32P]dCTPに替え
て、プローブに用いるDNAを鋳型にしてPCR反応を行うこ
とにより、標識を行うこともできる。また、プローブに
用いるDNAを蛍光色素で標識する場合には例えば、ア
マシャム社製のECL Direct Nucleic Acid Labelling an
d Ditection System等を用いることができる。ハイブリ
ダイゼーションを行う際の試薬及び温度条件は多種存在
するが、例えば、450〜900mMの塩化ナトリウム、45〜90
mMのクエン酸ナトリウムを含み、ドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS)を0.1〜1.0%の濃度で含み、変性した非特異
的DNAを0〜200μg/mlの濃度で含み、場合によってはア
ルブミン、フィコール、ポリビニルピロリドン等をそれ
ぞれ0〜0.2%の濃度で含んでいてもよいプレハイブリダ
イゼーション溶液、好ましくは、900mMの塩化ナトリウ
ム、90mMのクエン酸ナトリウム、1%のSDS、100μg/mlの
変性Calf-thymus DNAを含むプレハイブリダイゼーショ
ン溶液を、上記のようにして作製したフィルター1cm2
り50〜200μlの割合で準備し、該溶液に前記フィルター
を浸して42〜68℃で1〜4時間、好ましくは、45℃で2時
間保温する。次いで、例えば、450〜900mMの塩化ナトリ
ウム、45〜90mMのクエン酸ナトリウムを含み、SDSを0.1
〜1.0%の濃度で含み、変性した非特異的DNAを0〜200μ
g/mlの濃度で含み、場合によってはアルブミン、フィコ
ール、ポリビニルピロリドン等をそれぞれ0〜0.2%の濃
度で含んでいてもよいハイブリダイゼーション溶液、好
ましくは、900mMの塩化ナトリウム、90mMのクエン酸ナ
トリウム、1%のSDS、100μg/mlの変性Calf-thymus DNA
を含むハイブリダイゼーション溶液と、前述の方法で調
製して得られたプローブ(フィルター1cm2当り1.0×104
〜2.0×106cpm相当量)とを混合した溶液をフィルター1
cm2当り50〜200μlの割合で準備し、該溶液にフィルタ
ーを浸し42〜68℃で4〜20時間、好ましくは、45℃で16
時間保温しハイブリダイゼーション反応を行う。該ハイ
ブリダイゼーション反応後、フィルターを取り出し、15
〜300mMの塩化ナトリウム、1.5〜30mMのクエン酸ナトリ
ウム、0.1〜1.0%のSDS等を含む42〜68℃の洗浄溶液等、
好ましくは、300mMの塩化ナトリウム、30mMのクエン酸
ナトリウム、1%のSDSを含む55℃の洗浄溶液で、10〜60
分間のフィルター洗浄を1〜4回、好ましくは15分間の洗
浄を2回行う。さらに、フィルターを2×SSC溶液(300mM
塩化ナトリウム、30mM クエン酸ナトリウム)で軽くす
すいだのち乾燥させる。このフィルターを、例えば、オ
ートラジオグラフィーなどに供してフィルター上のプロ
ーブの位置を検出することにより、用いたプローブとハ
イブリダイズするDNAのフィルター上の位置を検出す
る。検出されたDNAのフィルター上の位置に相当するク
ローンをもとの寒天培地上で特定しこれを釣菌すること
により、当該DNAを有するクローンを単離することがで
きる。具体的には例えば、フィルターをイメージングプ
レート(富士フィルム)に4時間露光させ、次いで該プ
レートをBAS2000(富士フィルム)を用いて解析し、シ
グナルを検出する。フィルターの作製に用いた寒天培地
のうち、シグナルが検出された位置に相当する部分を約
5mm角にくり抜き、これを約500μlのSMバッファー(50m
M トリス-塩酸緩衝液 pH7.5、0.1M 塩化ナトリウム、7m
M硫酸マグネシウム、0.01%ゼラチン)に2〜16時間、好
ましくは3時間浸してファージ粒子を溶出させる。得ら
れたファージ粒子溶出液をMolecular Cloning 2nd edi
tion(J.Sambrook, E.F.Frisch, T.Maniatis著、Cold S
pring Harbor Laboratory Press 1989年)2.60から2.65
に記載の方法に準じて寒天培地に広げ、37℃で6〜10時
間培養する。この寒天培地を用いて前述の方法と同様の
方法でファージDNAをフィルターに固定し、このフィル
ターと前述のプローブを用いてハイブリダイゼーション
を行う。フィルターの作製に用いた寒天培地のうちの、
シグナルが検出された位置に相当する部分からファージ
粒子を溶出し、これを寒天培地に広げ、前述の方法と同
様にフィルターを作製し、ハイブリダイゼーションを行
う。このようなファージクローンの特定と純化を繰り返
すことにより、用いたプローブとハイブリダイズする塩
基配列を有するDNAを含むファージクローンが得られ
る。前述のようなハイブリダイゼーションによるスクリ
ーニングを行うことにより得られたクローンの保有する
DNAは、DNA 調製や解析が容易なプラスミドベクタ
ー、例えば市販のpUC18、pUC19、pBLUESCRIPT KS+、pBL
UESCRIPT KS- 等にサブクローニングして、プラスミドD
NAを調製し、F.Sanger,S.Nicklen,A.R.Coulson著、Proc
eedings of National Academy of Science U.S.A. (19
77),74,5463頁-5467頁等に記載されるダイデオキシター
ミネーティング法を用いてその塩基配列を決定すること
ができる。塩基配列分析に用いる試料の調製は、例え
ば、Molecular Cloning 2nd edition(J.Sambrook, E.
F.Frisch, T.Maniatis著、Cold Spring Harbor Laborat
ory Press 1989年)13.15等に記載されているプライマ
ーエクステンション法に準じて行うことができる。ま
た、ファージクローンをMolecular Cloning 2nd editi
on(J.Sambrook, E.F.Frisch, T.Maniatis著、Cold Spr
ing Harbor Laboratory Press 1989年)2.60から2.65等
に記載の方法に準じてNZYM液体培地で増幅し、ファージ
液を調製して、これから例えば、Lambda-TRAPPLUS DNA
Isolation Kit(Clontech社製)等を用いてファージク
ローンDNAを抽出し、該DNAを鋳型として、例えば、前述
のプライマーエクステンション法により塩基配列分析用
の試料を調製し、塩基配列を分析することもできる。こ
のようにして得られるDNAのプロモーター機能を上述
のようにして調べることにより、本プロモーターDNA
が得られる。
【0009】本プロモーターDNAは、配列番号1または配
列番号7で示される塩基配列からなるDNAの塩基配列
に変異を導入することによっても取得され得る。具体的
には、例えば、A.Greener, M.Callahan、Strategies、1
994年、7巻、32-34頁等に記載される方法により、配列
番号1または配列番号7で示される塩基配列からなるD
NAにランダムに変異を導入してもよいし、W.Kramer,e
t al.、Nucleic AcidsResearch、1984年、12巻、9441頁
もしくはW. Kramer,H.J.Frits、Methods in Enzymolog
y、1987年、154巻、350頁等に記載のギャップド・デュ
ープレックス(gapped duplex)法、または、T.A.Kunke
l、Proc. of Natl. Acad. Sci. U.S.A.、1985年、82
巻、488頁もしくはT.A.Kunkel,et al.、Methods in Enz
ymology、1987年、154巻、367頁等に記載のクンケル(K
unkel)法等に準じて、配列番号1または配列番号7で示
される塩基配列からなるDNAに部位特異的に変異を導
入してもよく、あるいは、配列番号1または配列番号7
で示される塩基配列の一部において1もしくは複数の塩
基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列を有するオ
リゴヌクレオチドをプライマーに用いてPCRを行な
い、配列番号1または配列番号7で示される塩基配列に
おいて1もしくは複数の塩基が欠失、置換もしくは付加
された塩基配列からなるDNAを増幅することもでき
る。また、配列番号1または配列番号7で示される塩基
配列のうち1ヶ所ないし数カ所の部分塩基配列を、他の
プロモーターの塩基配列の一部と入れ換えたキメラDN
Aを作製してもよく、例えば、S.Henikoff,et al.、Ge
ne、1984年、28巻、351頁、C.Yanisch-Perron,et al.、
Gene、1985年、33巻、103頁等に記載された方法によ
り、配列番号1または配列番号7で示される塩基配列の
一部を欠失した塩基配列を有するDNAを調製してもよ
い。このようにして得られるDNAのプロモーター機能
を上述のようにして調べることにより、本プロモーター
DNAが取得され得る。
【0010】本発明プロモーターは、前述のようにして
得られる本プロモーターDNAのうち前記(a)、
(b)のDNAのいずれか一方を含んでいてもよいし、
(a)、(b)を共に含んでいてもよく、また、これら
を反復して含んでいてもよい。さらに、本発明プロモー
ターは、植物において遺伝子の転写効率を増大させる効
果を有する塩基配列を含んでいてもよい。該塩基配列と
しては、植物において、例えば、種特異的、組織特異的
または時期特異的にその転写効率増大効果を示す配列で
あってもよく、病原微生物の感染や、光、熱、乾燥、塩
または傷害などのストレス等によりその転写効率増大効
果が誘導される配列であってもよい。植物において遺伝
子を転写する効率を増大させる効果を有する塩基配列の
具体例としては、例えば、アグロバクテリウムのオクト
ピン合成酵素遺伝子の転写開始点の上流333番目の塩基
から同じく116番目の塩基までの領域の下流に、マンノ
ピン合成酵素遺伝子の転写開始点の上流318番目の塩基
から同じく138番目の塩基までの領域が連結されてなる
転写翻訳活性化配列、マンノピン合成酵素遺伝子の転写
開始点の上流318番目の塩基から同じく213番目の塩基ま
での領域の下流に、オクトピン合成酵素遺伝子の転写開
始点の上流333番目の塩基から同じく116番目の塩基まで
の領域が連結されてなる転写翻訳活性化配列(The Plan
t Journal, 7(4):661-676(1995))、カリフラワーモザ
イクウイルス35Sプロモーターの転写開始点の上流343番
目の塩基から同じく91番目の塩基までを含む塩基配列
(Nature, 313:810-812(1985))、トマトのリブロース
ー1,5―二リン酸カルボキシラーゼ・オキシダーゼ小
サブユニット遺伝子(rbc-3A)の転写開始点の上流1099
番目の塩基から同じく205番目の塩基までを含む塩基配
列(Plant Cell, 1:217-227(1990))、タバコのPR1a遺
伝子の転写開始点の上流902番目の塩基から同じく287番
目の塩基までを含む塩基配列(Plant Cell, 2:357-366
(1990))、ジャガイモのプロテアーゼインヒビター遺伝
子(PI-II)の転写開始点の上流1300番目の塩基から同
じく195番目の塩基までを含む塩基配列(Plant Cell,
2:61-70(1990))等があげられる。
【0011】また、本発明プロモーターは、配列番号1
または配列番号7で示される塩基配列に含まれる植物に
おいて転写効率増大効果を有する塩基配列も含み得る。
さらに、かかる塩基配列を同定し、例えば、該塩基配列
を反復して含む本発明プロモーターを作製することもで
きるし、植物細胞においてプロモーター機能を有する他
のDNAと該塩基配列とを連結することにより、新たな
植物プロモーターを作出することもできる。該塩基配列
を同定するには、例えば、植物細胞において種々の本プ
ロモーターDNAの制御下にレポーター遺伝子を発現さ
せ、その発現量を比較することにより、転写効率増大効
果に寄与する塩基配列を解析するとよい。より具体的に
は、例えば、配列番号1または配列番号7で示される塩
基配列において1もしくは複数の塩基が欠失もしくは置
換された塩基配列からなるDNAを複数調製し、それぞ
れの下流にレポーター遺伝子、例えば、β−グルクロニ
ダーゼ遺伝子を連結し、これらを後述するパーティクル
ガン法、アグロバクテリウム菌感染法などの方法を用い
て、例えば、タバコ培養細胞BY−2などの植物培養細
胞に導入する。次いで、該培養細胞の細胞抽出液を調製
してそのβ−グルクロニダーゼ活性を酵素学的手法によ
り測定し該活性値を指標にするか、または、該培養細胞
を5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−
グルクロン酸を添加した染色液中に浸して青色色素の沈
着を観察し色素の沈着度を指標にして、各細胞における
レポーター遺伝子の発現量を比較し、その結果をレポー
ター遺伝子と連結された上記DNAの塩基配列と対比す
ることにより、転写効率増大効果に寄与する塩基配列を
明らかにすることができる。また、同様にして、レポー
ター遺伝子に連結されてなる上記DNAを、例えばタバ
コ野性株細胞などの植物細胞に導入してこの細胞から植
物体を再生させ、該植物体またはその子孫の各組織にお
けるβ−グルクロニダーゼ活性を測定するか、または、
該植物体またはその子孫の各組織またはその切片を、5
−ブロモ−4―クロロ−3―インドリル−β−D−グル
クロン酸を添加した染色液中に浸して青色色素の沈着を
観察することにより、上記各DNAにより制御されたレ
ポーター遺伝子の発現量を比較し、転写効率増大効果に
寄与する塩基配列を明らかにすることもできる。
【0012】本発明において、「ターミネーター機能」
とは、ターミネーターとして作用する能力、すなわち、
遺伝子の転写の終結を指令する作用を意味し、「植物細
胞内で機能可能なターミネーター」とは、植物において
ターミネーター機能を有するDNAをいう。本発明ター
ミネーターは、具体的には、以下の(c)または(d)
のDNA(以下、本ターミネーターDNAと記す。)を
含む。 (c)配列番号2で示される塩基配列からなるDNA (d)配列番号2で示される塩基配列において1もしく
は複数の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列
であって、配列番号2で示される塩基配列のうちの250bp
以上からなる任意の領域における塩基配列との同一性が
90%以上である塩基配列からなり、かつ、植物細胞にお
いてターミネーター機能を有するDNA このような塩基の欠失、置換または付加には、DNAの
取得源に用いられた生物の種差、系統差、個体差、組織
間の差異等により天然に生じる変異や、DNAに人為的
に導入された変異等が含まれる。かかるDNAは、自然
界からクローニングされたDNAであっても、自然界か
らクローニングされたDNAに塩基の欠失、置換または
付加が導入されたDNAであっても、人為的に化学合成
されたDNAであってもよい。
【0013】本ターミネーターDNAは、配列番号2で
示される塩基配列に基いて、上述の本プロモーターDN
Aの取得方法に準じて取得することができる。具体的に
は、例えば、ニンジン等の植物由来のゲノムDNAを鋳
型にして、配列番号2の塩基番号1から20で示される
塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号2の
塩基番号827から851で示される塩基配列に相補的
な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマー
に用いて、1回〜数回のPCRを行う方法をあげることがで
きる。尚、本ターミネーターDNAの植物細胞における
ターミネーター機能を確認するには、例えば、植物細胞
内で機能可能なプロモーター、レポーター遺伝子、例え
ばβ−グルクロニダーゼ遺伝子および本ターミネーター
DNAをβ−グルクロニダーゼ遺伝子が発現可能な形で
連結し、一方、対照として、前記プロモーターおよびβ
−グルクロニダーゼ遺伝子を同様に連結し、これらをそ
れぞれ、後述するパーティクルガン法、アグロバクテリ
ウム菌法などを用いて、例えばタバコ培養細胞BY−2
などの植物培養細胞に導入する。次いで、それぞれの細
胞の細胞抽出液を調製してそのβ−グルクロニダーゼ活
性を測定し該活性値を指標にするか、または、該細胞を
5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グ
ルクロン酸を添加した染色液中に浸して青色色素の沈着
を観察し色素の沈着度を指標にすることにより、プロモ
ーター、β−グルクロニダーゼ遺伝子および本ターミネ
ーターDNAを連結して導入した植物細胞において、対
照よりβ−グルクロニダーゼ遺伝子の発現量が高いこと
を確認する。また、同様にして、植物細胞内で機能可能
なプロモーター、β−グルクロニダーゼ遺伝子および本
ターミネーターDNAを連結し、一方、対照として、前
記プロモーターおよびβ−グルクロニダーゼ遺伝子を同
様に連結し、これらをそれぞれ、タバコ野生株細胞など
の植物細胞に導入して該細胞から植物体を再生させる。
再生した植物体またはその子孫の各組織におけるβ−グ
ルクロニダーゼ活性を測定するか、または、該植物体ま
たはその子孫の各組織またはその切片を、5−ブロモ−
4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルクロン酸を
添加した染色液中に浸して青色色素の沈着を観察するこ
とにより、本ターミネーターDNAの機能を調べること
ができる。
【0014】本発明プロモーターを用いて所望の遺伝子
を植物細胞内で発現させるには、本発明プロモーター、
所望の遺伝子および植物ターミネーターが機能可能な形
で連結されてなる遺伝子(以下、本発明キメラ遺伝子と
記す。)を利用するとよい。ここで、所望の遺伝子と
は、植物で発現させようとする遺伝子であって、例え
ば、酵素、貯蔵タンパク質、受容体、転写調節因子、シ
グナル伝達因子などのタンパク質をコードする遺伝子が
あげられ、これらの遺伝子は本発明プロモーターの下流
に目的に応じてセンスまたはアンチセンス方向に結合す
るとよい。植物ターミネーターとしては、例えば、アグ
ロバクテリウム属細菌のTi-プラスミド由来のノパリン
合成酵素遺伝子のターミネーター(NOS)、ニンニクウイ
ルスGV1,GV2等の植物ウイルス由来のターミネーターな
どを挙げることができ、本発明ターミネーターを用いる
こともできる。また、本発明キメラ遺伝子は、本発明プ
ロモーターの塩基配列、またはその一部を反復した形で
含んでいてもよい。尚、「機能可能な形で」とは、本発
明キメラ遺伝子を導入し植物細胞を形質転換させたとき
に、該キメラ遺伝子に含まれる目的の遺伝子が、本発明
プロモーターおよび植物ターミネーターの制御下に発現
するように、これらのプロモーターおよびターミネータ
ーと結合された状態にあることを意味する。
【0015】本発明プロモーターを有するベクターにお
いて、ベクターとは、細胞内で増殖可能なDNAであっ
て、大腸菌、酵母、植物細胞、動物細胞等の細胞内で増
幅可能なプラスミド、ファージ、ファージミッド等があ
げられ、宿主細胞や用途に応じて選択する。具体的に
は、例えば、pUC系プラスミド[pUC118,pUC119(宝酒造
社)など]、pSC101系プラスミド、Ti-プラスミド[pBI10
1,pBI121(CLONTECH社)など]、ブルースクリプト系フ
ァージミッド[pBluescript SK(+/-)(STRATAGENE社)な
ど]、M13系ファージ[mp10,mp11(Amersham社)など]、λ
系ファージ[λgt10,gt11(Amersham社)など]、コスミッ
ド類[SuperCosI(STRATAGENE社)など]等が挙げられ、こ
の様なベクターに本発明プロモーターを組み込むことに
より、本発明プロモーターを有するベクターを構築する
ことができる。前記のような本発明プロモーターを有す
るベクターにおいて、該プロモーターの下流に遺伝子挿
入部位および植物ターミネーターがさらに有ると、所望
の遺伝子を植物細胞内で発現させるためのベクターの構
築等に好ましく利用できる。ここで遺伝子挿入部位と
は、例えば、遺伝子工学的手法で通常用いられる制限酵
素が特異的に認識切断可能な塩基配列であり、本発明プ
ロモーターおよび植物ターミネーターを有するベクター
上に唯一存在する種類の制限酵素認識配列が好ましい。
この様な遺伝子挿入部位、本発明プロモーターおよび植
物ターミネーターは、該遺伝子挿入部位へ所望の遺伝子
が挿入された際に、ベクター上で本発明プロモーター、
所望の遺伝子および植物ターミネーターが機能可能な形
で連結されるような位置にあることが好ましい。かかる
ベクターは、例えば、遺伝子挿入部位および植物ターミ
ネーターを含むプラスミド、具体的には、pBI101.3(CL
ONTECH社製)等のマルチクローニング部位(遺伝子挿入
部位)に、本発明プロモーターのDNAを挿入すること
により構築することができる。また、遺伝子挿入部位を
有するベクター、具体的には、pBIN19(Nucl.Acid Res.
