JP2003189877A - イネ葉緑体リボソームタンパク質l11遺伝子のプロモーターdna - Google Patents

イネ葉緑体リボソームタンパク質l11遺伝子のプロモーターdna

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JP2003189877A
JP2003189877A JP2002265228A JP2002265228A JP2003189877A JP 2003189877 A JP2003189877 A JP 2003189877A JP 2002265228 A JP2002265228 A JP 2002265228A JP 2002265228 A JP2002265228 A JP 2002265228A JP 2003189877 A JP2003189877 A JP 2003189877A
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Hisakazu Hasegawa
久和 長谷川
Teruhiko Terakawa
輝彦 寺川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 イネの葉緑体リボソームタンパク質L11(OsL
11)の遺伝子に対するプロモーターの遺伝子をコードす
る新規なDNAを取得する。 【解決手段】 特定の塩基配列で1265bpのサイズを有す
るDNAで、イネのOsL11の遺伝子のプロモーターをコード
するDNAを得た。また、該プロモーター遺伝子をコード
するDNA領域と、その5'側に制限酵素HindIII認識用の6b
pのDNA領域(cccaagt)と3'側に制限酵素XbaI認識用の5
bpのDNA領域(agagc)とを連結させてなる特定の塩基配
列をもつ1276bpサイズのDNA断片DNA-P2を得た。さら
に、前記の1265bpのサイズのDNA配列を内部に含有し且
つ該DNAに対するエクソン部を含有する別の特定の塩基
配列をもつ1803bpサイズのDNAをDNA-P断片として得た。
植物体中で導入された外来の有用遺伝子の発現を行うの
に有効なプロモーターとして、形質転換植物を作出する
のに有用であるOsL11遺伝子のプロモーターをコードす
るDNAを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イネの葉緑体リボ
ソームタンパク質L11(以下「OsL11」と略す)をコード
する遺伝子に対してプロモーター活性を有するプロモー
ターの遺伝子をコードするDNA配列からなる新規なDNAに
関し、さらに該プロモーターをコードするDNA配列を内
部に含むプロモーター活性のある新規なDNAに関する。
また本発明はそれらDNAの利用に関する。
【0002】
【従来技術】リボソームは生体内のタンパク質合成の中
心であり、植物においては植物細胞中の細胞質、葉緑
体、ミトコンドリア等の中に存在することが知られてい
る。このうちの葉緑体リボソームは、植物体中の葉、茎
等の葉緑体を含む細胞に多く存在し、原核生物型で50
S、30Sの2つのサブユニットから形成されていることが
知られている。そのうちサブユニットの50S粒子は23S R
NAの1分子と5S RNAの1分子と約34種のリボソームタン
パク質(L1からL34と命名されている)の1分子とで構
成されていると考えられている。また、イネの葉緑体リ
ボソームタンパク質L13およびL24をコードする核遺伝子
のDNA構造は既に知られている(非特許文献1参照)。
【0003】他方、従来用いられてきた植物細胞内で機
能することが可能なプロモーターとして、カリフラワー
モザイクウイルスの35Sプロモーター〔非特許文献2参
照〕や細菌のノパリンシンターゼプロモーター(NOS)
〔非特許文献3参照〕など各種のプロモーターが知られ
ている。
【0004】
【非特許文献1】「ブリーディング サイエンス(Breedi
ng Science)」、(日本)、1998年、第48巻、p.
145−149
【0005】
【非特許文献2】ギリー(Guilley)ら、「セル(Cel
l)」、(アメリカ合衆国)、1982年、第30巻、
p.763−773
【0006】
【非特許文献3】エバート(Ebart)ら、「プロシーディ
ング オブ ザ ナショナル アカデミーオブ サイエンス
(Proceeding of the National Academy of Science)」
(アメリカ合衆国)、1987年、第84巻、p.57
45−5749また、発現させようと所期する構造遺伝
子を、各種のプロモーターと共にプラスミドベクターに
連結することにより、組換えプラスミドを作成すること
ができることが知られ、そしてその組換えプラスミドを
植物細胞に導入することによって、植物細胞内で所期の
構造遺伝子を発現させることができることも知られてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
のOsL11をコードする遺伝子を発現するのに有効な固有
のプロモーター遺伝子をコードするDNAを、新規なDNA配
列として単離し、そして該プロモーター遺伝子をコード
するDNAの塩基配列を決定することにある。さらには、
本発明の別の目的は前記プロモーター遺伝子をコードす
る新規なDNAを提供し、またその利用方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った。その研究の結果、
後記に説明される遺伝子工学の手法によって、イネの葉
緑体リボソームのサブユニット50S粒子を構成する約34
種のタンパク質のうちのL11タンパク質をコードする遺
伝子に対するプロモーター活性を有する遺伝子をコード
する新規なDNAを見出して分離することに成功した。
【0009】また、前記のプロモーター活性を有する遺
伝子をコードする分離された新規DNAの塩基配列を、常
用のシークエンシング・キットにより決定することに成
功した。その結果、前記の分離された新規なDNAは、後
記の配列表の配列番号1に記載された塩基配列を有して
且つプロモーターDNA領域を内部に含有する1276bpのサ
イズのDNA断片であると認められた。
【0010】さらに、本発明者らは、後記の実施例1〜
2に示された手法によって、前記の分離された1276bpの
サイズの新規DNA断片における内部のDNA領域として、配
列表の配列番号1の塩基配列の5'側の7番目のcから12
71番目のtまでの領域の塩基配列を有し且つ1265bpのサ
イズを有するDNA配列がOsL11遺伝子に対するプロモータ
ーの遺伝子をコードするDNAであることを、今回知見す
ることができた。
【0011】従って、第1の本発明においては、配列表
の配列番号1に記載された塩基配列の5’側の7番目の
cから1271番目のtまでの領域の塩基配列を有し且つ12
65bpのサイズを有するDNAであって、このDNAは、イネの
葉緑体リボソームタンパク質L11をコードする遺伝子に
対するプロモーター活性を有するDNAであることを特徴
とする、前記プロモーター活性を有する前記の1265bpの
サイズのDNAが提供される。
【0012】また、第1の本発明のDNAについては、そ
の塩基配列の一部または数部分に修飾が加えられた後に
も、そのように修飾された改変DNAがOsL11遺伝子に対す
るプロモーター活性を有するDNAであることが可能であ
る。換言すれば、第1の本発明によるDNAは配列番号1
の塩基配列の5'側の7番目のcから1271番目のtまでの
領域の塩基配列の中の1個または複数個の塩基、例え
ば、1、2または3〜10個の塩基が欠失されるか、また
は別の塩基に置換されるか、または別の塩基を付加する
かした後にも、そのように修飾された改変DNAがOsL11遺
伝子に対するプロモーター活性を有する能力を保持する
ことができる。
【0013】従って、第2の本発明においては、配列表
の配列番号1に記載された塩基配列の5'側の7番目のc
から1271番目のtまでの領域の塩基配列を有し且つ1265
bpのサイズを有するDNAにおいて、1個もしくは数個の
塩基が付加されるか、および(または)欠失するか、お
よび(または)、他の塩基により置換されることによっ
て形成された塩基配列をもつDNAであるか、あるいは該
塩基配列の少なくとも一部を含むDNAであって、且つ植
物細胞中で発現されるプロモーター活性を有するDNAが
提供される。
【0014】さらに、前記のとおり、本発明者らは、Os
L11遺伝子に対するプロモーターの遺伝子をコードする1
265bpのサイズのDNA配列を内部に含有する1276bpのサイ
ズのDNA断片を新規DNAとして収得することに成功してい
る。従って、第3の本発明においては、配列表の配列番
号1に記載された塩基配列を有し且つ1276bpのサイズを
有するDNAであって、この1276bpのサイズのDNAは、イネ
の葉緑体リボソームタンパク質L11をコードする遺伝子
に対するプロモーター活性を有するDNA領域として、配
列番号1の塩基配列の5'側の7番目のcから1271番目の
tまでの領域の塩基配列を有する1265bpのサイズのDNA
配列を内部に含有することを特徴とする、前記プロモー
ター活性を有する1276bpのサイズのDNAが提供される。
