JP2000164021A - 前照灯 - Google Patents

前照灯

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JP2000164021A
JP2000164021A JP10331351A JP33135198A JP2000164021A JP 2000164021 A JP2000164021 A JP 2000164021A JP 10331351 A JP10331351 A JP 10331351A JP 33135198 A JP33135198 A JP 33135198A JP 2000164021 A JP2000164021 A JP 2000164021A
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beam filament
source bulb
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Yasuhiro Okubo
泰宏 大久保
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Ichikoh Industries Ltd
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    • F21S41/00Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps
    • F21S41/60Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by a variable light distribution
    • F21S41/62Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by a variable light distribution for adaptation between right-hand and left-hand traffic
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F21S41/00Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps
    • F21S41/30Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by reflectors
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1個の光源バルブで左右両側の通行区分に対
応可能。 【解決手段】 第4リードワイヤLW4は、遮光エリア
C内に配置されているので、ハイビーム用フィラメント
52の遮光作用効果により、ロービーム用フィラメント
51からの照射光を受けない。半遮光エリアC′中の第
3サポートワイヤSW3の前端SW30、SW300
は、曲面に折り曲げられているので、ロービーム用フィ
ラメント51からの照射光を受けるが、微小面積であ
り、折曲曲面の光拡散作用が働く。第2サポートワイヤ
SW2の前端部SW20の下端は、ロービーム用フィラ
メント51の下端51Dよりも上方に位置しているの
で、明暗境界線71よりも上方に現われない。この結
果、虚像グレア光と無縁となるので、1個の光源バルブ
500で左右両側の通行区分用の光源バルブ500L、
500Rに対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の前
照灯であって、反射面の全面反射配光により所定のロー
ビームの配光パターン及びハイビームの配光パターンが
それぞれ得られる前照灯に係り、特に、同一の光源バル
ブで左側通行区分用の前照灯の光源バルブと右側通行区
分用の前照灯の光源バルブとの双方に対応できる光源バ
ルブが使用されている前照灯に関するものである。
【0002】なお、本明細書において、「前方」、「後
方」とは、自動車の進行方向であって、ドライバー側か
ら見た前方、後方を言う。また、本明細書及び本図面に
おいて、符号「A」はドライバー側から前方を見た場合
の前側のことを示し、符号「B」はドライバー側から前
方を見た場合の後側のことを示し、符号「L」はドライ
バー側から前方を見た場合の左側のことを示し、符号
「R」はドライバー側から前方を見た場合の右側のこと
を示し、符号「U」はドライバー側から前方を見た場合
の上側のことを示し、符号「D」はドライバー側から前
方を見た場合の下側のことを示し、符号「H−H」は水
平線(水平軸)のことを示し、符号「V−V」は垂直線
(垂直軸)のことを示す。
【0003】
【従来の技術】[公知の前照灯の説明]以下、この種の
前照灯を図11乃至図15を参照して説明する。なお、
図示の前照灯は、右側通行区分の自動車の左側(ドライ
バー側から前方を見た場合の左側であって、前方から自
動車の正面側を見た場合は右側となる)に装備されるも
のである。また、左側通行区分の自動車に装備される前
照灯はこの図示の前照灯と左右逆となる。さらに、自動
車の右側に装備される前照灯はこの図示の前照灯とほぼ
左右対称となる。
【0004】この前照灯は、ランプハウジング1及びレ
ンズ(アウターレンズ)2により、灯室3が画成形成さ
れている。この灯室3内には、ランプハウジング1と別
体のリフレクタ4が、ピボット機構(図示せず)及び光
軸調整装置(図示せず)等により上下方向及び左右方向
に、回動可能に配置されている。このリフレクタ4は、
複合反射面から構成されている反射面40を有してい
る。この反射面40、すなわち、複合反射面は、上下左
右に複数個に区画された反射面セグメント(図示せず)
からなるもので、所謂自由曲面と称されている。この自
由曲面は、例えば、特開平9−306220号公報に記
載されているように、多数個のブロックに分割されてい
るもの、又は、少数個のブロックに分割されたもの、又
は、複数個のブロックが連続的に繋がったもの(ブロッ
クの繋ぎ線が見えないもの)等がある。この複合反射面
には厳密な意味での単一の焦点を有していないが、該複
合反射面を形成している複数の回転放物面相互の焦点距
離の差異は僅少であり、ほぼ同一の焦点を共有している
ので、図に示した焦点Fは厳密に言えば疑似焦点である
が、本明細書においてはこれを焦点Fと言う。同様に、
図に示した光軸Z−Zも厳密に言えば疑似光軸である
が、本明細書においてはこれを光軸と呼ぶことにする。
【0005】上述のリフレクタ4には、光源バルブ5が
着脱可能に取り付けられている。この光源バルブ5は、
遮光フードがない光源バルブであって、ガラス管球50
中にロービーム用フィラメント51及びハイビーム用フ
