JP2000163716A - 強磁性トンネル接合素子、再生ヘッド、および記録再生システム - Google Patents

強磁性トンネル接合素子、再生ヘッド、および記録再生システム

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JP2000163716A
JP2000163716A JP10338881A JP33888198A JP2000163716A JP 2000163716 A JP2000163716 A JP 2000163716A JP 10338881 A JP10338881 A JP 10338881A JP 33888198 A JP33888198 A JP 33888198A JP 2000163716 A JP2000163716 A JP 2000163716A
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layer
tunnel junction
film
ferromagnetic
ferromagnetic tunnel
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JP10338881A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Hayashi
一彦 林
Hiroyuki Ohashi
啓之 大橋
Nobuyuki Ishiwata
延行 石綿
Masabumi Nakada
正文 中田
Tsutomu Ishi
勉 石
Hiroaki Honjo
弘明 本庄
Kunihiko Ishihara
邦彦 石原
Junichi Fujikata
潤一 藤方
Hisao Matsudera
久雄 松寺
Hisanao Tsuge
久尚 柘植
Atsushi Kamijo
敦 上條
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強磁性トンネルヘッドにおいて、再生出力面
からみた歩留まりを向上させる強磁性トンネル接合ヘッ
ドを提供する。 【解決手段】 磁気抵抗効果素子としてフリー層/バリ
ア層/固定層を基本構成とするトンネル接合素子を用い
たシールド型磁気抵抗効果素子において、トンネル接合
素子を構成する層のうち最上層と最下層とでパターン形
状が異なり、そのパターンの面積が最上層の方が小さい
ようにする。トンネル接合膜部をパターン化する際の素
子加工工程を、トンネル接合膜を構成する各層のうち最
下部までは行わないことによる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気媒体に記録した
情報信号を読み取るための磁気センサに関するものであ
り、特には、強磁性トンネル接合素子の構成及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術では、磁気抵抗(MR)センサ
またはヘッドと呼ばれる磁気読み取り変換器が開示され
ており、これは、大きな線形密度で磁性表面からデータ
を読み取れることがわかっている。MRセンサは、読み
取り素子によって感知される磁束の強さと方向の関数と
しての抵抗変化を介して磁界信号を検出する。こうした
従来技術のMRセンサは、読み取り素子の抵抗の1成分
が磁化方向と素子中を流れる感知電流の方向の間の角度
の余弦の2乗に比例して変化する、異方性磁気抵抗(A
MR)効果に基づいて動作する。
【0003】AMR効果のより詳しい説明は、D.A.
トムプソン(Thompson)等の論文 "Memory、St
orage 、and Related Applications" IEEE Trans. on M
ag.MAG-11 、p. 1039 (1975)に出ている。AMR効果を
用いた磁気ヘッドではバルクハウゼンノイズを押えるた
めに縦バイアスを印加することが多いが、この縦バイア
ス印加材料として、FeMn、NiMn、ニッケル酸化
物などの反強磁性材料を用いる場合がある。
【0004】さらに最近には、積層磁気センサの抵抗変
化が、非磁性層を介する磁性層間での電導電子のスピン
依存性伝送、及びそれに付随する層界面でのスピン依存
性散乱に帰される、より顕著な磁気抵抗効果が記載され
ている。この磁気抵抗効果は、「巨大磁気抵抗効果」や
「スピン・バルブ効果」など様々な名称で呼ばれてい
る。このような磁気抵抗センサは適当な材料で出来てお
り、AMR効果を利用するセンサで観察されるよりも、
感度が改善され、抵抗変化が大きい。
【0005】この種のMRセンサでは、非磁性層で分離
された1対の強磁性体層の間の平面内抵抗が、2つの層
の磁化方向間の角度の余弦に比例して変化する。198
8年6月に優先権主張されている特開平2−61572
には、磁性層内の磁化の反平行整列によって生じる高い
MR変化をもたらす積層磁性構造が記載されている。
【0006】積層構造で使用可能な材料として、上記明
細書には強磁性の遷移金属及び合金が挙げられている。
また、中間層により分離している少なくとも2層の強磁
性層の一方に固定する層を付加した構造および固定する
層としてFeMnが適当であることが開示されている。
又、1990年12月11日に優先権主張されている、
特開平4−358310には、非磁性金属体の薄膜層に
よって仕切られた強磁性体の2層の薄膜層を有し、印加
磁界が零である場合に2つの強磁性薄膜層の磁化方向が
直交し、2つの非結合強磁性体層間の抵抗が2つの層の
磁化方向間の角度の余弦に比例して変化し、センサ中を
通る電流の方向とは独立な、MRセンサが開示されてい
る。
【0007】一方、1990年8月22日に出願されて
いる、特開平4−103014号公報には、強磁性に他
の中間層を挿入して多層膜とした強磁性トンネル接合素
子において、少なくとも一層の強磁性層に反強磁性体か
らのバイアス磁界が印加されていることを特徴とする強
磁性トンネル効果膜についての記載がある。強磁性トン
ネル接合を用いた再生ヘッドにおいて、フリー層の磁区
を制御する層(縦バイアス層)がフリー層に接触しない
構造については、1996年11月27日に優先権主張
されている、特開平10−162327号公報に記述が
ある。
【0008】又、強磁性トンネル接合を用いた再生ヘッ
ドにおいて、強磁性トンネル接合膜を構成する層のう
ち、最上層から最下層まですべての層をパターン化した
構造については、1996年11月27日に優先権主張
されている、特開平10−162327号公報に記述が
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図6は、特開平10−
162327号公報に記載されている従来の強磁性トン
ネルヘッドの構造概念図である。図6から理解される通
り、当該従来の強磁性トンネルヘッドに於いては、最上
層から最下層まですべての層がパターン化された強磁性
トンネル接合膜に対し、絶縁層を介して縦バイアス層が
配置されている様子が書かれている。
【0010】ところが、強磁性トンネル接合膜をミリン
グによりパターン化した場合に、図6に示されたように
すべての層をパターン化すると、強磁性トンネル接合膜
を構成する各層のうち、バリア層より下部に位置する層
をミリングする際に発生する再付着がバリア層をまたが
る可能性が増大する。バリア層は絶縁層であり抵抗値が
高いため、抵抗の小さな金属でできたバリの存在によ
り、フリー層と固定層とが短絡してしまう可能性があ
る。
【0011】短絡すると電流はバリア層をほとんど流れ
なくなるので、抵抗変化率がまったく生じないか、きわ
めて小さな値となる。実際にはバリの出来方により、た
またま短絡するサンプルとしないサンプルとが生じ、歩
留まりの悪さという形で現れる。従って、上記ミリング
処理するに当たっては、当該バリア層の下層に配置され
ているフリー層若しくは固定層の何れかから発生する当
該金属の屑、塵等を出来るだけ抑制する必要があった。
【0012】その他、特開平10−103014号公報
及び特開平10−162326号公報には、縦バイアス
層を使用した強磁性トンネル接合素子の構成に関して開
示されてはいるが、当該強磁性トンネル接合素子に於け
るバリア層の使用とその絶縁方法に関しては記載がな
く、又特開平9−16918号公報には、同様に縦バイ
アス層を使用した強磁性トンネル接合素子の構成に関し
て開示されてはいるが、バリア層に使用に関して開示も
示唆もなく、ましてバリア層の絶縁方法に関しては記載
は全く見られない。
【0013】従って、本発明の目的は、上記した従来技
術の欠点を改良し、従来例の磁気抵抗効果素子と比較し
て再生信号出力面から見た歩留まりが飛躍的に優れた磁
気抵抗効果センサ、磁気抵抗効果ヘッド、および記録再
生システムを得ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成する為、以下に示す様な基本的な技術構成を採用す
るものである。即ち、本発明に於ける第1の態様として
は、少なくともフリー層、バリア層、固定層の各層が積
層されて形成された積層体を基本構成とするトンネル接
合膜を用いたシールド型強磁性トンネル接合素子におい
て、当該トンネル接合膜を構成する層のうち最上層と最