【0015】また別に、本発明者らは、後記の実施例1
に示す遺伝子工学の手法によって、イネのゲノミックDN
Aライブラリーから分離、収得された新規なDNA断片とし
て、後記の配列表の配列番号2に記載された塩基配列を
有し且つ1803bpのサイズを有するDNA断片であって、こ
の1803bpのサイズのDNA断片の内部には、イネの葉緑体
リボソームタンパク質L11をコードする遺伝子に対する
プロモーター活性を有するDNA領域として、配列番号2
の塩基配列の5'側から309番目のcから1573番目のtま
での領域の塩基配列を有する1265bpのサイズのDNA配列
を含有し、さらにまた該プロモーター活性を有する前記
1265bpのサイズの該DNA配列に対する第1エクソン部を
コードするDNA領域として、配列番号2の塩基配列の5'
側から1597番目のaから1782番目のaまでの領域の塩基
配列を有するDNA配列を含有するところの、前記1803bp
のサイズのDNA断片を得ることに成功した。
【0016】従って、第4の本発明においては、配列表
の配列番号2に記載された塩基配列を有し且つ1803bpの
サイズを有するDNAであって、この1803bpのサイズのDNA
の内部には、イネの葉緑体リボソームタンパク質L11を
コードする遺伝子に対するプロモーター活性を有するDN
A領域として、配列番号2の塩基配列の5'側から309番目
のcから1573番目のtまでの領域の塩基配列を有する12
65bpのサイズのDNA配列を含有し、さらにまた該プロモ
ーター活性を有する前記1265bpのサイズの該DNA配列に
対する第1エクソン部をコードするDNA領域として、配
列番号2の塩基配列の5'側から1597番目のaから1782番
目のaまでの領域の塩基配列を有するDNA配列を含有す
ることを特徴とする、前記1803bpのサイズのDNAが提供
される。
【0017】第4の本発明による1803bpのサイズのDNA
は、配列表の配列番号2の塩基配列を有するものであ
り、しかも第4の本発明の1803bpのサイズのDNAの内部
には、イネの葉緑体リボソームタンパク質L11をコード
する遺伝子に対するプロモーター活性を有するDNA領域
として、配列番号2の塩基配列の5'側から309番目のc
から1573番目のtまでの領域の塩基配列を有する1265bp
のサイズのDNA配列を含有するが、この1265bpのサイズ
のDNA配列における塩基配列は、配列表の配列番号1に
記載の塩基配列の5'側の7番目のcから1271番目のtま
での領域の塩基配列を有し且つ1265bpのサイズを有し、
しかもプロモーター活性を有する第1の本発明のDNAの
塩基配列と全く同じである。
【0018】さらにまた、第1の本発明による1265bpの
サイズのDNA、もしくは第3の本発明による1276bpのサ
イズのDNA、あるいは第4の本発明による1803bpのDNA
は、これを、植物細胞中で発現できる既知のプラスミド
ベクターに遺伝子工学の既知の技法で連結すると、組替
えプラスミドを構築することができる。
【0019】従って、第5の本発明においては、配列表
の配列番号1または配列番号2に記載された塩基配列を
有するDNAであって、植物細胞中で発現されるプロモー
ター活性を有する該DNAを、プラスミドベクターと連結
することによって構築された組換えプラスミドが提供さ
れる。
【0020】さらに、第5の本発明によるプラスミド
は、具体的には、例えば後記の実施例2で示されるとこ
ろの発現したい遺伝子GUSを保有する組換えプラスミドp
OL11GUSであることができるが、該組換えプラスミド
を、植物細胞または植物体に導入すると、植物中で発現
させようと所期する構造遺伝子GUSを、本発明のプロモ
ーターDNAの制御下にを発現させることが可能である。
【0021】従って、第6の本発明においては、配列表
の配列番号1に記載の塩基配列の5'側の7番目のcから
1271番目のtまでの領域の塩基配列を有し且つ1265bpの
サイズを有し、しかもプロモーター活性を有する本発明
のプロモーターDNAを、発現させたい構造遺伝子と共
に、植物細胞中に導入し、そして該DNAの制御下におい
て、所期する構造遺伝子を植物細胞中で発現させる方法
が提供される。
【0022】
【発明の実態の形態】第1または第3の本発明のプロモ
ーターDNAは、本発明を完成するに際しては、後記の遺
伝子工学的技法により下記のようにして、イネのゲノミ
ックDNAライブラリーから単離されたものである。本発
明によりそのプロモーターDNAの塩基配列が配列表の配
列番号1または2に示すように明らかにされたので、配
列番号1または2に示す塩基配列に基づいて化学合成す
ることによっても取得することができる。また、前記の
塩基配列に基づいて作成した適当な合成オリゴヌクレオ
チドプライマーを用いると、イネのゲノミックDNAライ
ブラリーから、PCR法の利用により公知の方法で取得す
ることもできる。
【0023】以下に、OsL11をコードする遺伝子の発現
に有効である第1の本発明のプロモーター活性のあるDN
Aを取得する方法を例示する。
【0024】(1)イネのゲノミックDNAの調製 イネ(Oryza sativa)の茎葉、根、カルスなどの組
織、好ましくは茎葉またはカルスから、常法によりゲノ
ミックDNAを抽出する。抽出したゲノミックDNAからタン
パク質などの夾雑物を除き、さらに超遠心分離によりゲ
ノミックDNAの精製品を得る。
【0025】(2)イネのゲノミックDNAライブラリー
の作成 上記で得られたゲノミックDNA(精製品)を制限酵素Sau
IIIAIで部分消化する。得られた部分消化DNA断片をファ
ージベクター、例えばEMBL3ベクターまたはEMBL4などに
連結する。得られた組換えベクターをλファージにパッ
ケージする。こうして得られた組換えλファージを、宿
主としての大腸菌に感染させて増殖させると、ファージ
プラークとして、前記の組換えλファージを大量に得る
ことができる。この大量の組換えλファージをイネのゲ
ノミックDNAライブラリーとして利用する。
【0026】(3)イネのゲノミックDNAライブラリー
からのプロモーター遺伝子をコードするDNAの選択と分
離 上記で構築されたイネのゲノミックDNAライブラリーで
ある組換えλファージを用い、且つ後記の実施例1でイ
ネのゲノミックDNAから作られたプローブDNAを、DIGラ
ベルして得た標識プローブDNAを利用することにより、
プラーク・ハイブリダイゼーション法によって、OsL11
遺伝子のためのプロモーター遺伝子をコードするDNA配
列を含有する組換えλファージを、前記ゲノミックDNA
ライブラリーからスクリーニングによって取得すること
ができる。このスクリーニングにより、10万個の組換え
λファージプラークから、OsL11遺伝子に対するプロモ
ーター遺伝子をコードするDNA配列が組み込まれたと判
定できた組換えλファージのプラーク3個を単離するこ
とに本発明者らは成功した。
【0027】(4)イネのゲノミックDNAのうちの目的
プロモーターをコードするDNA配列を含むDNAのクローニ
ング 上記で得られた3個の組換えλファージプラークを別々
に、制限酵素PstIで消化して、ファージDNAのPstI切断D
NA断片を含む消化液を得る。これらのPstI切断DNAの溶
液をアガロースゲルにて電気泳動して、PstI切断DNA断
片を分画する。そのアガロースゲルからPstI切断DNA断
片としての約1.8Kbp(キロベースペア)のDNA-Pを含む
バンドをゲル切片として切り出す。次いで、そのゲル切
片を、DNA精製キット、例えばGenecleanII(フナコシ社
製)により精製することにより、1803bpのサイズのPstI
切断DNA断片DNA-Pの精製品を得る。
【0028】この1803bpのサイズのDNA断片、DNA-PをDN
Aライゲーションキットにより、プラスミドベクターpBl
uescript SK(−)のPstI切断部位に挿入、連結する。得
られた組換えベクターpBluescript-DNA-Pを大腸菌JM109
に導入して、組換え大腸菌JM109/ pBluescript-DNA-Pを
得る。
【0029】これで得られた形質転換大腸菌を増殖し
て、増殖された大腸菌細胞から、常法で抽出することに
より上記の組換えプラスミドベクターpBluescript-DNA-
Pを大量に得る。この組換えプラスミドベクターをPstI
で消化し、その消化液からDNA-P断片を分離する。この
操作により、OsL11遺伝子に対するプロモーター遺伝子
をコードするDNA配列を内部に含む1803bpサイズのDNA断
片DNA-Pのクローンを分離して取得できる。
【0030】(5)クローニングされたプラスミドDNA
のシークエンス解析 上記の(4)のように得た1803bpのサイズのDNA-P断片
のクローンを内部に含有するプラスミドDNAを、市販の
塩基配列決定キットで処理すると、このクローニングさ
れたDNA-P断片の塩基配列を決定できる。DNA-P断片の塩
基配列を後記の配列表の配列番号2に記載する。
【0031】このようにして解析したDNA-P断片の塩基
配列を分析すると、上記で得られた1803bpのサイズのDN
A断片DNA-PはOsL11遺伝子の第1エクソン(186bpのサイ