ィラメント52が配置されており、かつ、このガラス管
球50の先端部に例えば黒色塗装の被膜54(ロービー
ム用フィラメント51及びハイビーム用フィラメント5
2からの直射光がレンズ2に達するのを遮断するもの)
が設けられてなるものである。上述のロービーム用フィ
ラメント51は、反射面40の光軸Z−Zとほぼ平行で
あり、かつ反射面40の焦点Fよりも前方に位置してい
る。また、ハイビーム用フィラメント52は、光軸Z−
Zとほぼ平行であり、また焦点Fの近傍に、さらにロー
ビーム用フィラメント51よりも斜下方(右側通行区分
の場合は、図25(R9に示すように、右下。左側通行
区分の場合は、図21(L)に示すように、左下)に位
置している。
【0006】また、上述のロービーム用フィラメント5
1の中心軸は、上述の光軸Z−Z(基準軸)とほぼ一致
し、かつ、上述のガラス管球50の中心軸(以下、単に
管球軸と称する)Z′−Z′よりも下方に位置してい
る。このロービーム用フィラメント51の中心軸(光軸
Z−Z若しくは基準軸)を管球軸Z′−Z′よりも斜下
方に位置させる理由は、後述する図14に示すロービー
ムの配光パターンLPにおいて、安定した明暗境界線7
1(所謂カットライン)を得るためである。すなわち、
既に知られているように、ロービーム用フィラメント5
1の中心軸を管球軸Z′−Z′よりも下方にずらすこと
により、ガラス管球50の内面部における反射光の集光
像(虚像)は、ロービームの配光パターンLPの明暗境
界線71よりも上方に現われない。
【0007】なお、図において、6はシェードである。
このシェード6は、前記リフレクタ4に固定されてお
り、かつ、前記光源バルブ5の前方を覆っており、ロー
ビーム用フィラメント51及びハイビーム用フィラメン
ト52からの直射光がリフレクタ4の無効部42やレン
ズ2に達するのを遮断するものである。また、60はゴ
ムキャップである。このゴムキャップ60は、取付キャ
ップ61により、光源バルブ5の口金とランプハウジン
グ1の後部開口部との間に水密に着脱可能に取り付けら
れており、灯室3内を水密に保つものである。
【0008】そして、上述の複合反射面から構成された
反射面40のリフレクタ4と、上述のロービーム用フィ
ラメント51及びハイビーム用フィラメント52から構
成された光源バルブ5とを使用した上述の前照灯におい
て、ロービーム用フィラメント51を点灯すると、この
ロービーム用フィラメント51からの光が反射面40全
面に亘って反射され、その反射光がレンズ2を経て外部
に図14に示す所定のロービームの配光パターンLPで
照射される。一方、ハイビーム用フィラメント52を点
灯すると、このハイビーム用フィラメント52からの光
が反射面40全面に亘って反射され、その反射光がレン
ズ2を経て外部に図15に示す所定のハイビームの配光
パターンHPで照射される。
【0009】このように、反射面40の全面反射配光に
より、所定のロービームの配光パターンLPと所定のハ
イビームの配光パターンHPとがそれぞれ制御形成され
るものである。この複合反射面の反射面40及び光源バ
ルブ5を使用した前照灯としては、例えば、特開平8−
329703号公報に記載のものがある。
【0010】[所定の配光パターンの説明]上述の所定
のロービームの配光パターンLP、所定のハイビームの
配光パターンHPとは、欧州配光規格ECEReg.、
あるいはそれに準じたもの(例えば、日本国内型式認定
基準等)、北米配光規格のFMVSS等の配光規格に適
合する配光パターンを言う。
【0011】上述のロービームの配光パターンLPにお
いては、眩惑光を制限するように配光規格化されてい
る。この結果、上述のロービームの配光パターンLP
は、図14に示すように、対向車7及び右側路肩の歩行
者70に対して考慮した明暗境界線71を有するものと
なる。すなわち、この明暗境界線71は、対向車7に眩
惑光を与えないように、左端からほぼ中央までの間であ
って、水平線HL−HRよりも若干下方に位置する水平
線部分72と、右側路肩歩行者70に眩惑光を与えずに
かつ右側路肩歩行者70を視認できるように、ほぼ中央
の水平線部分72から緩やかに、例えば15°右上方に
傾斜する緩傾斜線部分73と、その緩傾斜線部分73か
ら再び水平線部分72に右下方に傾斜して戻る傾斜線部
分74とからなる。また、このロービームの配光パター
ンLPにおいて、最大光度値に関する規格はない。
【0012】一方、上述のハイビームの配光パターンH
Pにおいては、最大光度値や最大光度帯が配光規格化さ
れている。この結果、上述のハイビームの配光パターン
HPは、図15に示すように、中央部分にホットゾーン
HZ(最大光度点を含む最大光度帯)を有するものとな
る。ここで、欧州配光規格ECEReg.における最大
光度値は、48〜240lx(1lx=625cdであ
って、25m離れたスクリーン上の測定)であり、ま
た、水平線HL−HRと垂直線VU−VDとの交点H−
Vの光度値は、最大光度値の80%以上(認証)であ
る。上述の前照灯においては、良好なロービームの配光
パターンLP及びハイビームの配光パターンHPが得ら
れることが重要である。
【0013】[左側通行区分専用の光源バルブと右側通
行区分専用の光源バルブの説明]上述の前照灯において
使用される光源バルブ5は、左側通行区分の前照灯に使
用される左側通行区分専用の光源バルブ5Lと、右側通
行区分の前照灯に使用される右側通行区分専用の光源バ
ルブ5Rとに、それぞれ専用に区分されている。左側通
行区分専用の光源バルブ5Lは、図21(L)に示すよ
うに、ハイビーム用フィラメント52がロービーム用フ
ィラメント51の左斜下方に位置している。また、右側
通行区分専用の光源バルブ5Rは、図25(R)に示す
ように、ハイビーム用フィラメント52がロービーム用
フィラメント51の右斜下方に位置している。
【0014】[同一の光源バルブで左右両側の通行区分
に対応できる可能性の説明]上述の前照灯において使用
される光源バルブ5は、ハイビーム用フィラメント52
がロービーム用フィラメント51の斜下方に位置するこ
とを特徴とするものである。すなわち、図16に示すよ
うに、ハイビーム用フィラメント52がロービーム用フ
ィラメント51のドライバー側から見て右斜下方に位置
している(R)の右側通行区分用の光源バルブ5、5R
と、ハイビーム用フィラメント52がロービーム用フィ
ラメント51のドライバー側から見て左斜下方に位置し
ている(L)の左側通行区分用の光源バルブ5、5Lと
は、ハイビーム用フィラメント52がロービーム用フィ
ラメント51の中心軸(光軸Z−Z若しくは基準軸)に
対して対称の位置にそれぞれ配置されているものであ
る。
【0015】このために、上述の前照灯において使用さ
れる光源バルブ5は、ロービーム用フィラメント51と
