JP2004065096A - キクにおける外来DNAの発現のためのEF1α遺伝子のプロモーターの利用 - Google Patents

キクにおける外来DNAの発現のためのEF1α遺伝子のプロモーターの利用 Download PDF

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Ryutaro Hazama
間 竜太郎
Michio Shibata
柴田 道夫
Akemi Omiya
大宮 あけみ
Sanae Kishimoto
岸本 早苗
Atsuhiko Niina
新名 淳彦
Kazuya Yoshida
吉田 和哉
Shingo Nagaya
長屋 進吾
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Abstract

【課題】キクにおいて外来DNAを安定に発現させる方法を提供すること、並びに該方法により外来DNAが安定に発現されたキク細胞およびキク植物体を提供することを目的とする。
【解決手段】タバコBY2細胞において高発現している遺伝子を同定したところ、公知のEF1α遺伝子と有意な相同性を示した。同定した遺伝子の5’上流領域を単離し、キク植物体におけるプロモーター活性を検討したところ、この5’上流領域が形質転換キク植物体において長期間安定的に高いプロモーター活性を示すことを見出した。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キクにおける外来DNAの発現のためのEF1α遺伝子のプロモーターの利用に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の植物分子生物学の発展に伴い、センス遺伝子やアンチセンス遺伝子あるいは2本鎖RNAを植物細胞内で発現させ、病虫害抵抗性、除草剤耐性、環境ストレス耐性、有用物質生産、新規な花色、新規な形態などの有用形質を備えた植物新品種等を分子育種することが可能となってきた。即ち、目的の形質の発現に関与する遺伝子を、植物で発現可能なプロモーターにセンス方向、アンチセンス方向、又は2本鎖RNAを形成するように連結してキメラ遺伝子を作成し、これをベクターを用い、あるいは直接、植物細胞の染色体に導入することにより、その目的形質の遺伝子を発現または、抑制するというものである。かかる手法を応用することにより、例えば、Bacillus thuringensis由来の殺虫性BT毒素遺伝子をセンス方向に導入した虫害抵抗性植物(D.A.Fischhoff等、Bio/Technology、vol.232:738、1987)や、トマト果実の登熟に関するポリガラクツロナーゼ遺伝子をアンチセンス方向に導入した日持ち良好なトマト(C.J.Smith等、Nature、vol.334:724、1988)等が作出されている。
【0003】
このような形質転換植物に導入される遺伝子のプロモーターとしては、多くの場合、カリフラワーモザイクウィルス(CaMV)の35Sプロモーター(以下単に35Sプロモーターという)が用いられている。この35Sプロモーターは、多くの双子葉植物で遺伝子からRNAを強力に転写する働きを有し、多くの組織で非常に強く発現することから形質転換植物において最も広く使われている。
【0004】
しかしながら、以下のような問題がある。第一に、 単子葉植物においてはそれほど発現が強力でない。第二に、単子葉、双子葉を問わず、多くの植物で、後代においては、発現が見られなくなる場合がある。第三に、35Sプロモーターには高頻度に組換えを引き起こす配列が含まれており(A.KohliらPlant J 1999 Mar;17(6):591−601)、プロモーター配列自体が染色体上で不安定である。
【0005】
キクについても、35Sプロモーターを用いて外来遺伝子の発現が試みられてきた。ところが、キクにおいては、35Sプロモーターを用いた場合、外来遺伝子を発現する個体は得られにくく、発現が見られる個体が得られたとしてもその発現レベルは低く、しかも成長するにつれて発現が弱くなり、最終的には発現が見られなくなることが知られている(Y. TakatsuらPlant Biotechnology, 2000, 17 (3), 241−245)。すなわち、35Sプロモーターはキクにおいて外来遺伝子を発現させる場合の安定性に問題があり、キクにおいて効率良く安定発現できるプロモーターの開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、キクにおいて外来DNAを安定に発現させる方法を提供することにある。さらに、本発明は、該方法により外来DNAが安定に発現されたキク植物細胞およびキク植物体を提供することをも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