12:8711-8721(1984))等のマルチクローニング部位(遺
伝子挿入部位)に本発明プロモーターと植物ターミネー
ターを挿入することによっても構築することができる。
本発明キメラ遺伝子を有するベクターは、該キメラ遺伝
子の宿主細胞への導入に好ましく使用することができ、
例えば、該キメラ遺伝子を上記のようなベクターにクロ
ーニングするか、または、本発明プロモーター、遺伝子
挿入部位および植物ターミネーターを有する上記のよう
なベクターの遺伝子挿入部位に所望の遺伝子をクローニ
ングすることにより調製することができる。例えば、pB
I101.3(CLONTECH社製)を用いて作製した上記のようなベ
クターを制限酵素を用いて切断することにより該ベクタ
ー上に存在するレポーター遺伝子(β-グルクロニダー
ゼ遺伝子)を除去し、該レポーター遺伝子に換えて所望
の遺伝子を挿入することによって、本発明キメラ遺伝子
を有するベクターを調製することができる。上述のよう
な本発明のベクターは、本発明プロモーター、発現させ
ようとする所望の遺伝子や植物ターミネーターの他に、
該ベクターが導入された宿主細胞を選択するためのマー
カー遺伝子(例えば、カナマイシン耐性遺伝子、ハイグ
ロマイシン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、植物
に除草剤耐性を付与し得る遺伝子等)を含んでいてもよ
い。また、該ベクターは、本発明プロモーターの塩基配
列を反復した形で含んでいてもよい。
【0016】本発明のベクターは、例えば、J.,Sambroo
k, E.,F.,Frisch, T.,Maniatis著、モレキュラー・クロ
ーニング第2版(1989)(コールド・スプリング・
ハーバー・ラボラトリー発行)等に記載の塩化カルシウ
ム法、エレクトロポーレーション法等により大腸菌やア
グロバクテリウム菌に導入することができ、本発明ベク
ターの導入されたかかる微生物細胞(形質転換体)は、
本発明キメラ遺伝子DNAの調製や該キメラ遺伝子の植
物細胞への導入等に有用である。また、本発明プロモー
ターをコードするDNAや本発明キメラ遺伝子のDNA
は、パーティクルガン法(パーティクルガンによる植物
組織または培養細胞への直接導入法)等により、植物細
胞に導入することができる。また、本発明のベクター
は、例えば、アグロバクテリウム菌感染法(アグロバク
テリウム菌を植物組織に感染させる方法)、電気的導入
法(エレクトロポーレーション法やプロトプラストへの
電気的導入法)、またはパーティクルガン法等の公知の
方法により植物細胞に導入することができる。
【0017】本発明プロモーター、本発明キメラ遺伝子
や本発明ベクターを導入し、本発明プロモーターの制御
下に遺伝子を発現させることができる植物種としては、
例えば、イネ、トウモロコシ、オオムギ、コムギ等の単
子葉植物、ダイズ、エンドウ、インゲン、アルファルフ
ァ等のマメ科植物、タバコ、トマト、ジャガイモ等のナ
ス科植物、キャベツ、ナタネ、カラシナ等のアブラナ科
植物、メロン、カボチャ、キュウリ等のウリ科植物、ニ
ンジン、セロリ等のセリ科植物、レタス等のキク科植物
等の双子葉植物を挙げることができる。本発明プロモー
ター、本発明キメラ遺伝子または本発明のベクターを上
記のように植物の細胞へ導入し形質転換体を得ることに
より、例えば、本発明プロモーターがゲノムDNA上の
所望の遺伝子の上流に挿入され該遺伝子を本発明プロモ
ーターの制御下に発現する植物細胞、本発明キメラ遺伝
子がゲノムDNA上に挿入され該キメラ遺伝子に含まれ
る遺伝子を本発明プロモーターの制御下に発現する植物
細胞、本発明キメラ遺伝子を有するベクターを細胞内に
有し該キメラ遺伝子に含まれる遺伝子を本発明プロモー
ターの制御下に発現する植物細胞などが得られる。上記
のような形質転換された植物細胞は、例えば、S.B.Gelv
in, R.A.Schilperoot and D.P.S.Verma著:プラント・
モレキュラー・バイオロジー・マニュアル(Plant Mole
cular Biology Manual, Kluwer Academic Publishers p
ress (1988))、島本功、岡田清孝監修:モデル植物の
実験プロトコール(イネ、シロイヌナズナ編)(秀潤
社)(ISBN4-87962-157-9 C3345,1996)78-143頁あるい
は内宮博文著(植物遺伝子操作マニュアル、トランスジ
ェニック植物の作り方(講談社サイエンティフィッ
ク))1990, ISBN4-06-153513-7 C3045)28-33頁に記載
されている通常の植物組織培養技術において用いられる
方法に準じて再分化することによって、該植物細胞由来
の形質転換された植物体またはその一部を得ることがで
きる。さらに、前記のようにして得られる植物体を栽培
し自殖させることにより、該植物体の子孫が得られる。
尚、上述のような形質転換された植物細胞や植物体よ
り、常法に従ってDNAを抽出し、このDNAを制限酵
素で切断し、宿主細胞の形質転換に用いたDNAまたはそ
の一部をプローブに用いてサザンハイブリダイゼーショ
ンを行うことにより、遺伝子導入の有無を確認すること
ができる。また、かかる植物細胞や植物体より、常法に
従ってRNAを抽出し、本発明プロモーターの制御下に発
現させようとする目的の遺伝子のセンスまたはアンチセ
ンス配列を有するオリゴヌクレオチドまたはDNAをプ
ローブに用いてノザンハイブリダイゼーションを行うこ
とにより、目的遺伝子の発現の状態を調べることができ
る。
【0018】本発明プロモーターの制御下に特定の遺伝
子をセンス方向に連結し植物で発現させることにより、
植物に有用な形質を付与することができる。例えば、フ
ェニールアラニンアンモニアリアーゼ遺伝子(PAL)、
カルコンシンターゼ遺伝子(CHS)、キチナーゼ遺伝子
(CHT)、リゾチーム遺伝子もしくはPRタンパク質遺伝
子等の植物防御遺伝子、Pto遺伝子等の病害抵抗性遺伝
子、ウイルスコートタンパク質遺伝子またはBT(Bacillu
s thuringiensis )殺虫タンパク質遺伝子等を発現させ
ることにより、植物組織において細菌、カビ、ウイル
ス、昆虫等に対する抵抗性を増強することができる。ま
た、例えば、ダイズのグリシニン遺伝子、β-コングリ
シニン遺伝子等の貯蔵タンパク質遺伝子を発現させるこ
とにより、飼料作物における種々のタンパク質含量や必
須アミノ酸含量を増加させることができ、ブラジルナッ
ツの2Sアルブミン遺伝子、トウモロコシやイネの10kDa
及び15kDaタンパク質遺伝子等を発現させることによ
り、飼料作物のメチオニン含量あるいはリジン含量を増
加さることができ、大腸菌等の微生物由来のbioA、bio
B、bioC、bioD、bioF、bioH 酵素遺伝子等のビオチン生
合成関連酵素遺伝子を発現させることにより、飼料作物
におけるビオチン含量を増加させることができ、さらに
ステアロイル-ACP-デサチュレース、アシル-ACP-チオエ
ステラーゼ、3-ホスフェートアシルトランスフェラーゼ
遺伝子等を発現させることにより、脂質の酸化安定性の
向上、リン脂質の減少及びオレイン酸とリノレン酸の増
加による脂質の改良が可能となり、アシルトランスフェ
ラーゼ遺伝子等を発現させることにより、不飽和脂肪酸
の割合を増加させ低温に対する抵抗性を増大させること
ができる。また、カナマイシン耐性遺伝子、ハイグロマ
イシン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子等の抗生物
質耐性に関与する遺伝子を発現させることにより、形質
転換体の選択に有用な抗生物質耐性を付与することもで
きる。さらに、例えば、L-ホスフォノスリシンアセチル
化酵素(PAT)もしくはプロトポルフィリノーゲン酸化酵
素(PPO)遺伝子等の除草剤抵抗性に関与する遺伝子を
発現させることにより、除草剤抵抗性作物を作出するこ
ともできる。一方、本発明プロモーターの制御下に特定
の遺伝子をアンチセンス方向に連結し植物細胞内で発現
させることにより、植物に有用な形質を付与することも
できる。例えば、イネのイソメラーゼ(Isomerase)な
どのアミロペクチン分解酵素遺伝子のアンチセンス遺伝
子を発現させることによりイネ種子中のデンプン成分を
改良することができ、カボチャ等の1-アミノシクロプロ
パン-1-カルボキシレート(ACC)合成酵素などのエチレ
ン合成酵素遺伝子のアンチセンス遺伝子を発現させるこ
とにより果物、花などの保存性を向上することができ、
また、トマトのポリガラクチュロナーゼ遺伝子のアンチ
センス遺伝子を発現させることにより果物の保存性を向
上することができる。さらに、植物の自家不和合性に関
与しているS-ローカス型特異的RNase遺伝子等の雄性不
稔関連遺伝子のセンスまたはアンチセンス遺伝子を発現
させることにより、植物の稔性を制御することもでき
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例を挙げてさらに詳細に本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 (本発明プロモーター、本発明ターミネータ
ーの単離) ニンジン葉部より調製したゲノムDNAを用いてインバー
ス・ポリメラーゼ・チェイン・リアクション(インバー
スPCR)を行い、本発明プロモーター、本発明ターミ
ネーターを取得した。以下にその方法について説明す
る。 (1)ニンジンゲノムDNAの調製 播種後6週目のニンジン葉部10gを液体窒素中で磨砕し、
5mlの2xCTAB液(2% Cetyltrimethyl ammonium bromid
e、100mM トリス-塩酸緩衝液 pH8.0、20mM EDTApH8.0、
1.4M 塩化ナトリウム、1% ホ゜リヒ゛ニルヒ゜ロリト゛ン)に懸濁後、
55℃で10分間保温した。これに等量のクロロホルム/イ
ソアミルアルコール(24:1)を加え、室温で30分間穏や
かに混合した後遠心分離し、上層と下層とを分取した。
上層には等量のクロロホルム/イソアミルアルコール
(24:1)を加え、下層には等量の1xCTAB液(2xCTAB液
を滅菌蒸留水で2倍に希釈した液)を加え、それぞれ室
温で10分間穏やかに混合した後、再度遠心分離し、、
それぞれより上層を分取してこれらを混合した。これ
に1/10量の10%CTAB液(10% Cetyltrimethyl ammonium
bromide、0.7M 塩化ナトリウム)および等量の沈澱バッ
ファー(2% Cetyltrimethyl ammonium bromide、50mM
トリス-塩酸緩衝液 pH8.0、10mM EDTA pH8.0)を加え、
穏やかに混合した後遠心分離した。沈殿物を回収しこれ
を1M塩化ナトリウム-TE(1M 塩化ナトリウム、10mM ト
リス-塩酸緩衝液 pH8.0、1mM EDTA pH8.0)に懸濁し、
さらに等量のイソプロパノールを加えて穏やかに混合し
た後、遠心分離し、得られた沈殿物を70%エタノールで
リンスして軽く乾かし、これをTEに懸濁した。該懸濁液
に最終濃度10μg/mlになるようにRNaseを加え、37℃で3
0分間保温した後、1/4量の4M酢酸アンモニウムと2倍量
の100%エタノールとを加えて混合し静置した。析出し
たDNAをパスツールピペットで巻き取って回収後、70%エ
タノールでリンスして軽く乾かしTE(10mM トリス-塩酸
緩衝液 pH8.0、1mMEDTA pH8.0)に懸濁した。このDNA液
を適当に希釈し、吸光度測定、アガロースゲル電気泳動
に供した。その結果、約 350μgのゲノムDNAが得られた
ことが確認された。
【0020】(2)本発明プロモーターおよび本発明ター
ミネーターを含むDNAのPCRによる増幅 (1)で得られたゲノムDNA10μgにPvuII 100Uを作用させ
てこれを完全消化した後、1/10量の3M酢酸ナトリウムと
2倍量の100%エタノールとを加えて混合し、15000rpm、
10分間、4℃で遠心分離して、沈澱したDNAを回収した。
これを70%エタノールでリンスし、最終濃度が20ng/μl
になるようにTEに懸濁した。このDNA溶液とライゲーシ
ョンキット(宝酒造製)を用いて最終濃度が1ng/μlに
なるように、反応体積400μlでライゲーション反応させ
た後、該反応液を鋳型にして、下記の塩基配列を有する
オリゴヌクレオチドAおよびB、 オリゴヌクレオチドA; 5'- GGGTT TCAAT GGATT CGATG -3' (20mer) オリゴヌクレオチドB; 5'- GCAGA TGCTC AGAAC ACTGC -3' (20mer) を用いてPCR反応(94℃1分間次いで55℃2分間さらに74
℃3分間の保温を1サイクルとしてこれを40サイクル)
を行った。さらにこのPCR反応液の一部と、下記の塩基
配列を有するオリゴヌクレオチドCおよびD、 オリゴヌクレオチドC; 5'- GGCAG CTGGC ACCCA TGATA
TTTAG AATG -3' (29mer)オリゴヌクレオチドD; 5'-
GGCAG CTGTT CATAA TTTAC AGAGT GAGTG ACAGT CAG -3'
(38mer) を用いてPCR反応(94℃1分間次いで55℃2分間さらに74
℃3分間の保温を1サイクルとしてこれを40サイクル)
を行った。反応後の溶液の一部を0.8%アガロースゲル
電気泳動に供して分析したところ、約3kbのDNA断片が増
幅していることが確認された。
【0021】(3)本発明プロモーターおよび本発明タ
ーミネーターのクローニングとシークエンス (2)で得られたPCR反応液にTEを添加して200μlに調整
し、これに等量の中和フェノール/クロロホルム/イソア
ミルアルコール(24:23:1)を添加して十分混合した
後、15000rpm、20℃、5分間遠心分離し、上層を分取し
た。これに1/10量の3M酢酸ナトリウムおよび2倍量の100
%エタノールを添加して混合した後、15000rpm、4℃、1
0分間遠心分離し、沈澱したDNAを回収した。該DNAを70
%エタノールでリンスした後TEに懸濁し、PvuII 30Uを
作用させて完全消化した。該反応後、上記と同様にフェ
ノール処理、エタノール沈澱を行い、回収したDNAを50
μlのTEに懸濁し、スピンカラムS-400(ファルマシア社
製)に供して精製した。該カラムからの溶出液1μlを0.