ハイビーム用フィラメント52とが垂直線VU−VD上
に配置されている(C)の初期状態にある光源バルブ5
を、ロービーム用フィラメント51の中心軸を中心とし
て矢印方向に左右に回転させることにより、同一の(1
個の)光源バルブ5で左側通行区分の前照灯用の光源バ
ルブ5、5Lと右側通行区分の前照灯用の光源バルブ
5、5Rとの双方に対応できることとなる。なお、図1
6中符号VU′は、(C)の初期状態の光源バルブ5を
左右に回転させて(L)、(R)の左右の通行区分用の
光源バルブ5L、5Rに対応させた際に、初期状態の時
の光源バルブ5の「上側」を示す。
【0016】[ワイヤによる虚像グレア光の説明]上述
の前照灯においては、明暗境界線71がロービーム用フ
ィラメント51の下端部で形成されるものであり、その
ロービーム用フィラメント51は、一般的に、図17に
示すように、リードワイヤ55U、55D及びサポート
ワイヤ56U、56Dにより支持されているものであ
る。なお、図17中、符号51U、51Dはロービーム
用フィラメント51の上端部、下端部をそれぞれ示す。
ここで、図17のロービーム用フィラメント51を点灯
すると、そのロービーム用フィラメント51の発光によ
り、上述のリードワイヤ55U、55D及びサポートワ
イヤ56U、56Dは、照されて光る(ロービーム用フ
ィラメント51に近ければ近い程、かつ、被照射面積が
大であれば大である程、強く光る)。上述のリードワイ
ヤ55U、55D及びサポートワイヤ56U、56Dが
構造上ロービーム用フィラメント51の下端部51Dよ
りも下方に位置すると、その部分は、図18(右側通行
区分用)に示すように、虚像グレア光となって、明暗境
界線71よりも上方に現われる。すなわち、図18に示
すように、ロービーム用フィラメント51の下端部51
Dが明暗境界線71(水平線部分72、緩傾斜線部分7
3)上に位置し、かつ、ロービーム用フィラメント51
(上端部51Uを含む)及び上側のリードワイヤ55U
及びサポートワイヤ56Uが明暗境界線71(水平線部
分72、緩傾斜線部分73)よりも下方に位置するが、
下側のリードワイヤ55D及びサポートワイヤ56Dが
明暗境界線71(水平線部分72、緩傾斜線部分73)
よりも上方に位置するので、その下側のリードワイヤ5
5D及びサポートワイヤ56Dの部分は、虚像グレア光
となる。なお、図18において、ロービーム用フィラメ
ント51及びリードワイヤ55U、55D及びサポート
ワイヤ56U、56Dの像は、矢印に示すように、左右
に若しくは斜左下斜右上に拡散される。
【0017】[公知の前照灯のフィラメントとワイヤと
の相対位置の説明]上述の前照灯において使用される光
源バルブ5は、例えば、図19乃至図21に示すよう
に、ロービーム用フィラメント51の前端51Aと上端
51Uとの角が第1リードワイヤLW1と第1サポート
ワイヤSW1とにより支持されており、かつ、そのロー
ビーム用フィラメント51の後端51Bと上端51Uと
の角及びハイビーム用フィラメント52の後端52Bと
上端52Uとの角が第2リードワイヤLW2及び第3リ
ードワイヤLW3と第2サポートワイヤSW2とにより
支持されており、しかも、そのハイビーム用フィラメン
ト52の前端52Aと下端52Dとの角が第4リードワ
イヤLW4と第3サポートワイヤSW3とにより支持さ
れているものである。なお、図19乃至図21中の符号
57は上述のサポートワイヤSW1、SW2、SW3を
支持するガラス製のブリッジである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の前照
灯において使用されている光源バルブ5は、図21に示
す左側通行区分専用の光源バルブ5Lと、図25に示す
右側通行区分専用の光源バルブ5Rとに、それぞれ専用
に区分されている。このために、例えば、左側通行区分
専用の光源バルブ5Lの場合は、図19乃至図21に示
すように、ハイビーム用フィラメント52と同一水平レ
ベルに位置する第3サポートワイヤSW3がブリッジ5
7から前方に延設され、ハイビーム用フィラメント52
を避けるために一旦左側に折り曲げられ、再び前方に延
設されており、第4リードワイヤLW4が上述の第3サ
ポートワイヤSW3の前端と下端との角と、上述のハイ
ビーム用フィラメント52の前端52Aと下端52Dと
の角とに水平に張設されているものである。
【0019】このために、上述の左側通行区分専用の光
源バルブ5Lが使用されている前照灯においては、図2
1に示すように、(C)の初期状態にある光源バルブ5
Lをロービーム用フィラメント51の中心軸を中心とし
て左方向に回転させて(L)の左側通行区分用の光源バ
ルブ5Lとして使用する場合、第3サポートワイヤSW
3及び第4リードワイヤLW4がロービーム用フィラメ
ント51の下端部51Dよりも上方に位置するので、虚
像グレア光の問題はないが、右方向に回転させて(R)
の右側通行区分用の光源バルブ5Lとして使用する場
合、第3サポートワイヤSW3及び第4リードワイヤL
W4がロービーム用フィラメント51の下端部51Dよ
りも下方に位置するので、虚像グレア光の問題がある。
【0020】ここで、上述の左側通行区分専用の光源バ
ルブ5Lを右側通行区分用の光源バルブに使用した場合
における虚像グレア光の具体例を図22乃至図24を参
照して説明する。まず、光源バルブ5Lの条件は、ロー
ビーム用フィラメント51の長さが5.5mm、ロービ
ーム用フィラメント51の径がφ1.5mm、ロービー
ム用フィラメント51の光束量が860lm、ハイビー
ム用フィラメント52の長さが5.0mm、ハイビーム
用フィラメント52の径がφ1.3mm、ハイビーム用
フィラメント52の光束量が1300lm、ガラス管球
50の径がφ16mm、である。この光源バルブ5の条
件は、自動車用の前照灯としての寿命、光量、製造可能
性、使用可能性、性能維持性等を考慮して経験的に適切
にかつ現実的に求められた1例であり、また、光束量
は、12V電圧での値である。
【0021】また、ロービーム用フィラメント51とハ
イビーム用フィラメント52との相対位置関係、すなわ
ち、正面視のロービーム用フィラメント51の中心とハ
イビーム用フィラメント52の中心とを結ぶ線分から水
平線HL−HRまでの角度θは20°、正面視のロービ
ーム用フィラメント51の中心からハイビーム用フィラ
メント52の中心までの距離T1は2.8mm、側面視
のロービーム用フィラメント51の中心からハイビーム
用フィラメント52の中心までの前後方向の距離T2は
2.5mmである。この条件は、あくまでも1例であ
る。
【0022】上述の左側通行区分専用の光源バルブ5L
を右側通行区分用に使用した場合、図24に示すよう
に、欧州配光規格ECEReg.のグレア光を厳しく制
限するポイントP(B50Lであって、図24中2重丸