高発現している遺伝子は強力なプロモーターの支配下にあると予想される。このため、植物において高発現している遺伝子のプロモーターを利用することで、キクにおいて外来遺伝子を安定的に発現させることができる可能性がある。本発明者は、このような考えに基づき、以下のようにして高発現遺伝子を検索し、その強力なプロモーターを単離した。
【0008】
まず培養3日目のタバコBY2細胞からmRNAを調製し、大腸菌宿主のプラスミドcDNAライブラリーを作製した。次にmRNAを鋳型にしてα−32P−dCTPで標識した一本鎖cDNAプローブを作製し、大腸菌ライブラリー1,000クローンについてコロニーハイブリダイゼーションによるスクリーニングを行った。蓄積mRNA量がシグナルの強弱に反映されると考え、強いシグナルを有するクローンを選択することにより、高発現遺伝子の単離を行った。一次スクリーニングで得られた50クローンについて、ノザン・サザンハイブリダイゼーションを行い、蓄積mRNA量が多く、かつ染色体上のコピー数が少ない3種のクローン(クローン27、クローン29、クローン38)を得た。塩基配列の決定および相同性検索を行った結果、以下の遺伝子、クローン27:アラビドプシスcDNAクローン108C7(機能未知)、クローン29:サツマイモF1−ATPaseδサブユニット、クローン38:タバコエロンゲーションファクター(elongation factor)1αと高い相同性を示した。このうち、クローン38はタバコEF1αと92%の高い相同性を示したことから、タバコEF1αと同定した。クローン38のcDNAの5’上流領域を取得するため、cDNAの5’末端領域をプローブとして約 100万個のタバコBY2細胞のファージゲノムライブラリーをスクリーニングした。得られた3個の陽性クローンについて、ファージのアームとEF1αのcDNAの配列に基づいてプライマーを設計してPCRを行い、増幅した約4 kbのDNA断片をpUC118に導入した。クローン化したDNA断片内に存在するHindIIIとベクターのBamHI部位で切断し、得られた1.7 kbのDNA断片をpBluescript SK (−)のHindIII、BamHI部位に導入した。次に塩基配列の決定を行いEF1αのcDNAの5’上流領域のDNA断片であることを確認した。この組み換えプラスミドをHindIII、BamHIで切断し、レポーターGUS遺伝子を有するpBI101.1のHindIII、BamHI部位に導入してプロモーター活性を測定する植物導入用プラスミドを構築し、pBIEF1αと命名した。このプラスミドを用いてキク形質転換体を作出しGUS活性の測定を行った。その結果、タバコより単離したEF1αプロモーターが形質転換キク植物体において長期間(少なくとも8ヶ月間)安定的に高発現できることを見出した。
【0009】
EF1α遺伝子は、動物・植物の別を問わず恒常的に高発現することが知られている。しかしながら、グラジオラスにおいてアラビドプシスのEF1αプロモーターの発現を調査した例では35Sプロモーターよりも発現能力が低く、平均すると約3割程度の活性しか示さなかった(Plant Cell Reports 1999;18:809−815)。この事実は、EF1αプロモーターが植物において高い活性を示すか否かは予期できないことを意味する。本発明者らは、キクにおいて、初めて、EF1αプロモーターが外来DNAを安定的に高発現させる能力を有することを実証することに成功した。
【0010】
即ち、本発明は、キクにおける外来DNAの発現のためのEF1α遺伝子のプロモーターの利用に関し、より詳しくは、
(1) キク植物体において所望DNAを発現させる方法であって、下記(a)〜(c)のいずれかに記載のDNAの下流に、該DNAの制御下で発現させる所望のDNAが結合されているDNA構築物をキク細胞に導入し、該キク細胞からキク植物体を再生させることを含む方法、
(a)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNA
(b)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、キク細胞においてプロモーター活性を有するDNA
(c)配列番号:1に記載の塩基配列において、1または複数の塩基が置換、欠失、付加、および/または挿入された塩基配列からなり、キク細胞においてプロモーター活性を有するDNA
(2) 下記(a)〜(c)のいずれかに記載のDNAの下流に、該DNAの制御下で発現するように所望のDNAに結合されているDNA構築物が導入された、キク細胞、(a)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNA
(b)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、キク細胞においてプロモーター活性を有するDNA
(c)配列番号:1に記載の塩基配列において、1または複数の塩基が置換、欠失、付加、および/または挿入された塩基配列からなり、キク細胞においてプロモーター活性を有するDNA
(3) (2)に記載のキク細胞を含むキク植物体、