8%アガロースゲルで分析した結果、約2kbと約1kbのサ
イズのDNA断片が存在することが判った。pUC18ベクター
2μgにSmaI 10Uを作用させて完全消化した後、さらにア
ルカリフォスファターゼ(宝酒造製)を作用させて脱リ
ン酸化反応を行った。該反応液について上記と同様にフ
ェノール処理、エタノール沈澱を行ってベクターDNA
を回収しこれをTEに懸濁した。このベクターDNA50ng
と上記のインサート50ngとをライゲーションキット(宝
酒造製)を用いてライゲーション反応に付した後、大腸
菌JM109株のコンピテントセル(宝酒造製)に導入し
た。該導入処理を行なった菌株をアンピシリン100μg/m
lを含むLB培地上で培養し、生育してきたクローンから
プラスミドDNAを調製した。このDNAを制限酵素で切断し
てアガロースゲル電気泳動することにより、目的とする
約2kbまたは約1kbのサイズのDNA断片を含有するプラス
ミドをそれぞれ選抜した。これらのプラスミドの塩基配
列を、pUC18ベクターに存在する塩基配列を有するオリ
ゴヌクレオチドEおよびF、 オリゴヌクレオチドE;5'- AACAA TTTCA CACAG GAAAC
AGCTA TGACC -3' (30mer)オリゴヌクレオチドF;5'- C
AGTC ACGAC GTTGT AAAAC GACGG CCAGT -3'(30mer) をプライマーに用い、Taq Dye Deoxy Terminator Cycle
Sequencing Kit(ABI)、蛍光シークエンサー(ABI)
を用いて分析した。さらに、明らかとなった塩基配列を
もとにオリゴヌクレオチドを合成し、これをプライマー
に用いて前述と同様に塩基配列を分析した。その結果、
前記約2kbのサイズのDNA断片は、配列番号1で示される
塩基配列を有することが判明した。このDNA断片を含有
する前記プラスミドをpCR16G6Pと名付けた(図1)。ま
た、前記約1kbのサイズのDNA断片は配列番号2で示され
る塩基配列を有することが判明した。このDNA断片を含
有する前記プラスミドをpCR16G6T(図2)と名付けた。
【0022】実施例2 (本発明プロモーターを導入し
たトランスジェニックタバコの作製) Tiプラスミド発現ベクターの構築 実施例1で得られた配列番号1で示される塩基配列を有
するプラスミドを鋳型にして、クローニング用の制限酵
素認識配列を有する下記の塩基配列を有するオリゴヌク
レオチドG及びH、 オリゴヌクレオチドG;5'- GGAAG CTTCA TGTGT GCCCT
ACAGC ACA -3' (28mer)オリゴヌクレオチドH;5'- GG
TCT AGAGA TCTTT AGAAT GTGAT TGCTG -3'(30mer) を合成し、これをプライマーに用いてPCR反応(94℃1分
間次いで55℃2分間さらに74℃3分間の保温を1サイクル
としてこれを40サイクル)を行った。増幅したDNA断片
にHindIII 10U、XbaI 10Uを作用させて完全消化した
後、一部を0.8%アガロースゲルで分画し、約1.7kbのサ
イズのDNAバンドを切り出してこれに含まれるDNAを
ガラスビーズ(バイオラッド社製)を用いて精製した。
同様に残りの溶液を4%Nusieve Agarose ゲルで分画
し、約250bpのサイズのバンドを切り出してこれに含ま
れるDNAを精製した。pBIN19由来のベクターpIG121HM
2μgをHindIII 10U、XbaI 10Uで消化し、さらにアルカ
リフォスファターゼを作用させて脱リン酸化反応を行っ
た後、前記と同様にフェノール処理、エタノール沈澱を
行ってベクターDNAを回収した。該ベクターDNAと上記の
2種のDNA断片(約1.7kb、約250bp)とをライゲーション
キットを用いてライゲーション反応に供した後、大腸菌
HB101株のコンピテントセル(宝酒造製)に導入し、該
導入処理を行なった菌株をカナマイシン50μg/mlを含む
LB培地上で培養した。生育してきたクローンからプラス
ミドDNAを調製し、これを制限酵素HindIII、XbaIで
切断してアガロースゲル電気泳動で分析することによ
り、上記の約1.7kbのDNA断片と約250bpのDNA断片の両方
を含むプラスミドを選抜した。さらに選抜したプラスミ
ドDNAを鋳型にして、前述のオリゴヌクレオチドG及び
H、 オリゴヌクレオチドG;5'- GGAAG CTTCA TGTGT GCCCT
ACAGC ACA -3' (28mer)オリゴヌクレオチドH;5'- GG
TCT AGAGA TCTTT AGAAT GTGAT TGCTG -3'(30mer) をプライマーに用いてPCR反応(94℃1分間次いで55℃2
分間さらに74℃3分間の保温を1サイクルとしてこれを4
0サイクル)を行い、約2kbのDNA断片が増幅されること
を確認した。このようにして調製されたβ−グルクロニ
ダーゼ遺伝子の上流に本発明プロモーターを有するTiプ
ラスミド発現ベクターをpBICR16G6P(図3)と名付け
た。
【0023】(2)トランスジェニックタバコの作製 以下のトランスジェニック植物の作製は、S.B.Gelvin、
R.A.Schilperoort andD.P.S.Verma著;Plant Molecular
Biology/Manual(1988)(Kliwer AcademicPublishers
発行、Valvekens et al.Proc.Natl.Acad.Sci.,85:5536-
5540(1988)に記載の方法に準じて行った。アグロバク
テリウム菌C58C1をYEB培地中で、30℃にて一晩振とう培
養した後、新たなYEB培地に植え継ぎ、培養液の濁度がO
D600=0.6に達するまで培養した。以下の操作は、低温室
にて行った。この培養液を遠心分離して菌体を集め、こ
れを冷やしておいた滅菌蒸留水に懸濁した後、再度遠心
分離して集菌した。この菌体の洗いを2回繰り返し、さ
らに滅菌蒸留水を10%グリセロール溶液に変えて同様の
操作を行った。こうして得られた菌体を培養液の400倍
濃縮になるように10%グリセロール溶液に懸濁した。こ
のようにして調製した菌体懸濁液に、上記のようにして
構築した本発明プロモーターを有するTiプラスミド発現
ベクターpBICR16G6Pまたは対照としてpIG121HMベクタ
ーを、エレクトロポレーション法を用いて導入し、導入
処理を行なった菌株をカナマイシン50μg/mlを含むYEB
プレート上で培養した。生育してきたカナマイシン耐性
クローンからアルカリ-SDS法によりプラスミドDNAを調
製し、該DNAを0.8%アガロースゲル電気泳動で分析し、
ゲルをエチジウムブロマイド染色してDNAバンドを検出
することにより、Tiプラスミド発現ベクターが導入され
ていることを確認した。さらにこのプラスミドDNAを鋳
型にして、前述のオリゴヌクレオチドG及びH、 オリゴヌクレオチドG;5'- GGAAG CTTCA TGTGT GCCCT
ACAGC ACA -3' (28mer)オリゴヌクレオチドH;5'- GG
TCT AGAGA TCTTT AGAAT GTGAT TGCTG -3'(30mer) をプライマーに用いてPCR反応(94℃1分間次いで55℃2
分間さらに74℃3分間の保温を1サイクルとしてこれを4
0サイクル)を行い、約2kbのDNA断片が増幅することを
確認し、目的の発現ベクターが導入されていることを確
認した。無菌培養したタバコの葉部切片(0.7cm角)
を、カナマイシン50μg/mを含むYEB液体培地で30℃にて
1晩培養したアグロバクテリウム菌培養液に2分間浸
し、滅菌したろ紙で余分な水気を除いた後、MS-NB培地
上に置いた。16時間明所、8時間暗所の条件下で25℃に
て5日間共存培養後、切片をMS液体培地で洗浄し、MS-NB
C培地上に置いた。さらに5日間培養後、選択薬剤を含む
MS-NBCK培地に切片を移し、約1カ月程度静置培養し、再
生したシュートを葉部切片本体より切断して、MS-CK培
地に植え継いだ。約1カ月後、発根した個体を土壌に植
え替え自殖種子を得た。
【0024】(3)トランスジェニックタバコにおける
導入遺伝子の確認 トランスジェニックタバコの種子を2.5% 次亜塩素酸/0.
002% Triton X-100に5分間浸し、次いで、滅菌水で4-5
回洗浄後、カナマイシン100μg/mlを含むMS培地で培養
し無菌発芽させた。カナマイシン耐性を示した個体から
CTAB法によりゲノムDNAを調製し、このDNA 50ngを鋳型
に、レポーター遺伝子であるGUS遺伝子の塩基配列の一
部を有するオリゴヌクレオチドIと、配列番号7で示さ
れる塩基配列からなるDNAを含む本発明プロモーターの
塩基配列の一部を有するオリゴヌクレオチドJ、 オリゴヌクレオチドI;5'- ATCAA CACCT CAACA TTGAT GTTAG CGTAC -3' (30me r) オリゴヌクレオチドJ;5'- TCTGC ATCGG CGAAC TGATC -3' (20mer) との組み合わせをプライマーに用いるか、またはレポー
ター遺伝子であるGUS遺伝子の塩基配列の一部を有する
オリゴヌクレオチドKと、NOSターミネーターの塩基配
列の一部を有するオリゴヌクレオチドL、 オリゴヌクレオチドK;5'- ACATG TGGAG TGAAG AGTAT C -3'(21mer) オリゴヌクレオチドL;5'- GATAA TCATC GCAAG ACCGG -3' (20mer) との組み合わせをプライマーに用いてそれぞれPCR反応
を行い(94℃1分間次いで55℃2分間72℃3分間の保温を1
サイクルとしてこれを40サイクル)、PCR産物の一部を
0.8%アガロースゲル電気泳動で分画した。その結果、目
的とする約310bp、約400bpの長さのDNA断片の増幅を確
認した。
【0025】実施例3 (トランスジェニックタバコに
おける本発明プロモーターの発現活性測定) 実施例2で得られたトランスジェニックタバコの実生の
葉と根におけるGUS活性の測定とGUS染色をJefferson Pl
ant Mol.Biol.Rep.5:387-405(1987)に記載の方法に準じ
て行った。GUS活性は、4-methylumberlifer-β-D-glucu
ronideを基質とした蛍光法で測定し、活性染色は 5-ブ
ロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロン酸(X-Gl
uc)を基質として行い青色色素(インジゴチン)の沈着
量を測定した。 (1)GUS染色 上記トランスジェニックタバコの種子を、カナマイシン
100μg/mlを含むMS培地で培養して無菌発芽させ、1週間
後、3週間後、1カ月後に、カナマイシン耐性の植物体を
引き抜き、GUS染色液(1 mM X-Gluc、0.5 mM K3Fe(C
N)6、0.5 mM Fe4Fe(CN)6、0.3% Triton X-100)に浸し
て37℃で1晩反応させた。反応後、100%エタノールを用
いて脱色し、その染色パターンを観察した。その結果、
本発明プロモーターを有するTiプラスミド発現ベクター
pBICR16G6P導入したトランスジェニックタバコにおい
て、該発現プラスミド上で本発明プロモーターの下流に
接続されているβ−グルクロナーゼ遺伝子が葉部、根
部、茎部で高発現していることが確認された。
【0026】(2)GUS活性測定 上記トランスジェニックタバコ種子をカナマイシン100
μg/mlを含む培地で培養して無菌発芽させ、25℃で培養
した。播種後1週間、3週間、1ヶ月後に、カナマイシン
耐性の植物体の根部0.8g、葉部0.5gを採取して乳鉢にと
り、それぞれ1ml、0.5mlの抽出バッファー(50mM リン
酸緩衝液 pH7.0、10mM EDTA、0.1% Triton X-100、0.1%
Sarcosyl、10mM メルカプトエタノール)を添加し、海
砂を適当量加え摩砕した。この摩砕液をエッペンドルフ
チューブに移して遠心分離し、上清を分取した。得られ
た上清液のタンパク質濃度の定量はBIO-RAD社のProtein
assay reagent を用いた方法で行った。この液10〜70
μlを500μlの反応基質液(50mM リン酸緩衝液 pH7.0、
10mM EDTA、0.1% Triton X-100、0.1% Sarcosyl、10mM
メルカプトエタノール、1mM 4-methylumberlifer-β-D-
glucuronide )に添加し、37℃で保温した。一定時間お
きに反応液100μlをサンプリングし、直ちに900μlの反
応停止液(0.2M 炭酸ナトリウム溶液)を添加して混合
した。このように調製したサンプルの蛍光を分光蛍光光
度計(日立製作所 F-2000)で測定した(励起光波長365
nm、発光波長455nm)。この測定値と測定に用いた上記
上清液のタンパク質濃度の値からGUS活性を算出した。
結果を表1(播種後1週間)、表2(播種後3週間)お
よび表3(播種後1ヶ月)に示す。表1〜3において、
本発明プロモーターを有するTiプラスミド発現ベクター
pBICR16G6Pを導入したタバコ個体がIP-8〜14、pIG12
1HMベクターを導入したタバコ個体がPIG-1〜2である。
相対比は、各生育段階における葉部、根部でのGUS活性
値を、pIG121HMベクター導入タバコ(PIG-2)の該活性
値を1として表した値である。本発明プロモーターを有
するTiプラスミド発現ベクターpBICR16G6P(本発明プ
ロモーターとβ−グルクロニダーゼ遺伝子とが連結され
てなるDNAを有する)を導入したトランスジェニック
タバコでは葉部、根部の試料から高いGUS活性が検出さ
れ、最も高いものではpIG121HMベクター(35Sプロモー
ターとβ−グルクロニダーゼ遺伝子とが連結されてなる
DNAを有する)を導入した場合の8倍高い活性を示し
た。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】実施例4(トランスジェニックアラビドプ
シスにおける本発明プロモーターの発現活性測定) (1)トランスジェニックアラビドプシスの作製 Tiプラスミド発現ベクターpBICR16G6Pを導入したアグロ
バクテリウムC58C1を用いてアラビドプシスへの遺伝子
導入を行った。無菌播種後、23℃で2-3週間生育させた
アラビドプシスの根を1cm程度に切断し、CIMプレートで
2日間培養した後、これを、30℃で2晩振とう培養したア
グロバクテリウム培養液に浸し、再びCIMプレート上で
培養した。2日後、該根部切片をSIMC培地に移し、さら
に2日後、SIMCH培地に植え継いだ。約1カ月経って再生
してきたシュートを切断してMS培地に植え替え、発根さ
せた。発根した個体を土壌、またはロックウールに植
え、人工気象器で育てて自殖種子を得た。
【0031】(2)トランスジェニックアラビドプシス
における導入遺伝子の確認 (1)で得られた自殖種子を1%次亜塩素酸に5分間浸
し、滅菌蒸留水で3-5回洗浄した後、ハイグロマイシン2
0μg/mlを含むMS培地で培養して無菌発芽させた。ハイ
グロマイシン耐性を示した個体からアラビドプシスはロ
ゼット葉を4-5枚をとって、CTAB法によりゲノムDNAを調
製した。このケ゛ノムDNA50ngを鋳型にしてPCRを行い(94℃
1分間次いで55℃2分間さらに72℃3分間の保温を1サイク
ルとしてこれを40サイクル)、PCR産物の一部を0.8%ア
ガロースゲル電気泳動で分画した。プライマーには、オ
リゴヌクレオチドIおよびJの組合せ、またはオリゴヌク
レオチドKおよびLの組合せを用いた。 オリゴヌクレオチドI;5'- ATCAA CACCT CAACA TTGAT GTTAG CGTAC -3' (30me r) オリゴヌクレオチドJ;5'- TCTGC ATCGG CGAAC TGATC -3' (20mer) オリゴヌクレオチドK;5'- ACATG TGGAG TGAAG AGTAT C -3'(21mer) オリゴヌクレオチドL;5'- GATAA TCATC GCAAG ACCGG -3' (20mer) その結果、それぞれ目的とする約310bp、約400bpの長さ
のDNA断片の増幅が確認された。
【0032】(3)発現活性測定 (3-1)GUS染色 実施例4(2)で遺伝子の導入が確認されたトランスジ
ェニックアラビドプシスの種子を、上記と同様にハイグ
ロマイシン20μg/mlを含むMS培地で培養して無菌発芽さ
せ、ハイグロマイシン耐性を示した個体を3週間生育さ
せた。植物体を生育培地から抜き、GUS染色液(1 mM X-
Gluc、0.5 mM K3Fe(CN)6、0.5 mM Fe4Fe(CN)6、0.3% Tr
iton X-100)に浸して37℃で1晩保温した。次いで、100
%エタノールで数回洗浄して脱色し、青色色素の沈着を
観察した。その結果、本発明プロモーターの下流に接続
されているβ−グルクロニダーゼ遺伝子が葉部、根部、
茎部で高発現していることが確認された。
【0033】(3-2)GUS活性測定 実施例4(2)で遺伝子の導入が確認されたトランスジ
ェニックアラビドプシスの種子をハイグロマイシン20μ
g/mlを含む培地で培養して無菌発芽させ、23℃で3週間
培養した。根部、葉部、それぞれ3個体分を乳鉢にと
り、それぞれに抽出バッファー(50mM リン酸緩衝液 pH
7.0、10mM EDTA、0.1% Triton X-100、0.1%Sarcosyl、1
0mM メルカプトエタノール)を添加し、海砂を加えて摩
砕した。この摩砕液をエッペンドルフチューブに移して
遠心分離し、上清を分取した。該上清10-70μl分を500
μlの反応基質液(50mM リン酸緩衝液 pH7.0、10mM EDT
A、0.1% Triton X-100、0.1% Sarcosyl、10mM メルカプ
トエタノール、1mM 4-methylumberlifer-β-D-glucuron
ide )に添加して37℃で保温し、一定時間おきに100μl
をサンプリングし、直ちに900μlの反応停止液(0.2M
炭酸ナトリウム溶液)と混合した。このように調製した
サンプルを分光蛍光光度計(日立製作所 F-2000)で測
定した(励起光波長365nm、発光波長455nm)。また、該
上清のタンパク質濃度をバイオラッド社のProtein assa
y reagent を用いた方法で定量した。前記の蛍光値と前
記上清のタンパク質濃度からGUS活性を算出した。その
結果、本発明プロモーターを有するTiプラスミド発現ベ
クターpBICR16G6P(本発明プロモーターとβ−グルク
ロニダーゼ遺伝子とが連結されてなるDNAを有する)
を導入したトランスジェニックアラビドプシスでは葉
部、根部の試料から高いGUS活性が検出され、最も高い
ものではpIG121HMベクター(35Sプロモーターとβ−グ
ルクロニダーゼ遺伝子とが連結されてなるDNAを有す
る)を導入した場合の8倍高い活性を示した。
【0034】実施例5(ダイズにおける本発明プロモー
ターの発現活性測定) 実施例2(1)のように取得したプラスミドpBICR16G6P
を含有する組換え大腸菌クローンをカナマイシン50μg/
mlを含むLB培地2ml中で37℃、1晩振とう培養し、前培養
液を調製した。この前培養液0.5mlをカナマイシン50μg
/mlを含むLB培地100mlに添加し、37℃、1晩振とう培養
した。得られた培養液を培養後8000rpmで10分間遠心分
離を行うことにより菌体を回収し、QIAGENプラスミド精
製キット(QIAGEN社製)を用いて該キットに添付のプロ
トコールに従って処理し、菌体に含まれるプラスミドDN
Aを精製した。該プラスミドDNAを、森川らの遺伝子銃
(C.M.Particle Gun System, Rhebockshoko Co.)を用
いた直接導入法(Yang N−S,Christou P編、Particle
Bombardment Technology for Gene Transfer,W.H.Fr
eeman and Co.Publishers,NewYork, pp.52-59)、パ
ーティクルガン法(植物細胞工学,2,631-637,1990)、
および特開平03-291501に記載の方法により、Finer J.
