JP3886261B2 - 法面安定化工法および法面独立受圧装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、地滑りや法面の崩壊の防止に使用するグラウンドアンカー工法やロックボルト工法による法面安定化工法およびこの工法に使用する法面独立受圧装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
法面の安定工法としては、グラウンドアンカーやロックボルトを使用した法面滑り防止(法面抑止)工法が一般的である。そのアンカー力の反力に対しては、法面の表面の地耐力に見合った支圧面が必要であり、従来においては、例えばPC(プレキャスト)フレーム工法を採用し、プレキャストコンクリート版を支圧装置として用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のグラウンドアンカー工法やロックボルト工法で使用される支圧装置は、法面を面として考えて、その法面の支持力に見合う支圧面積をもって法面の安定を図るものであることから、次のような問題点があった。
(1) 切土法面はバックホウなどの機械で施工するため、施工精度が悪く、法面表面に凹凸があり、コンクリート支圧版に均等に載荷することができない。
(2) 切土法面上に転石などが点在した場合、ポイント支持になるため、プレキャストコンクリート製品の支圧版は破壊および変圧のためクラックが発生する。
(3) 切土法面に設計アンカー力に見合う支持力が無い場合、その切土法面の支持力に見合うように支圧面積を大きくする必要がある。
(4) 設計アンカー力を受ける切土法面の支圧版は、アンカー力が大きくなればなるほど、支圧面積を大きくする必要ががあり、法面の殆どの部分がコンクリートで覆われ、緑化する面積は激減する。また、現場打ち法枠工法を併用した場合でも、枠の内側は植生が可能であるが、78〜69%程度である。
(5) プレキャストコンクリート製品は、1.3〜5.1tの重量があり、大きい揚重機が必要となるため、施工は大がかりとなる。
【0004】
本発明は、このような問題点を解消すべくなされたもので、その目的は、法面の安定を図るためのグラウンドアンカー工法やロックボルト工法において、法面の施工の悪さや転石の存在の有無に左右されることなく均一な支持力を得ることができると共に、グラウンドアンカー類の受圧装置を小型化でき、ほぼ全体を緑化した自然に近い法面を創造することができ、軽量化による施工コストの低減を図ることができ、さらに法面の補強および崩壊防止を図ることのできる法面安定化工法および法面独立受圧装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の法面安定化工法は、法面の滑り(円弧滑りや複合滑り等)に対してグラウンドアンカー類(グラウンドアンカーやロックボルト等)で抵抗する法面滑り防止工法において、グラウンドアンカー類を法面に点在するように施工した後、このグラウンドアンカー類の施工位置に配設される、複数本の支持杭と受圧部材からなる法面独立受圧装置の前記支持杭を土中に打設し、前記支持杭の法面表面から突出する端部に前記受圧部材を取り付けることにより前記受圧部材を法面表面との間に隙間をおいて設置し、法面表面から浮いた状態で支持された前記受圧部材に対して前記グラウンドアンカー類を緊張して定着させることにより、グラウンドアンカー類のアンカー力を前記受圧部材および支持杭を介して地中に伝達し、前記支持杭により土中でアンカー反力を支持することを特徴とする(請求項1)。また、前記の法面安定化工法において、各法面独立受圧装置間には植生工(草や木など)を施す(請求項2)。
【0006】
本発明の法面独立受圧装置は、法面の滑り(円弧滑りや複合滑り等)に抵抗する法面滑り防止工法におけるグラウンドアンカー類(グラウンドアンカーやロックボルト等)の施工位置に配設される法面独立受圧装置であり、グラウンドアンカー類の回りに法面表面から支持杭端部が突出するように打設される複数本の支持杭と、この支持杭の法面側の端部に取付けられることにより法面表面との間に隙間をおいて設置され、法面表面から浮いた状態で前記グラウンドアンカー類が緊張定着されることにより、グラウンドアンカー類のアンカー力を前記支持杭を介して地中に伝達する受圧部材(鋼製やコンクリート製等の受圧プレート)とを備えていることを特徴とする(請求項3)。