(4) (3)に記載のキク植物体の子孫またはクローンである、キク植物体、
(5) (3)または(4)に記載のキク植物体の繁殖材料、を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明におけるEF1αプロモーターとしては、キク細胞内においてプロモーター活性を有するものであれば特に制限はない。配列番号:1に示す塩基配列を有するタバコ由来のDNAが好適な一例であるが、他の植物から単離したものを用いることもできる。
【0012】
配列番号:1に示す塩基配列を有するタバコ由来のDNAに対応する他の植物のDNAを単離する場合には、一般的なハイブリダイゼーション技術(Southern, EM.,J Mol Biol, 1975, 98, 503.)、またはPCR技術(Saiki, RK. et al., Science, 1985, 230, 1350.、Saiki, RK. et al., Science, 1988, 239, 487.)を利用することができる。即ち、当業者であれば、配列番号:1に示すDNAもしくはその一部をプローブとして、または、該DNAに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドをプライマーとして、所望の生物から上記タバコ由来のDNAに対応するDNAを単離することができる。このようなDNAを単離するためには、好ましくはストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーション反応を行う。本発明においてストリンジェントなハイブリダイゼーション条件としては、6M 尿素、0.4%SDS、0.5×SSCの条件、または0.1% SDS(60℃、0.3mol NaCl、0.03M クエン酸ソーダ)のハイブリダイゼーション条件、あるいはこれらと同等のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を指す。よりストリンジェンシーの高い条件、例えば、6M 尿素、0.4% SDS、0.1×SSCの条件下では、より相同性の高いDNAを単離できることが期待される。
【0013】
このようにして単離されたDNAはタバコ由来のDNAと有意な相同性を有する。有意な相同性とは、塩基配列全体で好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上(例えば、95,96,97,98,99%以上)の配列の同一性を指す。塩基配列の同一性は、カーリンおよびアルチュールによるアルゴリズムBLAST(Proc. Natl. Acad. Sei. USA, 1990, 87, 2264−2268.、Karlin, S. & Altschul, SF., Proc Natl Acad Sci USA, 90, 5873.)を用いて決定できる。BLASTのアルゴリズムに基づいたBLASTNと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul, SF. et al., J Mol Biol, 1990, 215, 403.)。BLASTNを用いて塩基配列を解析する場合は、パラメーターは、例えばscore=100、wordlength=12とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合は、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)。
【0014】
また、本発明におけるEF1αプロモーターとしては、キク細胞においてプロモーター活性を示す限り、配列番号:1に記載の塩基配列において、1または複数の塩基が置換、欠失、付加、および/または挿入された塩基配列からなるDNAであってもよい。このようなDNAを調製するために当業者によく知られた方法としては、例えば、site−directed mutagenesis(Kramer, W. & Fritz, HJ., Methods Enzymol, 1987, 154, 350.)による変異の導入を挙げることができる。また、DNAにおける塩基の変異は、自然界において生じることもある。
【0015】
調製されたDNAがプロモーター活性を有するか否かは、当業者においてはレポーター遺伝子を用いた周知のレポーターアッセイ等により検討することが可能である。レポーターアッセイにおいては、調製されたDNAの下流にレポーター遺伝子が発現可能に結合されたDNA構築物を作製し、これをキク細胞に導入して、該細胞内のレポーター活性を測定する。レポーター遺伝子としては、その発現が検出可能なものであれば特に制限されず、例えば、当業者において一般的に使用されるCAT遺伝子、lacZ遺伝子、ルシフェラーゼ遺伝子、β−グルクロニダーゼ(以下、GUS)遺伝子、およびGFP遺伝子等を挙げることができる。また、遺伝子の発現または該遺伝子によってコードされるタンパク質の活性を検出することが可能な遺伝子をレポーターとして、該遺伝子の発現、または該遺伝子によってコードされるタンパク質の活性を評価することにより、任意のDNAがプロモーター活性を有するか否かを検討することも可能である。