下層とでパターン形状が異なる様に構成された強磁性ト
ンネル接合素子であり、又本発明に係る第2の態様とし
ては、磁気抵抗効果膜としてフリー層/バリア層/固定
層を基本構成とするトンネル接合膜を用いたシールド型
強磁性トンネル接合素子において、トンネル接合膜部を
パターン化する際の素子加工処理を、トンネル接合膜を
構成する各層のうち最下部の層までは行わない様に構成
された強磁性トンネル接合素子の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る当該強磁性トンネル
接合素子は、上記した様な技術構成を採用しているの
で、磁気抵抗効果素子としてフリー層/バリア層/固定
層を基本構成とするトンネル接合素子を用いたシールド
型磁気抵抗効果素子において、トンネル接合素子を構成
する層のうち最上層と最下層とでパターン形状が異な
り、そのパターンの面積が最上層の方が小さいようにす
るものである。
【0016】このような構成の強磁性トンネル接合素子
においては、素子形成の際に行われるミリングが必然的
に素子パターン化の途中で中止され、その分だけバリア
層のミリングを終了してから、さらにその下部層をミリ
ングする量が少なくできる。バリの生成量及びバリの形
成によるフリー層と固定層との短絡の発生確率は、ミリ
ング量と正の相関関係があるから、ミリング量を少なく
するほどバリの形成量を少なく押さえることができる。
【0017】当該ミリングをバリア層の手前でやめる
か、バリア層をミリングし終わったところでやめれば、
再付着によるバリの発生は完全に防止することができ
る。バリア層のミリングが終了して、バリア層の下部に
位置する層をミリングすることになっても、そのミリン
グ量が少なければバリの発生は少なく押さえることがで
きる。
【0018】
【実施例】以下に、本発明に係る磁気抵抗効果ヘッドの
具体例の構成を図面を参照しながら詳細に説明する。即
ち、図1は、本発明に係る当該磁気抵抗効果ヘッドの基
本的な構成の概略を示す断面図であって、図中、少なく
ともフリー層6、バリア層5、固定層4の各層が積層さ
れて形成された積層体を基本構成とするトンネル接合膜
を用いたシールド型強磁性トンネル接合素子20におい
て、当該トンネル接合膜20を構成する層のうち最上層
と最下層とでパターン形状が異なる強磁性トンネル接合
素子30が示されている。
【0019】以下に、本発明に係る当該強磁性トンネル
接合素子30の具体例についてその構成及び製造方法の
概略に関して図面を参照しながら詳細に説明する。即
ち、図1は、本発明に係る当該強磁性トンネル接合素子
30の第1の具体例の構成を示すものであり、当該トン
ネル接合膜20を構成する層の当該パターン形状が、当
該各層のパターンの面積に関し、基板から見て、最上層
を構成する層のパターン面積が他の層を構成する各層の
パターンの面積よりも小さい様に構成する事が望まし
い。
【0020】更に、本具体例に於いては、当該強磁性ト
ンネル接合膜20は、フリー層6、バリア層5、及び固
定層4の各層が基板表面からみてフリー層/バリア層/
固定層の順若しくはその反対の順で積層されている事が
望ましい。此処で、本発明に係る第1の具体例に於ける
強磁性トンネル接合素子30の構成をより詳細に説明す
るならば、図1に示す様に、シールド型センサ部をAB
S面に平行に切った時の断面の概念図を示す。
【0021】この構成では、基板40上に下シールド1
および下電極層2が積層される。その上にフリー層6お
よびバリア層5が積層される。バリア層5上の左右の縦
バイアス層7の間の部分に、固定層4/固定する層3/
上電極9が積層されこれらは図1のようにパターン化さ
れる。パターン化された固定層4/固定する層3/上電
極9の左右には絶縁層が配置される。
【0022】本具体例に於ける当該パターン化に際する
素子加工処理、即ちミリング処理は、当該固定する層3
及び固定層4の全てをミリング処理したものであり、当
該バリア層4及びフリー層6には、当該処理を実行して
いない。従って、当該強磁性トンネル接合膜20はやや
台形の形状を呈し、かつ当該バリア層5が全面に存在す
る事によって、当該固定層4と当該フリー層6とが接触
する恐れは全くない。
【0023】本具体例では、さらにその上に上電極9お
よび上シールド層10が積層される。下地層/固定する
層3/固定層4/バリア層5/フリー層6の部分が強磁
性トンネル接合膜である。この構造では、仮に図中の上
電極から下電極へ電流を流したとすると、電流は上電極
9から固定する層3、固定層4、バリア層5、フリー層
6を通過し、下電極層2へと流れる。
【0024】この際、縦バイアス層7は電流の流れ方に
関与することはない。また、縦バイアス層7はフリー層
6に直接接触しているので、その縦バイアスはフリー層
6に十分印加されることになる。したがって、この構造
を用いることにより、強磁性トンネル接合部をセンス電
流がきちんと流れることと、フリー層に縦バイアスをき
ちんと印加することを両立することができる。
【0025】本具体例では、下シールド1上に下電極2
を積層し、上電極9上に上シールド10を積層した構造
について述べたが、下シールド1と下電極2との間、ま
たは上電極9と上シールド10との間にギャップ層とし
て絶縁層を配置することも可能である。また、下シール
ド1と下電極2、上電極9と上シールド10を兼用にす
ることもできる。更には、下電極層2とフリー層6との
間には下地層を、固定する層3を構成する反強磁性層と
上電極層9との間には上部層を設けることもできる。
【0026】本発明に於ける当該トンネル接合膜を構成
する各層の内、当該基板から見て、最上層の部分のみに
対して、パターン化に伴う素子加工処理が実行されたも
のであっても良く、より具体的には、当該トンネル接合
膜を構成する各層の内、当該基板40から見て、最上層
の部分及び当該バリア層5の少なくとも一部のみに対し
て、パターン化に伴う素子加工処理が実行されたもので
ある事が望ましい。
【0027】係る素子加工処理の他の具体例としては、
例えば、当該トンネル接合膜を構成する各層の内、当該
基板40から見て、最上層の部分及び当該バリア層の部
分のみに対して、パターン化に伴う素子加工処理が実行
されたものである事も望ましい。上記の当該素子加工処
理はミリング処理工程である事が望ましい。
【0028】次に、本発明に係る強磁性トンネル接合素
子の第2の具体例について図2を参照しながら説明す
る。即ち、本発明に於ける第2の具体例の構成として
は、図2に示すシールド型センサ部をABS面に平行に
切った時の断面に示す様に、この構成では、基板40体
上に下シールド1、下電極層2、およびフリー層6が積
層される。
【0029】そして、その上に図のようにパターン化さ
れた縦バイアス層7が積層されると共に、フリー層6上
の左右の縦バイアス層7の間の部分に、バリア層5/固
定層4/固定する層3/上電極層9が積層され、最後に
これらの各層は同時に、図のようにパターン化される。
本具体例に於ける当該パターン化に際する素子加工処
理、即ちミリング処理は、当該固定する層3及び固定層
4及びバリア層5の全てをミリング処理したものである
が、当該フリー層6は全くミリング処理を実行していな
い。
【0030】従って、当該強磁性トンネル接合膜20は
略垂直状の側壁を有する構成となるが、当該フリー層が
左右に拡幅されて形成されているので、当該強磁性トン
ネル接合膜20の最上部層と最下部層のパターンは異な
っている事は明らかである。又、本具体例に於いては、
当該フリー層6は、全くミリング処理を受けないので、
当該フリー層6から導電性の屑や塵埃等が発生して当該
バリア層5に付着する恐れは全くない。
【0031】本具体例に於いても、図示していない下地
層を含み、固定する層3/固定層4/バリア層5/フリ
ー層6の部分が強磁性トンネル接合膜である。この構造
では、仮に図中の上電極から下電極へ電流を流したとす
ると、電流は上電極9から固定する層3、固定層4、バ
リア層5、フリー層6を通過し、下電極層2へと流れ
る。
【0032】この際、縦バイアス層7は電流の流れ方に
関与することはない。また、縦バイアス層7はフリー層
6上に直接積層されているので、その縦バイアスはフリ
ー層に十分印加されることになる。したがって、この構
造を用いることにより、強磁性トンネル接合部をセンス
電流がきちんと流れることと、フリー層に縦バイアスを
きちんと印加することを両立することができる。
【0033】ここでは、下シールド上に下電極を積層し
た構造について述べたが、下シールドと下電極との間に
下ギャップ層として絶縁層を配置することも可能であ
る。また、下シールドと下電極を兼用にすることもでき
る。下電極層とフリー層との間には下地層を設けること
もできる。次に、本発明に係る強磁性トンネル接合素子
の第3の具体例について図3を参照しながら説明する。
【0034】即ち、本発明に於ける第3の具体例の構成
としては、図3に示すシールド型センサ部をABS面に
平行に切った時の断面で示す様に、この構成では、基板
40上に下シールド1、下電極2、固定する層である反
強磁性層3、固定層4およびバリア層5が順次積層され
る。その上に図3に示す様にパターン化されたフリー層
6を積層する。フリー層6の左右には絶縁層8および縦
バイアス層7がその端部がフリー層6に接するように配
置されている。
【0035】さらにその上部には上電極層9および上シ
ールド層10が積層される。図示されてはいないが、必
要な場合に使用される下地層の上に形成される当該固定
する層3/固定層4/バリア層5/フリー層6の部分が
強磁性トンネル接合膜20である。この構造では、仮に
図中の上電極から下電極へ電流を流したとすると、電流
は上電極からフリー層6、バリア層5、固定層4、固定
する層3を順次通過し、下電極層2へと流れる。
【0036】この際、縦バイアス層7は絶縁層8および
バリア層5により固定層4以下の層と電気的に絶縁され
ているので、電流の流れ方に関与することはない。ま
た、縦バイアス層はフリー層に接しているので、その縦
バイアスはフリー層に十分印加されることになる。した
がって、この構造を用いることにより、強磁性トンネル
接合部をセンス電流がきちんと流れることと、フリー層
に縦バイアスをきちんと印加することを両立することが
できる。
【0037】本具体例では、下シールド上に下電極を積
層し、上電極上に上シールドを積層した構造について述
べたが、下シールドと下電極との間、または上電極と上
シールドとの間に下ギャップ層として絶縁層を配置する
ことも可能である。また、下シールドと下電極、上電極
と上シールドを兼用にすることもできる。更に、下電極
層とフリー層との間には下地層を、反強磁性層と上電極
層との間には上部層を設けることもできる。また、本具
体例に於いては強磁性トンネル接合膜のうちフリー層の
みをパターン化した場合について示したが、少なくとも
フリー層がパターン化されていればよく、それ以下の部
分はどこまでパターン化するかは適宜選択することがで
きる。
【0038】つまり、本具体例に於いては、当該フリー
層6のみに対して、素子加工処理であるミリング処理を
実行するものであり、当該バリア層5及び当該固定層4
は、ミリング処理を行わないので、当該フリー層6と当
該固定層4とが、導電性の屑や塵埃等が発生して当該バ
リア層5に付着する恐れは全くない。又、本具体例に於
いては、当該フリー層6がパターン化の為のミリング処
理を受けており当該バリア層5と固定層4とは当該ミリ
ング処理を受けていないので、最上層のフリー層6のパ
ターン形状は、中間層のバリア層5及び最下層の固定層
4のパターン形状とは異なっていることは明らかであ
る。
【0039】本具体例に於いては、場合によっては、当
該フリー層6の層全体に亘って当該ミリング処理を行っ
ても良く、又当該フリー層6の最上部面から所定の深さ
だけミリング処理を実行する様にしたもので有っても良
い。又、当該バリア層5の一部を削る様にミリング処理
を更に追加しても良い。次に、本発明に係る強磁性トン
ネル接合素子の第4の具体例について図4を参照しなが
ら説明する。
【0040】即ち、本発明に於ける第4の具体例の構成
としては、図4に示すシールド型センサ部をABS面に
平行に切った時の断面で示す様に、この構成では、基板
40上に下シールド1、下電極2、固定する層を形成す
る反強磁性層3、固定層4およびバリア層5が順次積層
される。その上に図4のようにパターン化されたフリー
層6を積層する。当該フリー層6の左右には酸化物縦バ
イアス層7がその端部がフリー層6に接するように配置
されている。
【0041】さらにその上部には上電極層9および上シ
ールド層10が積層される。図示されてはいないが必要
な場合に使用される下地層の上に形成される当該固定す
る層3/固定層4/バリア層5/フリー層6の部分が強
磁性トンネル接合膜20である。この構造では、仮に図
中の上電極から下電極へ電流を流したとすると、電流は
上電極9からフリー層6、バリア層5、固定層4、固定
する層3を順次通過し、下電極層2へと流れる。
【0042】この際、酸化物縦バイアス層7は絶縁層な
ので、電流の流れ方に関与することはない。また、縦バ
イアス層7はフリー層6に接しているので、その縦バイ
アスはフリー層に十分印加されることになる。したがっ
て、この構造を用いることにより、強磁性トンネル接合
部をセンス電流がきちんと流れることと、フリー層6に
縦バイアスをきちんと印加することを両立することがで
きる。
【0043】本具体例に於いては、下シールド1上に下
電極2を積層し、上電極9上に上シールド10を積層し
た構造について述べたが、下シールドと下電極との間、
または上電極と上シールドとの間に下ギャップ層として
絶縁層を配置することも可能である。また、下シールド
と下電極、上電極と上シールドを兼用にすることもでき
る。
【0044】更に本具体例に於いては、下電極層2とフ
リー層6との間には下地層を、反強磁性層であるフリー
層6と上電極層9との間には上部層を設けることもでき
る。又、本具体例に於いては、当該フリー層6がパター
ン化の為のミリング処理を受けており当該バリア層5と
固定層4とは当該ミリング処理を受けていないので、最
上層のフリー層6のパターン形状は、中間層のバリア層
5及び最下層の固定層4のパターン形状とは異なってい
ることは明らかである。
【0045】更に本具体例に於いては、強磁性トンネル
接合膜20のうちフリー層6のみをパターン化した場合
について示したが、少なくともフリー層がパターン化さ
れていればよく、それ以下の部分はどこまでパターン化
するかは適宜選択することができる。次に、本発明に係
る強磁性トンネル接合素子の第5の具体例について図5
を参照しながら説明する。
【0046】即ち、本発明に於ける第5の具体例の構成
としては、図5に示すシールド型センサ部をABS面に
平行に切った時の断面で示す様に、この構成では、基板
40上に下シールド1、下電極2、固定する層3、固定
層4およびバリア層5が順次積層される。その上に図5
に示す様に、パターン化されたフリー層6/界面制御層
11/縦バイアス層7を積層する。当該縦バイアスは界
面制御層11により、印加される大きさがコントロール
された後に、フリー層6に印加される。
【0047】フリー層6の左右には絶縁層8が配置され
ている。さらにその上部には上電極層9および上シール
ド層10が積層される。図示されてはいないが必要な場
合に使用される下地層の上に形成される当該固定する層
3/固定層4/バリア層5/フリー層6の部分が強磁性
トンネル接合膜20である。
【0048】本具体例に於いては、仮に図中の上電極9
から下電極2へ電流を流したとすると、電流は上電極9
から縦バイアス層7、界面制御層11、フリー層6、バ
リア層5、固定層4、固定する層3を順次通過し、下電
極層2へと流れる。この際、縦バイアス層7は絶縁層な
ので、電流の流れ方に関与することはない。また、縦バ
イアス層7は界面制御層11を介してフリー層6に接し
ており、当該界面制御層11は磁界の大きさを制御する
機能を有するが、電気的には導電性を有しているので、
その縦バイアスはフリー層6に十分印加されることにな
る。
【0049】従って、本具体例に係る当該構造を用いる
ことにより、強磁性トンネル接合部をセンス電流がきち
んと流れることと、フリー層に縦バイアスをきちんと印
加することを両立することができる。本具体例に於いて
は、下シールド1上に下電極2を積層し、上電極9上に
上シールド10を積層した構造について述べたが、下シ
ールドと下電極との間、または上電極と上シールドとの
間に下ギャップ層として絶縁層を配置することも可能で
ある。
【0050】また、下シールドと下電極、上電極と上シ
ールドを兼用にすることもできる。下電極層とフリー層
との間には下地層を、反強磁性層と上電極層との間には
上部層を設けることもできる。縦バイアス材料に適当な
材料を選べば、界面制御層を省略することもできる。
又、本具体例に於いては、当該縦バイアス層7、界面制
御層11及びフリー層6がパターン化の為のミリング処
理を受けており当該バリア層5と固定層4とは当該ミリ
ング処理を受けていないので、最上層の縦バイアス層7
のパターン形状は、当該バリア層5及び最下層の固定層
4のパターン形状とは異なっていることは明らかであ
る。
【0051】また、ここでは強磁性トンネル接合膜のう
ち縦バイアス層7、界面制御層11及びフリー層6をパ
ターン化した場合について示したが、少なくともフリー
層はその少なくとも一部がミリング処理されているもの
で有っても良い。又、当該バリア層5の一部がミリング
処理されていても良い。本発明に係る強磁性トンネル接
合素子20の代表的な構成を図1から図5に示したが、
それぞれの強磁性トンネル接合素子20の代表的な素子
平面概念図の一例を、図7から図11にそれぞれ示して
おく。
【0052】ここでは、縦バイアス形状として上から見
て長方形のものを示したが、実際には種々の形状のもの
を用いることができる。即ち、図11〜図17の平面図
は、本発明に係る当該磁気抵抗効果ヘッドを上部から見
た平面図であって、部分的にそれぞれの積層構造が異な
っている事を示している。
【0053】例えば、図7に於ける区域Aの部分は、シ
ールド層10の下に直接下電極層部が配置されている事
を示し、又区域Bは、表面に絶縁層8が存在し、その下
に非磁性層、つまりバリア層5、フリー層6下電極2及
び下シールド層1がこの順に堆積せしめられている事を
意味しているものである。同様に、区域Cに於いては、
最表面が上シールド層10で構成されていると同時にそ
の下に上電極層9、絶縁層8、バリア層5、フリー層
6、縦バイアス層7、下電極2及び下シールド層1がこ
の順に堆積せしめられている事を意味しているものであ
る。
【0054】又、区域Dは、最表面が上シールド層10
で構成されていると同時にその下に上電極層9、固定す
る層3、固定層4、バリア層5、フリー層6、下電極2
及び下シールド層1がこの順に堆積せしめられている事
を意味しているものである。更に、区域Eに於いては、
最表面が上シールド層10で構成されていると同時にそ
の下に上電極層9、絶縁層8、非磁性層からなるバリア
層5、フリー層6、下電極2及び下シールド層1がこの
順に堆積せしめられている事を意味しているものであ
る。
【0055】又、区域Fに於いては、最表面が上シール
ド層10で構成されていると同時にその下に上電極層
9、絶縁層8、非磁性層からなるバリア層5、フリー層
6、下電極2及び下シールド層1がこの順に堆積せしめ
られている事を意味しているものである。以下図8〜図
11のそれぞれのヘッドの構造に関する平面図も同様の
構成を説明するものであって、各具体例に於てそれぞれ
構成が異なっているが、その構成の内容は、各図の説明
を参照されたい。
【0056】本発明に係る強磁性トンネル接合素子20
の製造方法としては、基本的には、磁気抵抗効果膜とし
てフリー層/バリア層/固定層を基本構成とするトンネ
ル接合膜を用いたシールド型強磁性トンネル接合素子に
おいて、トンネル接合膜部をパターン化する際の素子加
工処理を、トンネル接合膜を構成する各層のうち最下部
の層までは行わない様に構成されている強磁性トンネル
接合素子の製造方法であり、より具体的には、磁気抵抗
効果膜としてフリー層/バリア層/固定層を基本構成と
するトンネル接合膜を用いたシールド型強磁性トンネル
接合素子において、トンネル接合膜部をパターン化する
際の素子加工処理を、バリア層の最上部の層から実行
し、中層部若しくは最下層のうちのいずれの層でかで当
該処理操作を止める様に構成されている強磁性トンネル
接合素子の製造方法である。
【0057】本発明に於ける当該強磁性トンネル接合素
子の製造方法に於いては、当該素子加工処理を停止する
際の当該層に於ける停止部位は、当該層の高さ方向の任
意の位置である事を特徴として挙げており、更には、磁
気抵抗効果膜としてフリー層6/バリア層5/固定層4
を基本構成とするトンネル接合膜20を用いたシールド
型強磁性トンネル接合素子において、トンネル接合膜部
をパターン化する際の素子加工処理を、バリア層5に隣
接しその下部に位置する層の最上部から最下部のうちの
いずれかで止める様に構成されている強磁性トンネル接
合素子の製造方法である。
【0058】本発明に於ける当該強磁性トンネル接合素
子の製造方法に於いては、当該固定層に強磁性層/非磁
性層/強磁性層の3層膜を基本構成とする膜を用いるこ
とあ望ましい。本発明に係る他の具体的な態様として
は、例えば、上記した各構成により形成される磁気抵抗
効果センサと、磁気抵抗センサを通る電流を生じる手段
と、検出される磁界の関数として上記磁気抵抗センサの
抵抗率変化を検出する手段とを備えた磁気抵抗検出シス
テムである。
【0059】更に、本発明に於ける別の態様としては、
データ記録のための複数個のトラックを有する磁気記憶
媒体と、磁気記憶媒体上にデータを記憶させるための磁
気記録システムと、上記した磁気抵抗検出システムと、
磁気記録システムおよび磁気抵抗検出システムを前記磁
気記憶媒体の選択されたトラックへ移動させるために、
磁気記録システム及び磁気抵抗変換システムとに結合さ
れたアクチュエータ手段とからなる磁気記憶システムで
ある。
【0060】以下にそれぞれの構造の詳細、および作成
手順の代表的な例について記述する。また、記録再生ヘ
ッドへの適用例についても記述する。最初に各層を構成
する要素の詳細について述べる。各層を構成する要素と
しては以下の材料が有力な候補となる。 基体 アルチック、SiC、アルミナ、アルチック/アルミ
ナ、SiC/アルミナ 下シールド層 NiFe、CoZr、またはCoFeB、CoZrM
o、CoZrNb、CoZr、CoZrTa、CoH
f、CoTa、CoTaHf、CoNbHf、CoZr
Nb、CoHfPd、CoTaZrNb、CoZrMo
Ni合金、FeAlSi、窒化鉄系材料、MnZnフェ
ライト、NiZnフェライト、MgZnフェライトから
なる単体、多層膜、および混合物 下電極 Au、Ag、Cu、Mo、W、Y、Ti、Zr、Hf、
V、Nb、Taからなる単体、多層膜、および混合物 界面制御層 Al酸化物、Si酸化物、窒化アルミニウム、窒化シリコ
ン、ダイヤモンドライクカーボン、Au、Ag、Cu、
Mo、W、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Taから
なる単体、多層膜、および混合物 上電極層 Au、Ag、Cu、Mo、W、Y、Ti、Zr、Hf、
V、Nb、Taからなる単体、多層膜、および混合物 上シールド層 NiFe、CoZr、またはCoFeB、CoZrM
o、CoZrNb、CoZr、CoZrTa、CoH
f、CoTa、CoTaHf、CoNbHf、CoZr
Nb、CoHfPd、CoTaZrNb、CoZrMo
Ni合金、FeAlSi、窒化鉄系材料、MnZnフェ
ライト、NiZnフェライト、MgZnフェライトから
なる単体、多層膜、および混合物 絶縁層 Al酸化物、Si酸化物、窒化アルミニウム、窒化シリコ
ン、ダイヤモンドライクカーボンからなる単体、多層
膜、および混合物 下ギャップ層 Al酸化物、Si酸化物、窒化アルミニウム、窒化シリコ
ン、ダイヤモンドライクカーボンからなる単体、多層
膜、および混合物 上ギャップ層 Al酸化物、Si酸化物、窒化アルミニウム、窒化シリコ
ン、ダイヤモンドライクカーボンからなる単体、多層
膜、および混合物 上部層 Au、Ag、Cu、Mo、W、Y、Ti、Zr、Hf、
V、Nb、Taからなる単体、多層膜、および混合物 縦バイアス CoCrPt、CoCr、CoPt、CoCrTa、F
eMn、NiMn、Ni酸化物、NiCo酸化物、Fe
酸化物、NiFe酸化物、IrMn、PtMn、PtP
dMn、ReMn、Coフェライト、Baフェライトか
らなる単体、多層膜、および混合物 強磁性トンネル接合膜としては以下の構成のものを用い
ることができる。 ・基体/下地層/フリー層/バリア層/固定層/固定す
る層/保護層 ・基体/下地層/フリー層/第1MRエンハンス層/バ
リア層/固定層/固定する層/保護層 ・基体/下地層/フリー層/バリア層/第2MRエンハ
ンス層/固定層/固定する層/保護層 ・基体/下地層/フリー層/第1MRエンハンス層/バ
リア層/第2MRエンハンス層/固定層/固定する層/
保護層 ・基体/下地層/固定する層/固定層/バリア層/フリ
ー層/保護層 ・基体/下地層/固定する層/固定層/第1MRエンハ
ンス層/バリア層/フリー層/保護層 ・基体/下地層/固定する層/固定層/バリア層/第2
MRエンハンス層/フリー層/保護層 ・基体/下地層/固定する層/固定層/第1MRエンハ
ンス層/バリア層/第2MRエンハンス層/フリー層/
保護層 下地層としては、金属、酸化物、窒化物からなる単層
膜、混合物膜、または多層膜を用いる。具体的には、T
a、Hf、Zr、W、Cr、Ti、Mo、Pt、Ni、
Ir、Cu、Ag、Co、Zn、Ru、Rh、Re、A
u、Os、Pd、Nb、Vおよびこれらの材料の酸化物
あるいは窒化物、からなる単層膜、混合物膜、または多
層膜を用いる。添加元素として、Ta、Hf、Zr、
W、Cr、Ti、Mo、Pt、Ni、Ir、Cu、A
g、Co、Zn、Ru、Rh、Re、Au、Os、P
d、Nb、Vを用いることもできる。下地層は用いない
場合もある。
【0061】フリー層としては、NiFe、CoFe、
NiFeCo、FeCo、CoFeB、CoZrMo、
CoZrNb、CoZr、CoZrTa、CoHf、C
oTa、CoTaHf、CoNbHf、CoZrNb、
CoHfPd、CoTaZrNb、CoZrMoNi合
金またはアモルファス磁性材料を用いることができる。
【0062】バリア層としては、酸化物、窒化物、酸化
物と窒化物の混合物もしくは金属/酸化物2層膜、金属
/窒化物2層膜、金属/(酸化物と窒化物との混合物)
2層膜、を用いる。Ti、V、Cr、Co、Cu、Z
n、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、
Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、A
u、Si、Al、Ti、Ta、Pt、Ni、Co、R
e、Vの酸化物および窒化物の単体、多層膜、混合物、
またはこれらとTi、V、Cr、Co、Cu、Zn、
Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、A
g、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、
Si、Al、Ti、Ta、Pt、Ni、Co、Re、V
の酸化物および窒化物の単体、多層膜、混合物との席層
膜が有力な候補となる。
【0063】第1および第2MRエンハンス層としては
Co、NiFeCo、FeCo等、またはCoFeB、
CoZrMo、CoZrNb、CoZr、CoZrT
a、CoHf、CoTa、CoTaHf、CoNbH
f、CoZrNb、CoHfPd、CoTaZrNb、
CoZrMoNi合金またはアモルファス磁性材料を用
いる。MRエンハンス層を用いない場合は、用いた場合
に比べて若干MR比が低下するが、用いない分だけ作製
に要する工程数は低減する。
【0064】固定層としては、Co、Ni、Feをベー
スにするグループからなる単体、合金、または積層膜を
用いる。Co、Ni、Feをベースにするグループから
なる単体、合金、または積層膜と、Ti、V、Cr、C
o、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、
Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、I
r、Pt、Au、Si、Al、Ti、Ta、Pt、N
i、Co、Re、V をベースとするグループからなる
単体、合金、または積層膜とを、組み合わせた積層膜を
用いることも可能である。
【0065】具体的には、Co/Ru/Co、CoFe
/Ru/CoFe、CoFeNi/Ru/CoFeN
i、Co/Cr/Co、CoFe/Cr/CoFe、C
oFeNi/Cr/CoFeNiは有力な候補である。
固定する層としては、FeMn、NiMn、IrMn、
RhMn、PtPdMn、ReMn、PtMn、PtC
rMn、CrMn、CrAl、TbCo、Ni酸化物、
Fe酸化物、Ni酸化物とCo酸化物の混合物、Ni酸
化物とFe酸化物の混合物、Ni酸化物/Co酸化物2
層膜、Ni酸化物/Fe酸化物2層膜、CoCr、Co
CrPt、CoCrTa、PtCoなどを用いることが
できる。PtMnもしくはPtMnにTi、V、Cr、
Co、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、R
u、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、
Ir、Pt、Au、Si、Al、Ti、Taを添加した
材料は有力な候補である。
【0066】保護層としては、酸化物、窒化物、酸化物
と窒化物の混合物もしくは金属/酸化物2層膜、金属/
窒化物2層膜、金属/(酸化物と窒化物との混合物)2
層膜、を用いる。Ti、V、Cr、Co、Cu、Zn、
Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、A
g、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、
Si、Al、Ti、Ta、Pt、Ni、Co、Re、V
の酸化物および窒化物の単体、多層膜、混合物、また
はこれらとTi、V、Cr、Co、Cu、Zn、Y、Z
r、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、H
f、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Si、
Al、Ti、Ta、Pt、Ni、Co、Re、Vの酸化
物および窒化物の単体、多層膜、混合物との積層膜が有
力な候補となる。保護層は用いない場合もある。
【0067】次に、図7から図11に代表例を示した構
造の各ヘッドの代表的な作成手順を示す。図12(A)
〜(I)は、図1に示した強磁性トンネル接合素子20
の作成手順の例である。基板40上に下シールド1、下
電極2を順次形成する。
【0068】その上にステンシルPRを形成し、縦バイ
アス層7を成膜した後にリフトオフする。更に、強磁性
トンネル接合素子(MTJ)、上電極9を成膜した後
に、PRを形成し、バリア層5までミリングした。その
後、絶縁層8を成膜し、リフトオフした後に、下電極2
が露出するまで絶縁層部を穴あけし、上シールドを形成
する。
【0069】一方、図13(A)〜(H)は、図2に示
した強磁性トンネル接合素子20の作成手順の例であ
る。即ち、基体40上に下シールド1、下電極2、強磁
性トンネル接合(MTJ)20、上電極9を順次形成す
る。その上にステンシルPRを形成し、フリー層6まで
ミリングした後にPR除去をする。
【0070】更に、PRを形成し、縦バイアス層を成膜
した後、リフトオフする。更に、絶縁層を成膜し、ケミ
カルメカニカルポリッシング(CMP)により絶縁層8
を上電極が露出するところまで削る。下電極が露出する
まで絶縁層部を穴あけし、上シールドを形成する。一
方、図14(A)〜(H)は、図3に示した強磁性トン
ネル接合素子20の作成手順の例である。
【0071】即ち、基体40上に下シールド1、下電極
2、強磁性トンネル接合(MTJ)20を順次形成す
る。その上にステンシルPRを形成し、バリア層5まで
ミリングした後に、絶縁層および縦バイアス層を順次成
膜し、リフトオフする。更に、PRを形成し、絶縁層ま
でミリングした後に、PRを除去する。下電極が露出す
るまで絶縁層部を穴あけし、上シールドを形成する。
【0072】尚、図4に示されている具体例に於ける製
造方法は、図3に示された方法と実質的には同一であ
る。又、図15(A)〜(F)は、図5に示した強磁性
トンネル接合素子20の作成手順の例である。即ち、基
体40上に下シールド1、下電極2、強磁性トンネル接
合(MTJ)20、界面制御層11、縦バイアス層7を
順次形成する。その上にステンシルPRを形成し、バリ
ア層の一部までミリングした後に、絶縁層8を成膜し、
リフトオフする。
【0073】又、本具体例に於いては、下電極が露出す
るまで絶縁層部を穴あけし、上電極及び上シールドを形
成する。次に、本発明の記録再生ヘッド及び記録再生シ
ステムへの適用例を示す。図16は本発明を適用した記
録再生ヘッド50の概念図である。当該ヘッドは、基体
42上に再生ヘッド45と、磁極43、コイル41、上
磁極44からなる記録ヘッドとから形成されている。
【0074】この際上部シールド膜と下部磁性膜とを共
通にしても、別に設けてもかまわない。このヘッドによ
り、記録媒体上に信号を書き込み、また、記録媒体から
信号を読み取るのである。再生ヘッドの感知部分と、記
録ヘッドの磁気ギャップはこのように同一スライダ上に
重ねた位置に形成することで、同一トラックに同時に位
置決めができる。このヘッドをスライダに加工し、磁気
記録再生装置に搭載した。
【0075】図17は本発明の磁気抵抗効果素子を用い
た磁気記録再生装置60の概念図である。ヘッドスライ
ダーを兼ねる基板52上に、再生ヘッド51および記録
ヘッド50を形成し、これを記録媒体53上に位置ぎめ
して再生を行う。記録媒体53は回転し、ヘッドスライ
ダーは記録媒体53の上を、0.2μm以下の高さ、あ
るいは接触状態で対抗して相対運動する。この機構によ
り、再生ヘッド51は記録媒体53に記録された磁気的
信号を、その漏れ磁界54から読み取ることのできる位
置に設定されるのである。
【0076】以下に、本発明に係る当該強磁性トンネル
接合素子の製造方法を製造条件を含めて詳細に説明す
る。最初に比較のために、従来例として記載されている
図6の構造のヘッドを作成した。この際トンネル接合膜
としては、Ta(3nm)/Pt46Mn54(25n
m)/Co90Fe10(5)/Ru(0.9)/Co
90Fe10(5)/Al酸化物(2nm)/Co90
Fe10(2nm)/Ni82Fe18/(8)/Ta
(3nm)を用いた。
【0077】膜形成後には250℃、5時間の熱処理を
成膜時の磁界とは直交する方向に500Oeの磁界を印
加しつつ行った。ヘッドを構成する各要素としては以下
のものを用いた。基体…厚さ2mのアルチック上にアル
ミナを10μm積層したものを使用した。
【0078】下シールド層…厚さ1μmのCo65Ni
12Fe23(組成はat%、以下同じ) 下電極層…Ta(5nm) /Au( 60nm) /Ta
(5nm) 上電極層…Ta(5nm) /Au( 60nm) /Ta
(5nm) 上シールド層…厚さ1μmのCo89Zr4Ta4Cr
3 絶縁層…厚さ20nmのアルミナ 縦バイアス層…Cr(10nm)/Co74.5Cr1
0.5Pt15(3636nm) 界面制御層…なし 下ギャップ層…なし 上ギャップ層…なし 上部層…なし このヘッドを図16のような記録再生一体型ヘッドに加
工およびスライダ加工し、CoCrTa系媒体上にデー
タを記録再生した。この際、書き込みトラック幅は3μ
m、書き込みギャップは0.2μm、読み込みトラック
幅は2μmとした。
【0079】書き込みヘッド部のコイル部作成時のフォ
トレジスト硬化工程は250℃、2時間とした。この工
程により本来は素子高さ方向を向いていなければならな
い固定層および固定する層の磁化方向が回転し、磁気抵
抗効果素子として正しく動作しなくなったので、再生ヘ
ッド部および記録ヘッド部作成終了後に、200℃、5
00Oe磁界中、1時間の着磁熱処理を行った。
【0080】この着磁熱処理によるフリー層の磁化容易
軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測さ
れなかった。上記の作成手順において10個のヘッドを
作成した。媒体の保磁力は3.0kOe、MrTは0.
35memu/cm2 とした。試作したヘッドを用い
て、再生出力を測定した。10個のヘッドの再生出力測
定結果を以下に示す。
【0081】再生出力は3.1mVと大ききいものがサ
ンプル数で1個だけあったが、10個のうち9個までは
再生出力がほとんどゼロであった。従って、ヘッドとし
ての歩留まりが10%と低いことがわかる。更に再生出
力がほとんどゼロのヘッドでは抵抗が極めて小さく、バ
リにより固定層とフリー層とが短絡していることがわか
った。
【0082】 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 0 0 0 0 0 0 3.1 0 0 0.4 次に、本発明の実施例として図1に示した構造を基本構
成とする構造のヘッドを作成した。
【0083】膜形成後には250℃、5時間の熱処理を
成膜時の磁界とは直交する方向に500Oeの磁界を印
加しつつ行った。ヘッドの各構成要素としては以下のも
のを用いた。トンネル接合膜……Ta(3nm)/Pt
46Mn54(25nm)/Co90Fe10(5)/
Ru(0.9)/Co90Fe10(5)/Al酸化物
(2nm)/Co90Fe10(2nm)/Ni82F
e18/(8)/Ta(3nm)を使用。
【0084】基体…厚さ2mのアルチック上にアルミナ
を10μm積層したものを使用。 下シールド層…厚さ1μmのCo65Ni12Fe23
(組成はat%、以下同じ)を使用。 下電極層…Ta(5nm) /Au( 60nm) /Ta
(5nm) 上電極層…Ta(5nm) /Au( 60nm) /Ta
(5nm) 上シールド層…厚さ1μmのCo89Zr4Ta4Cr
3 絶縁層…厚さ20nmのアルミナ 縦バイアス層…Cr(10nm)/Co74.5Cr1
0.5Pt15(36nm) 界面制御層…なし 下ギャップ層…なし 上ギャップ層…なし 上部層…なし このヘッドを図16のような記録再生一体型ヘッドに加
工およびスライダ加工し、CoCrTa系媒体上にデー
タを記録再生した。
【0085】この際、書き込みトラック幅は3μm、書
き込みギャップは0.2μm、読み込みトラック幅は2
μmとした。書き込みヘッド部のコイル部作成時のフォ
トレジスト硬化工程は250℃、2時間とした。この工
程により本来は素子高さ方向を向いていなければならな
い固定層および固定する層の磁化方向が回転し、磁気抵
抗効果素子として正しく動作しなくなったので、再生ヘ
ッド部および記録ヘッド部作成終了後に、200℃、5
00Oe磁界中、1時間の着磁熱処理を行った。
【0086】この着磁熱処理によるフリー層の磁化容易
軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測さ
れなかった。媒体の保磁力は3.0kOe、MrTは
0.35memu/cm2 とした。この際、強磁性トン
ネル接合膜のミリングによるパターン化を、バリア層の
上のCo90Fe10(2nm)/Ni82Fe18/
(8)/Ta(3nm)層のみ行ったサンプル(サンプ
ルグループA)、バリア層まで、すなわちAl酸化物
(2nm)/Co90Fe10(2nm)/Ni82F
e18/(8)/Ta(3nm)層をミリングしたサン
プル(サンプルグループB)を試作した。
【0087】A、Bいずれの場合も、トンネル接合素子
を構成する層のうち最上層と最下層とでパターン形状が
異なり、そのパターンの面積が最上層の方が小さい構成
になっている。それぞれのサンプルを10個ずつ試作し
た。試作したヘッドを用いて、再生出力を測定した。
【0088】測定結果を以下に示す。サンプルグループ
Aの場合は、10個のサンプル中7個までは再生出力が
2.8mVと大きく、再生出力から見た歩留まりが70
%であった。一方、サンプルグループBの場合は、10
個中8個までが再生出力が2.9mV以上と良好で、歩
留まりは80%であった。上述の従来例の場合は歩留ま
りがわずか10%であったので、それに比べると歩留ま
りが飛躍的に向上したことがわかる。それぞれの場合の
再生出力から見た歩留まりを下表に示した。 (1)サンプルグループAの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 2.8 0 2.9 3.0 0.1 3.2 3.1 3.3 2.8 0 (2)サンプルグループBの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 3.1 0 3.2 2.9 3.0 3.1 3.4 3.1 0 0 (3)歩留まり(%) 従来例 Aグループ Bグループ (再生出力2.8mV以上) 10 70 80 次に、本発明の実施例として図2に示した構造を基本構
成とする構造のヘッドを作成した。
【0089】膜形成後には250℃、5時間の熱処理を
成膜時の磁界とは直交する方向に500Oeの磁界を印
加しつつ行った。ヘッドの各構成要素としては以下のも
のを用いた。 トンネル接合膜……Ta(3nm)/Ni82Fe18
/(8)/Co90Fe10(5)/Ru(0.9)/
Co90Fe10(5)/Al酸化物(2nm)/Co
90Fe10(2nm)/Pt46Mn54(25n
m)/Ta(3nm)を使用。
【0090】基体…厚さ2mのアルチック上にアルミナ
を10μm積層したものを使用。 下シールド層…厚さ1μmのCo65Ni12Fe23
(組成はat%、以下同じ)を使用。 下電極層…Ta(5nm) /Au( 60nm) /Ta
(5nm) 上電極層…Ta(5nm) /Au( 60nm) /Ta
(5nm) 上シールド層…厚さ1μmのCo89Zr4Ta4Cr
3 絶縁層…厚さ20nmのアルミナ 縦バイアス層…Cr(10nm)/Co74.5Cr1
0.5Pt15(36nm) 界面制御層…なし 下ギャップ層…なし 上ギャップ層…なし 上部層…なし このヘッドを図16のような記録再生一体型ヘッドに加
工およびスライダ加工し、CoCrTa系媒体上にデー
タを記録再生した。
【0091】この際、書き込みトラック幅は3μm、書
き込みギャップは0.2μm、読み込みトラック幅は2
μmとした。書き込みヘッド部のコイル部作成時のフォ
トレジスト硬化工程は250℃、2時間とした。この工
程により本来は素子高さ方向を向いていなければならな
い固定層および固定する層の磁化方向が回転し、磁気抵
抗効果素子として正しく動作しなくなったので、再生ヘ
ッド部および記録ヘッド部作成終了後に、200℃、5
00Oe磁界中、1時間の着磁熱処理を行った。
【0092】この着磁熱処理によるフリー層の磁化容易
軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測さ
れなかった。媒体の保磁力は3.0kOe、MrTは
0.35memu/cm2 とした。この際、強磁性トン
ネル接合膜のミリングによるパターン化をバリア層ま
で、すなわちAl酸化物(2nm)/Co90Fe10
(2nm)/Pt46Mn54(25nm)/Ta(3
nm)層をミリングしたサンプル(サンプルグループ
C)を試作した。
【0093】トンネル接合素子を構成する層のうち最上
層と最下層とでパターン形状が異なり、そのパターンの
面積が最上層の方が小さい構成になっている。それぞれ
のサンプルを10個ずつ試作し、再生出力を測定した。
測定結果、およびそれぞれの場合の再生出力から見た歩
留まりを下表に示した。サンプルグループCの場合は歩
留まりが60%であり、従来例の10%を大きく上回っ
ていた。 (1)サンプルグループCの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 3.1 3.2 3.1 2.8 2.4 2.1 2.8 2.5 3.1 2.1 (2)歩留まり(%) 従来例 Cグループ (再生出力2.8mV以上) 10 60 次に、本発明の実施例として図3に示した構造を基本構
成とする構造のヘッドを作成した。
【0094】膜形成後には250℃、5時間の熱処理を
成膜時の磁界とは直交する方向に500Oeの磁界を印
加しつつ行った。ヘッドの各構成要素としては以下のも
のを用いた。 トンネル接合膜……Ta(3nm)/Pt46Mn54
(25nm)/Co90Fe10(5)/Ru(0.
9)/Co90Fe10(5)/Al酸化物(2nm)
/Co90Fe10(2nm)/Ni82Fe18/
(8)/Ta(3nm)を使用。
【0095】基体…厚さ2mのアルチック上にアルミナ
を10μm積層したものを使用。 下シールド層…厚さ1μmのCo65Ni12Fe23
(組成はat%、以下同じ)を使用。 下電極層…Ta(5nm) /Au( 60nm) /Ta
(5nm) 上電極層…Ta(5nm) /Au( 60nm) /Ta
(5nm) 上シールド層…厚さ1μmのCo89Zr4Ta4Cr
3 絶縁層…厚さ20nmのアルミナ 縦バイアス層…Cr(10nm)/Co74.5Cr1
0.5Pt15(36nm) 界面制御層…なし 下ギャップ層…なし 上ギャップ層…なし 上部層…なし このヘッドを図16のような記録再生一体型ヘッドに加
工およびスライダ加工し、CoCrTa系媒体上にデー
タを記録再生した。
【0096】この際、書き込みトラック幅は3μm、書
き込みギャップは0.2μm、読み込みトラック幅は2
μmとした。書き込みヘッド部のコイル部作成時のフォ
トレジスト硬化工程は250℃、2時間とした。この工
程により本来は素子高さ方向を向いていなければならな
い固定層および固定する層の磁化方向が回転し、磁気抵
抗効果素子として正しく動作しなくなったので、再生ヘ
ッド部および記録ヘッド部作成終了後に、200℃、5
00Oe磁界中、1時間の着磁熱処理を行った。
【0097】この着磁熱処理によるフリー層の磁化容易
軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測さ
れなかった。媒体の保磁力は3.0kOe、MrTは
0.35memu/cm2 とした。この際、強磁性トン
ネル接合膜のミリングによるパターン化を、バリア層の
上のCo90Fe10(2nm)/Ni82Fe18/
(8)/Ta(3nm)層のみ行ったサンプル(サンプ
ルグループD)、及びバリア層まで、すなわちAl酸化
物(2nm)/Co90Fe10(2nm)/Ni82
Fe18/(8)/Ta(3nm)層をミリングしたサ
ンプル(サンプルグループE)、並びに下地層まですな
わちTa(3nm)/Pt46Mn54(25nm)/
Co90Fe10(5)/Ru(0.9)/Co90F
e10(5)/Al酸化物(2nm)/Co90Fe1
0(2nm)/Ni82Fe18/(8)/Ta(3n
m)すべてをパターン化したサンプル(サンプルグルー
プF)、更に、サンプルFに付いて下地層までパターン
化し、さらに下電極の一部までミリングしたサンプル
(サンプルG)を試作した。
【0098】D及びEの場合は、トンネル接合素子を構
成する層のうち最上層と最下層とでパターン形状が異な
り、そのパターンの面積が最上層の方が小さい構成にな
っている。一方、F及びGの場合は最上層と最下層とで
パターン形状が同じである。それぞれのサンプルを10
個ずつ試作し、再生出力を測定した。
【0099】測定結果、およびそれぞれの場合の再生出
力から見た歩留まりを下表に示した。サンプルグループ
D及びEの場合は歩留まりが80%と良好であり、従来例
の10%を大きく上回っていた。それに対し、サンプル
グループF及びGの場合は歩留まりが従来例と同程度で
あった。 (1)サンプルグループDの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 2.9 3.2 2.9 2.8 0.2 3.1 2.9 3.1 3.1 2.1 (2)サンプルグループEの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 3.1 2.8 2.9 3.2 3.1 2.9 3.2 3.1 2.4 0 (3)サンプルグループFの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 2.1 0 0.2 2.8 0.1 0 3.3 0 0.1 0 (4)サンプルグループGの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 2.8 0 0 0 0 0.1 0.1 0 0 0 (5)歩留まり(%) 従来例 D E F G グループ グループ グループ グループ (再生出力2.8mV以上) 10 80 70 20 10 次に、本発明の実施例として図4に示した構造を基本構
成とする構造のヘッドを作成した。
【0100】膜形成後には250℃、5時間の熱処理を
成膜時の磁界とは直交する方向に500Oeの磁界を印
加しつつ行った。ヘッドの各構成要素としては以下のも
のを用いた。 トンネル接合膜……Ta(3nm)/Pt46Mn54
(25nm)/Co90Fe10(5)/Ru(0.
9)/Co90Fe10(5)/Al酸化物(2nm)
/Co90Fe10(2nm)/Ni82Fe18/
(8)/Ta(3nm)を使用。
【0101】基体…厚さ2mのアルチック上にアルミナ
を10μm積層したものを使用。 下シールド層…厚さ1μmのCo65Ni12Fe23
(組成はat%、以下同じ)を使用。 下電極層…Ta(5nm) /Au( 60nm) /Ta
(5nm) 上電極層…Ta(5nm) /Au( 60nm) /Ta
(5nm) 上シールド層…厚さ1μmのCo89Zr4Ta4Cr
3 絶縁層…厚さ20nmのアルミナ 縦バイアス層…Baフェライト(50nm) 界面制御層…なし 下ギャップ層…なし 上ギャップ層…なし 上部層…なし このヘッドを図16のような記録再生一体型ヘッドに加
工およびスライダ加工し、CoCrTa系媒体上にデー
タを記録再生した。
【0102】この際、書き込みトラック幅は3μm、書
き込みギャップは0.2μm、読み込みトラック幅は2
μmとした。書き込みヘッド部のコイル部作成時のフォ
トレジスト硬化工程は250℃、2時間とした。この工
程により本来は素子高さ方向を向いていなければならな
い固定層および固定する層の磁化方向が回転し、磁気抵
抗効果素子として正しく動作しなくなったので、再生ヘ
ッド部および記録ヘッド部作成終了後に、200℃、5
00Oe磁界中、1時間の着磁熱処理を行った。
【0103】この着磁熱処理によるフリー層の磁化容易
軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測さ
れなかった。媒体の保磁力は3.0kOe、MrTは
0.35memu/cm2 とした。この際、強磁性トン
ネル接合膜のミリングによるパターン化を、バリア層の
上のCo90Fe10(2nm)/Ni82Fe18/
(8)/Ta(3nm)層のみ行ったサンプル(サンプ
ルグループH)、及びバリア層まで、すなわちAl酸化
物(2nm)/Co90Fe10(2nm)/Ni82
Fe18/(8)/Ta(3nm)層をミリングしたサ
ンプル(サンプルグループI)、並びに下地層まですな
わちTa(3nm)/Pt46Mn54(25nm)/
Co90Fe10(5)/Ru(0.9)/Co90F
e10(5)/Al酸化物(2nm)/Co90Fe1
0(2nm)/Ni82Fe18/(8)/Ta(3n
m)すべてをパターン化したサンプル(サンプルグルー
プJ)、更に、サンプルFに付いて下地層までパターン
化し、さらに下電極の一部までミリングしたサンプル
(サンプルK)を試作した。
【0104】H及びIの場合は、トンネル接合素子を構
成する層のうち最上層と最下層とでパターン形状が異な
り、そのパターンの面積が最上層の方が小さい構成にな
っている。又、J及びKの場合は最上層と最下層とでパ
ターン形状が同じである。それぞれのサンプルを10個
ずつ試作し、再生出力を測定した。
【0105】測定結果、およびそれぞれの場合の再生出
力から見た歩留まりを下表に示した。即ち、サンプルグ
ループH及びIの場合は歩留まりが70〜80%と良好
であり、従来例の10%を大きく上回っていた。それに
対し、サンプルグループJ及びKの場合は歩留まりが従
来例と同程度であった。、 (1)サンプルグループHの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 2.4 3.1 3.1 3.0 3.3 2.8 2.8 2.5 3.1 2.1 (2)サンプルグループIの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 3.0 2.9 2.5 3.4 3.1 3.0 2.8 2.8 0.1 2.8 (3)サンプルグループJの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 0 0 0.2 2.9 0.2 0.2 0 2.4 0.2 0.1 (4)サンプルグループKの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 0.1 0 0.1 0 3.1 0.1 0.1 0 0 0 (5)歩留まり(%) 従来例 H I J K グループ グループ グループ グループ (再生出力2.8mV以上) 10 70 80 10 10 次に、本発明の実施例として図5に示した構造を基本構
成とする構造のヘッドを作成した。
【0106】膜形成後には250℃、5時間の熱処理を
成膜時の磁界とは直交する方向に500Oeの磁界を印
加しつつ行った。ヘッドの各構成要素としては以下のも
のを用いた。 トンネル接合膜……Ta(3nm)/Pt46Mn54
(25nm)/Co90Fe10(5)/Ru(0.
9)/Co90Fe10(5)/Al酸化物(2nm)
/Co90Fe10(2nm)/Ni82Fe18/
(8)を使用。
【0107】基体…厚さ2mのアルチック上にアルミナ
を10μm積層したものを使用。 下シールド層…厚さ1μmのCo65Ni12Fe23
(組成はat%、以下同じ)を使用。 下電極層…Ta(5nm) /Au( 60nm) /Ta
(5nm) 上電極層…Ta(5nm) /Au( 60nm) /Ta
(5nm) 上シールド層…厚さ1μmのCo89Zr4Ta4Cr
3 絶縁層…厚さ20nmのアルミナ 縦バイアス層…Cr(10nm)/Co74.5Cr1
0.5Pt15(36nm) 界面制御層…Cu(1.2nm) 下ギャップ層…なし 上ギャップ層…なし 上部層…なし このヘッドを図16のような記録再生一体型ヘッドに加
工およびスライダ加工し、CoCrTa系媒体上にデー
タを記録再生した。
【0108】この際、書き込みトラック幅は3μm、書
き込みギャップは0.2μm、読み込みトラック幅は2
μmとした。書き込みヘッド部のコイル部作成時のフォ
トレジスト硬化工程は250℃、2時間とした。この工
程により本来は素子高さ方向を向いていなければならな
い固定層および固定する層の磁化方向が回転し、磁気抵
抗効果素子として正しく動作しなくなったので、再生ヘ
ッド部および記録ヘッド部作成終了後に、200℃、5
00Oe磁界中、1時間の着磁熱処理を行った。
【0109】この着磁熱処理によるフリー層の磁化容易
軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測さ
れなかった。媒体の保磁力は3.0kOe、MrTは
0.35memu/cm2 とした。この際、強磁性トン
ネル接合膜のミリングによるパターン化を、バリア層の
上のCo90Fe10(2nm)/Ni82Fe18/
(8)/Cu(1.2nm)/Cr(10nm)/Co
74.5Cr10.5Pt15(36nm) 層のみ行っ
たサンプル(サンプルグループL)、バリア層まで、す
なわちAl酸化物(2nm)/Co90Fe10(2n
m)/Ni82Fe18/(8)/Cu(1.2nm)
/Cr(10nm)/Co74.5Cr10.5Pt1
5(36nm) 層をミリングしたサンプル(サンプルグ
ループM)、下地層まですなわちTa(3nm)/Pt
46Mn54(25nm)/Co90Fe10(5)/
Ru(0.9)/Co90Fe10(5)/Al酸化物
(2nm)/Co90Fe10(2nm)/Ni82F
e18/(8)/Cu(1.2nm)/Cr(10n
m)/Co74.5Cr10.5Pt15(36nm)
層すべてをパターン化したサンプル(サンプルグループ
N)、下地層までパターン化し、さらに下電極の一部ま
でミリングしたサンプル(サンプルO)を試作した。
【0110】L及びMの場合は、トンネル接合素子を構
成する層のうち最上層と最下層とでパターン形状が異な
り、そのパターンの面積が最上層の方が小さい構成にな
っている。一方、N及びOの場合は最上層と最下層とで
パターン形状が同じである。それぞれのサンプルを10
個ずつ試作し、再生出力を測定した。
【0111】測定結果、およびそれぞれの場合の再生出
力から見た歩留まりを下表に示した。サンプルグループ
L及びMの場合は歩留まりが70〜80%と良好であ
り、従来例の10%を大きく上回っていた。それに対
し、サンプルグループN及びOの場合は歩留まりが従来
例と同程度であった。 (1)サンプルグループLの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 1.9 2.9 2.9 3.3 3.2 3.1 2.8 0.1 2.9 2.8 (2)サンプルグループMの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 2.8 2.8 2.9 2.4 3.4 3.1 2.8 2.8 0.1 1.8 (3)サンプルグループNの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 0.2 0 0.2 0 0.2 0.2 3.5 0.1 0.2 0.1 (4)サンプルグループOの場合 サンプルNo: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 再生出力(mV): 0 3.1 0.1 0 0 0.1 0.1 0 2.9 0 (5)歩留まり(%) 従来例 L M N O グループ グループ グループ グループ (再生出力2.8mV以上) 10 70 70 10 20 次に本発明を適用して試作された磁気ディスク装置の説
明をする。磁気ディスク装置はベース上に3枚の磁気デ
ィスクを備え、ベース裏面にヘッド駆動回路および信号
処理回路と入出力インターフェイスとを収めている。
【0112】外部とは32ビットのバスラインで接続さ
れる。磁気ディスクの両面には6個のヘッドが配置され
ている。ヘッドを駆動するためのロータリーアクチュエ
ータとその駆動及び制御回路、ディスク回転用スピンド
ル直結モータが搭載されている。ディスクの直径は46
mmであり、データ面は直径10mmから40mmまで
を使用する。埋め込みサーボ方式を用い、サーボ面を有
しないため高密度化が可能である。
【0113】本装置は、小型コンピューターの外部記憶
装置として直接接続が可能になっている。入出力インタ
ーフェイスには、キャッシュメモリを搭載し、転送速度
が毎秒5から20メガバイトの範囲であるバスラインに
対応する。また、外部コントローラを置き、本装置を複
数台接続することにより、大容量の磁気ディスク装置を
構成することも可能である。
【0114】
【発明の効果】本発明の適用により、従来例と比較して
再生信号出力面から見た歩留まりが飛躍的に優れた磁気
抵抗効果センサ、磁気抵抗効果ヘッド、および記録再生
システムを得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る強磁性トンネル接合ヘッ
ドの第1の具体例の構成を説明する断面図である。
【図2】図2は、本発明に係る強磁性トンネル接合ヘッ
ドの第2の具体例の構成を説明する断面図である。
【図3】図3は、本発明に係る強磁性トンネル接合ヘッ
ドの第3の具体例の構成を説明する断面図である。
【図4】図4は、本発明に係る強磁性トンネル接合ヘッ
ドの第4の具体例の構成を説明する断面図である。
【図5】図5は、本発明に係る強磁性トンネル接合ヘッ
ドの第5の具体例の構成を説明する断面図である。
【図6】図6は、従来の強磁性トンネル接合ヘッドの構
成の例を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明に係る強磁性トンネル接合ヘッ
ドの第1の具体例の構成を説明する平面図である。
【図8】図8は、本発明に係る強磁性トンネル接合ヘッ
ドの第2の具体例の構成を説明する平面図である。
【図9】図9は、本発明に係る強磁性トンネル接合ヘッ
ドの第3の具体例の構成を説明する平面図である。
【図10】図10は、本発明に係る強磁性トンネル接合
ヘッドの第4の具体例の構成を説明する平面図である。
【図11】図11は、本発明に係る強磁性トンネル接合
ヘッドの第5の具体例の構成を説明する平面図である。
【図12】図12は、本発明に係る第1の具体例の強磁
性トンネル接合ヘッドの作成手順を示す平面図である。
【図13】図13は、本発明に係る第2の具体例の強磁
性トンネル接合ヘッドの作成手順を示す平面図である。
【図14】図14は、本発明に係る第3及び第4の具体
例の強磁性トンネル接合ヘッドの作成手順を示す平面図
である。
【図15】図15は、本発明に係る第5の具体例の強磁
性トンネル接合ヘッドの作成手順を示す平面図である。
【図16】図16は、本発明に係る強磁性トンネル接合
ヘッドを適用した記録再生ヘッドの概念図。
【図17】図17は、本発明の強磁性トンネル接合ヘッ
ドを用いた磁気記録再生装置の構成の一例を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1…下シールド層 2…下電極層 3…固定する層 4…固定層 5…非磁性層、バリア層 6…フリー層 7…縦バイアス層 8…絶縁層 9…上電極層 10…上シールド層 11…界面制御層 20…磁気抵抗効果膜、強磁性トンネル接合膜 30…強磁性トンネル接合ヘッド 41…コイル 42…基体 43…磁極 44…上磁極 45…再生ヘッド 46…ABS面 50…記録ヘッド 51…再生ヘッド 52…ヘッドスライダーを兼ねる基板 53…記録媒体 54…媒体からの漏れ磁界 60…磁気記録再生装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石綿 延行 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 中田 正文 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 石 勉 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 本庄 弘明 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 石原 邦彦 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 藤方 潤一 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 松寺 久雄 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 柘植 久尚 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 上條 敦 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 5D034 BA03 BA09 BA15 BB08 BB12 DA07

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともフリー層、バリア層、固定層
    の各層が積層されて形成された積層体を基本構成とする
    トンネル接合膜を用いたシールド型強磁性トンネル接合
    素子において、当該トンネル接合膜を構成する層のうち
    最上層と最下層とでパターン形状が異なる事を特徴とす
    る強磁性トンネル接合素子。
  2. 【請求項2】 当該トンネル接合膜を構成する層の当該
    パターン形状が、当該各層のパターンの面積に関し、基
    板から見て、最上層を構成する層のパターン面積が他の
    層を構成する各層のパターンの面積よりも小さいことを
    特徴とする請求項1記載の強磁性トンネル接合素子。
  3. 【請求項3】 当該トンネル接合膜は、フリー層、バリ
    ア層、固定層の各層が基板表面からみてフリー層/バリ
    ア層/固定層の順若しくはその反対の順で積層されてい
    る事を特徴とする請求項1又は2記載の強磁性トンネル
    接合素子。
  4. 【請求項4】 当該トンネル接合膜を構成する各層の
    内、当該基板から見て、最上層の部分のみに対して、パ
    ターン化に伴う素子加工処理が実行されたものである事
    を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の強磁性ト
    ンネル接合素子。
  5. 【請求項5】 当該トンネル接合膜を構成する各層の
    内、当該基板から見て、最上層の部分及び当該バリア層
    の少なくとも一部のみに対して、パターン化に伴う素子
    加工処理が実行されたものである事を特徴とする請求項
    1乃至3の何れかに記載の強磁性トンネル接合素子。
  6. 【請求項6】 当該トンネル接合膜を構成する各層の
    内、当該基板から見て、最上層の部分及び当該バリア層
    の部分のみに対して、パターン化に伴う素子加工処理が
    実行されたものである事を特徴とする請求項1乃至3の
    何れかに記載の強磁性トンネル接合素子。
  7. 【請求項7】 当該素子加工処理はミリング処理工程で
    ある事を特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の強
    磁性トンネル接合素子。
  8. 【請求項8】 磁気抵抗効果膜としてフリー層/バリア
    層/固定層を基本構成とするトンネル接合膜を用いたシ
    ールド型強磁性トンネル接合素子において、トンネル接
    合膜部をパターン化する際の素子加工処理を、トンネル
    接合膜を構成する各層のうち最下部の層までは行わない
    ことを特徴とする、強磁性トンネル接合素子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 磁気抵抗効果膜としてフリー層/バリア
    層/固定層を基本構成とするトンネル接合膜を用いたシ
    ールド型強磁性トンネル接合素子において、トンネル接
    合膜部をパターン化する際の素子加工処理を、バリア層
    の最上部の層から実行し、中層部若しくは最下層のうち
    のいずれの層でかで当該処理操作を止めることを特徴と
    する、請求項8記載の強磁性トンネル接合素子の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 当該素子加工処理を停止する際の当該
    層に於ける停止部位は、当該層の高さ方向の任意の位置
    である事を特徴とする請求項9記載の強磁性トンネル接
    合素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 磁気抵抗効果膜としてフリー層/バリ
    ア層/固定層を基本構成とするトンネル接合膜を用いた
    シールド型強磁性トンネル接合素子において、トンネル
    接合膜部をパターン化する際の素子加工処理を、バリア
    層に隣接しその下部に位置する層の最上部から最下部の
    うちのいずれかで止めることを特徴とする請求項8乃至
    10の何れかに記載の強磁性トンネル接合素子の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 当該固定層に強磁性層/非磁性層/強
    磁性層の3層膜を基本構成とする膜を用いることを特徴
    とする請求項8乃至11の何れかに記載の強磁性トンネ
    ル接合素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至7の何れかに記載の磁気
    抵抗効果センサと、磁気抵抗センサを通る電流を生じる
    手段と、検出される磁界の関数として上記磁気抵抗セン
    サの抵抗率変化を検出する手段とを備えた磁気抵抗検出
    システム。
  14. 【請求項14】 データ記録のための複数個のトラック
    を有する磁気記憶媒体と、磁気記憶媒体上にデータを記
    憶させるための磁気記録システムと、請求項13記載の
    磁気抵抗検出システムと、磁気記録システムおよび磁気
    抵抗検出システムを前記磁気記憶媒体の選択されたトラ
    ックへ移動させるために、磁気記録システム及び磁気抵
    抗変換システムとに結合されたアクチュエータ手段とか
    らなる磁気記憶システム。
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