JP2000164471A - 積層セラミックコンデンサの選別方法 - Google Patents
積層セラミックコンデンサの選別方法Info
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Abstract
抗に基づき、高い信頼性をもってかつ能率的に選別でき
る方法を提供する。 【解決手段】 積層セラミックコンデンサに対して定格
電圧の2倍以上の電圧を最高使用温度にて印加する、バ
ーンイン工程を実施し、次いで、これに連続して、積層
セラミックコンデンサに対して、定格電圧以上の電圧を
70℃以上の温度にて印加しながら絶縁抵抗を測定す
る、高温絶縁抵抗測定工程を実施し、絶縁抵抗の異常な
積層セラミックコンデンサを除去する。この場合、バー
ンイン工程における電圧の印加方向と高温絶縁抵抗測定
工程における電圧の印加方向とを互いに一致させること
が好ましい。
Description
コンデンサの選別方法に関するもので、特に、選別工程
の能率化および選別結果の信頼性の向上を図るための改
良に関するものである。
工程の途中で、セラミック誘電体中に、異物が混入した
り、凝集物が生成されたりすると、焼成後のセラミック
誘電体において空隙などの欠陥が生じるという問題に遭
遇することがある。この欠陥は、積層セラミックコンデ
ンサの絶縁抵抗の劣化をもたらすものであるので、少な
くとも出荷前の段階で、このような欠陥を備える製品を
選別し除去しなければならない。
め、通常、積層セラミックコンデンサの製造工程中にお
いて、所定の条件を付与しながら積層セラミックコンデ
ンサの絶縁抵抗を測定することが行なわれている。
測定して欠陥の有無を判定する方法は、あくまでも欠陥
の有無を間接的に検出しようとするものである。そのた
め、欠陥が微小である場合には、絶縁抵抗の評価という
間接的な方法では、これを検出できないことがある。な
お、ある意味では、絶縁抵抗の評価によっては検出でき
ない、言い換えると、絶縁抵抗が正常値であるかのよう
な程度の微小な欠陥は、これが存在していても、実用上
問題とならないと言うこともできる。
とならない微小な欠陥であっても、積層セラミックコン
デンサの誘電体の薄層化が進むと、長期の使用において
絶縁抵抗が劣化し、欠陥による不良が顕在化する可能性
もある。そのため、このように誘電体の薄層化が進むに
つれて、より高い信頼性をもって欠陥を検出できるよう
な選別方法の実現が望まれる。
れる積層セラミックコンデンサの用途として、たとえ
ば、軍用、宇宙用、自動車用等があり、これらの用途に
向けられる積層セラミックコンデンサにあっては、その
選別結果に対して高い信頼性が要求される。これに関連
して、高い信頼性をもって、不良品の除去や品質の確認
を行なえる方法として、以下のようなアメリカの軍用規
格が知られている。
72項 電圧コンディショニング」… コンデンサの最
高使用温度において定格で規定される電圧の2倍の電圧
を96時間印加し、欠陥を顕在化させ、その後の絶縁抵
抗を常温で測定し、この絶縁抵抗の劣化により不良を検
出する。バーンインの1種である。
3.8項 絶縁抵抗 b.at 125℃」 … 12
5℃において定格電圧で絶縁抵抗を測定し、規定以上の
抵抗値であることを確認する。
たアメリカの軍用規格による不良検出方法には、いずれ
も、解決されるべき問題がある。
ンサに及ぼされる条件が過酷であるので、信頼性の高い
評価結果が得られるが、このような評価結果を得るため
に、少なくとも96時間必要であり、能率的ではない。
そのため、多数の積層セラミックコンデンサについて、
全数評価しなければならない場合には、実用的ではな
い。
短時間で評価を完了することができるが、評価結果の信
頼性については、上記(1)の方法に比べると、満足さ
れるものではない。
り、しかも信頼性の高い選別結果を得ることができる、
積層セラミックコンデンサの選別方法を提供しようとす
ることである。
ば、アメリカの軍用規格である上記(1)のような方法
と上記(2)のような方法との双方を実施することによ
って、上述した技術的課題を解決しようとするものであ
る。
ックコンデンサの選別方法は、選別されるべき積層セラ
ミックコンデンサに対して定格電圧の2倍以上の電圧を
最高使用温度にて印加する、バーンイン工程と、同じ積
層セラミックコンデンサに対して定格電圧以上の電圧を
70℃以上の温度にて印加しながら絶縁抵抗を測定す
る、高温絶縁抵抗測定工程との双方を実施することによ
って、絶縁抵抗の異常な積層セラミックコンデンサを除
去するようにしたことを特徴としている。
絶縁抵抗測定工程とは、前者が先にかつ後者が後に実施
されることが好ましい。
測定工程との間に、絶縁抵抗を測定することなく高温絶