ズ)をコードするDNA領域を含み、さらにそのエクソン遺
伝子の翻訳開始点の上流に、所期のプロモーター遺伝子
をコードするDNA領域を含むものと推定された。
【0032】(6)プロモーター遺伝子をコードするDN
A配列を含むDNA断片の合成と単離 上記で得られた約1803bpのサイズのDNA断片DNA-Pの塩基
配列は後記の配列表の配列番号2に示される。これを参
考にして、2種類のオリゴヌクレオチド(後記の配列表
の配列番号3、4の塩基配列を有するもの)を、PCR
(ポリメラーゼ・チェイン・リアクション)法用のプラ
イマー(相補的DNA)として化学合成的作成法により構
築した。
【0033】これら2種類のオリゴヌクレオチドと、前
記(1)で得たイネのゲノミックDNAの精製品の溶液と
の混合物を用いてPCR法増幅反応を行うと、イネの葉緑
体リボソームタンパク質L11遺伝子に対するプロモータ
ーの遺伝子をコードするDNA領域(1265bpのサイズ)を
内部に含有する1276bpサイズのDNA断片を増幅できるこ
とが認められた。
【0034】このように合成して得られた1276bpのサイ
ズのDNA断片をDNA-P2と称する。このDNA-P2を、市販の
塩基配列決定キットで処理すると、DNA-P2の塩基配列を
決定できる。このDNA-P2(1276bpのサイズ)の塩基配列
を後記の配列表の配列番号1に記載する。その結果、DN
A-P2の塩基配列は前記の1803bpのサイズのDNA断片DNA-P
のうちのプロモーター遺伝子をコードするDNA領域(す
なわち配列表の配列番号2に記載の塩基配列の309番目
のcから1573番目のtまでの領域の塩基配列をもつ1265bp
のサイズのDNA配列)と、その5’側に制限酵素HindIII
認識用の6bpのDNA領域(cccaagt)と、3'側に制限酵素X
baI認識用の5bpのDNA領域(agagc)とを連結させてなる
DNA配列と一致するものと認められた。また、上記のDNA
-P2の塩基配列を示すところの、配列表の配列番号1に
記載の塩基配列のうち、その5'側の7番目のcから1271
番目のtまでの領域の塩基配列を有し且つ1265bpのサイ
ズを有するDNA領域の塩基配列は、上記の1803bpのサイ
ズのDNA断片DNA-Pの塩基配列を示す配列番号2の塩基配
列の5'側から309番目のcから1573番目のtまでの領域
の塩基配列を有する1265bpのサイズのDNA領域のもつ塩
基配列と同じであることが認められ、そして上記の1265
bpのサイズのDNA領域は、イネの葉緑体リボソームタン
パク質L11をコードする遺伝子に対するプロモーター遺
伝子をコードするDNA配列であると認められた。
【0035】このDNA-P2をプラスミドベクターpBluescr
ipt SK(−)のHindIIIおよびXbaI切断部位に挿入、連結
する。こうして得られた組換えベクターpBluescript−D
NA-P2を導入した大腸菌JM109は、大腸菌Escherichia co
li JM109(pOL11P)と命名され、独立行政法人産業技術
総合研究所特許生物寄託センターに2001年8月16日よ
り、受託番号FERM P-18464として寄託されている。
【0036】(7)プロモーター活性の検定 前記で得られたところの、イネのゲノミックDNAのクロ
ーンから分離された前記のDNA断片DNA-P2(配列番号
1)の内部に含まれてOsL11遺伝子のプロモータをコー
ドする第1の本発明の1265bpのサイズのDNA配列の機能
を確認するために、そのプロモーター活性の検定を次の
ように行った。
【0037】すなわち、前記の1276bpのサイズのDNA断
片DNA-P2(すなわち第3の本発明のDNA配列)を、レポ
ーター遺伝子であるβ−グルクロニダーゼ(GUS)遺伝
子を保持する市販のpBI221プラスミドベクター(Clont
ech社製)の、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロ
モーターと置換するように連結することによって、組換
えプラスミドベクターpBI221-DNA-P2を作成した。この
組換えプラスミドベクターpBI221-DNA-P2を常法により
植物細胞、例えばイネ培養細胞へ導入して、こうして得
られた形質転換体細胞がGUS遺伝子を発現できるかを市
販のGUS活性測定キットにより、検定した。
【0038】これらの実験から、前記のDNA断片DNA-P2
の内部におけるプロモーターをコードするDNA領域(配
列番号1の7番目のcから1271番目のtまでの領域の塩
基配列をもつ1265bpのサイズのDNA配列)がGUS活性の発
現にプロモーターとして有効であることを確認すること
ができた(詳細は後記の実施例2、3を参照)。
【0039】さらに、第1の本発明のDNA(1265bpのサ
イズ)を包有する第3の本発明のDNA(1276bpのサイ
ズ)の有用性を確認するために、第3の本発明のDNA(1
276bpのサイズ)をリジン合成遺伝子またはトリプトフ
ァン合成遺伝子の上流に連結して含有する組換えプラス
ミドベクターを作成し、常法によりイネ培養細胞に導入
し形質転換イネ植物体を得た。形質転換イネ植物体のア
ミノ酸分析の結果、リジンまたはトリプトファンが多量
に生産されることを確認でき、第3の本発明のDNA(127
6bpのサイズ)が、また従って第1の本発明のDNAがリジ
ン合成遺伝子またはトリプトファン合成遺伝子の発現に
プロモーター遺伝子として有効であることが実証できた
(後記の実施例4および5参照)。
【0040】なお、一般に、プロモーター活性を有する
DNAの塩基配列において、1個もしくは数個の塩基が欠
失、置換、挿入もしくは付加されてDNAが改変された場
合であっても、そのように改変されたDNAがプロモータ
ー活性を維持している場合があることは当業者において
広く認識されるところである。従って、配列表の配列番
号1に記載の塩基配列について、1個もしくは数個の塩
基が欠失、置換、挿入もしくは付加されて形成されたと
ころの且つプロモーター活性を有する改変DNAを得るこ
ともできる(第2の本発明)。ここでいう「数個」と
は、好ましくは2〜9個、より好ましくは2〜4個であ
る。第2の本発明による改変DNAのプロモーター活性
は、上記と同様にしてそのプロモーター活性の検定を行
うことができる。
【0041】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示して具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものでは
ない。
【0042】なお、以下の実施例で行われる実験操作の
手順は、特に記述しない限り、「Molecular Cloning」
第2版(J.Sambrookら、Cold Spring Habor Laboratory
press,1989年発行)に記載される方法に従った。
【0043】実施例1 (1)イネのゲノミックDNAの調製 イネ(品種:日本晴)のカルス2gから、公知のCTAB法
(クローニングとシークエンス:1989年、262頁〜264
頁、農村文化社)に従い、ゲノミックDNAの2mgを抽出
して精製した。
【0044】(2)イネのゲノミックDNAライブラリ
ーの構築 10μgの上記ゲノミックDNAの精製品を制限酵素SauIIIAI
で部分消化した後、得られたDNA断片を、クローニング
キット(Lambda EMBL3/Gigapack III Gold Cloning Kit
(TOYOBO社製))を用いてベクターにライゲーションし
た。得られた組換えベクターを、ラムダファージにパッ
ケイジングした。得られた組換えλファージを大腸菌XL
1−Blue MRAに感染させ増殖して、前記の組換えλファ
ージを多数を生成した。これらの得られた組換えλファ
ージを大腸菌から分離してイネのゲノミックDNAライブ
ラリーとして用いた。
【0045】(3)プローブDNAの作製 OsL11遺伝子のプロモーターDNA断片をクローニングする
ために用いるDNAプローブを作製する。このために、ま
ずプライマー設計を行った。そのためには、まず、公知
であるOsL11遺伝子のcDNAの塩基配列(GenBank accessi
on No.AB042934)を参考にして、下記に示す塩基配列を
有する2種類のオリゴヌクレオチドを、プライマー1と
プライマー2として化学合成により作成した。
【0046】(1)プライマー1 (配列表の配列番号
5に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド): 5’―ATGGCCACCACCTCCTTGTC−3’ (2)プライマー2 (配列表の配列番号6に示す塩基
配列を有するオリゴヌクレオチド): 5’―CTCGGCCGTCTTGGCATTGT−3’ なお、上記2種類のオリゴヌクレオチドの作製は、DNA合
成装置(Model 391,アプライドバイオシステムズ社
製)を用いてオリゴヌクレオチドを合成し、さらにその
合成品をイオン交換HPLCで精製することにより行った。
【0047】次に、上記のようにプライマー1およびプ
ライマー2として構築された2種類の合成オリゴヌクレ
オチドの各10pmolを第1のプライマーおよび第2のプラ
イマーとして用い、また前記の(1)で得たイネゲノミッ
クDNAの1ngをテンプレイトとして用いた。第1および
第2プライマーならびにイネゲノミックDNAを、PCR法用
の増幅反応液(10mMのTris−HCl(pH8.3)、1.5mMのMgC
l、50mMのKCl、0.001%ゼラチン、pH8.3; 4種類の
ヌクレオチドdNTPの各200μMの混合物、およびDNAポリ
メラーゼTakara Ex Taq、2.5単位)50μlに加えて、DN
Aの増幅反応を行った。ここで使用される増幅反応液
は、PCRキット(PCR Amplification Kit(宝酒造(株)
社製)により調製した。
【0048】PCR法によるDNAの上記の増幅反応は、PCR
反応装置(PERKIN ELMER社製、DNA Thermal Cycler 48
0)を用いて、変性を94℃、30秒間、アニーリングを55
℃、1分間、また伸長を72℃、1分間行う3つの反応操作
を35回繰り返すことによって実施した。
【0049】上記のようにすると、OsL11遺伝子に対す
るプロモーター遺伝子をコードするDNA配列のうちの一
部分を構成しているDNA断片が増幅生成物として生成さ
れる。このようなDNA断片の増幅生成物をプローブDNAと
して採取する。そして、該プローブDNAは上記のように
ジゴキシゲニンでラベルした後に、イネのゲノミックDN
Aライブラリーからのスクリーニングに下記の通り用い
られる。
【0050】(4)イネのゲノミックDNAライブラリー
からのスクリーニングによるプロモーター遺伝子をコー
ドするDNAの選択 上記(3)でイネゲノミックDNAから得られたプローブD
NAを、ジゴキシゲニン(DIG)でラベルして標識プロー
ブDNAを得た。ここでのプローブDNAの標識はDIG―ELISA
DNA labeling & Detection Kit(ベーリンガー・マン
ハイム社製)により行った。上記(2)で作製したイネ
のゲノミックDNAライブラリーである組換えλファージ
から、上記の標識プローブDNAの利用により、OsL11遺伝
子の発現のためのプロモーターの遺伝子をコードするDN
A配列を組み込まれ含有した組換えλファージを、スク
リーニングする。
【0051】このスクリーニングの目的のために、まず
イネゲノミックDNAライブラリーである組換えλファー
ジのプラークを1.5%寒天培地上に形成させた。その後、
それらのファージプラークをナイロン膜(アマシャム社
製)ハイボンドNに転写した。こうしてナイロン膜に転
写された組換えλファージのプラークに含まれているフ
ァージDNAは、アルカリ変性液(1.5M NaCl, 0.5M NaO
H)および中和液(1.0MTris-HCl pH7.0, 1.5M NaCl)で
それぞれ10分間処理し、その後にUV照射によりナイロン
膜上に固定した。前記のファージDNAが固定されたナイ
ロン膜をハイブリダイゼーション溶液(500mM Na−Piハ゛
ッファー、pH7.2、7%SDS、1mM EDTA)に浸し、さらに65℃で、1
0分間、しんせき処理を行った。次に、前記で得たDIGラ
ベルした標識プローブDNA(10ng/ml)の溶液を加え、65
℃で、15時間インキュベートすると、前記のファージDN
Aに対するハイブリダイゼーション反応が行われた。
【0052】その反応終了後に、洗浄液(40mM Na−Piハ
゛ッファー、pH7.2、 1%SDS)で前記のナイロン膜を20分間ずつ
3回洗浄した。その後、上記のDIG―ELISA DNA labelin
g &Detection Kitを用いて、OsL11遺伝子のためのプロモ
ーター遺伝子をコードするDNA配列を含有した目的の組
換えλファージDNAの検出を行った。
【0053】標識プローブDNAとハイブリダイズしてX線
フィルムで強くシグナルを発している3個の組換えファ
ージプラーク、すなわちOsL11遺伝子のためのプロモー
ター遺伝子をコードするDNA配列が組み込まれていると
思われる3個のファージプラークを、10万個のファージ
プラークから、ナイロン膜上で探知することができた。
そしてOsL11遺伝子のためのプロモーター遺伝子をコー
ドするDNA配列が組み込まれている3個の組換えλファ
ージプラークを単離して選抜できた。
【0054】上記のスクリーニングにより採取された上
記3個のプラークの組換えλファージから、λDNA単離
キット(Lambda DNA purification Kit(STRATAGENE社
製))により、それぞれにファージプラークの3個ごと
に別々に、λDNAを単離した。
【0055】この際の上記のλDNAの単離は次のように
して行った。すなわち、上記の3個のプラークの各々の
ファージを、それぞれ別々に大量に増殖させてそれぞれ
の培養液を得た。その各々の培養液の5mlに、DNaseI
(20mg/ml)5μlを加え、室温で15分間放置した。得ら
れたファージ増殖溶液を15000rpm、4℃で10分間遠心分
離した。得られた上清に80%DEAE−セルロース500μl加
え、室温で10分間インキュベートした。このようにイン
キュベートされた混合液を遠心分離し、得られた上清に
0.5M EDTA 40μlを添加した後、RNaseA(2mg/ml)4μ
l、Pronase(50mg/ml)15μlを加え、37℃で15分間放
置した。さらに、5%CTAB(Cetyltrimethyl−ammonium
bromide) 溶液30μlを加えた。得られた混合物を65℃、
3分間処理した後、氷中で5分間放置した。その後、反
応液を15000rpm、4℃で10分間遠心分離し、得られた沈
殿物を1.2MNaCl溶液200μlで溶解した。さらに溶解液に
500μlのエタノールを添加し、15000rpm、室温で10分間
遠心分離し、それぞれの溶液から沈殿したファージDNA
を別々に乾燥させ、50μlの水にそれぞれ溶解してファ
ージDNAを保存した。
【0056】上記の操作により、単離された3種類のフ
ァージDNAが得られた。これらファージDNAの各5μl
を、Hバッファー(宝酒造社製)中で制限酵素PstIの10
ユニットで別々に消化して、得られた消化反応液を別々
に分析した。その消化反応液をアガロース電気泳動法に
より分画してPstI切断DNA断片を採取した。その結果、
3種類のファージDNAのそれぞれの消化反応液から、同
じく約1.8kbpのDNA断片の(DNA-Pと称する)を含むバン
ドをアガロースゲルから切り出した。このバンドのゲル
切片から、GenecleanIIKit(フナコシ社製)により分
離、精製して、約1.8kbpのDNA断片DNA-Pの精製品を得
た。
【0057】上記のようにしてOsL11遺伝子のためのプ
ロモーター遺伝子をコードするDNA配列を内部に含有す
ると判定されたDNA断片として、DNA断片のDNA-Pを得
た。このDNA-PをプラスミドベクターpBluescriptIISK
(−)のPstI切断部位にDNAリゲーションキット(宝酒造
社製)により挿入、連結することによって、組換えプラ
スミドベクターpBluescript―DNA-Pを構築した。このよ
うに構築された組換えプラスミドベクターの導入で大腸
菌JM109を形質転換して、組換え大腸菌JM109/pBluescr
ipt―DNA-Pを得た。
【0058】組換えプラスミドベクターpBluscript-DNA
-Pを導入した大腸菌から、プラスミド精製キット(QIA
filter Plasmid Midi kit,QIAGEN社製)により該プラス
ミドベクターを分離且つ精製した。この精製により、上
記で得られた形質転換大腸菌から50μg(50μl)の組
換えプラスミドDNAを得た。
【0059】こうして得られたプラスミドDNAの塩基配
列を解析するために次の操作を行った。
【0060】(5)クローニングされたDNA断片DNA-Pの
DNAシークエンスの解析 上記のクローニングされたDNA断片DNA-P配列を含有した
組換えプラスミドを、市販の塩基配列決定キットで処理
すると、そのDNA断片DNA-Pの塩基配列を決定できる。そ
して、そのDNA-P断片の内部に含有されたところの、イ
ネのOsL11遺伝子のためのプロモーター遺伝子をコード
するDNA配列と、これの塩基配列とを判定できる。
【0061】上記のDNAの塩基配列の決定を行うに当っ
ては、塩基配列決定キット(Autoread Sequencing Kit
(Pharmacia Biotech社製))を用いて、反応処理を行
った後に自動シークエンサーALF DNA Sequencer II
(ファルマシア社製)で前記DNA断片DNA-Pの塩基配列を
決定した。DNA断片DNA-Pの塩基配列を配列表の配列番号
2に記載する。このようにして上記のDNA断片のDNA-P塩
基配列を判定した結果、DNA断片DNA-Pは、イネの葉緑体
リボソームタンパク質L11遺伝子の第1エクソン(186bp)
のサイズを含み、さらにその第1エクソンの遺伝子の翻
訳開始点の上流に、プロモーター遺伝子をコードするDN
A配列(1265bpのサイズ)を含む全体で1803bpのサイズの
DNA断片であると推定された。
【0062】(6) プロモーター遺伝子をコードする
DNAの合成と単離 上記で得られたDNA断片DNA-Pの塩基配列を参考にして、
2種類のオリゴヌクレオチド(後記の配列表の配列番号
3、4に示す塩基配列を有する)を、PCR法用のプライ
マーとして化学合成的作成法により構築した。
【0063】これら2種類のオリゴヌクレオチドと前記
(1)で得たイネのゲノミックDNAの溶液との混合物を用い
てPCR法増幅反応を行った。これによって、OsL11遺伝子
のプロモーター遺伝子をコードするDNA領域(1265bpの
サイズ)を内部に含有する1276bpサイズのDNA断片を増
幅できた。このようにして得られた1276bpサイズのDNA
断片をDNA-P2と称する。このDNA-P2を、市販の塩基配列
決定キットで処理すると、DNA-P2の塩基配列を決定でき
た。DNA断片DNA-P2の塩基配列を配列表の配列番号1に
記載する。
【0064】DNA-P2の塩基配列は、前記のDNA-Pのうち
のプロモーターDNA領域(すなわち配列表の配列番号2
に記載のDNAの塩基配列の309番目のcから1573番目のtま
での領域の1265bpサイズのDNA領域)と、その5’側に制
限酵素HindIII認識用の6bpのDNA領域(cccaagt)と、3'
に制限酵素XbaI認識用の5bpのDNA領域(agagc)とを連
結させてなるDNA配列と一致するものと認められた。こ
のDNA断片DNA-P2をプラスミドベクターpBluescript SK
(−)のHindIIIおよびXbaI切断部位に挿入、連結する。
こうして得られた組換えベクターpBluescript−DNA-P2
を導入した大腸菌JM109は、大腸菌Escherichia coli JM
109(pOL11P)と命名され、独立行政法人産業技術総合
研究所特許生物寄託センターに2001年8月16日より、受
託番号FERM p-18464として寄託されている。
【0065】実施例2 (1) イネにおけるプロモーター活性の検定 上記の実施例1(6)で得られたところの、イネのゲノミ
ックDNAからPCR法によりクローンとして分離、採取され
た前記の1276bpサイズのDNA断片DNA-P2について、これ
に含まれたOsL11遺伝子のプロモータ遺伝子をコードす
るDNA領域(1265bpのサイズ)のプロモーター活性を確
認するために、前記の1276bpのサイズのDNA断片DNA-P2
(これは、プラスミドベクターpBluescript−DNA-P2
を、HindIIIおよびXbaIで切断することによって1276bp
サイズのDNA断片として回収できる)を、植物細胞形質
転換用ベクターpBI221(Clontech社製)のβ−グルクロ
ニダーゼ(GUS)遺伝子の上流部分に組み込むことによ
り、下記の形質転換用ベクターを得た。
【0066】その形質転換用ベクターの作製のために
は、ベクターpBI221のDNA(1μg)を、Mバッファー中
で制限酵素HindIIIおよびXbaIの10ユニットで消化し
た。その消化液をアガロース電気泳動により約5.0kb付
近のバンドをゲルから切り出し、DNA精製キットを用い
てDNAを精製した後、10μlの滅菌水に溶解した。この
ようにして5.0kbpのサイズを有するベクター断片DNAを
得た。
【0067】このプラスミドベクターDNA断片溶液の5
μlと、上記の1276bpサイズのDNA-P2断片の5μlとを
混合した後、この混合液をDNAリゲーションキットで処
理してDNAの連結を行った。
【0068】このようにしてプラスミドベクターpBI221
のHindIII-XbaI切断DNA断片に、前記のOsL11遺伝子のプ
ロモーターDNA領域を含むDNA断片DNA-P2を連結してなる
環状の組換えベクターを作製した。この形質転換用の組
換えベクターをpOL11GUSと称する。この組換えベクター
pOL11GUSは、OsL11遺伝子のためのプロモーター遺伝子
をコードするDNAの下流に、GUS遺伝子を持ち、さらに下
流にNOSターミネーターが連結されてなる、6.3kbpのサ
イズを有する。
【0069】(2)イネのカルス細胞への検定用組換え
ベクターpOL11GUSの導入(ウイスカ法) 上記で得られた組換えベクターpOL11GUSを、イネのカル
ス細胞へ導入する操作を行った。そのためには、まず、
イネ(品種:日本晴)の完熟種子から籾殻を取除いた。
得られた種子を70%エタノール溶液に1分間、次いで次
亜塩素酸ナトリウム1%(有効塩素濃度)溶液に60分間
浸漬して種子を殺菌処理した。公知のMS培地の無機成分
組成にショ糖30g/l、植物ホルモンとして2,4-D2mg/l、
寒天8g/lを添加してなる培地に、上記で殺菌したイ
ネ種子を置床した。28℃で45日間、2000ルックスの光を
1日あたり16時間照明しながらインキュベートした。カ
ルスが形成された。その後、それらカルスを胚乳部分か
ら切り出し、孔1mmのステンレスメッシュの篩を用い
て、1mm以下のカルスをPCV(Packed Cell Volume;圧
縮細胞量)として3mlの量を得た。
【0070】チタン酸カリウム製ウイスカLS20(チタン
工業社製)5gを1.5ml容のチューブに入れ、1時間放
置した後、エタノールを除去し、完全に蒸発させて、殺
菌されたウイスカを得た。このウイスカの入ったチュー
ブに滅菌水1mlを入れ、良く攪拌した。ウイスカと滅菌
水を遠心分離し、上清の水を捨てた。このようにしてウ
イスカを洗浄した。このウイスカ洗浄操作を3回行っ
た。その後、同チューブに公知のR2液体培地の0.5mlを
加えてウイスカけんだく液を得た。
【0071】上記で得られたウイスカけんだく液の入っ
たチューブに、1mm以下のサイズのイネのカルスを250
μl入れて攪拌した後に、その混合物を1000rpmで10秒
間遠心分離し、カルスとウイスカを沈殿させ、上清を捨
て、カルスとウイスカの混合物を得た。
【0072】このカルス−ウイスカ混合物を入れたチュ
ーブに、前記の組換えベクター(すなわち前記の組換え
ベクターpOL11GUS)の10μl(10μg)と、形質転換細
胞の選抜用マーカーベクターとしての公知の組換えベク
ターpCH(ハイグロマイシン耐性)とを加え、十分振り
混ぜて均一な混合物を得た。
【0073】次にこの均一な混合物の入ったチューブを
18000xgで5分間遠心分離した。遠心分離した混合物を
再度振り混ぜ、この操作を3回反復した。
【0074】上記のようにして得られた、カルス細胞
と、ウイスカと、本発明のプロモーターDNA配列を含有
する組換えベクターpOL11GUSを収容しているチューブ
を、超音波発生機の浴槽にチューブが十分浸るように設
置した。周波数40kHzの超音波を強度0.25w/cm2で1分間
照射した。照射後、10分間、4℃でこの混合物を保持し
た。このように超音波処理した混合物を前記のR2液体
培地で洗浄し、組換えベクターpOL11GUSおよびpCHを導
入した目的の形質転換イネ細胞を有するカルスを得た。
【0075】上記で組換えベクターを導入して得た形質
転換イネ細胞を有するカルスを、3.5cmシャーレに入れ
た。さらに、R2培地の無機成分組成にショ糖30g/l、
2,4-D2mg/lを添加して得た液体培地を3ml加えた。その
後に、28℃で2000ルックスの光を1日当たり16時間照射
しながらロータリーシェーカー(50rpm)上でカルス細
胞を培養しながら分裂細胞を得た。
【0076】培養3日目に、得られた分裂細胞のけんだ
く液3mlを、公知のN6培地の無機成分組成に、ショ糖30
g/l、2,4-D2mg/l、ゲルライト3g/lおよび選抜用薬剤と
してハイグロマイシン50mg/lを添加してなる培地上に均
一の広げた。培地上の細胞を、28℃で2000ルックスの光
を1日あたり16時間照射しながら1ヶ月間培養した。1
ヶ月後に、ハイグロマイシン含有培地上で健全に生育し
ている形質転換カルスを選抜し、組換えベクターpOL11G
USおよびpCHの導入で形質転換されているイネのカルス
細胞を得た。
【0077】(2) 形質転換イネカルス細胞からの植
物体の再生 上記で得られたハイグロマイシン耐性である形質転換培
養イネカルス細胞を、MS培地の無機成分組成にショ糖30
g/l、ベンジルアデニン2mg/l、ナフタレン酢酸1mg/l、
ゲルライト3g/lを添加してなる培地上に移殖した。28℃
で2000ルックスの光を1日当たり16時間照射しながら培
養した。30日後に形成された再生植物体(幼芽)を、シ
ョ糖30g/l、ゲルライト3g/lを含むMS培地を入れた試験
管に移殖した。移殖された幼芽を20日間培養して形質転
換イネ植物体を得た。
【0078】(3)GUS活性の測定 上記で得られた組換えベクターpOL11GUSの導入で形質転
換されたイネ細胞および植物体について、GUS染色を公
知の方法(Plant Genetic Transformation andGene Exp
ression A laboratory manual,324頁〜327頁、Blackwe
ll ScientificPublications LTD)に準じて行った。す
なわち、形質転換したイネ植物体24個体からそれぞれ細
胞塊(径5mm)、葉片(7×7mm)、根(5mm長)を
採取し、24穴のマイクロプレートに入れ、染色用バッフ
ァー(2mM X-Gluc(5−ブロモ−4−クロロ−3−イ
ンドリル−β―D−グルクロン酸)、50mM NaPO4,pH7.
0)を100μlずつ添加して浸漬した。37℃で一晩保温し
た後、染色バッファーを取り除き、70%エタノールを100
μlずつ添加して洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返
した後、イネの各組織における青色色素の沈着程度を調
査した。結果を次の表1に示す。
【0079】
【表1】 染色程度の調査基準 濃 : 組織片全体が濃く染色されている 薄 : 組織片の一部が染色されている 無 : 染色されていない
【0080】実施例3 (1) タバコにおけるプロモーター活性の検定 上記の実施例1(6)で得られたところの、イネのゲノミ
ックDNAから分離された前記の1276bpサイズのDNA断片DN
A-P2が、その内部におけるOsL11遺伝子のためのプロモ
ーターをコードするDNA領域のプロモータ活性を発現す
るかを確認するために、前記の1276bpのサイズのDNA断
片DNA-P2(これはプラスミドベクターpBluescript−DNA
-P2をHindIII−XbaIで切断することによって1276bpサイ
ズのDNA断片として回収できる)を、植物細胞形質転換
用ベクターpBI121(Clontech社製)のβ−グルクロニダ
ーゼ(GUS)遺伝子の上流部分に組み込むことにより、
下記の形質転換用ベクターを得た。
【0081】その形質転換用ベクターの作製のために
は、pBI121のDNA(1μg)を、Mバッファー中で制限酵
素HindIIIおよびXbaIの10ユニットで消化した。その消
化液をアガロース電気泳動により約12.2kbp付近のバン
ドをゲルから切り出し、DNA精製キットを用いてDNAを精
製した後、そのDNA を10μlの滅菌水に溶解した。この
ようにして12.2kbpのサイズを有するベクターDNA断片を
得た。
【0082】このプラスミドベクターDNA断片溶液の5
μlと、実施例1に記載の1276bpサイズのDNA-P2断片の
5μlとを混合した後、この混合液をDNAリゲーション
キットで処理してDNAの連結を行った。このようにして
プラスミドベクターpBI121のHindIII-XbaI切断DNA断片
(12.2kbpのサイズ)に、前記のOsL11遺伝子のプロモー
ターDNA領域を含むDNA断片DNA-P2を連結してなる環状の
バイナリー組換えベクターを作製した。この組換えベク
ターをpOL11GUSAGと称する。この組換えベクターpOL11G
USAGは、OsL11遺伝子のためのプロモーター遺伝子をコ
ードするDNAの下流に、GUS遺伝子を持ち、さらに下流に
NOSターミネーターが連結されてなる、13.4kbpのサイズ
を有する。
【0083】(2)アグロバクテリウムの調製 上記(1)で作成した形質転換用ベクターPOL11GUS AG
をアグロバクテリウム法によりタバコ植物体に遺伝子導
入するために、上記ベクターをアグロバクテリウム・ツ
メファシエンス菌(LBA4404)に公知の凍結融解法(植
物細胞工学、4巻、3号、193〜203頁、1992年)により
移行させた。
【0084】(3)タバコ植物体への検定用組換えベク
ターの導入 上記のようにして得られた組換えアグロバクテリウム
を、公知のリーフディスク法(植物細胞工学、4巻、3
号、193〜203頁、1992年)により、タバコ葉片に導入さ
せる遺伝子導入操作を次のとおり行う。
【0085】温室で栽培しているタバコ(品種:Petit
Habana SR1)の葉を切り取り、有効塩素0.5%の次亜
塩素酸ナトリウム溶液で10分間滅菌処理を行った後、滅
菌水で3回洗浄した。その後、葉をメスを用いて約1cm
角に切り取り、さらに上記(2)に記載のベクターpOL1
1GUSAGを保持したアグロバクテリウム・ツメファシエン
ス菌(LBA4404)をLB培地で1昼夜培養した培養液にそ
れらの葉切片を5分間浸漬処理した。タバコ葉切片の浸
漬処理後、MS培地の無機成分組成にショ糖30g/l、ベン
ジルアデニン1mg/l、ナフタレン酢酸0.1mg/l、ゲルラ
イト3g/lを添加してなる共存培地上に移植した。
【0086】移植された葉切片を、25℃、暗黒下で3日
間培養した後、共存培地の組成にカナマイシン100mg/
l、クラフォラン500mg/lを添加してなる選抜培地に移植
した。25℃で2000ルックスの光を1日当たり16時間照射
しながら培養した。30日後に葉片の切り口から分化した
茎葉を切り取り、MS培地の無機成分組成にショ糖30g/
l、カナマイシン100mg/l、クラフォラン500mg/lを添加
してなる発根培地に移殖した。移殖された茎葉を20日間
培養して形質転換タバコ植物体を得た。
【0087】(4)GUS活性の測定 上記で得られた組換えベクターpOL11GUSAGの導入で形質
転換されたタバコ植物体におけるGUS染色を、実施例2
(4)に記載の方法に準じて行った。形質転換したタバ
コ植物体11個体から、それぞれ葉片(7×7mm)と花弁
片(7×7mm)を切り出し24穴のマイクロプレートに入れ
てGUS活性の検定を行った。タバコの葉および花弁の青
色色素の沈着程度を調査した。対照区として形質転換し
ていないタバコ植物体の葉および花弁を用いた。結果を
表2に示す。
【0088】
【表2】 染色程度の調査基準 濃 : 組織片全体が濃く染色されている 薄 : 組織片の一部が染色されている 無 : 染色されていない
【0089】実施例4 OsL11遺伝子に対するプロモーター活性を有する第1の
本発明のDNA(1265bpサイズ)の有用性を確認するため
に、植物体中の遊離リジン含量を増加させる遺伝子およ
び本発明DNAを連結して含有する組換えベクターを作成
し、該組換えベクターを更に導入した形質転換イネ植物
体を作製し、プロモーター活性を評価した。
【0090】(1) 形質転換用ベクターの作製 上記実施例2(1)で得られたところの6.3kbpの組換え
用ベクターpOL11GUS(第1の本発明のプロモーターDNA
領域を含む第3の本発明のDNA配列DNA−Pを含有する)
の内部におけるOsL11遺伝子のプロモーター遺伝子(第
1の本発明のDNA配列)の下流に、イネ由来の改変され
たジヒドロジピコリン酸合成酵素遺伝子のDNA(国際公
開第99/54483号パンフレット、参照)を組み込むことに
より、下記の形質転換用ベクターを得た。
【0091】その形質転換用ベクターの作製のために
は、ベクターpOL11GUSのDNA(1μg)を、Mバッファー中
で制限酵素XbaIおよびSacIの10ユニットで消化した。そ
の消化液をアガロース電気泳動により約4.3kbp付近のバ
ンドをゲルから切り出し、DNA精製キットを用いてDNAを
精製した後、10μlの滅菌水に溶解した。このようにし
て4.3kbpのサイズを有するベクターDNA断片を得た。
【0092】イネ由来の改変型ジヒドロジピコリン酸合
成酵素遺伝子のDNAを保有するプラスミドベクターpBlue
script−DNA−166A(国際公開第99/54483号パンフレッ
トの実施例3(4)参照)のDNA(1μg)を、Mバッファ
ー中で制限酵素XbaIおよびSacIの10ユニットで消化し
た。その消化液をアガロース電気泳動にかけ、さらに約
1.2kbp付近のバンドをゲルから切り出し、DNA精製キッ
トを用いてDNAを精製した後、10μlの滅菌水に溶解し
た。このようにして1.2kbpのサイズを有するベクターDN
A断片を得た。
【0093】この1.2kbpのプラスミドベクターDNA断片
の溶液の5μlと、上記の4.3kbpサイズのDNA断片溶液
の5μlを混合した後、この混合液をDNAリゲーションキ
ットで処理してDNAの連結を行った。
【0094】このようにしてプラスミドベクターベクタ
ーpOL11GUS のXbaI−SacI切断DNA断片に改変型ジヒドロ
ジピコリン酸合成酵素遺伝子を連結してなる環状の組換
えベクターを作製した。この形質転換用の組換えベクタ
ーをpOL11−166Aと称する。この組換えベクターpOL11−
166Aは、OsL11遺伝子のためのプロモーター遺伝子をコ
ードするDNAの下流に、イネ由来の改変型ジヒドロジピ
コリン酸合成酵素遺伝子を持ち、さらに下流にNOSター
ミネーターが連結してなる、5.5kbpのサイズを有する。
【0095】(2) 形質転換イネ植物体の作製 上記で得られた組換えベクターpOL11−166Aを、実施例
2(2)に記載のウイスカ法によりイネのカルス細胞に
導入した後、形質転換イネ植物体を得た。
【0096】(3) 形質転換イネ植物体中のリジン含
量の測定 上記(2)で得られた、組換えベクターpOL11−166Aを
導入された形質転換イネ植物体の5個体から緑色の葉を
別々に採取した。採取された各々の葉を1g乳鉢に入
れ、さらに50%アセトニトリル1mlを添加し、磨砕し
た。磨砕混合物を2ml容のチューブに移し、17000×g
の遠心加速度で20分間遠心分離した。このようにし
て、葉からリジンを抽出したアセトニトリル抽出液を得
た。
【0097】このアセトニトリル抽出液を減圧下で乾固
させた後、蒸留水1mlを加えて水溶液を得た。その水
溶液を17000×gの遠心加速度で20分間遠心分離によ
り、上清の0.5mlを得た。その上清のうち100μlに5
mM DNFB(2,4−ジニトロ−1−フルオロベンゼ
ン)100μlを混合した。得られた混合物を37℃で一
晩反応させた。この反応液に200μlのアセトニトリル
を添加し、攪拌した後、17000×gの遠心加速度で20
分間遠心分離した。上清液を高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)装置(東ソー(株)製、8020型)に注入
して遊離リジン含量を測定した。このHPLC分析に用いた
カラムは、CAPCELLPAK-C18(資生堂(株)製)であり、
展開溶媒はアセトニトリルと水を用い、アセトニトリル
の60%〜72%濃度勾配で、流量は0.8ml/分として、3
50nmの光の吸光度を測定して、リジン含量を測定した。
【0098】対照のイネ植物として、栽培種のイネ(品
種:日本晴)の植物体を用いた。得られた測定結果を表
3に示す。
【0099】〔表3〕
【0100】実施例5 OsL11遺伝子に対するプロモーター活性を有する第1の
本発明のDNAの有用性を確認するために、植物体中の遊
離トリプトファン含量を増加させる遺伝子および本発明
DNAを連結して含有する組換えベクターを作成し、該組
換ベクターを導入した形質転換イネ植物体を作製し、プ
ロモーター活性を評価した。
【0101】(1)形質転換用ベクターの作製 上記実施例2(1)で得られたところの組換え用ベクタ
ーpOL11GUS(6.3kbpのサイズ)の内部におけるOsL11遺
伝子のプロモーター遺伝子(第1の本発明のDNA配列)
の下流に、イネ由来の改変されたアントラニル酸合成酵
素αサブユニット遺伝子のDNA(国際公開第99/11800号
パンフレット、参照)を組み込むことにより、下記の形
質転換用ベクターを得た。
【0102】その形質転換用ベクターの作製のために
は、ベクターpOL11GUSのDNA(1μg)を、Mバッファー中
で制限酵素XbaIおよびSacIの10ユニットで消化した。消
化反応液からDNAを沈殿させ、遠心分離してから乾燥し
た。このDNA乾燥物を10μlの滅菌水で溶解した後、DNA
ブランティングキット(宝酒造(株)製)で平滑末端化
し、その反応液をアガロース電気泳動により約4.3kbp付
近のバンドをゲルから切り出し、DNA精製キットを用い
てDNAを精製した後、10μlの滅菌水に溶解した。この
ようにして4.3kbpのサイズを有するベクターDNA断片を
得た。
【0103】イネ由来の改変されたアントラニル酸合成
酵素αサブユニット遺伝子のDNAを保有するプラスミドp
Bluescript−DNA−D(国際公開第99/11800号パンフレッ
トの実施例2(4)参照)のDNA(1μg)を、Hバッファ
ー中で制限酵素EcoRIの10ユニットで消化した。消化反
応液からDNAを沈殿させ、遠心分離してから乾燥した。
このDNA乾燥物を10μlの滅菌水で溶解した後、DNAブラ
ンティングキット(宝酒造(株)製)で平滑末端化し、
その反応液をアガロース電気泳動にかけ、さらに約2.2k
bp付近のバンドをゲルから切り出し、DNA精製キットを
用いてDNAを精製した後、10μlの滅菌水に溶解した。
このようにして2.2kbpのサイズを有するベクターDNA断
片を得た。
【0104】この2.2kbpのプラスミドベクターDNA断片
溶液の5μlと、上記の4.3kbpサイズのDNA断片溶液の5
μlを混合した後、この混合液をDNAリゲーションキッ
トで処理してDNAの連結を行った。
【0105】このようにしてプラスミドベクターベクタ
ーpOL11GUS のXbaI−SacI切断DNA断片に改変型アントラ
ニル酸合成酵素αサブユニット遺伝子を連結してなる環
状の組換えベクターを作製した。この形質転換用の組換
えベクターをpOL11−ASA1Dと称する。この組換えベクタ
ーpOL11−ASA1Dは、OsL11遺伝子のためのプロモーター
遺伝子をコードするDNAの下流に、イネ由来の改変型ア
ントラニル酸合成酵素αサブユニット遺伝子を持ち、さ
らに下流にNOSターミネーターが連結してなる、6.5kbp
のサイズを有する。
【0106】(2) 形質転換イネ植物体の作製 上記で得られた組換えベクターpOL11−ASA1Dを、実施例
2(2)に記載のウイスカ法によりイネのカルス細胞に
導入した後、形質転換イネ植物体を得た。
【0107】(3) 形質転換イネ植物体中のトリプト
ファン含量の測定 上記(2)で得られた、組換えベクターpOL11−ASA1Dを
導入された形質転換イネ植物体の5個体から別々に緑色
の葉を採取した。採取された各々の葉から実施例4
(3)に記載の方法でトリプトファンを抽出し、遊離ト
リプトファン含量の測定を行った。
【0108】対照のイネ植物として、栽培種のイネ(品
種:日本晴)の植物体を用いた。得られた測定結果を表
4に示す。
【0109】〔表4〕
【0110】
【発明の効果】本発明により提供されるところのOsL11
遺伝子のためのプロモーターをコードするDNAは、植物
体中で導入された外来の有用遺伝子の発現を行うのに有
効なプロモーターとして利用することができるDNAであ
り、形質転換植物を作出するのに有用である。
【0111】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Hokko Chemical Industry Co.,Ltd <120> Promoter for chloroplast ribosomal protein L11 of rice <130> <140> <141> <160> <170> <210> 1 <211> 1276 <212> DNA <213> Oryza sativa <220> <223> STRANDNESS:double <220> <223> TOPOLOGY:linear <220> <223> MOLECULE TYPE:DNA(genomic) <400> 1 cccaagcttg atctagtcga gaactggttt gtagtactcg gttgtaggtg taggtggtgt 60 ttgggagagg gggtggtgtt tgggagagag cccgacttat tgttttgtga gaggatctcc 120 caaacacccc cgtagtttct cggttgaagt tgtttgtagt actcggttgt aggtgtactg 180 gaacgagccg ttggaatgag aatcaatcaa atcaatcggt gcaacgcaat tgtactactg 240 gagatccatc gtttgcttat tcggaaaata aaccaaacgg tatattttta aatgaaaaat 300 aatttatgaa taaattttca tatattcggg atataaacca aatgacatat tttcaaacaa 360 aaacaattta tgaataaagt tttgatatac atgttcttaa caatctaaaa acaaagacta 420 gaaaataaac ttcgatgaaa aaaaacctca aaatcaactt taaatttaaa gttaaaaatt 480 caaattttag ttgataaaga taagcataaa aaaaaagatg gagccatcca gtgtttacat 540 atataagttc gtatataacc actcaatcga cttgtctcta ttattataaa aattgaagat 600 gtttttatcg atattttggt acgtcatccg tgtatgagtc ggttattaag tttgttcggt 660 tttgaaaata cataaatgat ttcaatcggt tttaaattcg ttcgcttttg gaaatacagg 720 aggagttgta taagaaatat ttttttaaaa aaaacttaca tattaacttg agatgatcgg 780 aatcacaatt gcagatcatg attttattct caaagtgaat ttcaccttaa ctaaaccata 840 caacaataat aaaattaaaa tagctttcac ccgttgtaac gcacgggtat ttttttaagt 900 aactaatata aaaccgggag gataaggaaa aggggactaa atacacgtaa acaaattgac 960 atgagtcgac gcctccgacg tggtggagag ttgagcggcc ggcagttgaa tgtttgaacg 1020 gagacgcacg gcagccgggc cgcatgggcc atatgaatag gccgttttga acgtaggccc 1080 aggaagactt tcacgtgtcc ggcccgaaaa acaggcacac ccggacgagg aaagcgtatt 1140 ttcgtaattt acgctactgt caaaggaaaa cgtattaagg ttttctgtta ccagctcaag 1200 ggaggaaagg attagtagat agggaaggaa gagcagagag agcaaagctc ccgccgttca 1260 tctcctcgtc tagagc 1276
【0112】 <210> 2 <211> 1803 <212> DNA <213> Oryza sativa <220> <221> CDS <222> (1597)…(1782) <220> <223> STRANDNESS:double <220> <223> TOPOLOGY:linear <220> <223> MOLECULE TYPE:DNA(genomic) <400> 2 tctgcagcag aatttgtaac ctctgtaact tccatatatt gcaggcgcta agcaacggaa 60 gatacaagag cgtgtggcac cgtgctgtcg tcaactctga caaagcgagg atgtccgtcg 120 catcgttcct gtgcccctgc aacgacgtgc tcatcggccc agctcagaag ctcatcaccg 180 atggctcccc ggccgtctac cggaactaca cctacgacga gtactacaag aagttctgga 240 gcagaaacct cgaccaagaa cactgcttgg agctcttcag aacaacacct acagacacat 300 cttgaattct tgatctagtc gagaactggt ttgtagtact cggttgtagg tgtaggtggt 360 gtttgggaga gggggtggtg tttgggagag agcccgactt attgttttgt gagaggatct 420 cccaaacacc cccgtagttt ctcggttgaa gttgtttgta gtactcggtt gtaggtgtac 480 tggaacgagc cgttggaatg agaatcaatc aaatcaatcg gtgcaacgca attgtactac 540 tggagatcca tcgtttgctt attcggaaaa taaaccaaac ggtatatttt taaatgaaaa 600 ataatttatg aataaatttt catatattcg ggatataaac caaatgacat attttcaaac 660 aaaaacaatt tatgaataaa gttttgatat acatgttctt aacaatctaa aaacaaagac 720 tagaaaataa acttcgatga aaaaaaacct caaaatcaac tttaaattta aagttaaaaa 780 ttcaaatttt agttgataaa gataagcata aaaaaaaaga tggagccatc cagtgtttac 840 atatataagt tcgtatataa ccactcaatc gacttgtctc tattattata aaaattgaag 900 atgtttttat cgatattttg gtacgtcatc cgtgtatgag tcggttatta agtttgttcg 960 gttttgaaaa tacataaatg atttcaatcg gttttaaatt cgttcgcttt tggaaataca 1020 ggaggagttg tataagaaat atttttttaa aaaaaactta catattaact tgagatgatc 1080 ggaatcacaa ttgcagatca tgattttatt ctcaaagtga atttcacctt aactaaacca 1140 tacaacaata ataaaattaa aatagctttc acccgttgta acgcacgggt atttttttaa 1200 gtaactaata taaaaccggg aggataagga aaaggggact aaatacacgt aaacaaattg 1260 acatgagtcg acgcctccga cgtggtggag agttgagcgg ccggcagttg aatgtttgaa 1320 cggagacgca cggcagccgg gccgcatggg ccatatgaat aggccgtttt gaacgtaggc 1380 ccaggaagac tttcacgtgt ccggcccgaa aaacaggcac acccggacga ggaaagcgta 1440 ttttcgtaat ttacgctact gtcaaaggaa aacgtattaa ggttttctgt taccagctca 1500 agggaggaaa ggattagtag atagggaagg aagagcagag agagcaaagc tcccgccgtt 1560 catctcctcg tctcgccccg ctccaagcgc gccgcc atg gcc acc acc tcc ttg 1614 Met Ala Thr Thr Ser Leu 1 5 tcc ctg cat ggc gtc cca tcc ccc acc gcc acc aag ctc tcc tcc tcc 1662 Ser Leu His Gly Val Pro Ser Pro Thr Ala Thr Lys Leu Ser Ser Ser 10 15 20 ttt ctc ggc gcc ccc gcc tcc ttc ctc cgg ccg acg ccg ccg ccg ctc 1710 Phe Leu Gly Ala Pro Ala Ser Phe Leu Arg Pro Thr Pro Pro Pro Leu 25 30 35 gct gcc ccc tcg cgg agg gcg ctc gcc gtc agg gcc atg gcg cca ccc 1758 Ala Ala Pro Ser Arg Arg Ala Leu Ala Val Arg Ala Met Ala Pro Pro 40 45 50 aag ccc ggg ggc aag ccc aag aaa ggttcgtgtc tcgctctgca g 1803 Lys Pro Gly Gly Lys Pro Lys Lys 55 60
【0113】 <210> 3 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> STRANDNESS:single <220> <223> TOPOLOGY:linear <220> <223> ANTI-SENSE:NO <400> 3 cccaagcttg atctagtcga gaactg
【0114】 <210> 4 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> STRANDNESS:single <220> <223> TOPOLOGY:linear <220> <223> ANTI-SENSE:YES <400> 4 cccaagcttg gtacgtcatc cgtg
【0115】 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> STRANDNESS:single <220> <223> TOPOLOGY:linear <220> <223> ANTI-SENSE:NO <400> 5 atggccacca cctccttgtc
【0116】 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> STRANDNESS:single <220> <223> TOPOLOGY:linear <220> <223> ANTI-SENSE:YES <400> 6 ctcggccgtc ttggcattgt
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD08 CA17 CA19 CB02 CD03 CD07 CD09 CD10 CD13 CD17 4B024 AA08 CA03 DA01 DA06 EA04 GA11 4B065 AA11X AA26X AA89X AA89Y AB01 BA02 CA53

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1に記載された塩基配
    列の5’側の7番目のcから1271番目のtまでの領域の
    塩基配列を有し且つ1265bpのサイズを有するDNAであっ
    て、このDNAは、イネの葉緑体リボソームタンパク質L11
    をコードする遺伝子に対するプロモーター活性を有する
    DNAであることを特徴とする、前記プロモーター活性を
    有する前記の1265bpのサイズのDNA。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号1に記載された塩基配
    列の5'側の7番目のcから1271番目のtまでの領域の塩
    基配列を有し且つ1265bpのサイズを有するDNAにおい
    て、1個もしくは数個の塩基が付加されるか、および
    (または)欠失するか、および(または)、他の塩基に
    より置換されることによって形成された塩基配列をもつ
    DNAであるか、あるいは該塩基配列の少なくとも一部を
    含むDNAであって、且つ植物細胞中で発現されるプロモ
    ーター活性を有するDNA。
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号1に記載された塩基配
    列を有し且つ1276bpのサイズを有するDNAであって、こ
    の1276bpのサイズのDNAは、イネの葉緑体リボソームタ
    ンパク質L11をコードする遺伝子に対するプロモーター
    活性を有するDNA領域として、配列番号1の塩基配列の
    5'側の7番目のcから1271番目のtまでの領域の塩基配
    列を有する1265bpのサイズのDNA配列を内部に含有する
    ことを特徴とする、前記プロモーター活性を有する1276
    bpのサイズのDNA。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号2に記載された塩基配
    列を有し且つ1803bpのサイズを有するDNAであって、こ
    の1803bpのサイズのDNAの内部には、イネの葉緑体リボ
    ソームタンパク質L11をコードする遺伝子に対するプロ
    モーター活性を有するDNA領域として、配列番号2の塩
    基配列の5'側から309番目のcから1573番目のtまでの
    領域の塩基配列を有する1265bpのサイズのDNA配列を含
    有し、さらにまた該プロモーター活性を有する前記1265
    bpのサイズの該DNA配列に対する第1エクソン部をコー
    ドするDNA領域として、配列番号2の塩基配列の5'側か
    ら1597番目のaから1782番目のaまでの領域の塩基配列
    を有するDNA配列を含有することを特徴とする、前記180
    3bpのサイズのDNA。
  5. 【請求項5】 配列表の配列番号1または配列番号2に
    記載された塩基配列を有するDNAであって、植物細胞中
    で発現されるプロモーター活性を有する該DNAを、プラ
    スミドベクターと連結することによって構築された組換
    えプラスミド。
  6. 【請求項6】 配列表の配列番号1に記載の塩基配列の
    5'側の7番目のcから1271番目のtまでの領域の塩基配
    列を有し且つ1265bpのサイズを有し、しかもプロモータ
    ー活性を有する請求項1に記載のDNAを、発現させたい
    構造遺伝子と共に、植物細胞中に導入し、そして該DNA
    の制御下において、所期する構造遺伝子を植物細胞中で
    発現させる方法。
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