JP2993483B2 - 磁気抵抗効果素子の製造方法、及び磁気抵抗効果センサ - Google Patents

磁気抵抗効果素子の製造方法、及び磁気抵抗効果センサ

Info

Publication number
JP2993483B2
JP2993483B2 JP9305909A JP30590997A JP2993483B2 JP 2993483 B2 JP2993483 B2 JP 2993483B2 JP 9305909 A JP9305909 A JP 9305909A JP 30590997 A JP30590997 A JP 30590997A JP 2993483 B2 JP2993483 B2 JP 2993483B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
magnetic layer
magnetoresistive
magnetoresistive element
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP9305909A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11145529A (ja
Inventor
一彦 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
Nippon Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Co Ltd filed Critical Nippon Electric Co Ltd
Priority to JP9305909A priority Critical patent/JP2993483B2/ja
Publication of JPH11145529A publication Critical patent/JPH11145529A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2993483B2 publication Critical patent/JP2993483B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果を利
用して記録媒体から情報信号を読み取るための磁気抵抗
効果素子の製造方法、及び磁気抵抗効果センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気抵抗効果(MR)センサ
又は磁気ヘッドと呼ばれる磁気読み取り変換器が開示さ
れている。これによると、磁性体表面から大きな線形密
度で磁気データを読み取ることができる。磁気抵抗効果
センサでは、読み取り素子によって感知される磁束の強
さと方向との関数で特定される抵抗変化を介して、磁界
信号を検出する。こうした従来の磁気抵抗効果センサ
は、異方性磁気抵抗(AMR)効果に基づいて動作す
る。AMR効果とは、読み取り素子の抵抗の1成分が、
磁化方向と素子中を流れる感知電流の方向との間の角度
の、余弦の2乗に比例して変化するという現象である。
AMR効果のより詳しい説明は、D.A.トムソン(T
hompson)等の論文「Memory,Stora
ge,andRelated Application
s(IEEE Trans,on Mag,MAG−1
1,p.1039:1975年)」に掲載されている。
AMR効果を用いた磁気ヘッドでは、バルクハウゼン・
ノイズを押えるために縦バイアスを印加することが多
い。この縦バイアス印加材料としては、従来より、Fe
Mn、NiMn、ニッケル酸化物等の反強磁性材料が用
いられている。
【0003】一方、近時にあっては、積層磁気センサの
抵抗変化が、非磁性層を介する磁性層間での電導電子の
スピン依存性伝送及びそれに付随する層界面でのスピン
依存性散乱に帰されるよりも、顕著な磁気抵抗効果が知
られている。この磁気抵抗効果は、「巨大磁気抵抗効
果」や「スピン・バルブ効果」など様々な名称で呼ばれ
ている。そして、この種の磁気抵抗効果を用いた磁気抵
抗効果センサは、AMR効果を利用するセンサで観察さ
れるよりも感度が改善され、抵抗変化が大きい。この種
の磁気抵抗効果センサでは、非磁性層で分離された1対
の強磁性体層の間の平面内抵抗が、二つの層の磁化方向
間の角度の余弦に比例して変化する。
【0004】特開平2−61572号公報には、磁性層
内の磁化の反平行整列によって生じる高いMR変化をも
たらす積層磁性構造が開示されている。積層構造で使用
可能な材料として、上記公報には強磁性の遷移金属及び
合金が挙げられている。また、中間層により分離してい
る少なくとも二層の強磁性層の一方に反強磁性層を付加
した構造、及び反強磁性層としてFeMnが適当である
こと等が、開示されている。
【0005】特開平4−358310号公報には、非磁
性金属体の薄膜層によって仕切られた強磁性体の二層の
薄膜層を有し、印加磁界が「0」である場合に二つの強
磁性薄膜層の磁化方向が直交し、かつ二つの非結合強磁
性体層間の抵抗が二つの層の磁化方向間の角度の余弦に
比例して変化し、センサ中を通る電流の方向とは独立し
た磁気抵抗効果センサが、開示されている。
【0006】特開平6−203340号公報には、非磁
性金属材料の薄膜層で分離された二つの強磁性体の薄膜
層を含み、外部印加磁界が「0」のとき、隣接する反強
磁性体層の磁化が他方の強磁性体層に対して垂直に保た
れるという上記効果に基づく磁気抵抗効果センサが、開
示されている。
【0007】特開平7−262529号公報には、第1
磁性層/非磁性層/第2磁性層/反強磁性層の構成を有
するスピンバルブであって、特に第1及び第2磁性層に
CoZrNb,CoZrMo,FeSiAl,FeS
i,NiFe又はこれにCr,Mn,Pt,Ni,C
u,Ag,Al,Ti,Fe,Co,Znを添加した材
料を用いた磁気抵抗効果素子が、開示されている。
【0008】特開平7−202292号公報には、基板
上に非磁性層を介して積層した複数の磁性薄膜からな
り、かつ非磁性薄膜を介して隣り合う一方の軟磁性薄膜
に反強磁性薄膜が隣接して設けられ、同時に当該反強磁
性薄膜のバイアス磁界をHrとし他方の軟磁性薄膜の保
磁力をHc2 としたときに「Hc2 <Hr」である磁気
抵抗効果素子であって、前述した反強磁性体が、Ni
O,CoO,FeO,Fe2 3 ,MnO,Crの少な
くとも1種又はこれらの混合物からなる磁気抵抗効果素
子が、開示されている。
【0009】特開平6−214837号公報及び特開平
