JP2001298227A - 強磁性トンネル接合素子、磁気センサ及び磁気記憶システム - Google Patents

強磁性トンネル接合素子、磁気センサ及び磁気記憶システム

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JP2001298227A
JP2001298227A JP2001036323A JP2001036323A JP2001298227A JP 2001298227 A JP2001298227 A JP 2001298227A JP 2001036323 A JP2001036323 A JP 2001036323A JP 2001036323 A JP2001036323 A JP 2001036323A JP 2001298227 A JP2001298227 A JP 2001298227A
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magnetic
tunnel junction
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Kazuhiko Hayashi
一彦 林
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NEC Corp
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3254Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the spacer being semiconducting or insulating, e.g. for spin tunnel junction [STJ]
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強磁性トンネル接合を利用した磁気抵抗効果化
素子において、十分なMR比と抵抗変化率とを両立でき
るようにすること。 【解決手段】自由磁性層/非磁性層/固定磁性層/固定さ
せる層を基本構成とするトンネル接合素子において、固
定させる層にPtMn合金をベースとする合金を用い
る。十分なMR比と高い抵抗変化率とを両立させて得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強磁性トンネル接
合素子に関し、特に、少なくとも自由磁性層/非磁性非
導電層/固定磁性層/固定させる層との4層構造からな
りその磁気抵抗変化率が改良される強磁性トンネル接合
素子、これを用いた磁気センサ及びこの磁気センサを用
いた磁気記憶システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術は、磁気抵抗(MR)センサ又
はヘッドと呼ばれる磁気読み取り変換器を開示してい
る。磁気読み取り変換器は、磁気読取素子を備えてい
る。このような磁気抵抗センサは、大きな線形密度で磁
性表面からデータを読み取ることができるセンサとして
知られている。
【0003】このような磁気抵抗センサは、その磁気読
取素子によって感知される磁束の強さと磁束の方向との
関数として記述される抵抗変化を介して磁界信号を検出
することができる。従来技術であるこのような磁気抵抗
センサは、その読取素子の抵抗の1成分が磁化方向と素
子中を流れる感知電流の方向の間の角度の余弦の2乗に
比例して変化する異方性磁気抵抗(AMR)効果に基づ
いて動作する。
【0004】そのAMR効果は、D.A.トムソン(T
hompson)等の論文"Memory,Storage,and Rela
ted Applications" IEEE Trans. on Mag. MAG-11,p.1
039(1975)で詳しく述べられている。AMR効果を利用
した磁気ヘッドでは、バルクハウゼンノイズを押えるた
めに、縦バイアスを印加することが多い。この縦バイア
ス印加材料として,FeMn、NiMn、ニッケル酸化
物などの反強磁性材料を用いることが有効であることが
知られている。
【0005】さらに最近では,積層磁気センサの抵抗変
化が、非磁性層を介する磁性層間での電導(伝導)電子
のスピン依存性伝送、及び、それに付随する層界面での
スピン依存性散乱に帰されるより顕著な磁気抵抗効果
が、特開平8−7235号に記載されている。この磁気
抵抗効果は、「巨大磁気抵抗効果」、「スピン・バルブ
効果」など様々な名称で呼ばれている物理的現象であ
る。このような効果を発揮する磁気抵抗センサは、適当
な材料でできており、AMR効果を利用するセンサで観
察されるよりも、感度が改善され、抵抗変化が大きい。
この種のMRセンサでは、非磁性層で分離された1対の
強磁性体層の間の平面内抵抗が、2つの層の磁化方向間
の角度の余弦に比例して変化する。
【0006】1988年6月に優先権主張されている特
開平2−61572号には、磁性層内の磁化の反平行整
列によって生じる高い磁気抵抗変化をもたらす積層磁性
構造が記載されている。積層構造で使用可能な材料とし
て、その明細書には強磁性の遷移金属及び合金が挙げら
れている。また、中間層により分離している少なくとも
2層の強磁性層の一方に固定させる層を付加した構造及
び固定させる層としてFeMnが適当であることが開示
されている。
【0007】1990年12月11日に優先権主張され
ている特開平4−358310号には、非磁性金属体の
薄膜層によって仕切られた強磁性体の2層の薄膜層を有
し、印加磁界が零である場合に2つの強磁性薄膜層の磁
化方向が直交し、2つの非結合強磁性体層間の抵抗が2
つの層の磁化方向間の角度の余弦に比例して変化し、セ
ンサ中を通る電流の方向とは独立な磁気抵抗センサが開
示されている。