にて示すポイント)及びゾーンZ(zoneIIIであ
って、図24中斜線にて示す部分が制限値をオーバーし
ている)に虚像グレア光が現われることとなる。
【0023】図25は、第3サポートワイヤSW3を右
側に折り曲げた右側通行区分専用の光源バルブ5Rを示
す。この(C)の初期状態にある光源バルブ5Rをロー
ビーム用フィラメント51の中心軸を中心として右方向
に回転させて(R)の右側通行区分用の光源バルブ5R
として使用する場合、第3サポートワイヤSW3及び第
4リードワイヤLW4がロービーム用フィラメント51
の下端部51Dよりも上方に位置するので、虚像グレア
光の問題はないが、左方向に回転させて(L)の左側通
行区分用の光源バルブ5Rとして使用する場合、第3サ
ポートワイヤSW3及び第4リードワイヤLW4がロー
ビーム用フィラメント51の下端部51Dよりも下方に
位置するので、上述の左側通行区分専用の光源バルブ5
Lを右側通行区分用に使用した場合と同様に虚像グレア
光の問題がある。
【0024】このように、従来の前照灯においては、左
側通行区分用の前照灯の場合、図21の(L)に示す左
側通行区分専用の光源バルブ5Lが使用され、右側通行
区分用の前照灯の場合、図25の(R)に示す右側通行
区分専用の光源バルブ5Rが使用されるものであるか
ら、同一(1個)の光源バルブで左側通行区分用の光源
バルブと右側通行区分用の光源バルブとの双方に対応で
きない。
【0025】また、上述の従来の前照灯においては、図
20に示すように、初期状態の光源バルブ5Lを側面視
した時に、第2サポートワイヤSW2の前端部の垂直折
曲部の下端SW2′がロービーム用フィラメント51の
下端51Dからの延長線L8よりも下方に位置すると、
光源バルブ5Lを左側通行区分用に使用したとしても、
その第2サポートワイヤSW2の下端SW2′がロービ
ーム用フィラメント51の下端51Dよりも下方に位置
する場合があり、虚像グレア光の問題が生じる。
【0026】本発明の目的は、同一の光源バルブで左側
通行区分用の光源バルブと右側通行区分用の光源バルブ
との双方に対応できる光源バルブが使用されている前照
灯を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に係る
発明)は、上記の目的を達成するために、第4リードワ
イヤが、初期状態の光源バルブを側面視した時に、ハイ
ビーム用フィラメントの前端から下方を通って後端側ま
で配線されており、また、第4リードワイヤが、初期状
態の光源バルブを正面視した時に、ロービーム用フィラ
メントの左端からハイビーム用フィラメントの左端を通
る延長線と、ロービーム用フィラメントの右端からハイ
ビーム用フィラメントの右端を通る延長線との間に、配
置されており、さらに、第4リードワイヤの前端が、初
期状態の光源バルブを側面視した時に、ロービーム用フ
ィラメントの前端下端角からハイビーム用フィラメント
の前端下端角を通る延長線よりも後方に位置している、
光源バルブが使用されている、ことを特徴とする。
【0028】この結果、本発明の前照灯は、上記の構成
からなる光源バルブを使用することにより、初期状態の
光源バルブを、ロービーム用フィラメントの中心軸回り
に、右方向に回転させて右側通行区分用の光源バルブと
して、また、左方向に回転させて左側通行区分用の光源
バルブとして、それぞれ使用した場合であっても、少な
くとも第4リードワイヤの前端から後端の大部分にかけ
ての部分は、正面視のロービーム用フィラメントの左端
からハイビーム用フィラメントの左端を通る延長線と、
正面視のロービーム用フィラメントの右端からハイビー
ム用フィラメントの右端を通る延長線との間、及び、側
面視のロービーム用フィラメントの前端下端角からハイ
ビーム用フィラメントの前端下端角を通る延長線と、側
面視のロービーム用フィラメントの後端上端角からハイ
ビーム用フィラメントの後端上端角を通る延長線との
間、から画成される遮光エリア中に配置されているの
で、ロービーム用フィラメントの点灯時、ハイビーム用
フィラメントの遮光作用効果により、ロービーム用フィ
ラメントからの照射光を受けることがなく、従って、虚
像グレア光と無縁となる。このように、本発明の前照灯
は、上記の構成の光源バルブを使用することにより、同
一の光源バルブで左側通行区分用の光源バルブと右側通
行区分用の光源バルブとの双方に対応できることとな
る。
【0029】次に、本発明(請求項2に係る発明)は、
第3サポートワイヤが、初期状態の光源バルブを正面視
した時に、ロービーム用フィラメントの左端からハイビ
ーム用フィラメントの左端を通る延長線と、ロービーム
用フィラメントの右端からハイビーム用フィラメントの
右端を通る延長線との間に、配置されており、また、第
3サポートワイヤの前端のうち、初期状態の光源バルブ
を側面視した時に、ロービーム用フィラメントの後端下
端角からハイビーム用フィラメントの後端上端角を通る
延長線よりも前方の部分が、ロービーム用フィラメント
からの光を拡散させる曲面で折り曲げられている、光源
バルブが使用されている、ことを特徴とする。
【0030】この結果、本発明の前照灯は、上記の構成
からなる光源バルブを使用することにより、初期状態の
光源バルブを、ロービーム用フィラメントの中心軸回り
に、右方向に回転させて右側通行区分用の光源バルブと
して、また、左方向に回転させて左側通行区分用の光源
バルブとして、それぞれ使用した場合であっても、第3
サポートワイヤの前端のうち、正面視のロービーム用フ
ィラメントの左端からハイビーム用フィラメントの左端
を通る延長線と、正面視のロービーム用フィラメントの
右端からハイビーム用フィラメントの右端を通る延長線
との間、及び、側面視のロービーム用フィラメントの後
端下端角からハイビーム用フィラメントの後端上端角を
通る延長線と、側面視のロービーム用フィラメントの後
端上端角からハイビーム用フィラメントの後端上端角を
通る延長線との間、から画成される半遮光エリア中に配
置されている曲面折曲部分が、ロービーム用フィラメン
トからの照射光を受けるが、微小面積であり、しかも折
曲曲面の光拡散作用により、虚像グレア光と無縁とな
る。また、第3サポートワイヤの半遮光エリアよりも後
端側の部分が、ロービーム用フィラメントからの照射光
の入反射角度によりリフレクタの反射面からは光って見
えないので、虚像グレア光と無縁となる。さらに、第3
サポートワイヤの半遮光エリアよりも前端側の部分が、
遮光エリア中に配置されているので、上述のように、ハ
イビーム用フィラメントの遮光作用効果により、虚像グ
レア光と無縁となる。このように、本発明の前照灯は、
上記の構成の光源バルブを使用することにより、同一の
光源バルブで左側通行区分用の光源バルブと右側通行区