縁抵抗測定工程が実施されても、あるいは、バーンイン
工程の後であって、高温絶縁抵抗測定工程の前に、積層
セラミックコンデンサに対して定格電圧を印加しながら
絶縁抵抗を測定する工程をさらに備えていてもよい。
ーンイン工程と高温絶縁抵抗測定工程とが連続した工程
として実施される。
て積層セラミックコンデンサに印加される電圧の印加方
向と高温絶縁抵抗測定工程において積層セラミックコン
デンサに印加される電圧の印加方向とを互いに一致させ
ることが行なわれる。
して説明するとともに、この発明の効果を明確にするた
めに実施した比較例についても併せて説明する。
サとして、3.2mm×1.6mm×1.6mmの寸法
を有し、静電容量が4.7μF、定格電圧が10Vのも
のを用意した。なお、この発明の実施例と比較例との比
較評価をより容易にするため、試料として、セラミック
誘電体部分に多数の空隙が存在するロットを選択した。
らなる4つのグループに分け、これら第1、第2、第3
および第4のグループに対して、表1の工程番号1、
2、3および4で示した工程をそれぞれ実施した。
工程の各々の条件が示されている。
工程の各条件からわかるように、工程番号1の場合に
は、バーンイン工程および絶縁抵抗測定工程の双方を実
施したが、絶縁抵抗測定工程では、25℃の温度(すな
わち常温)しか付与されなかったので、この発明の比較
例である。
定工程において85℃の温度が付与されたので、この明
細書で言う高温絶縁抵抗測定工程に相当するが、バーン
イン工程が実施されなかったため、この発明の比較例で
ある。
合には、バーンイン工程および絶縁抵抗測定工程の双方
が実施されるとともに、絶縁抵抗測定工程において、8
5℃の温度が付与されたので、当該絶縁抵抗測定工程
は、この明細書で言う高温絶縁抵抗測定工程に相当し、
この発明の実施例である。
された「一致」は、バーンイン工程において各試料に印
加される電圧の印加方向と絶縁抵抗測定工程において各
試料に印加される電圧の印加方向とを互いに一致させた
ことを示しており、他方、「不一致」は、バーンイン工
程での電圧の印加方向と絶縁抵抗測定工程での電圧の印
加方向とを互いに一致させなかったことを示している。
なお、後者の「不一致」は、より正確に言えば、電圧の
印加方向を意識的には互いに一致させなかったことを意
味しており、したがって、電圧の印加方向が、偶然、互
いに一致していることもあり得る。
バーンイン工程および絶縁抵抗測定工程の双方を実施し
たものにおいては、まず、バーンイン工程を実施した後
に、絶縁抵抗測定工程を実施した。
試料の絶縁抵抗を測定した後、その測定結果に基づいて
選別を行なった。すなわち、この絶縁抵抗が正常な抵抗
値分布から外れたものを除去した。
のように、選別時に不良と判定された試料の比率、言い
換えると、除去された試料の比率を示している。より詳
細には、50個の試料のうち、工程番号1のものでは、
3個の試料を除去し、工程番号2のものでは、1個の試
料を除去し、工程番号3のものでは5個の試料を除去
し、工程番号4のものでは3個の試料を除去した。
料は、工程番号1〜4のそれぞれにおいて、良品と判定
されたものである。
試料数の数が多いほど、判定の信頼性がより高いものと
一応推定できるが、工程番号1〜4の各々に供された試
料は互いに異なることから、除去された試料数は、必ず
しも、判定の信頼性を反映するものではない。
に、125℃で20Vの電圧を各試料に対して2000
時間印加し続ける長期信頼性試験を実施した。そして、
その後の絶縁抵抗を、常温で定格電圧10Vを印加しな
がら測定し、正常品の抵抗値分布から外れたものを、こ
の信頼性試験における不良品とした。表1の「信頼性試
験不良率」は、この信頼性試験で不良品とされた試料の
比率を示している。
この発明の実施例に相当する工程番号3および4による
選別において、高い信頼性を確認することができる。
とにおける電圧の印加方向を互いに一致させた工程番号
3によれば、条件が過酷な上述の長期信頼性試験を実施
しても、不良品と判定されたものがなく、選別の信頼性
が極めて高いことがわかる。他方、バーンイン工程と絶
縁抵抗測定工程とにおける電圧の印加方向とを互いに一
致させなかった工程番号4では、長期信頼性試験におい
て、1個の不良品が見出され、このことから、電圧印加
方向が不一致の場合には、不良品を正確に選別できない
場合があることを確認できる。
例に関連して説明したが、この発明の範囲内において、
その他、種々の変形例が可能である。
ン工程と絶縁抵抗測定工程との間で、絶縁抵抗を測定す
ることなく絶縁抵抗測定工程が実施されたが、バーンイ
ン工程の後であって、絶縁抵抗測定工程の前に、積層セ