【0016】
レポーター遺伝子の発現レベルは、該レポーター遺伝子の種類に応じて、当業者に公知の方法により測定することができる。例えば、レポーター遺伝子がCAT遺伝子である場合には、該遺伝子産物によるクロラムフェニコールのアセチル化を検出することによって、レポーター遺伝子の発現レベルを測定することができる。レポーター遺伝子がlacZ遺伝子である場合には、該遺伝子発現産物の触媒作用による色素化合物の発色を検出することにより、また、ルシフェラーゼ遺伝子である場合には、該遺伝子発現産物の触媒作用による蛍光化合物の蛍光を検出することにより、また、GUS遺伝子である場合には、該遺伝子発現産物の触媒作用によるGlucuron(ICN社)の発光や5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−グルクロニド(X−Gluc)の発色を検出することにより、さらに、GFP遺伝子である場合には、GFPタンパク質による蛍光を検出することにより、レポーター遺伝子の発現レベルを測定することができる。
【0017】
本発明におけるEF1αプロモーターは、ゲノムDNAであっても、化学合成DNAであってもよい。ゲノムDNAの調製は、当業者にとって常套手段を利用して行うことが可能である。ゲノムDNAは、例えば、植物細胞からゲノムDNAを抽出し、ゲノミックライブラリー(ベクターとしては、プラスミド、ファージ、コスミド、BAC、PAC等が利用できる)を作製し、配列番号:1に記載のタバコ由来のDNAまたは他の植物由来の対応するDNAを基に調製したプローブを用いてコロニーハイブリダイゼーション、あるいはプラークハイブリダイゼーションを行うことにより調製することが可能である。また、これらDNAに特異的なプライマーを作成し、植物細胞から抽出されたゲノムDNAを鋳型にPCRを行うことによって調製することも可能である。
【0018】
このようにして調製されたEF1αプロモーターを利用してキク植物体において所望DNAを発現させるには、該EF1αプロモーターの3’側下流に、その制御下で発現する所望のDNAが結合されているDNA構築物を作製し、これをキク細胞に導入し、該キク細胞からキク植物体を再生させる。DNA構築物においては、構造遺伝子の第一イントロンを含む一部を連結することで、プロモーター活性をさらに向上させることができる。
【0019】
EF1αプロモーターの下流に連結するDNAとしては、特に制限はなく、キク細胞内で発現させたい所望のDNAである。EF1αプロモーターを利用して、β−グルクロニダーゼ遺伝子のみならず、他の様々なタンパク質をコードする遺伝子、アンチセンス遺伝子、2本鎖RNA又はリボザイムRNA等の発現を制御することができる。EF1αプロモーターの下流に連結するDNAとしては、目的に応じて、例えば、以下のものが考えられるが、これらに限られない。農業的に優れた形質を付与する遺伝子としては、例えば、耐病性、耐虫性、耐ウイルス性、細菌抵抗性、カビ抵抗性、ストレス耐性、花色関連遺伝子、形態形成に関与する遺伝子、生理活性物質の生合成系遺伝子、有用物質生産遺伝子等がある。医薬産業等において有用な物質の生産に関与する遺伝子としては、ワクチン遺伝子、抗体遺伝子、医薬原料生産遺伝子等が挙げられる。化学工業等においては、有用な物質の生産に関与する遺伝子、例えば、油脂の生合成系遺伝子、工業用酵素遺伝子等が考えられる。研究目的では、遺伝子発現機構の研究に必要とされる遺伝子等が考えられる。これらは自然界の生物からクローン化した遺伝子、化学合成遺伝子、あるいはそれらの組み合わせやそれらの改変遺伝子でも良い。また、導入する遺伝子の数も1個に限らず複数でもよい。
【0020】
このようにして作製されたDNA構築物のキク細胞への導入は、当業者に公知の方法により実施することができる。即ち、このDNA構築物を用い、植物に感染する細菌アグロバクテリウム・ツメファシエンス(以下、A.ツメファシエンスと略す。)、アグロバクテリウム・リゾジェネシス等を媒介として植物細胞への遺伝子導入を行うこともでき、また、マイクロインジェクション法、エレクトロポレーション法、ポリエチレングリコール法、リポソーム融合法、遺伝子銃等の物理的・化学的手法により、直接的にキク細胞への遺伝子導入を行うこともできる(I.Potrykus、Annu.Rev.Plant Physiol.Plant Mol.Biol.、42:205、1991)。しかし、これらの方法に限られない。
【0021】