分用の光源バルブとの双方に対応できることとなる。
【0031】最後に、本発明(請求項3に係る発明)
は、第2サポートワイヤの前端部が、初期状態の光源バ
ルブを側面視した時に、ハイビーム用フィラメントの後
端よりも後方に折り曲げられており、また、第2サポー
トワイヤの前端部の下端が、初期状態の光源バルブを側
面視した時に、ロービーム用フィラメントの下端よりも
上方に位置している、光源バルブが使用されている、こ
とを特徴とする。
【0032】この結果、本発明の前照灯は、上記の構成
からなる光源バルブを使用することにより、初期状態の
光源バルブを、ロービーム用フィラメントの中心軸回り
に、右方向に回転させて右側通行区分用の光源バルブと
して、また、左方向に回転させて左側通行区分用の光源
バルブとして、それぞれ使用した場合であっても、第2
サポートワイヤがロービーム用フィラメントの下端より
も上方に位置するので、虚像グレア光と無縁となる。ま
た、第2サポートワイヤの前端部がハイビーム用フィラ
メントの後端よりも後方に折り曲げられているので、そ
の第2サポートワイヤの前端部がフィラメント(ロービ
ーム用フィラメント)よりも遠ざかるので、フィラメン
トからの照射量及び照射面積が減り、その分、虚像グレ
ア光と無縁となる。さらに、第2サポートワイヤの前端
部が折り曲げられているので、第3リードワイヤとの溶
接面積が大となり、充分な溶接強度が得られる。このよ
うに、本発明の前照灯は、上記の構成の光源バルブを使
用することにより、同一の光源バルブで左側通行区分用
の光源バルブと右側通行区分用の光源バルブとの双方に
対応できることとなる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の前照灯の一実施形
態を図1乃至図10を参照して説明する。図中、図11
乃至図25と同符号は同一のものを示す。なお、図示の
前照灯は、右側通行区分の自動車の左側に装備されるも
のである。また、左側通行区分の自動車に装備される前
照灯はこの図示の前照灯と左右逆となる。さらに、自動
車の右側に装備される前照灯はこの図示の前照灯とほぼ
左右対称となる。
【0034】この実施形態の本発明の前照灯において使
用される光源バルブ500は、図1及び図2に示すよう
に、下記の条件下で配置された第4リードワイヤLW
4、第3サポートワイヤSW3、第2サポートワイヤS
W2を有する。すなわち、第4リードワイヤLW4は、
初期状態の光源バルブ500を側面視した時に、ハイビ
ーム用フィラメント52の前端から下方を通って後端側
まで配線されており、また、第4リードワイヤLW4
は、初期状態の光源バルブ500を正面視した時に、ロ
ービーム用フィラメント51の左端51Lからハイビー
ム用フィラメント52の左端52Lを通る延長線L1
と、ロービーム用フィラメント51の右端51Rからハ
イビーム用フィラメント52の右端52Rを通る延長線
L2との間に、配置されており、さらに、第4リードワ
イヤLW4の前端は、初期状態の光源バルブ500を側
面視した時に、ロービーム用フィラメント51の前端下
端角51ADからハイビーム用フィラメント52の前端
下端角52ADを通る延長線L3よりも後方に位置し、
すなわち、第4リードワイヤLW4の前端の折曲部LW
40の折曲角度を、上述の延長線L3と直線(光軸Z−
Zに対して垂直で、かつ、ハイビーム用フィラメント5
2の前端52Aを通る直線)L4とのなす角度ψよりも
大となす。この例では、折曲角度をψとなすものであ
る。
【0035】次に、第3サポートワイヤSW3は、初期
状態の光源バルブ500を正面視した時に、ロービーム
用フィラメント51の左端51Lからハイビーム用フィ
ラメント52の左端52Lを通る延長線L1と、ロービ
ーム用フィラメント51の右端51Rからハイビーム用
フィラメント52の右端52Rを通る延長線L2との間
に、配置されており、また、第3サポートワイヤSW3
の前端のうち、初期状態の光源バルブ500を側面視し
た時に、ロービーム用フィラメント51の後端下端角5
1BDからハイビーム用フィラメント52の後端上端角
52BUを通る延長線L5よりも前方の部分SW30
は、ロービーム用フィラメント51からの光を拡散させ
る曲面で折り曲げられている、すなわち、第3サポート
ワイヤSW3の前端の折曲部SW30の折曲角度を、延
長線(側面視のロービーム用フィラメント51の後端上
端角51BUからハイビーム用フィラメント52の後端
上端角52BUを通る延長線)L6と直線(光軸Z−Z
に対して垂直で、かつ、ロービーム用フィラメント51
の後端51Bを通る直線)L7とのなす角度ωよりも大
となしている。この例では、折曲角度をωとなして第3
サポートワイヤLW3の前方部分SW30を延長線L5
と延長線L6との間に配置させている。
【0036】最後に、第2サポートワイヤSW2の前端
部SW20が、初期状態の光源バルブ500を側面視し
た時に、ハイビーム用フィラメント52の後端52B
(光軸Z−Zに対して垂直で、かつ、ハイビーム用フィ
ラメント52の後端52Bを通る直線L9)よりも後方
に鋭角に折り曲げられており、また、第2サポートワイ
ヤSW2の前端部SW20の下端が、初期状態の光源バ
ルブ500を側面視した時に、ロービーム用フィラメン
ト51の下端51Dからの延長線L8よりも上方に位置
している。
【0037】なお、第3サポートワイヤSW3の後端
は、図1及び図4に示すように、ブリッジ57の取り付
け可能の最下位部に固定されている。また、第1、第
2、第3サポートワイヤSW1、SW2、SW3のう
ち、ブリッジ57に固定されている後端は、光源バルブ
の製造上、極めて近接させることができない。
【0038】この実施形態における本発明の前照灯は、
以上の如き構成からなり、以下、その作用について説明
する。まず、図5に示すように、(C)の初期状態(ロ
ービーム用フィラメント51とハイビーム用フィラメン
ト52とが垂直軸VU−VD上にある状態)にある本発
明の光源バルブ500を、ロービーム用フィラメント5
1の中心軸を中心として、右方向に回転させて(R)の
右側通行区分の前照灯用の光源バルブ500、500R
(ハイビーム用フィラメント52がロービーム用フィラ
メント51のドライバー側から見て右斜下方に位置する
光源バルブ)として、また、左方向に回転させて(L)
の左側通行区分の前照灯用の光源バルブ500、500
L(ハイビーム用フィラメント52がロービーム用フィ
ラメント51のドライバー側から見て左斜下方に位置す
る光源バルブ)として、それぞれ使用した場合であっ
て、(R)及び(L)に示すように、第3サポートワイ
ヤSW3及び第4リードワイヤLW4がロービーム用フ
ィラメント51の下端部51Dよりも下方に位置する場
合。このような場合であっても、第4リードワイヤLW