8−127864号公報には、反強磁性体がNiO,N
X Co1-X O,CoOから選ばれる少なくとも二種か
らなる超格子である磁気抵抗効果素子が、開示されてい
る。
【0010】特開平8−204253号公報には、前述
した磁気抵抗効果素子において、反強磁性体がNiO,
NiX Co1-X O(x=0.1〜0.9),CoOから
選ばれる少なくとも二種からなる超格子であり、かつこ
の超格子中のNiのCoに対する原子数比が1.0以上
である磁気抵抗効果素子が、開示されている。
【0011】特開平7一136670号公報には、前述
した磁気抵抗効果素子において、反強磁性体がNiO上
にCoOを10〜40オングストローム積層した二層膜
であることを特徴とする磁気抵抗効果素子が、開示され
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来、磁性層/非磁性
層/磁性層/反強磁性層/、又は/反強磁性層/磁性層
/非磁性暦/磁性層/という基本構成を有する磁気抵抗
効果素子において、磁性層/非磁性層/磁性層の三層を
成膜する直前は、次のような条件を採っていた。 .チャンバー内の真空度(背圧)が1×10-7〔To
rr〕以上。.チャンバー内を四重極管質量分析装置
で測定した場合における原子量18に相当する検出電流
値が1×10-10 以上。.チャンバー内のH2 Oの分
圧が1×10-7〔Torr〕以上。しかしながら、この
ような条件で成膜すると、磁気抵抗効果素子の抵抗変化
率が低くなるという不都合が生じていた。
【0013】また、磁気ヘッドは、その製造工程で20
0〔℃〕程度以上の高温でのアニールが必要とされる。
その一方、磁性層/非磁性層/磁性層/反強磁性層、又
は反強磁性層/磁性層/非磁性層/磁性層という基本構
成をもつ磁気抵抗効果素子では、200〔℃〕以上のア
ニールにより磁気抵抗変化率が低下するという不都合が
生じていた。
【0014】
【発明の目的】本発明の目的は、抵抗変化率が高くかつ
耐熱性に優れた磁気抵抗効果素子の製造方法、及び磁気
抵抗効果センサを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気抵抗効
果素子の製造方法は、磁性層、非磁性層、磁性層及び反
強磁性層がこの順又はこの逆の順に積層された基本構成
を有する磁気抵抗効果素子を製造する方法である。そし
て、前記磁性層、非磁性層及び磁性層の部分をマグネト
ロンスパッタ又はヘリコンカソードを用いたスパッタに
より成膜する直前に、チャンバー内のH2 Oの分圧を1
×10-7〔Torr〕以下にする、又はチャンバー内の
真空度(背圧)を1×10-7〔Torr〕以下にする
発明に係る磁気抵抗効果センサは、本発明に係る製造
方法によって製造された磁気抵抗効果素子を用いたもの
である。なお、真空度を1×10-7〔Torr〕以下に
するとは、1×10-7〔Torr〕よりも高真空(例え
ば1×10-8〔Torr〕)にするという意味である。
【0016】次に、本発明に係る磁気抵抗効果素子の製
造方法の作用について説明する。
【0017】磁性層/非磁性層/磁性層/反強磁性層、
又は反強磁性層/磁性層/非磁性層/磁性層の基本構成
を有する磁気抵抗効果素子において、磁性層/非磁性層
/磁性層の三層を成膜する時に、チャンバー内を四重極
管質量分析装置で測定した場合、チャンバー内のH2
の分圧を1×10-7〔Torr〕以下とする。
【0018】チャンバー内に存在するH2 Oは、スパッ
タ成膜時のプラズマにより、一部が水素と酸素とに電離
している。これらのH2 O、水素及び酸素と成膜元素で
ある金属とは、化合することにより、微小な金属酸化物
や金属水酸化物になる。これらは、成膜中の磁気抵抗効
果素子中に混入し、格子欠陥の元になったり、結晶粒界
に析出したりすることにより、成膜が進むにつれて進行
するべき金属結晶粒の成長を妨げる。ここで、金属結晶
粒の成長が妨げられると、最終的に形成された磁気抵抗
効果素子は小さな結晶粒を持つことになる。結晶粒が小
さいと、それだけ結晶粒界が多くなるが、粒界は抵抗が
高いので膜の比抵抗は高くなる。一方、磁気抵抗効果素
子の抵抗変化率は、比抵抗の磁界の方向に伴う変化量Δ
ρを比抵抗ρで割ったものであるので、ρが上昇しても
Δρが変わらなければ低下することになる。逆に、チャ
ンバー内のH2 O量を少なくすれば、抵抗変化率の高い
膜が得られることになる。
【0019】また、磁気抵抗効果素子を200〔℃〕以
上の高温で熱処理した場合の抵抗変化率の低下は、結晶
粒界を通しての非磁性層の拡散によるものと考えられ
る。このため、結晶粒径が小さく結晶粒界の多い膜の方
が、拡散が起こりやすくなるので、その分だけ抵抗変化
率の低下が大きい。したがって、チャンバー内のH2
量が少ない条件で作成した結晶粒径の大きい膜の方が、
抵抗変化率の耐熱性に優れることになる。なお、チャン
バー内のH2 O量はチャンバー内の背圧と相関があるの
で、その背圧の低い方が抵抗変化率及びその耐熱性に優
れた膜を得ることができる。
【0020】また、結晶粒径は、X線ディフラクトメー
タによる測定時のピークの半値幅と反比例の関係にある
ことが知られている。一般的な磁気抵抗効果素子では、
X線ディフラクトメータによる測定により(111)ピ
ークが観測される。その(111)ピークの半値幅が狭
いほど、結晶粒径が大きいので、抵抗変化率及びその耐
熱性に優れた膜を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1乃至図8は、本発明に係る磁
気抵抗効果素子を示す概略断面図である。以下、これら
の図面に基づき説明する。
【0022】図1の例は、基体100上に、下地層10
1、第1フリー磁性層102、非磁性層104、MRエ
ンハンス層105、固定磁性層106、反強磁性層10
7、及び保護層108を順次積層した構造である。図2
の例は、基体100上に、下地層101、第1フリー磁
性層102、第2フリー磁性層103、非磁性層10
4、MRエンハンス層105、固定磁性層106、反強
磁性層107、及び保護層108を順次積層した構造で
ある。図3の例は、基体100上に、下地層101、第
1フリー磁性層102、非磁性層104、固定磁性層1
06、反強磁性層107、及び保護層108を順次積層
した構造である。図4の例は、基体100上に、下地層
101、反強磁性層107、固定磁性層106、非磁性
層104、第2フリー磁性層103、第1フリー磁性層
102、及び保護層108を順次積層した構造である。
図5の例は、基体100上に、下地層101、反強磁性
層107、固定磁性層106、MRエンハンス層10
