JP2000160572A - 地山補強工法 - Google Patents

地山補強工法

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JP2000160572A
JP2000160572A JP10334619A JP33461998A JP2000160572A JP 2000160572 A JP2000160572 A JP 2000160572A JP 10334619 A JP10334619 A JP 10334619A JP 33461998 A JP33461998 A JP 33461998A JP 2000160572 A JP2000160572 A JP 2000160572A
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山本  彰
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 掘削直後の地山斜面の安定を図ることを可能
にし、また、地山斜面の崩落すべり面が地山内深く位置
している場合及び地山斜面ののり高が高い場合において
も、簡便確実かつ低コストにて地山補強を施しうる地山
補強工法を提供する。 【解決手段】 地山斜面Sののり肩Kもしくは中腹から
略鉛直下方の地山内に向けて杭11を打設する地山補強
杭工10と、棒状の補強材21を地山内に向け地山斜面
Sから略鉛直に打設し、さらに地山と補強材21とを定
着させる地山補強土工20と、補強対象となる地山斜面
S表面の一部もしくは全部を覆って地山斜面表面からの
崩落防止を図るとともに、地山補強杭工10において打
設される杭11と地山補強土工20において打設される
補強材21とを構造的に連結する地山補強のり面工30
とからなる地山補強工法を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地山斜面の崩落防
止工法に関する。
【0002】
【従来の技術】地滑り地山や、各種構造物の構築に伴う
地下開削壁面等の斜面が、例えば急勾配で斜面各自特有
の安定勾配以上の勾配を有する斜面である場合、そのま
まなんら補強措置を施さなければ、その急勾配斜面より
地山の崩落が生じるおそれがあり、係る崩落の防止を図
るため、従来、各種の補強工法が行われてきた。
【0003】従来の地山補強工法としては、地山斜面か
ら鉄筋等を地山内に向け適宜間隔をおいて複数打設した
後、打設孔にモルタルなどを流入させて地山に鉄筋を定
着させ、係る鉄筋の引張り抵抗をもって斜面を一体に縫
地するといった地山補強土工法があった。
【0004】また、グラウンドアンカー工法と呼ばれ、
対象地山に掘削孔を形成し係る孔内にワイヤー等のアン
カー材を挿入した後、孔内奥部のアンカー定着部をもっ
て周辺地山と定着させ、定着後にアンカーに緊張力を与
えて地山を締付け一体化し補強するといった工法もあっ
た。
【0005】他に、地山ののり肩部分や、斜面中腹から
略鉛直下方に向けて大口径の鋼管杭やコンクリート杭な
どを打設するといった杭工などもあった。
【0006】しかしながら、これら従来の補強工法には
以下に述べるような課題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、まず地山補
強土工法において、対象地山斜面の地質状況等により崩
落すべり面位置が比較的深いか、または、地山斜面のの
り面高が高くそれだけ崩落すべり面の半径も大きいとい
った状況下では、鉄筋などの補強材が有する程度の長さ
では補強材が崩落すべり面以深の地山に到達できなくな
り、補強材の引張り抵抗が有効に機能せず斜面を一体に
縫地するといったことは困難となる。
【0008】また、グラウンドアンカー工において、上
記の如く崩落すべり面が地山内深くに位置していると、
必要とするアンカー長もそれに応じただけ長大なものに
なり、それに伴い後背の施工区域が狭小である場合には
この工法の適用自体を難しくし、アンカー材料費や周辺
対策にとられる費用を要することとなり全体の施工コス
トを増大させることにつながる。
【0009】加えて、上記崩落すべり面の勾配が急であ
れば、地山の崩落を抑止する効果は、アンカーによる地
山の締付け一体化の効果にほぼ限られてしまい、例えば