4の前端から後端の大部分にかけての部分は、図1及び
図2に示すように、正面視のロービーム用フィラメント
51の左端51Lからハイビーム用フィラメント52の
左端52Lを通る延長線L1と、正面視のロービーム用
フィラメント51の右端51Rからハイビーム用フィラ
メント52の右端52Rを通る延長線L2との間、及
び、側面視のロービーム用フィラメント51の前端下端
角51ADからハイビーム用フィラメント52の前端下
端角52ADを通る延長線L3と、側面視のロービーム
用フィラメント51の後端上端角51BUからハイビー
ム用フィラメント52の後端上端角52BUを通る延長
線L6との間、から画成される遮光エリアC中に配置さ
れているので、ロービーム用フィラメント51の点灯
時、ハイビーム用フィラメント52の遮光作用効果によ
り、ロービーム用フィラメント51からの照射光を受け
ることがない。従って、虚像グレア光と無縁となる。
【0039】一方、図1及び図2に示すように、第3サ
ポートワイヤSW3の前端のうち、正面視のロービーム
用フィラメント51の左端51Lからハイビーム用フィ
ラメント52の左端52Lを通る延長線L1と、正面視
のロービーム用フィラメント51の右端51Rからハイ
ビーム用フィラメント52の右端52Rを通る延長線L
2との間、及び、側面視のロービーム用フィラメント5
1の後端下端角51BDからハイビーム用フィラメント
52の後端上端角52BUを通る延長線L5と、側面視
のロービーム用フィラメント51の後端上端角51BU
からハイビーム用フィラメント52の後端上端角52B
Uを通る延長線L6との間、から画成される半遮光エリ
アC′中に配置されている曲面折曲部分SW30は、ロ
ービーム用フィラメント51の点灯時、ロービーム用フ
ィラメント51からの照射光を受けるが、微小面積であ
り、しかも折曲曲面の光拡散作用により、虚像グレア光
と無縁となる。
【0040】また、第3サポートワイヤSW3の半遮光
エリアC′(延長線L5)よりも後端側の部分は、ロー
ビーム用フィラメント51の点灯時、ロービーム用フィ
ラメント51からの照射光を受けるが、ロービーム用フ
ィラメント51からの照射光の入反射角度によりリフレ
クタ4の反射面40からは光って見えないので、虚像グ
レア光と無縁となる。
【0041】しかも、図1及び図2に示すように、第2
サポートワイヤSW2は、ロービーム用フィラメント5
1の下端51Dからの延長線L8よりも上方に位置する
ので、虚像グレア光と無縁となる。また、第2サポート
ワイヤSW2の前端部SW20は、ハイビーム用フィラ
メント52の後端52B(直線L9)よりも後方に鋭角
に折り曲げられているので、その第2サポートワイヤS
W2の前端部SW20がフィラメント(ロービーム用フ
ィラメント51)よりも遠ざかるので、フィラメントか
らの照射量及び照射面積が減り、その分、虚像グレア光
と無縁となる。
【0042】このように、この実施形態における本発明
の前照灯は、上記の構成の光源バルブ500を使用する
ことにより、同一の光源バルブ500で左側通行区分の
前照灯用の光源バルブ500Lと右側通行区分の前照灯
用の光源バルブ500Rとの双方に対応できることとな
る。
【0043】また、この実施形態の本発明の前照灯にお
いて、第3リードワイヤLW3は、図4に示すように、
ロービーム用フィラメント51の点灯時、ロービーム用
フィラメント51からの照射光を受ける位置に存在する
が、光源バルブ500を左右に回転させて左右側通行区
分の前照灯用の光源バルブ500L、500Rとした状
態では、図6に示すように、虚像グレア光を配光するリ
フレクタ4の反射面40の最大光度帯形成部分(図示せ
ず)からはほとんど見えず、仮に一部が見えたとして
も、その第3リードワイヤLW3はロービーム用フィラ
メント51の下端51Dよりも上方に位置するので、欧
州配光規格ECEReg.のグレア光を厳しく制限する
ポイント(ゾーン)から下方にはずれた形となるので、
問題となる虚像グレア光とはならない。
【0044】さらに、この実施形態の本発明の前照灯に
おいて、第2サポートワイヤSW2の前端部SW20
は、折り曲げられているので、第3リードワイヤLW3
との溶接面積が大となり、充分な溶接強度が得られる。
【0045】図7及び図8は、この実施形態における本
発明の前照灯の変形例を示す。この変形例において、第
3サポートワイヤSW3の曲面折曲部分SW300が鈍
角に折り曲げられているものである。
【0046】この変形例のものは、上述の実施形態のも
のと同様の作用効果を達成することができる。例えば、
半遮光エリアC′に位置する第3サポートワイヤSW3
の曲面折曲部分SW300は、上述の実施形態の第3サ
ポートワイヤSW3の曲面折曲部分SW30と同様に、
微小面積であり、しかも折曲曲面の光拡散作用により、
虚像グレア光と無縁となる。また、第3サポートワイヤ
SW3の半遮光エリアC′よりも前端側の部分が、遮光
エリアC中に配置されているので、上述のように、ハイ
ビーム用フィラメント52の遮光作用効果により、虚像
グレア光と無縁となる。
【0047】特に、この変形例のものは、第3サポート
ワイヤSW3の曲面折曲部分SW300を鈍角に折り曲
げたものであるから、折曲マシンによる折曲が容易とな
る。例えば、折曲幅が小さく、かつ、鋭角に折り曲げる
ような場合、折曲マシンによる折曲がかなり厳しい条件
となるが、この変形例の場合は折曲マシンによる折曲条
件がかなり緩和されることとなる。
【0048】ここで、上述の本発明の光源バルブ500
を使用した前照灯の配光パターンの具体例を図9及び図
10を参照して説明する。まず、リフレクタ4の反射面
40のサイズは90mm×180mm×85mm、同じ
く、リフレクタ4の反射面40の疑似焦点値25mmで
ある。
【0049】また、光源バルブ500の条件は、ロービ
ーム用フィラメント51の長さが5.5mm、ロービー
ム用フィラメント51の径がφ1.5mm、ロービーム
用フィラメント51の光束量が860lm、ハイビーム
用フィラメント52の長さが5.0mm、ハイビーム用
フィラメント52の径がφ1.3mm、ハイビーム用フ
ィラメント52の光束量が1300lm、ガラス管球5
0の径がφ16mm、である。この光源バルブ5の条件
は、自動車用の前照灯としての寿命、光量、製造可能
性、使用可能性、性能維持性等を考慮して経験的に適切
にかつ現実的に求められた1例であり、また、光束量
は、12V電圧での値である。
【0050】さらに、ロービーム用フィラメント51と
ハイビーム用フィラメント52との相対位置関係、すな
わち、正面視のロービーム用フィラメント51の中心と
ハイビーム用フィラメント52の中心とを結ぶ線分から
水平線HL−HRまでの角度θは20°、正面視のロー
ビーム用フィラメント51の中心からハイビーム用フィ
ラメント52の中心までの距離T1は2.8mm、側面
視のロービーム用フィラメント51の中心からハイビー
ム用フィラメント52の中心までの前後方向の距離T2
は2.5mmである。以上の条件は、あくまでも1例で
ある。
【0051】さらにまた、第4リードワイヤLW4の前
端の折曲部LW40の折曲角度(延長線L3と直線L4
とのなす角度)ψは、45°である。
【0052】上述の光源バルブ500及びリフレクタ4
の反射面40を使用した場合、図9の右側通行区分での
等照度曲線図((A)はロービーム用の配光パターン、
(B)はハイビーム用の配光パターン)と、図10の左
側通行区分での等照度曲線図((A)はロービーム用の
配光パターン、(B)はハイビーム用の配光パターン)
とは、双方に性能差は見られず、しかも、虚像グレア光
も見られない。
【0053】なお、上述の実施形態においては、第3サ
ポートワイヤSW3の曲面折曲部分SW30、SW30
0を半遮光エリアC′(及び遮光エリアC)内に配置さ
せたものであるが、本発明の前照灯においては、上述の
実施形態のように、第3サポートワイヤSW3の曲面折
曲部分SW30、SW300を半遮光エリアC′(及び
遮光エリアC)内に配置する場合はワイヤ接合マシンの
作業クリアランス上の問題、また、第3サポートワイヤ
SW3の曲面折曲部分SW30、SW300を半遮光エ
リアC′よりも後方(ブリッジ57側の方、ガラス管球
50の封止部(図示せず)側の方)に配置する場合は虚
像グレア光上の問題がそれぞれなければ、どちらの場合
でも成立可能となる。
【0054】また、上述の実施形態においては、第1、
第2、第3サポートワイヤSW1、SW2、SW3をブ
リッジ57に固定したものであるが、光源バルブの製造
設備の関係上、上述のブリッジ57を省略したものであ
っても良い。
【0055】さらに、上述の実施形態においては、反射
面40の全面反射配光により、所定のロービームの配光
パターンLP及びハイビームの配光パターンHPが制御
形成されるものであるから、レンズ2としては、素通し
のものであっても良いし、また、拡散系光学素子群(所
謂、拡散系プリズム素子群)等を有するものであっても
良い。
【0056】さらにまた、上述の実施形態においては、
ランプハウジング1と反射面40を有するリフレクタ4
とが別体の例について説明したが、本発明の前照灯は、
ランプハウジングとリフレクタとが一体のものにも適用
できる。
【0057】特に、本発明の前照灯に使用される光源バ
ルブ500は、左側通行区分専用に、又は右側通行区分
専用に使用する場合もある。この場合であっても、本発
明の前照灯の権利範囲内である。
【0058】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の前照
灯は、虚像グレア光の問題がなく、同一の光源バルブで
左側通行区分用の光源バルブと右側通行区分用の光源バ
ルブとの双方に対応できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前照灯の一実施形態を示し、第4リー
ドワイヤ及び第3サポートワイヤ及び第2サポートワイ
ヤの配置位置を説明するための、初期状態の光源バルブ
の側面図である。
【図2】同じく、第4リードワイヤ及び第3サポートワ
イヤの配置位置を説明するための、初期状態の光源バル
ブの正面図である。
【図3】同じく、リードワイヤ及びサポートワイヤの配
置状態を説明するための、初期状態の光源バルブの平面
図である。
【図4】同じく、リードワイヤ及びサポートワイヤの配
置状態を説明するための、初期状態の光源バルブの側面
図である。
【図5】(C)は初期状態の光源バルブの正面図、
(R)は初期状態の光源バルブを右側に回転させて右側
通行区分用となした光源バルブの正面図、(L)は初期
状態の光源バルブを左側に回転させて左側通行区分用と
なした光源バルブの正面図である。
【図6】光源バルブの第3リードワイヤが見えない状態
を説明するための正面図である。
【図7】同じく、第4リードワイヤ及び第3サポートワ
イヤ及び第2サポートワイヤの配置位置の変形例を説明
するための、初期状態の光源バルブの側面図である。
【図8】同じく、リードワイヤ及びサポートワイヤの配
置状態の変形例を説明するための、初期状態の光源バル
ブの側面図である。
【図9】(A)は右側通行区分のロービームの配光パタ
ーンを示した等照度曲線図、(B)は同じく右側通行区
分のハイビームの配光パターンを示した等照度曲線図で
ある。
【図10】(A)は左側通行区分のロービームの配光パ
ターンを示した等照度曲線図、(B)は同じく左側通行
区分のハイビームの配光パターンを示した等照度曲線図
である。
【図11】従来の前照灯を示し、レンズを透過してリフ
レクタの反射面及びシェードが透視された状態の正面図
である。
【図12】図11におけるXII−XII線断面図であ
る。
【図13】図11におけるXIII−XIII線断面図
である。
【図14】ロービームの配光パターンのイメージ図であ
る。
【図15】ハイビームの配光パターンのイメージ図であ
る。
【図16】同一の光源バルブで左右両側の通行区分に対
応できる可能性があることを説明するための図であっ
て、(C)は初期状態の一般の光源バルブの正面図、
(R)は初期状態の光源バルブを右側に回転させて右側
通行区分用となした光源バルブの正面図、(L)は初期
状態の光源バルブを左側に回転させて左側通行区分用と
なした光源バルブの正面図である。
【図17】ワイヤによる虚像グレア光を説明するための
図であって、ロービーム用フィラメント及びリードワイ
ヤ及びサポートワイヤの配置状態を示した側面図であ
る。
【図18】図17の光源バルブによる虚像グレア光の説
明のためのスクリーンイメージ図である。
【図19】従来の左通行区分専用の光源バルブであっ
て、リードワイヤ及びサポートワイヤの配置状態を説明
するための初期状態の光源バルブの平面図である。
【図20】同じく、従来の左通行区分専用の光源バルブ
であって、リードワイヤ及びサポートワイヤの配置状態
を説明するための、初期状態の光源バルブの側面図であ
る。
【図21】同じく、従来の左通行区分専用の光源バルブ
であって、(C)は初期状態の光源バルブの正面図、
(R)は初期状態の光源バルブを右側に回転させて右側
通行区分用となした光源バルブの正面図、(L)は初期
状態の光源バルブを左側に回転させて左側通行区分用と
なした光源バルブの正面図である。
【図22】同じく、従来の左通行区分専用の光源バルブ
におけるロービーム用フィラメントとハイビーム用フィ
ラメントとの相対位置関係を説明するための正面図であ
る。
【図23】図22におけるXXIII矢視図である。
【図24】従来の左通行区分用の光源バルブを右側通行
区分用に使用した場合の、欧州配光規格ECEReg.