5、非磁性層104、第1フリー磁性層102、及び保
護層108を順次積層した構造である。図6の例は、基
体100上に下地層101、反強磁性層107、固定磁
性層106、非磁性層104、第2フリー磁性層10
3、第1フリー磁性層102、及び保護層108を順次
積層した構造である。図7の例は、基体100上に、下
地層101、反強磁性層107、固定磁性層106、非
磁性層104、第1フリー磁性層102、及び保護層1
08を順次積層した構造である。図8の例は、基体10
0上に、下地層101、反強磁性層107、固定磁性層
106、非磁性層104、第2フリー磁性層103、第
1フリー磁性層102、及び保護層108を順次積層し
た構造である。
【0023】下地層101としては、1種以上の金属か
らなる単層膜、混合物膜、又は多層膜を用いる。具体的
には、Ta,Hf,Zr,W,Cr,Ti,Mo,P
t,Ni,Ir,Cu,Ag,Co,Zn,Ru,R
h,Re,Au,Os,Pd,Nb,Vからなる単層
膜、又はこれらの混合物膜若しくは多層膜を用いる。
【0024】第1フリー磁性層102及び第2フリー磁
性層103としては、NiFe,CoFe,NiFeC
o,FeCo,CoFeB,CoZrMo,CoZrN
b,CoZr,CoZrTa,CoHf,CoTa,C
oTaHf,CoNbHf,CoZrNb,CoHfP
d,CoTaZrNb,CoZrMoNi合金、又はア
モルファス磁性材料を用いることができる。その膜厚
は、1〜10〔nm〕程度が適当である。
【0025】非磁性層104としては、Cu,Cuに1
〜20〔at%〕程度のAgを添加した材料,Cuに1
〜20〔at%〕程度のReを添加した材料,Cu−A
u合金を用いることが望ましい。その膜厚は、2〜4
〔nm〕が望ましい。
【0026】MRエンハンス層105としては、Co,
NiFeCo,FeCo等、又はCoFeB,CoZr
Mo,CoZrNb,CoZr,CoZrTa,CoH
f,CoTa,CoTaHf,CoNbHf,CoZr
Nb,CoHfPd,CoTaZrNb,CoZrMo
Ni合金、又はアモルファス磁性材料を用いる。その膜
厚は、0.5〜5〔nm〕程度が望ましい。MRエンハ
ンス層105を用いない場合は、用いた場合に比べて、
MR比が若干低下するが、用いない分だけ作製に要する
工程数は低減する。
【0027】固定磁性層106としては、Co,Ni,
Feをベースにするグループからなる単体、合金、又は
積層膜を用いる。その膜厚は1〜50〔nm〕程度が望
ましい。
【0028】反強磁性層107としては、FeMn,N
iMn,IrMn,PtPdMn,ReMn,PtM
n,CrMn,Ni酸化物,Fe酸化物,Ni酸化物と
Co酸化物との混合物,Ni酸化物とFe酸化物との混
合物,Ni酸化物/Co酸化物の二層膜,Ni酸化物/
Fe酸化物の二層膜などを用いることができる。
【0029】保護層108としては、金属,酸化物,窒
化物,酸化物と窒化物との混合物,金属/酸化物の二層
膜,金属/窒化物の二層膜,金属/(酸化物と窒化物と
の混合物)の二層膜を用いる。具体的には、保護層10
8としては、Ti,V,Cr,Co,Cu,Zn,Y,
Zr,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Ag,H
f,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Au、又はS
i,Al,Ti,Taの各グループのいずれかからなる
酸化物及び窒化物の単体、又はこれらの混合物、又はT
a,Hf,Zr,W,Cr,Ti,Mo,Pt,Ni,
Ir,Cu,Ag,Co,Zn,Ru,Rh,Re,A
u,Os,Pd,Nb,V,Yのグループの少なくとも
1つの元素からなる。そして、単体又は合金を、上記酸
化物及び窒化物の単体又は混合物と組み合わせた二層膜
が、有力な候補となる。
【0030】図9及び図10は、本発明に係る磁気抵抗
効果素子を用いたシールド型の磁気抵抗効果センサを示
す概略断面図である。以下、この図面に基づき説明す
る。
【0031】図9の例では、基板1上に下シールド層
2、下ギャップ層3及び磁気抵抗効果素子6を積層させ
る。その上にギャップ規定絶縁層7を積層させることも
ある。下シールド層2は、フォトレジスト(PR)工程
により適当な大きさにパターン化されることが多い。磁
気抵抗効果素子6は、PR工程により適当な大きさ・形
状にパターン化されている。磁気抵抗効果素子6の端部
に接するように、縦バイアス層4及び下電極層5が順次
積層されている。その上に、上ギャップ層8及び上シー
ルド層9が順次積層されている。
【0032】図10の例では、基板1上に下シールド層
2、下ギャップ層3及び磁気抵抗効果素子6を積層させ
る。シールド層2は、PR工程により適当な大きさにパ
ターン化されることが多い。磁気抵抗効果素子6は、P
R工程により適当な大きさ・形状にパターン化されてい
る。磁気抵抗効果素子6の上部に、一部重なるように縦
バイアス層4及び下電極層5が順次積層されている。そ
の上に、上ギャップ層8及び上シールド層9が順次積層
されている。
【0033】図9及び図10における下シールド層2と
しては,NiFe,CoZr,CoFeB,CoZrM
o,CoZrNb,CoZr,CoZrTa,CoH
f,CoTa,CoTaHf,CoNbHf,CoZr
Nb,CoHfPd,CoTaZrNb,CoZrMo
Ni合金,FeAlSi,窒化鉄系材料等を用いること
ができ、その膜厚は0.3〜10〔μm〕の範囲で適用
可能である。下ギャップ層3は、アルミナ,SiO2
窒化アルミニウム,窒化シリコン,ダイヤモンドライク
カーボン等が適用可能である。その膜厚は、0.01〜
0.20〔μm〕範囲での使用が望ましい。下電極層5
としては、Zr,Ta,Moからなる単体又はそれらの
合金若しくは混合物が望ましい。その膜厚範囲は0.0
1〜0.10〔μm〕がよい。縦バイアス層4として
は、CoCrpt,CoCr,Copt,CoCrT
a,FeMn,NiMn,IrMn,PtPdMn,R
eMn,PtMn,CrMn,Ni酸化物,鉄酸化物,
Ni酸化物とCo酸化物の混合物,Ni酸化物とFe酸
化物の混合物,Ni酸化物/Co酸化物二層膜,Ni酸
化物/Fe酸化物二層膜等を用いることができる。ギャ
ップ規定絶縁層7としては、アルミナ,SiO2 ,窒化
アルミニウム,窒化シリコン,ダイヤモンドライクカー
ボン等が適用可能である。その膜厚は、0.005〜
0.05〔μm〕範囲での使用が望ましい。上ギャップ
層8は、アルミナ,SiO2 ,窒化アルミニウム,窒化