【0007】
前記法面独立受圧装置において、支持杭は、掘削孔に杭本体(鉄筋または鋼棒アンカー)を挿入した後、掘削孔の先端部内にグラウト材を充填して構成する(請求項4)。また、必要に応じて、掘削孔の先端部に拡底部を形成し、支持杭の先端部に補強配筋を設ける(請求項5)。
【0008】
本発明において、受圧部材は、法面表面との間に隙間をおいて設置される部材とするが、裏面が法面表面に当接する平板状の支圧板とすることも可能である。なお、受圧部材の形状は平面視でグラウンドアンカーやロックボルト等の伝達管が中央に位置し、ここから複数の脚板が放射状に突出する星状とするのが法面を覆う面積が少なくなるため好ましい。
【0009】
以上のような構成において、▲1▼ 法面滑り防止工法におけるグラウンドアンカーやロックボルト等のアンカー力を、従来のPCフレームのプレキャストコンクリート製品等のように法面上で受けるのではなく、複数本の支持杭の杭支持により地中に伝達するため、従来のような大きな支圧板は必要なくなり、法面表面には支持杭のみが突出するため、法面の95%以上を緑化することができる。
【0010】
▲2▼ 法面独立受圧装置は複数本の支持杭と受圧プレートからなり、アンカー類を受圧プレートを介して支持杭により杭支持するようにしたことで、従来のような大きな支圧板が不要となり、受圧装置の軽量化を図ることができ、施工能率の向上、施工コストの低減を図ることができる。
【0011】
▲3▼ 複数本の支持杭を有する法面独立受圧装置が法面全体に均等に点在配設され、法面に多数の支持杭が打設されることにより(剣山効果)、法面が所定深さにわたって補強され、崩壊防止が可能となる。さらに、法面のほぼ全面に施工される植生工の根絡みと相まって、より強力な崩壊防止層を形成することができる。
【0012】
▲4▼ 土の切り取りによる応力解放によって法面表層にゆるみが発生するが(リバウンド現象)、法面独立受圧装置は、ゆるみ部分の土を抑えるのではなく、杭として土中でアンカー反力を支持するため、ゆるみが発生していない地中に確実にアンカー力を伝達することができ、切土法面に地耐力が無い場合にも、従来のように受圧面積を大きくすることなく、通常の大きさの法面独立受圧装置を設置することができ、また均一な支持力を得ることができる。
【0013】
▲5▼ 杭支持により地中にアンカー力の反力をとるため、切土法面に転石等があっても影響を受けることがなく、均一な支持力を得ることができると共に、施工を迅速に行うことができ、また受圧装置が破壊したり損傷する恐れがない。
【0014】
▲6▼ 受圧プレートを複数本の支持杭で支え、グラウンドアンカーやロックボルト等によるアンカー力を分担するため、支持杭の数や太さなどを変えることで、種々のアンカー力に柔軟に対応することができる。
【0015】
▲7▼ グラウンドアンカーやロックボルト等の設計アンカー力が大きく、通常の太さの支持杭では支持力が足りない場合には、支持杭の先端に拡底部を形成し、この拡底部に補強配筋を設けることで、設計アンカー力に抵抗する支持力を得ることができ、従来のように受圧面積を大きくすることなく、地上部はそのままで対応することができ、設計アンカー力の大小に左右されることなく、常に95%以上の緑化面積を確保でき、また軽量な装置とすることができる。さらに、設計アンカー力が大きい場合は拡底部の径を大きくし、設計アンカー力が小さい場合は拡底部の径を小さくすればよく、一つの法面独立受圧装置で幅広い範囲の設計アンカー力に適用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明に係る法面独立受圧装置の1例を示したものである。図2は図1の法面独立受圧装置の支持杭における補強配筋の1例を示したものである。図3は補強配筋の他の例を示したものである。図4は本発明に係る法面安定化工法による法面の植生前と植生後の状態を示したものである。
【0017】
図1において、本発明の法面独立受圧装置(三脚状のトライパッドアンカー)1は、グラウンドアンカーまたはロックボルトAの施工位置に配設される3本の支持杭(アンカー)2と、この支持杭2の法面表面から若干突出する端部に取付けられてグラウンドアンカーまたはロックボルトAの定着を行なう受圧プレート(パッド)3から構成されている。
【0018】