ラミックコンデンサに対して、定格電圧を印加しながら
絶縁抵抗測定工程を測定する工程がさらに実施されても
よい。
程と絶縁抵抗測定工程とは、前者が先にかつ後者が後に
実施されたが、逆に、前者が後にかつ後者が先に実施さ
れてもよい。なお、後者の場合には、バーンイン工程の
後に、不良品を除去するための絶縁抵抗を測定する工程
が付加されることになる。
程と絶縁抵抗測定工程とを連続した工程として実施した
が、バーンイン工程と絶縁抵抗測定工程との双方を実施
する限り、これらの工程を、連続しない工程、たとえば
各々時間的に独立した工程として実施してもよい。
温度および印加される電圧、高温絶縁抵抗測定工程にお
いて付与される温度および印加される電圧、ならびにこ
れらバーンイン工程および高温絶縁抵抗測定工程の各々
を実施する時間については、選別の対象となる積層セラ
ミックコンデンサの種類、あるいは求められる選別の信
頼性等に応じて変更することができる。
抵抗の異常な積層セラミックコンデンサを除去するため
の選別にあたって、バーンイン工程と高温絶縁抵抗測定
工程との2つの工程を実施するので、バーンイン工程
を、たとえば1〜10分といった短時間で済ませても、
積層セラミックコンデンサに内在する欠陥を顕在化させ
ることができ、そのため、信頼性の高い選別結果を短時
間で得ることができる。したがって、多数の積層セラミ
ックコンデンサを能率的に選別することが可能になる。
に、かつ高温絶縁抵抗測定工程が後に実施されるように
すると、絶縁抵抗を測定するための工程が高温絶縁抵抗
測定工程だけで済み、選別の一層の能率化を図ることが
できる。
絶縁抵抗測定工程の前に、積層セラミックコンデンサに
対して定格電圧を印加しながら絶縁抵抗を測定する工程
を実施するようにすれば、選別の信頼性をより高めるこ
とができる。
と高温絶縁抵抗測定工程とを連続した工程として実施す
るようにすれば、選別の一層の能率化に寄与するばかり
でなく、前の工程で積層セラミックコンデンサに付与さ
れた温度の少なくとも一部を後の工程にまで持ち込むこ
とが可能になるので、積層セラミックコンデンサを加熱
するための熱エネルギーの節減を図ることができる。
ックコンデンサに印加される電圧の印加方向と高温絶縁
抵抗測定工程において積層セラミックコンデンサに印加
される電圧の印加方向とを互いに一致させるようにすれ
ば、より高い信頼性を有する選別結果を得ることができ
る。
高温絶縁抵抗測定工程とを連続した工程として実施する
ようにすれば、前の工程での積層セラミックコンデンサ
の保持姿勢を崩さずに後の工程にまで持ち込むことがで
きるので、各工程で印加される電圧の印加方向を互いに
一致させることが容易になる。
Claims (6)
- 【請求項1】 選別されるべき積層セラミックコンデン
サに対して定格電圧の2倍以上の電圧を最高使用温度に
て印加する、バーンイン工程と、 同じ積層セラミックコンデンサに対して定格電圧以上の
電圧を70℃以上の温度にて印加しながら絶縁抵抗を測
定する、高温絶縁抵抗測定工程との双方を実施すること
によって、絶縁抵抗の異常な積層セラミックコンデンサ
を除去することを特徴とする、積層セラミックコンデン
サの選別方法。 - 【請求項2】 前記バーンイン工程と前記高温絶縁抵抗
測定工程とは、前者が先にかつ後者が後に実施されるこ
とを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミックコン
デンサの選別方法。 - 【請求項3】 前記バーンイン工程の後に、絶縁抵抗を
測定することなく前記高温絶縁抵抗測定工程が実施され
ることを特徴とする、請求項2に記載の積層セラミック
コンデンサの選別方法。 - 【請求項4】 前記バーンイン工程の後であって、前記
高温絶縁抵抗測定工程の前に、前記積層セラミックコン
デンサに対して定格電圧を印加しながら絶縁抵抗を測定
する工程をさらに備えることを特徴とする、請求項2に
記載の積層セラミックコンデンサの選別方法。 - 【請求項5】 前記バーンイン工程と前記高温絶縁抵抗
測定工程とを連続した工程として実施することを特徴と
する、請求項1ないし4のいずれかに記載の積層セラミ
ックコンデンサの選別方法。 - 【請求項6】 前記バーンイン工程において前記積層セ
ラミックコンデンサに印加される電圧の印加方向と前記
高温絶縁抵抗測定工程において前記積層セラミックコン
デンサに印加される電圧の印加方向とを互いに一致させ
ることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記
載の積層セラミックコンデンサの選別方法。
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