シリコン,ダイヤモンドライクカーボン等が適用可能で
ある。その膜厚は、0.01〜0.20〔μm〕範囲で
の使用が望ましい。上シールド層9には、NiFe,C
oZr,又はCoFeB,CoZrMo,CoZrN
b,CoZr,CoZrTa,CoHf,CoTa,C
oTaHf,CoNbHf,CoZrNb,CoHfP
d,CoTaZrNb,CoZrMoNi合金,FeA
lSi,窒化鉄系材料等を用いることができ、その膜厚
は0.3〜10〔μm〕の範囲で適用可能である。
【0034】これらのシールド型の磁気抵抗効果センサ
は、インダクティブ・コイルによる書き込みヘッド部を
付設することにより、記録再生一体型ヘッドとして用い
ることができる。
【0035】図11は、本発明に係る磁気抵抗効果素子
を用いた記録再生ヘッドを示す概略斜視図である。以
下、この図面に基づき説明する。
【0036】記録再生ヘッド16は、本発明に係る磁気
抵抗効果素子24を用いた再生ヘッド18と、インダク
ティブ型の記録ヘッド30とからなる。ここでは、長手
磁気記録用の記録ヘッドとの搭載例を示したが、本発明
の磁気抵抗効果素子を垂直磁気記録用ヘッドと組み合わ
せて垂直記録に用いてもよい。
【0037】再生ヘッド18は、基体20上に、下部シ
ールド膜22、磁気抵抗効果素子24、電極26及び上
部シールド膜28が順次形成されたものである。記録ヘ
ッド30は、下部磁性膜32、コイル34及び上部磁性
膜36が順次形成されたものである。このとき、上部磁
性膜36と下部磁性膜32とを共通部材にて一体化した
構成としてもよい。
【0038】記録再生ヘッド16により、記録媒体(図
示せず)上に信号を書き込み、又は記録媒体から信号を
読み取る。再生ヘッド18の感知部分と、記録ヘッド3
0の磁気ギャップとを、このように同一スライダ上に重
ねた位置に形成することにより、同一トラックに同時に
位置決めができる。記録再生ヘッド16をスライダに加
工して磁気記録再生装置に搭載する。
【0039】図12は、本発明の磁気抵抗効果素子を用
いた磁気記録再生装置における、再生ヘッドと記録媒体
との位置関係を示す概略斜視図である。以下、この図面
に基づき説明する。
【0040】ヘッドスライダー90を兼ねる基板50上
に磁気抵抗効果素子45及び電極膜40を形成し、これ
を記録媒体91上に位置決めして再生を行う。記録媒体
91は回転し、ヘッドスライダー90は、記録媒体91
の上を、0.2〔μm〕以下の高さ又は接触状態で対向
して相対運動する。この機構により、磁気抵抗効果素子
45は、記録媒体91に記録された磁気的信号を、その
漏れ磁界から読み取ることのできる位置に設定される。
【0041】
【実施例】スパッタ装置のチャンバー内を空気によりリ
ークして1度大気に戻し、リークから磁気抵抗効果素子
の成膜を始めるまでの時間を加減することによって、成
膜時の背圧を調節した。成膜前のチャンバー内雰囲気
は、四重極質量分析装置により分析した。四重極管質量
分析装置の分析ガスに相当する質量のセンシング電流値
から、分析ガスのチャンバー内分圧を求めた。分圧の式
は以下の通りである。
【0042】A元素分圧=全圧×(Ia /Ka )/
〔(Ia /Ka )+(Ib /Kb )+……総ての原子量
についての和〕
【0043】ここで、Ia ,Ib ……は各元素に相当す
る原子量における四重極管質量分析装置で測定したセン
シング電流値を示す。又、Ka ,Kb ……は感度係数
(比感度)を示す。各分析ガスの比感度は、次の値を用
いた。
【0044】H2 :1.52、He:1.40、C
4 :1.34、NH3 :1.13、H2 O:1.3
4、CO:1.03、N2 :1.00、O2 :0.8
7、Ar:1.23、CO2 :0.800。
【0045】ここでは、原子量50以上の元素は無いと
仮定して、原子量1〜50までの原子量について求め
た。全圧は、四重極管質量分析装置とは別に設置された
イオンゲージの値を用いた。
【0046】Ta,NiFe,CoFe,及びCu層の
成膜には、DCマグネトロンスパッタカソードを用い
た。FeMn及びNiMn層の成膜には、ヘリコンスパ
ッタカソードを用いた。また、所有ターゲットのサイズ
による制約があるため、金属膜と反強磁性層とを異なる
チャンバーで成膜した。これらのスパッタ条件はそれぞ
れ図13のとおりである。更に、MR測定装置によって
R−Hループを測定し、X線回折装置によってX線プロ
ファイルを測定した。
【0047】〔第1実施例〕はじめに、アルミナ/Ta
(3〔nm〕)/Ni80Fe20(8〔nm〕)/Co90
Fe10(1〔nm〕)/Cu(2.7〔nm〕)/Co
90Fe10(3〔nm〕)/Ni46Mn54(30〔n
m〕)/Ta(3〔nm〕)という構成で、磁気抵抗効
果素子を作成した。この場合、Ta(3〔nm〕)/N
i80Fe20(8〔nm〕)/Co90Fe10(1〔n
m〕)/Cu(2.7〔nm〕)/Co90Fe10(3
〔nm〕)の各部分を成膜する際に、スパッタ装置のチ
ャンバー内の背圧を種々に変えて成膜を行った。
【0048】図14は、成膜直前のチャンバー内の背圧
と抵抗変化率(MR比)との関係を示すグラフである。
この場合、背圧の上昇に伴い抵抗変化率は、背圧が約1
×10-7〔Torr〕までは直線的に緩やかに減少する
が、1×10-7〔Torr〕を越えると急激に減少し
た。このグラフから、適正な背圧の範囲は1×10
-7〔Torr〕以下であることが判明した。
【0049】図15は、成膜直前のチャンバー内を四重
極管質量分析装置で分析した際の原子量18に相当する
検出電流と抵抗変化率(MR比)との関係を示すグラフ
である。この場合、検出電流値の上昇に伴って、抵抗変
化率は、検出電流が約1×10-10 〔A〕までは直線的
に緩やかに減少するが、1×10-10 〔A〕を越えると
急激に減少した。このグラフから、抵抗変化率という観
点から見て適正な検出電流の範囲は、1×10
-10 〔A〕以下であることが判明した。
【0050】図16は、成膜直前のチャンバー内のH2
O分圧と抵抗変化率(MR比)との関係を示すグラフで
ある。H2 O分圧の上昇に伴って、抵抗変化率は、分圧
が約1×10-7〔Torr〕までは直線的に緩やかに減
少するが1×10-7〔Torr〕を越えると急激に減少
した。このグラフから、適正なH2 O分圧の範囲は1×
10-7〔Torr〕以下であることが判明した。
【0051】図17は、「2θ−θ」測定をしたときの
X線ディフラクトメータプロファイルにおける(11
1)ピーク半値幅と抵抗変化率(MR比)との関係を示
すグラフである。このグラフから、半値幅が1.2度以