上記アグロバクテリウム法を用いる場合、例えばNagelらの方法(Microbiol. Lett. 67: 325, 1990)が用いられる。この方法によれば、組み換えベクターをアグロバクテリウム細菌中に形質転換して、次いで形質転換されたアグロバクテリウムを、リーフディスク法等の公知の方法により植物細胞に導入する。通常、EF1αプロモータの下流には、該プロモーターにより制御されるDNAが位置し、さらに該DNAの下流にはターミネーターが位置する。また、上記ターミネーターは、カリフラワーモザイクウイルス由来のターミネーター、あるいはノパリン合成酵素遺伝子由来のターミネーター等を例示することができるが、植物体中で機能するターミネーターであれば、これらに限定されない。
【0022】
上記DNA構築物を導入するキク細胞としては、植物体へ再生可能な形態である限り、特に制限はない。例えば、葉、根、茎、花および種子中の胚盤等の細胞、カルス、懸濁培養細胞等が挙げられる。DNA構築物は、形質転換された植物細胞を効率的に選択するために、適当な選抜マーカー遺伝子を含む、もしくは選抜マーカー遺伝子を含むプラスミドベクターと共に植物細胞へ導入するのが好ましい。この目的に使用する選抜マーカー遺伝子は、例えば抗生物質ハイグロマイシンに耐性であるハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、カナマイシンまたはゲンタマイシンに耐性であるネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、および除草剤ホスフィノスリシンに耐性であるアセチルトランスフェラーゼ遺伝子等が挙げられる。DNA構築物を導入したキク細胞は、導入された選抜マーカー遺伝子の種類に従って適当な選抜用薬剤を含む公知の選抜用培地に置床し培養する。これにより形質転換されたキク培養細胞を得ることができる。
【0023】
さらに、これらの方法等により形質転換されたキク細胞からは、適当な条件下で培養することにより、植物体を再分化させることもできる(G.R. Rout and P.Das、Scientia Horticulturae、69:239、1997)。また、茎頂に導入することにより、特に再分化技術を用いることなく、形質転換植物を得ることもできる。このようにして得られたキク細胞、キク植物体は、外来DNAを安定に発現することができる。
【0024】
一旦、染色体内に本発明のDNAが導入された形質転換植物体が得られれば、該植物体から有性生殖または無性生殖により子孫を得ることが可能である。また、該植物体やその子孫あるいはクローンから繁殖材料(例えば種子、株、カルス、プロトプラスト等)を得て、それらを基に該植物体を量産することも可能である。
【0025】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
タバコ全RNAの調製は塩酸グアニジン法(J. Logemann. et al, Anal. Biochem., 163, 16−20, 1987)を用いて行った。タバコBY2細胞を遠心分離(3,000 回転、10 分、0℃)し、上清を除いたのち液体窒素中で凍結させ、冷却した乳鉢と乳棒で粉末状になるまで破砕した。この細胞3 gを15 ml のグアニジン溶液の入った遠心管に入れてよく混合し、遠心分離(10,000 回転、10 分、0℃)した。上清を別の遠心管に移し、フェノール/クロロフォルム/イソアミルアルコール(25:24:1)を等量加え、遠心分離(10,000 回転、30 分、室温)した。水層を別の遠心管に移し、7/10倍量の100%エタノール、1/5倍量の1 M 酢酸を加え、−80℃に1時間静置した。その後、遠心分離(15,000 回転、30 分、0℃)により核酸を沈殿させた。沈殿を1 ml の3 M酢酸ナトリウム(pH 5.2)によく懸濁し、遠心分離(10,000 回転、5 分、室温)を行った。この操作を 2 回繰り返し、得られた沈殿を 70%エタノールでリンスし減圧乾固後、50 μlのRNaseフリーの滅菌水に溶解した。
【0026】
ポリ(A)RNAの調製は、Oligo(dT)−Cellulose Type7(Pharmacia社製、以下 Oligo−dT)を用いた。 Oligo−dT 50 mgを1.5 mlチューブに入れ、RNaseフリーの滅菌水を1 ml加えてよく撹拌し、1〜2 分静置したのち上層を取り除いた。再度同様の操作を行い、RNaseフリーの滅菌水を1 ml加えて撹拌しパスツールピペットを用いてPoly Prep Chromatography Columns (BIO RAD社製、以下 カラム)に充填した。カラムに2 mlの0.1 N NaOH/5 mM EDTAを加えて洗浄した。この操作を3回繰り返した後、RNaseフリーの滅菌水を加えて溶出液のpHを8.0以下としてから7 mlの1×loading Buffer(10 mM Tris−HCl pH7.4, 0.5 M NaCl, 5 mM EDTA)で洗浄した。3.0 μgの全RNAをRNaseフリーの滅菌水に溶かし等量の2×loading Buffer(20 mM Tris−HCl pH7.4, 1 M NaCl, 10 mM EDTA)を加え、65℃で2 分加熱し氷上で急冷後、カラムに加えた。全RNAが流れ切ったのち300μlの1× loading Bufferを加えた。