支持杭2は、グラウンドアンカーまたはロックボルトAを中心とする同一円上に等間隔をおいて穿設される深さ1m程度の掘削孔4と、この掘削孔4内に挿入される鉄筋または鋼棒アンカー5と、掘削孔4の先端部に掘削刃の拡径により形成される拡底部6と、鉄筋または鋼棒アンカー5の先端部に設けられる補強配筋7と、掘削孔4の先端部内に充填されるグラウト材(セメントミルクやセメントモルタル等)8から構成され、鉄筋または鋼棒アンカー5の先端部に補強鉄筋7とグラウト材8により拡底支持根9が形成される。なお、斜面下側に2本の支持杭2が位置するように3つの掘削孔4を削孔するのが好ましい。
【0019】
拡底部6および補強配筋7は、設計アンカー力が大きい場合に設けられるものであり、補強配筋7は、図2に示すように、拡底部6内で拡径するような構成とするのが好ましい。即ち、補強配筋7の先端側の一対の鉄筋7a、7aをヒンジ部材7bで連結すると共に、各鉄筋7aの他端をリング部材7cにヒンジ部材7bにより接続して外側に向かって折り曲げ可能とし、リング部材7cを最先端のリング部材を除いて三角形状の取付部材7dにより鉄筋または鋼棒アンカー5に固定する。
【0020】
後述するように掘削孔4内に鉄筋または鋼棒アンカー5を挿入していき、補強配筋7の先端が拡底部6の底面に当接し、さらに鉄筋または鋼棒アンカー5が進入すると、一対の鉄筋7a、7aが外側に折曲して拡径する。これにより、支持杭2の支持力が増大する。なお、この補強配筋7は、これに限らず、例えば図3に示すようなスバイラル鉄筋、その他の構成でもよい。また、鉄筋または鋼棒アンカー5は、セット後に法面表面から若干突出する長さとする。
【0021】
受圧プレート3は、鋼板あるいは鋳物による鋼製部材であり、グラウンドアンカーまたはロックボルトAの伝達管10と、3本の支持杭2に取付けられる法面に垂直の3つの脚板11から平面視で星状に形成され、平面視で脚板11、11間には空間が形成され、ここに植生を施すことができ、法面全体をほぼ緑化できるような形状とされている。
【0022】
また、各脚板11の先端部の下面に、支持杭2の鉄筋または鋼棒アンカー5の法面側の端部が係合される断面コ字状等の鋼製の杭受け金具12が固定され、3本の支持杭2に法面表面から浮いた状態でセットされる。また、伝達管10の上面にはグラウンドアンカーまたはロックボルトAの鋼製の上部伝達板13がセットされ、伝達管10の下面には鋼製のガイド管14が固定されている。なお、受圧プレート3は鋼製部材が好ましいが、これに限らず、コンクリート製、その他の材料でもよい。また、受圧プレート3の形状も星形が好ましいが、その他の形状でもよい。
【0023】
以上のような構成の法面独立受圧装置1を使用して次に示すような順序で法面の施工を行なう。なお、これは3本足のトライパッドアンカーで拡底部を設ける場合である。
【0024】
(1) ロータリーパーカッションドリル等により法面を削孔し、この孔内にグラウンドアンカーまたはロックボルトAを挿入し、グラウトを注入して地中先端側を定着する。グラウンドアンカーまたはロックボルトAは、法面の縦方向および横方向に等間隔をおいて点在するように配設する(図4参照)。
【0025】
(2) 同じロータリーパーカッションドリル等を用いて、設置されたグラウンドアンカーまたはロックボルトAの回りに3つの掘削孔4(例えば、φ150mm、深さ1m)を削孔する。ここで、削孔に際しては、φ150mmのケーシングを地中に1m貫入させ、ドリルの先端をケーシング先端より30cmほど先行削孔し、ドリル先の拡底用の掘削刃を広げて所定の拡大径の拡底部6を形成する。なお、水もしくはエアにより掘削土砂を排除しながら削孔を行うが、拡底部6の孔壁崩壊に注意する。
【0026】
(3) 掘削孔4の削孔完了後、先端部に補強鉄筋7が一体的に設けられている鉄筋または鋼棒アンカー5を掘削孔4に挿入し、補強鉄筋7が図2の拡径鉄筋の場合には、先端側鉄筋を拡径し、掘削孔4の先端部内にグラウト材8を注入して鉄筋または鋼棒アンカー5の先端部を固定する。この際、鉄筋または鋼棒アンカー5の法面側には適宜の固定器具を設け、この固定器具により鉄筋または鋼棒アンカー5の位置や高さの調節を行って前記固定を実施し、鉄筋または鋼棒アンカー5の法面側を所定の位置に位置決めすることにより、次工程の受圧プレート3の設置を容易に行えるようにする。
【0027】