and Nagasawa A.(Plant Cell, Tissue and Organ Cult
ure,15,125-136,1988)に記載の方法に準じて誘導・増
殖したダイズ不定胚またはダイズ展開葉に導入した。0.
5〜1μmの金粒子(徳力本店製)をエタノールで数回洗
浄し、60mg/mlとなるように滅菌水に懸濁した。プラス
ミドpBICR16G6Pの精製DNAを0.5μg DNA/mlとなるように
滅菌水に溶解させたDNA溶液20μlに、50μlの前記金粒
子懸濁液、50μlの2.5M CaCl2、20μlの0.1Mスペルミ
ジンを加え、攪拌した。室温に30分間静置し、9000rpm
で10秒間遠心した後、上清を除去し、沈澱に60μlの75%
エタノールを添加して懸濁した。9000rpmで10秒間遠心
した後、上清を除去し、沈澱を300μlの100%エタノール
に懸濁し、ハンディータイプの超音波破砕機(トミー精
工製)を用いて1秒間ずつ3回の超音波処理を行った。こ
のような処理を行った金粒子懸濁液10μlをプロジェク
タイル(レーボック商工製)に供試して乾燥させた後、
これにさらに10μlの金粒子懸濁液を供試し、同様に乾
燥させた。このプロジェクタイルを遺伝子銃にセット
し、110mmHg真空下、335m/secの速度でMS寒天培地上に
置いたダイズ不定胚およびダイズ展開葉に2回撃ち込ん
だ。対照として、pBI121(クロンテック社製)およびpB
I221(クロンテック社製)を上記と同様にしてダイズ不
定胚およびダイズ展開葉に撃ち込んだ。撃ち込み後、25
℃で24時間静置培養し、GUS染色液(1 mM X-Gluc、0.5
mM K3Fe(CN)6、0.5 mM Fe4Fe(CN)6、0.3% Triton X-10
0)に浸して37℃で1晩保温した後、ダイズ不定胚におけ
る染色スポットを観察した。その結果、pBICR16G6Pベク
ターを導入した不定胚において青色の斑点が認められ
た。またダイズ展開葉は、前記の保温後に100%エタノ
ールに浸して脱色した後、その染色スポットを観察し
た。その結果、pBICR16G6Pベクターを導入した展開葉に
おいて青色の斑点が認められた。
【0035】実施例6(本発明プロモーターおよび本発
明ターミネーターを含有するTiプラスミド発現ベクター
の作製) (1)T-DNA内部を除去したTiプラスミドの構築 pBI101ベクター(クロンテック社製)5ngを鋳型にして
下記のオリゴヌクレオチドP、およびオリゴヌクレオチ
ドQ、 オリゴヌクレオチドP;5’―GGGAA TTCTC AGATT GTCGT TTCCC GCCTT CAG―3’(3 3mer) オリゴヌクレオチドQ;5’―CAGAT CTGGG GAACC CTGTG GTTG―3’(24mer) をプライマーに用いてPCR(94℃1分間次いで55℃2分間
さらに74℃3分間の保温を1サイクルとしてこれを30サイ
クル)反応を行った。該PCR反応液に1/10量の3M酢酸ナ
トリウム、2倍量のエタノールを添加して混合し、14000
rpm、10分間、4℃で遠心分離し、DNAを沈殿させた。沈
澱したDNAを70%エタノールでリンスした後、TE[10mMト
リス塩酸緩衝液(pH8.0)、1mM EDTA(pH8.0)]20μlに懸
濁した。得られたDNAにSphI 30U、EcoRI 30Uを作用させ
て完全消化した後、該消化液に、前述と同様に1/10量の
3M酢酸ナトリウム、2倍量のエタノールを添加して混合
し、14000rpm、10分間、4℃で遠心分離した後、沈澱し
たDNAを70%エタノールでリンスし、20μlのTEに懸濁し
た。これを4% Nusieve Agarose(FMC社製)ゲルで泳動
分画し、186bpのサイズのバンドを含むゲルを切り出
し、これに含まれるDNAを精製した。一方、pBI101ベク
ター(クロンテック社製)2μgをSphI 10UおよびEcoRI
10Uで消化し、前述と同様にエタノール沈澱を行い、10
μlのTEに懸濁した。このベクターDNA 50ngと、切り出
したゲルから精製したDNA5ngを含む溶液とをライゲーシ
ョンキット(宝酒造製)を用いて連結させた。このライ
ゲーション反応液の1μlを大腸菌HB101コンピテントセ
ル(宝酒造製)に添加し、トランスフォーメーションを
行い、該大腸菌をカナマイシン50μg/mlを含むLBプレー
トに蒔き37℃で1晩培養した。生育してきたクローンか
らプラスミドDNAを調製し、これを制限酵素SphI、EcoRI
で切断してアガロースゲル電気泳動で分析することによ
り、上記の186bpのDNA断片を含み、T−DNA領域内にEcoR
I認識配列のみを含むプラスミドを選抜しこれをpBIΔと
名付けた。
【0036】(2)本発明プロモーターを含むプラスミドp
CR16G6Pの改変 配列番号1で示される塩基配列を有する本発明プロモー
ターの3’末端側にクローニング用のHindIII認識部位、
XbaI認識部位を導入するために、プラスミドpCR16G6P 5
ngを鋳型にして下記のオリゴヌクレオチドR、およびオ
リゴヌクレオチドS、 オリゴヌクレオチドR;5’-GGTCT AGAGA TCTTT AGAAT GTGAT TGCTG-3’(30mer) オリゴヌクレオチドS;5’-AACAA TGTAT GTCCG GTGTA CATCT ATGAC-3’(30mer) をプライマーに用いてPCR(94℃1分間次いで55℃2分間
さらに74℃3分間の保温を1サイクルとしてこれを30サイ
クル)を行った。該PCR反応液に1/10量の3M酢酸ナトリ
ウムおよび2倍量のエタノールを添加し混合した後、140
00rpm、10分間、4℃で遠心分離し、DNAを沈殿させた。
沈澱したDNAを70%エタノールでリンスした後、TE(10mM
トリス塩酸緩衝液(pH8.0)、1mM EDTA(pH8.0))20μl
に懸濁し、これにXbaI 50Uを添加し37℃で1時間保温し
た。これに、前述と同様に1/10量の3M酢酸ナトリウム、
2倍量のエタノールを添加し混合し、14000rpm、10分
間、4℃で遠心分離後、沈澱したDNAを70%エタノールで
リンスし、20μlのTEに懸濁した。これを4% Nusieve Ag
arose(FMC社製)ゲル電気泳動に供して分画した後、約
250bpのサイズのDNA断片を含むゲルを切り出し、これを
プレップAジーンDNA精製キット(バイオラッド社製)を
用いて該キットに添付のプロトコールに従って処理し、
ゲルに含有されているDNAを精製した。さらにプラスミ
ドpCR16G6P 2μgにXbaI 10Uを作用させて完全消化した
後、さらにアルカリフォスファターゼ(宝酒造製)を作
用させて脱リン酸化反応を行った。該反応液に等量の中
和フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(2
5:24:1)を添加して十分混合した後、20℃にて15000r
pm、5分間遠心分離し、上層を分取した。これに1/10量
の3M酢酸ナトリウムおよび2倍量の100%エタノールを添
加して混合した後、15000rpm、4℃、10分間遠心分離
し、沈澱したDNAを70%エタノールでリンスした後TE10
μlに懸濁した。このように調製されたDNA50ngと前述の
ように4% Nusieve Agaroseから回収したDNA断片5ngをラ
イゲーションキット(宝酒造製)を用いて連結させた。こ
のライゲーション反応液の1μlを大腸菌HB101コンピテ
ントセル(宝酒造製)に添加し、トランスフォーメーシ
ョンを行い、該大腸菌をアンピシリン100μg/mlを含むL
Bプレートに蒔き37℃で1晩培養した。生育してきたクロ
ーンをアンピシリン100μg/mlを含むLB培地2ml中、37℃
で1晩振とう培養し、該培養液から、8000rpmで2分間遠
心を行うことにより菌体を回収し、得られた菌体をQia
−prep spin(QIAGEN社製)を用いて該キットに添付の
プロトコールに従って処理し、プラスミドDNAを精製し
た。これを制限酵素XbaIで切断して4% Nusieve Agarose
ゲル電気泳動に供して分画することにより、上記の約25
0bpのDNA断片を含むプラスミドを選抜した。また選抜し
たプラスミドを用いて、下記のオリゴヌクレオチドS、 オリゴヌクレオチドS;5’―AACAA TGTAT GTCCG GTGTA CATCT ATGAC―3’(30mer) をプライマーにして、Taq Dye Deoxy Terminator Cycle
Sequencing Kit(ABI)、蛍光シークエンサー(ABI)
を用いて塩基配列を決定し、目的とする約250bpのDNA断
片が含まれていることを確認した。このようにして得ら
れたプラスミドをpCR16G6P−2と名付けた。
【0037】(3)本発明ターミネーターを含むプラスミ
ドpCR16G6Tの改変 配列番号2で示される塩基配列を有する本発明ターミネ
ーターを含むプラスミドpCR16G6Tを用いて、クローニン
グ用のSacI認識部位、EcoRI認識部位を付加した本発明
ターミネーターを含むプラスミドpCR16G6T-2を構築し
た。すなわち、まず、配列番号6で示される塩基配列を
含むpC16プラスミド(Plant Cell Physiology, 38(9):1
080-1086(1997),特開平07-188288)のDNA 50μgをDraI
50U、SacI50Uを作用させて消化し、該消化液に1/10量の
3M酢酸ナトリウムおよび2倍量のエタノールを添加して
混合した後、14000rpm、10分間、4℃で遠心分離した。
沈澱したDNAを70%エタノールでリンスした後、TE[10mM
トリス塩酸緩衝液(pH8.0)、1mM EDTA(pH8.0)]10μlに
懸濁し、4% Nusieve Agarose(FMC社製)ゲル電気泳動
に供した。泳動後、189bpのサイズのDNA断片を含むゲル
を切り出し、これをプレップAジーンDNA精製キット(バ
イオラッド社製)を用いて該キットに添付のプロトコー
ルに従って処理し、該ゲルに含有されているDNAを精製
した。一方、プラスミドpCR16G6T 5ngを鋳型にして、下
記のオリゴヌクレオチドTおよびオリゴヌクレオチドU; オリゴヌクレオチドT;5’―TTCAT AATTT ACAGA GTGAG TGACA GTCAG―3’(30mer) オリゴヌクレオチドU;5’―GGGAA TTCCT GAAAA GGAAG TTCAT CGATC TATC―3’(3 4mer) をプライマーに用いてPCR反応(94℃1分間次いで55℃1
分間さらに74℃2分間の保温を1サイクルとしてこれを30
サイクル)を行った。該PCR反応液に1/10量の3M酢酸ナ
トリウムおよび2倍量のエタノールを添加して混合した
後、14000rpm、10分間、4℃で遠心分離し、DNAを沈殿さ
せた。沈澱したDNAを70%エタノールでリンスした後、TE
[10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)、1mM EDTA(pH8.0)]20
μlに懸濁し、DraI 20UおよびEcoRI 20Uを添加して37℃
で1時間保温した。次いでこれに、前述と同様に1/10量
の3M酢酸ナトリウムおよび2倍量のエタノールを添加し
て混合し、14000rpm、10分間、4℃で遠心分離後、沈澱
したDNAを70%エタノールでリンスし、20μlのTEに懸濁
した。これを4% Nusieve Agarose(FMC社製)ゲル電気
泳動で分画した後、800bpのサイズのDNA断片を含むゲル
を切り出し、これをプレップAジーンDNA精製キット(バ
イオラッド社製)を用いて該キットに添付のプロトコー
ルに従って処理し、該ゲルに含有されているDNAを精製
した。pUC18ベクター(宝酒造製)のDNA 2μgをEcoRI 2
0U、SacI 20Uを作用させて消化し、前述と同様にエタノ
ール沈澱し、TE10μlに懸濁した。該DNA 20ngと上述の
ように4% Nusieve Agaroseから精製した2種のDNA断片各
30ngをライゲーションキット(宝酒造製)を用いて連結
させた。このライゲーション反応液の1μlを大腸菌JM10
9コンピテントセル(宝酒造製)に添加し、トランスフォ
ーメーションを行い、該大腸菌をアンピシリン100μg/m
l、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガ
ラクトピラノシド40μg/ml(和光純薬製)を含むLBプレ
ートに蒔き37℃で1晩培養した。培養後、白色を呈した
コロニーを形成したクローンをアンピシリン100μg/ml
を含むLB培地2ml中、37℃で1晩振とう培養し、得られた
培養液を8000rpmで2分間遠心分離することにより菌体を
回収し、該菌体をQia−prep spin(QIAGEN社製)を用い
て該キットに添付のプロトコールに従って処理し、プラ
スミドDNAを精製した。これを制限酵素SacI、EcoRIで切
断して4% Nusieve Agaroseゲル電気泳動に供して分画す
ることにより、989bpのDNA断片が検出できるプラスミド
を選抜した。このプラスミドをpCR16G6T−2と名付け
た。
【0038】(4)本発明プロモーターおよび本発明タ
ーミネーターを含有するTiプラスミド発現ベクターの構
築 実施例6(2)のようにして作製されたプラスミドpCR1
6G6P−2のDNA 2μgをEcoRI 20U、SalI 20Uを作用させて
消化し、0.8% アガロースゲル(同仁製)電気泳動で分
画した後、約2kbのサイズのDNA断片を含むゲルを切り出
し、これをプレップAジーンDNA精製キット(バイオラッ
ド社製)を用いて処理し、該ゲルに含有されているDNA
断片(以下、DNA断片Gと記す。)を精製した。同様に実