【0008】1990年8月22日に出願されている特
開平4−103014号には、強磁性トンネル接合素子
が開示されている。この強磁性トンネル接合素子は、強
磁性層に他の中間層が挿入された多層膜として形成さ
れ、少なくとも一層の強磁性層に反強磁性体からのバイ
アス磁界が印加されることを開示し、強磁性トンネル効
果膜に関して記載している。また、トンネル接合素子の
反強磁性層としてFeMnを用いた例が、日本応用磁気
学会学術講演集、1996年、1354ページに記載さ
れている。
【0009】公知の強磁性磁気抵抗効果型素子の基本的
積層構成の1つは、図15に示されるように(特開平1
0−91921号参照)、自由磁性層、非磁性層、固定
磁性層、固定磁性層の磁化方向を固定させる固定させる
層との4層構成である。公知提案のトンネル接合素子で
は、固定させる層にFeMnが用いられることが推奨さ
れている。FeMnは、下地層として良好な(111)
配向性を持つNiFe、NiFe/CoFe22層膜、も
しくはNiFe/Co2層膜など(以下、FeMnで代表
させる)を用いない限り、その交換結合膜として良好な
特性を示さず、更に、その固定磁性層に十分な交換結合
磁界を付与することができなかった。
【0010】このようなNiFe層が良好な(111)
配向性を示すためには、更に、下地層としてTa、Z
r、Cuなどといった金属材料を用いることが必要であ
った。このため、自由磁性層/非磁性層/固定磁性層/固
定させる層という構成の磁気トンネル効果素子の固定磁
性層としてNiFeを用いると、強磁性トンネル接合を
実現するためには、トンネル電流を出現させるための本
質的な理由により、必然的に非磁性非導電膜が下地層と
して配置されるので、Ta、Zr、Cuなどといった金
属材料を用いる余地がなく(NiFe層と非磁性層の間
にTa金属層を介 設すればトンネル素子がえられな
い)、結果として、十分な交換結合磁界を得ることがで
きず、得られたトンネル素子の磁気抵抗の変化率(以
下、磁気抵抗変化率又は単に変化率という)が小さく実
用化が困難であった。
【0011】また、固定させる層/固定磁性層/非磁性層
/自由磁性層という逆順序の構成を採用しても、同様の
理由により固定させる層の更に下部にTa、Zr、Cu
などといった金属材料層とNiFe層を順次積層しなけ
ればならなかった。このような積層構造は、膜厚の増大
による非磁性層と磁性層との界面のラフネス増大につな
がり、磁気抵抗比(変化率)の低下を招く結果となって
いる。
【0012】自由磁性層/非磁性層/固定磁性層/固定さ
せる層の4層構造の今後の磁気抵抗効果型トンネル素子
は、十分に大きい交換結合磁界が印加され、十分な磁気
抵抗比と抵抗変化率とが両立するものであることが求め
られる。FeMnとその下地層との物性に関する知見
が、既出の特開平10−91921号で述べられてい
る。これは、図15の4層のうちの第2層に相当するも
のが、非磁性導電性層であり、強磁性トンネル接合素子
として開示されていない。強磁性トンネル接合素子の4
層構造の固定させる層のために好適な物性を持った材料
は、これが新たに見出されることが求められる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、自由
磁性層/非磁性層/固定磁性層/固定させる層とからな
る4層構成の磁気抵抗変化率がより高い強磁性トンネル
接合素子、これを用いた磁気センサ、磁気記憶システム
を提供することにある。本発明の更に他の課題は、固定
させる層の下地の材料の選択がより自由な強磁性トンネ
ル接合素子、これを用いた磁気センサ、磁気記憶システ
ムを提供することにある。本発明の更に他の課題は、4
層のうちの固定磁性層に十分に大きい交換結合磁界を印
加して素子として実用化が可能な強磁性トンネル接合素
子、これを用いた磁気センサ、磁気記憶システムを提供
することにある。本発明の更に他の課題は、磁気抵抗変
化率が十分に高い強磁性トンネル接合素子、これを用い
た磁気センサ、磁気記憶システムを提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による強磁性トン
ネル接合素子は、少なくとも自由磁性層/非磁性層/固
定磁性層/固定させる層とがこの順に積層されてなる強
磁性トンネル接合素子において、前記非磁性層は非伝導
層であり、前記固定させる層はPtMnを主とする合金
であり、該固定させる層には前記固定磁性層とは反対側
に保護層が積層されてなることを特徴とする。
【0015】このような自由磁性層/非磁性層/固定磁性
層/固定させる層を基本構成とするトンネル接合素子に
おいて、固定させる層にPtMn合金をベースとする合
金を用いることにより、PtMnは、必ずしも良好な
(111)配向性を持つNiFe、NiFe/CoFe2
層膜、もしくはNiFe/Co2層膜のような下地を用い
なくても、固定磁性層に十分に大きな交換結合磁界を印
加することができる。
【0016】なぜPtMn層がFeMn層に比べて磁性
層に高い抵抗変化率を持たせるのか、即ち、PtMn
は、FeMnと比較して下地層を選ばずなぜ十分に大き
いHexが印加されるのか、その理由は、現在、物理的
にも経験則的にも分かっていない。
【0017】このように、非導電の非磁性層を介して形
成される2磁性層により、トンネル接合素子が形成され
ている。固定させる層に用いられているPtMn層は、
これに接する層である下地層の配向性に影響を受けにく
い。このため、固定させる層がPtMn層である本発明
によるトンネル接合素子は、固定させる層がFeMn層
である従来のトンネル接合素子に比べて、その磁気抵抗
変化率が高い。
【0018】このように磁気抵抗変化率が高い強磁性ト
ンネル接合素子を用いて、磁気センサを製作することが
できる。本発明による強磁性トンネル接合素子を用いた