下のとき、抵抗変化率が6%以上と比較的高い値となる
ことが判明した。
【0052】図18は、成膜直前のチャンバー内の背圧
と規格化抵抗変化率(規格化MR比)との関係を示すグ
ラフである。この規格化抵抗変化率は、270〔℃〕で
5時間、高真空中で熱処理を施したサンプルの抵抗変化
率を、処理前の抵抗変化率で割った値である。このグラ
フから明らかなように、規格化抵抗変化率は、背圧の上
昇に伴って、背圧が約1×10-7〔Torr〕までは直
線的に緩やかに減少するが、背圧が約1×10-7〔To
rr〕を越えると急激に減少した。このグラフから、適
正な背圧の範囲は、抵抗変化率の耐熱性という観点から
見ても1×10-7〔Torr〕以下であることが判明し
た。
【0053】図19は、成膜直前のチャンバー内を四重
極管質量分析装置で分析した際の原子量18に相当する
検出電流と規格化抵抗変化率(規格化MR比)との関係
を示すグラフである。このグラフから明らかなように、
検出電流値の上昇に伴って、抵抗変化率は、電流が約1
×10-10 〔A〕までは直線的に緩やかに減少するが、
1×10-10 〔A〕を越えると急激に減少した。このグ
ラフから、適正な検出電流の範囲は1×10-10 〔A〕
以下であることが判明した。
【0054】図20は、成膜直前のチャンバー内のH2
O分圧と規格化抵抗変化率(規格化MR比)との関係を
示すグラフである。このグラフから明らかなように、H
2 O分圧の上昇に伴って、抵抗変化率は、分圧が約1×
10-7〔Torr〕までは直線的に緩やかに減少する
が、1×10-7〔Torr〕を越えると急激に減少し
た。このグラフから、適正な検出電流の範囲は、1×1
-7〔Torr〕以下であることが判明した。
【0055】図21は、「2θ−θ」測定をしたときの
X線ディフラクトメータプロファイルにおける(11
1)ピーク半値幅と規格化抵抗変化率(規格化MR比)
との関係を示すグラフである。半値幅が1.2度以下の
ときは、規格化抵抗変化率が0.7以上と比較的高い値
となった。
【0056】〔第2実施例〕次に、アルミナ/Ta(3
〔nm〕)/Ni46Mn54(30〔nm〕)/Co90F
e10(3〔nm〕)/Cu(2.7〔nm〕)/Ni80
Fe20(8〔nm〕)/Ta(3〔nm〕)という構成
の磁気抵抗効果素子を作成した。この場合、Co90Fe
10(3〔nm〕)/Cu(2.7〔nm〕)/Ni80F
e20(8〔nm〕)/Ta(3〔nm〕)の部分を成膜
する際の、スパッタ装置のチャンバー内の背圧を種々に
変えて成膜を行った。
【0057】図22は、成膜直前のチャンバー内を四重
極管質量分析装置で分析した際の原子量18に相当する
検出電流と抵抗変化率(MR比)との関係を示すグラフ
である。このグラフから明らかなように、検出電流値の
上昇に伴い、抵抗変化率は、電流が約1×10
-10 〔A〕までは直線的に緩やかに減少するが,1×1
-10〔A〕を越えると急激に減少した。このグラフか
ら、この構成の膜においても適正な検出電流の範囲は1
×10-10 〔A〕以下であることが判明した。
【0058】図23は、成膜直前のチャンバー内を四重
極管質量分析装置で分析した際の原子量18に相当する
検出電流と規格化抵抗変化率との関係を示すグラフであ
る。検出電流値の上昇に伴い抵抗変化率は、電流が約1
×10-10 〔A〕までは直線的に緩やかに減少するが、
1×10-10 〔A〕を越えると急激に減少した。このグ
ラフから、適正な検出電流の範囲は1×10-10 〔A〕
以下であることが反面した。
【0059】〔第3実施例〕次に、アルミナ/Ta(3
〔nm〕)/Ni82Fe18(6〔nm〕)/Cu(2.
5〔nm〕)/Ni8080Fe20(3〔nm〕)/Pt
50Mn50(30〔nm〕)/Ta(3〔nm〕)という
構成の磁気抵抗効果素子を作成した。この場合、Ta
(3〔nm〕)/Ni82Fe18(6〔nm〕)/Cu
(2.5〔nm〕)/Ni80Fe20(3〔nm〕)の部
分を成膜するときの、スパッタ装置のチャンバー内の背
圧を種々に変えて成膜を行った。
【0060】図24は、成膜直前のチャンバー内を四重
極管質量分析装置で分析した際の原子量18に相当する
検出電流と抵抗変化率(MR比)との関係を示すグラフ
である。検出電流値の上昇に伴い抵抗変化率は、電流が
約1×10-10 〔A〕までは直線的に緩やかに減少する
が、1×10-10 〔A〕を越えると急激に減少した。こ
のグラフから、この構成においても適正な検出電流の範
囲は1×10-10 〔A〕以下であることが判明した。
【0061】図25は、成膜直前のチャンバー内を四重
極管質量分析装置で分析した際の原子量18に相当する
検出電流と規格化抵抗変化率(規格化MR比)との関係
を示すグラフである。検出電流値の上昇に伴い抵抗変化
率は、電流が約1×10-10〔A〕までは直線的に緩や
かに減少するが、1×10-10 〔A〕を越えると急激に
減少した。このグラフから適正な検出電流の範囲は1×
10-10 〔A〕以下であることが判明した。
【0062】次に、これらの磁気抵抗効果素子をシール
ド型の磁気抵抗効果センサに適用した例を示す。
【0063】〔第4実施例〕まず、本実施例の磁気抵抗
効果素子を用いて、図9の磁気抵抗効果センサを作成し
た。
【0064】このとき、下シールド層としてはNiF
e、下ギャップ層としてはアルミナを用いた。磁気抵抗
効果素子としては、Ta(3〔nm〕)/Ni82Fe18
(7〔nm〕)/Co90Fe10(1.0〔nm〕)/C
u(2.5〔nm〕)/Co90Fe10(1〔nm〕)/
Ni46Mn54(20〔nm〕)/Ta(3〔nm〕)
を、PR工程により1×1〔μm〕の大きさに加工して
用いた。
【0065】ここで、上記磁気抵抗効果素子のうち、T
a(3〔nm〕)/Ni82Fe18(7〔nm〕)/Co
90Fe10(1.0〔nm〕)/Cu(2.5〔nm〕)
/Co90Fe10(1〔nm〕)の部分を成膜する直前の
背圧は、1×10-10 〔Torr〕とした。また、チャ
ンバー内を四重極管質量分析装置で測定した場合の原子
量18に相当する検出電流値は1×10-13 〔A〕、H
2 Oの分圧は1.5×10-11 〔Torr〕とした。
【0066】この場合に形成された膜のX線ディフラク
トメータによる(111)ピ一ク半値幅は、0.78度
であった。そして、パターン化された膜端部に接するよ
うに、CoCrPtとMo下電極層とを積層した。上ギ
ャップ層としてはアルミナを、上シールド層としてはN
iFeを、それぞれ用いた。このようにして形成され再
生ヘッドを、図11のような記録再生一体型ヘッドに加