(4) 以上により支持杭2が完成し、グラウト材8の強度の発現を待ち、法面から突出する支持杭2の先端に受圧プレート3をセットする。この際、先行施工されたグラウンドアンカーのストランドやロックボルトの鋼棒が受圧プレート3の伝達管10の中心に位置するように受圧プレート3を設置する。
【0028】
(5) 受圧プレート3の上部伝達板13にアンカーヘッドを取付け、緊張ジャッキによりストランドまたは鋼棒を緊張してアンカーヘッドに定着させることで、ストランドまたは鋼棒に対して設計アンカー力を導入する。
【0029】
(6) グラウンドアンカー工法のストランドまたはロックボルト工法の鋼棒の防錆のために、上部伝達板13に形成されている孔から防錆材を注入する。
(7) 図4に示すように、法面に植生工Bを施工する。本発明の3本杭の法面独立受圧装置(トライパッドアンカー)1は、平面視が星形であると共に、杭支持としたことで受圧板が不要となるため、法面を占有する面積が極端に少なく、法面の緑化面積を95%以上とすることができる。
【0030】
また、グラウンドアンカーまたはロックボルトAにより法面の円弧滑りや複合滑りが防止されると共に、支持杭2による法面の補強(剣山効果)と植生工Bの根絡みとによって、法面表面から1m程度の法面崩壊防止層Cが形成され、法面の小崩壊が防止される。
【0031】
また、受圧プレート3を法面表面から離し、支持杭2による杭支持で地中にグラウンドアンカーまたはロックボルトAの反力をとるため、転石が点在する切土法面や地耐力の無い切土法面に対して、設計アンカー力に見合う受圧面積を確保する必要がないので、切土法面の殆どのエリアで施工精度の影響を受けない。
【0032】
また、従来のプレキャストコンクリート製品の重量が1.3〜5.1tであるのに対して、本発明の鋼製の受圧プレート3の重量は150〜270kg程度であり、大幅に軽量化を図ることができ、また施工はバックホウ程度の重機で可能となり、専用大型揚重機の使用は必要ないため、施工コストの低減・施工能率の向上を図ることができる。
【0033】
なお、以上の図示例では、受圧プレート3を法面表面から離してセットする法面独立受圧装置について説明したが、受圧プレート3を鋼製やコンクリート製の平板状の支圧板として法面表面を支圧するようにしてもよい。この場合、切土法面の施工精度の影響を若干受けるものの、支持杭2による法面の補強効果に受圧プレート3による支圧効果をプラスすることができる。
【0034】
また、以上は、3本の支持杭2を有するトライパッドアンカーについて示したが、これに限らず、アンカー力等に応じて2本の支持杭、あるいは4本以上の支持杭2としてもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、法面の滑りに対して抵抗するグラウンドアンカー類を法面に点在するように施工した後、このグラウンドアンカー類の施工位置に、複数本の支持杭と受圧部材からなる法面独立受圧装置を配設し、グラウンドアンカー類のアンカー力を前記受圧部材および支持杭を介して地中に伝達するようにしたため、次のような効果を奏することができる。
【0036】
(1) グラウンドアンカーやロックボルト等のアンカー力を、従来のPCフレームのプレキャストコンクリート製品等のように法面上で受けるのではなく、複数本の支持杭の杭支持により地中に伝達するため、従来のような大きな支圧板は必要なくなり、法面表面には支持杭のみが突出するため、法面の95%以上を緑化することができ、環境と景観を考慮した補強・崩壊防止法面を創造することができる。
【0037】
(2) 支持杭と受圧プレートによる杭支持としたことで、従来のような大きな支圧板が不要となり、受圧装置の軽量化を図ることができ、施工能率の向上、施工コストの低減を図ることができる。
【0038】
(3) 法面に多数の支持杭が均等に打設されることにより(剣山効果)、法面が所定深さにわたって補強され、崩壊防止が可能となる。さらに、法面のほぼ全面に施工される植生工の根絡みと相まって、より強力な崩壊防止層を形成することができる。
【0039】
(4) 土の切り取りによる応力解放によって法面表層にゆるみが発生するが(リバウンド現象)、法面独立受圧装置は、ゆるみ部分の土を抑えるのではなく、杭として土中でアンカー反力を支持するため、ゆるみが発生していない地中に確実にアンカー力を伝達することができ、切土法面に地耐力が無い場合にも、従来のように受圧面積を大きくすることなく、通常の大きさの法面独立受圧装置を設置することができ、また均一な支持力を得ることができる。さらに、地耐力不足による沈下による影響を受けないばかりか、アンカー類の沈下にも追従する利点がある。