磁気センサは、既述の本発明による強磁性トンネル接合
素子の4層構造に上下のシールド層を追加することによ
り形成することができる。基板の一面側に形成される下
シールド層と、自由磁性層の一面側に形成される上シー
ルド層とが追加され、その固定させる層は、固定磁性層
と下シールド層との間に配置される。
【0019】この場合、下シールド層、強磁性トンネル
接合素子とは、パターン化さていることが好ましい。更
に、強磁性トンネル接合素子の端部に接する縦バイアス
層、その縦バイアス層の一面側に形成される下電極層と
が慣用上追加されることになる。また、下電極層は下シ
ールド層と兼用されるようにしても良い。
【0020】このような既述の磁気センサは、ヨーク、
強磁性トンネル接合素子を通る電流を発生させるための
発生手段、検出される磁界の関数として強磁性トンネル
接合素子の磁気抵抗の変化率を検出するための検出手
段、磁気抵抗を検出するための磁気抵抗検出手段からな
る磁気記憶システムが構築され、データを記録する複数
のトラックを備える磁気記憶手段、磁気記憶手段にその
データを記憶させるための磁気記録手段、その磁気記録
手段及び磁気抵抗検出手段を複数のトラックのうちから
選択されるトラックへ移動させるための移動手段とが更
に追加されて、新規且つ有用な磁気記録システムが構築
されることになる。
【0021】表1及び表2に下地層/固定させる層/Ni
Fe層(10nm)及び下地層/NiFe層(10nm)
/固定させる層という構成において、下地に種々の材料
を用いた場合にPtMn層からNiFe層へ印加される
交換結合磁界Hexの値を示している。NiFe層とし
てはNi82Fe18(組成はターゲットの組成at%(以
下すべて同じ))、固定させる層としてはPt46Mn54
(25nm)及びFe 50Mn50(10nm)を用いた。
作成にはDCマグネトロンスパッタ装置を用いた。成膜電
流は0.1A、成膜ガス圧は2Torrである。PtM
nを用いた場合はいずれの場合も十分な大きさのHex
の値が得られていることがわかる。
【0022】下地層/固定させる層/NiFe層(10n
m)という構成における交換結合磁界Hex(Oe)(固
定させる層がPtMn、FeMnである場合の比較。か
っこ内は膜厚(nm))
【0023】
【表1】
【0024】下地層/NiFe層(10nm)/固定させる層と
いう構成における交換結合磁界Hex (Oe)(固定させ
る層がPtMnとFeMnの場合の比較。()内は膜厚
(nm ))
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による強磁性トン
ネル接合素子の実施の形態を示し断面図である。その強
磁性トンネル接合素子10は、自由磁性層1と非磁性層
2と固定磁性層3と固定させる層4とからなる。
【0027】ここで、強磁性トンネル接合素子10はト
ンネル効果をうるために、非磁性層2は非導電層であ
り、非磁性層2は以下、非磁性非導電性層といわれる。
固定させる層4は、特に、PtMn合金をベースとする
合金が多様な材料の中から選択されて採択されている。
【0028】図2は、このような4層積層構造の強磁性
トンネル接合素子(磁気抵抗効果素子10ともいう)を
より具体的に更に多層化したシールド型磁気抵抗効果素
子を示し、断面図である。このようなタイプ(シールド
型)の磁気抵抗効果素子は、基体5を備えている。基体
5上に下シールド層6と下電極層7とが形成されてい
る。下シールド層6の上面に、磁気抵抗効果素子(強磁
性トンネル接合素子)10が形成されている。強磁性ト
ンネル接合素子10の上面に、上電極層9、上シールド
層8が積層されている。
【0029】磁気抵抗効果素子10は、PR工程により
適当な大きさ、形状にパターン化されている。その両端
部には、図3に示されるように、縦バイアス層11が強
磁性トンネル接合素子10に接して形成されている。縦
バイアス層11は、図4に示されるように、その一部が
強磁性トンネル接合素子10に接し、又は、その一部が
強磁性トンネル接合素子10に重合するように形成され
配置されることができる。
【0030】図2のタイプの下シールド層6としては、
NiFe、CoZr、CoFeB、CoZrMo、Co
ZrNb、CoZr、CoZrTa、CoHf、CoT
a、CoTaHf、CoNbHf、CoZrNb、Co
HfPd、CoTaZrNb、CoZrMoNi合金、
FeAlSi、窒化鉄系材料等を用いることができ、膜
厚は0.3〜10μmの範囲で適用可能である。下電極
7および上電極9としては、Zr、Ta、Moからなる
単体もしくは合金もしくは混合物が望ましい。膜厚範囲
は0.01〜0.10μmであることが好ましい。
【0031】縦バイアス層11としては、CoCrP
t、CoCr、CoPt、CoCrTa、FeMn、N
iMn、IrMn、PtPdMn、ReMn、PtM
n、CrMn、Ni酸化物、鉄酸化物、Ni酸化物とC
o酸化物の混合物、Ni酸化物とFe酸化物の混合物、
Ni酸化物/Co酸化物2層膜、Ni酸化物/Fe酸化
物2層膜等を用いることができる。
【0032】上シールド層8には、NiFe、CoZ
r、又は、CoFeB、CoZrMo、CoZrNb、
CoZr、CoZrTa、CoHf、CoTa、CoT
aHf、CoNbHf、CoZrNb、CoHfPd、
CoTaZrNb、CoZrMoNi合金、FeAlS
i、窒化鉄系材料等を用いることができ、膜厚は0.3
〜10μmの範囲で適用可能である。
【0033】図5は、本発明による強磁性トンネル接合
素子10を適用した磁気センサのヨーク型ヘッドを示
し、断面図である。ヨーク型ヘッド10’は、強磁性体
基板5’を備えている。基板5’には溝12が形成され
ている。溝12は、非磁性絶縁体13で埋められ充填さ
れている。強磁性体基板5’には、MnZn、フェライ