地盤のクリープ現象が生じてアンカーの緊張力が低下す
るなどの事態が生起すれば、このグランドアンカー工法
そのものの施工効果を失することになりかねない。
【0010】しかも、上記の地山補強土工法及びグラウ
ンドアンカー工法のいずれについても、所定の補強効果
を発揮するまでにある程度の養生時間を要するため、例
えば掘削直後の斜面などに適用すると、施工によりかえ
って斜面の変状や崩壊を引き起こすおそれもある。
【0011】他方、杭工についても、通常の杭のごとく
軸力が主な外力として作用する場合と違い、崩落防止の
ための抑止杭として、係る杭に作用する外力がすべり土
砂に起因する主に曲げモーメントであることを考慮して
設計するものであり、通常より比較的大きな杭径の杭を
必要とする。
【0012】したがって、杭打設用の大型で重量の大き
な重機類を斜面付近に配置して大型の杭を打設すること
となって、施工コストと施工効率とに与える悪影響は大
きい。
【0013】そこで、本発明は、このような従来の課題
に着目してなされたもので、掘削直後の地山斜面の安定
を図ることを可能にし、また、地山斜面の崩落すべり面
が地山内深く位置している場合及び地山斜面ののり高が
高い場合においても、簡便確実かつ低コストにて地山補
強を施しうる地山補強工法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明には上記目的を
達成するためになされたもので、地山斜面の崩落防止を
図る補強工法であって、地山斜面ののり肩もしくは中腹
から略鉛直下方の地山内に向けて杭を打設する地山補強
杭工と、棒状の補強材を地山内に向け地山斜面から略鉛
直に打設し、さらに地山と補強材とを定着させる地山補
強土工と、補強対象となる地山斜面表面の一部もしくは
全部を覆って地山斜面表面からの崩落防止を図るととも
に、前記地山補強杭工において打設される杭と前記地山
補強土工において打設される補強材とを構造的に連結す
る地山補強のり面工とからなることを特徴とする。
【0015】また、上記の地山補強杭工が地山補強土工
に先行して行われると好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1
(a)は、本発明の地山補強杭工10、地山補強土工2
0及びのり面工30を施工した斜面Sの断面図である。
例えば、山間部での道路建設や宅地造成などの土工事が
実施される地山について、ある施工段階において図のよ
うな切土斜面Sが存在し、そののり面勾配が急であって
なんら補強措置をとらねば斜面崩落のおそれがあるとい
った場合、本発明の地山補強工法を実施した例を示す。
【0017】その実施手順は、まず対象となる地山斜面
Sの近傍に杭打設用機械を配置して、斜面のり肩部Kか
ら地山内略鉛直下方に向けて、例えば径300mm以下
の小口径杭11を打設する。係る杭11の打設本数と杭
長とは、地山の地質状況と必要とされる補強後地山強
度、及び地山の崩落すべり面Mの位置とを考慮して設計
されるものであり、打設に際しては図に示す如くのり肩
部Kより下方の崩落すべり面M以深に向け打設を行っ
て、地山のすべりに起因する曲げモーメントに対抗しう
る支持力を杭11が発現するよう勘案されるのである。
【0018】このように地山補強杭工10が先行施工さ
れた地山斜面Sはそれだけでもある程度の補強効果が得
られるため、それ以降に続いて行われるのり面掘削や地
山補強土工20及び地山補強のり面工30の施工を実施
しやすくし施工効率向上に資するという効果は大きい。
【0019】地山補強杭工10の施工後は、例えば鉄筋
などの補強材21を地山内に向け地山斜面Sから略鉛直
に打設し、さらに地山と補強材21とを定着させ一体化
させる地山補強土工20を行う。前記補強材21は、地
山補強杭工10における杭11と同様に地山の地質状況
と補強後の地山強度、及び地山の崩落すべり面Mの位置
とを考慮して、打設本数と打設長とが設計される。
【0020】さらに、地山補強土工20の施工後は地山
補強のり面工30が実施されることとなり、かかるのり
面工30は例えば吹付け枠工や現場打ちコンクリート枠
工などを地山斜面Sののり面に施工し、のり面表面の一
部もしくは全部を覆って、地山斜面S表面の剥落から始
まる崩落防止を図るのである。
【0021】それとともに、先に地山補強杭工10にお
いて打設された杭11と地山補強土工20において打設
された補強材21とを構造的に連結する役割も担って、
地山補強杭工10、地山補強土工20、及び地山補強の
り面工30が施された地山斜面Sを、構造物の如く一体
化することとなる。
【0022】のり面高が高い場合、(b)図のごとく上
記補強材21に長尺のものを使用すれば、より補強効果
を高めることが出来る。
【0023】なお、施工手順としては本実施例のごと
く、地山補強杭工、地山補強土工、そして地山補強のり
面工の順とすると好ましいが、地質状況や各種施工条件
などに応じて適宜変更してもよい。
【0024】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の地
山補強工法によれば、所定の補強効果を発揮するまでに
ある程度の養生時間を要する地山補強土工及び地山補強
のり面工の施工に先立って地山補強杭工を実施すること
により、ある程度の補強効果を対象斜面に施して、それ
以降に行われる各種作業を簡便に行いやすくすることが
可能となる。
【0025】しかも、上記地山補強杭工を地山補強土工
と併せて行うことで、両者各々の施工に必要とされる杭
や補強材等の部材数やサイズを抑制して施工コストを改
善するとともに、施工機械の小型軽量化につながって施
工効率向上の効果も著しいものとなる。
【0026】また、例えば対象地山斜面の地質状況等に
より崩落すべり面位置が深いか、または、地山斜面のの
り面高が高くそれだけ崩落すべり面の半径も大きいとい
った状況下においても、地山補強杭工で用いられる杭が
すべり面位置以深まで打設されるため、単独で地山補強
土工を施工した場合と比較して大幅に補強材長を短縮す
ることが可能となって、後背の施工区域が狭小で従来の
グラウンドアンカー工法では施工が困難であるといった
場合でも地山補強工を実施可能とし、加えて施工コスト
の低減と施工効率の向上とを同時に図ることが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の地山補強杭工、地山補強土
工及びのり面工を施工した斜面の断面図であり、(b)
は、地山補強土工に用いる補強材を長尺のものに変更し
て適用した斜面の断面図である。
【符号の説明】
S 地山斜面 K 地山のり肩 10 地山補強杭工 11 杭 20 地山補強土工 21 補強材 30 地山補強のり面工

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地山斜面の崩落防止を図る補強工法であ
    って、地山斜面ののり肩もしくは中腹から略鉛直下方の
    地山内に向けて杭を打設する地山補強杭工と、棒状の補
    強材を地山内に向け地山斜面から略鉛直に打設し、さら
    に地山と補強材とを定着させる地山補強土工と、補強対
    象となる地山斜面表面の一部もしくは全部を覆って地山
    斜面表面からの崩落防止を図るとともに、前記地山補強
    杭工において打設される杭と前記地山補強土工において
    打設される補強材とを構造的に連結する地山補強のり面
    工とからなることを特徴とする地山補強工法。
  2. 【請求項2】 前記地山補強杭工が、前記地山補強土工
    に先行して行われることを特徴とする請求項1に記載の
    地山補強工法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6607332B2 (en) * 2001-08-30 2003-08-19 Soo-Yong Kang Method of reinforcing slope reverse analysis technique
JP2017128921A (ja) * 2016-01-20 2017-07-27 株式会社ケー・エフ・シー 斜面の安定化構造
KR102490872B1 (ko) * 2022-11-29 2023-01-20 브사렐건설 주식회사 강봉 억지말뚝의 인장력을 이용한 보강토 옹벽 및 시공방법
CN117342407A (zh) * 2023-09-20 2024-01-05 广州一建建设集团有限公司 一种用于山坡面斜拉吊装的组合式龙门架及施工方法

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