さらに、カラムに全 RNAを加えてからの溶出液を回収し、65℃で 5 分加熱し氷上で急冷後、カラムに加えた。次にカラムに3 mlの1×loading Bufferを加え洗浄した。この操作を3回繰り返したのち、elution Buffer(10 mM Tris−HCl pH7.4, 5 mM EDTA)を各150 μl加えて溶出させ、それぞれ別々の1.5 mlチューブ(フラクション 1〜5)に回収した。各フラクション2μlと20μlのエチジウムブロマイド(1μg/ml)を混合しUVトランスイルミネーター上で観察し、ポリ(A)RNAの溶出フラクションを決定した。ポリ(A)RNAの溶出フラクションを一本の1.5 mlチューブにまとめ、2 M potassium acetateと2 M NaClをそれぞれ1/10倍量、そして2倍量の100%エタノールを加えてよく混合し−20℃で一晩静置した。遠心分離(15,000 回転、20 分、0℃)して沈殿を70%エタノールで洗浄、乾燥し20μlのRNaseフリーの滅菌水に溶解した。このmRNAを鋳型にTime Saver cDNA Synthesis Kit(Pharmacia社製)を用いてcDNAを合成し、pT7T3D/EcoRI, NotI, BAP(Pharmacia社製)に連結した。大腸菌DH5αにエレクトロポレーション法(10%グリセロール中、電気パルスとして2.5 KV、25μFを付与。BioRad社製GENE PULSERIIを使用)を用いて導入し、1×10 cfu/μgのプラスミドcDNAライブラリーを作製した。
【0027】
タバコからのゲノムDNAの抽出はCTAB法(H, Fromm, EMBO J., 4, 291−295, 1987)を用いて行った。タバコBY2細胞を遠心分離(3,000 回転、10 分、0℃)し、上清を除いたのち液体窒素中で凍結させ、冷却した乳鉢と乳棒で粉末状になるまで破砕した。この細胞15 gをあらかじめ70℃に保温した15 mlの2×CTAB(2% CTAB, 0.1 M Tris−HCl pH8.0, 1.4 M NaCl, 1% PVP)に加え混合した。60℃で時々反転混和させながら10分間保温し、その後15mlのクロロフォルム/イソアミルアルコール(24:1)を加え、10分間穏やかに反転混和して遠心分離(2800回転、10分、室温)を行った。上清を回収し、同様にクロロフォルム抽出を行い、1.5 mlの10% CTAB(10% CTAB, 0.7 M NaCl)を加えてよく混合した。再度、同様にクロロフォルム抽出を行い、上清を回収した。次に15 mlのイソプロパノールを加え、穏やかに混合し、糸状に析出した ゲノムDNAを滅菌したガラス棒に巻き付け、5mlのNaCl/TE(1 M NaCl, 10 mM Tris−HCl pH8.0, 1 mM EDTA)に移し溶解した。等量のイソプロパノールを加えたのち、析出したゲノムDNAをガラス棒で80%エタノールに移し、洗浄した。再び、ガラス棒を用いて、1 mlのTE(10 mM Tris−HCl pH8.0, 1 mM EDTA)に移し溶解した。次に10 mg/ml RNaseを10μl加え、37℃、1時間保温した。調製したゲノムDNAを用いてSau3AIによる部分消化を行い、約20 kb程度のDNA断片が得られるような条件を決定した。この条件を用いて部分消化したDNA 150μgを、10〜40%ショ糖密度勾配中に加え、33,000回転、20時間、22℃で超遠心を行った。その後、250μlずつ分画し、その内 20μlについてアガロースゲル電気泳動を行い、15〜20 kbのDNA断片を含む分画を集めエタノール沈殿し濃縮した。このDNAとEMBL3/BamHI ベクター(STRATAGENE社製)を連結し、Gigapack II packaging extracts(STRATAGENE社製)を用いてパッケージングを行った。その結果、1×10pfu/μgのゲノムライブラリーを作製した。
【0028】
スクリーニングによって得られたEF1αのcDNAの5’上流領域を保持すると考えられるファージについてPCRを行い、5’上流領域のDNA断片の単離を行った。ファージのライトアームおよびレフトアームの配列から2種のプライマー、5’−GCCACACATGAGGAATACCG−3’(配列番号:2)、5’−TCCCACTCCCTGCCTCTGTC−3’ (配列番号:3)を設計した。またEF1αの推定開始コドンの3’下流63 bpに位置するプライマー、5’−CGACTTTCCAGAGTCGACGTGGCC−3’(配列番号:4)を設計した。これらのプライマーを用いてPCR((98℃20 秒→68℃15 分)X30サイクル)を行った。ライトアームおよびEF1αのプライマーセットを用いて増幅した約4 kbのDNA断片をBKL Kit(宝社製)を使用してpUC118のHincII部位に導入した。次に、クローン化したDNA断片内に存在するHindIIIとベクターのBamHI部位で切断し、得られた1.7 kbのDNA断片をpBluescript SK (−)のHindIII、BamHI部位に導入し塩基配列を決定した。その結果、用いたEF1αのプライマーの配列を含み、かつ、すでに得ていたEF1αのcDNAの5’末端の配列と一致したため、得られたDNA断片はEF1αのプロモーターを含む上流領域と同定した。次にこの組み換えプラスミドをHindIII、BamHIで切断し、pBI101.1のHindIII、BamHI部位に導入した(pBIEF1α)。なお、EF1αの開始コドンを含む形で導入するため、EF1α由来の21アミノ酸およびベクターのマルチクローニング部位由来の10アミノ酸がGUSタンパク質のN末端に付加されている。