ト、MnZnフェライト、MgZnフェライトが用いら
れうる。非磁性絶縁体13には、アルミナ、SiO2
窒化アルミニウム、窒化シリコン、ダイヤモンドライク
カーボンが用いられうる。
【0034】非磁性絶縁体13の上面に、下非磁性層1
4が形成されている。下非磁性層14の上面に、下電極
15/下磁極16が形成されている。下電極15/下磁
極16の上面側に磁気抵抗効果素子10が形成されてい
る。下非磁性層14の上面に 上非磁性層17が形成さ
れている。上非磁性層17及び強磁性トンネル接合素子
10の上面に、上磁極19/上電極21が形成されてい
る。
【0035】下電極15、上電極21には、Auが用い
られている。下磁極16、上磁極19には、NiFe、
CoZr、CoFeB、CoZrMo、CoZrNb、
CoZr、CoZrTa、CoHf、CoTa、CoT
aHf、CoNbHf、CoZrNb、CoHfPd、
CoTaZrNb、CoZrMoNi合金、FeAlS
i、窒化鉄系材料、MnZnフェライト、NiZnフェ
ライト、MgZnフェライトが用いられうる。
【0036】磁気抵抗効果素子10の端部には、磁気抵
抗効果素子磁区制御用の縦バイアス層11が、図3,4
で既述したように、強磁性トンネル接合素子10に接し
て又は強磁性トンネル接合素子10に一部が重合して、
形成されている。縦バイアス層11には、CoCrP
t、CoCr、CoPt、CoCrTa、FeMn、N
iMn、Ni酸化物、NiCo酸化物、IrMn、Pt
PdMn、ReMnが用いられうる。
【0037】図6は、本発明による強磁性トンネル接合
素子10を適用した磁気センサのフラックスガイド型ヘ
ッドを示し、断面図である。フラックスガイド型ヘッド
は、基体5を備えている。基体5の上面に、下シールド
層22が形成されている。下シールド層22には、Ni
Fe、CoZr、CoFeB、CoZrMo、CoZr
Nb、CoZr、CoZrTa、CoHf、CoTa、
CoTaHf、CoNbHf、CoZrNb、CoHf
Pd、CoTaZrNb、CoZrMoNi合 金、F
eAlSi、窒化鉄系材料、MnZnフェライト、Ni
Znフェライト、MgZnフェライトが用いられうる。
【0038】下シールド層22の上面に下電極23/下
磁極24が形成されている。下電極23には、Auが用
いられている。下磁極24には、NiFe、CoZr、
又は、CoFeB、CoZrMo、CoZrNb、Co
Z、CoZrTa、CoHf、CoTa、CoTaH
f、CoNbHf、CoZrNb、CoHfPd、Co
TaZrNb、CoZrMoNi合金、FeAlSi、
窒化鉄系材料、MnZnフェライト、NiZnフェライ
ト、MgZnフェライトが用いられうる。
【0039】下電極23/下磁極24の上面に、磁気抵
抗効果素子10が形成されている。下電極23/下磁極
24は、強磁性トンネル接合素子10にオーバーラップ
して形成されている。強磁性トンネル接合素子10の上
面に、上磁極25/上電極26が形成されている。上磁
極25/上電極26の材料は、下磁極、下電極の材料に
同じである。上磁極25/上電極26の上面に、上シー
ルド層27が形成されている。
【0040】上シールド層27には、NiFe、CoZ
r、CoFeB、CoZrMo、CoZrNb、CoZ
r、CoZrTa,CoHf、CoTa、CoTaH
f、CoNbHf、CoZrNb、CoHfPd、Co
TaZrNb、CoZrMoNi合金、FeAlSi、
窒化鉄系材料、MnZnフェライト、NiZnフェライ
ト、MgZnフェライトが用いられうる。
【0041】磁気抵抗効果素子10の端部には、磁気抵
抗効果素子磁区制御用の縦バイアス層11が、図3,4
で既述したように、強磁性トンネル接合素子10に接し
て又は強磁性トンネル接合素子10に一部が重合して、
形成されている。縦バイアス層11には、CoCrP
t、CoCr、CoPt、CoCrTa、FeMn、N
iMn、Ni酸化物、NiCo酸化物、IrMn、Pt
PdMn、ReMnが用いられうる。
【0042】このようなシールド型素子、ヨーク型素
子、フラックスガイド型素子とは、インダクティブコイ
ルによる書き込みヘッド部を形成させることにより,記
録再生一体型ヘッドとして用いることができるようにな
る。図7は、そのような記録再生ヘッドの概念図であ
る。記録再生ヘッド100は、本発明による素子10を
用いた再生ヘッド、インダクティブ型の記録ヘッドとか
らなる。
【0043】ここでは長手磁気記録用の記録ヘッドの搭
載例が示されている。本発明による磁気抵抗効果素子1
0を垂直磁気記録用ヘッドと組み合わせて垂直記録に用
いることができる。図には、シールド型素子が示されて
いるが、ヨーク型素子およびフラックスガイド型素子に
も適用することもできる。
【0044】再生ヘッド41は、基体上面側の下シール
ド/下電極42、磁気抵抗効果素子10、上シールド/
上電極43とからなる。磁気抵抗効果素子10は、下シ
ールド/下電極42と上シールド/上電極43との間に
配置されている。記録ヘッド44は、磁極45(上シー
ルド/上電極と兼用されている)、コイル46、上磁極
47とからなる。コイル46は、磁極45と上磁極47
との間に配置されている。上シールド/上電極43の上
部シールド(膜)と磁極45の下部磁性膜とは共通でよ
いが、これらは別々に設けられることができる。
【0045】このようなヘッドは、記録媒体上に信号を
書き込み、記録媒体から信号を読み取ることができる。
再生ヘッド41の感知部分と記録ヘッド44の磁気ギャ
ップとをこのように同一スライダ上に重ねた位置に形成
することにより、同トラックに同時に位置決めすること
ができる。このようなヘッドをスライダに加工して磁気
記録再生装置に搭載する。
【0046】図8は、本発明による磁気抵抗効果素子1
0を用いた磁気記録再生装置を示し、概念図である。ヘ
ッドスライダーを兼ねる基板上に、既述の積層構造と同
じく、下シールド/下電極51、磁気抵抗効果素子1
0、上シールド/上電極52を形成し、このような3層
構造体を記録媒体53上に位置決めして再生を行う。
【0047】記録媒体53は回転し、ヘッドスライダー
は記録媒体53の上を0.2μm以下の高さ、又は、接
触状態で対抗して相対運動する。このような構造は、磁
気抵抗効果素子10が記録媒体53に記録された磁気的
信号をその漏れ磁界54から読み取ることのできる位置
に磁気抵抗効果素子10を位置づけて設定することがで
きる。
【0048】磁気抵抗効果素子は、以下の積層構成から
選択することができる。(1)基体/下地層/フリー磁
性層/非磁性層/固定磁性層/固定させる層/保護層 (2)基体/下地層/フリー磁性層/第1MRエンハンス
層/非磁性層/固定磁性層/固定させる層/保護層 (3)基体/下地層/フリー磁性層/非磁性層/第2MR
エンハンス層/固定磁性層/固定させる層/保護層 (4)基体/下地層/フリー磁性層/第1MRエンハンス
層/非磁性層/第2MRエンハンス層/固定磁性層/固定
させる層/保護層 (5)基体/下地層/固定させる層/固定磁性層/非磁
性層/フリー磁性層/保護層 (6)基体/下地層/固定させる層/固定磁性層/第1M
Rエンハンス層/非磁性層/フリー磁性層/保護層 (7)基体/下地層/固定させる層/固定磁性層/非磁
性層/第2MRエンハンス層/フリー磁性層/保護層 (8)基体/下地層/固定させる層/固定磁性層/第1M
Rエンハンス層/非磁性層/第2MRエンハンス層/フ
リー磁性層/保護層
【0049】金属下地層としては、Zr又はZrに他元
素を添加した材料を用いることができる。添加元素とし
ては、Ta、Hf、Zr、W、Cr、Ti、Mo、P
t、Ni、Ir、Cu、Ag、Co、Zn、Ru、R
h、Re、Au、Os、Pd、Nb、V等が適当であ
る。
【0050】フリー(自由)磁性層としては、NiF
e、CoFe、NiFeCo、FeCo、CoFeB、
CoZrMo、CoZrNb、CoZr、CoZrT
a、CoHf、CoTa、CoTaHf、CoNbH
f、CoZrNb、CoHfPd、CoTaZrNb、
CoZrMoNi合金またはアモルファス磁性材料から
随意に選択して用いることができる。
【0051】非磁性非導電層としては、金属酸化物、窒
化物、酸化物と窒化物の混合物もしくは金属/酸化物2
層膜、金属/窒化物2層膜、金属/(酸化物と窒化物と
の混合物)2層膜から随意に選択して用いることができ
る。Ti、V、Cr、Co、Cu、Zn、Y、Zr、N
b、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、T
a、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、または、S
i、Al、Ti、Taのグループからなる酸化物および
窒化物の単体もしくは混合物、または、Ta、Hf、Z
r、W、Cr、Ti、Mo、Pt、Ni、Ir、Cu、
Ag、Co、Zn、Ru、Rh、Re、Au、Os、P
d、Nb、V、Yのグループの少なくとも1つの元素か
らなる単体もしくは合金を上記酸化物および窒化物の単
体もしくは混合物と組み合わせた2層膜が有力な候補と
なる。
【0052】第1および第2MRエンハンス層として
は、Co、NiFeCo、FeCo等、またはCoFe
B、CoZrMo、CoZrNb、CoZr、CoZr
Ta、CoHf、CoTa、CoTaHf、CoNbH
f、CoZrNb、CoHfPd、CoTaZrNb、
CoZrMoNi合金またはアモルファス磁性材料を用
いることができる。MRエンハンス層を用いない場合
は,用いた場合に比べて若干MR比が低下するが、用い
ない分だけ作製に要する工程数が低減する。
【0053】固定磁性層としては、Co、Ni、Feを
ベースにするグループからなる単体、合金、または積層
膜を用いることができる。固定させる層としては、Pt
MnもしくはPtMnにTi、V、Cr、Co、Cu、
Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、P
d、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、
Au、Si、Al、Ti、Taを添加した材料を用いる
ことができる。
【0054】保護層としては、金属、酸化物、窒化物、
酸化物と窒化物の混合物もしくは金属/酸化物2層膜、
金属/窒化物2層膜、金属/(酸化物と窒化物との混合
物)2層膜を用いることができる。Ti、V、Cr、C
o、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、
Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、I
r、Pt、Au、または、Si、Al、Ti、Taのグ
ループからなる酸化物および窒化物の単体もしくは混合
物、または、Ta、Hf、Zr、W、Cr、Ti、M
o、Pt、Ni、Ir、Cu、Ag、Co、Zn、R
u、Rh、Re、Au、Os、Pd、Nb、V、Yのグ
ループの少なくとも1つの元素からなる単体もしくは合
金を上記酸化物および窒化物の単体もしくは混合物と組
み合わせた2層膜が有力な候補となる。
【0055】[比較例] 従来と同じFeMnを固定さ
せる層に用いて磁気抵抗効果膜を作成した。膜構 成
は、ガラス基板/Ta(3nm)/Ni82Fe18(6nm)/Co90Fe10(1n
m)/Al酸化物(2nm)/Co90 Fe10(3nm)/Fe50Mn50(10nm)/Ta
(3nm)である。()内の記載は、膜厚である。成膜にはD
Cマグネトロンスパッタ装置を用いた。成膜電流は0.
1A、成膜ガス圧は2mmTorrである。Al酸化物の
形成は、まず2nmのAl膜を形成し、膜形成後に背圧が
2*10[−9]Torr([]の中の−9は、マイナ
ス9乗を示す、以下同様)の真空チャンバー内において
4*10[−4]Torrのガス圧になるまで純O2を
導入し1時間保持することによりAlを自然酸化させた。
【0056】図9はこの磁気抵抗効果膜のM−Hループを
示す。反転磁界が完全に2段にはなっておらず、固定さ
せる層4から固定磁性層3へきちんと交換結合磁界He
xが付与されていないことがわかる。Hexの値は10
Oe程度であった。図10は、そのR−Hループを示す。
その抵抗変化率は4%であった。
【0057】[実施例] ガラス基板/Ta(3nm)/Ni82Fe
18(6nm)/Co90Fe10(1nm)/Al酸化物 (2nm)/Co90Fe10(3nm)
/Pt46Mn54(25nm)/Ta(3nm)という構成で磁気抵抗効果膜
を作成した。作成にはDCマグネトロンスパッタ装置を用
いた。成膜電流は0.1A、成膜ガス圧は2mmTor
rである。Al酸化物の形成は、まず2nmのAl膜を形成
し、膜形成後に背圧が2*10[−9]Torrの真空
チャンバー内において4*10[−4]Torrのガス
圧になるまで純O2を導入し1時間保持することによ
り、Alを自然酸化させた。成膜後に、500Oeの直
流磁界中において、250℃、5時間で熱処理を施し
た。
【0058】図11は、この磁気抵抗効果膜のM−Hル
ープを示す。反転磁界が2段になっており固定させる層
から固定磁性層へきちんと交換結合磁界が付与されてい
ることがわかる。図12はR−Hループを示す。抵抗変
化率は23%であった。
【0059】次に下地層の種類を変えて、従来のFeM
n及び本発明によるPtMnを固定させる層に用いて、
Hex及びMR比を比較した。膜構成(表3)は、ガラ
ス基板/下地層/Ni82Fe18(6nm)/Co90Fe10(1nm)/Al酸化
物(2nm)/Co90Fe10(3nm)/反強磁性層/Ta(3nm)という構成
で磁気抵抗効果膜を作成した。反強磁性層にはFe50Mn 50
(10nm)及びPt 46Mn54(25nm)を用いた。その作成にはDC
マグネトロンスパッタ装置を用いた。成膜電流は0.1
A、成膜ガス圧は2mmTorrである。
【0060】Al酸化物の形成は、まず2nmのAl膜
を形成し、膜形成後に背圧が2*10[−9]Torr
の真空チャンバー内において4*10[−4]Torr
のガス圧になるまで純O2を導入し1時間保持すること
によりAlを自然酸化させた。PtMnの場合は、成膜
後に500Oeの直流磁界中において、250℃、5時
間で熱処理を施した。FeMnの場合は成膜後の処理は
行わなかった。
【0061】 種々の下地層を用いた場合の磁気抵抗効
果膜の交換結合磁界Hex及びMR(固定させる層がP
tMnとFeMnの場合の比較。()内は膜厚(n
m))
【0062】
【表3】
【0063】次に、膜構成を変えて、従来と同じFeM
nを固定させる層に用いて磁気抵抗効果膜を作成した。
その膜構成は、ガラス基板/Ta(3nm)/Fe50Mn50(10nm/
Co90Fe10(3nm)/AlAl酸化物(2nm)/ Co90Fe10(1nm)/ N
i82Fe18(6nm)/Ta(3nm)である。成膜にはDCマグネトロ
ンスパッタ装置を用いた。成膜電流は0.1A、成膜ガ
ス圧は2mmTorrである。Al酸化物の形成は、ま
ず2nmのAl膜を形成し、膜形成後に背圧が2*10
[−9]Torrの真空チャンバー内において4*10
[−4]Torrのガス圧になるまで純O2を導入し1
時間保持することにより、Alを自然酸化させた。図1
3はR−Hループを示す。抵抗変化率は12%であった。
【0064】更に、ガラス基板/Ta(3nm)/Pt46Mn54(25
nm)/Co90Fe10(3nm)/Al酸化物(2nm)/Co90Fe10(1nm)/N
i82Fe18(6nm)/Ta(3nm)という構成で磁気抵抗効果膜を作
成した。作成にはDCマグネトロンスパッタ装置を用い
た。成膜電流は0.1A、成膜ガス圧は2nmTorr
である。Al酸化物の形成は、まず2nmのAl膜を形
成し、膜形成後に背圧が2*10[−9]Torrの真
空チャンバー内において4*10[−4]Torrのガ
ス圧になるまで純O2を導入し、1時間保持することに
より、Alを自然酸化させた。成膜後に、500Oeの
直流磁界中において、250℃、5時間で熱処理を施し
た。図14はそのR−Hループを示す。抵抗変化率は21
%であった。
【0065】次に、下地層の種類を変えて、従来のFe
Mn及び本発明によるPtMnを固定させる層に用い
て、Hex及びMR比を比較した。膜構成(表4)は、
ガラス基板/反強磁性層/Co90Fe10(3nm)/Al酸化物(2
nm)/Co90Fe10(1nm)/Ni82Fe18(6nm)/Ta(3nm)という構
成である。反強磁性層には、Fe50Mn50(10nm)及びPt46Mn
5 4(25nm)を用いた。作成にはDCマグネトロンスパッタ装
置を用いた。成膜電流は0.1A、成膜ガス圧は2mm
Torrである。Al酸化物の形成は、まず2nmのA
l膜を形成し、膜形成後に背圧が2*10[−9]To
rrの真空チャンバー内において4*10[−4]To
rrのガス圧になるまで純O2を導入し1時間保持する
ことにより、Alを自然酸化させた。PtMnの場合
は、成膜後に500Oeの直流磁界中において、250
℃、5時間で熱処理を施した。FeMnの場合は成膜後
の処理は行わなかった。
【0066】種々の下地層を用いた場合の磁気抵抗効果
膜の交換結合磁界Hex及びMR比( 固定させる層がP
tMnとFeMnの場合の比較。()内は膜厚(n
m))
【0067】
【表4】
【0068】図2のタイプのシールド型素子に本発明の
磁気抵抗効果素子を適用した。このとき,下シールド層
としてはNiFeを用いた。磁気抵抗効果膜としては、
Ta(3nm)/Pt46Mn54(25nm)/Co90Fe10(3nm)/Al酸化物(2
nm)/Co90Fe10(3nm)/Pt46Mn54(25nm)/Ta(3nm)を用いた。
膜形成後には、250゜C、5時間の熱処理を成膜時の
磁界とは直交する方向に500Oeの磁界を印加しつつ
行った。磁気抵抗効果膜はフォトレジスト工程により1
×1μmの大きさに加工して磁気抵抗効果素子とした。
パターン化された膜端部に接するようにCoCrPtを
積層した。上シールド層としてはNiFeを用いた。こ
のヘッドを図6のような記録再生一体型ヘッドに加工お
よびスライダ加工し、CoCrTa系媒体上にデータを
記録再生した。この際、書き込みトラック幅は1.5μ
m、書き込みギャップは0.2μm、読み込みトラック
幅は1.0μmとした。書き込みヘッド部のコイル部作
成時のフォトレジスト硬化工程は250℃、2時間とし
た。
【0069】この工程により本来は素子高さ方向を向い
ていなければならない固定層および固定させる層の磁化
方向が回転し、磁気抵抗効果素子として正しく動作しな
くなったので、再生ヘッド部及び記録ヘッド部作成終了
後に、200℃、500Oe磁界中、1時間の着磁熱処
理を行った。この着磁熱処理による自由磁性層の磁化容
易軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測
されなかった。媒体の保磁力は2.5kOeとした。記
録マ−ク長を変えて再生出力を測定した。この時の記録
再生出力は2.5mV、S/Nは29dB、再生出力が
半減するマーク長(周波数)は237kFCl、ビットエ
ラーレートは10[−6]以下であった。再生波形の対
称性も良好であった。
【0070】図5のタイプのヨーク型素子における磁気
抵抗効果素子に本発明の磁気抵抗効果素子を適用した。
このとき、基体にはMnZnフェライト、非磁性絶縁体
には酸化Si、下非磁性層および上非磁性層にはAl酸化
物、電極にはAu、磁極にはTa(3nm)とNiFe(10nm)とを
交互に積層してトータルの厚みを200nmにした膜を
用いた。磁気抵抗効果膜としては、Ta(3nm)/Ni82Fe18(6
nm)/Co90Fe10(1nm)/Al酸化物(2nm)/Co90Fe10(3nm)/Pt46
Mn54(25nm)/Ta(3nm)を用いた。膜形成後には250℃、
5時間の熱処理を成膜時の磁界とは直交する方向に50
0Oeの磁界を印加しつつ行った。磁気抵抗効果膜はフ
ォトレジスト工程により1×1μmの大きさに加工して
磁気抵抗効果素子とした。パターン化された膜端部に接
するようにCoCrPtを積層した。このヘッドを図7
のような記録再生一体型ヘッドに加工およびスライダ加
工し、CoCrTa系媒体上にデータを記録再生した。
【0071】この際、書き込みトラック幅は1.5μ
m、書き込みギャップは0.2μm、読み込みトラック
幅は1.0μmとした。書き込みヘッド部のコイル部作
成時のフォトレジスト硬化工程は250℃、2時間とし
た。この工程により本来は素子高さ方向を向いていなけ
ればならない固定層及び固定させる層の磁化方向が回転
し、磁気抵抗効果素子として正しく動作しなくなったの
で、再生ヘッド部及び記録ヘッド部作成終了後に、20
0℃、500Oe磁界中、1時間の着磁熱処理を行っ
た。
【0072】この着磁熱処理による自由磁性層の磁化容
易軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測
されなかった。媒体の保磁力は2.5kOeとした。記
録マ−ク長を変えて再生出力を測定した。この時の記録
再生出力は3.0mV、S/Nは35dB、再生出力が
半減するマーク長(周波数)は275kFCl、ビットエ
ラーレートは10[−6]以下であった。再生波形の対
称性も良好であった。
【0073】図6のタイプのフラックスガイド型素子に
本発明の磁気抵抗効果素子を適用した。このとき、下シ
ールドおよび上シールドにはNiFeを、電極にはA
u、磁極にはTa(3nm)とNiFe(10nm)とを交互に積層して
トータルの厚みを200nmにした膜を用いた。磁気抵
抗効果膜としては、Ta(3nm)/Ni82Fe18(6nm)/Co90Fe10(1
nm)/Al酸化物(2nm)/Co90Fe10(3nm)/Pt46Mn54(25nm)/Ta
(3nm)膜を用いた。膜形成後には250℃、5時間の熱
処理を成膜時の磁界とは直交する方向に500Oeの磁
界を印加しつつ行った。磁気抵抗効果膜はフォトレジス
ト工程により1×1μmの大きさに加工して磁気抵抗効
果素子とした。パターン化された膜端部に接するように
CoCrPtを積層した。
【0074】このヘッドを図7のような記録再生一体型
ヘッドに加工およびスライダ加工し、CoCrTa系媒
体上にデータを記録再生した。この際、書き込みトラッ
ク幅は1.5μm、書き込みギャップは0.2μm、読
み込みトラック幅は1.0μmとした。書き込みヘッド
部のコイル部作成時のフォトレジスト硬化工程は250
℃、2時間とした。
【0075】この工程により本来は素子高さ方向を向い
ていなければならない固定層及び固定させる層の磁化方
向が回転し、磁気抵抗効果素子として正しく動作しなく
なったので、再生ヘッド部および記録ヘッド部作成終了
後に、200℃、500Oe磁界中、1時間の着磁熱処
理を行った。この着磁熱処理による自由磁性層の磁化容
易軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測
されなかった。媒体の保磁力は2.5kOeとした。記
録マ−ク長を変えて再生出力を測定した。この時の記録
再生出力は1.8mV、S/Nは27dB、再生出力が
半減するマーク長(周波数)は280kFCl、ビットエ
ラーレートは10[−6]以下であった。再生波形の対
称性も良好であった。
【0076】次に本発明を適用して試作された磁気ディ
スク装置の説明をする。磁気ディスク装置はベース上に
