JP2000160691A - 折畳み構築物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラック輸送して現場に搬入することにより
伸張使用が可能なように，ガレ−ジを折り畳めるように
する。 【解決手段】 ガレ−ジ−Ａの屋根１と対向する側壁４
をそれぞれ３区分し，相互にヒンジ１０連結することに
よって，基準屋根２に対して各折畳み屋根３を前垂れ状
に，基準側壁５に対して各折畳み側壁６を中折れ状に折
り畳むようにし，基準側壁５の幅を基準屋根２の幅より
狭くして，基準屋根２両側下部のスペ−スに折畳み側壁
６をそれぞれ収納し，折畳み屋根３をその外側に垂下す
ることにより，コンパクトにして納まりのよい折畳みを
可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は，例えばガレ−ジ，
作業所，仮設ハウス等として使用するに好適な折畳み構
築物に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】例えば
ガレ−ジ，作業所，仮設ハウス等の構築物は，一般に現
場施工又は現場組立てによって構築するのが一般的であ
るが，この場合現場における作業が煩雑であるとともに
相当程度の工期を必要とすることになり，その改善が求
められる。

【０００３】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で，その解決課題とするところは，完成品としてトラッ
ク輸送によって現場に搬入し，現場においてすることに
よって設置使用することができる折畳み構築物を提供す
るにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題に添って請求項
１に記載の発明を，中間の基準屋根及び該基準屋根にヒ
ンジ連結することによってそれぞれ前垂れ状に折畳み自
在とした前後の折畳み屋根とに区分した３区分屋根と，
上記基準屋根の側端又はその近傍に固定して該基準屋根
を支持するとともに該基準屋根より前後に幅狭にして対
向する基準側壁及び該対向する基準側壁の前後端にヒン
ジ連結するとともに中間を相互にヒンジ連結することに
よってそれぞれ中折れ状又は蛇腹状に折畳み自在として
上記前後の折畳み屋根を支持する各折畳み側壁とに区分
した対向する３区分側壁と，上記折畳み側壁の非基準側
壁端部に配置した端部壁又は開口部材とを備えてなるこ
とを特徴とする折畳み構築物とし，請求項２に記載の発
明は，上記屋根を区分したことによる屋根の雨仕舞の低
下を防止して，構築物としての屋根の防水性を確保する
ように，これを，上記３区分屋根における基準屋根と折
畳み屋根のヒンジ連結をこれらの下面において行ない，
折畳み屋根の上面に基準屋根側に張り出してヒンジ連結
部を被覆する張出被覆部を配設してなることを特徴とす
る請求項１に記載の折畳み構築物とし，請求項３に記載
の発明は，設置や撤去，或いは移動を容易化するため
に，クレ−ン等の機械力を使用し得るように，これを，
上記３区分屋根における基準屋根と折畳み屋根又は基準
屋根に吊り支持用の吊り金具を設置してなることを特徴
とする請求項１又は２に記載の折畳み構築物とし，これ
らをそれぞれ発明の要旨として，上記課題解決の手段と
したものである。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下図面の例に従って本発明を更
に具体的に説明すれば，Ａは，例えばガレ−ジとして使
用するように，床を設置することなく，所定の場所に伸
張して据置きした上，例えばアンカ−金具によってアン
グル材を介して固定する等，図示省略の固定手段によっ
て，地表に固定可能とし，例えば構造枠９に外装材を張
設したパネルを屋根と側壁に用いるとともにこれらを回
動自在に連結することによって，その基本構成とした，
例えば金属性の折畳み構築物であって，該折畳み構築物
Ａは，中間の基準屋根２及び該基準屋根２にヒンジ１０
連結することによってそれぞれ前垂れ状に折畳み自在と
した前後の折畳み屋根３とに区分した３区分屋根１と，
上記基準屋根２の側端又はその近傍に固定して該基準屋
根２を支持するとともに該基準屋根２より前後に幅狭に
して対向する基準側壁５及び該対向する基準側壁５の前
後端にヒンジ１０連結するとともに中間を相互にヒンジ
１０連結することによってそれぞれ中折れ状又は蛇腹状
に折畳み自在として上記前後の折畳み屋根を支持する各
折畳み側壁６とに区分した対向する３区分側壁４と，上
記折畳み側壁６の非準側壁端部に配置した端部壁７又は
開口部材８，本例においてはその双方を備えたものとし
てある。

【０００６】本例にあって折畳み構築物Ａにおける上記
３区分屋根１は，その前後の折畳み屋根３の前後方向の
長さを，折畳み構築物Ａの高さをほぼ合わせるように設
定する一方，基準屋根２の前後方向の長さを，屋根全長
からこれら前後の折畳み屋根３の合計長さを引いた残り
の長さとするように設定して，該基準屋根２を屋根中
間，特に中央に位置してその前後端にヒンジ１０，特に
ヒンジ金物を用いて前後の折畳み屋根３を連結し，該折
畳み屋根３をヒンジ１０の回動によって上記前垂れ状に
折畳むようにしたものとしてあり，このとき本例の上記
３区分屋根１における基準屋根２とお折畳み屋根３のヒ
ンジ１０連結をこれらの下面において行ない，折畳み屋
根３の上面に基準屋根２側に張り出してヒンジ１０連結
部を被覆する張出被覆部１３を配設したものとし，これ
によって雨仕舞を確保するようにしてある。

【０００７】１１は本例にあって上記３区分屋根１にお
ける基準屋根２と折畳み屋根３に設置した吊り支持用の
吊り金具であり，本例の吊り金具１１は，これをこれら
屋根に強固に複数乃至多数固定し，折畳み構築物Ａを吊
り移動し又はその折畳み屋根３を吊り持ちし得るように
した，例えばアイボルトによるものとし，これによって
折畳み構築物Ａの設置，撤去等をクレ−ン等の機械力を
用いて行なえるようにしてある。

【０００８】３区分側壁４における基準側壁５は，上記
基準屋根２をその両側において支持して，該基準屋根２
と下向きのコ字状をなすように，該基準屋根２の本例に
おいて側端に下向きに固定した，広狭適宜幅にして壁面
の一部をなす，幅狭のときの支柱，幅広のときの壁面に
よるものとするとともに，上記基準屋根２よりその前後
方向の長さを短寸とする前後に幅狭のものとし，本例に
おいては上記中，やや幅広に形成した支柱によるものと
してあり，このとき該基準側壁５の幅，即ち前後方向の
長さは，これを上記基準屋根２の前後方向の長さから，
前後の折畳み壁６の折畳み厚さをそれぞれ引いた残りの
長さとするように設定して，該基準側壁５の前後端にヒ
ンジ１０，特にアルミ全面ヒンジを用いて折畳み側壁６
を，本例において中折れ状の折畳みを行なうように連結
してあり，これによって，折畳み構築物Ａを折畳んだ際
に，上記基準屋根２の前後端部下に形成されるスペ−ス
に折畳み側壁６が折畳み収納され，折畳み屋根２がその
前後の外側に垂下して，折畳み構築物Ａの可及的に収ま
りの良好な折畳みをなし得るようにしてある。

【０００９】折畳み側壁６は，上記中折れ状の折畳みを
行なうものとしてあり，このとき中折れの折畳みは，そ
れぞれ折畳み側壁６をその前後方向中央位置に，上記と
同じくアルミ全面ヒンジを用いてヒンジ１０連結するこ
とによって谷折りの中折れを行なうものとして，該折畳
み側壁６の折畳み状態において，これが側方に突出する
ことなく，上記基準屋根２のスペ−スに折畳み収納され
るようにしてある。

【００１０】端部壁７及び開口部材８は，該折畳み側壁
６の非基準側壁側端部，即ち折畳み構築Ａの前後端に設
置してあり，本例にあって該端部壁７及び開口部材８
は，それぞれ上記対向する折畳み側壁６をその側端部に
おいてヒンジ１０，同じくアルミ全面ヒンジを用いて連
結する，上記屋根，側壁と同様の構造枠９によって枠取
りして，該構造枠９の全面をブランクの壁面の仕上げと
し，また開閉自在の開口部材８，本例にあって車両出入
用の開口を形成するシャッタ−を設置したものとしてあ
る。

【００１１】図中１２は，屋根を側方に傾斜した片流れ
屋根とするように基準屋根２及び折畳み屋根３に設置し
た，側壁５，６，端部壁７及び開口部材８の構造枠９と
の間に介設した屋根傾斜足４，１４は基準屋根２と折畳
み屋根３のヒンジ１０連結部分に設置し，更に防水性を
向上するようにしたヒンジ連結部の防水シ−ト，１５は
折畳み屋根３と折畳み側壁６との間を外側において覆う
ように屋根側に設置した雨仕舞用の防水カバ−，１６は
折畳み側壁６及び本例において用いた上記構造枠９に折
畳み屋根３を支持するについてこれらの間に介設したク
ッション材兼用の気密材である。

【００１２】以上の折畳み構築物Ａにあっては，基準屋
根２と基準側壁５を基準として折畳み屋根３及び折畳み
側壁６をヒンジ１０の回動によって折畳み，全体をコン
パクトに折畳んだ状態として，例えばトラック輸送し
て，設置現場に搬入し，トラックに設置したクレ−ン又
は別途用意したクレ−ンで，上記基準屋根２の吊り金具
１１を介して吊り移動して設置現場に仮置きし，次いで
折畳み屋根３の吊り金具１１を介して同様にクレ−ンで
各折畳み屋根３を吊り持ちして，例えば人手によって折
畳み側壁６を前後に引出すように伸張し，上記固定手段
によって折畳み側壁６や端部壁７或いは開口部材８設置
の構造枠９をコンクリート面等の地表に固定するように
して，その設置を行なうようにすればよく，またこれと
逆の手順によってその撤去や保管を行なうようにすれば
よい。

【００１３】図示した例は以上のとおりとしたが，折畳
み構築物に床を設置して，上記ガレ−ジ以外の作業所，
仮設ハウス等の適宜の目的に使用可能とすること，床の
設置に当たっては，例えば端部壁にヒンジ連結するとと
もに中間でヒンジ連結して中折れ状，蛇腹状に折畳み自
在の床を折畳み構築物に更に一体に備えるものとするこ
と，上記支柱による中間の基準側壁に代えて，より幅広
の壁面をなすようにした基準側壁を使用すること，折畳
み側壁を蛇腹状に折畳み自在とするように，これを構成
すること，端部壁を折畳み構築物の前後双方に設置し，
開口部材として，例えば引き戸，ドア等を該端部壁及び
／又は折畳み側壁或いは上記幅広とした基準側壁に設置
すること等を含めて，本発明の実施に当たって，折畳み
構築物，その３区分屋根，３区分側壁，端部壁，開口部
材等の各具体的材質，形状，構造，大きさ，用途，これ
らの関係，これらに対する付加等は，上記発明の要旨に
反しない限り様々な形態のものとすることができる。

【００１４】

【発明の効果】請求項１に記載の発明は，完成品として
トラック輸送によって現場に搬入し，現場において伸張
することによって設置使用することができる折畳み構築
物を提供することが可能になるとともに，基準屋根より
基準側壁を幅狭にしたことにより，基準側壁にヒンジ連
結した折畳み側壁を，基準屋根のスペ−スに折畳み収納
し，折畳み屋根を垂下して，コンパクトにして納まりの
良好な折畳みを可能として，トラック搬送や保管にデッ
トスペ−スの発生を防止することができ，また屋根及び
側壁を前後に３区分して折畳み自在としたことによっ
て，前後に長いものを含めて，様々な折畳み構築物を比
較的自由に形成し得るものとすることができる。請求項
２に記載の発明は，上記に加えて，上記屋根を区分した
ことによる屋根の雨仕舞の低下を防止して，構築物とし
ての屋根の防水性を確保することができ，また請求項３
に記載の発明は，設置や撤去，或いは移動を容易化する
ために，クレ−ン等の機械力を使用し得るものとするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】折畳み構築物の伸張使用状態を示す斜視図であ
る。

【図２】折畳み構築物の折畳み状態を示す斜視図であ
る。

【図３】３区分屋根部分の縦断面図である。

【図４】折畳み屋根を折畳んだ状態の縦断面図である。

【図５】基準屋根と折畳み屋根の関係を示す縦断面図で
ある。

【図６】３区分側壁部分の横断面図である。

【図７】折畳み側壁を折畳んだ状態の横断面図である。

【符号の説明】

Ａ ガレ−ジ １ ３区分屋根 ２ 基準屋根 ３ 折畳み屋根 ４ ３区分側壁 ５ 基準側壁 ６ 折畳み側壁 ７ 端部壁 ８ 開口部材 １０ ヒンジ １１ 吊り金具 １３ 張出被覆部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中間の基準屋根及び該基準屋根にヒンジ
   連結することによってそれぞれ前垂れ状に折畳み自在と
   した前後の折畳み屋根とに区分した３区分屋根と，上記
   基準屋根の側端又はその近傍に固定して該基準屋根を支
   持するとともに該基準屋根より前後に幅狭にして対向す
   る基準側壁及び該対向する基準側壁の前後端にヒンジ連
   結するとともに中間を相互にヒンジ連結することによっ
   てそれぞれ中折れ状又は蛇腹状に折畳み自在として上記
   前後の折畳み屋根を支持する各折畳み側壁とに区分した
   対向する３区分側壁と，上記折畳み側壁の非基準側壁側
   端部に配置した端部壁又は開口部材とを備えてなること
   を特徴とする折畳み構築物。
2. 【請求項２】 上記３区分屋根における基準屋根と折畳
   み屋根のヒンジ連結をこれらの下面において行ない，折
   畳み屋根の上面に基準屋根側に張り出してヒンジ連結部
   を被覆する張出被覆部を配設してなることを特徴とする
   請求項１に記載の折畳み構築物。
3. 【請求項３】 上記３区分屋根における基準屋根と折畳
   み屋根又は基準屋根に吊り支持用の吊り金具を設置して
   なることを特徴とする請求項１又は２に記載の折畳み構
   築物。