【0029】
次いで、pBIEF1αをアグロバクテリウム法により、キク(Dendranthema grandiflorum (Ramat.) Kitamura, 品種 セイマリン)に導入した。即ち、pBIEF1αをエレクトロポレーション法によりA.ツメファシエンスEHA105に導入した(10%グリセロール中、電気パルスとして2500V、25μFを付与。バイオラッド社製 GENE PULSERII を使用。)後、このA.ツメファシエンスをカナマイシン50mg/lを含むLB寒天培地(トリプトン1%、食塩0.5%、酵母エキス0.5%)で28℃、2日間培養することにより選抜し、これをカナマイシン50mg/lを含むLB培地で終夜液体培養したものを無菌培養したキクの葉に感染させた。
【0030】
キクの形質転換は以下の手順で行った。キク品種‘セイマリン’の無菌植物の葉を5mm角程度に切り外植片とした。葉切片をアグロバクテリウム懸濁液に約30分つけた後、余分な菌液をろ紙で除いて共存培養培地(ムラシゲ・スクーグ基本培地(以下、MSと略す。)、3%しょ糖、0.8%寒天、2mg/lナフタレン酢酸、1mg/lベンジルアデニン、1g/l カザミノ酸、100μM アセトシリンゴン)に葉の裏側を上向きにして置き、22℃・暗黒下で2日間共存培養した。共存培養終了時には、外植片をカルベニシリン 300mg/l、Tween 20 1%を含む10mM硫酸マグネシウム溶液中で、25℃1時間振とうして除菌した。次に、外植片を、選抜培地A(MS、3%しょ糖、0.8%寒天、2mg/lナフタレン酢酸、1mg/lベンジルアデニン、300mg/l カルベニシリン、25mg/l パロモマイシン)に移し、20℃、低照度(7μmol/s/m2)で培養した。2週間後、新しい選抜培地Aに移し、さらに2週間後、選抜培地B(MS、3%しょ糖、0.8%寒天、0.02mg/lナフタレン酢酸、1mg/lベンジルアデニン、10.0mg/l ジベレリン酸、300mg/l カルベニシリン、25mg/l パロモマイシン)に移した。次いで、2週間ごとに新しい選抜培地Bに移し、シュートが2−3mm長になった時点でシュートをかきとり伸長培地(無機塩濃度が1/2のMS、300mg/lカルベニシリン)に移した。さらに、伸長培地上で伸長したシュートの葉を5mm角に切り選抜培地Aで培養して抗生物質抵抗性を確認した。
【0031】
得られたpBIEF1α導入キク植物、即ちタバコEF1αプロモーター−GUS融合遺伝子を有するキクについて、Jefferson et al. (EMBO J. 1987, 6, 3901 − 3907)の方法に基づき、GUS遺伝子の発現試験を行った。定量的分析には、再分化から1(培養葉1)ないし2ヶ月(培養葉2)経過した培養植物の葉、および、8ないし10ヶ月経過した隔離温室で育成した植物の葉(温室葉)と花弁(温室花弁)を材料とし、4−methylumbelliferyl−β−D−glucuronide (MUG) を基質として用いた。葉片をすりつぶして得た抽出液を、50 mM リン酸ナトリウム(pH 7.0)、10 mM メルカプトエタノール、10 mM EDTA、0.1 % N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、0.1 % Triton X−100、20 % メタノール、1 mM MUGの反応液中で37℃、30分間処理した。処理後、反応液中に存在する4−methylumbelliferone (4−MU)の量を分光蛍光光度計によって定量的に測定した。GUS活性は、葉片抽出液中のタンパク質1 mg当りに生成された4−MUの量(pmol 4−MU/min/ mg protein)で表した。なお、タンパク質の濃度は、Protein assay kit(Bio−Rad Laboratories, California, USA)を用いて定量した。また、組織化学的分析には、培養器内で育成した再分化から8ないし10ヶ月経過した形質転換体の全体を材料とし、5−bromo−4−chloro−3−indolyl−β−D− glucuronic acid (X−GLUC)を基質として用いた。植物材料を、100 mM リン酸ナトリウム(pH 7.0)、0.5 mM フェロシアン化カリウム、0.5 mM フェリシアン化カリウム、10 mM EDTA、0.1 % Triton X−100、20 % メタノール、1 mM X−GLUCの反応液に浸漬し、37℃条件下に16時間置いた。反応処理後、70%エタノール溶液に浸して葉緑素を脱色しGUS活性を示す濃青色の部分の分布を調査した。定量的分析の結果、キク形質転換体において、タバコEF1αプロモーターは35Sプロモーターに比べて強いGUS発現の個体が多いことが示された(表1(キク形質転換体におけるタバコ EF1aプロモータの効果))。
【0032】
【表1】
Figure 2004065096
GUS活性;pmol 4MU/min/mg protein
【0033】
EF1αプロモーター/GUSを導入した形質転換体のうち1000 pmol 4−MU/min/ mg protein以上のGUS活性を示した個体は41個体中10個体(約24%)であり、35Sプロモーター/GUSの69個体中6個体(約9%)よりも明らかに高率であった。すなわち、タバコEF1αプロモーターの機能は、これが本来プロモーターとして作用する構造遺伝子とは全く異なるGUS構造遺伝子のプロモーターとして用いた場合でも、発揮されることが示された。キク形質転換体における生育ステージ及び部位別のGUS活性を表2に示す。
【0034】
【表2】
Figure 2004065096
【0035】
タバコEF1αプロモーターは、生育ステージに関わらず、また、葉と花弁の両方で発現活性を有することが示された。
【0036】
以上の結果より、タバコEF1αプロモーターは、キク形質転換体において、これが本来プロモーターとして作用する構造遺伝子とは全く異なる構造遺伝子に対しても、発現を促進できることが明らかとなった。
【0037】
【発明の効果】
タバコEF1αプロモーターをキクにおける外来遺伝子発現のために用いることで、その制御下に置かれた構造遺伝子を、35Sプロモーターを用いた場合よりも安定的かつ強力に発現させることが可能である。しかも、このプロモーターは、使用できる構造遺伝子の種類を問わない。
【0038】
従って、目的に応じて適切なDNA配列を選択し、これをタバコEF1αプロモーターの下流に配置したベクターを作成し、このベクターを用いてキクの形質転換を行えば、キクにおいてそのDNA配列由来のRNAを安定的かつ強力に発現させることができる。これにより目的とする形質をキクに付与することが可能となる。
【配列表】
Figure 2004065096
Figure 2004065096
Figure 2004065096
Figure 2004065096

【図面の簡単な説明】
【図1】pBIEF1αのT−領域の構造を示す図である。図中の記号の意味は次の通りである。
B:BamHI, E:EcoRI, H:HindIII, Sc:SacI, pnos:ノパリン合成酵素遺伝子プロモーター、tnos:ノパリン合成酵素遺伝子ターミネーター、BR:右境界配列、BL:左境界配列、NPTII:ネオマイシン・フォスフォトランスフェラーゼII、EF1α:エロンゲーションファクター遺伝子プロモーター、GUS:β−グルクロニダーゼ遺伝子。

Claims (5)

  1. キク植物体において所望DNAを発現させる方法であって、下記(a)〜(c)のいずれかに記載のDNAの下流に、該DNAの制御下で発現させる所望のDNAが結合されているDNA構築物をキク細胞に導入し、該キク細胞からキク植物体を再生させることを含む方法。
    (a)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNA
    (b)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、キク細胞においてプロモーター活性を有するDNA
    (c)配列番号:1に記載の塩基配列において、1または複数の塩基が置換、欠失、付加、および/または挿入された塩基配列からなり、キク細胞においてプロモーター活性を有するDNA
  2. 下記(a)〜(c)のいずれかに記載のDNAの下流に、該DNAの制御下で発現するように所望のDNAに結合されているDNA構築物が導入された、キク細胞。
    (a)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNA
    (b)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、キク細胞においてプロモーター活性を有するDNA
    (c)配列番号:1に記載の塩基配列において、1または複数の塩基が置換、欠失、付加、および/または挿入された塩基配列からなり、キク細胞においてプロモーター活性を有するDNA
  3. 請求項2に記載のキク細胞を含むキク植物体。
  4. 請求項3に記載のキク植物体の子孫またはクローンである、キク植物体。
  5. 請求項3または4に記載のキク植物体の繁殖材料。
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