3枚の磁気ディスクを備え、ベース裏面にヘッド駆動回
路及び信号処理回路と入出力インターフェイスとを収め
ている。外部とは32ビットのバスラインで接続され
る。磁気ディスクの両面には6個のヘッドが配置されて
いる。ヘッドを駆動するためのロータリーアクチュエー
タとその駆動及び制御回路、ディスク回転用スピンドル
直結モータが搭載されている。
【0077】ディスクの直径は46mmであり、データ
面は直径10mmから40mmまでを使用する。埋め込
みサーボ方式を用い、サーボ面を有しないため高密度化
が可能である。本装置は、小型コンピューターの外部記
憶装置として直接接続が可能になってる。入出力インタ
ーフェイスには、キャッシュメモリを搭載し、転送速度
が毎秒5から20メガバイトの範囲であるバスラインに
対応する。また、外部コントローラを置き、本装置を複
数台接続することにより、大容量の磁気ディスク装置を
構成することも可能である。
【0078】
【発明の効果】本発明による強磁性トンネル接合素子、
これを用いた磁気センサ、磁気記憶システムは、従来よ
りより高い抵抗変化率を得ることができ、その有効な製
造が可能である。更に、記録再生出力及びS/Nが高い
磁気抵抗効果センサおよびシステムを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による強磁性トンネル接合素子
の積層構造を示す断面図である。
【図2】図2は、シールド型センサの代表的な構成を示
す断面図である。
【図3】図3は、縦バイアス膜の配置概念を示す平面断
面図である。
【図4】図4は、縦バイアス膜の他の配置概念を示す平
面断面図である。
【図5】図5は、ヨーク型磁気抵抗センサの代表的な構
成を示す断面図である。
【図6】図6は、フラックスガイド型磁気抵抗センサの
代表的な構成を示す断面図である。
【図7】図7は、記録再生ヘッドの概念を示す概念図で
ある。
【図8】図8は、磁気記録再生装置の概念を示す概念図
である。
【図9】図9は、磁気抵抗効果膜のM−Hループを示す
グラフである。
【図10】図10は、磁気抵抗効果膜のR−Hループを
示すグラフである。
【図11】図11は、磁気抵抗効果膜のM−Hループを
示すグラフである。
【図12】図12は、磁気抵抗効果膜のR−Hループを
示すグラフである。
【図13】図13は、 磁気抵抗効果膜のR−Hループ
を示すグラフである。
【図14】図14は、磁気抵抗効果膜のR−Hループを
示すグラフである。
【図15】図15は、公知の磁気抵抗効果素子の積層構
造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 自由磁性層 2 非磁性層 3 固定磁性層 4 固定させる層 5’ 強磁性体基体 6 下シールド層 7 下電極層 8 上シールド層 9 上電極層 10 磁気抵抗効果素子(強磁性トンネル接合素子) 11 縦バイアス層 15 下電極 16 下磁極 17 上非磁性層 19 上磁極 21 上電極 22 下シールド層 23 下電極 24 下磁極 25 上磁極 26 上電極 27 上シールド層 41 再生ヘッド 42 下シールド/下電極 43 上シールド/上電極 45 磁極 46 コイル 47 上磁極 51 下シールド/下電極 52 上シールド/上電極 100 記録再生ヘッド

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも自由磁性層/非磁性層/固定
    磁性層/固定させる層とがこの順に積層されてなる強磁
    性トンネル接合素子において、前記非磁性層は非伝導層
    であり、前記固定させる層はPtMnを主とする合金で
    あり、該固定させる層には前記固定磁性層とは反対側に
    保護層が積層されてなることを特徴とする強磁性トンネ
    ル接合素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の強磁性トンネル接合素子
    を下シールド層と上シールド層で挟んだ構成からなる磁
    気センサ。
  3. 【請求項3】 前記強磁性トンネル接合素子はパターン
    化され、該強磁性トンネル接合素子の端部に接するよう
    に縦バイアス層が配置された請求項2記載の磁気セン
    サ。
  4. 【請求項4】 前記強磁性トンネル接合素子はパターン
    化され、該強磁性トンネル接合素子の橋部に部分的に重
    合するように縦バイアス層が配置された請求項2記載の
    磁気センサ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の強磁性トンネル接合素子
    に対して絶縁層が介されてヨークとからなる強磁性トン
    ネル接合素子を用いた磁気センサ。
  6. 【請求項6】 請求項2乃至4のいずれかに記載の磁気
    センサであり、前記強磁性トンネル接合素子を通る電流
    を発生させるための発生手段と、前記強磁性トンネル接
    合素子の抵抗の変化率を検出するための検出手段とを更
    に有する磁気センサ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の磁気センサからなる磁気
    記憶システムであり、データを記録する記録媒体と、該
    記録媒体にデータを記録する記録ヘッドと、該記録媒体
    の所定の位置に前記記録ヘッドと前記磁気センサとを移
    動する移動手段とを有し、前記記録ヘッド及び磁気セン
    サにより前記記録媒体に情報の記録及び再をする磁気記
    憶システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112509805A (zh) * 2020-10-19 2021-03-16 山东麦格智芯机电科技有限公司 一种优化钴基磁性薄膜电感材料磁性能的方法

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