工及びスライダ加工し、CoCrTa系媒体上にデータ
を記録再生した。このとき、書き込みトラック幅は1.
5〔μm〕、書き込みギャップは0.2〔μm〕、読み
込みトラック幅は1.0〔μm〕、読み込みギャップは
0.21〔μm〕とした。記録媒体の保磁力は、2.5
〔kOe〕である。また、記録マーク長を変えて再生出
力を測定した。
【0067】この結果、次のような良好な試験結果が得
られた。再生出力が半減するマーク長は154〔kFC
I〕。再生出力は(peak to peak)1.7
〔mV〕。S/N比は27〔dB〕。エラーレートは1
-6以下。ノイズはなし。波形は良好。80〔℃〕、5
00〔Oe〕及び2500時間環境試験後、エラーレー
トは変化なし。電流密度2×107 〔A/cm2 〕、環
境温度80〔℃〕の通電試験で、1000時間まで抵抗
値及び抵抗変化率の変化なし。
【0068】〔第5実施例〕次に、本実施例の磁気抵抗
効果素子を用いて図10の磁気抵抗効果センサを作成し
た。
【0069】このとき、下シールド層としてはFeTa
N、下ギャップ層としてはアモルファスカーボン、磁気
抵抗効果素子としては図1の構成を用いた。磁気抵抗効
果素子は、Ta(3〔nm〕)/Ni82Fe18(7〔n
m〕)/Co90Fe10(1.0〔nm〕)/Cu(2.
5〔nm〕)/Co90Fe10(1〔nm〕)/Ni46M
n54(20〔nm〕)/Ta(3〔nm〕)を、PR工
程により1×1〔μm〕の大きさに加工して用いた。N
i82Fe18(7〔nm〕)/Co90Fe10(1.0〔n
m〕)/Cu(2.5〔nm〕)/Co90Fe10(1
〔nm〕)の部分を成膜するとき、成膜直前の背圧は1
×10-10 〔Torr〕、チャンバー内を四重極管質量
分析装置で測定した場合の原子量18に相当する検出電
流値は1×10-13 〔A〕、H2 Oの分圧は1.5×1
-11 〔Torr〕とした。
【0070】この膜のX線ディフラクトメータによる
(111)ピーク半値幅は0.78度であった。磁気抵
抗効果素子に一部重なるように、CoCrPtとMo下
電極層とを積層した。上ギャップ層としてはアルミナ、
上シールド層としてはNiFeを用いた。このヘッドを
図11のような記録再生一体型ヘッドに加工及びスライ
ダ加工し、CoCrTa系媒体上にデータを記録再生し
た。この際、書き込みトラック幅は1.5〔μm〕、書
き込みギャップは0.2〔μm〕、読み込みトラック幅
は1.0〔μm〕、読み込みギャップは0.21〔μ
m〕とした。記録媒体の保磁力は2.5〔kOe〕であ
る。また、記録マーク長を変えて再生出力を測定した。
【0071】この結果、次のような良好な試験結果が得
られた。再生出力が半減するマーク長は157〔kFC
I〕。再生出力は(peak to peak)1.9
〔mV〕。S/Nは27.5〔dB〕。エラーレートは
10-6以下。ノイズなし。波形良好。80〔℃〕、50
0〔Oe〕及び2500〔時間〕環境試験後、エラーレ
ートの変化なし。電流密度2×107 A/cm2 及び環
境温度80℃の通電試験で、1000時間まで抵抗値及
び抵抗変化率の変化なし。
【0072】〔第6実施例〕次に、本発明を適用して作
製された磁気ディスク装置の説明をする。
【0073】磁気ディスク装置は、ベース上に3枚の磁
気ディスクを備え、ベース裏面にヘッド駆動回路及び信
号処理回路と入出カインターフェイスとを収めている。
外部とは32ビットのバスラインで接続される。磁気デ
ィスクの両面には6個のヘッドが配置されている。ヘッ
ドを駆動するためのロータリーアクチュエータとその駆
動及び制御回路、ディスク回転用スピンドル直結モータ
が搭載されている。ディスクの直径は46〔mm〕であ
り、データ面は直径10〔mm〕から40〔mm〕まで
を使用する。埋め込みサーボ方式を用い、サーボ面を有
しないため高密度化が可能である。本装置は、小型コン
ピューターの外部記憶装置として直接接続が可能になっ
てる。入出力インターフェイスには、キャッシュメモリ
を搭載し、転送速度が毎秒5から20メガバイトの範囲
であるバスラインに対応する。また、外部コントローラ
を置き、本装置を複数台接続することにより、大容量の
磁気ディスク装置を構成することも可能である。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、磁性層、非磁性層及び
磁性層の部分をマグネトロンスパッタ又はヘリコンカソ
ードを用いたスパッタにより成膜する直前に、チャンバ
ー内のH2 Oの分圧を1×10-7〔Torr〕以下にす
、又はチャンバー内の真空度(背圧)を1×10
-7〔Torr〕以下にすることにより、結晶粒径を大き
くできるので、磁気抵抗変化率が高く、しかも抵抗変化
率の耐熱性に優れた、磁気抵抗変化素子及び磁気抵抗効
果センサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一例を示す
概略断面図である。
【図2】本発明に係る磁気抵抗効果素子の第二例を示す
概略断面図である。
【図3】本発明に係る磁気抵抗効果素子の第三例を示す
概略断面図である。
【図4】本発明に係る磁気抵抗効果素子の第四例を示す
概略断面図である。
【図5】本発明に係る磁気抵抗効果素子の第五例を示す
概略断面図である。
【図6】本発明に係る磁気抵抗効果素子の第六例を示す
概略断面図である。
【図7】本発明に係る磁気抵抗効果素子の第七例を示す
概略断面図である。
【図8】本発明に係る磁気抵抗効果素子の第八例を示す
概略断面図である。
【図9】本発明に係る磁気抵抗効果センサの第一例を示
す概略断面図である。
【図10】本発明に係る磁気抵抗効果センサの第二例を
示す概略断面図である。
【図11】記録再生ヘッドの概略斜視図である。
【図12】磁気記録再生装置の概略斜視図である。
【図13】本発明の実施例におけるスパッタ条件を示す
図表である。
【図14】本発明の第1実施例における、スパッタ直前
のチャンバー内背圧と磁気抵抗変化率との関係を示すグ
ラフである。
【図15】本発明の第1実施例における、四重極管質量
分析装置の原子量18に相当する検出電流値と磁気抵抗
変化率との関係を示すグラフである。
【図16】本発明の第1実施例における、H2 O分圧と
磁気抵抗変化率との関係を示すグラフである。
【図17】本発明の第1実施例における、X線プロファ
イルにおける(111)ピーク半値幅と磁気抵抗変化率
との関係を示すグラフである。
【図18】本発明の第1実施例における、スパッタ直前
のチャンバー内背圧と規格化磁気抵抗変化率との関係を
示すグラフである。