【0040】
(5) 杭支持により地中にアンカー力の反力をとるため、切土法面に転石等があっても影響を受けることがなく、均一な支持力を得ることができると共に、施工を迅速に行うことができ、また受圧装置が破壊したり損傷する恐れがない。
【0041】
(6) 受圧プレートを複数本の支持杭で支え、グラウンドアンカーやロックボルト等によるアンカー力を分担するため、支持杭の数や太さなどを変えることで、種々のアンカー力に柔軟に対応することができる。
【0042】
(7) グラウンドアンカーやロックボルト等の設計アンカー力が大きい場合には、支持杭の先端に拡底部を形成し、この拡底部に補強配筋を設けることで、設計アンカー力に抵抗する支持力を得ることができ、従来のように受圧面積を大きくすることなく、地上部はそのままで対応することができ、設計アンカー力の大小に左右されることなく、常に95%以上の緑化面積を確保でき、また軽量な装置とすることができる。さらに、設計アンカー力が大きい場合は拡底部の径を大きくし、設計アンカー力が小さい場合は拡底部の径を小さくすればよく、一つの法面独立受圧装置で幅広い範囲の設計アンカー力に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の法面独立受圧装置の一例であり、(a) は法面に設置した状態を示す法面の断面図、(b) は装置の平面図、(c) は装置の側面図である。
【図2】本発明の法面独立受圧装置の支持杭の一例を示す打設状態の断面図である。
【図3】本発明の法面独立受圧装置の支持杭の補強配筋の異なる他の例を示す法面の断面図である。
【図4】本発明に係る法面安定化工法による法面の植生前と植生後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
A……グラウンドアンカーまたはロックボルト
B……植生工
C……法面崩壊防止層
1……法面独立受圧装置
2……支持杭
3……受圧プレート
4……掘削孔
5……鉄筋または鋼棒アンカー
6……拡底部
7……補強配筋
7a…鉄筋
7b…ヒンジ部材
7c…リング部材
7d…取付部材
8……グラウト材
9……拡底支持根
10……伝達管
11……脚板
12……杭受け金具
13……上部伝達板
14……ガイド管
Claims (5)
- 法面の滑りに対してグラウンドアンカー類で抵抗する法面滑り防止工法において、グラウンドアンカー類を法面に点在するように施工した後、このグラウンドアンカー類の施工位置に配設される、複数本の支持杭と受圧部材からなる法面独立受圧装置の前記支持杭を土中に打設し、前記支持杭の法面表面から突出する端部に前記受圧部材を取り付けることにより前記受圧部材を法面表面との間に隙間をおいて設置し、法面表面から浮いた状態で支持された前記受圧部材に対して前記グラウンドアンカー類を緊張して定着させることにより、グラウンドアンカー類のアンカー力を前記受圧部材および支持杭を介して地中に伝達し、前記支持杭により土中でアンカー反力を支持することを特徴とする法面安定化工法。
- 請求項1に記載の法面安定化工法において、各法面独立受圧装置間に植生工を施すことを特徴とする法面安定化工法。
- 法面の滑りに抵抗する法面滑り防止工法におけるグラウンドアンカー類の施工位置に配設される法面独立受圧装置であり、グラウンドアンカー類の回りに法面表面から支持杭端部が突出するように打設される複数本の支持杭と、この支持杭の法面側の端部に取付けられることにより法面表面との間に隙間をおいて設置され、法面表面から浮いた状態で前記グラウンドアンカー類が緊張定着されることにより、グラウンドアンカー類のアンカー力を前記支持杭を介して地中に伝達する受圧部材とを備えていることを特徴とする法面独立受圧装置。
- 請求項3に記載の法面独立受圧装置において、支持杭は、掘削孔に杭本体を挿入した後、掘削孔の先端部内にグラウト材を充填して構成されていることを特徴とする法面独立受圧装置。
- 請求項4に記載の法面独立受圧装置において、掘削孔の先端部に拡底部を形成し、支持杭の先端部に補強配筋を設けたことを特徴とする法面独立受圧装置。
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