施例6(3)のようにして作製されたプラスミドpCR16G
6T−2のDNA 2μgをEcoRI 20U、SalI 20Uを作用させて消
化し、4% Nusieve Agaroseゲル電気泳動に供して分画し
た後、約1kbのサイズのDNA断片を含むゲルを切り出し、
これをプレップAジーンDNA精製キット(バイオラッド社
製)を用いて処理し、該ゲルに含有されているDNA断片
(以下、DNA断片Hと記す。)を精製した。一方、pBlues
criptKS−ベクター(クロンテック社製)のDNA 2μgをE
coRI 20Uで完全消化し、これにさらにアルカリフォスフ
ァターゼ(宝酒造製)を作用させて脱リン酸化反応を行
った。該反応液に等量の中和フェノール/クロロホルム/
イソアミルアルコール(25:24:1)を添加して十分混
合した後、15000rpm、20℃、5分間遠心分離し、上層を
分取した。次いでこれに1/10量の3M酢酸ナトリウムおよ
び2倍量の100%エタノールを添加して混合した後、1500
0rpm、4℃、10分間遠心分離し、沈澱したDNAを70%エタ
ノールでリンスした後TE10μlに懸濁した。このように
調製したベクターDNA 50ng、前述のDNA断片G 50ngおよ
びDNA断片H 25ngを混合してライゲーションキット(宝
酒造製)を用いて連結させた。このライゲーション反応
液の1μlを大腸菌JM109コンピテントセル(宝酒造製)
に添加してトランスフォーメーションを行い、該大腸菌
をアンピシリン100μg/ml、5−ブロモ−4−クロロ−3−
インドリル−β−D−ガラクトピラノシド40μg/ml(和
光純薬製)を含むLBプレートに蒔き37℃で1晩培養し
た。培養後、白色を呈したコロニーを形成したクローン
をアンピシリン100μg/mlを含むLB培地2ml中、37℃で1
晩振とう培養し、得られた培養液を8000rpmで2分間遠心
分離することにより菌体を回収し、該菌体をQia−prep
spin(QIAGEN社製)を用いて該キットに添付のプロトコ
ールに従って処理し、プラスミドDNAを精製した。これ
を制限酵素EcoRIで切断して0.8%アガロースゲル電気泳
動に供して分画することにより、約3kbのDNA断片が検出
できるプラスミドを選抜した。さらに該プラスミドのDN
A 2μgをEcoRI 20Uで完全消化し、1/10量の3M酢酸ナト
リウムおよび2倍量の100%エタノールを添加して混合し
た後、15000rpm、4℃、10分間遠心分離し、沈澱したDNA
を70%エタノールでリンスした後TE10μlに懸濁した。
一方、上述のプラスミドpBIΔのDNA 2μgをEcoRI 20Uで
完全消化し、これにさらにアルカリフォスファターゼ
(宝酒造製)を作用させて脱リン酸化反応を行った。該
反応液を前記のようにフェノール処理し、エタノール沈
澱した後、得られたDNAをTE 10μlに懸濁した。このよ
うに調製したDNA 50ngと上記のEcoRI消化したプラスミ
ドDNAをライゲーションキット(宝酒造製)を用いて連
結させた。このライゲーション反応液の1μlを大腸菌HB
101コンピテントセル(宝酒造製)に添加し、トランスフ
ォーメーションを行い、該大腸菌をカナマイシン50μg/
ml、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガ
ラクトピラノシド40μg/ml(和光純薬製)を含むLBプレ
ートに蒔き37℃で1晩培養した。生育してきたクローン
をカナマイシン50μg/mlを含むLB培地2ml中、37℃で1晩
振とう培養し、得られた培養液を8000rpmで2分間遠心分
離することにより菌体を回収し、該菌体をQia−prep sp
in(QIAGEN社製)を用いて該キットに添付のプロトコー
ルに従って処理し、プラスミドDNAを精製した。これを
制限酵素EcoRI、または、EcoRIおよびSalIで切断して0.
8%アガロースゲル電気泳動に供して分画することによ
り、EcoRI消化物から約3kbのDNA断片が検出され、EcoRI
とSalIとによる消化物から約2kbおよび約1kbのDNA断片
が検出されるプラスミドを選抜した。このプラスミドを
pBICR16G6PTと名付けた。
【0039】(5)ターミネーターの改変 実施例6(4)で作製されたpBICR16G6PTのDNA1μgを制
限酵素HindIIIで消化し、1/10量の3M酢酸ナトリウムお
よび2倍量の100%エタノールを添加して混合した後、15
000rpm、4℃、10分間遠心分離し、沈澱したDNAを70%エ
タノールでリンスした後TE20μlに懸濁した。該DNAにさ
らにT4 DNAポリメラーゼ(宝酒造製)5Uを作用させて末
端を平滑化した後、該ポリメラーゼ反応液に等量の中和
フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:
24:1)を添加して十分混合した後、15000rpm、20℃、5
分間遠心分離し、上層を分取した。これに1/10量の3M酢
酸ナトリウムおよび2倍量の100%エタノールを添加して
混合した後、15000rpm、4℃、10分間遠心分離し、沈澱
したDNAを70%エタノールでリンスした後TE10μlに懸濁
した。このように調製したDNA50ngをライゲーションキ
ット(宝酒造製)を用いて連結させた。この反応液の1
μlを大腸菌HB101コンピテントセル(宝酒造製)に添加
し、トランスフォーメーションを行い、該大腸菌をカナ
マイシン50μg/ml を含むLBプレートに蒔き37℃で1晩培
養した。生育してきたクローンをカナマイシン50μg/ml
を含むLB培地2ml中、37℃で1晩振とう培養し、得られた
培養液から、前述のようにして菌体を回収し、該菌体を
Qia−prep spin(QIAGEN社製)を用いて該キットに添付
のプロトコールに従って処理し、プラスミドDNAを精製
した。このDNAに制限酵素HindIIIを作用させ、0.8%アガ
ロースゲル電気泳動に供して分画することにより、Hind
IIIの切断認識サイトを欠失しているプラスミドを選抜
した。このプラスミドをpBICR16G6PTΔと名付けた。
【0040】実施例7(本発明プロモーターおよび本発
明ターミネーターを含有するTiプラスミド発現ベクター
の発現活性測定) (1)β-グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子の発現ベクター
への導入 プラスミドpBI221(クロンテック社製)のDNA 2μgをSm
aI 20U、SacI 20Uで消化し、消化液の1/10量の3M酢酸ナ
トリウムおよび2倍量の100%エタノールを添加して混合
した後、15000rpm、4℃、10分間遠心分離し、沈澱したD
NAを70%エタノールでリンスした後TE20μlに懸濁し
た。該DNAにさらにT4 DNAポリメラーゼ(宝酒造製)5U
を作用させて末端を平滑化した後、該反応液に等量の中
和フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(2
5:24:1)を添加して十分混合した後、15000rpm、20
℃、5分間遠心分離し、上層を分取した。これに1/10量
の3M酢酸ナトリウムおよび2倍量の100%エタノールを添
加して混合した後、15000rpm、4℃、10分間遠心分離
し、沈澱したDNAを70%エタノールでリンスした後TE10
μlに懸濁した。これをれを0.8%アガロース(同仁製)
ゲル電気泳動で分画した後、約1.7kbのGUS遺伝子を含む
DNA断片を含むゲルを切り出し、該ゲルをプレップAジー
ンDNA精製キット(バイオラッド社製)を用いて処理す
ることによりDNAを精製した。一方、pBluescriptKS−
(クロンテック社製)のDNA 2μgをSmaI 20Uで完全消化
し、さらにアルカリフォスファターゼ(宝酒造製)を作
用させて脱リン酸化反応を行った。該反応液に等量の中
和フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(2
5:24:1)を添加して十分混合した後、15000rpm、20
℃、5分間遠心分離し、上層を分取した。これに1/10量
の3M酢酸ナトリウムおよび2倍量の100%エタノールを添
加して混合した後、15000rpm、4℃、10分間遠心分離
し、沈澱したDNAを70%エタノールでリンスした後TE10
μlに懸濁した。このように調製したDNA50ngと前述のGU
S遺伝子を含むDNA断片100ngをライゲーションキット
(宝酒造製)を用いて連結させた。このライゲーション
反応液の1μlを大腸菌JM109コンピテントセル(宝酒造
製)に添加し、トランスフォーメーションを行い、該大
腸菌をアンピシリン100μg/ml、5−ブロモ−4−クロロ
−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド40μg/ml
(和光純薬製)を含むLBプレートに蒔き37℃で1晩培養
した。白色を呈したコロニーの一部を、ベクターの配列
に基き合成したオリゴヌクレオチドM、およびGUS遺伝子
の配列に基き合成したオリゴヌクレオチドK、 オリゴヌクレオチドM;5’―GTAAA ACGAC GGCCA GT ―3’(17mer) オリゴヌクレオチドK;5’―ACATG TGGAG TGAAG AGTAT C―3’(21mer) を含むPCR反応液に懸濁し、PCR反応(94℃1分間次いで5
5℃2分間さらに74℃3分間の保温を1サイクルとしてこれ
を40サイクル)を行った。該PCR反応液を4% Nusieve Ag
arose(FMC社製)で分画後、410bpのサイズのDNA断片が
増幅されているプラスミドを選抜した。該プラスミドを
有するクローンの培養菌体を、前述と同様にQia−prep
spin(QIAGEN社製)を用いて該キットに添付のプロトコ
ールに従って処理し、プラスミドDNAを精製した。この
プラスミドDNA2μgを制限酵素SalI20U、BamHI 20Uで消
化した後、0.8%アガロースゲル電気泳動に供して分画
し、約1.7kbのDNA断片が含まれるゲルを切り出し、該ゲ
ルをプレップAジーンDNA精製キット(バイオラッド社
製)を用いて処理することによりプラスミドDNAを精製
した。一方、前述のプラスミドpBICR16G6PTΔのDNA 2μ
gを制限酵素SalI 20U、BamHI 20Uで完全消化し、さらに
アルカリフォスファターゼ(宝酒造製)を作用させて脱
リン酸化反応を行った。該反応液をフェノール処理、エ
タノール沈澱後、TE10μlに懸濁した。このように調製
したDNA 50ngと前述のように精製した約1.7kbのDNA断片
20ngをライゲーションキット(宝酒造製)を用いて連結
させた。このライゲーション反応液の1μlを大腸菌HB10
1コンピテントセル(宝酒造製)に添加し、トランスフォ
ーメーションを行い、該大腸菌をカナマイシン50μg/ml
を含むLBプレートに蒔き37℃で1晩培養した。白色を呈
したコロニーの一部を、オリゴヌクレオチドUおよびGUS
遺伝子の配列に基き合成したオリゴヌクレオチドK、 オリゴヌクレオチドU;5’―GGGAA TTCCT GAAAA GGAAG TTCAT CGATC TATC―3’( 34mer) オリゴヌクレオチドK;5’―ACATG TGGAG TGAAG AGTAT C―3’(21mer) を含むPCR反応液に懸濁し、PCR反応(94℃1分間次いで5
5℃2分間さらに74℃3分間の保温を1サイクルとしてこれ
を40サイクル)を行った。該PCR反応液を0.8%アガロー
スゲル電気泳動に供して分画した後、約1.1kbのサイズ
のDNA断片が増幅されているプラスミドを選抜した。選
抜されたプラスミドをpBICR16G6PTΔGと名付けた。該プ
ラスミドを有するクローンをカナマイシン50μg/mlを含
むLB培地2ml中で37℃、1晩振とう培養し、前培養液を調
製した。この前培養液0.5mlをカナマイシン50μg/mlを
含むLB培地100mlに添加し、37℃、1晩振とう培養した。
得られた培養液を8000rpmで10分間遠心分離することに
より菌体を回収し、該菌体をQIAGENプラスミド精製キッ
ト(QIAGEN社製)を用いて該キットに添付のプロトコー
ルに従って処理し、菌体に含まれるプラスミドDNAを精
製した。
【0041】(2)ダイズにおける発現活性測定 (1)で作製したプラスミドpBICR16G6PTΔGのDNAを、
実施例5に準じて、森川らの遺伝子銃(C.M.Particle Gu
n System,レーボック商工製)を用いることによりダイ
ズの不定胚に撃ち込んだ。対照として、pBI221(クロン
テック社製)を同様に撃ち込んだ。撃ち込み後の不定胚
を、25℃で24時間静置培養し、次いでGUS染色液に浸し
て37℃で1晩保温した。保温後、その染色スポットを観
察した結果、pBICR16G6PTΔGを導入したダイズ不定胚に
おいて青色の斑点が認められた。
【0042】実施例8(プロモーターの改変) (1)改変プロモーターの作製 (1-1)4塩基付加 配列番号1で示される塩基配列を含むプラスミドpCR16G6
PのDNA 2μgをSacI 20Uで消化し、さらにT4 DNAポリメ
ラーゼ(宝酒造製)5Uを作用させて末端を平滑化した
後、該反応液に等量の中和フェノール/クロロホルム/イ
ソアミルアルコール(25:24:1)を添加して十分混合
した後、15000rpm、20℃、5分間遠心分離し、上層を分
取する。これに1/10量の3M酢酸ナトリウムおよび2倍量
の100%エタノールを添加して混合した後、15000rpm、4
℃、10分間遠心分離し、沈澱したDNAを70%エタノール
でリンスした後TE10μlに懸濁する。これを1.0%アガロ
ース(同仁製)ゲル電気泳動に供して分画した後、約3.
9kbのサイズのDNA断片(以下、DNA断片Aと記す。)また
は約880bpのサイズのDNA断片(以下、DNA断片Bと記
す。)を含むゲルをそれぞれ切り出し、該ゲルからプレ
ップAジーンDNA精製キット(バイオラッド社製)を用い
てDNAを精製する。得られたDNA断片A 50ng、DNA断片B 1
00ngを混合し、ライゲーションキット(宝酒造製)を用
いて連結させ、ライゲーション反応液の1μlを大腸菌JM
109コンピテントセル(宝酒造製)に添加し、トランスフ
ォーメーションを行い、該大腸菌をアンピシリン100μg
/mlを含むLBプレートに蒔き37℃で1晩培養する。ベクタ
ーの配列に基き合成したオリゴヌクレオチドM、配列番
号1に基き合成したオリゴヌクレオチドG、 オリゴヌクレオチドM;5’―GTAAA ACGAC GGCCA GT ―3’(17mer) オリゴヌクレオチドG;5’―GGAAG CTTCA TGTGT GCCCT ACAGC ACA―3’(28mer) を含むPCR反応液に、生育してきたコロニーの一部を懸
濁し、PCR反応(94℃1分間次いで55℃2分間さらに74℃3
分間の保温を1サイクルとしてこれを40サイクル)を行
う。この反応液の一部を0.8%アガロース電気泳動に供し
て分画し、約2kbのDNA断片が増幅されているプラスミド
を複数選抜する。選抜されたプラスミドを含むクローン
をアンピシリン100μg/mlを含むLB2mlに植え、37℃で1
晩培養する。この培養液を遠心分離することにより集菌
し、得られた菌体をQia−prep spin(QIAGEN社製)を用
いて該キットに添付のプロトコールに従って処理し、プ
ラスミドDNAを精製する。該プラスミドDNAを制限酵素Sa
cIで消化し、1.0%アガロース電気泳動に供し、SacIの認
識サイトを欠失したプラスミドを選抜する。このような
プラスミドが含有する本発明プロモーターの塩基配列と
して配列番号3で示される塩基配列を挙げることができ
る。該塩基配列は、配列番号1で示される塩基配列と比
較して、4塩基が付加されている。
【0043】(1-2)4塩基付加 実施例8(1-1)と同様の方法で、配列番号1で示される塩
基配列中のSphIを欠失させることができる。配列番号1
で示される塩基配列を含むプラスミドpCR16G6PのDNA 2
μgをSphI 20Uで消化し、さらにT4 DNAポリメラーゼ
(宝酒造製)5Uを作用させて末端を平滑化した後、前述
と同様にフェノールクロロホルム処理、エタノール沈澱
を行い、沈澱をTE10μlに懸濁する。これを0.8%アガロ
ース(同仁製)ゲル電気泳動に供して分画した後、約3k
bのサイズのDNA断片(以下、DNA断片Cと記す。)または
約1.6kbのサイズのDNA断片(以下、DNA断片Dと記す。)
を含むゲルをそれぞれ切り出し、該ゲルをプレップAジ
ーンDNA精製キット(バイオラッド社製)を用いて処理
することによりゲルに含まれるDNA断片を精製する。得
られたDNA断片C 50ngおよびDNA断片D 100ngを混合し、
ライゲーションキット(宝酒造製)を用いて連結させ、
ライゲーション反応液の1μlを大腸菌JM109コンピテン
トセル(宝酒造製)に添加し、トランスフォーメーショ
ンを行い、該大腸菌をアンピシリン100μg/mlを含むLB
プレートに蒔き37℃で1晩培養する。ベクターの配列に
基き合成したオリゴヌクレオチドM、配列番号1で示さ
れる塩基配列に基き合成したオリゴヌクレオチドN、 オリゴヌクレオチドM;5’―GTAAA ACGAC GGCCA GT ―3’(17mer) オリゴヌクレオチドN;5’―AGGAC GACTT AGGTG AATAC―3’(20mer) を含むPCR反応液に、生育してきたコロニーの一部を懸
濁し、PCR反応(94℃1分間次いで55℃2分間さらに74℃3
分間の保温を1サイクルとしてこれを40サイクル)を行
う。この反応液の一部を0.8%アガロース電気泳動に供し
て分画し、約1.6kbのDNA断片が増幅されているプラスミ
ドを複数選抜する。選抜されたプラスミドを含有するク
ローンをアンピシリン100μg/mlを含むLB2mlに植え、37
℃で1晩培養する。この培養液を遠心分離することによ
り集菌し、得られた菌体をQia−prep spin(QIAGEN社
製)を用いて該キットに添付のプロトコールに従って処
理し、プラスミドDNAを精製する。該プラスミドDNAを制
限酵素SphIで消化し、1.0%アガロース電気泳動に供して
分画することにより、SphIの認識サイトを欠失したプラ
スミドを選抜する。このようなプラスミドが含有する本
発明プロモーターの塩基配列として配列番号4で示され
る塩基配列を挙げることができる。該塩基配列は、配列
番号1で示される塩基配列と比較して、4塩基が付加さ
れている。また、上記のように調製された配列番号4で
示される塩基配列からなる本発明プロモーターのDNAを
用いて、実施例8(1-1)と同様の操作を行なうことに
よりさらにSacI認識サイトを欠失させた本発明プロモー
ターのDNAを調製することができる。
【0044】(1-3)4塩基欠失 実施例8(1-1)(1-2)と同様の方法で、配列番号1で
示される塩基配列を含むプラスミドpCR16G6PのDNA 2μg
をXbaI 20Uで消化し、さらにT4 DNAポリメラーゼ(宝酒
造製)5Uを作用させて末端を平滑化した後、該反応液に
等量の中和フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコ
ール(25:24:1)を添加して十分混合した後、15000rp
m、20℃、5分間遠心分離し、上層を分取する。これに1/
10量の3M酢酸ナトリウムおよび2倍量の100%エタノール
を添加して混合した後、15000rpm、4℃、10分間遠心分
離し、沈澱したDNAを70%エタノールでリンスした後TE2
0μlに懸濁する。このDNA溶液の一部を0.8%アガロース
(同仁製)ゲル電気泳動に供して分画した後、約4.7kb
のサイズのDNA断片(以下、DNA断片Eと記す。)を含む
ゲルを切り出し、該ゲルをプレップAジーンDNA精製キッ
ト(バイオラッド社製)を用いて処理することによりDN
Aを精製した。また、上記のDNA溶液の残りを4%Nusieve
Agarose(FMC社製)ゲル電気泳動に供して分画し、約25
0bpのサイズのDNA断片(以下、DNA断片Fと記す。)を含
むゲルを切り出し、該ゲルから前述と同様にプレップA
ジーンDNA精製キット(バイオラッド社製)を用いてDNA
を精製する。このようにして調製されたDNA断片E 50ng
分、およびDNa断片F 20ngを混合し、ライゲーションキ
ット(宝酒造製)を用いて連結させ、該ライゲーション
反応液の1μlを大腸菌JM109コンピテントセル(宝酒造
製)に添加し、トランスフォーメーションを行い、該大
腸菌をアンピシリン100μg/mlを含むLBプレートに蒔き3
7℃で1晩培養する。生育してきたコロニーの一部を、ベ
クター上の配列に基き合成したオリゴヌクレオチドM、
配列番号1で示される塩基配列に基き合成したオリゴヌ
クレオチドO、 オリゴヌクレオチドM;5’―GTAAA ACGAC GGCCA GT ―3’(17mer) オリゴヌクレオチドO;5’―ATACA TCTTT TCAAA TTTCA―3’(20mer) を含むPCR反応液に懸濁し、PCR反応(94℃1分間次いで5
5℃2分間さらに74℃3分間の保温を1サイクルとしてこれ
を40サイクル)を行う。この反応液の一部を4%Nusieve
Agaroseゲル電気泳動に供して分画し、約250bpのDNA断
片が検出されるクローンを複数選抜する。さらに選抜ク
ローンをアンピシリン100μg/mlを含むLB2mlに植え、37
℃で1晩培養する。この培養液を遠心分離することによ
り集菌し、得られた菌体をQia−prep spin(QIAGEN社
製)を用いて該キットに添付のプロトコールに従って処
理し、プラスミドDNAを精製する。該プラスミドDNAを制
限酵素XbaIで消化し、4% Nusieve Agarose(FMC社製)
ゲル電気泳動に供することにより、XbaIの認識サイトを
欠失したプラスミドを取得する。このようなプラスミド
が含有する本発明プロモーターの塩基配列として配列番
号5で示される塩基配列を挙げることができる。該塩基
配列は、配列番号1で示される塩基配列と比較して、4
塩基が欠失している。上記のように調製された配列番号
4で示される塩基配列からなる本発明プロモーターのDNA
を用いて、実施例8(1-1)または(1-2)と同様の操作
を行なうことにより、さらにSacI認識サイトまたはSacI
認識サイトを欠失させることができる。
【0045】(2)発現ベクターの構築 発現ベクターの構築は実施例2と同様の方法で行なうこ
とができる。実施例8(1-1)、(1-2)または(1-3)
で得られる本発明プロモーターを含有するプラスミドを
それぞれ鋳型にして、クローニング用の制限酵素認識配
列を有する下記の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド
G及びH、 オリゴヌクレオチドG;5'- GGAAG CTTCA TGTGT GCCCT ACAGC ACA -3' (28mer) オリゴヌクレオチドH;5'- GGTCT AGAGA TATTT AGAAT GTTAT TGCTG -3'(30mer ) を合成し、これをプライマーに用いてPCR反応(94℃1分
間次いで55℃2分間さらに74℃3分間の保温を1サイクル
としてこれを40サイクル)を行う。増幅したDNA断片にH
indIII 10U、XbaI 10Uを作用させて完全消化した後、0.
8%アガロースゲル電気泳動に供して分画し、実施例8
(1-1)または(1-2)で得られる本発明プロモーター含
有プラスミドを鋳型に得られたDNA断片の場合は約1.7kb
のサイズのDNA断片を含むゲルと約250bpのサイズのDNA
断片を含むゲルとを切り出し、また、実施例8(1-3)
で得られる本発明プロモーター含有プラスミドを鋳型に
得られたDNA断片の場合は約2kbのサイズのDNA断片を
含むゲルを切り出して、これらに含まれるDNAをガラス
ビーズ(バイオラッド社製)を用いて精製する。pBIN1
9由来のベクターpIG121HMのDNA2μgをHindIII 10U、Xb
aI 10Uで消化し、さらにアルカリフォスファターゼを作
用させて脱リン酸化反応を行った後、前記と同様にフェ
ノール処理、エタノール沈澱を行ってDNAを回収する。
該DNAと上記のゲルから回収されたDNA断片(約1.7kbお
よび約250bp、または約2kb)とをライゲーションキット
(宝酒造製)を用いてそれぞれライゲーション反応に供
した後、大腸菌HB101株のコンピテントセル(宝酒造
製)に導入し、該導入処理を行なった菌株をカナマイシ
ン50μg/mlを含むLB培地上で培養する。生育してきたク
ローンからプラスミドDNAを調製し、これを制限酵素
HindIII、XbaIで切断して0.8%アガロースゲル電気泳動
に供して分析することにより、約2kbのDNA断片を含むプ
ラスミドを選抜する。さらに選抜したプラスミドDNAを
鋳型にして、前述のオリゴヌクレオチドG及びH、 オリゴヌクレオチドG;5'- GGAAG CTTCA TGTGT GCCCT ACAGC ACA -3' (28mer) オリゴヌクレオチドH;5'- GGTCT AGAGA TCTTT AGAAT GTGAT TGCTG -3'(30mer ) をプライマーに用いてPCR反応(94℃1分間次いで55℃2
分間さらに74℃3分間の保温を1サイクルとしてこれを4
0サイクル)を行い、約2kbのDNA断片が増幅されること
を確認する。このようにして、β−グルクロニダーゼ遺
伝子の上流に配列番号3、4または5で示される塩基配
列を有するTiプラスミド発現ベクターを調製することが
できる。またさらに、該発現ベクターからノパリン合成
酵素遺伝子のターミネーター(NOS-t)を切り出して、p
BICR16G6PTまたはpBICR16G6PTΔに含有される本発明タ
ーミネーターと入れ替えることにより、本発明ターミネ
ーターを含む発現ベクターを構築することができる。前
述のようにして作製される発現ベクターを含有するクロ
ーンをカナマイシン50μg/mlを含むLB培地2ml中で37
℃、1晩振とう培養し、前培養液を調製する。この前培
養液0.5mlをカナマイシン50μg/mlを含むLB培地100mlを
入れ、37℃、1晩振とう培養する。培養液を8000rpmで10
分間遠心分離することにより菌体を回収し、該菌体をQI
AGENプラスミド精製キット(QIAGEN社製)を用いて該キ
ットに添付のプロトコールに従って処理し、菌体に含ま
れるプラスミドDNAを精製する。
【0046】実施例9(本発明プロモーターおよび本発
明ターミネーターを含有するTiプラスミド発現ベクター
へのGUS遺伝子の導入) 実施例7(1)と同様の方法で発現ベクターへのGUS遺伝
子のクローニングを行なう。プラスミドpBI221(クロン
テック社製)のDNA 2μgをSmaI 20U、SacI 20Uで消化
し、1/10量の3M酢酸ナトリウムおよび2倍量の100%エタ
ノールを添加して混合した後、15000rpm、4℃、10分間
遠心分離し、沈澱したDNAを70%エタノールでリンスし
た後TE20μlに懸濁する。該DNAにさらにT4 DNAポリメラ
ーゼ(宝酒造製)5Uを作用させて末端を平滑化した後、
これに等量の中和フェノール/クロロホルム/イソアミル
アルコール(25:24:1)を添加して十分混合した後、1
5000rpm、20℃、5分間遠心分離し、上層を分取する。こ
の溶液から前述と同様にDNAをエタノール沈澱し、TE10
μlに懸濁する。これを0.8%アガロースゲル電気泳動に
供して分画した後、約1.7kbのサイズのGUS遺伝子を含む
DNA断片を含むゲルを切り出し、該ゲルからプレップAジ
ーンDNA精製キット(バイオラッド社製)を用いてDNAを
精製する。一方、pBluescriptKS−(クロンテック社
製)のDNA 2μgをSmaI 20Uで完全消化し、さらにアルカ
リフォスファターゼ(宝酒造製)を作用させて脱リン酸
化反応を行う。該反応液を前述と同様にフェノール処
理、エタノール沈澱した後、得られたDNAをTE10μlに懸
濁する。このように調製したDNA50ngと前述のGUS遺伝子
を含むDNA断片100ngをライゲーションキット(宝酒造
製)を用いて連結させる。このライゲーション反応液の
1μlを大腸菌JM109コンピテントセル(宝酒造製)に添
加し、トランスフォーメーションを行い、該大腸菌をア
ンピシリン100μg/ml、5−ブロモ−4−クロロ−3−イン
ドリル−β−D−ガラクトピラノシド40μg/ml(和光純
薬製)を含むLBプレートに蒔き37℃で1晩培養する。白
色を呈したコロニーの一部を、ベクターの配列に基いて
合成したオリゴヌクレオチドMおよびGUS遺伝子の配列に
基いて合成したオリゴヌクレオチドK、 オリゴヌクレオチドM;5’―GTAAA ACGAC GGCCA GT ―3’(17mer) オリゴヌクレオチドK;5’―ACATG TGGAG TGAAG AGTAT C―3’(21mer) を含むPCR反応液に懸濁し、PCR反応(94℃1分間次いで5
5℃2分間さらに74℃3分間の保温を1サイクルとしてこれ
を40サイクル)を行う。該PCR反応液を4% Nusieve Agar
oseゲル電気泳動に供して分画した後、410bpのサイズの
DNA断片が増幅されているプラスミドを選抜する。該プ
ラスミドを含有するクローンの培養菌体を前述と同様に
Qia−prep spin(QIAGEN社製)を用いて該キットに添付
のプロトコールに従って処理し、プラスミドDNAを精製
する。このプラスミドDNA2μgを制限酵素SalI 20U、Bam
HI 20Uで消化した後、0.8%アガロースゲル電気泳動に供
して分画し、約1.7kbのDNA断片が含まれるゲルを切り出
し、該ゲルからプレップAジーンDNA精製キット(バイオ
ラッド社製)を用いてDNAを精製する。実施例6(4)記
載のpBICR16G6PTのDNA 2μgを制限酵素SalI 20U、BamHI
20Uで完全消化し、さらにアルカリフォスファターゼ
(宝酒造製)を作用させて脱リン酸化反応を行う。該反
応液を前述と同様の方法でフェノール処理、エタノール
沈澱後、沈殿したDNAをTE10μlに懸濁した。このように
調製したDNA50ngと前述のように精製した約1.7kbのDNA
断片20ngをライゲーションキット(宝酒造製)を用いて
連結させる。このライゲーション反応液の1μlを大腸菌
HB101コンピテントセル(宝酒造製)に添加し、トランス
フォーメーションを行い、該大腸菌をカナマイシン50μ
g/mlを含むLBプレートに蒔き37℃で1晩培養する。白色
を呈したコロニーの一部を、オリゴヌクレオチドU、お
よびGUS遺伝子の配列に基いて合成したオリゴヌクレオ
チドK、 オリゴヌクレオチドU;5’―GGGAA TTCCT GAAAA GGAAG TTCAT CGATC TATC―3’( 34mer) オリゴヌクレオチドK;5’―ACATG TGGAG TGAAG AGTAT C―3’(21mer) を含むPCR反応液に懸濁し、PCR反応(94℃1分間次いで5
5℃2分間さらに74℃3分間の保温を1サイクルとしてこれ
を40サイクル)を行う。該PCR反応液を0.8%アガロース
ゲル電気泳動に供して分画した後、約1.1kbのサイズのD
NA断片が増幅されているプラスミドを選抜する。選抜さ
れたプラスミドをpBICR16G6PTGと名付けた。該プラスミ
ドを含有するクローンをカナマイシン50μg/mlを含むLB
培地2ml中で37℃、1晩振とう培養し、前培養液を調製す
る。この前培養液0.5mlをカナマイシン50μg/mlを含むL
B培地100mlに添加し、37℃、1晩振とう培養する。培養
液を8000rpmで10分間遠心分離することにより菌体を回
収し、該菌体をQIAGENプラスミド精製キット(QIAGEN社
製)を用いて該キットに添付のプロトコールに従って処
理し、菌体に含まれるプラスミドDNAを精製する。この
ようにして調製されるプラスミドpCR16G6PTGまたは実施
例7(1)のように構築されたプラスミドpCR16G6PTΔG
から、配列番号1で示される塩基配列を有する本発明プ
ロモーターを切り出して、該プロモーターの替りに、実
施例8記載の本発明プロモーター、カリフラワーモザイ
クウイルス35Sプロモーター(Nature, 313:810-812)ま
たはノパリン合成酵素遺伝子のプロモーター(Nucleic
AcidResearch,11(2):369-385(1983))を挿入することも
できる。
【0047】実施例10(発現活性測定) (1)トランスジェニック植物を用いた発現活性測定 実施例2(2)に準じて、タバコ葉切片に実施例8また
は9のように構築された発現プラスミドを導入したアグ
ロバクテリウム菌を感染させ、植物体を再生させること
により、トランスジェニックタバコを作製することがで
きる。得られたトランスジェニックタバコから、実施例
3に準じてゲノムDNAを抽出し、該ゲノムDNAを鋳型とし
てPCR反応を行うことにより、GUS遺伝子の導入を確認す
ることができる。該遺伝子の導入が確認できたクローン
を用いて、実施例4に準じてGUS染色、GUS活性測定を行
なうことにより、実施例8または9で構築された発現ベ
クターに含まれるプロモーターおよびターミネーターの
活性を確認することができる。
【0048】(2)パーティクルガンによる導入遺伝子
の発現測定 実施例8または9のように調製されたプラスミドを、実
施例5に準じて、森川らの遺伝子銃(C.M.Particle Gun
System、レーボック商工製)を用いることによりダイズ
の不定胚または未熟種子または展開葉またはニンジンの
根部等の植物組織に撃ち込むことができる。対照として
は、pBI221(クロンテック社製)またはpBI121(クロン
テック社製)を用いることができる。上記のプラスミド
を撃ち込んだ後、25℃で24時間静置培養し、GUS染色液
に浸して37℃で1晩保温する。次いで、その染色スポッ
トを観察することにより、実施例8または9で構築され
た発現ベクターに含まれるプロモーターおよびターミネ
ーターの活性を確認することができる。尚、ダイズ展開
葉を用いた場合は、保温後の展開葉を100%エタノール
に浸し、脱色を行った後、上記と同様にその染色スポッ
トを観察することにより、実施例8および2で構築した
発現ベクターに含まれるプロモーターおよびターミネー
ターの活性を確認することができる。
【0049】実施例において用いられた培地の組成を以
下に示す。 (1)タバコ用培地 MS 寒天培地 MURASHIGE AND SKOOG BASAL MEDIUM(SIGMA社製)4.4g、
ショ糖30gを蒸留水 1 Lに溶かし、1M KOH で pH 5.8 に
調製し、アガー(和光純薬)を8g 添加した後、オート
クレーブ滅菌した。 MS-NB寒天培地 MS寒天培地に、1-ナフタリン酢酸(NAA)0.1 μg/ml 、
6-ベンジルアミノプリン(BA)1.0 μg/mlを添加した培
地である。 MS-NBC寒天培地 MS-NB寒天培地に、クラフォラン300μg/mlを添加した培
地である。 MS-NBCK寒天培地 MS-NB寒天培地に、カナマイシン100μg/ml、クラフォラ
ン300μg/mlを添加した培地である。 MS-CK寒天培地 MS寒天培地にカナマイシン100μg/ml、クラフォラン300
μg/mlを添加した培地である。 (2)アラビドプシス用培地 MS 寒天培地 MURASHIGE AND SKOOG BASAl MEDIUM(SIGMA社製)4.4g、
ショ糖20gを蒸留水 1 Lに溶かし、1M KOH で pH 6.3 に
調製し、ジェランガム(和光純薬製)を2g 添加した
後、オートクレーブ滅菌した。 CIM寒天培地 MS 寒天培地に、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)
0.5μg/ml、カイネチン0.05μg/mlを添加した培地であ
る。 SIMC寒天培地 MS 寒天培地にN6-[2-イソペンテニル]アデニン(2-i
P)5μg/ml、インドール酢酸(IAA)0.15μg/ml、クラ
フォラン300μg/mlを添加した培地である。 SIMCH寒天培地 SIMC培地にハイグロマイシン20μg/mlを添加した培地で
ある。 (3)細菌、ファージ用培地 L-培地 バクトトリプトン(Difco社製)10g、バクトイーストエ
キストラクト(Difco社製)5g、NaCl 10gを蒸留水 1 L
に溶かし、5M NaOH で pH 7.0 に調製し、オートクレー
ブ滅菌する。プレートの場合はこれに15gの寒天を添加
する。 YEB培地 バクトビーフエキストラクト(Difco社製)5g、バクト
イーストエキストラクト(Difco社製)1g、ポリペプト
ン5g、ショ糖5g、10M NaOH 0.2mlを 蒸留水 1 Lに溶か
し、オートクレーブ滅菌する。オートクレーブ後、フィ
ルター滅菌した1M MgSO4を0.2ml添加して用いる。プレ
ートの場合はこれに15gの寒天を添加する。
【0050】
【発明の効果】本発明により、遺伝子を植物の細胞内で
効率よく発現させることの可能なプロモーターおよびタ
ーミネーターが提供可能となる。
【0051】
【配列表】 <110> Sumitomo Chemical Co. Ltd. <120> Plant promoter and terminator <130> P150738 <150> JP 10/281124 <151> 1998-10-02 <160> 7 <210> 1 <211> 2052 <212> DNA <213> Daucus carota L. <220> <221> promoter <222> (1)...(2052) <400> 1 catgtgtgcc ctacagcaca tagggcctgt ttggttgaga gaagcagaag ctgcttctga 60 cttcttcttc ttttgacctg tttgtataaa gaagtagaaa tatttttaaa aagctgcgaa 120 tactaacttc tctctcacaa cttccgcttc ttttccaaac actttattaa cttttttact 180 tctcatttct actccacttc tttgctataa gcaagaaatc acttctttta agctaaccca 240 aacggcctca ataaaagatc attcataaat gtatctttca attttaggat aacaatacgt 300 gaacagggtt attttttaac gtgtcaacaa attctaataa ttttacctgg ccggtgaaca 360 ccgtcttcca agataatata ttttaatttt gtagcctccc ttttaaccaa attcgcatgc 420 aggacgactt aggtgaatac acattgtact gtgagtcttt aaacaaagaa caagtggttc 480 atgctcagcc atcaaaattg acaaaacccg acacaacact ctatccacgt actatacttt 540 tggccgaatg cttctcaaaa tgttttttat atgtaaaata atgcccatcc aaggataagt 600 aaaattcccg tttaaccagt ttgttaatat atatgtttac acttacaaga ggatattcgt 660 aatactttta gacgacaaga gacttaggtc aaaaatggac gctggtaaac agcctagact 720 tggtcactga taaatagata attgttagta taatatagta ggatctacaa tgacattaaa 780 attagagcta ttaattaagt tactaataaa taagagaggt tagtaaacag aaagcaggta 840 aaaacaagag cttgctgctg tgtgtttagt tgttgtgagc tcatttcttt aaaagtaatg 900 taaactgatc taaagcacat agaaatttag tacaggttaa aacttttaca agaatttata 960 ttaaacgaaa atcattttat aacatgtctc tcggctgtca ttataatagg gatcacttac 1020 tgatcatcca ttaaaacctt gttaaaacaa attcaatgag ataaaatatc ttacaatgaa 1080 aagaaggaca atgtctcttt gaaaaaacaa ataggtactc cctccgtccc tctgaaatgt 1140 atacatatgg attggacacg gagactaaga aaaatgtata aagtaatgta gagtaaaaag 1200 aaagagaaag aaaagtgggt aaagtagcgg gacccaccaa tatataattg atagatttag 1260 aaaagtagtt gaaagtagtg ggtgggtggg atttttatat tataaaaatt tactattttg 1320 agaaagtttt gaaatgtata gaattgagtg ggacatccat aaaaggaaag tgtatagaat 1380 taaatgggac agagggagta atacctttat gatatataaa tttttgttat tttgatttca 1440 taagattata aatctatgtt ataatgataa tataatttta aaaataatac tatattaatt 1500 ctgattagtc gattaccgcc ttttataatt ttacaatact gagtaatatg aataaatcag 1560 ttatctgaaa agcaaataat atctttgtaa aacagcgttc ggtcaaatgg gaagttcatg 1620 tgtattcaat agttttaata taaaagtaaa ttttaaatta attgttattt ttgtttcaga 1680 aatttaaaat aaattattga gcatgggaag ttcacgggca tcattgagca gcactagact 1740 gtttgaacaa tgtatgtccg gtgtacatct atgacctttc aactcaaact agtgaataat 1800 gcattctaga atacatcttt tcaaatttca acaaacacag ctttaacttt tctttcaacg 1860 gattggaatc cttttctaaa ctttttaaaa taaaaaaaat gcattattgt aatatttatc 1920 aacacctcaa cattgatgtt agcgtactat aaataggtgc tcttggtgct ctactatcat 1980 cacatcaatc ttacaccaca aaccttgagc ttaatttttc tacttattct cagcaataac 2040 attctaaata tc 2052 <210> 2 <211> 851 <212> DNA <213> Daucus carota L. <220> <221> terminator <222> (1)...(851) <400> 2 ctgaaaagga agttcatcga tctatcagca aaattagaga acttgtgagg tcacagaagt 60 ctgaaggact agcggaacct gaaactgggt ctcagaagag gatcacctac gagcaagtga 120 agaaaatggc aactttattt gatgacttgt tgatatttat tgagaattac aactttgcag 180 aaaagccaac tctgcggttt caggttctgg aattaattaa gcttttacat cactatggaa 240 gtgatactat tcgaagcgga gtggaggaag aacttgagta cgtgaatgag aaaaattcag 300 caacacagta caagaaagct ctggaagtaa tgttgagagt atgcaataag gagaatacgg 360 ggatacgtca aagtattttt tacgacacaa tagaaaaggc agaaagggat aaagtgctct 420 atgaatggtg aggaattggg acggtttagg ttagcttaaa aaaagtgact tcttacttga 480 agtaatgaag tggagtagaa ctgataagta aagtaataat tataagttat taaagtgttt 540 ggaaaagaaa tagaagttgt aaagaaaagt tagcattttc tacttccaac ttatttctca 600 cgacttctta aaagtacttc ttactttttt acacaaacgg gtcaaggaaa gtggaagcaa 660 aaagctggag ttacttctta taagaatgtt tatactaaat gagaaatgac aaacacagaa 720 atgagaatga atatgattat tggtttaata atagtgtatt ttatttaaaa agatcgcata 780 cattaccagc cagatgaagt tattcatcac aactcacaac aaagtacaaa gaaaaagttg 840 caattctgtc a 851 <210> 3 <211> 2048 <212> DNA <213> Daucus carota L. <220> <221> promoter <222> (1)...(2048) <400> 3 catgtgtgcc ctacagcaca tagggcctgt ttggttgaga gaagcagaag ctgcttctga 60 cttcttcttc ttttgacctg tttgtataaa gaagtagaaa tatttttaaa aagctgcgaa 120 tactaacttc tctctcacaa cttccgcttc ttttccaaac actttattaa cttttttact 180 tctcatttct actccacttc tttgctataa gcaagaaatc acttctttta agctaaccca 240 aacggcctca ataaaagatc attcataaat gtatctttca attttaggat aacaatacgt 300 gaacagggtt attttttaac gtgtcaacaa attctaataa ttttacctgg ccggtgaaca 360 ccgtcttcca agataatata ttttaatttt gtagcctccc ttttaaccaa attcgcatgc 420 aggacgactt aggtgaatac acattgtact gtgagtcttt aaacaaagaa caagtggttc 480 atgctcagcc atcaaaattg acaaaacccg acacaacact ctatccacgt actatacttt 540 tggccgaatg cttctcaaaa tgttttttat atgtaaaata atgcccatcc aaggataagt 600 aaaattcccg tttaaccagt ttgttaatat atatgtttac acttacaaga ggatattcgt 660 aatactttta gacgacaaga gacttaggtc aaaaatggac gctggtaaac agcctagact 720 tggtcactga taaatagata attgttagta taatatagta ggatctacaa tgacattaaa 780 attagagcta ttaattaagt tactaataaa taagagaggt tagtaaacag aaagcaggta 840 aaaacaagag cttgctgctg tgtgtttagt tgttgtgcat ttctttaaaa gtaatgtaaa 900 ctgatctaaa gcacatagaa atttagtaca ggttaaaact tttacaagaa tttatattaa 960 acgaaaatca ttttataaca tgtctctcgg ctgtcattat aatagggatc acttactgat 1020 catccattaa aaccttgtta aaacaaattc aatgagataa aatatcttac aatgaaaaga 1080 aggacaatgt ctctttgaaa aaacaaatag gtactccctc cgtccctctg aaatgtatac 1140 atatggattg gacacggaga ctaagaaaaa tgtataaagt aatgtagagt aaaaagaaag 1200 agaaagaaaa gtgggtaaag tagcgggacc caccaatata taattgatag atttagaaaa 1260 gtagttgaaa gtagtgggtg ggtgggattt ttatattata aaaatttact attttgagaa 1320 agttttgaaa tgtatagaat tgagtgggac atccataaaa ggaaagtgta tagaattaaa 1380 tgggacagag ggagtaatac ctttatgata tataaatttt tgttattttg atttcataag 1440 attataaatc tatgttataa tgataatata attttaaaaa taatactata ttaattctga 1500 ttagtcgatt accgcctttt ataattttac aatactgagt aatatgaata aatcagttat 1560 ctgaaaagca aataatatct ttgtaaaaca gcgttcggtc aaatgggaag ttcatgtgta 1620 ttcaatagtt ttaatataaa agtaaatttt aaattaattg ttatttttgt ttcagaaatt 1680 taaaataaat tattgagcat gggaagttca cgggcatcat tgagcagcac tagactgttt 1740 gaacaatgta tgtccggtgt acatctatga cctttcaact caaactagtg aataatgcat 1800 tctagaatac atcttttcaa atttcaacaa acacagcttt aacttttctt tcaacggatt 1860 ggaatccttt tctaaacttt ttaaaataaa aaaaatgcat tattgtaata tttatcaaca 1920 cctcaacatt gatgttagcg tactataaat aggtgctctt ggtgctctac tatcatcaca 1980 tcaatcttac accacaaacc ttgagcttaa tttttctact tattctcagc aatcacattc 2040 taaatatc 2048 <210> 4 <211> 2048 <212> DNA <213> Daucus carota L. <220> <221> promoter <222> (1)...(2048) <400> 4 catgtgtgcc ctacagcaca tagggcctgt ttggttgaga gaagcagaag ctgcttctga 60 cttcttcttc ttttgacctg tttgtataaa gaagtagaaa tatttttaaa aagctgcgaa 120 tactaacttc tctctcacaa cttccgcttc ttttccaaac actttattaa cttttttact 180 tctcatttct actccacttc tttgctataa gcaagaaatc acttctttta agctaaccca 240 aacggcctca ataaaagatc attcataaat gtatctttca attttaggat aacaatacgt 300 gaacagggtt attttttaac gtgtcaacaa attctaataa ttttacctgg ccggtgaaca 360 ccgtcttcca agataatata ttttaatttt gtagcctccc ttttaaccaa attcgcagga 420 cgacttaggt gaatacacat tgtactgtga gtctttaaac aaagaacaag tggttcatgc 480 tcagccatca aaattgacaa aacccgacac aacactctat ccacgtacta tacttttggc 540 cgaatgcttc tcaaaatgtt ttttatatgt aaaataatgc ccatccaagg ataagtaaaa 600 ttcccgttta accagtttgt taatatatat gtttacactt acaagaggat attcgtaata 660 cttttagacg acaagagact taggtcaaaa atggacgctg gtaaacagcc tagacttggt 720 cactgataaa tagataattg ttagtataat atagtaggat ctacaatgac attaaaatta 780 gagctattaa ttaagttact aataaataag agaggttagt aaacagaaag caggtaaaaa 840 caagagcttg ctgctgtgtg tttagttgtt gtgagctcat ttctttaaaa gtaatgtaaa 900 ctgatctaaa gcacatagaa atttagtaca ggttaaaact tttacaagaa tttatattaa 960 acgaaaatca ttttataaca tgtctctcgg ctgtcattat aatagggatc acttactgat 1020 catccattaa aaccttgtta aaacaaattc aatgagataa aatatcttac aatgaaaaga 1080 aggacaatgt ctctttgaaa aaacaaatag gtactccctc cgtccctctg aaatgtatac 1140 atatggattg gacacggaga ctaagaaaaa tgtataaagt aatgtagagt aaaaagaaag 1200 agaaagaaaa gtgggtaaag tagcgggacc caccaatata taattgatag atttagaaaa 1260 gtagttgaaa gtagtgggtg ggtgggattt ttatattata aaaatttact attttgagaa 1320 agttttgaaa tgtatagaat tgagtgggac atccataaaa ggaaagtgta tagaattaaa 1380 tgggacagag ggagtaatac ctttatgata tataaatttt tgttattttg atttcataag 1440 attataaatc tatgttataa tgataatata attttaaaaa taatactata ttaattctga 1500 ttagtcgatt accgcctttt ataattttac aatactgagt aatatgaata aatcagttat 1560 ctgaaaagca aataatatct ttgtaaaaca gcgttcggtc aaatgggaag ttcatgtgta 1620 ttcaatagtt ttaatataaa agtaaatttt aaattaattg ttatttttgt ttcagaaatt 1680 taaaataaat tattgagcat gggaagttca cgggcatcat tgagcagcac tagactgttt 1740 gaacaatgta tgtccggtgt acatctatga cctttcaact caaactagtg aataatgcat 1800 tctagaatac atcttttcaa atttcaacaa acacagcttt aacttttctt tcaacggatt 1860 ggaatccttt tctaaacttt ttaaaataaa aaaaatgcat tattgtaata tttatcaaca 1920 cctcaacatt gatgttagcg tactataaat aggtgctctt ggtgctctac tatcatcaca 1980 tcaatcttac accacaaacc ttgagcttaa tttttctact tattctcagc aataacattc 2040 taaatatc 2048 <210> 5 <211> 2056 <212> DNA <213> Daucus carota L. <220> <221> promoter <222> (1)...