【図19】本発明の第1実施例における、四重極管質量
分析装置の原子量18に相当する検出電流値と規格化磁
気抵抗変化率との関係を示すグラフである。
【図20】本発明の第1実施例における、H2 O分圧と
規格化磁気抵抗変化率との関係を示すグラフである。
【図21】本発明の第1実施例における、X線プロファ
イルにおける(111)ピーク半値幅と規格化磁気抵抗
変化率との関係を示すグラフである。
【図22】本発明の第2実施例における、四重極管質量
分析装置の原子量18に相当する検出電流値と磁気抵抗
変化率との関係を示すグラフである。
【図23】本発明の第2実施例における、四重極管質量
分析装置の原子量18に相当する検出電流値と規格化磁
気抵抗変化率との関係を示すグラフである。
【図24】本発明の第3実施例における、四重極管質量
分析装置の原子量18に相当する検出電流値と磁気抵抗
変化率との関係を示すグラフである。
【図25】本発明の第3実施例における、四重極管質量
分析装置の原子量18に相当する検出電流値と規格化磁
気抵抗変化率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 下シールド層 3 下ギャップ層 4 縦バイアス層 5 下電極層 6 磁気抵抗効果素子 7 ギャップ規定絶縁層 8 上ギャップ層 9 上シールド層 16 記録再生ヘッド 18 再生ヘッド 20 基体 22 下部シールド膜 24 磁気抵抗効果素子 26 電極 28 上部シールド膜 30 記録ヘッド 32 下部磁性膜 34 コイル 36 上部磁性膜 42 磁気抵抗効果素子幅 44 記録トラック幅 45 磁気抵抗効果素子 50 基板 64 媒体からの漏れ磁界 81 固定磁性層磁化 82 自由磁性層磁化 83 ABS面 90 ヘッドスライダー 91 記録媒体 100 基体 101 下地層 102 第1フリー磁性層 103 第2フリー磁性層 104 非磁性層 105 MRエンハンス層 106 固定磁性層 107 反強磁性層 108 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 43/12 G11B 5/39 H01F 41/18 H01L 43/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性層、非磁性層、磁性層及び反強磁性
    層がこの順又はこの逆の順に積層された基本構成を有す
    る磁気抵抗効果素子の製造方法において、 チャンバー内のH2 Oの分圧を1×10-7〔Torr〕
    以下にした後に、前記磁性層、非磁性層及び磁性層を
    グネトロンスパッタにより成膜することを特徴とする磁
    気抵抗効果素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 磁性層、非磁性層、磁性層及び反強磁性
    層がこの順又はこの逆の順に積層された基本構成を有す
    る磁気抵抗効果素子の製造方法において、 チャンバー内の真空度を1×10-7〔Torr〕以下に
    した後に、前記磁性層、非磁性層及び磁性層をマグネト
    ロンスパッタにより成膜することを特徴とする磁気抵抗
    効果素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 磁性層、非磁性層、磁性層及び反強磁性
    層がこの順又はこの逆の順に積層された基本構成を有す
    る磁気抵抗効果素子の製造方法において、 チャンバー内のH 2 Oの分圧を1×10 -7 〔Torr〕
    以下にした後に、前記磁性層、非磁性層及び磁性層をヘ
    リコンカソードを用いたスパッタにより成膜することを
    特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 磁性層、非磁性層、磁性層及び反強磁性
    層がこの順又はこの逆の順に積層された基本構成を有す
    る磁気抵抗効果素子の製造方法において、 チャンバー内の真空度を1×10 -7 〔Torr〕以下に
    した後に、前記磁性層、非磁性層及び磁性層をヘリコン
    カソードを用いたスパッタにより成膜することを特徴と
    する磁気抵抗効果素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板上に、下シールド層、下ギャップ層
    及び磁気抵抗効果素子が順次積層されており、前記磁気
    抵抗効果素子の端部に接するように縦バイアス層及び下
    電極層が順次積層されており、前記磁気抵抗効果素子及
    び前記下電極層の上に上ギャップ層及び上シールド層が
    順次積層されているシールド型の磁気抵抗効果センサに
    おいて、 前記磁気抵抗効果素子が請求項1,2,3又は4記載の
    製造方法により製造されたものであることを特徴とする
    磁気抵抗効果センサ。
  6. 【請求項6】 基板上に、下シールド層、下ギャップ層
    及び磁気抵抗効果素子が順次積層されており、前記磁気
    抵抗効果素子の上部に一部重なるように縦バイアス層及
    び下電極層が順次積層されており、前記磁気抵抗効果素
    子及び前記下電極層の上に上ギャップ層及び上シールド
    層が順次積層されているシールド型の磁気抵抗効果セン
    サにおいて、 前記磁気抵抗効果素子が請求項1,2,3又は4記載の
    製造方法により製造されたものであることを特徴とする
    磁気抵抗効果センサ。
JP9305909A 1997-11-07 1997-11-07 磁気抵抗効果素子の製造方法、及び磁気抵抗効果センサ Expired - Fee Related JP2993483B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9305909A JP2993483B2 (ja) 1997-11-07 1997-11-07 磁気抵抗効果素子の製造方法、及び磁気抵抗効果センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9305909A JP2993483B2 (ja) 1997-11-07 1997-11-07 磁気抵抗効果素子の製造方法、及び磁気抵抗効果センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11145529A JPH11145529A (ja) 1999-05-28
JP2993483B2 true JP2993483B2 (ja) 1999-12-20