のグレア光を厳しく制限するポイント、ゾーンに虚像グ
レア光として配光された状態を示した等照度曲線図であ
る。
【図25】従来の右通行区分専用の光源バルブであっ
て、(C)は初期状態の光源バルブの正面図、(R)は
初期状態の光源バルブを右側に回転させて右側通行区分
用となした光源バルブの正面図、(L)は初期状態の光
源バルブを左側に回転させて左側通行区分用となした光
源バルブの正面図である。
【符号の説明】
1…ランプハウジング、2…レンズ、3…灯室、4…前
照灯用リフレクタ、40…複合反射面から構成された反
射面(所謂自由曲面)、500…光源バルブ、51…ロ
ービーム用フィラメント、52…ハイビーム用フィラメ
ント、6…シェード、70…路肩歩行者、71…明暗境
界線、72…水平線部分、73…緩傾斜線部分、LW
1、LW2、LW3、LW4…リードワイヤ、SW1、
SW2、SW3…サポートワイヤ、LP…ロービームの
配光パターン、HP…ハイビームの配光パターン、HZ
…ホットゾーン、F…焦点、Z−Z…光軸、Z′−Z′
…管球軸、H−H…水平線(水平軸)、V−V…垂直線
(垂直軸)、A…前側、B…後側、C…遮光エリア、
C′…半遮光エリア、U…上側、D…下側、L…左側、
R…右側。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランプハウジング及びレンズにより灯室
    が画成されており、前記灯室内には光源バルブ及びリフ
    レクタが配置されており、前記光源バルブは、ハイビー
    ム用フィラメントがロービーム用フィラメントよりも斜
    下方に配置されており、前記リフレクタは、複合反射面
    から構成されている反射面を有しており、前記ロービー
    ム用フィラメントを点灯すると、前記反射面の全面反射
    配光により、所定のロービームの配光パターンが形成さ
    れ、前記ハイビーム用フィラメントを点灯すると、前記
    反射面の全面反射配光により、所定のハイビームの配光
    パターンが形成される前照灯において、 前記光源バルブは、 前記ロービーム用フィラメントの前端が第1リードワイ
    ヤと第1サポートワイヤとにより支持されており、前記
    ロービーム用フィラメントの後端及び前記ハイビーム用
    フィラメントの後端が第2リードワイヤ及び第3リード
    ワイヤと第2サポートワイヤとにより支持されており、
    前記ハイビーム用フィラメントの前端が第4リードワイ
    ヤと第3サポートワイヤとにより支持されており、 前記第1、第2、第3、第4リードワイヤ及び前記第
    1、第2、第3サポートワイヤが、前記ロービーム用フ
    ィラメントと前記ハイビーム用フィラメントとを結ぶ線
    上に配置されており、 前記ハイビーム用フィラメントを前記ロービーム用フィ
    ラメントよりも斜下方に配置させて使用する、 光源バルブであって、 前記第4リードワイヤは、初期状態の前記光源バルブを
    側面視した時に、前記ハイビーム用フィラメントの前端
    から下方を通って後端側まで配線されており、 また、前記第4リードワイヤは、初期状態の前記光源バ
    ルブを正面視した時に、前記ロービーム用フィラメント
    の左端から前記ハイビーム用フィラメントの左端を通る
    延長線と、前記ロービーム用フィラメントの右端から前
    記ハイビーム用フィラメントの右端を通る延長線との間
    に、配置されており、 さらに、前記第4リードワイヤの前端は、初期状態の前
    記光源バルブを側面視した時に、前記ロービーム用フィ
    ラメントの前端下端角から前記ハイビーム用フィラメン
    トの前端下端角を通る延長線よりも後方に位置してお
    り、 前記第4リードワイヤは、ロービーム用フィラメント点
    灯時における虚像グレア光と無縁である、 前記光源バルブが使用されている、ことを特徴とする前
    照灯。
  2. 【請求項2】 ランプハウジング及びレンズにより灯室
    が画成されており、前記灯室内には光源バルブ及びリフ
    レクタが配置されており、前記光源バルブは、ハイビー
    ム用フィラメントがロービーム用フィラメントよりも斜
    下方に配置されており、前記リフレクタは、複合反射面
    から構成されている反射面を有しており、前記ロービー
    ム用フィラメントを点灯すると、前記反射面の全面反射
    配光により、所定のロービームの配光パターンが形成さ
    れ、前記ハイビーム用フィラメントを点灯すると、前記
    反射面の全面反射配光により、所定のハイビームの配光
    パターンが形成される前照灯において、 前記光源バルブは、 前記ロービーム用フィラメントの前端が第1リードワイ
    ヤと第1サポートワイヤとにより支持されており、前記
    ロービーム用フィラメントの後端及び前記ハイビーム用
    フィラメントの後端が第2リードワイヤ及び第3リード
    ワイヤと第2サポートワイヤとにより支持されており、
    前記ハイビーム用フィラメントの前端が第4リードワイ
    ヤと第3サポートワイヤとにより支持されており、 前記第1、第2、第3、第4リードワイヤ及び前記第
    1、第2、第3サポートワイヤが、前記ロービーム用フ
    ィラメントと前記ハイビーム用フィラメントとを結ぶ線
    上に配置されており、 前記ハイビーム用フィラメントを前記ロービーム用フィ
    ラメントよりも斜下方に配置させて使用する、 光源バルブであって、 前記第3サポートワイヤは、初期状態の前記光源バルブ
    を正面視した時に、前記ロービーム用フィラメントの左
    端から前記ハイビーム用フィラメントの左端を通る延長
    線と、前記ロービーム用フィラメントの右端から前記ハ
    イビーム用フィラメントの右端を通る延長線との間に、
    配置されており、 また、前記第3サポートワイヤの前端のうち、初期状態
    の前記光源バルブを側面視した時に、前記ロービーム用
    フィラメントの後端下端角から前記ハイビーム用フィラ
    メントの後端上端角を通る延長線よりも前方の部分は、
    前記ロービーム用フィラメントからの光を拡散させる曲
    面で折り曲げられており、 前記第3サポートワイヤは、ロービーム用フィラメント
    点灯時における虚像グレア光と無縁である、 前記光源バルブが使用されている、ことを特徴とする前
    照灯。
  3. 【請求項3】 ランプハウジング及びレンズにより灯室
    が画成されており、前記灯室内には光源バルブ及びリフ
    レクタが配置されており、前記光源バルブは、ハイビー
    ム用フィラメントがロービーム用フィラメントよりも斜
    下方に配置されており、前記リフレクタは、複合反射面
    から構成されている反射面を有しており、前記ロービー
    ム用フィラメントを点灯すると、前記反射面の全面反射
    配光により、所定のロービームの配光パターンが形成さ
    れ、前記ハイビーム用フィラメントを点灯すると、前記
    反射面の全面反射配光により、所定のハイビームの配光
    パターンが形成される前照灯において、 前記光源バルブは、 前記ロービーム用フィラメントの前端が第1リードワイ
    ヤと第1サポートワイヤとにより支持されており、前記
    ロービーム用フィラメントの後端及び前記ハイビーム用
    フィラメントの後端が第2リードワイヤ及び第3リード
    ワイヤと第2サポートワイヤとにより支持されており、
    前記ハイビーム用フィラメントの前端が第4リードワイ
    ヤと第3サポートワイヤとにより支持されており、 前記第1、第2、第3、第4リードワイヤ及び前記第
    1、第2、第3サポートワイヤが、前記ロービーム用フ
    ィラメントと前記ハイビーム用フィラメントとを結ぶ線
    上に配置されており、 前記ハイビーム用フィラメントを前記ロービーム用フィ
    ラメントよりも斜下方に配置させて使用する、 光源バルブであって、 前記第2サポートワイヤの前端部は、初期状態の前記光
    源バルブを側面視した時に、前記ハイビーム用フィラメ
    ントの後端よりも後方に折り曲げられており、 また、前記第2サポートワイヤの前端部の下端は、初期
    状態の前記光源バルブを側面視した時に、前記ロービー
    ム用フィラメントの下端よりも上方に位置しており、 前記第2サポートワイヤは、ロービーム用フィラメント
    点灯時における虚像グレア光と無縁である、 前記光源バルブが使用されている、ことを特徴とする前
    照灯。
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