(2056) <400> 5 catgtgtgcc ctacagcaca tagggcctgt ttggttgaga gaagcagaag ctgcttctga 60 cttcttcttc ttttgacctg tttgtataaa gaagtagaaa tatttttaaa aagctgcgaa 120 tactaacttc tctctcacaa cttccgcttc ttttccaaac actttattaa cttttttact 180 tctcatttct actccacttc tttgctataa gcaagaaatc acttctttta agctaaccca 240 aacggcctca ataaaagatc attcataaat gtatctttca attttaggat aacaatacgt 300 gaacagggtt attttttaac gtgtcaacaa attctaataa ttttacctgg ccggtgaaca 360 ccgtcttcca agataatata ttttaatttt gtagcctccc ttttaaccaa attcgcatgc 420 aggacgactt aggtgaatac acattgtact gtgagtcttt aaacaaagaa caagtggttc 480 atgctcagcc atcaaaattg acaaaacccg acacaacact ctatccacgt actatacttt 540 tggccgaatg cttctcaaaa tgttttttat atgtaaaata atgcccatcc aaggataagt 600 aaaattcccg tttaaccagt ttgttaatat atatgtttac acttacaaga ggatattcgt 660 aatactttta gacgacaaga gacttaggtc aaaaatggac gctggtaaac agcctagact 720 tggtcactga taaatagata attgttagta taatatagta ggatctacaa tgacattaaa 780 attagagcta ttaattaagt tactaataaa taagagaggt tagtaaacag aaagcaggta 840 aaaacaagag cttgctgctg tgtgtttagt tgttgtgagc tcatttcttt aaaagtaatg 900 taaactgatc taaagcacat agaaatttag tacaggttaa aacttttaca agaatttata 960 ttaaacgaaa atcattttat aacatgtctc tcggctgtca ttataatagg gatcacttac 1020 tgatcatcca ttaaaacctt gttaaaacaa attcaatgag ataaaatatc ttacaatgaa 1080 aagaaggaca atgtctcttt gaaaaaacaa ataggtactc cctccgtccc tctgaaatgt 1140 atacatatgg attggacacg gagactaaga aaaatgtata aagtaatgta gagtaaaaag 1200 aaagagaaag aaaagtgggt aaagtagcgg gacccaccaa tatataattg atagatttag 1260 aaaagtagtt gaaagtagtg ggtgggtggg atttttatat tataaaaatt tactattttg 1320 agaaagtttt gaaatgtata gaattgagtg ggacatccat aaaaggaaag tgtatagaat 1380 taaatgggac agagggagta atacctttat gatatataaa tttttgttat tttgatttca 1440 taagattata aatctatgtt ataatgataa tataatttta aaaataatac tatattaatt 1500 ctgattagtc gattaccgcc ttttataatt ttacaatact gagtaatatg aataaatcag 1560 ttatctgaaa agcaaataat atctttgtaa aacagcgttc ggtcaaatgg gaagttcatg 1620 tgtattcaat agttttaata taaaagtaaa ttttaaatta attgttattt ttgtttcaga 1680 aatttaaaat aaattattga gcatgggaag ttcacgggca tcattgagca gcactagact 1740 gtttgaacaa tgtatgtccg gtgtacatct atgacctttc aactcaaact agtgaataat 1800 gcattctagc tagaatacat cttttcaaat ttcaacaaac acagctttaa cttttctttc 1860 aacggattgg aatccttttc taaacttttt aaaataaaaa aaatgcatta ttgtaatatt 1920 tatcaacacc tcaacattga tgttagcgta ctataaatag gtgctcttgg tgctctacta 1980 tcatcacatc aatcttacac cacaaacctt gagcttaatt tttctactta ttctcagcaa 2040 taacattcta aatatc 2056 <210> 6 <211> 739 <212> DNA <213> Daucus carota L. <220> <221> cDNA <222> (14)...(478) <400> 6 cattctaaat atc atg ggt gcc cag agc cat tca ctc gag atc act tct 49 Met Gly Ala Gln Ser His Ser Leu Glu Ile Thr Ser 5 10 tca gtc tcc gca gag aaa ata ttc agc ggc att gtc ctt gat gtt gat 97 Ser Val Ser Ala Glu Lys Ile Phe Ser Gly Ile Val Leu Asp Val Asp 15 20 25 aca gtt att ccc aag gct gcc ccc gga gct tac aag agt gtc gat gtt 145 Thr Val Ile Pro Lys Ala Ala Pro Gly Ala Tyr Lys Ser Val Asp Val 30 35 40 aaa gga gac ggt gga gct gga acc gtc aga att atc acc ctt ccc gaa 193 Lys Gly Asp Gly Gly Ala Gly Thr Val Arg Ile Ile Thr Leu Pro Glu 45 50 55 60 ggt agc cca atc acc tca atg acg gtt agg act gat gca gtg aac aag 241 Gly Ser Pro Ile Thr Ser Met Thr Val Arg Thr Asp Ala Val Asn Lys 65 70 75 gag gcc ttg aca tac gat tcc aca gtc att gat gga gac atc ctt cta 289 Glu Ala Leu Thr Tyr Asp Ser Thr Val Ile Asp Gly Asp Ile Leu Leu 80 85 90 gaa ttc atc gaa tcc att gaa acc cat atg gta gtt gtg cca act gct 337 Glu Phe Ile Glu Ser Ile Glu Thr His Met Val Val Val Pro Thr Ala 95 100 105 gac gga ggt agc att acc aag acc act gcc ata ttc cac acc aaa ggc 385 Asp Gly Gly Ser Ile Thr Lys Thr Thr Ala Ile Phe His Thr Lys Gly 110 115 120 gat gcc gtg gtt cct gag gag aac atc aag ttt gca gat gct cag aac 433 Asp Ala Val Val Pro Glu Glu Asn Ile Lys Phe Ala Asp Ala Gln Asn 125 130 135 140 act gct ctt ttc aag gct att gag gcc tac ctc att gct aat taa gctga 483 Thr Ala Leu Phe Lys Ala Ile Glu Ala Tyr Leu Ile Ala Asn 145 150 gctctcaact tccgtaattt tatgagtgag tggaggaatt gcaacgtttt cttttgtgtt 543 ttgttttcga gcaacttcat aatttacaga gtgagtgaca gtcagtgaca gaattgcaac 603 tttctctttg tactttgttg tgacttgtga tgaataactt catctggctg gtaatgtatg 663 cgatcttttt aaataatatg cactattatt aaaccaataa tcatattcat tctcaaaaaa 723 aaaaaaaaaa aaaaaa 739 <210> 7 <211> 2052 <212> DNA <213> Daucus carota L. <220> <221> promoter <222> (1)...(2052) <400> 7 catgtgtgcc ctacagcaca tagggcctgt ttggttgaga gaagcagaag ctgcttctga 60 cttcttcttc ttttgacctg tttgtataaa gaagtagaaa tatttttaaa aagctgcgaa 120 tactaacttc tctctcacaa cttccgcttc ttttccaaac actttattaa cttttttact 180 tctcatttct actccacttc tttgctataa gcaagaaatc acttctttta agctaaccca 240 aacggcctca ataaaagatc attcataaat gtatctttca attttaggat aacaatacgt 300 gaacagggtt attttttaac gtgtcaacaa attctaataa ttttacctgg ccggtgaaca 360 ccgtcttcca agataatata ttttaatttt gtagcctccc ttttaaccaa attcgcatgc 420 aggacgactt aggtgaatac acattgtact gtgagtcttt aaacaaagaa caagtggttc 480 atgctcagcc atcaaaattg acaaaacccg acacaacact ctatccacgt actatacttt 540 tggccgaatg cttctcaaaa tgttttttat atgtaaaata atgcccatcc aaggataagt 600 aaaattcccg tttaaccagt ttgttaatat atatgtttac acttacaaga ggatattcgt 660 aatactttta gacgacaaga gacttaggtc aaaaatggac gctggtaaac agcctagact 720 tggtcactga taaatagata attgttagta taatatagta ggatctacaa tgacattaaa 780 attagagcta ttaattaagt tactaataaa taagagaggt tagtaaacag aaagcaggta 840 aaaacaagag cttgctgctg tgtgtttagt tgttgtgagc tcatttcttt aaaagtaatg 900 taaactgatc taaagcacat agaaatttag tacaggttaa aacttttaca agaatttata 960 ttaaacgaaa atcattttat aacatgtctc tcggctgtca ttataatagg gatcacttac 1020 tgatcatcca ttaaaacctt gttaaaacaa attcaatgag ataaaatatc ttacaatgaa 1080 aagaaggaca atgtctcttt gaaaaaacaa ataggtactc cctccgtccc tctgaaatgt 1140 atacatatgg attggacacg gagactaaga aaaatgtata aagtaatgta gagtaaaaag 1200 aaagagaaag aaaagtgggt aaagtagcgg gacccaccaa tatataattg atagatttag 1260 aaaagtagtt gaaagtagtg ggtgggtggg atttttatat tataaaaatt tactattttg 1320 agaaagtttt gaaatgtata gaattgagtg ggacatccat aaaaggaaag tgtatagaat 1380 taaatgggac agagggagta atacctttat gatatataaa tttttgttat tttgatttca 1440 taagattata aatctatgtt ataatgataa tataatttta aaaataatac tatattaatt 1500 ctgattagtc gattaccgcc ttttataatt ttacaatact gagtaatatg aataaatcag 1560 ttatctgaaa agcaaataat atctttgtaa aacagcgttc ggtcaaatgg gaagttcatg 1620 tgtattcaat agttttaata taaaagtaaa ttttaaatta attgttattt ttgtttcaga 1680 aatttaaaat aaattattga gcatgggaag ttcacgggca tcattgagca gcactagact 1740 gtttgaacaa tgtatgtccg gtgtacatct atgacctttc aactcaaact agtgaataat 1800 gcattctaga atacatcttt tcaaatttca acaaacacag ctttaacttt tctttcaacg 1860 gattggaatc cttttctaaa ctttttaaaa taaaaaaaat gcattattgt aatatttatc 1920 aacacctcaa cattgatgtt agcgtactat aaataggtgc tcttggtgct ctactatcat 1980 cacatcaatc ttacaccaca aaccttgagc ttaatttttc tacttattct cagcaatcac 2040 attctaaaga tc 2052
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明プロモーターを含有するプラスミドpCR1
6G6Pの制限酵素地図を示す図である。Promoterは本発明
プロモーターを示す。また、Ampはアンピシリン耐性遺
伝子、lacIはラクトースオペロンのリプレッサータンパ
ク質遺伝子、lacZはβ−ガラクトシダーゼ遺伝子、ORI
は複製開始点を表す。
【図2】本発明ターミネーターを含有するプラスミドpC
R16G6Tの制限酵素地図を示す図である。Terminatorは本
発明ターミネーターを示す。また、Ampはアンピシリン
耐性遺伝子、lacIはラクトースオペロンのリプレッサー
タンパク質遺伝子、lacZはβ−ガラクトシダーゼ遺伝
子、ORIは複製開始点を表す。
【図3】本発明プロモーターを挿入した発現ベクターp
BICR16G6Pの制限酵素地図およびその構築過程を示す図
である。G6-pは本発明プロモーターを示す。nos-pはノ
パリン合成酵素遺伝子のプロモーター、nos-tはノパリ
ン合成酵素遺伝子のターミネーター、35S-pはカリフラ
ワーモザイクウィルスの35Sプロモーターを意味する。
また、NPTIIはカナマイシン耐性遺伝子、GUSはβ−グル
クロニダーゼ遺伝子、HPTはハイグロマイシン耐性遺伝
子を表す。
【図4】本発明プロモーター、本発明ターミネーターを
挿入した発現ベクターpBICR16G6PTΔGの制限酵素地図お
よびその構築過程を示す図である。G6-pは本発明プロモ
ーターを示す。G6-tおよびG6-t'は本発明ターミネータ
ーを示す。RB、LBはバイナリーベクターに存在する左右
境界配列を示す。GUSはβ-グルクロニダーゼ遺伝子を表
わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:91)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の(a)または(b)のDNAを含む
    植物プロモーター。 (a)配列番号1または配列番号7で示される塩基配列か
    らなるDNA (b)配列番号1または配列番号7で示される塩基配列に
    おいて1もしくは複数の塩基が欠失、置換もしくは付加
    された塩基配列であって、配列番号1または配列番号7
    で示される塩基配列のうちの250bp以上からなる任意の
    領域における塩基配列との同一性が90%以上である塩基
    配列からなり、かつ、植物細胞においてプロモーター機
    能を有するDNA
  2. 【請求項2】以下の(c)または(d)のDNAを含む
    植物ターミネーター。 (c)配列番号2で示される塩基配列からなるDNA (d)配列番号2で示される塩基配列において1もしく
    は複数の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列
    であって、配列番号2で示される塩基配列のうちの250bp
    以上からなる任意の領域における塩基配列との同一性が
    90%以上である塩基配列からなり、かつ、植物細胞にお
    いてターミネーター機能を有するDNA
  3. 【請求項3】請求項1記載のプロモーター、所望の遺伝
    子および植物ターミネーターが機能可能な形で連結され
    てなるキメラ遺伝子。
  4. 【請求項4】請求項1記載のプロモーター、所望の遺伝
    子および請求項2記載のターミネーターが機能可能な形
    で連結されてなるキメラ遺伝子。
  5. 【請求項5】請求項1記載のプロモーターを有するベク
    ター。
  6. 【請求項6】プロモーターの下流に遺伝子挿入部位およ
    び植物ターミネーターを有する請求項5記載のベクタ
    ー。
  7. 【請求項7】請求項1記載のプロモーターの下流に遺伝
    子挿入部位および請求項2記載のターミネーターを有す
    るベクター。
  8. 【請求項8】請求項3または4記載のキメラ遺伝子を有
    するベクター。
  9. 【請求項9】請求項1記載のプロモーターが宿主細胞に
    導入されてなる形質転換体。
  10. 【請求項10】請求項3または4記載のキメラ遺伝子が
    宿主細胞に導入されてなる形質転換体。
  11. 【請求項11】請求項5〜8記載のベクターが宿主細胞
    に導入されてなる形質転換体。
  12. 【請求項12】宿主細胞が微生物細胞である請求項9〜
    11記載の形質転換体。
  13. 【請求項13】宿主細胞が植物細胞である請求項9〜1
    1記載の形質転換体。
  14. 【請求項14】形質転換植物の製造過程において、請求
    項1記載の植物プロモーターを植物細胞に導入し該プロ
    モーターの制御下に遺伝子を発現させる工程を含むこと
    を特徴とする形質転換植物の製造方法。
  15. 【請求項15】形質転換植物の製造過程において、請求
    項2記載の植物ターミネーターを植物細胞に導入し該タ
    ーミネーターの制御下に遺伝子を発現させる工程を含む
    形質転換植物の製造方法。
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