Family

ID=17950767

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9305909A Expired - Fee Related JP2993483B2 (ja) 1997-11-07 1997-11-07 磁気抵抗効果素子の製造方法、及び磁気抵抗効果センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2993483B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6466418B1 (en) * 2000-02-11 2002-10-15 Headway Technologies, Inc. Bottom spin valves with continuous spacer exchange (or hard) bias
JP2015038998A (ja) * 2014-09-12 2015-02-26 株式会社東芝 磁気記録素子及び磁気メモリ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11145529A (ja) 1999-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2933056B2 (ja) 磁気抵抗効果素子並びにこれを用いた磁気抵抗効果センサ、磁気抵抗検出システム及び磁気記憶システム
US6724585B2 (en) Magnetoresistive element and device utilizing magnetoresistance effect
JP2914339B2 (ja) 磁気抵抗効果素子並びにそれを用いた磁気抵抗効果センサ及び磁気抵抗検出システム
US6798626B2 (en) Magnetoresistive effect element having a ferromagnetic tunnel junction film with an oxide or nitride of a metallic material
JP2970590B2 (ja) 磁気抵抗効果素子並びにこれを用いた磁気抵抗効果センサ、磁気抵抗検出システム及び磁気記憶システム
JP3114683B2 (ja) 磁気抵抗効果素子およびその製造方法、ならびにこの磁気抵抗効果素子を用いた磁気抵抗効果センサ,磁気抵抗検出システムおよび磁気記憶システム
US6903908B2 (en) Magnetoresistive effect sensor with barrier layer smoothed by composition of lower shield layer
KR19980042666A (ko) 자기저항효과소자 및 시일드형 자기저항효과센서
US6101072A (en) Yoke type or flux guide type magnetoresistive head in which the yoke or flux guide is provided to the magnetic resistive element via an interposed soft magnetic layer
JP2000215415A (ja) 磁気抵抗効果素子
JP2001052316A (ja) 磁気抵抗効果ヘッド、その製造方法、及びそれを用いた磁気記録装置
JP2000228004A (ja) 磁気抵抗効果素子、再生ヘッド、および記録再生システム
JPH11161921A (ja) 磁気抵抗効果素子およびその製造方法
EP1311008A1 (en) Magnetoresistance effect device and magnetoresistance effect head comprising the same, and magnetic recording/reproducing apparatus
US20010017753A1 (en) Magnetoresistive effect film, mangetoresistive effect sensor utilizing the same and magnetic storage device
US6452762B1 (en) Magneto-resistive element and production method thereof, magneto-resistive head, and magnetic recording/reproducing apparatus
JP2005197764A (ja) 磁気抵抗効果センサ、磁気抵抗検出システム、および磁気記憶システム
JP2001056908A (ja) 磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド及び磁気抵抗検出システム並びに磁気記憶システム
JP2993483B2 (ja) 磁気抵抗効果素子の製造方法、及び磁気抵抗効果センサ
JP2002141583A (ja) 磁気抵抗効果素子、再生ヘッド、および記録再生システム
JP2950284B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、並びにこれを用いた磁気抵抗効果センサ、磁気抵抗検出システム及び磁気記憶システム
JP2002008213A (ja) 磁気抵抗効果素子の製造方法
JP2001298227A (ja) 強磁性トンネル接合素子、磁気センサ及び磁気記憶システム
JP2001101622A (ja) スピンバルブ型磁気センサを有する磁気ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990921

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071022

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081022

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091022

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091022

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101022

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111022

Year of fee payment: 12

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111022

Year of fee payment: 12

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121022

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees